ケルベロス・ウォー⑤〜凍結合戦
●グリモアベース
2025年5月はケルベロス・ウォーの戦争。
「おっかない戦いが始まったの!みんな!力を貸して!」
そう言いながらポーラリア・ベル(冬告精・f06947)がグリモア猟兵を招集した。
今回の戦争のボスは最初からビルの向こうに見えるくらいでっかく襲撃を始めているが、無敵の防護がある為猟兵ですら攻撃出来ない。
これは周囲の戦場でドンパチやる事で、|決戦配備《ポジション》というなんかアレなのが建造され、防護を打ち破る事ができるという。
大事の前の小事。何なら襲撃をかけてきたのは|十二剣神《ボス》だけではない。
配下の敵もやっつけるのだ。
●
「それで今回の戦場なのだけど」
ポーラリアが言うと部屋に設置した特設巨大スノードームに映像を映し出す。
ケルベロス・ディバイドの世界の街々を凍らせて回っている敵性アイスエルフの姿だ。
しかもなんか全身にパワードアーマーの様な機械装備をして、強力なアイスブレスや吹雪を放っているではないか。
「これに対抗して、|猟兵《イェーガー》側もアイスエルフを起用するんだって!」
きらきらとした氷雪を纏う、美しい姿の女性の方々が既に街中で配置についている。
「うん、アイスエルフさんは味方側になった方も敵側になった方もいるの。」
他の猟兵が調べた話では、どうも敵のパワードアーマーは外部からの過剰な冷気に弱いらしく、味方側のアイスエルフの使う冷気によって凍らせ、動きを止める事ができる様だ。
「というわけで、味方も相手もかちこちに凍らせちゃう凍結合戦な戦場にこれからみんなを放り込むわ!準備は良い?防寒対策は済んだ?」
ポーラリアが冬告げのベルを鳴らし、転送の光を展開していく。
「ここを制圧すれば遠距離支援ができるんだって!頑張ってねー!」
古塔
古塔MSです。宜しくお願いします。
目的:敵のアイスエルフを倒す。
●情報
キャバリアくらいのデカさした、パワードアーマーに身を包んだアイスエルフが、街中を凍らせています。倒してください。
(アイスエルフとは、溶けない氷を生やしたエルフです。冷気を操ります。)
(パワードアーマーの力で、相手のステータスやユーベルコードは字面以上にパワーアップしています。)
パワードアーマーに身を包んでいないアイスエルフが、特別な『凍結魔法陣』を展開したり、超低温のアイスブレスを敵アイスエルフにかけようとしています。
これだけで倒す事は出来ませんが、相手のパワードアーマーは凍って動きが止まります。
上手い事利用して倒しに行ってください。
もしあなたがケルベロスディバイド出身の猟兵であれば、かつてアイスエルフが使っていた技を味方アイスエルフにリクエストしても良いです。
もしあなたが冷気を使うのであれば、強力な冷気で敵アイスエルフを凍らせに行っても構いません。
つまり、凍結合戦です。
(プレイングボーナス:アイスエルフと協力して戦う/冷気を利用して超機械兵器を無力化する。)
第1章 集団戦
『アイスエルフシャーマン』
|
POW : スノウスピリット
レベル×1体の【雪ダルマに似た「氷の精」】を召喚する。[雪ダルマに似た「氷の精」]は【氷】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : クリスタライズシュート
【触れたものを凍らせる氷の魔法】を宿した【氷結輪】を射出する。[氷結輪]は合計レベル回まで、加速・減速・軌道変更する。
WIZ : 氷の吐息
【口】から【全てを凍てつかせる冷たき吐息】を放ち、【状態異常:氷】と【状態異常:足止め】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:田村田楽
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
早門瀬・リカ
アイスエルフを守りに来たはずが
アイスエルフと戦う事になるとはね。
敵味方の区別はつかないようには注意するよ。
冷気合戦に持ち込むのがいいかな。
味方のアイスエルフの力を借りるとするよ。
掌に冷気を纏わせて螺旋爆散掌を叩き込むよ。
使えるなら氷も足場にして動き回って撹乱しようか。
懐に入り込めたなら相手のパワードスーツごと、凍結させたところを
螺旋エネルギーで粉砕しよう。
溶けなくても砕いてしまえば関係ないからね。
敵が放ってくる氷結輪や氷の吐息は軽業で回避して僕自身が
凍らないようには注意するよ。
風魔幻舞刃や斬霊刀《影渡》の刃で氷も切り裂ければだね。
「装備に頼ったのが仇となったようだぞ」
アドリブ、連携歓迎
●
「アイスエルフを守りに来たはずが、アイスエルフと戦う事になるとはね。」
少女と間違われる様な凛とした顔立ちの忍者少女、早門瀬・リカ(星影のイリュージョニスト・f40842)が現場に駆け付けた。
アイスエルフはかつてエインヘリアルによって敵対されていた事がある。
今街を襲っているアイスエルフは、ケルベロス(※この世界の猟兵)側に回る事無く、終始エインヘリアル側で戦っていた者達の様だ。
「仕方ない、割り切れない所もあるけど……情報的に、冷気合戦に持ち込むのがいいかな。」
凍てついた街に忍者と、雪女の様なアイスエルフ達が、機械に身を包んだアイスエルフへと突撃する。
「力を借りるよ。」
アイスエルフ達が祈り、放つ氷の精(見た目は宙に浮く小さな雪だるま)が、リカの周囲に纏うと、冷気がリカの身体を迸る。
それはどこか心地良く、力を与えるものだった。
敵側の、機械に身を包んだアイスエルフの、巨大な氷結輪が放たれる。
街を凍てつかせながら回転してリカに迫るそれを。
「まずは試すか。」
構えて放つ、螺旋爆散掌で迎撃する。
掌を突き出して放つ螺旋を描いたエネルギーが、冷気となって凍てつき、回転する巨大氷結輪の回転を相殺しながら、その場に凍り付かせて止める。
「よし、この調子で」
リカは氷結輪を足場に飛ぶ。
続けて敵アイスエルフが、地面から突き出す巨大アイススパイクを、蹴って飛び、更に放ってきた氷結輪を、螺旋爆散掌で相殺し、凍てつかせた後、更に蹴って飛ぶ。
敵アイスエルフが目前にまで迫る。
その時、敵は機械と直結して魔力を高め、巨大な氷の吐息をリカに向けて吹きかけた!
「せっかくだし、一度真似事をしてみるか!」
氷の精の力を借り、氷の力と螺旋エネルギーを込めた吐息を……吹きつける!
ぶつかり合う吐息。威力としては相手のアイスエルフの方が強大。
だがリカの螺旋エネルギーを込めた吐息は、吐息の冷気をねじる様に拡散させ、消し飛ばす!
「一撃!」
懐に飛び込んだリカは氷の力を込めた螺旋爆散掌でアイスエルフの胸元を掌打!
内側から凍てついた敵アイスエルフのパワードアーマーは脆くなる!
パワードアーマーのせいで敵は小回りが利かぬのだ!
「二撃!」
そこへリカは風魔幻舞刃と斬霊刀《影渡》の二刀流を敵の胸元に差し込み、切り裂きながら飛ぶ!
「装備に頼ったのが仇となったようだぞ」
――両断され、崩れ落ちるアイスエルフを一瞥しながら、リカは更に他の敵へと向かっていった。
大成功
🔵🔵🔵
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
アイスエルフちゃん達と協力して戦うよ♪
皆で冷気を放ってパワードアーマーを無力化したら、【集団戦術】や【連携攻撃】で敵を倒すね♪
UCは『クローネちゃんのアイスエルフ軍団★』
アイスエルフ軍団を召喚して、氷結輪による【武器を投げつける】攻撃と冷気の【ブレス攻撃】で戦ってもらうよ♪
クローネちゃん自身はガンナイフの射撃で攻撃するね♪
敵の攻撃は【第六感/見切り/身かわし】で避けるよ♪
…あっ、氷の精をちょっと撃ち漏らして…うわあぁぁ…★(凍りつく)
●
「よーし♪アイスエルフちゃん達と協力して戦うよ♪」
黒きタールの女性の猟兵、クローネ・マックローネ(闇と神を従える者・f05148)がやってきた。
「今回は現地のアイスエルフも一緒だね♪」
ユーベルコードで、凍てつく街に凍てつく少女が召喚されていく。
アイスエルフだ。その数164体。中隊規模である。
但し他の真っ白な肌を持つアイスエルフとは違い、クローネのアイスエルフの肌は黒かった。
「さあ♪クールなみんなで敵のアイスエルフを凍らせていくよ★」
白いアイスエルフと、黒いアイスエルフが、氷結輪を一斉に投げ放つ。
だがよく見て見れば、敵アイスエルフ達は街に巨大な氷の要塞を作っていた。
パワーアーマーで生み出した巨大な雪だるま型の氷の精『スノウスピリット』達によって、瞬く間に猟兵への迎撃準備を済ませていたのだ。
氷の要塞から、大砲の如く氷結輪を放ち、アイスエルフ達の氷結輪を破砕していく。
クローネとアイスエルフ軍団は破砕の煙に紛れて突撃していく。
「ちょっとびっくり★籠城戦だね♪」
氷の要塞からスノウスピリットの軍勢が飛び出て、懐に入ろうとするクローネ達を止めようとする。
「丸ごと凍ってもらおうかな★」
味方のアイスエルフ達は一斉に氷の吐息、という名の巨大な冷凍ブレスを吹き放つ。
巨大な冷気の奔流が、向かってきたスノウスピリット達を巨大な氷塊に閉じ込めた。
スノウスピリットの数に対しクローネのアイスエルフ軍勢は倍以上存在する。力押しの勝利だ。
「このまま、どっかーんだよ♪」
クローネは怪力で無理矢理スノウスピリット達の氷塊を蹴り飛ばし、要塞の門にぶつけ、破壊した。
●
中で待ち伏せる様に迎撃を開始する敵アイスエルフ達。
「関節に露出した頭に……色々隙だらけだよ★」
先陣を切ったクローネはその液体な体内からガンナイフを取り出して、敵アイスエルフの弱点となる所を次々と撃ち壊していく。
パワードアーマーの関節に当たったアイスエルフはパワードアーマーが爆散し、動きを止めたとこで味方アイスエルフ達の氷の吐息で凍らされていく。
頭に命中したアイスエルフは黒いタールの様な液体が貼り付き、視界と身動きが取れなくなっている間に氷結輪で切り裂かれて倒れていく。
「このまま要塞を崩落させて……あっ♪」
クローネに後ろから取りつく者がいた。先の場面で凍らせ切れていなかったスノウスピリットだ。
「…あっ、氷の精をちょっと撃ち漏らして…うわあぁぁ…★」
スノウスピリットは零距離からクローネにアイスブレスを放ち……。
かくして氷の要塞は――強固故に破砕しきれなかったが――通り道を貫通するように城門と裏口を開け、味方アイスエルフ達の拠点と化した。
打ち倒した敵アイスエルフの最中に、凍てついたクローネの氷像。
アイスエルフ達は凍ったクローネを丁寧に持ち上げると、一旦後方のメディックまで運んでいく事にしたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
【氷花】
南瓜行列2021のケセランパサラン仮装着用
防寒に丁度いいんだ
氷魔法は使えるけど、シャオさんの方が専門だから
代わりに破壊役します
綺麗な女性に、申し訳ないとは思うけどね
自身に炎魔法の魔力を編み込んだオーラ防御を纏いながら
翼の空中戦をすることで暖を取りつつ一定距離を取ります
催眠術を乗せた歌唱をマイクで響かせる事で敵の動きを鈍らせ隙作り
高速詠唱で氷魔法の属性攻撃、範囲攻撃で少しでも凍結のお手伝い
そして動きを封じられた相手に対して紅色鎌鼬発動
怒りは無いけど…敵としてここにいる以上
敵意は切り離せないものだからね
ごめんね
増殖させた鎌を空中で自在に操ることで
敵の集団に対してまとめて薙ぎ払い、範囲攻撃
シャオ・フィルナート
【氷花】
自身の性質上元々持ってる寒冷適応、氷結耐性で環境に適応
今回は素早さを重視して罪咎の剣を扱う代わりに
剣には氷の魔力を乗せておく
暗殺で鍛えた早業と身軽さで一瞬で死角に入り込みながら
味方のアイスエルフにより凍結済みの敵の首や心臓など
急所を狙って薙ぎ払ったり突く死角攻撃、首狩り
凍結前の相手には短剣に乗せた氷の魔力と
UC『凍蒼の芸術』による凍結攻撃でまず動きを封じてから
破壊狙い
俺のこのUC…即死系じゃないけど
あんた達を無意味に時間かけて追い詰める必要は無いし
そういう趣味も無いから…
代わりに直接、仕留めてあげる…
澪さんもいるしね…
※言葉遣い自体は~だよ、~だね系で柔らかいが
…を多用した寡黙なタイプ
●
敵アイスエルフの力によって凍てついた街に、雪が降り始めた。
「はーっ、寒いね。この服着込んで正解だったよ。」
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は、白い天使の様なもこもこドレス衣装に身を包んでいる。
ハロウィンの時に仕立てた、ケセランパセランの仮装衣装。
とてももこもこふわふわしていてタイツで露出した肌も完璧。
流石にお顔まで真っ白なメイクまではしていない。防寒の為である。
「そう…なんだ……暖かそう…だね…」
そんな澪と一緒にやってきたのは、シャオ・フィルナート(悪魔に魅入られし者・f00507)。
どこか冷たき氷花の様な雰囲気を漂わせるシャオは、自身の持つ性質により寒冷地は慣れていた。
「氷の申し子みたいなシャオさんもいいね。今日は専門家のシャオさんを全力で頼りにしてるからね。」
「…わかった…」
「その代わり僕は破壊役に回るのです。フリーズ&スクラップ。世界観的にフリーズ&クラッシュ的な?……綺麗な女性に、申し訳ないとは思うけどね」
「…そういうの…あまり戦場では…ううん…そういう所…澪さんの良い所……」
そうして二人はアイスエルフの軍勢へと突撃していった。
澪は魔力を練って炎のオーラバリアを纏い、更に翼を広げて空を飛ぶ。
「あ、空中だとちょっと暖かいかも。相手は地上で冷やしてるばっかりだもんね。」
地上では氷の魔力を纏った剣で、氷上を滑るよりも速くシャオの剣閃が、敵アイスエルフの死角へと回り込み、切り裂いていく。
急に身体を斬られ、凍てついていくアイスエルフ。蒼き氷の閃光に気を取られる。
その隙に、空からセイレーンの様な歌声が響いた。
オラトリオのシンフォニアたる、澪の歌声だ。
雪の空に翼を広げ歌うその姿は、冬の天使と言う他に言葉が無い。
くらりと身体を傾け、隙が出来たアイスエルフ達に、シャオのユーベルコードが差し込まれていく。
「氷漬けの本当の恐怖、教えてあげるね」
首、心臓。
斬られた所から本格的に、氷の妖精族たるアイスエルフが凍っていく。
凍てつく芸術へと身を変え果てていく。
「俺のこの力…即死系じゃないけど…あんた達を無意味に時間かけて追い詰める必要は無いし…そういう趣味も無いから…」
パワードアーマーの内外から完全に氷で動きを止められていくアイスエルフ達。
そんなシャオの攻撃を止めようとすると、後ろから氷の矢が撃ち込まれ、別方面から凍てついていく。
澪による援護攻撃だ。
戦場は完全に凍り付いたアイスエルフ達で埋め尽くされた。
そんなアイスエルフを、向かってきた敵を、二人は容赦なく破壊していく。
「怒りは無いけど…敵としてここにいる以上、敵意は切り離せないものだからね」
澪の紅色鎌鼬が、美しき紅き残光を残して、氷像と化したアイスエルフを裂き砕いていく。
その後ろで氷が砕ける音。
自力で氷を砕いたアイスエルフが、澪へと氷結輪を放ち抵抗する。
その後ろを、シャオの剣が貫いた。
「代わりに直接、仕留めてあげる…澪さんもいるしね…」
凍り、砕かれていくアイスエルフ。
その姿に澪は静かに目を閉じた。
「ごめんね」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
めっっっっっっちゃ寒い!!!!
防寒具を着こんできているはずなのにそれ以上に寒いのです~!?
あらかじめ召喚したヘリオトロープも防寒具を着こんでいるのですが…
早く何とかしないと周りのように氷像と化してしまいます~!
パワードアーマーの動きは味方が止めてくれてます
ならばヘリオトロープの召喚する凍結能力のスライムでアーマーの隙間に入り込んで中身を凍らせて無力化しちゃいましょう~!
とはいえ、あまり長居はできないのです…何故ならわたしたちの脚は既に凍り付き始めています…
できるだけヘリオトロープにわたしの防寒具を着せて凍結を遅らせていきます…代わりにボクがあっという間に…凍っちゃいます…が…
●
「めっっっっっっちゃ寒い!!!!」
テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は、此度の戦場であったか防寒具に包まれていた。もう初夏も過ぎた春後半というのに。
現在街は雪が降り、ビル群が凍てつく氷の世界である。
……成程無理もない。
「防寒具を着こんできている以上に寒いのです~!?」
ガタブル震えるその頭に白い雪が降り積もる。
「早く何とかしないと周りのように氷像と化してしまいます~!」
「そ、そうだね……これもアイスエルフさんの仕業なんだね……?」
一緒に隣り合って震えるのは、テフラのユーベルコードで召喚された少年ヘリオトロープである。
彼もテフラとおそろいの防寒具を着込んでいる。
そうこうしてる間に敵のアイスエルフ達がテフラ達に迫り来る!
手をかざしてのフリージングブリザードの吹雪がテフラ達に浴びせられ、凍えていく。
「はわわわわわ!」
そこで味方のアイスエルフも駆けつけ、対抗する。
テフラ達の後ろからもフリージングブリザードの猛吹雪が吹きすさぶ。
「ほわわわわわ!」
両側から冷気の嵐をぶつけられ、今にも氷のオブジェ直行間近を迎えた二人だが、これは戦争。
敵アイスエルフが先に凍り始め、動きを鈍らせていく。
「い、今ですヘリオトロープ!」
「や、やってみるよ……!」
ヘリオトロープが氷属性のスライムを召喚し、敵アイスエルフへとけしかけた。
スライムは敵アイスエルフのパワードアーマーの隙間に入り込むと、アーマーの内外から強烈な冷気を発生。
ぴきぴき、ぱきぱき、と、アイスエルフ達が芯から凍っていく。
「よ、よーしししし……この調子でどんどん凍らせていきますよー……!」
●
かくして、約一時間後、凍てつく吹雪の寒さの中、遂に最後の敵アイスエルフが完全に凍り、沈黙した。
「や、やりました……!」
「お、お疲れ……様……!?」
二人の足が、ぐっと力を込めても動かない。
冷気に晒され過ぎて、身体が凍り始めている。
勝利を分かち合う二人は、戦場に長く居過ぎたのだ。
氷が二人の足元から凍てつき始めていく。
「あ、ああ……ヘリオトロープ……どうか……できるだけ……」
テフラは自分の防寒着をヘリオトロープに着せる。
「て、テフラ……!」
寒さに耐える服を脱いだテフラはあっという間に凍てついて、その場から動けなくなってしまう。
「あ、ありが……と……でも……僕……も……」
足が凍っている以上、助けが来なければ末路は同じ。
目に涙を溜めながら、ヘリオトロープも、徐々に身体が凍り付いていき……。
ようやくと味方アイスエルフの吹雪が止み。
天候も雪から、差し込む様な日差しへと変わっていく。
漏れる陽光の下、衣服を差し出したままの姿なテフラと、王様の様に厚着をしながら、感謝で涙をこさえたようなヘリオトロープの氷像が、輝いた。
それはまるで、神話を象ったオブジェの様に、凍てつきながら、この戦場の平和をもたらしているかのようであった。
大成功
🔵🔵🔵