蒼空から魔界へ帰るために
●混沌竜、お空での最後の戦い?
グリモアベース。
「ケルベロス・ウォーで大変な所ちょっと悪いけど、ブルーアルカディアにいるスーパーカオスドラゴンの帰還のお手伝いに力を貸してくれないかな」
ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)というシャチのキマイラがいつも通りの雰囲気のまま、集まった猟兵達にそう切り出した。
「去年あった帝都櫻大戰で多くの協力者がキャンピーくんの力で世界を渡って、そしてそれぞれの方法で帰還しつつある。それでもっと前にブルーアルカディアの世界に転移してたスーパーカオスドラゴンについても周りに迷惑かけずに帰還できる方法が分かったんだ」
スーパーカオスドラゴンの場合、悪魔契約書でいつでも帰れたんだけどその作成に必要な悪魔インクの作り方に問題があったのだとヴィクトルは言う。
「なんでも『極大のカオスを引き起こす』ことでしか悪魔インクは作れないらしいんだ。その極大のカオスの中ではすべてが崩壊を続けるって厄介なもので、インクを精製できてもそんなの残して帰るのはこの世界の住民に迷惑がかかるからできなかったらしいね」
何とも気遣いしてくれるドラゴンだね、とヴィクトルは言いつつ、その極大のカオスを残さずインクを準備する方法の説明に移る。
「まず浮島で待ってるスーパーカオスドラゴンと本気で戦ってインクを精製しつつカオスの混沌領域を発生させる。すると浮島にいたオブリビオンがわらわら出てくるからそれを一切合切全て倒し尽くす。すると混沌領域も一緒に消滅……シンプルでいいよね。でもそこで出てくるオブリビオンは領域に踏み込んだものの内心の脅威、つまりかつての強敵の姿をオーラとして纏う憑装やって襲いかかってくるからちょっと注意が必要かも。一度に精製できるインクは少量だけど大分インクも集まって来てるみたいだし、完璧な内容の悪魔契約書を作成するまでもう一歩って感じがするよ。他の世界を色々助けてくれたスーパーカオスドラゴンが無事に帰還する為にも皆の力を貸して欲しい」
説明を終えたヴィクトルは首にかけていたグリモアを手に取って、転送の準備を始める。
「インクを精製して混沌領域を消滅させられたら近くの浮島で一時過ごすといいと思う。そこには勇士を目指す少年少女が居て、旅人に興味津々なようだからちょっと訓練手伝ったり交流するのもいいかもね。あとは……改めて言っておくけど、悪魔契約書の召喚は抜けがあれば契約書のエネルギーに耐えきれず死んでしまう危険性がある。だから確実安全に故郷に帰れるようにするためにも、頑張ってほしい」
そうヴィクトルは締め括り、鍵ののグリモアを輝かせて猟兵達をスーパーカオスドラゴン待ち構える浮島へと転送したのだった。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
このまま無事に帰れるといいのですが。
第一章は『東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』禍』との戦いになります。
戦場はスーパーカオスドラゴンが目星をつけた周囲から孤立した無人の浮島です。
全力で戦ってカオスの混沌領域を発生させて帰還に使用する悪魔インクをゲットしましょう。
第二章はカオスの混沌領域と化した浮島から次々に湧き出てくるオブリビオンとの戦いになります。
敵は猟兵の思う『かつての強敵』の姿を憑装してその攻撃を模倣して戦うようです。全て撃破できればカオスの混沌領域は消滅します。
第三章は最寄りの浮島で勇士の少年少女と戦闘などの訓練をしてみましょう。
第二章、第三章については断章で冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらもご確認下さい。
また、一つのプレイングで複数のユーベルコードは基本的に描写しませんのでご注意ください(変更不可能部分で複数使用が前提のものは除く)。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 ボス戦
『東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』禍』
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POW : ハイパーカオスチャージ
【カオスで予測不能な軌道を描く】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他のスーパーカオスドラゴン】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : アンリミテッドカオスファング
【三つの頭の牙による連続噛みつき】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : マッドカオスフレイム
自身が【混沌魔法「カオスヘッダー」を発動して】いる間、レベルm半径内の対象全てに【属性を変え続ける混沌の炎】によるダメージか【肉体を癒やす混沌物質】による治癒を与え続ける。
イラスト:カツハシ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ネッド・アロナックス(サポート)
めずらしい そざいはある?
なければ じょうほうを しいれて かえろうかな!
(※セリフはひらがな+カタカナ+空白で話します)
探し物や調べ物は楽しくて得意だよ
"くらげほうき"や"ゆきソリ"で空を飛んだり泳いだりしてヒトや物も運ぶよ
戦闘はサポートに回ることが多いかな
手強い敵は基本隠れながら隙を作って逃げる!
"クリーピングコイン"で物をひっかけて飛ばしたり
"しろくじら"の歌で余所見をさせたりね
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません
あとはおまかせ
よろしくおねがいします!
早乙女・カリン(サポート)
私がアスリートアースのプロバトロワシューター早乙女カリンよ👾
バトロワシューターらしく基本は銃火器を使った中遠距離戦闘を得意とするわ!!
少し本気になった時は体内に蓄積された電気でビリビリ痺れさせちゃうぞ⚡️👾⚡️
戦闘以外でもカリンはゲーム実況なんかで活躍してる人気ストリーマー様ですのでー👾
どんな依頼や案件もNG無しでいっぱい参加出来ちゃいます👾💕
今ならお好きなユーベルコードも使いたい放題だから、プロの力が必要になったらいつでも声かけてね!
●まずは景気よく一発を
『ゲヒャ~ッヒャヒャヒャ! 待ちくたびれたゼェ!!』
言葉の割にどこか浮かれたような雰囲気の混沌竜は、緑の炎を全身に燃え上がらせ既に臨戦態勢の様子だ。
彼の選定したこの浮島は全力で戦っても何一つ問題ない場所。基本的には平地ではあるが、バトロワシューターの早乙女・カリン(PREDATOR Ⅵ・f37832)としては適度に身を隠せる大岩などもあってどう戦えるか中々面白そうな戦場である。
『説明はもう要らねえよナァ!? じゃア、行くゼェ!!』
そう叫んだ緑の混沌竜はその三つ首で猟兵達に噛みつかんと猛突進、連続攻撃に一度捕らわれてしまえばその速度を受けきることは困難だろう。
「おっと あぶない」
そしてその突進を、狙われたネッド・アロナックス(ガムゴム人の冒険商人・f41694)はひらりと宙を舞い回避する。
彼が起動しているユーベルコードは【猫魔法】、纏う猫魔力は物品や装備を壊したり使用不能にできるけれども自身の恵まれた竜の肉体と魔力で戦うスーパーカオスドラゴンには大した攻撃力はない。
しかし時速810キロもの速度で飛び回る彼を捉えることは難しい。一度発動したら止められない欠点を上手く利用して攻撃を凌ぐネッドは、混沌竜がその場から移動しないように強かに陽動し、そして両者から距離を取りつつかりんは地形に身を隠して競技用ショットガンを構えて狙いを定めて。
「すっごいの魅せてあげるわ……!」
ユーベルコード【カ式超電磁砲】、狙い定める時間が長ければ長いほど火力、命中、必殺率が上昇するという力を発動した彼女だが、相手はただでさえ強力なデビルキングワールドの中でも東のラスボスを名乗る程の強力なドラゴン。
一度発射すれば再び一からチャージせねばならない故に、確実に当てられるまで集中せねばならない。
そこに、ネッドがクリーピングコインの群れをばら撒き竜の頭の周囲を飛び回らせ始めた。
キラキラ光る金貨の群れに、竜の三つ首の標的が一瞬バラバラになり胴体部分の動きが停止する。
――今が、チャンス!
「極超音速の雷撃弾、避けられるかなぁ?」
電磁気力に基づく極超高圧電流を充填した必殺の一射が放たれ、混沌の竜の胴体に直撃。鱗
派手な一撃と共に鱗を貫く程の電撃が全身に走り、緑炎燃やす混沌竜も無傷という訳にはいかない。
『ゲヒャ~ッヒャヒャヒャ! シビレたゼェ!!』
三つの頭で猟兵達を再び見据えながら笑うスーパーカオスドラゴン、
『だがまだ全力は絞り出せてねェナァッ!』
先程よりも更に気合の入った様子で、猟兵達に再度襲いかかるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです
リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能
接近戦で戦う場合は鎖鎌や鎖分銅の【ロープワーク】による攻撃がメインだが、プロレスっぽい格闘技や忍者っぽい技もいける
遠距離戦では宇宙バイク内臓の武装による射撃攻撃やキャバリアによる【結界術】
その他状況によって魔術による【属性攻撃】や【破魔】等使用。
猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。
基本的にチャラい上辺ですが、人々の笑顔のため、依頼自体には真面目に取り組みます
●東のラスボスには西の力と光の槍を
『この突進は躱し辛いゼェ〜!? 上手く避けられるカァ!?』
スーパーカオスドラゴンの突進、カオスで予測不可能な軌道で襲いかかる混沌竜の突進は、直撃を受けたなら後退させられるのみならず三つ首による強烈な追撃が襲いかかってくることだろう。
「スーパーカオスドラゴン様……故郷へ帰すために頑張りませんと」
魔導杖『ルナティック・クリスタ』を携えしオラトリオの響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)は、ペットであり守護者でもあるグリフォンの『アーティア』の背に乗り空へ飛翔、辛うじて突進を回避する。
「こりゃ真っ向から受けるのは難しそうっすねえ」
一方、青髪の白狐面の青年、リカルド・マスケラス(希望の|仮面《マスカレイド》・f12160)が鎖鎌の分銅を投擲し牽制するが、予測不可能な軌道で突っ込んでくる混沌竜はそれを躱してリカルドの側方からその巨体を叩きつけ、思い切り弾き飛ばした。
宙に浮いたリカルドへ混沌竜は勢いを落とさぬまま全身、竜の顎を開き噛みつこうとする――全力で戦わねば悪魔インクを絞り出せない故に、備えこそはしているだろうが攻撃そのものに手加減はない。
しかし、
「それを待っていたっす!」
『ゲヒャ!?』
吹っ飛ばされ――自分から後ろに飛びダメージを抑えながら空中で体勢を整えたリカルドが食らいつこうとするスーパーカオスドラゴンの牙を掴んで、
「氷の女王直伝のアイスファイト、受けるといいっすよ!」
リカルドが起動したユーベルコードは【雪狐氷葬落地】、空中で体勢を入れ替えつつ竜の首の一つに飛び乗り両足で三角絞めを決めれば、混沌竜の頭がみるみる内に凍りついていく。
「さあ、氷結地獄にご招待っすよ!」
その言葉と同時、リカルドが全身のバネを使って竜の頭部を振り回すように勢いをつけて水平方向に投げ飛ばす。
西のラスボスの絶晶を思わせる強烈な氷属性の投げ――頭から全身へと氷が広がり、動きが停止したタイミングでアーティアに騎乗した空のリズがユーベルコード【光の槍よ、敵を撃ち貫け】を起動する。
「皆様の受けた痛みを、あなたにも差し上げますわ。……なん倍にして」
掲げたルナティック・クリスタの先端、青いクリスタルから光の槍が降り注ぐ。
仲間の負傷――リカルドの受けたダメージに比例した威力と範囲の槍は止まった混沌竜の胴体部、背中へと刺さり光の剣山のような姿にしてしまう。
『ギャーッハッハッ!! もうちょっと位は頑張らなきゃあナァ!!』
大分ダメージは重なっている。しかしまだスーパーカオスドラゴンは混沌の緑炎を燃え上がらせ、再び突進を再開する。
彼の周囲の浮島の地形にも徐々に混沌が侵食し、広がっているようだ。悪魔インク精製までもう少し、最後の人押しをするべくリカルドは地を駆け、リズはアーティアを操り空から次の攻撃を仕掛けるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ベルベナ・ラウンドディー
今ケルベロス・ウォーとかやってんです
彼らが安心して戦うためにもさっさと帰って下さい。迷惑です
…せめて人気絵師描きおろし美少女なら私も丁寧に接するんですけどねえ…
…ま、そのぶん加減なくブン殴れるのは助かりますね!
【風を操る・結界術・封印術】ユーベルコードの風の結界!
地面に抑えつけられる空力、ダウンフォースは知ってますね?アレです
タックル抑えます、後退効果も逆風で減衰させます、そんでそのまま貼りつきます
どんだけ不規則な軌道も密着すりゃ関係ないですからね!こっから反撃手段は考えてませんが!
【吹き飛ばし・空中浮遊】
…なので一気に風を揚力に変えて一緒に吹っ飛びましょうか
私は宙に浮いて受け身としますがね
●竜操る風に混沌竜は沈められ
予測不可能防御困難な突進で浮島上で猟兵相手に暴れ回るスーパーカオスドラゴン。
そこに新たに転移してきた白鱗のドラゴニアン、ベルベナ・ラウンドディー(berbenah・|∂《ラウンドディー》・f07708)は
「今ケルベロス・ウォーとかやってんです。彼らが安心して戦うためにもさっさと帰って下さい、迷惑です」
『ゲヒャ~ッヒャヒャヒャ! つれないナァ、色男さんよォ!』
かなり塩対応なベルベナに対してスーパーカオスドラゴンはエセ乱暴者のスーパーカオスドラゴンは高笑いしながら返す。
スーパーカオスドラゴンがこのブルーアルカディアに来てもうすぐ三年、この地に馴染んでいる気もするけれども彼の故郷は魔界とも呼ばれるデビルキングワールド。
アルカディア争奪戦で大天使エンケロニエルとの戦いを予見して暗殺されそうになりながらも助力してくれたり、サクラミラージュの方からやって来たイザナミを抑え込んだりと、色々この世界の為に力を貸してくれる外見も中身もイケドラゴンなのだが――如何せん故郷に帰ってない期間が長過ぎる。
長居することになった原因もこの世界に後始末で迷惑をかけさせない為であるけれど、どうにかできる手段が予知されたならさっさと確実に帰られるようにすべきであろう。
(「……せめて美少女なら私も丁寧に接するんですけどねえ……」)
ちなみにベルベナの美的感覚からはちょっと外れているようだ。竜派ではあるがそういうこともあるだろう。
そうこう思考している内に予測不可能な軌道ながら混沌竜の意識が明らかにベルベナの方へと向いている。
「……ま、そのぶん加減なくブン殴れるのは助かりますね!」
速度を上げる混沌竜に対し、ベルベナが起動するユーベルコードは【黄龍の風】、彼の周囲147メートル内に
風が吹き荒れ始めてスーパーカオスドラゴンの突進の勢いが減じていく。
『ゲヒャ〜ッヒャッヒャ! 上から抑えつけられてる感覚だゼェ〜!?』
吹きすさぶ風はかの竜の真正面から吹きすさび、混沌竜の巨体の頭上を通り抜ける際に|真下に加速させる空力《ダウンフォース》を働かせる。
予測不能とは言えど黄龍の風の減速によりドラゴニアンへと到達する頃には大した勢いではなく、体重差で後退させるもベルベナに働く逆風により十分な距離を吹き飛ばすことはできない。
故に混沌竜の胴体に張り付くるのは容易、不規則な軌道で読み辛かろうと密着していれば関係ない話だ。
しかしここから――具体的な反撃手段をベルベナは考えていない。直刀を突き刺すか、秘儀や忍術で生命波動をリソースとしてどうにかするか。
思考を巡らせきる前に東のラスボスは密着した竜人を振り解くため上体をがばりと持ち上げようとする。
ここだ、予備動作からそれを見切ったベルベナは上に持ち上げようとする動作に対し突風で限界まで急加速、働いた揚力によりスーパーカオスドラゴンは張り付いたベルベナごと空高くへと吹っ飛ばされる。
突然働いた力に混沌竜も咄嗟に反応できず、上空で翼広げて滑空せんとするがその翼の根本を直刀に切りつけられ、更には両翼に突風と逆風をそれぞれ叩きつけられ制御不能、錐揉み回転で落下していく。
『ゲヒャーッ!!??』
ベルベナは地面側からの逆風を受けて減速しつつ華麗に着地、一方の混沌竜は空からの突風を受けて落下速度を更に上げて混沌広がる地面に激しく激突する。
その勢いで悪魔インクが少量――しかし今までの分と合計して完璧な悪魔契約書作成に必要な量が絞り出され、それをベルベナはインク瓶で回収したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『カオスより来る敵』
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POW : 気合とパワーで正面からぶっ飛ばす。
SPD : 過去より成長した自分の技を振るい、強敵に打ち勝つ。
WIZ : 強敵の憑装を何らかの手段で弱め、その隙を突く。
イラスト:fossil
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●混沌領域を消滅させろ
必要な悪魔インクは揃った。されど猟兵の仕事はまだ終わったわけではない。
広がる全てを破壊するカオスの混沌領域、浮島のどこからかわらわらと湧いてきたオブリビオンの姿が憑装により変化していく。
その姿はかつて猟兵達が何処かで戦った強敵――まるで記憶から再現されたかのようなオブリビオン達は、その力も元の存在と遜色ない厄介な存在。
しかしこの憑装オブリビオンを撃破できれば、危険極まりないカオスの混沌領域は消滅し、後顧の憂いなくスーパーカオスドラゴンはこの世界を離れることができる。
力を出し切ったスーパーカオスドラゴンも戦ってくれるだろうが、彼の力だけでは混沌領域を消滅させることはできない。
群がるかつての強敵、その力と対抗策を思い描きながら、猟兵達は混沌領域のオブリビオンに攻撃を開始する。
音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。
自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
プロデューサーより
●ウサギ系ネガティブアイドルと魔狼の群れ
全てを崩壊させる厄介なカオスの混沌領域――悪魔インクの精製に伴う副産物を消失させるために混沌領域へと飛び込んだ猟兵達を迎え撃つのはかつて戦った強敵を憑装した浮島のオブリビオン。
「世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん、ただいま参上」
いつもの名乗り口上を決めポーズ付きでバーチャルアイドルの音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)は言って、そしてすぐさまダッシュでその場を離れる。
直後、その場所に血に飢えたゴーストウルフが飛び込んでくる。視線を移せばそこには空間の裂け目とそれを創り出した魔狼フェンリルの数十メートルにも及ぶ巨体。
「いやなんで私がまたこんなのと戦わないといけないのよ!?」
嘆く鬱詐偽だったがこの混沌領域に現れるオブリビオンはかつて猟兵が戦った強敵を憑装している。決して召喚獣扱いでフェンリルで呼ばれたわけではなく、彼女が戦った事がある強敵だからフェンリルになっているだけなのだ。
かつて戦った時には他に二人の配信者が居て邪神系配信者がボコってたような記憶もあるが――今ここにいるのは彼女一人、自力でどうにかするしかない。
「ひいぃっ!?」
血に飢えたゴーストウルフ達にとっては臆病に見える鬱詐偽は格好の獲物なのだろう。追い詰め、確実に弱らせ、そして牙を突き立てる――そんな恐怖の未来を想像し、鬱詐偽の恐怖心に【リアライズ・バロック】のユーベルコードが起動する。
召喚されたバロックレギオン161体がゴーストウルフの群れに襲いかかる。これまでの鬱詐偽の鬱憤を晴らすかのように暴れ攻撃を叩き込んでいくバロックレギオンにあっという間にゴーストウルフの群れは駆逐され、そしてその攻撃の矛先はフェンリルに移って。
『GAOHHHHHHHH!!』
吼えるフェンリル、しかし怯える鬱詐偽とは違いバロックレギオンは彼女の恐怖心を煽ったフェンリルへと群がり攻撃を叩き込み、その炎の体を削り消滅させていく。
メガリス破壊効果により召喚された存在――憑装であり本物ではないとしても強大な力を有する魔狼でも数の暴力には勝ち得ない。
炎の体はすっかり小さくなり、憑装が解除されて元の小さな魔獣の姿を一瞬だけ晒し、そして消滅していった。
敵が消滅しバロックレギオンも消えてホッと一息つく鬱詐偽。しかし、混沌領域は消滅しておらず、憑装オブリビオンはまだウヨウヨしているようだ。
絶望的な表情になりながら、契約のために鬱詐偽は次の敵を探し始めるのだった。
成功
🔵🔵🔴
バジル・サラザール(サポート)
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
『大丈夫!?』
『あまり無理はしないでね』
年齢 32歳 女 7月25日生まれ
外見 167.6cm 青い瞳 緑髪 普通の肌
特徴 手足が長い 長髪 面倒見がいい 爬虫類が好き 胸が小さい
口調 女性的 私、相手の名前+ちゃん、ね、よ、なの、かしら?
下半身が蛇とのキマイラな闇医者×UDCエージェント
いわゆるラミア
バジリスク型UDCを宿しているらしい
表の顔は薬剤師、本人曰く薬剤師が本業
その割には大抵変な薬を作っている
毒の扱いに長け、毒を扱う戦闘を得意とする
医術の心得で簡単な治療も可能
マッドサイエンティストだが、怪我した人をほおっておけない一面も
アドリブ、連携歓迎
●混沌より来る黒鵞鳥もどき
ガァガァガァガァガァガァガァガァ。
八つのガチョウの首を有する怪人――『猟書家『ミスター・グース』』を憑装したオブリビオンと、バジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)は混沌領域にて対峙していた。
「猟書家まで憑装してくるの!?」
バジルがかつて戦ったことのある強敵、完全に滅ぼされた筈の存在ではあるが、眼前に立つ半分機械仕掛けのガチョウ怪人はその時の威圧感そのままにバジルへと攻撃を仕掛けてくる。
災魔の卵――かつて猟書家がアルダワ世界を侵す毒のようなものとして利用していたそれをガチョウの嘴から次々に吐き出してバジルを狙い、それをウィザードロッドで高めた毒の魔力で防ぎ無力化させて抗うラミア型のキマイラ。
だが外れた災魔の卵はカオスの混沌領域を急速に災魔化させて、その上に立つオブリビオンの力を高めていく。
速攻で仕留めねばオブリビオンは強化されていき此方が追い詰められていくことになるだろう。そして一々毒を調製する時間もない。
そう判断したバジルが起動するユーベルコードは【ポイズン・スピア】、
「薬も過ぎれば毒となる。元々毒だけど、たっぷりと味わいなさい」
800本もの魔法の毒槍を一気に放つ。災魔の卵を吐き出し応戦するミスター・グースだが、猟兵として戦闘経験を重ね力量も高まっているバジルの毒槍は災魔の卵を貫いてガチョウの怪人を貫いた。
八つの頭全てを貫かれたオブリビオン、毒の強弱ではなく単純に莫大な手数と量をぶちこまれた半蒸気魔導機械仕掛けのボディはあっという間に機能停止、憑装ごと消滅していった。
オブリビオンの数も徐々に減ってきて、混沌領域も徐々に薄まっているような気配がある。
悪魔インク精製の後始末ももう少しで終わる、バジルは再び気合を入れ直し、次のオブリビオンとの戦いに向かうのだった。
成功
🔵🔵🔴
ベルベナ・ラウンドディー
エル・ティグレ
先日、一緒にチーム組んでサッカーしてたんですが
彼女とマッチアップしたいと少し思いましてね
キーパーやるので必殺シュート一本ください
その重力反転効果のシュート、ユーベルコードで掌握します
【環境耐性・高重力適応・低重力適応】…重力対策を武術で応用します
宇宙で育てば重力変化…自分にかかる重さくらい操作出来て当然なんですよ
軽いなら【重量攻撃】、重いなら【軽業】の動きを、
ドライブがかかるなら更に【ぶん回し】の逆方向で【衝撃吸収】
…力の均衡、反転すべき重さからゼロにする
合気や化勁などと言っても、私には名付けるまでも無い生活の知恵ですが…
自然の合一、シルバーレイン発祥黄龍拳の特徴らしいですね
●混沌上の宇宙PK
スーパーカオスドラゴンから悪魔インクを回収した白鱗のドラゴニアン、ベルベナ・ラウンドディー(berbenah・|∂《ラウンドディー》・f07708)。
彼がカオスの混沌領域で対峙しているのはスポーティなサッカー美少女――サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』。
帝都櫻大戰で他世界であるヒーローズアースへと侵攻したイザナミから守るために、世界を渡って援軍に駆け付けてきてくれた彼女。
帰還のお手伝いとして宇宙のオブリビオン相手にチームを組んで|共闘《サッカー》した事は記憶に新しいが、今回は敵としての|対峙《マッチアップ》となる。
『アハハッ! 宇宙トカ……|猟兵《ご主人様》でもたった一人でアタシに勝てるわけがねえ……ないですよ!』
キーパー用のグローブを嵌め、真ん中を長方形にくりぬかれたサッカーゴール型の大岩の前に立つベルベナに、エル・ティグレは言葉の勢いは荒々しくも丁寧に挑発する。
憑装した別のオブリビオンではあるものの、どうやらベルベナの記憶にあるエル・ティグレの振る舞いとは敵意を除き大差ないようだ。
そしてそんな|挑発《トラッシュトーク》をベルベナは涼しい顔で受け流しつつ、ぱしんと両手を鳴らして。
「必殺シュート一本ください」
『――アハハッ! この第三宇宙をサッカーで統一したアタシ相手にいい度胸……ですわね!』
サッカー・フォーミュラ相手に必殺シュートを要求する――そんなものは止めてやる、というシンプルかつこれ以上ない挑発。
笑いながらボールをとん、と蹴り上げ超新星の輝きをサッカーボールへと注ぎ込むエル・ティグレ。吼え猛る猛虎の頭部の形へとボールを変形させて、
『……いいだろう、ギャラクシィリーガーの渾身の一球、受けてみやがれ!』
叫び、構えるベルベナに向けて【ティグレ・スーパーノヴァ】の力帯びたボールを全力でシュートするエル・ティグレ。
挑発に乗って凄まじい速度で放たれたボールはベルベナの真正面、しかし受け止めようとしてもベルベナにかかる重力を反転させ、空へと落下していく彼の身体を雲海にまで吹き飛ばしてしまうだろう。
しかし、
(「宇宙で育てば重力変化……自分にかかる重さくらい操作出来て当然なんですよ」)
|星海の世界《スペースシップワールド》出身のベルベナにとって重力変動への対応は慣れたもの、ユーベルコード【掌握】を起動して超新星の輝き宿す猛虎のボールを掴み、円運動の動きで抉り込むようなドライブ回転の逆方向へとぶん回しボールの勢いを殺す。
同時に真上に働き始めた重力には逆らわず、空中浮遊の要領で減速しつつくるりと上下反転、軽業のように岩のクロスバーへと|着地《・・》する。
「合気や化勁などと言っても、私には名付けるまでも無い生活の知恵ですが……」
力の均衡、反転すべき重さをゼロにするように上手く力を働かせて必殺シュートを受け止めたベルベナ。
自然の合一――|銀の雨の降る世界《シルバーレイン》発祥の黄龍拳の特徴らしいそれを呼吸をするような自然さで行った竜人は、そしてボールの勢いを反撃へと転化して。
「でりゃあ!」
掌握した輝けるボールをぶん回し、向きを反転させた上で気合と共に憑装オブリビオンへと投げ返す。
必殺シュートの勢いに加え、ベルベナの力を上乗せしたボールは、サッカー・フォーミュラを憑装したオブリビオンと言えどもトラップできず高々と空へと弾き飛ばされ、そして消滅した。
同時、浮島を覆っていたカオスの混沌領域がついに消滅する。
これでようやくあの混沌竜は厄介ごとを残さずに故郷へ帰れるのだと、グローブを外しつつ竜の青年は一息ついたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『青空教室』
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POW : 実践的に教える
SPD : 感覚的に教える
WIZ : 論理的に教える
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●カオスとの戦いを終えた後に
『ゲヒャ~ヒャヒャヒャ! これで後を気にせず帰れるゼェ!!』
混沌領域を消滅させた後、スーパーカオスドラゴンは非常にご機嫌な様子で猟兵達を背に乗せて近くの別の浮島へと運んでいた。
帰還に必要な悪魔契約書の作成に必要なインクは十分、後は抜けのない契約内容を記すだけだが、東のラスボスで根回し万全な彼ならそこを気にする必要はないだろう。
そしてたどり着いたのは何の変哲もない普通の浮島、飛空艇の港などの設備は一通り揃っている居心地のよさそうな長閑な村があった。
その村から飛び出してくるのは未来の勇士を夢見る少年少女達、見たこともない旅人達の姿に興味津々のようで、キラキラした目を向けてくる。
スーパーカオスドラゴン曰く、この近くの魔獣を狩っている間にこの村の人々とはお隣さんの距離感になってしまったらしい。
『お別れの挨拶もしとかねぇとナァ~』
気遣いのできる彼はドラゴンボディ揺らして挨拶に向かい、そして猟兵の元に残ったのは色々聞いたり学んだりしたそうな少年少女達。
普通に長閑な村で休むのもいいだろうが、これも一つの縁。夢見る彼らに空の冒険に欠かせない知識を教えたり訓練を手伝うのもいいかもしれない。
長閑な浮島の村で、猟兵達は思い思いに一時を過ごすのだった。
赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可
合わせ等も自由にどうぞ
●飛空艇戦に備えよう
ガレオン船にも似た形の小型飛空艇二隻が浮島にある広場の上空に浮かんでいる。
「はーいそれじゃ飛空艇での戦い、特訓してみようか」
『『『『『はーい!』』』』』
その片方の甲板の上で赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)というバーチャルキャラクターの少年が柔らかく言えば、同じく甲板の上に並んでいる浮島在住のちびっこ達は元気に返す。
勇士に憧れる少年少女にとって浮島の外からやってきた旅人という認識の緋色は憧れの対象、どのような特訓をしてくれるのか胸躍らせているようだ。
とはいえユーベルコードを用いるという前提は厳しいだろう。あくまで
「飛空艇だと当然雲海の上で戦う事が多いよね。落ちたら一巻の終わりだから……とにかく飛空艇から落ちないように立ち回る事、あと足場が揺れて不安定になっても振り落とされないようなバランス感覚が重要だよ」
お手本を見せようか、と真っ赤なインラインスケートで甲板を蹴って飛空艇の外装や柱を足場に駆け回り始める緋色。
天空を翔け巡るスカイダンサーでもある緋色にとっては空の戦いは慣れたもの、不安定な足場であろうと魅せる余裕すらある位で、二隻の飛空艇の間を命綱もなく渡ったりして見ていた子供達は驚きの声をあげる。
「それから高低差も重要になる。動き続ける飛空艇だから位置関係も頻繁に変わるから、全体の状況を広く見ておけば活路を見いだせる事もあるね」
『なるほど! ……それで具体的なコツとかは……』
「うーん……慣れ? 実戦に近い状況作って練習するのが一番じゃないかな?」
大丈夫、命綱とか落下しても死なない程度の高さでやるとかやりようはあるしね、と緋色はさらりと言う。
割と感覚派でフリーダムなアドバイスではあるが、実際にやれている者がいるのなら勇士志望の子供達も挑戦しようとする意欲も湧いてきているようだ。
「それじゃ命綱つけて二組に分かれて、陣取りゲーム風にやってみようか」
当然妨害はありでね、と緋色はチャンバラ用の柔らかい素材の武器を子供達に渡し、特訓を開始するのだった。
成功
🔵🔵🔴
ベルベナ・ラウンドディー
今頃ディバイドも主力と交戦中でしょうか…ん?教室をやれ?
無理です
宇宙生活の知恵が基礎の喧嘩術なんて学んでも今やってる武術が下手になるだけです
普段の生活から戦いを教わってください
ってわけで最低限の話だけして契約書仕上げを手伝います
挨拶終わりました?
書式とかまったく知らないので誤字脱字の校正くらいは手伝います
貴重なインクの無駄遣いは避けて欲しいですからね
失敗したら貴方の命だけでなく私の方も責任追及されかねませんので成功してください
(小声でボヤき
…むしろ私の方こそ帰還に手間がかかれば戦争手伝わずに済むんですけどねぇ…
グリモア猟兵といい過去の猟兵といい、世界間移動を簡単にやってくれますよ、本当に
●故郷に帰る前に
浮島の上空に浮かべた飛空艇で、猟兵と子供たちが空の戦いの訓練を行っている頃。
「今頃ディバイドも主力と交戦中でしょうか……」
ベルベナ・ラウンドディー(berbenah・|∂《ラウンドディー》・f07708)はぼんやりと雲海広がる浮島の外を眺めつつ、|彼方の世界《ケルベロスディバイド》に思いを馳せていた。
彼の手元には書類、そして机を挟んだ正面には挨拶回りを終えて悪魔契約書の下書きをしているスーパーカオスドラゴン。
使っているのは普通のインクだから失敗しても何も問題ないのだが、ここで手を抜いて清書で失敗したら元も子もないと丁寧に一筆一筆書き進めていた。
一応、ベルベナの方も子供達に色々教えてほしいと要請はされていた。
されてはいた、のだが。
「ん? 教室をやれ? 無理です」
ばっさりと断っていた。
「宇宙生活の知恵が基礎の喧嘩術なんて、学んでも今やってる武術が下手になるだけです」
重力の向きや強さが変わりうる宇宙での戦いで鍛えてきたベルベナだが、その技術はこの世界での戦いにはそのまま流用し辛い。
逆に変な癖がついてしまい強くなるどころか弱くなってしまうだろうという、実に論理的な断り方である。言い方はぞんざいだが面倒だからとかそういう理由ではない筈である。きっと。
そして彼は、この世界で戦うのならばこの世界に根差した普段の生活から戦いを教わってください、と子供達に最低限伝えて、少しでも早く帰還できるようにと挨拶回りから戻ってきたスーパーカオスドラゴンの契約書作成を手伝う事にしたのだ。
実際ベルベナには悪魔契約書の書式とか精確性についての知識は全くないが、分かる範囲の誤字脱字の校正くらいは手伝えるだろう、と。
(「しかし見る限り……手伝い必要ないのでは?」)
とはいえ魔界随一のニセ乱暴者のスーパーカオスドラゴンはあの魔界の東のラスボスを張っている程のデビル、書類仕事も完璧なようで目を通した限りでは誤りは見当たらない。
そして下書きを一通り終えて、清書へと移る。
「失敗したら貴方の命だけでなく私の方も責任追及されかねませんので成功してください」
『ギャ~ッハッハッハ! もう一回、はキツイから善処するゼェ~!』
半年以上かけてようやく集めた貴重な悪魔インクで、無駄遣いもなく意外と整った字ですらすらと契約書を仕上げていくスーパーカオスドラゴン。
しかしグリモア猟兵といい過去の猟兵といい、このスーパーカオスドラゴンでも面倒な手順を踏む必要のある世界間移動などを簡単にやってくれているのは如何なものか。本当に。
「……むしろ私の方こそ帰還に手間がかかれば戦争手伝わずに済むんですけどねぇ……」
小声でそんな事をボヤきながら、悪魔契約書作成の手伝いを続けるベルベナであった。
かくしてスーパーカオスドラゴンの帰還準備は整い、青空の世界へと別れを告げたニセ乱暴者の三頭竜は魔界へと帰還していく。
帝都櫻大戰の後始末をまた一つ終えた猟兵達は、次なる戦いに向かうべくグリモアベースへと帰還したのだった。
大成功
🔵🔵🔵