●劣等感は晴れたとて
「『ケルベロス・ディバイド』にて、デウスエクスの統括者『十二剣神』のうち六柱が、総力戦を仕掛けてきました」
そう語るのはグリモア猟兵のムゲン・ワールド(愛に生きたナイトメア適合者・f36307)だ。
「彼らの目的は、特務機関DIVIDE本部『東京タワー』の地下に渦巻く『地球の精髄』だと言う事です。これを奪われれば、地球は遠からず崩壊を迎えるとか」
とムゲンは告げる。
「此度の敵はオブリビオンではありません。多くの大規模戦であったようなフォーミュラ撃破のような明確な勝利を得ることはできませんし、我々猟兵が必ずしも介入すべき事態ではないかもしれません。
それでも……地球の崩壊を防ぐため、そして命を賭して戦う民間人達を守るため、と思う人は是非、力を貸してください」
とはいえ、襲ってくる十二剣神は無敵の『|永遠回廊《グラビティ・ゲート》』で防護し、如何なるユーベルコードでも破れないと言う。
「ですから、立ち向かうためには、この世界の人々が建造する『|決戦配備《ポジション》』が必要です。まずは各『|決戦配備《ポジション》』の準備に協力して下さい。
「今回向かって頂きたいとは、ケルベロス同士の激しい模擬戦にも耐えることの出来る闘技場です」
勿論、闘技場でケルベロス・猟兵同士で戦え、と言うことではない。
「決戦都市をめがけ、異常に巨大化したデウスエクスの一体が進撃してきているのです」
本来であれば危険なところであったが、強靭な肉体を誇る「甲冑騎士」達が力ずくでこれを押し留め、闘技場に追い込むことに成功したのだと言う。
「闘技場内部であれば、都市や住民への被害を気にする必要はありません。『甲冑騎士』と協力しつつ、肉弾戦で巨大デウスエクスの動きを封じつつ、どうにか撃破に持ち込みましょう!」
とムゲンは話を締め括った。
●闘技場の様子
「わははー、大きくなったぞ! もうチビとは言わせないのだ!!」
『『白の簒奪者』ティンカー』が上機嫌で巨大ハンマーを振り回す。
本来背が低く地球人の三分の二程度の身長しかない『ティンカー』は、それが覆ったことで上機嫌で進撃を続けている。
ただ、少々上機嫌すぎて、気が付けば闘技場に押し込められていることに気付いていない。
甲冑騎士が全身防御を発動しながら挑発すると、面白いように『ティンカー』はそちらに攻撃を仕掛ける。
「闘技場に押し込めるのには成功したが、このまま防戦一方では決着がつかん」
決着をつけるにはケルベロス、そして猟兵の協力が必要だ。
メリーさんのアモル
遅れてしまいましたが、戦争の時間だ! こんばんは、アモルです。
●第1章
『『白の簒奪者』ティンカー』との戦闘章です。
甲冑騎士と協力して戦う、巨大デウスエクスに肉弾戦を挑み、動きを封じるなどの行動を取るとプレイングボーナスが得られます。
それでは、頑張っていきましょう!
第1章 ボス戦
『『白の簒奪者』ティンカー』
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POW : バベルブレイカー
単純で重い【超超超巨大ハンマー】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 小さな巨人
自身の【身体能力が10倍】になり、【空中を蹴る】事で回避率が10倍になり、レベル×5km/hの飛翔能力を得る。
WIZ : レイダーズ・ハンズ
自身が【嫉妬心】を感じると、レベル×1体の【簒奪する影の手】が召喚される。簒奪する影の手は嫉妬心を与えた対象を追跡し、攻撃する。
イラスト:nno
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠祭夜・晴也」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
メリーナ・バクラヴァ
身長小さいと大変ですよね。わかる。わかりすぎます……。
(地球人としては150切っちゃうと結構大変なんですよ?お洋服とかサイズないんですよ!!)
さて、まずは甲冑騎士の方々に挟むように陣取って貰うようお願いしますね!
敵さんがあまり回り込まず、私を正面から見据えてくれると【見斬り】的に都合が良いのです。身体の影になった部分から攻撃が出ますからね。
それさえうまくできれば、何が10倍になろうが空中機動が入ろうが上手に反撃してみせましょう!
両手に#22#78の短剣を手に、狙うは脚辺り。動きを阻害することを最優先に。
賤木・下臈
キリスト教における七つの大罪とは即ち、傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、下臈、色欲、暴食、怠惰です。つまり嫉妬に身を焦がしてきたあなたと、下臈の体現者である私は同じ土俵に立っているということです。
「小さな巨人」よ。あなたに「自分より小さい人」との戦いの経験はどれくらいありますか?小さい人を侮ると痛い目に遭いますよ。それはかつてあなた自身が示してきたことでしょう。
ゴリアテを討ったダビデに倣い、古式ゆかしく巨人退治を試みましょう。甲冑騎士の方々は敵の額を狙い、投石を試みてください。この際、私の方を見ないように注意してください。敵は私が引きつけます。そういうわけで烏帽子を脱ぎ、ユーベルコードを発動します。
リリエッタ・スノウ
今度はこっちの戦場のお手伝いだよ。
闘技場に追い込んだ大きくてちっこいのをやっつければいいんだね。
甲冑騎士が挑発している隙に後ろ側に回り込んで攻撃を開始するね。
んっ、リリよりも大きいけど、大きい敵と戦うのもリリには問題ないよ。
【リリ式猟犬乱舞】で、まずはあいさつ代わりに旋刃脚でのかかと落としを叩き込むね。
んっ、今の一撃で少し小っちゃくなったんじゃないかな?
身体能力を上げようとしたらハウリングフィストで打ち消し、逃げようとするなら気咬弾で追い打ちをいれるね。
んっ、大きくなったって自慢してたみたいだけど、ギガンティックに比べたら全然小っちゃかったね。
※アドリブ連携大歓迎
幸・鳳琴
体格については
私もよく劣等感を持っていた部分です
気持ちは分からなくもないですけれども
さぁ気付かぬうちに
闘技場に押し込められた相手を撃破しましょう
甲冑騎士さん達とは積極的に協力
引き続き挑発し注意を惹きつけてもらいながら
私は足元、背後といった死角から攻撃を入れていきますね
功夫と生かした拳と蹴り、
そして黄龍三節棍でのなぎ払いに気功法でのレーザー射撃。
小回りを生かし駆け回り、敵からの
狙いを定ませないようにしつつ戦いますね
相手のハンマーの攻撃は脅威ですが、
あなたにとって狭くなったこの場所では怖くありません!
叩き付けを回避して、必殺の《幸家・醒龍》を叩き込みましょう
これが、ケルベロスの…地球の強さですっ!
真宮・律
ふうん・・・背の小ささにコンプレックスか。まあ、俺の家族は背が高いのがほとんどだしな。気持ちはわかる。
でもな、鍛え方しだいで化けるぞ、小柄の肉弾戦は。小回りきくし、敵の死角に回り込むのも容易だ。まあ、デウスエクスだからそういう考えできないだろうな。いっちょひねってやるか。
火雷の意志発動。敵の攻撃を【迷彩】【心眼】【残像】で凌いで【グラップル】でがっちりおさえこんで投げ飛ばす。もちろん【限界突破】【怪力】付きだ。暴れん坊の子供抑えるのは大変だ。全く。
ああ、追撃はきっちりやるぜ?お仕置きの意味も含めて【電撃】だ!!
「身長小さいと大変ですよね。わかる。わかりすぎます……」
「体格については私もよく劣等感を持っていた部分です。気持ちは分からなくもないですけれども」
と、敵のデウスエクス『『白の簒奪者』ティンカー』に強く同情を示すのはここ『ケルベロスディバイド』とよく似て異なる世界『ケルベロスブレイド』で旅役者として駆け抜けた女性、メリーナ・バクラヴァ(リスタートマイロード・f41008)と、同じく『ケルベロスブレイド』世界で超神機に望み、未来を拓いた少女、幸・鳳琴(精霊翼の龍拳士・f44998)だ。
「ふうん……背の小ささにコンプレックスか。まあ、俺の家族は背が高いのがほとんどだしな。気持ちはわかる」
その様子に小さく頷くのは、元は流浪の傭兵であった魂人の真宮・律(黄昏の雷鳴・f38364)だ。
「今度はこっちの戦場のお手伝いだよ。闘技場に追い込んだ大きくてちっこいのをやっつければいいんだね」
そして、敵の思想などお構いなしにそう戦場についての認識を再確認するのは、対ケルベロス用の暗殺兵器として銃の扱いを徹底的に仕込まれた後、デウスエクスのアジトから救出された幼女、リリエッタ・スノウ(ちっちゃい暗殺者・f40953)だ。彼女の境遇を考えれば、デウスエクス一人一人の事情など知ったことではないと言う考えを持っても不思議ではない。
ケルベロスの増援がやって来たのを確認し、甲冑騎士達が陣形を変える。
「む、新手ね! でも、誰が来ようと関係ない、もうチビじゃないんだもの!」
『ティンカー』が一気に新たの現れたケルベロスの一人、メリーナに突撃する。
これはあえてメリーナが『ティンカー』の正面に布陣したためだ。
既にユーベルコードは発動済み。メリーナは鞘の色で見分けている二本の短剣、#22及び#78を手にしている。
「武器もなしにこの私に勝とうなどとは甘いのだ!」
しかし、『ティンカー』にはそれが見えていない。メリーナの体の影となる位置に納めているのだ。
「見えません? 私からは大筋、見えているのですが♪」
空中を蹴って、一気に『ティンカー』がメリーナの元へ肉薄し、ハンマーが振りかざされる。
発動していたユーベルコード『|見斬り《フルアドリブ》』の効果が発動する。
一瞬のうちに短剣が影から飛び出し、『ティンカー』を切り刻む。
「なっ!?」
予想外の不意打ちを受け、『ティンカー』が怯んだところへ、リリエッタがかかと落としを決める。
「んっ、今の一撃で少し小っちゃくなったんじゃないかな?」
「なっ! もう私は小さくなんてないんだよ!」
『ティンカー』はあっさりとリリエッタの挑発に乗り、再び身体能力を向上させて空中を蹴る。
だが、それより早くリリエッタの「ハウリングフィスト」が炸裂し、向上した身体能力が再度低下する。
「これがリリのコンボだよ。見切られる前にガンガン行くよ」
続く「旋刃脚」が『ティンカー』を麻痺させ、一度距離を取ろうとした『ティンカー』に向けて、追尾弾である「気咬弾」が命中する。
そして、攻撃の回避に必死になり、余裕を失った『ティンカー』は突然話しかけられた言葉が耳に入り、応じてしまう。
「キリスト教における七つの大罪とは即ち、傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、下臈、色欲、暴食、怠惰です。つまり嫉妬に身を焦がしてきたあなたと、下臈の体現者である私は同じ土俵に立っているということです」
「嘘をつくななのだ! そもそも八つあるのだ!」
怪しき言葉に早速敵からツッコミを受けるのはこの世に百人いる「あやしき|下臈《げろう》」のうちの七百二十六番目の個体を自称する賤木・下臈(おいしいクッキーです・f45205)だ。
「『小さな巨人』よ。あなたに『自分より小さい人』との戦いの経験はどれくらいありますか? 小さい人を侮ると痛い目に遭いますよ。それはかつてあなた自身が示してきたことでしょう」
「うるさいのだ! ティンカーはもう小さくないのだ!」
今度はそれなりに真っ当な指摘だったのだが『ティンカー』は聞く耳を持たない。
「ゴリアテを討ったダビデに倣い、古式ゆかしく巨人退治を試みましょう」
しなやかな烏帽子を脱ぎ、その輝く頭が露わになる。
「Humilem Artem Glabram Exclamo【我は喚起する、賤しき不毛の技を】」
その頭部を見た『ティンカー』はその頭部から目が離せない。ユーベルコード『H. A. G. E.』だ。
もし、『ティンカー』が追い詰められていなければ、こうも容易く下臈の頭部を見てしまうことはなかっただろう。だが、それは叶わぬもしもだった。
「このまま敵は私が引きつけます」
そう言って、ハンマーの一撃を回避しながら、後方に飛び下がる下臈の左右にリリエッタとメリーナ。それぞれユーベルコードによる攻撃を続ける。
甲冑騎士達は接近戦を避け、投石による攻撃に移行している。
二人に続いて鳳琴も、気功によりレーザーを放ちながら接近し、拳と蹴り、そして黄龍三節棍による薙ぎ払いをうまく混ぜ合わせ、攻撃に協力する。
「さっきの下臈の指摘は最もだぜ。鍛え方しだいで化けるぞ、小柄の肉弾戦は。小回りきくし、敵の死角に回り込むのも容易だ」
「うるさいのだ! チビじゃないのだ! 小柄じゃないのだ!」
下臈を必死で追い回しながら、律の割と真剣なトーンの言葉に反論する。反論と言うには些か感情的がすぎるが。
「まあ、デウスエクスだからそういう考えできないだろうな。いっちょひねってやるか」
ユーベルコード『火雷の意志』により、燃え上がる雷の炎のオーラが律の戦闘力を増強させる。
その状態で、下臈と『ティンカー』の間に割り込み、律は『ティンカー』をガッチリと押さえ込んで、投げ飛ばす。
『ティンカー』は愚直に下臈を追いかけまわし、武器を振り回しているだけだったので、その動きを読んで、その勢いを利用するのは容易かった。
「なっ!?」
突如として視点が回転した『ティンカー』は何が起こったか分からず、混乱する。
「ああ、追撃はきっちりやるぜ?お仕置きの意味も含めて電撃だ!」
そこへ電撃が放たれる。
全身の筋肉が硬直し、動きが封じられる。
今こそが最大の隙。
「この一撃で、貴方の全てを貫きましょう――勝負です!」
一気に踏み込んだ鳳琴が単純で力に満ちた拳を『ティンカー』に叩き込む。
直後、そこに収束させた龍状の輝く闘気を流し込まれていく。
「これが、ケルベロスの……地球の強さですっ!」
そして、爆発する。『ティンカー』が、である。後には跡形も残らなかった。
「んっ、大きくなったって自慢してたみたいだけど、ギガンティックに比べたら全然小っちゃかったね」
リリエッタがぶっきらぼうに告げる。
そう、猟兵はこれまで散々大きな敵と戦ってきた。中には、大きさと言う最大の違いを全く意に介さない相手すらいた。
それと比べれば、大きさに調子に乗り、大きさを武器にしようとハンマーを振り回すだけの『ティンカー』など、まるで相手にならなかったのである。
この闘技場の敵は倒した。
次の戦場に向かう時だ。
大成功
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