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ケルベロス・ウォー①〜狂森の花角

#ケルベロスディバイド #ケルベロス・ウォー #セントール

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●病の毒花
 ――全世界決戦体制、発動。
 デウスエクスの統括者である『十二剣神』のうち六柱が出現した現在、世界は戦争状態。
 敵の狙いは特務機関DIVIDE本部『東京タワー』の地下に渦巻く『地球の精髄』。裏でどのような思惑が動いているかは未だわからないが、このままでは世界の危機や崩壊が訪れてしまうだろう。
「予断は許されぬ。皆、出動じゃ!」
 鴛海・エチカ(ユークリッド・f02721)は猟兵達に呼びかけ、現状を説明していく。

 現在、デウスエクスの軍勢が高速で襲来してきている。
 多くの敵が迫ってくる最中、此度に対応してほしいのは狂森病患者と呼ばれる、病魔に寄生された元人間達の軍勢だ。そう語ったエチカは今回は少しだけ特殊だと話していった。
「その奇病、『|狂森病《きょうしんびょう》』は突如として強烈な暴力衝動に苛まれ、自らが傷つくことすら厭わずに暴れまわる。そして……その後に命を落としてしまう病なのじゃ」
 襲来に対応するのも大切だが、早く対応しなければ狂森病患者が自ら命を落とす。
 幸いにも病魔の根源だけを倒せば患者は人間に戻れるという。そんな状況を察知し、迎え撃つ為に現地の妖精種族「セントール」が逸早く飛び出している。
「知っておる者もおるじゃろうが、セントールは半人半馬の種族じゃ。彼や彼女らに合流することができれば、心強い味方として、狂森病患者を救う力になってくれるぞ!」
 セントール達は敵群を一ヶ所にまとめて追い込み、病魔を仕留めるチャンスを作り出してくれる。
 その好機を見逃さず、一気に敵を倒す。そうすれば人々も病魔から解放され、平和的解決が可能だ。
「皆、頼んだのじゃ。無事の帰りを待っておるぞ!」
 そして、信頼を抱いたエチカは戦場に赴く仲間達を見送った。

●狂気衝動
「いたい、イタイ、痛い痛い痛い」
「何もかも引き裂いちゃえ、殴っちゃえ、壊しちゃえ!」
「あはは、あははははは!!!」
 狂森病患者達は泣き叫び、或いは興奮状態に陥りながら暴れまわっている。
 その頭には病毒角と呼ばれる部位が生えており、或る者はそれを掻き毟りながら、また或る者は病魔の猛毒を広げるために角を使って戦おうとしている。その身体には身を裂く衝動から生まれた美しい花々が咲いており、病魔の侵食具合がわかった。
 現場に逸早く到着した半人半馬、セントールはその姿を見つめている。
「なんて痛々しい……」
「だけど、あの人達はまだ意識がある。助ける為に倒すぞ!」
「えぇ、全力を尽くしましょう!」
 患者達はまだ人間としての意志があり、花や角を狙って倒せば病魔を払えるだろう。
 セントール達は決意を固め、戦いに挑んでいく。人々を救い、この世界を守り抜く為に――。


犬塚ひなこ
 こちらは『ケルベロス・ウォー』
 ①クラッシャー〜『ギガントクラッシャー』のシナリオです。

●👾『狂森病患者』
 自らが傷つくことすら厭わず暴れ回った後に命を落とす奇病『狂森病』患者。
 言葉を喋ることはでき、元の意志も残っていますが病を倒すまでは話が通じません。花や角を狙い、病魔だけを撃破できれば病が完治した状態で助け出せます。

●プレイングボーナス
『セントールと連携し、まとまった敵群に範囲攻撃を叩き込む』

 戦場にいるセントール達に声をかければ協力してくれます。彼らと連携して患者達を救い出しましょう!
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第1章 集団戦 『狂森病患者』

POW   :    病毒角
【角】が命中した部位に【病魔の猛毒】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
SPD   :    身を裂く衝動
自身に【美しい花々】をまとい、高速移動と【狂気をもたらす香気】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    暴力衝動
【狂乱状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。

イラスト:れんこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
セントールの皆様方、患者さん達を藍ちゃんくんの方に誘導、お願いするのです!
話も通じぬ狂森病とのことでっすがー……それでも。
ええ、それでも。
歌は、届くのでっす。届かせるのでっす!
毒角を踊るように身かわしつつも歌うのでっす、祈りを込めて。
痛みを、苦しみを、癒やす歌を。
もう大丈夫、痛くないのでっすよー。
この歌は皆さんを傷つけはしないのでっす。
皆様の痛みの、涙の元凶である病魔だけを攻撃するのでっす!
セントールさん達が集めてくださるおかげで、一度に沢山の患者さん達に歌を届けれるのでっす!
そうすれば!
もう患者さんはいないのです。
いるのは完治した藍ちゃんくんのファンなのでっす!



●癒やしの歌声
「――あはは、あははははは!!」
 笑い声が響いている。
 それは痛々しいほどに明るく、狂ってしまう寸前と表しても過言ではない声だ。紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)は狂森病患者の声を頼りに進み、先んじて対応していたセントールと合流した。
「藍ちゃんくんでっすよー!」
「まぁ! 援軍の方ですか?」
「はい、狂森病患者さんを助けにきたのでっす! セントールの皆様方、患者さん達を藍ちゃんくんの方に誘導、お願いするのです!」
「良かった、気持ちは私達と同じようですね。皆さんを助けましょう!」
「それではいくのでっす!」
 藍とセントールは意思を確かめ合い、それぞれの行動に移っていく。
 狂森病患者達もこちらに気付いたらしく病毒角で藍を狙ってきた。
「あなたも同じにしてあげる!」
「きゃはは!」
 その言動はとても正気とは思えない雰囲気だ。言葉が解っても話が通じぬのが狂森病とのことだったが、藍は無視することなどできなかった。
「狂気の最中にあっても……それでも。ええ、それでも――歌は、届くのでっす。届かせるのでっす!」
 藍は志を強く持ち、狂森病患者に手を伸ばす。
 迫る毒角は踊るように躱し、藍は歌を紡いでいく。祈りを込めて、願いを宿して。
 痛みを、苦しみを、癒やす歌を。
「もう大丈夫、痛くないのでっすよー」
 藍の歌は狂森病患者達を傷つけはしない。それは痛みと涙、狂気の元凶である病魔だけを攻撃する力だ。
「藍ちゃんくん様、こちらの準備は万端です!」
「はいなのでっす!」
 その間にセントールが狂森病患者をうまく集めてくれた。これで多くの患者に歌を届けることができる。
 理屈も条理も超越した穏やかで優しい歌が響いていく。そうすれば、すぐに――。
「あれ、痛くない?」
「う、うう……わたし、何してたの?」
 患者だった者から角が落ち、身体を覆っていた花が消えた。
 その姿を確かめた藍は明るい笑みを浮かべる。
「この辺りにもう患者さんはいないのです。いるのは完治した藍ちゃんくんのファンなのでっす!」
 藍の言葉は快く、誰よりも皆の完治を喜んでいることがわかった。
 この勝利を始まりとして、救うための戦いが幕あけてゆく。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

レラ・フロート
私達の戦いは、常に人々と共にありました
病魔に寄生された人たち、みんな助けてみせるっ

気合い十分に先行するセントールさん達に
ダッシュで追いつき、共闘します
「ありがとう!必ずみんな助けましょうっ」
「私が病魔だけを倒してみせますので、1か所に集めてくださいっ」

セントールさんが集めた人達に一気になぎ払いを見舞います
部位破壊するは、花や角
これでもレプリカントです、きっちりと見切り、
病魔だけを討ちますとも
落ち着きを意識し攻撃を叩き込むね

人々の無事を確認できたら、コミュ力を発揮して笑顔を。
もう大丈夫ですっと元気付けますね

今は戦争中、必ず勝利しますので応援してください
人々の応援こそ私達の力
これも、絆攻撃ですねっ



●心を重ねて
「私達の戦いは、常に人々と共にありました」
 戦を前にして思い返すのは、これまでに戦い抜いてきた日々。
 レラ・フロート(守護者見習い・f40937)の胸裏には様々な記憶が浮かんでいる。楽しかったこともあれば、悲しみを感じたこともあった。それに辛いことだって――。
 だが、すべてが重なったことで今の自分がある。そんな今、目の前に病魔に寄生された人々がいるなら。
「みんな助けてみせるっ」
 デウスエクスの手先と化してしまっていても、人としての意志が僅かでもあるならば。
 気合いを入れたレラは戦場を駆け、狂森病患者の対処を行っているセントール達に追いつく。
「今まで耐えてくれてありがとう!」
「いえ、これくらい当たり前です」
「必ずみんな助けましょうっ」
「勿論です!」
 レラが呼びかけたことでセントール達の頼もしい言葉が返ってきた。今回は、ただ相手を倒すことだけならば簡単だが、それでは寄生された人も亡くなってしまう。それゆえにセントールとの連携が必要だ。
「私が病魔だけを倒してみせますので、一か所に集めてくださいっ」
「承知いたしました!」
 姉から授かった剣で切り込むことを告げ、レラはセントールに願う。応えたセントールは狂森病患者を必要以上に傷つけぬよう細心の注意を払い、追い込んでいった。
 そして、レラは集められた人々を一気に薙ぎ払う。全力の一閃ではあるが、見舞われたのは部位破壊。レラは患者を蝕む花を切り裂き、病の証でもある角を見事に圧し折ったのだ。
「あ……れ……」
「痛いの、なくなった……?」
 角と花から解放された人々は狂気を失い、元の人間に戻った。
「これで病魔だけを討ち滅ぼせました!」
「お見事です! この辺りの狂森病患者さんは正気に戻ったようですね」
 レラの報告は確かなものであり、セントールも患者だった人々の無事を喜んだ。
 笑顔を浮かべたレラは元患者達へと駆け寄りながら明るく伝える。
「もう大丈夫ですっ」
 その言葉は皆を元気付けるためのもの。きっと正気を取り戻した人々は世界の状況に不安を覚えるだろう。それゆえにレラは力強く、心からの宣言をした。
「今は戦争中ですが、必ず勝利しますので応援してください!」
 人々の応援こそが力の根源。
 この世界で紡がれ、続いていく絆こそが――勝利を導く希望になる。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

キトリ・フローエ
狂森病だなんて、怖い病気があるのね…
でも、助けられるなら助けたいのはあたしも同じ!
急いで戦場に駆けつけて、セントールさんと合流しましょう
セントールさん!囮は任せて!
セントールさん達の動きに合わせて空中機動で素早く飛び回り
魔力を溜めながら敵の意識を引き付けるわ
大丈夫、あたしこう見えても結構すばしっこいから
捕まったりなんかしないわ!
咲いたお花はきれいだけれど…
悪いことをするなら散らさなくっちゃね
うまく敵さんたちを囲い込めたら高速詠唱の全力魔法
破魔と浄化の力を込めた空色の花嵐で
囲い込んだ敵さんたちの花と角だけを狙って攻撃
あなたたち、少し痛いかもしれないけれど、ちょっとだけ我慢してね
絶対に助けるわ!



●命を繋ぐ為に
 躰は花に侵され、身を裂く衝動が狂気を呼ぶ。
 頭に生えた病毒の角は、患者達を人ならざるものに変えてしまっているかのよう。
「狂森病だなんて……」
 怖い病気があるのね、と言葉にしたキトリ・フローエ(星導・f02354)は前を見つめた。どれほど怖くとも、目の前で起こっていることから瞳をそらさぬためだ。
「そこのフェアリーさん! 患者さんを助けるために手を貸していただけますか?」
「えぇ、そのために来たの。助けられるなら助けたいのはあたしも同じ!」
「助かります。それでは参りましょう!」
 決意を固めたキトリの前に現れたのは、狂森病患者を救いたいと願っているセントールのひとりだ。
 キトリは頼もしい仲間に続き、翅をふわりと広げる。
「囮は任せて!」
「あなたが囮を? 危険な役目ですが大丈夫でしょうか」
「大丈夫、あたしこう見えても結構すばしっこいから。捕まったりなんかしないわ!」
「わかりました。どうかお気を付けて!」
 飛び立つキトリに純粋な心配の声が掛けられたが、セントールとの間にはすぐに信頼が巡った。キトリが囮をつとめている間にセントール達が患者を追い込んで集めていく作戦だ。
 キトリは皆の動きに合わせて素早く舞い、空中を飛び回ることで狂森病患者の気を引く。
「こっちよ!」
「見て、あの綺麗な蝶々を引き裂いたらどんな気分かしら」
「あははは! とっても楽しそう!」
 患者達は正気を失っており、こちらを壊すことを狙っているようだ。対するキトリは魔力を溜めながらさりげなく相手を誘導していく。その際に視界に入ったのは患者の躰に咲く花。
「咲いたお花はきれいだけれど……悪いことをするなら散らさなくっちゃね」
「はい、あの花は悪しきものですから!」
 そのとき、セントールの声が聞こえた。それが包囲完了の合図だと知ったキトリは、ここからが本気を出す時だと察した。紡ぐ詠唱は皆を助けるためのもの。全力を込め、迸らせたのは空色の花嵐だ。
「ベル、あなたの花で覆い尽くして! あなたたち、少し痛いかもしれないけれど、ちょっとだけ我慢してね」
 花蔦絡む杖と患者達に呼びかけ、キトリが狙いを付けたの花と角のみ。
 綻ぶ花の精霊が紡いだ煌めく青と白の花は、狂森の病魔だけを浄化していった。
「絶対に助けるわ!」
 その言葉と花の巡りは強く、確かな力となって病魔を討ち滅ぼす。
 花嵐がおさまった後、キトリは隣に駆けてきたセントールと笑みを交わした。
 そうした理由は、勿論――人々が病から解放された姿が見えたからだ。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

アレフ・フール
UC発動
愚者よ…お前にも手伝って貰うぞ!
「任せよ|アレフ《愚者》よ…我が力を存分に振るうがいい。しかしこの世界にもセント―ルは居たようだな。」

しかし…部位狙いで範囲は難しいか
「比較的角は狙いやすいぞ?」
ならやってみるか!
【戦闘知識】
全知・超克発動
病魔の状態と位置を解析
セント―ル達の陣形と能力も把握

【二回攻撃・貫通攻撃】
セント―ル達と連携しながら角を切り裂き
【重量攻撃・属性攻撃】
セント―ルと床に一か所にまとめさせて
角や花を狙っての属性攻撃で獄炎の温度を高めつつ収束させて…一線で焼き切る!
全力で燃え移りはさせぬよう細心の注意は行いつつ燃え移りそうな人はセント―ルに消火してもらう!



●病を断ち切る炎
 罪なき人々が病に冒され、狂気を宿しながら暴れまわっている。
 このままにしておけば彼らが自ら命を落とすという現状を聞いた以上、放っておくわけにはいかない。
「愚者よ……お前にも手伝って貰うぞ!」
「任せよ|アレフ《愚者》よ……我が力を存分に振るうがいい」
 狂森病患者が集う戦場にて、アレフ・フール(愚者・f40806)と憤怒の獄炎がオブビリオン『憤怒の愚者』は言葉を交わしていた。この場所では患者を救うためにセントールが戦っている。その姿はとても勇敢だ。
「しかしこの世界にもセントールが居たようだな」
「患者を助けたいと願う気持ちは同じだ」
 アレフは半人半馬の者達と協力することが勝利の鍵だと感じており、そのために動き出す。
 彼らが狂森病患者を追い込んでいくので、まとまった敵群に範囲攻撃を叩き込めばいい。されど人々を本当に助けるには病の根源である部位を狙うことが望まれる。
「花か角だけを狙うのは難しいか」
「比較的角は狙いやすいぞ?」
「ならやってみるか!」
 アレフは憤怒の愚者の言葉を聞き、狙いを定めてゆく。
 纏った獄炎はアレフ自身の力を増強していき、患者の動きを見定める力として巡る。
 ――全知・超克発動。
 病魔の状態と位置を解析していったアレフは、共に戦うセント―ル達の陣形と能力も把握しにかかった。セントール達は順調に患者を包囲して纏めている。
 自分の近くに狂森病患者が集い始めているのだと分かり、アレフは身構え直す。
 そして、アレフは一気に攻撃を仕掛けていった。
 二回攻撃で以て角のみを狙い、貫通させることで病魔を払う。セント―ルの援護を受けながら角だけを切り裂くアレフは、そこに重量を乗せた属性攻撃を加えていく。
 角を中心に穿ち、獄炎の温度を高めつつ収束させれば花にまで影響が及ぶ。
 これならば救うことが叶うと確信し、アレフは更に攻め込む。
「ここで全てを焼き切る!」
 ただひたすらに、全力全開で。
 されど患者の身体に燃え移らぬよう細心の注意を払って。果敢に戦い続けるアレフや援護のセントールの周囲には気を失った患者が次々と倒れていった。
 だが、それは喜ばしいことだ。
 何故なら、それは――狂森病患者から病魔が落とされたことを示しているのだから。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

アレクシス・ミラ

何て悍ましい病だ…!
一刻も疾く病魔から助け出さないと

白馬のヴェガに騎乗し
セントール殿達と合流を
加勢します
人々を救う為…僕も貴方達と共に戦わせてほしい
応えてくれるなら皆さんには患者達の追い込みと包囲網をお願いしたい
患者達の惹きつけと誘導は僕にお任せを

存在を示す様に突撃
風を纏わした剣から放つ突風で彼らを牽制しよう
少しでも花を散らし
僕へと意識を惹かせる様に!
角の攻撃は命中しないよう風で体勢を崩させたり
見切って上空へ飛翔し回避を
…少々手荒になってすまない
痺れさせる程度の雷を降らせ麻痺を狙おう
セントール殿達の包囲網でさらに動きが鈍れば
【天聖光陣】
光で患者達の角…病魔だけを狙い撃つ
君達を蝕む病を祓おう!



●救いの光
 それは狂気の花。
 自分が傷付くことなど厭わずに暴れ、命を落とす奇病。
「何て悍ましい病だ……!」
 狂森病に冒された人々を前にして、アレクシス・ミラ(赤暁の盾・f14882)は心を痛めていた。
 病の影響で衝動のままに動く患者達は今も命を削っている。身体に花が咲く度に痛いと泣く少女、止まることのない笑い声を響かせる少年や、無言のまま破壊衝動に従う青年など患者の様子は様々。
 一刻も疾く、病魔から助け出したい。
 強く願ったアレクシスはヴェガに騎乗し、現地で戦う者達の元へ急いだ。
 流星の如く駆ける白馬は凛々しく、協力者が訪れたことに気付いたセントールが振り向いた。アレクシスは彼らに真剣な眼差しを向け、加勢します、と告げる。
「人々を救う為……僕も貴方達と共に戦わせてほしい」
「心強いお言葉だ。むしろこちらからお願いしたいくらいです!」
 セントールはアレクシスの願い出に頷き、頼もしい限りだと答えた。狂森病患者達は数が多いが、セントール達の協力を得られれば追い込むことも出来る。
「そちらは包囲網を。患者達の誘導は僕にお任せを」
「はい、共に頑張りましょう!」
 アレクシスとセントールは頷き合い、それぞれの行動に移る。双方が視線を交わしたのは一瞬だったが、たったそれだけで同じ意志を抱いているのが解った。
 信頼を宿したアレクシスは、敵に己の存在を示すが如く突撃してゆく。
 風を纏わせた剣から巻き起こるのは病魔の花を散らす突風。されどまだ牽制に留め、少しでも病の影響を減らすことを目的としている。その間にセントールが包囲網を狭めてくれるだろう。
 それまでは自分に注意を引き付けるべく、アレクシスはヴェガと共に駆ける。すると少年の患者が飛び出し、アレクシスに攻撃を仕掛けてきた。
「邪魔だよ、どいて!」
「残念だけどそれはできないな。……少々手荒になってすまない」
 振るわれた角を避けるため、風を起こしたアレクシスは少年の体勢を崩させる。そのまま飛翔したアレクシスの言葉は優しく、少年の完治を願っていることが感じられた。
 そこでセントールによる包囲が完成する。
「今です、お願いします!」
 彼らからの合図を聞いたアレクシスは雷を降らせて相手を麻痺させ、其処から一気に天聖光陣を展開した。
 その力は患者達の角と花――即ち、病魔の根源のみを貫いていく。
「君達を蝕む病を祓おう!」
 そして、それは希望を齎す一閃となる。
 アレクシスの宣言通り、光の柱が収まった時には狂森病の症状すべてが祓われていた。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

七色・くるみ
みんな、すごく苦しそう…
早く助けてあげなきゃ…!

此処はアイドル☆フロンティアじゃないけど、アイドルとしての力はちゃんと使えるみたい。
大丈夫、やれる!

セントールさん達には患者さん達を一箇所に纏めてくれるようお願い。
その間に、わたしは歌を歌うよ。
皆の痛み苦しみに寄り添い、それが必ず治るものだと励ます【希望の力】を込めた【歌魔法】。
これで、少しでも暴走が収まればいいなって。

充分に皆が集まったら、歌の流れから口上(詠唱)と決めポーズでサンシャイン☆バースト発動!
光の弾幕を浴びせて心身を浄化――病魔も、それで悪くされたところも全部吹き飛ばしてみせるよ!



●アイドルと歌の力
「みんな、すごく苦しそう……」
 狂森病患者の元へ駆けつけた七色・くるみ(ウィッシュフル☆レインボー・f45138)は胸を押さえる。
 世界を巻き込む戦いの最中、彼女や彼らは利用されているようなもの。自らの意志で戦いたいと願っているわけではなく、身を裂くような衝動に操られているだけだ。
「早く助けてあげなきゃ……!」
 くるみは決意を固めながら、この世界の空気を確かめる
 此処は普段から活動しているアイドル☆フロンティアではないが、自身が持つアイドルとしての力はちゃんと使えるようだ。それならば何も問題はない。
「大丈夫、やれる!」
 勇気を胸に抱いたくるみは、狂森病患者達を救うために動き出していく。
 すると、先んじて患者の対応を行っていたセントールがくるみの近くに参じた。
「そこの可憐な貴女、作戦に同行してくださいますか?」
「うん、こっちから協力をお願いしたかったくらいだよ。行こう!」
「頼もしいお返事です。ありがとうございます!」
 セントールと意志を重ねたくるみは、患者達を一箇所に纏めてくれるように願う。その間にくるみが歌を紡ぐことで患者の気を引き、浄化を行う狙いだ。
 ご武運を、と告げて病魔を追い込む動きを開始したセントール。
 その背を見送ったくるみはそっと身構え、狂森病患者に真っ直ぐな眼差しを向けた。そして、其処から紡がれていったのはアイドルとして希望の力を込めた歌魔法。
「――♪」
 これで、少しでも暴走が収まるように。
 皆の痛み苦しみに寄り添い、それが必ず治るものだと励ます歌声が戦場に響き渡る。
 そうして、セントール達が患者を追い込んできた。
 今こそ力を発揮するときだとして、くるみは口上を述べてゆく。
「心を覆う黒い雲、輝く光で吹き飛ばせ! サンシャイン☆バースト!」
 決めポーズを取ったくるみ。
 その背後から飛び出したのは色とりどりの魔力弾だ。赤に黄、橙色と様々な色が弾けた爆発が起こる。だが、それは狂森病患者を倒すものではなく――病魔だけを穿つ力。
「きれい……」
「光も歌も素敵……。ああ、もうどこも痛くない」
 周辺は悪しき心を浄化する地となり、その影響で患者達から病魔が祓われる。
「やった、助けられたよ!」
 くるみはとびきりの笑顔を浮かべた。
 光の弾幕がきらきらと輝きながら消えた時、其処には憑き物が落ちたように晴れ晴れとした表情を浮かべる者達の姿があった。皆がくるみの歌に聞き惚れていたらしく、その顔にも心からの笑みが宿っていた。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア


いきなりこんなこと仕掛けてきたあたり、あっちにも何かしらの事情はあるんでしょうけれど。だからってハイそーですかと黙ってやられるわけにもいかないしねぇ。

範囲攻撃とはいえ、爆撃とかだと病魔だけ狙い撃ちはできないし。だとしたらこうかしらぁ?
|エオロー《結界》で○オーラ防御を展開、ミッドナイトレースに○騎乗してテイクオフ。セントールサンたちに纏めてもらった敵軍の上空に移動して●黙殺を起動、矢と刃を雨霰と降らせるわぁ。これなら|病魔《敵》と|患者《味方》の区別も可能だし効率的よねぇ?
理性喪失状態だし、適当な高度で高速移動すればいい感じにヘイト稼いでセントールサン達からタゲ外せるんじゃないかしらぁ?



●鮮烈なる上空攻撃
 デウスエクスの統括者『十二剣神』。
 そのうちの六柱が総力戦を行おうとしている今、全世界決戦体制が発動している。
「いきなりこんなこと仕掛けてきたあたり、あっちにも何かしらの事情はあるんでしょうけれど――」
 ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は戦場に立ち、此度の状況に思いを巡らせる。敵側に何らかの理由と思惑があるのは間違いないだろう。
 だが、そのことに構って対抗の手を止めるわけにはいかない。
「だからってハイそーですかと黙ってやられるわけにもいかないしねぇ」
 やりましょうか、と言葉にしたティオレンシア。
 その視線の先には、病魔に冒された人々が暴れまわる様子があった。彼女らは狂森病患者であり、身を裂くような衝動に耐えきれず死ぬまで暴れるという。
 既に危機を察知したセントール達が患者の対処に回っており、追い込んでくれている状態だ。
「ありがたく共闘させてもらうわぁ」
 狂森病患者が集わされていく箇所を感じ取り、ティオレンシアは攻勢に入っていった。
 相手は数が多く、あのまま倒して死を与えてしまうのは推奨されていない。それゆえに範囲攻撃で一気に病魔の部分だけを穿てばいいのだが――。
「爆撃とかだと病魔だけ狙い撃ちはできないし。だとしたらこうかしらぁ?」
 考えを巡らせたティオレンシアは行動に移った。
 まず|エオロー《結界》でオーラ防御を展開し、次にミッドナイトレースに騎乗する。
 その勢いに乗ってテイクオフしたティオレンシアはセントール達の動きに合わせて移動する。向かう先は患者が纏められている箇所の上空だ。
 ――|黙殺《デザイア》。
 シトリンの付いたペンの形をした鉱物生命体・ゴールドシーンを用い、降らせてゆくのはユーベルコードの力。病魔に冒されて力を得ている相手とはいえ、頭上からの攻撃へ咄嗟に対応できるものは少ないだろう。矢と刃は雨霰の如く降り注ぎ、相手の角を貫かんと迫った。
「これなら|病魔《敵》と|患者《味方》の区別も可能だし効率的よねぇ?」
 ティオレンシアの言葉通り、角や花の部分だけが的確に攻撃されていく。それに加えてこの動きは、半ば囮のようになっていたセントールに迫っていた攻撃への対抗策になった。
 理性喪失状態ならば手痛い攻撃をする方を、つまりティオレンシアに狙いを向けるはずであるからだ。
 そして、ティオレンシアは適当な高度を維持しながら高速移動を行う。自らヘイト稼いで敵を引き付けるティオレンシアは、そこからも病魔だけを的確に貫いていった。
 すべてが作戦通り、上手く進んでいると感じながら――。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

早門瀬・リカ
この世界の危機を看過するわけにもいかない。
そして相手が病人であっても躊躇っている暇はないかな。
セントール達、可能なら他の猟兵達と連携して、一気に勝負を決めたい。
セントール達が狂森病患者の人達を集めてくれるなら
そこを狙って幻影雷獣撃を叩き込むよ。
可能なら意識だけは眠らせてあげたいかな。
感電して広範囲に影響を与えられればかな。
セントール達が巻き込まれたりしないように
攻撃のタイミングは見計らうよ。
それでも倒せず、乱戦になるようなら、斬霊刀《影渡》と
風魔幻舞刃で応戦するよ。
あくまで倒すのは病魔なのだという事は決して忘れない。

「悪しき病魔、今ここで絶たせてもらう!」

アドリブ、連携歓迎



●悪夢を絶つ刃
 十二剣神達の侵攻に対して、発動された全世界決戦体制。
 ケルベロス・ウォーの名を冠する戦いの行方と未来を思い、早門瀬・リカ(星影のイリュージョニスト・f40842)は握る掌に力を込めた。
「こうなった以上、この世界の危機を看過するわけにもいかない。それに――」
 今、この戦場には救える人々がいる。
 狂森病に冒されている者達が死ぬまで暴れ続けようとしている現状を止めたいと思った。相手が病人であっても躊躇っている暇はない。全力で事に当たることこそが救いに繋がるのだから。
 先ずリカはセントール達の元に向かった。
 猟兵達と連携を始めているセントールの姿は果敢であり、リカは静かな敬意を抱く。
「援軍の方ですね!」
「そうだ。他の場所では決着がついてるみたいだから、ここでも一気に勝負を決めたい」
「同じ気持ちです。では、我々が患者さんを追い込みますので!」
「わかった、そこに力を叩き込もう」
 凛とした口調で作戦を確かめあったリカは、セントールに信頼の眼差しを向けた。その視線を受けたセントールも頷き、残っている患者を集めるために動く。
 狙うは病魔の影響が大きく出ている大きな角。或いは患者の身体に絡みつく花だ。
 意識を研ぎ澄ませたリカはユーベルコードを紡いでいく。
 近くからは患者とセントールが近付いて来ている物音と足音が聞こえた。
(――今、ここだ)
 刹那、タイミングを完璧に読んだリカが動く。幻術による雷獣が患者ひとりずつをしかと狙い、雷の牙による攻撃が行われていく。幻影雷獣撃を叩き込まれる中、患者の角が次々と砕かれる。
 相手の意識だけを眠らせ、感電の力でその影響が広範囲に広がった。その際もリカは、敵は病魔だけなのだという事を心に刻んでいた。その間にセントールは素早く身を引き、リカが行う攻撃の見事さを見守っている。
 これで患者もあと僅かになった。
 斬霊刀《影渡》を抜き放ったリカは強く地を蹴る。そして――。
「悪しき病魔、今ここで絶たせてもらう!」
 宣言と同時に鋭い一閃が放たれ、狂森病患者を覆っていた悪しき花が斬り裂かれた。
 また一人、更にもう一人。リカの手によって患者が病魔から解放されていく。その光景はまるで、人々から悪い夢が取り祓われていくかのようだった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

エインセル・ティアシュピス

にゃーん……
わらってるけど、すっごくつらそう……
ほんとうにくるしいびょうきなんだね。たすけてあげなきゃ!

せんとーるさんはきっとせんじょーのちけーにくわしいよね?
ひろくて、いきどまりになりそうなとこをおしえてもらって
【指定UC】でせいれいさんたちをよぶよ!
みりょーのおどりでびょうにんさんたちをさそって、あつめてもらうの!

それでね、あつまったら【結界術】でそこからでられないようにするよ。
それからせいれいさんたちのねむりごなでねかせてあげるんだ!
そしたらいたいきもちしなくていいでしょ?

【浄化】の【全力魔法】【範囲攻撃】でびょーげんきんをやっつけたら、
【回復力】のまほうでけがをなおしてあげるよう。


宇佐美・ミミ

ミミだって、ケルベロスだもん。いたいのはやだけど……ぬーちゃんが一緒だから、がんばるの!

ぬーちゃんが『くいくい』って引っ張ってる。
そっちに行きたいの?
おうまさんのお兄ちゃんお姉ちゃん、ケガしてたらミミのとこにきてね。
ふわふわ!ってして元気にしてあげるから。

おうまさんのお兄ちゃんお姉ちゃん達が、お花の角のお兄ちゃんお姉ちゃん達を集めたら。
いくよ、ぬーちゃん……!
ミミが近づいて、ぬーちゃんがふわふわ!ってしてくれたら、
みーんなミミの『お友達』なの!
うん。もう大丈夫、たすけにきたよ!

ねぇ、みんな。今のうちに、お花や角を攻撃しちゃおうよ。
ぬーちゃんもぺちって蔦で気絶攻撃して、手伝ってくれるって!



●守りたい気持ち
 狂森病とは、人の心と身体を冒す病魔。
 頭に生えた角はまるで黒鳥が羽を広げたかのように大きく、身体に絡む花は狂気を齎すもの。
 病魔の影響によって気分が高揚しているのか、笑っているものもいれば、痛みを訴える患者もいた。誰にも共通しているのは、放っておけば死ぬまで暴れまわるということ。
「あはは、あはははっ!」
「ふふ……うふふふ、痛い、痛い、イタイの!」
 患者達の声を聞き、エインセル・ティアシュピス(生命育む白羽の猫・f29333)と宇佐美・ミミ(ふたりぼっち・f43700)は痛々しさを感じた。
「にゃーん……わらってるけど、すっごくつらそう……」
「いたいの……? どうしよう……」
「ほんとうにくるしいびょうきなんだね。たすけてあげなきゃ!」
「うん、ミミもたすけたい!」
 偶然にも同じ集団の前に到着したエインセルとミミは、患者達を救うための意志を重ねる。
 そのとき、二人の姿を見つけたセントールが駆けてきた。
「君達、手伝ってくれるかい?」
「ミミはね、そのためにきたんだよ」
「うん! ねぇ、せんとーるさんはきっとせんじょーのちけーにくわしいよね?」
「ありがとう! あぁ、ある程度はわかるよ」
「じゃあね、ひろくて、いきどまりになりそうなとこをおしえて」
「わかったよ! この辺りなら――」
 セントールの青年の協力要請にミミが頷き、エインセルが戦場について問いかける。青年は快く頷き、自分達が把握している地域について教えてくれた。
 エインセルが周囲を確かめている間、ミミも決意を固めていく。
「ミミだって、ケルベロスだもん。いたいのはやだけど……ぬーちゃんが一緒だから、がんばるの!」
 ぬーちゃんこと、可憐にゆれるウサギゴケの攻性植物もミミの力になってくれる。
 そのとき、ぬーちゃんがミミをくいくいと引っ張った。
「そっちに行きたいの?」
 何かを見つけたようだと気付き、ミミはそちらの方向に進んでみる。するとそこには怪我をしたセントールが膝をついていた。たいへん、と声にしたミミは状況を悟る。
 そこには狂森病患者もおり、それまでセントールと戦っていたことがわかった。
「きゃはは! 暴れるのって楽しい!」
 患者は攻撃を止め、くるくると周りながら笑っている。その間にミミはセントールの傍に駆けた。
「だいじょうぶ?」
「いたた……すみません、不覚を取ってしまいました」
「おうまさんのお姉ちゃん、ケガしてるんだね。だったらミミが……えいっ!」
 ミミは怪我を負ったセントールにふわふわとした力を巡らせた。広がった胞子は治癒を与え、同時に周囲に強力な催眠をもたらす力に変わってゆく。
「ありがとうございます。この力は……?」
「これでみーんなミミの『お友達』なの! みんな、たすけにきたよ!」
「あれ……あれれ?」
 問いかけるセントールには後ろに下がってもらい、ミミは狂森病患者に呼びかける。催眠が巡ったらしい患者は不思議そうに首を傾げていた。どうやら病魔の影響と催眠の両方がかかったことで混乱しているようだ。
 するとそこにエインセルが駆けてきた。
「みつけた! ここがかんじゃさんをあつめるばしょ、なんだって!」
「それなら、ミミもここでたたかうね……!」
 エインセルからの話を聞いたミミは身構え、更にふわふわの胞子を広げる。エインセルはしかと頷き、猫の姿をした生命の精霊を呼んでいった。
「にゃーん、せいれいさん! みんなをたすけてあげて!」
 少年の声に応えるべく、精霊達は魅了の踊りを披露していった。セントール達もこの場に患者を集めてくれており、皆に潜む病魔を一網打尽にする状況が整っていく。
「いまだ!」
 そして、エインセルは結界術を展開した。
 周囲に広がったのは誰も逃さないための力。エインセルの合図に続き、ミミは患者達に呼びかける。
「ねぇ、みんな。今のうちに、お花や角を攻撃しちゃおうよ。ぬーちゃんもおねがい……!」
 催眠の力があれば病魔の根源が宿っている角や花だけを攻撃させることもできる。そうして、ぬーちゃんにも攻撃を願ったミミは、誰一人死んでほしくないと考えていた。
 その力によって角が折られていき、セントールも猟兵の援護に入ってゆく。
「いっぱいいっぱい、疲れたでしょ?」
「つらかっただろうけど……もうゆっくりできるからね」
 ミミのぬーちゃんが伸ばした蔦が気絶攻撃となっていく中、エインセルは猫精霊に眠り粉を使うように願った。そうすることで弱った人々が安らかに眠れる状況が作られていった。
「大丈夫、ちょっとねるだけだから」
「そしたら、いたいきもちもかんじないからね! びょーげんきんだけ、けしちゃうよ」
 ミミとエインセルは次々と倒れていく人々を見守る。
 二人の言葉通り、浄化の力によって病魔だけが消し去られていき――患者達の命が繋がれていく。
「にゃーん、やったぁ!」
「もうみんな、いたくないよね」
「二人のおかげだよ」
「私達の怪我の手当までしてくださってありがとうございました!」
 エインセルは作戦の成功に喜んでおり、ミミもぬーちゃんと一緒に安堵を抱いた。セントール達も感謝を告げ、患者達を安全な場所に運ぶ準備をはじめる。
 少年と少女の懸命な活躍。それはこの先に希望と勝利を齎す、着実な一歩となった。
 

 こうして、悪しき花を咲かせる病魔は払われた。
 猟兵と共に戦い抜いたセントール達に大事はなく、患者だった者達も救われている。
 元から暴れていた分もあって多少の怪我はあったようだが、命にかかわるような事柄や後遺症はないようだ。元患者達はセントールの手によって避難が完了したので、戦闘に巻き込まれることもないだろう。
 戦はこれからも続き、どうなっていくかはまだ誰にもわからない。
 ひとつだけ確かなことは――。
 今日、ここで多くの人の命が救われたということだ。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年05月04日


挿絵イラスト