ケルベロス・ウォー⑥〜オウガの芋煮会
「今年の正月は戦争が無かったが、流石に五月も無い訳では無かったな。まずはグリモアベースへの召集に感謝する」
グリモアベースへ集まった猟兵を前に、ジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・f40843)は甲冑を鳴らしながら軽く会釈する。
「時間が惜しいので端的に説明しよう……十二剣神の本格的侵攻が開始された。狙いはグラビティ・チェインが集中する『地球の精髄』……特務機関DIVIE本部、通称『東京タワー』の地下だ。これを奪われれば地球は遠からず崩壊を迎える。だが……」
ジークリットは金色の瞳を細めて続ける。
「十二剣神は無敵の『|永遠回廊《グラビティ・ゲート》』で防護し、如何なるユーベルコードでも破れないことが予知された。まずはこちらをどうにかするのが先決となる。立ち向かうためには、この世界の人々が建造する『|決戦配備《ポジション》』というのが必要になるらしい」
ジークリットは、私の時空であればグラビティで迎え撃てたものだがと、あちら側のケルベロスであったが故に歯がゆい思いで溜息を吐いてしまう。
「勿論、相手も決戦配備を阻止しようと各地で既に十二剣神の尖兵らが襲撃し、東京タワーを中心とした破壊活動が起きよう。だが、その前に……腹が減っては何とやらだ。私の時空にも同じ種族が居たのだが、黄金の角を生やした『オウガ』と呼ばれる鬼神の種族が十二剣神襲来による地球のピンチに馳せ参じ、炊き出しを始めたそうだ。鍛錬を愛し、鍛錬に長けたオウガたちはあれよあれよと『お食事処』を設営し始めた。まるで『お食事処けるべろす』だな」
どこか懐かしむジークリットであったが、それはあちら側のケルベロスとしての過去の記憶。今は思い出話しに浸る時間などない。
「さて。私が予知したお食事処だが、どうやらオウガ自慢の『芋煮』を振る舞うらしい。芋煮と決戦都市『山形市』が有名だが、オウガたちが作る芋煮は一種類だけでなく様々な芋煮を取り揃えているとか。まずは腹ごなしをしてから各地の決戦配備防衛に馳せ参じるのも良いだろう」
芋煮とは、数多い種類がある。
芋煮の|聖地《メッカ》である山形であっても、やれしょう油味だのみそ味だの、牛肉だの豚肉だの、こんにゃくは手で千切って入れろだのと芋煮宗派対立は激しい。
そんなことは無しに、様々な芋煮を食べて団結心を高める目的があるのかもと、ジークリットは語るが……果たしてそうなのやら。
「そうと決まれば、善は急げだ。この時空に訪れてからグリモア猟兵として目覚めていたが、今回はその初仕事と参ろう」
ジークリットは意識を集中させ、かつてグラビティを錬成した感覚でグリモアを展開させて猟兵たちを『オウガの芋煮会』へと導くのであった。
ノーマッド
ドーモ、ノーマッドです。
芋煮会と言えば秋の行楽ですが、最近はキャンプブームでGWでもやられる方が増えているそうですね。
そんな季節外れの芋煮を食べに食べるだけのシナリオとなります。
プレイングボーナスも、『オウガお手製の「身体作りの為の食事(※大量にある)」を完食する』だけですので、思い思いの芋煮会をお楽しみ頂ければです。
それでは、皆様の食欲に満ちた飯テロなプレイングをお待ちします。
第1章 日常
『緊急開店! お食事処けるべろす』
|
POW : 大量の料理を苦もなく完食する
SPD : より消化の良い料理を選んで食べる
WIZ : 味変や別腹で料理を食べきる
イラスト:del
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
『お食事処けるべろす』、か…♪
うん、懐かしいね♪
色んな人達が集まってて、すごく楽しそうだったなぁ♪
|あちら側《ケルベロスブレイド》の思い出を懐かしみながら、【大食い】技能で芋煮をどんどん食べていくよ♪
勿論、ただ腹に入れていくのではなく、しっかりと味わった上でね★
UCは『クローネちゃんの愛用品★』
【大食い】を100レベルにして、いっぱい食べられる様にするよ♪
連休初日の多摩川河川敷は春の陽気と僅かな土の香りに満ちており、風が頬を優しく撫であげる。河川敷の一角には黄金の角を生やしたオウガたちが巨大な鍋をずらりと並べ、湯気と笑い声が立ち上る『お食事処けるべろす』が設営されていた。
まるで戦場と祭りが交錯したような喧騒でオウガらは100トンものの重さも軽々と持ち上げる膂力で食材や会場の設営に勤しんでおり、クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)はどこか懐かしむ目で会場を見渡した。
「『お食事処けるべろす』、か…♪ うん、懐かしいね♪ 色んな人達が集まってて、すごく楽しそうだったなぁ♪」
彼女もまた|あちら側《ケルベロスブレイド》からゲートを潜って|こちら側《ケルベロスディバイド》へと来訪したケルベロスであり、ケルベロスとデウスエクスとの一大決戦があればあちら側でも『お食事処けるべろす』が|大勢のケルベロスで賑わった《「活躍をしたけど、ちょっぴり目立ち損なった人たち」》ものだと懐かしむ。
尤も、あちら側は1階から3階まである大食堂だったのに対し、オウガたちが設営したのはイベントでよく使われるワンタッチタープテントであって、あくまでも仮設された『お食事処けるべろす』である。これがあちら側にも負けないケルベロス食堂はおろか各世界の猟兵で賑わう場になるのが何とも楽しみであった。
しかし、これはただの芋煮会ではない。
オウガたちが十二剣神襲来に備えて作りに作った日本全国47都道府県の「ご当地芋煮」を網羅した、壮大な芋煮の饗宴。。
「ふんふん♪ すごく匂いばかりだね★ 全部食べちゃうぞ♪」
クローネが手に持つのは、ユーベルコード『|クローネちゃんの愛用品★《ブラック・アイテム・クリエイト》』で創造した「クローネちゃんマイ箸」である。
彼女の心は既に芋煮と一対一の対話に没入している。
戦いの前に腹ごしらえ……いや、戦いそのものがこの芋煮なのだ。
「最初は変わり種じゃなく、山形の芋煮だね♪」
まずクローネちゃんがロックオンしたのは、山形の正統派芋煮。
オウガが「これぞ芋煮の始祖!」と胸を張る一品だ。
鍋には里芋がゴロゴロ、牛肉の脂がスープに艶を与え、こんにゃくは手でちぎった不揃いな形がなんとも風情があり、ネギの緑が鮮やかに映える。
クローネはマイ箸を手に、まずは汁を一口ずずっとすする。
醤油の香ばしさが鼻腔を突き抜け、牛肉の旨味が舌の上で花開く。
里芋はホクホクと崩れ、こんにゃくのプリッとした歯ごたえがリズムを刻んだ。
「うーん♪ やっぱり芋煮は本場の山形芋煮★ 里芋の柔らかさが、まるで山形の田園をそのまま口に運んだみたい。牛肉の脂がスープに溶けて、深いコクが……たまらない★ こんにゃくの食感がいい脇役だね♪」
彼女は目を閉じ、一口ごとに頷く。
どこぞの何でも美味しそうに食べる輸入雑貨貿易商のおじさんの魂が乗り移ったかのように、彼女は芋煮の構造を脳内で分解し、味わいのレイヤーをひとつずつ剥がしていく。滋味深い汁の味、里芋の煮崩れ具合、ネギの切り方……すべてが計算された一杯だ。
「今度は大阪ご当地芋煮を食べてみよっと♪」
クローネが次に足を止めたのは、大阪風の芋煮。
味噌ベースのスープに豚肉がどっさり入っている中でミニたこ焼きが浮かび、その上ではカツオ節と青ネギが踊っている。見た目はまるで道頓堀の屋台だ。
クローネはたこ焼きを一つマイ箸で掴み取ると、慎重に口に運んだ。
外はカリッ、中はトロリ。噛むたびに汁を吸った旨味がジュワッと弾ける。
続けて汁をすすれば味噌の濃厚なコクが豚肉の甘みと混ざり合い、ジャンクで豪快な旨味が口内で暴れ出す。
里芋は少し硬めに煮られているが、これはこれでいいアクセントとなっている。
「わぁ、たこ焼きが芋煮とこんなケンカせずに共存するなんて♪ 味噌のガツンとしたコクに、カツオ節の香りがふわっと広がって……後味が意外と軽い軽い★ 食い倒れの街、大阪……恐るべしだね♪」
クローネはまるでたこ焼き屋のカウンターに座った気分で頬を緩め、頭の中では道頓堀のネオンと人々の笑い声が響く。彼女はたこ焼きをもうひとつ頬張り、独り言を続ける。
「この芋煮、食べてるだけで元気出てくるね♪ まるで大阪のおっちゃんが『まいど!』って背中叩いてくるみたい★」
クローネは一杯一杯をしっかり味わい、食べ終える度に「ごちそうさま♪」と両手を合わせて食材と作ってくれたオウガたちに感謝する。
だが、まだ日本全国47都道府県のうち2つを食べたのみで、芋煮紀行は終わらない。
彼女の胃袋はまるで銀河を飲み込むブラックホールのようであり、次のご当地芋煮はどれにしようかと目をキラキラさせながら、こちら側の『お食事処けるべろす』を思う存分と堪能するのであった。
大成功
🔵🔵🔵
エミリィ・ジゼル
芋煮と聞いてやってきました!!!!
山形風ですか?仙台風ですか?それともMIXですか?
なんでも構いません。芋煮艇の一員として、芋煮で負けるわけにはいきません。芋煮なら任せてください!!
沢山食べろとのことですので、分裂していっぱい食べようと思います。戦いは数だと、なんかそんなことをどっかの誰かも言っていた気もします。
増えるメイドの術を使い、レベル分のかじできないを呼び出し、数に物を言わせてとにかく芋煮を食べまくります。
家事ができないので料理はできませんが、食べるのは得意です。
我々の胃袋の大きさを思い知らせてやるぜ!!
「うまい、おかわり!」
「芋煮と聞いてやってきました!!!! 山形風ですか? 仙台風ですか? それともMIXですか?」
芋煮と聞けば、火の中水の中骸の海の中。
一見ちっぽけな宇宙船・イモータル級二号艦艇、通称『芋煮艇』クルーの一員であるエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)にとっては芋煮は心のおあしすであり、彼女の心はすでに芋煮の銀河に突入済みであった。
「芋煮艇の一員として、芋煮で負けるわけにはいきません。芋煮の調理はともかく、食べることでしたらどーんと任せてください!!」
彼女が作る芋煮は芋煮のようなナニかであって、自慢の怪力で巨大寸胴を軽々しく持ち上げるオウガらに手伝えば目も当てられない結果になるのは必定。
出来るメイドとは自分の力量をよく知って弁えているからこそ、この場においてエミリィはケルベロスディバイドの芋煮を食べることが最善なのだ。
そうかな?
そうかも。
だが、彼女は強烈な洗礼を受けることになる。
なぜなら、日本全国47都道府県の「ご当地芋煮」と書かれたのぼり旗に数々の食欲を掻き立てさせる匂いが、彼女の芋煮観を|崩壊《ヤックデカルチャー》させていたのだ。
「ウ……ウソでしょう? こ……こんなことが、こ……こんなことが許されていいのですか!?」
芋煮とは山形を中心とした鍋文化。
里芋としながらも具材や汁の味を変えた程度でも争いが耐えないというのに、それが47都道府県もあれば決して名称を喋ってはならない、小麦粉からなる生地にあんこを入れて円筒形ないし分厚い円盤状に焼成したあの和菓子と同じく不毛な争いは避けて通れない。
それがそうならないのは、エミリィの世界ではケルベロス主体でデウスエクスを迎え撃っていたケルベロスブレイドとは異なり、このケルベロスディバイドでは民間人も決戦都市を築いてデウスエクスとの戦いに挑んでいるという点において他ならない。
思想の違いを越えた全人類の結束……それこそ、多様性に満ち溢れた全都道府県ご当地芋煮が表しているのであろう。
尤も、芋煮宗家である山形芋煮と分家の仙台芋煮の人気が高いだけあって、他の都道府県芋煮はそれほど多くないのが実情であるのだが、ならばこの世界でしか食せない芋煮を食べ倒すのが芋煮の探求者としてあるべき選択である。
芋煮艇のクルーとして、彼女の胃袋はすでに戦闘モードだ。
いや、戦闘ではなくこれは「食闘」――芋煮を食べ尽くすための壮大な冒険なのだ!
「北は栽培に不向きな里芋を使わず、食感が似ているメークインを使った芋煮とシチューが握手をしたような北海道芋煮。南はサツマイモのように見えて実は山芋の仲間の紅芋を使って、お肉は敢えてスパムを使った南方系な沖縄芋煮……」
迷えど迷えど、どれから箸を伸ばせば良いのか決めあぐねてしまう。
47種もあれば家事や料理は出来なくとも食べるのは特異なエミリィでも回れるが、1周したところで彼女の胃袋は限界を迎える気がしてならない。
ひとつに絞るか、それとも広く浅く周るか。
エミリィが導き出した答えは……これだ!
「いけ、かじできないさんズ! 全ブースのご当地芋煮を満足するまで食べて、私の芋煮データベースに新たな1ページを刻むんだぜ!」
エミリィはユーベルコード『増えるメイドの術』で空間を歪ませながら、ポン! ポン! ポン! と音を立ててつつ、自らのかじできない分身を次々と作り出していく。
身体作りの為の食事を完食するために利用すること自体は考えていたが、彼女の胃袋を持ってしても制圧できない全国の芋煮を征服するためにはもはや手段など選ばない。
おでこに数字が刻まれたどのエミリィも、目はキラキラとさせながら口元にはよだれが光り、今にも鍋ごと芋煮をかっ喰らわんとばかりにぐうぐうと腹の虫を鳴らしている。
「家事はできない! 料理もできない! でも、食べるのは得意だぜ! 47都道府県の芋煮、全部まとめて我々の胃袋で制覇してやるぞー!」
かくしてエミリィ軍団は、まるで本物エミリィを旗艦とした宇宙艦隊の突撃さながら一斉に各鍋へと殺到する。
山形芋煮の芋煮オブ芋煮な醤油ベースの深い味わいに、
「芋煮と言えばこの味! うまい、おかわり!」
仙台芋煮の滋味深い味噌のコクに、
「これも負けてない! うまい、おかわり!」
バター香る北海道芋煮も、
「クリーミーすぎる! うまい、おかわり!」
南国の島ならではの異国情緒溢れる沖縄芋煮も、
「ゴーヤの苦味がクセになる! うまい、おかわり!」
はたまたとんこつスープの福岡芋煮も、
「とんこつの濃厚さと塩気がたまらん! うまい、おかわり!」
芋煮のイメージと程遠い都会的な東京芋も、
「都会的の洒落た味は意外すぎる! うまい、おかわり!」」
……と、どのエミリィも止まることを知らない。
「「「「うまい、おかわり!」」」」
エミリィ軍団の|咆哮《おかわり》が、多摩川河川敷の空に響き渡る。
彼女たちの胃袋は47都道府県のご当地芋煮を文字通り呑み込み、さらなる未知の芋煮を求めるのである。
大成功
🔵🔵🔵
家綿・衣更着
アドリブ歓迎
腹が減っては戦は出来ぬってやつっすね!
おいしい芋煮、いただきまっす!
どれでもおいしく食べれそうっすけど、少しずつもらっていろんな味を楽しむのがお得そうっすね!
こっちの醤油で牛肉の芋煮はこんにゃくがごろごろでさっぱりヘルシーな感じっす!
こっちの味噌で豚肉の芋煮はネギが大きいっすね!
この芋煮…いや、鶏肉だからいもたき?は甘めの味が染みてるっす!
あぶらあげ!油揚げが入った芋煮もあるんすね!
ところで、なんでオウガの皆さんが芋煮を?山形とかの芋煮が盛んな場所にお住みなんす?
(完食して)ごちそうさまでした!おいしかったでっす!
地球を守るため頑張ってくるっすよ!
「腹が減っては戦はできねぇってやつっすね! おいしい芋煮、いただきまっす!」
時折と多摩川河川敷を吹き抜ける風で白髪を揺らし、ストールをなびかせる家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)は、目の前に広がるオウガたちの芋煮会に目を輝かせる。
人を驚かせたり助けるのがライフワークであるが故、日夜たゆまぬ化け修行に明け暮れており、彼の腹はいつもハラペコだ。
オウガたちが設営した簡素なテントの屋台にはでっかい鍋がいくつも並び、ぐつぐつと湯気を立てている。
そこから溢れ出るのは、醤油の香ばしい匂い、味噌のコク深い風味、ほのかに甘い出汁の気配……。空腹に耐えかねている腹ペコ狸の鼻が思わずひくひくと動いてしまう。
「うひゃー、こりゃたまんねぇっすよ! どれから頂こうっすかねぇ?」
一番近くの鍋を覗き込もうと近づくと、オウガの料理人が豪快におたまで鍋をかき混ぜていた。
『へい、兄ちゃん! まずは内陸の醤油仕立て牛肉芋煮だ! こんにゃくがゴロゴロ入ってっから、ヘルシーでさっぱりだぜ!』
「おお! いいっすね!」
衣更着はお椀に盛られた芋煮を受け取り、立ち食いスタイルのまま箸を手に取る。
醤油の芋煮汁は陽光に映えて艷やかであり、里芋はころんと丸く、こんにゃくは不揃いにちぎられた形が何とも素朴だ。汁から牛肉の薄切りがふわっと浮かんでおり、青ネギの鮮やかな緑が良いアクセントとなっている。
衣更着はまず、醤油の香ばしさと甘さを醸し出す汁を一口すする。
「んんっ! これは……っす!」
砂糖の甘味を感じるや否や醤油のキリッとした塩気が舌を刺激し、すぐに牛脂の旨味が追いかけてくる。出汁は鰹と煮干しの合わせ技だろうか、すっきりしてるのに奥深い。
衣更着の心に、ふと子狸妖怪の頃に食べた母ちゃんの手料理の記憶が蘇る。
懐かしくもどこか新しい。そんな味だ。
次に里芋を箸で摘む。
力を込めれば箸の先で軽く崩れるくらい、絶妙に柔らかく煮込まれている。
口に入れるとほろりと溶けるような食感が広がり、里芋の甘みがじんわり舌に染みる。 里芋の素朴な甘さはまるで河川敷の風のように優しく、彼の心をほぐしていく。
「こんにゃくはヘルシーでも、こんなに量があると満足感あるっす!」
よく煮込まれたこんにゃくはぷりっと弾力があり、噛むたびに醤油の味が染みたこんにゃくからじゅわっと出汁が染み出し、口の中を幸せで満たす。
そこから牛肉を頬張れば、薄切りなのにしっかりした肉の旨味が芋やこんにゃくと調和していて、なんともバランスが良いことか。
この芋煮は戦いの前の緊張を忘れさせるような日常の温かさをくれる。
衣更着は思う。
こんな味を仲間と分け合えば、どんな敵が来ても怖くないっすね、と。
「次、行くっすよ!」
醤油ベースの一杯を平らげた家綿は、隣の鍋に挑む。
今度は庄内の味噌仕立て豚肉芋煮だ。
味噌と肉以外にも厚揚げの油揚げが入っているが、豚肉の脂が溶け出した味噌の濃厚な香りが食欲をそそり、汁を飲むと味噌のまろやかなコクが口いっぱいに広がる。
少し甘めの白味噌がベースだろうか。豚肉の脂と相まってなんとも濃密な味わいだ。
「これは寒い日でも体がポカポカになりそうっすね!」
五月なのに何故か冬の囲炉裏を思い出すような、ほっこりした気分になる。
里芋は醤油のものより少し固めに煮られ、ホクホク感が強い。
噛むと芋の繊維がほろほろと崩れ、味噌の風味が芋の甘みを引き立てる。
豚肉は脂身が多めで、噛むたびにじゅわっとした旨味が口の中で弾ける。
「うっひゃ、こりゃガッツリ系っす!」
これには衣更着のはらぺこ胃袋をがっしり掴み、思わずテンションが上がってしまう。 そして異色の存在感を放っている厚揚げの油揚げには汁がたっぷり吸われており、噛むと中からじゅわっと溢れ出す
「うわ、油揚げがこんな主役級になるなんてっす!」
たっぷりと汁を吸ったそれを口に持っていくと熱々であるが、油揚げならではの香ばしさが食欲を掻き立てさせ、化け術において永遠のライバルである狐が油揚げを好む理由が分かってしまうようである。
味噌仕立ての芋煮は、まるで仲間たちとの絆を力強く結びつけるような頼もしい味だった。
「おいらのはらぺこは満たされないっす! まだまだ行くっすよ!」
衣更着は三つ目の鍋に目を付ける。
オウガの説明によれば、これは鶏肉を使っているので『いもたき』と呼ばれる、芋煮とは違った郷土料理だとか。
お椀に盛られた芋煮……いや、いもたきは鶏肉の白い身と細かく短冊切りされた油揚げの黄金色が目を引き、汁は透明感とほのかに甘めの出汁による香りが漂う。
一口飲めば鶏の出汁がふわっと広がり、甘めの醤油出汁に鶏の優しい旨味が溶け込んでいた。
「本場の芋煮とは違った癒し系っすね……」
衣更着は目を閉じて味に浸る。
この味はまるで疲れた体にそっと寄り添ってくれるような、温かな抱擁だ。
鶏肉は柔らかく、ほろほろと崩れる食感が芋とよく合う。
里芋は他の鍋より少し小さめに切られていて、口の中でスッと溶ける感触だ。
「このいもたき、優しいけどしっかり美味いっす。なんか、戦いの前に心を落ち着けてくれる感じっすね」
衣更着は多摩川河川敷の風を感じながら思う。
このいもたきは仲間たちと肩を並べて戦う前の、優しく力強い静かな決意をくれる味であると……。
「ごちそうさまでしたっす! どれも美味かったっす!」
空腹が満たされた衣更着は満足げに腹をさすりながらオウガたちに笑顔で礼を述べていると、ふとある疑問が浮かび上がってしまう。
「ところで、なんでオウガの皆さんが芋煮を? 山形とかの芋煮が盛んな場所にお住みなんす?」
『ハハハ! 俺らは鍛錬の終わりに腹を満たすのが好きなんだよ。芋煮は腹にたまって力が出るし、同じ鍋を仲間とよそい合えば団結も深まる。地球を守る戦いにも、こんな美味いもんが必要だろ?』
オウガの一人が豪快に笑いながら答えた。
「なるほどっす! そりゃ納得っすね!」
味わった芋煮はただの食事ではなかった。
醤油のさっぱりした優しさ、味噌の力強いコク、鶏の癒しの甘さ。
それぞれの味が衣更着の心に刻まれる。
これから始まる戦いは厳しいかもしれないが、こんなうまい芋煮を食ったのだ。
仲間と一緒に、絶対に勝てる気がする。
「よーし! 地球を守るため、頑張ってくるっすよ!」
衣更着は軽やかなステップで次の戦場へと向かう。
その背中には芋煮の温もりがしっかり宿っていた。
大成功
🔵🔵🔵
山吹・慧
まさかこの戦争で芋煮を食べられるとは
思っていませんでした。
ここ最近は地元に帰っていませんので、
存分に味わうとしましょうか。
僕の地元は味噌に豚肉なのですが……、
正直なところ、醬油に牛肉の方が好きなんですよね。
まあ、無益な争いは好むところではありませんし、
折角ですから両方頂くとしましょう。
あぁ……、やはりこれを食べると地元を思い出しますね……。
少々感傷的になってしまいました。
次に食べられるのはいつになるかわかりませんから、
しっかり食べていきましょう。
あ、うどんが有れば貰えますか?
最後に入れて食べますので。
アドリブ等歓迎です。
「フフフ……まさかこの戦争の最中に、芋煮を食べられるとは思っていませんでしたよ」
山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)の声は丁寧で淡々としたものだが、どこか楽しげな響きを帯びている。
彼の黒い装束は戦場での求道者の姿そのものだが、今日は剣も拳も必要ない。
代わりに手に持つのは、木製の箸と素朴なお椀のみである。
『お前さん、どっちの芋煮にする? 醤油に牛肉の山形風か、味噌に豚肉の仙台風か? どっちも絶品だぞ!』
オウガの一人が豪快に笑いながら鍋をかき混ぜ、問い掛けてくる。
慧は一瞬考えるように首を傾げ、口元に微かな笑みを浮かべて答えた。
「地元は味噌仕立ての豚肉派なのですが正直なところ、醤油に牛肉の方が好みなんですよね。ですが……せっかくですから、両方をいただきましょう。無益な争いは好むところではありませんし」
彼の言葉に、オウガは「ハハハ、いい心がけだ!」と再び豪快に笑い、まずは醤油仕立ての山形風芋煮をお椀に盛りつけた。続けて味噌仕立ての仙台風も別のお椀にたっぷりと。
慧は両方の芋煮が盛られたお椀を受け取り、河川敷の芝生に腰を下ろした。
目の前には多摩川がゆったりと流れ、遠くのビル群が五月の清々しい空に映える。
戦争の影はここでは遠く、まるで地元に帰ったような安堵感が胸に広がりながらも、慧はまず山形風の芋煮に箸を伸ばした。
お椀の中では里芋がゴロゴロと存在感を放ち、牛肉の薄切り、ネギ、こんにゃくが醤油の琥珀色の汁に泳いでいる。
汁をひと口すすると、まず感じるのは醤油のまろやかな風味と香ばしさ。それらをより引き立てる牛肉から滲み出た旨味の深さだ。
調味料で使われている砂糖でほのかに甘い後味が舌に残り、ほっとする味でもある。
「やっぱり……オレはこっちが好みだな」
箸を使うのもポーランドの欧州人狼騎士団に所属して以来となるが、身体は覚えているもので器用に里芋を掴んで口に運ぶ。
柔らかく煮込まれた里芋は箸で軽く押すだけで外側がホロリと崩れ、口に入れるとねっとりとした食感が広がって、醤油の風味と合わさって舌の上で溶けていく。噛むたびに素朴な甘みがじんわりと染み出し、戦場での緊張を忘れさせるような優しさがあった。
牛肉は薄切りながらもしっかりとした歯応えがあり、噛むごとに肉の旨味が汁と混ざり合う。こんにゃくのコリコリとした食感がアクセントとなり、単調になりがちな芋煮にリズムを与えている。
汁をもうひと口飲んで溜息を吐き、小さく呟く。
「……こうして食べて、生きている実感を味わうのも悪くない」
次に慧は仙台風味噌ベースの芋煮に手を伸ばした。
こちらは見た目からして濃厚で、仙台味噌らしい若干赤みがかった汁に豚肉と野菜がたっぷり詰まっている。
汁をすすると、味噌のコクと豚肉の脂の甘みが一気に口に広がる。
山形風の繊細な味とは対照的にこちらはオウガのように力強く、まるで戦士の魂を興起させるような味わいであり、子供の頃に食べた母の手料理を思い出す。
「フフ……これはこれで悪くない」
里芋は山形風と同じように崩れるが、味噌の濃厚な汁が絡むことでより重厚な味わいになっていた。
豚肉は脂身と赤身のバランスが絶妙で、噛むたびにジュワッと旨味が溢れ出す。
汁には隠し味の生姜の風味がほのかに感じられ、味噌の濃さを引き締めている。
慧は目を閉じ、一口一口を丁寧に味わった。
この味はどこか彼の内なる情熱を呼び起こすもので普段は冷静で淡々とした慧だが、心の奥には|聖女《アリス》や仲間たちの笑顔を守りたいという熱い想いが宿っている。
味噌の力強い風味はそれらを再確認させるようだった。
「次にこれを食べられるのは、いつになるかわからないな。しっかり味わっておこう……あ、うどんが有れば貰えますか? 最後に入れて食べたいので」
両方の芋煮を食べながらおかわりを繰り返し、お腹の張り具合からそろそろ締めとすべく、よそってくれたオウガの元に再び訪れる。
オウガは「そんな頃合いだと思っていた」と、慧の胃袋を見透かしており、鍋の中には締めとなるうどんが程よく煮込まれていた。
慧はうどんを汁と絡めて貰いながら、締めの一杯となる山形風芋煮を盛り直す。
うどんは汁をたっぷり吸い込み、ツルツルとした食感と醤油の旨味が絶妙にマッチしている。一口食べるとうどんの滑らかな喉越しと共に、里芋や牛肉の残り香が口いっぱいに広がった。
「これは……予想以上にいいな。フフフ、満足だ」
うどんのシンプルさが芋煮の複雑な味わいを引き立てる。
慧はどこか子どものようにはしゃいだ気分になり、普段は見せない無邪気な笑みを浮かべた。
そうして芋煮を食べ終えると、慧は空となったお椀を置いて多摩川の流れを眺める。
身体が温まって心もどこか軽くなった気がする中、すぐにでも戦場へ向かわなければならない現実が胸に迫ろうとしている。
それでもこの一時の安らぎが、彼の心に新たな力を与えてくれたのは確かだろう。
「久しく帰っていない故郷を思い出したな……」
慧は立ち上がって黒い装束を軽く払ってオウガたちに礼を述べると、|決戦配備《ポジション》の防衛に向かう準備を整える。
「さて、腹も心も満たされた……行くとするか」
五月の爽やかな風がそっと吹き抜ける中、芋煮の温もりを胸に再び求道者の道を歩み始めた。
大成功
🔵🔵🔵
メディア・フィール
プレイン改変・アドリブOK
他PCとの絡みOK
POW選択
「こ、これは! 案外薄味!」
説明せねばなるまい!
芋、醤油、味噌、煮る、東北の山形。
ここから導き出されるイメージは「濃い味の汁物」。
しかし、それこそ芋煮は千差万別。味の薄い物も数多く存在している。むしろ大量に食べるならば一杯一杯は薄味のほうが向いているといえる。
薄味且つ具材もそれぞれ微妙に異なる芋煮の山。それでも大量の芋煮を平らげていればいずれ飽きてくる……たとえ決戦に備えた腹ごなしという目的があったとしても。
しかし、邪道ともいえる方法だが、カラシやワサビを少量投入することで味変を起こし、決戦に備えた十分すぎる芋煮を取ることができたのだった。
「こ、これは! 案外薄味!」
メディア・フィール(人間の|姫《おうじ》武闘勇者・f37585)の声に驚きが滲んだ。 彼女の椀の中で湯気が立ち上る芋煮は薄い醤油の汁に、里芋、牛肉、こんにゃく、長ねぎ、きのこがたっぷり入っている。見た目は素朴だが香りは食欲を刺激している
東北料理のイメージから濃い味の汁物を想像していた彼女にとって、この芋煮は意外なほど優しい味だった。
里芋はホクホクと柔らかく噛むたびに芋の自然な甘みがじんわりと広がって、醤油のほのかな塩気がそれを引き立てる。牛肉の旨味は控えめで、むしろスープ全体に溶け込んで一体感を生み出していた。こんにゃくのコリコリとした食感がアクセントとなり、単調になりがちな芋煮に変化を与えている
「この芋、すごい! こんなに優しい味なのに、ちゃんと力強さがあるんだ!」
メディアは笑顔になりながら、掻き込むようにどんどんと食べる。
牛肉は薄切りだが噛むほどに旨味が溢れ、こんにゃくは歯ごたえがあり、長ねぎのシャキッとした食感がアクセントとなり、きのこの香りが鼻腔をくすぐる。
味は薄くとも多彩な食感によってこうも食欲を掻き立てるとは……まさに意外。
「キミたち、こんな凄い物を作れるなんて……オウガ、ただ者じゃないね!」
曰く、オウガはユーベルコードに匹敵する怪力の持ち主。
異なる次元のオウガらは種族の中で喧嘩が一番強かったオウガを女王に据えるまでの戦闘種族であったと聞いたが、腕っぷしの強さだけでなく繊細な料理も得意でもあるとは……これも意外ッ!
だが、食べ進めるうちにメディアは気づいた。
薄味の芋煮は確かに美味しい。
美味しいのだが、同じ味が続くとどこか物足りなさが忍び寄る。
「そう言えば、調味料も準備されていたっけ」
メディアがテーブルに視線を移せば、辛味のアクセントをもたらす一味唐辛子に七味唐辛子、爽やかさを加えるゆずの皮を乾燥させたゆず一味、一味唐辛子にニンニクの粉を混ぜ合わせた一味にんにくなる物も準備されている。
しかしメディアの目に留まったのは、辛子は辛子でも唐辛子ではない和辛子のカラシ。
『鬼からし』とおどろおどろしい般若の面と共に描かれたパッケージが辛さの強さを雄弁に物語っていたが、新たな味の扉を開くに試してみる価値は大いにある。
「ちょっと邪道かもしれないけど、試してみるか!」
粉末の和辛子をほんの少量のみ振りかけ、辛さが染み出たところで一口すする。
鬼神級のピリッとした刺激が薄味の芋煮に鋭いアクセントを加え、里芋の甘みと牛肉の旨味がカラシ独特のツンとした辛さによって引き締まり、まるで新しい料理のように生まれ変わった。
新たに加わった辛さが鼻腔をツンと刺激するが、これもまた良い味変となって食欲は無限に湧いてくる。
「これは……まるで鋭い拳の一撃みたいだ! 味がキリッと締まるよ!」
いつしかメディアの額には玉のような汗が滲み出ており、彼女が使うユーベルコードによって内より燃える漆黒の炎とは違う炎が心を滾らせる。
しかしながら、味変してもその味に慣れてくれば食べるペースは徐々に落ちてくる。
となれば、また異なる調味料で味変あるのみ。
「うわ、ワサビだともっとツーンって来る!? けど……癖になりそうだ!
何故かあった粉ワサビを興味本位で振りかければ、今度はカラシと違った刺激がメディアの舌と鼻をガツンと揺さぶりかけ、思わず涙が浮かんでくる。
されど清涼感も感じる辛さが満腹感を覚えつつあった胃袋をリセットするかのように、再び食欲に火が付いてどんどん食べることが出来る。
これらの刺激は彼女の戦士の魂を呼び覚ますようであり、薄味の芋煮はまるで自分自身を映す鏡のようだ。
カラシとワサビはその闘志を呼び起こし、彼女に決戦への覚悟を促す。
こうして次々におかわりを繰り返すことでひと鍋分の芋煮を空にしたメディアは、満足げに息をついて「ごちそうさまでした」と両手を合わせて食材と作りて手へ感謝。
河川敷の爽やかな風が汗で濡れた赤髪を揺らし、五月の陽光が汗ばむ顔を照らしていた。
「よし、腹ごなしはバッチリだ! 十二剣神め、待ってろよ!」
芋煮の温もりが彼女の体に満ち、静かな決意が胸に宿る。
多摩川の流れを見ながらメディアは思う。
この芋煮のようにどんな戦いも仲間と味わい、工夫を凝らせば乗り越えられる。
「また食べに来るよ! 次は味噌味、試してみたいな!」
かくして、姫勇者は多摩川河川敷に設けられたお食事処けるべろすを後にした。
薄味の芋煮がくれた穏やかな力とカラシとワサビとが呼び覚ました熱き闘志を胸に、新たな戦場へと向かうのだった。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
【天使組】
芋煮…って、食べた事無いかも
過去に作ってる人は見た事あるんだけど
料理好きとしては後学のために知っておきたくはあるかな
でも流石にお腹の容量が厳しい…
ということで、慧華ちゃん
いつもの…よろしくね
僕は…醤油ベースの、豚肉のやついただいてみようかな?
まぁどれ選んでも最終的には同じなんだけどね
慧華ちゃんのあーんは素直に受けて
あ、美味しい…!それ味噌?
醤油も美味しいけど、ベースが変わると結構印象違うね
もし家で作るならピリ辛アレンジも合いそう…?
食べる時もつい癖でアレンジの可能性についてとか分析しちゃうけど
それはそれとしてとっても美味しいから
ありがとう慧華ちゃん
あ、行く前に僕のも一口どうぞ(あーん
朱雀・慧華
【天使組】
私も芋煮は初めてかも
お鍋なのかな?
あったかくって美味しいよねぇ
うん、勿論!
いつも通り任せといて♪
種類があると言うのなら!
全部試してみないとでしょー!
ってことで、澪とは違う種類の芋煮をまずは持てるだけもらって
はい澪、一口あーん♪
私はいくらでも食べれるからね(大食い)
だから澪に味見も兼ねて一口ずつあげて、残りは自分でいただきます
私はなんでも美味しければ満足!って感じだから
ちょっと食べただけで味の違いとか、色々分析できる澪は凄いって思う
えへへ、また澪が作るの楽しみにしてるね
もう一種類も一口食べてていいよ
その間に私お代わり持ってくる!
あ、いいの?わーい!
んふふ、醤油も美味しいねぇー(幸せな顔
多摩川河川敷で開かれたオウガ主催の芋煮会こと『お食事処けるべろす』も猟兵らによる食べっぷりや賑わいぶりがSNSで拡散された影響でか、一般人も参加する賑わいを醸し出しつつある。
そうなればオウガたちも張り切って芋煮をじゃんじゃん作りだし、山ほどあった食材の在庫もなくなりつつある頃、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)と朱雀・慧華(純真天使・f17361)は戦いの前の腹ごしらえとはいえ、どこかピクニックのような気分が漂う活気に満ちた屋台を覗いている。
「へぇ、これが芋煮かぁ……」
「澪も食べたことはないの? 私も芋煮は初めてかも……お鍋なのかな? あったかくって美味しいよねぇ」
「うん。過去に作ってる人は見た事あるんだけど……料理好きとしては後学のために知っておきたくはあるかな? でも、そんなに食べれないから、慧華ちゃんお願い」
「うん、勿論! いつも通り任せといて♪ 種類があると言うのなら! 全部試してみないとでしょー!」
慧華とそんなやり取りを交わしながら、澪は琥珀色の瞳をきらめかせながら目の前に並ぶ鍋を眺めていた。
醤油、味噌、さらにはカレー風のものまである。
芋煮の種類は予想以上に多様で、それぞれの鍋から漂う香りが澪の料理好きの心をくすぐっているが、オウガ基準の量となると見ているだけでもお腹がいっぱいになって来そうだ。
『なんだ、嬢ちゃんたちは芋煮は初めてか? なら、そこに座っていてくれ。出来上がったら持って行くからよ』
気前の良さそうなオウガの好意に甘えて芝生の上に敷かれたレジャーシートで待っていると、程なくして折りたたみテーブルの上に芋煮が運ばれてくる。
『お待ちどうさん! 熱いから気をつけてな!!』
「ありがとうございました」
澪がお辞儀をしてお礼を述べると、まんざらでもない様子でオウガが手を振りながら戻っていく。
先程の会話を聞かれていたのか、オウガが気を利かせてお椀のサイズは女性用の控えめな大きさであった。
それでもそれぞれの汁にゴロッとした里芋とお肉、多種多様な具材が乗っていると少食の澪にとっては多く、対照的に結構食べる慧華にとっては物足りさなを感じる量であった。
「うん、いい匂い……じゃ、いただきます!」
木のスプーンで一口食べた瞬間、澪の表情がぱっと明るくなる。
里芋のほっくりとした食感が舌の上で柔らかく崩れ、醤油の塩気が豚肉の旨味と絶妙に絡み合ってほのかに甘い余韻を残す。
噛めば噛むたびに里芋の素朴な風味がじんわりと広がり、心に温かな安堵感をもたらした。
「美味しい……! 里芋がこんなに滑らかで、でもちゃんと形を残してるのがすごいね。醤油のキレがちょうどいいし……なんか、ほっとする味。初めてなのに、なんか懐かしい感じがするんだよね」
澪は目を細め、まるで遠い記憶を辿るように呟いた。
料理の分析癖が顔を出し、頭の中ではすでに「ピリ辛アレンジなら豆板醤を少し加えて……」とアイデアが巡り始めている。
一方、慧華は目をキラキラさせながら、味噌ベースの芋煮を豪快にすくう。
金髪が五月の陽光に揺れ、彼女の無邪気な笑顔が周囲を明るくさせた。
「なんか、あったかくて美味しそうな匂いだよねー! はい、いただきまーす!」
木のスプーンを口に運ぶと、味噌の濃厚なコクが一気に広がる。
牛肉の深い旨味が里芋やこんにゃくに染み込んでいて、噛むたびにじゅわっとした肉汁が舌を喜ばせる。
こんにゃくのプリッとした弾力が味噌のまろやかな風味と対比を生み、食べていて楽しくなる。慧華の頬が幸せそうに緩んだ。
「んんー! 美味しい! 味噌ってこんなに濃くて、でも優しい味なんだ! 里芋がすっごく柔らかくて、でもちょっとホクホクしてるのがいいよね! なんか、食べると元気出てくる感じ!」
慧華はスプーンを振って興奮気味に語り、すぐに次のスプーンを口に運ぶ。
大食いの彼女にとって、この芋煮はまさに無限の宝庫だ。
「ね、澪! 私の味噌のも食べてみてよ! はい、あーん♪」
慧華は木のスプーンに味噌芋煮をたっぷりすくい、澪に差し出す。
澪は少し照れながらも、素直に「あーん」と口を開ける。
味噌の芋煮が口に入ると眉が軽く上がった。
「うん、味噌だと全然違うね……。 醤油のスッキリした感じと違ってこっちは濃厚で、なんか包み込まれるみたい。牛肉の脂が里芋に染みてて食べ応えあるな。……これ、家で作るなら、ちょっと生姜を効かせてもいいかも?」
分析モード全開の澪に、慧華はくすくす笑う。
「澪ってほんと、食べながらすぐレシピ考えちゃうんだから! でも、すごいよね、そういうの! 私なんか、美味しいってだけで満足しちゃうもん!」
今度は澪が自分の醤油芋煮をスプーンに取り、慧華に「あーん」と返す。
慧華は目を輝かせて大きく口を開け、ぱくっと食べる。
「わー! 醤油も美味しい! なんか味噌よりスッキリしてるけど、ちゃんと深い味! 豚肉の甘さがすっごくいいね! んふふ、どっちも幸せな味だよー!」
彼女の幸せそうな顔に、澪もつられて笑みをこぼす。
ふたりは暫く芋煮を食べながら互いの感想を交わし合う。
澪は里芋の滑らかな舌触りや醤油と味噌の対比に心を奪われ、料理人としての探究心をさらに刺激されていた。
一方慧華は芋煮の温かさと素朴な美味しさに、ただただ心から満たされている。
初めて食べる芋煮はふたりにとって、戦いの前のひとときを特別なものにしていた。
「ねぇ、澪。芋煮ってこんなに美味しいんだね。初めて食べたけど、なんか……また食べたいなって思うよ」
慧華がそう言うと、澪は柔らかく頷いた。
「うん、僕も。初めてなのになんか心に残る味だよね。……いつか僕がアレンジした芋煮を慧華ちゃんに食べさせてあげるよ」
「ほんと? やったー! 楽しみにしてるね! そうと決まれば……私、お代わり持ってくる!」
慧華の弾ける笑顔に、澪もまた笑う。
多摩川の風がそよぐ中、二人は芋煮の温もりを胸に次の戦いへと心を整えていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルエリラ・ルエラ
【アドリブ改変・連携歓迎】
芋煮と言えば私…参上!!やったね私!今日は芋煮を美味しく食べられるよ!
山形風も仙台風もどれも違ってどれもよい。食べてお腹に入れてしまえばそれはもう仲良しこよしなものだよー
でも、ただ振舞われるだけというのも物足りないかな?
私も新鮮なサメがピチピチしてる芋煮を振舞いたいなー?チラッチラッ
さて、オウガの人の芋煮をいっぱい食べるため【どこでも芋煮会の会場設置】発動!
芋煮宗派対立でギスギスしてる人がいようと、この能力でそんな気持ちはポーイだよ。そして私含めて食欲も強化されるから、どれもこれも美味しく食べれるぞー!どんどんもってこーい!
…さ、そろそろ私が用意する芋煮も…いいかな?
「いらっしゃーい! ここが芋煮会の会場だよー!」
ルエリラの声が多摩川の河川敷に響き、まるで魔法のように周囲の空気が和やかに変わる。芋煮宗派対立なんてちっぽけな問題は、この『|どこでも芋煮会の会場設置《ユーベルコード》』の前ではポーイだ。
誰もが芋煮への愛と食欲に突き動かされ、笑顔で鍋を囲む。
オウガたちが設営した『お食事処けるべろす』は、すでに数種類の芋煮が湯気を立てながら香ばしい匂いが辺りに漂っていた。
「うーん、たまんないね! 芋煮の匂いって、なんでこんなに心をくすぐるんだろう?」
ルエリラは鼻をひくひくさせ、胸いっぱいにその香りを吸い込む。
呼び込みを一段落させた彼女は手始めに山形風の醤油芋煮に目を付けた。
鍋の中で里芋がゴロゴロと存在感を放ち、牛肉の旨味が汁に溶け出している。
こんにゃくは手でちぎられた不揃いな形が愛らしく、ネギの緑が彩りを添える。
ルエリラは芋煮が盛られた椀手に、まずは汁を一口すする。
「はぁー……」
温かなスープが舌に触れた瞬間、ルエリラの心に小さな花火が弾けた。
醤油の香ばしさと牛肉の深いコクが、まるで故郷の記憶を呼び起こすような懐かしさを運ぶ。里芋はホクホクと柔らかく噛むたびにほのかな甘みが広がり、こんにゃくはプリッとした弾力が楽しい。噛めば噛むほどルエリラの頬が緩む。
「この芋煮……なんか、子どもの頃に誰かと一緒に食べた味みたいだよ。誰だったかな? うーん……思い出せないけど、幸せな気持ちになるね!」
彼女は目を細め、まるでスープの温もりに抱かれるように身をゆだねた。
河川敷の風がそっと頬を撫で、遠くで子どもたちが笑い合う声が聞こえる。
この瞬間、十二剣神の脅威も、地球の精髄の危機も、どこか遠くの話に感じられた。
芋煮の味はルエリラの心に小さな平和を灯している
まさしく芋煮の平和、パクス・イモーニだ。
次にルエリラは、仙台風の味噌芋煮に箸を伸ばす。
こちらは豚肉の脂がスープに溶け、味噌の濃厚な風味が里芋やゴボウに絡んでいる。
箸で摘んだ里芋を口に運ぶと味噌の塩気が舌を刺激し、続いて豚肉の甘みが追いかけてくる。ゴボウのシャキッとした歯ごたえがアクセントになり、噛むたびに大地の味わいが広がる。
「うわっ、これ全然違う! 力強いっていうか、ガツンとくる感じ! でも、里芋の優しい甘さが味噌をまろやかにしてるんだよね……。戦いの前にこれ食べてたら、絶対元気が出そう!」
ルエリラは目を輝かせ、まるで新しいお宝を見つけたシーフのように芋煮をまじまじと眺めながら、しっかりと味わう。
味噌の濃厚さは彼女の心に勇気をくれるようであり、猟兵たちが集うこの河川敷で芋煮はただの食事ではなく……仲間との絆を深める儀式のように感じられた。
「うーん、私の芋煮もそろそろみんなに食べてもらいたいな……」
ふと、ルエリラは自分の鍋をちらりと見た。
彼女が用意した『サメ入り芋煮』はまだ誰も手をつけていない。
アンモニア臭がまったく感じない新鮮なサメの身が里芋や野菜と一緒に煮込まれ、独特の磯の香りを放っている。見た目とは言うと、一口サイズ程度の生きた小ザメらが芋煮の熱さから逃れようとピチピチ跳びはねており……まぁ、うん。
「サメの食感、プリプリで絶対ハマると思うんだけど! コラーゲンもたっぷりだし! でも自分で食べて供養する前に、もうちょっと他の芋煮を楽しんじゃおうかな?」
ルエリラは再び山形風の鍋に手を伸ばした。
里芋の滑らかな舌触りと汁に溶けた牛肉の旨味が、再びルエリラの心を優しく包み込む。
河川敷に響く笑い声と芋煮の香りに満ちたこの瞬間は、彼女にとって何よりも貴重な宝物だった。
「芋煮って食べたらみんな笑顔になっちゃうから、ほんとすごいよね。全都道府県のご当地芋煮もだけど、世界中の芋煮もあればぜんぶ食べてみたーい!」
ルエリラはそう呟くと、狼耳デバイスをピコピコ動かしながら次のひとくちを口に運ぶ。
多摩川の風が彼女の青髪をそっと揺らした。
大成功
🔵🔵🔵
ミリム・ウィアテスト
【WIZ判定】
オウガ…なんでしょうか、すごく親しみを覚える方々ですねっ!
「さて芋煮会とはなんでしょうか!?」
失礼、別世界から来た者ですので…。
ジークリットさんの説明を思い出し
オウガさん達の説明も聞いて改めて納得!
「なるほど芋を使った鍋料理ですね!」
「それでしたら、こんなモノはどうでしょうか?!」
お芋のほかにコンソメ!ソーセージや!ブロッコリーに!キャベツも煮ちゃって!
「私の故郷の味風にアレンジしてみました。ポトフな芋煮です!」
さあさあ、皆さんもどうぞ食べてみてください…!
私も完食しますが、皆さんも美味しく食べてくれたら嬉しいな。
(アドリブ・絡みOK)
五月の多摩川河川敷は春の柔らかな陽気と初夏の爽やかな風が織り交ざり、活気あふれる空気に満ちていた。
川のせせらぎと新緑の輝きが戦い前となる束の間の休息を彩り、オウガたちが設営した『お食事処けるべろす』はまるで盛大な祭りのように大盛況であった。
鉄鍋から立ち上る芋煮の湯気と甘い香りが辺りを包み、猟兵や『|決戦配備《ポジション》』建造の前に腹ごしらえにと訪れた市民の笑い声が響き合う。
だが、そのあまりの盛況ぶりが思わぬ事態を招くとは……誰が予想していただろうか。
『グワー!? 牛肉と豚肉が切れる寸前!!』
『調味料もそろそろ切れそうだ!!』
『だが、芋だけはまだまだある!?』
足りなくなった具材を補おうとして追加して行き、材料が偏り始めたのだ!
オウガたちは何とか食材をどこかで調達できないか騒ぎ出すが、決戦都市『東京』では他のオウガたちも『お食事処けるべろす』を開いていれば調達はままならない。
それでもなお、屋台の周りには芋煮を求める人で溢れかえっている。
「オウガ……なんでしょうか。すごく親しみを覚える方々ですねっ!」
そんな騒動の折に銀髪を風で揺らしながら訪れたのが、家出中の箱入り娘エンドブレイカーことミリム・ウィアテスト(イノセントの魔想紋章士・f43456)。
ミリムは黄金の角を持つオウガたちを見上げ、彼らの豪快な笑顔と温かみのある雰囲気は不思議と懐かしさに似た親しみを抱く。
そんなオウガのひとりが食材不足を嘆くと、ミリムは首をかしげる。
「さて芋煮会とはなんでしょうか!? 失礼、そんな風習などない別世界から来た者ですので……」
彼女の声は好奇心に満ち、賑やかな場に響いた。
オウガたちが「里芋と他の具材を似た鍋料理を屋外で食べる催しである」と答えると、ミリムはグリモア猟兵の話を思い出して頷いた。
「なるほど芋を使った鍋料理ですね! それでしたら、こんなモノはどうでしょうか?」
残っている具材にミリムは緑色の瞳をキラリと光らせると、里芋、ソーセージ、ブロッコリー、キャベツ、そしてコンソメを手に取る。
これらはご当地芋煮を作る際の材料と隠し味であり、里芋はまだ十分な量がある。
「提案しますのは、私の故郷の味風にアレンジしてみました……ポトフな芋煮です!」
ミリムは自信満々に宣言するポトフ風芋煮の食材はまだ豊富にある。
それをオウガたちが聞けば「そいつは助かる!」と目を輝かせた。
「では、オウガさんは得意な力仕事でお願いします」
ミリムはオウガたちと協力し、大きな鉄鍋に水を張ってコンソメを溶かし込む。
里芋はあらかじめ下ごしらえ済みであるのでそのまま投入し、じゃがいもではなく里芋のねっとりした食感がポトフに新たな魅力を加えそうだ。ソーセージは食べ応えのある厚さに、ブロッコリーの鮮やかな緑とキャベツの白さが鍋に彩りを添える。
火が通るとコンソメの優しい香りが立ち上り、盛況な河川敷の喧騒に混ざって漂った。
(失敗したら……みんながっかりするかな?)
初めての芋煮会で、しかも食材不足のピンチを救う役割にミリムの心はドキドキしていた。飛び出した実家のキッチンでポトフを作ったことはあるが、こんな野外で大勢に振る舞うのは初体験なのだ。
一瞬不安がよぎるが、ミリムは笑顔でそれを振り払った。
こうして旅に出たんだから挑戦するしかない! と。
鍋がぐつぐつと煮え始め、ミリムは味見用の小さなお椀にすくって味見をする。
「……わぁ!」
一口含んだ瞬間、ミリムの顔がぱっと輝いた。
里芋はほくほくと柔らかく、噛むたびにほのかな甘みが広がる。コンソメの塩気も芋の素朴な味わいを引き立て、舌の上で溶けるような食感が心地よい。
次にソーセージを頬張る。ぷりっとした食感と噛むほどに広がる肉の旨味が、コンソメのスープと絶妙に調和する。ミリムは目を閉じ、その味わいにうっとりする。
ブロッコリーはシャキッとした歯ごたえを残しつつ、スープの風味を吸ってまろやかになっている。キャベツはとろけるように柔らかく、口の中でスープと絡み合って優しい甘みが後を引く。
「美味しい……! 私、ちゃんとできた!」
ミリムは小さくガッツポーズをし、胸の内で安堵の息をついた。
彼女の心には、家出の寂しさと、盛況な場を救った達成感が交錯していた。このポトフな芋煮は、彼女の旅の新たな一歩だった。
「さあさあ、皆さんもどうぞ食べてみてください…!」
ミリムは少し照れながらお椀にポトフな芋煮を盛り付け、オウガたちや市民たちに配った。食材不足でざわついていた屋台に再び活気が戻り、河川敷に即席のテーブルが並んで皆が輪になって座って、皆の反応に頬を緩ませる。
彼女自身も椀を抱えポトフな芋煮を完食する。
スープの一滴まで飲み干すと体の芯から温まる感覚に包まれ、戦いの前の緊張がほぐれて仲間たちとの絆が深まるような気がした。
「私も完食しますが、皆さんも美味しく食べてくれたら嬉しいな」
ミリムはそうつぶやいて河川敷に響く笑い声と鍋の湯気を眺め、初めての芋煮会は彼女にとって忘れられないひとときとなった。ポトフな芋煮の温かな味わいは戦いの前に皆の心を一つにし、多摩川の風に優しく溶け込んだのであった。
大成功
🔵🔵🔵