ケルベロス・ウォー⑤〜回廊穿つ決死圏
「|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》が本気を出してきた」
龍之宮・翡翠(未だ門に至らぬ龍・f40964)が短くそう切り出した。
猟兵という新たなケルベロスを迎え入れるようになったこの世界、そして、特務機関|DIVIDE《ディバイド》が襲い来るデウスエクスを退け続けた結果である。
それだけ彼等も追い詰められているということなのだろう。だが、デウスエクスを統べる十二剣神は、『|永遠回廊《グラビティ・ゲート》』なる防壁に守られており、|DIVIDE《ディバイド》の技術も猟兵達のユーべルコードすらもその身に届かない。
「だが、『|永遠回廊《グラビティ・ゲート》』へ攻撃を仕掛けた一団が居る」
この世界の隆盛と引き換えに動き出した|決戦配備《ポジション》の建造を待つことなく動き出したのは、古代の秘伝である「禁呪」を操る魔法使い達の一団だった。|DIVIDE《ディバイド》と関わらず、術を研鑽していた彼等は、|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》という世界の危機を察知して動いたのだろう。
「彼等を護る為にも、『|永遠回廊《グラビティ・ゲート》』を防衛するデウスエクスを倒して欲しい」
彼等が遭遇するデウスエクスは、生物に干渉するタイプ。彼等が使う「禁呪」を利用されれば、戦況に影響も出かねない。彼等にそのような干渉がなされる前に対処する必要があるだろう。
「先ずは|決戦配備《ポジション》の建造を進める為にも、彼等を助けてほしい」
そう言って頭を下げた翡翠の傍らで|光鯉《グリモア》が揺れた。
●
「何故我々以外の戦闘が起きていないのだ!」
他の類似世界では中央道が通り競馬場を遥かに望む辺りで、杖を手にした一団が獣と対峙していた。
彼等こそ秘伝の術を研鑽する為に潜んでいた、「ブラックウィザード」達。彼等の扱う「禁呪」は、死の気配が濃厚な場所――すなわち、戦いの最中でこそ力を発揮するものである。想定と違う状況に「ブラックウィザード」の幾人かが自分たちの身でその状況を生み出す決意をしたのと、猟兵達が転送されてきたのは同時だった。
「ブラックウィザード」の「禁呪」がその力を発揮する為に必要なピースが、揃いつつあった。
白神 みや
初めましてのかたは初めまして。
そして、そうでない方はご無沙汰しております。|白神《しらかみ》です。
ケルベロス・ウォーシナリオ、一本目です。
|狙撃支援《スナイパー》の設備を整える為の戦いです。
●プレイングボーナス
より多くのデウスエクスを撃破できるよう工夫する。
自身の宿敵と戦い、「真の死」を与える。
●お願い
MSページはお手数ですが必ずご一読ください。
今回のプレイング受付開始は【5/4 8:31〜】です。この時間より前のプレイングはお返しする事となりますので、ご了承ください。
また、🔵が👑を上回った事を確認した時点で〆切予定です。
タグに状況を記載しますので、宜しくお願いします。
第1章 ボス戦
『魔竜レオ・フール』
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POW : 閃突
【超高速の突撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【噛み付き攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 爪刃
【爪】で近接攻撃し、与えたダメージに比例して対象の防御力と状態異常耐性も削減する。
WIZ : 無知の煌めき
【周囲に展開した煌く結果】に触れた対象の【知能や記憶】を奪ったり、逆に与えたりできる。
イラスト:8mix
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「クローネ・マックローネ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
メリーナ・バクラヴァ
一番目立つ高所に陣取りましょう。今日の私の|舞台《ステージ》はここでーすよ♪
できる限り多くのデウスエクスを惹きつけた所で【飴玉の夜空】を使用。濃厚な死の気配をむしろコントラストをなすための下地として、私の愛を大声で歌い上げましょう!
ブラックウィザードの皆さんは、私が一曲歌い上げられるようできれば少しだけ援護していただけませんか?
反撃で知能や知識を奪われるのは非常に不愉快なので、煌めく結界には絶対に触れないよう華麗に踊り回ります。
この煌めきとの追いかけっこはむしろ、より敵を引き付けるためのステージパフォーマンスとして利用させていただきましょう!
●綺羅星、燦めく
(ふふ、折角ですから1番目立つ高所に陣取りましょう!)
メリーナ・バクラヴァ(リスタートマイロード・f41008)は、この世界とよく似た世界で旅役者をしていた|猟兵《ケルベロス》である。戦いの場ですらも、彼女にとってはその演技を発揮する舞台なのだ。
此処こそ|ゼロ番《舞台中央》に相応しいと定めた場所でくるりと回ってポーズを決める。
「今日の私の|舞台《ステージ》はここでーすよ♪」
くるりと回ってポーズを決めるれば、劇場ならばスポットライトが彼女に順番へと向けられる流れ。つまり、劇場ではない戦場ならば、それは|獣魔竜《デウスエクス》達と、彼等と戦う魔術師たちの耳目。
「貴女は……」
「ブラックウィザードの皆さん、少しだけ援護していただけませんか?」
戦いの空気を打ち破った存在を見上げる魔術師へ、メリーナは微笑みながら告げると、心の中でリズムを刻み始める。
魔術師達だけでなく、|獣魔竜《デウスエクス》達を惹き付けている今が彼女にとっての好機。それを逃すわけにはいかない。
「Ah ! Vous dirai-je――」
その唇から紡がれるのは、よく知られたメロディの、その原典であるうた。変奏曲の方が今や有名なうたを、メリーナはその原典のまま、甘く蠱惑に歌う。
(反撃で知能や知識を奪われるのは非常に不愉快ですね……)
|獣魔竜《デウスエクス》達が動き出すより前にメリーナは武器を手に動き始める。歌いながら、踊るように。それもまた、メリーナの舞台演出であり、戦う策である。
|獣魔竜《デウスエクス》が展開した煌めきをすり抜けて歌いながら舞うメリーナの姿は、その笑みと歌声で獣であっても圧倒していくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
早門瀬・リカ
敢えて危険に身を置く事で自らの力を高める、
緊急事態の状況下では止む無しと言えなくもないかな。
ブラックウィザード達に犠牲を出させるわけにはいかないけど、
戦闘の空気を感じてもらう必要もありそうだね。
まずは幻影雷獣撃で魔竜にダメージを与えつつマヒさせるよ。
そして狙いを僕の方に向けさせるようにかな。
その後は風魔幻舞刃で牽制しつつ、斬霊刀《影渡》で斬りかかるよ。
魔竜の反撃を受けないよう回避重視で確実に追い込んでいこう。
これらの攻防をが禁呪の発動に繋がればいいけれどね。
相手が相手だし無理に戦いを引き延ばす事はしない。
倒せる時は一気に倒すしブラックウィザード達が
狙われるようなら下がってもらうよう指示しよう。
●雷獣の牙、切り裂いて
(敢えて危険に身を置く事で自らの力を高める、緊急事態の状況下では止む無しと言えなくもないかな)
早門瀬・リカ(星影のイリュージョニスト・f40842)は戦場に足を踏み入れつつ思う。
ケルベロスとして前線に身を置いたことがない魔術師達であれば、戦い方――特にデウスエクスに対する戦い方を知らない可能性もある。
(戦闘の空気を感じてもらう必要もありそうだな。それなら――)
犠牲を出すわけにはいかないが、“デウスエクスとの戦い方”は肌で感じてほしい。その為に、リカは幻術を発動する。
「『我が呼び出すは虚なる雷の獣、目の前を敵を噛み砕け!』」
その声と共に雷を纏う獣が現れ、主の声に従い雷の牙を纏って吼える。それはリカにとって、敵に|より強い敵《ケルベロス》が此処に居るぞと告げる鬨の声。
「|獣魔竜《デウスエクス》が倒れたら、禁呪の発動に繋るだろうから、任せて!」
「あ、ああ……! 奴らが倒れても、いや、その方が一層死の気配を濃く出来る!」
魔術師達にそう告げると、普段から愛用する手裏剣と斬霊刀を手に駆ける。|全世界決戦体制《ケルベロス・ウォー》が発動して間もないとはいえ、戦いを長引かせれば此処に居る魔術師達にも、今も|決戦配備《ポジション》設備を準備している一般人達にも良い影響はないだろう。
雷獣と共に|獣魔竜《デウスエクス》と渡り合いながら、時に魔術師達に前線から下がるように指示を出して、リサは|獣魔竜《デウスエクス》の群れを追い込んでいくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
楊・暁
【朱雨】
いきなり現れたかと思ったら
ピンポイントで一番不味い所攻めてくるじゃねぇか…!
十二剣神だかなんだか知らねぇが
ただでさえ平和とは言い難ぇこの世界を、これ以上荒らさせねぇ…!
な、藍夜!
…またお前、禁呪気になってたりすんだろ?
ちゃっちゃか終わらせれば教えてもらえるかもしれねぇぞ?
久々の闘いだけど…行けるよな?(にま
俺は全力を振う気満々で
ブラックウィザード達に加勢
デウスエクスって言っても、突撃とか爪とか…まるで獣だな
ま、近寄らせなきゃいいんだろ
早業でUCによる先制攻撃
ブラックウィザード達も味方扱いで
負傷者居たら回復しつつオーラ防御も付与
悪いな
こんな序盤でもたつくつもりは毛頭ねぇ
一気に仕留める…!
御簾森・藍夜
【朱雨】
(なぜもっと前に本気を出さなかったのか)…とは言うまい
禁呪とは実に魅力的な響きだ
解明しがいのある、古い術式…いいな、俺も見てみたい
が、今日の俺の狐は真面目なんだ
だから俺とて本気で行くとも
愛らしい微笑みには微笑みで
当然だ、俺はいつだって準備はできている
…なんだ、強いと強いを組み合わせたら最強なんて小学生みたいな発想か?
うちの狐のが強いだろ可愛いしカッコイイしな
さ、お前たちの死で気配を濃厚にしようか
恐らくでもなく禁呪の条件は特定の何かを指名していないはず
UCは心音に合わせ後を追うように、隙を埋めるように
ブラックウィザードは味方とし、子猫どもはご自慢の爪ごとその身を穴だらけに
狙いは外さない
●妖雨、満ちる
「いきなり現れたかと思ったら、ピンポイントで一番不味い所攻めてくるじゃねぇか……!」
戦場に降り立って早々に、状況を見た楊・暁(うたかたの花・f36185)が叫んだ。
「ただでさえ平和とは言い難ぇこの世界を、これ以上荒らさせねぇ……! な、藍夜!」
と、共に転送された御簾森・藍夜(雨の濫觴・f35359)の方を見やれば。
(解明しがいのある、古い術式……いいな、俺も見てみたい……)
魔術師達の「禁呪」の方に興味深々の様子が全身から漏れ出ているのが、暁にはありありと見て取れた。そういうものに興味があるのは知っていたが、あまりにもマイペースな藍夜の様子に呆れたように狐耳が揺れる。
「……またお前、禁呪気になってたりすんだろ?」
「当然じゃないか、別に……いや、なんでもないぞ」
流石に、なぜもっと前に本気を出さなかったのか? 等という言葉を此処で口にして良いことではないという事は、幾ら暁と一緒で若干|大人気《おとなげ》を無くしていても理解している。当然暁もそれは気付いていて。
「ちゃっちゃか終わらせれば教えてもらえるかもしれねぇぞ?」
と、にやりと笑って見せれば、それもそうだと藍夜も笑みを返す。
「久々の闘いだけど……行けるよな?」
「当然だ、俺はいつだって準備はできている」
暁は折に触れ鍛錬を怠っていないが、二人共久しぶりの実戦。だが、敵に後れを取る心算は共に無い。
●
魔術師達への声かけもそこそこに、|獣魔竜《デウスエクス》達が犇めく前線へ向かう。
「『――宿れ、幻影』 敵は|獣魔竜《デウスエクス》だ!」
真っ先に暁がユーべルコードで戦場に小妖怪の幻影を喚び出し、魔術師達が味方であると明確にした上で攻撃を指示する。
(今日の|俺の狐《心音》は真面目なんだから、俺とて本気で行くとも)
暁がすべての中心なのは藍夜の通常運行である。故に戦場であろうと、暁の一挙手一投足をその視界に収めて、その様を焼き付けている。それでも己に来る|獣魔竜《デウスエクス》達の攻撃をいなしており、更にはいつの間にやら暁の小妖怪達の隙を埋めるようにユーべルコードを起動し戦場に雨を喚んでいるのだから、流石というべきか。
「さ、お前たちの死で気配を濃厚にしようか」
「こんな序盤でもたつくつもりは毛頭ねぇ、一気に仕留める……!」
互いのユーべルコードのように、奮う攻撃も互いを埋めあって。二人は|獣魔竜《デウスエクス》を屠っていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
エルンスト・ノルテ
【安地】で参加
諸々ご自由に
ヒカルの作戦は、俺に前に出し、幻影を纏わせ巨大化
目立つ俺を囮に敵の数を引き出して、というもの
「…魔術師殿たちの安全の為にもそれがいいかもな」
前向きに考えよう、うん
信じてると気安く言ってくれる相棒を置いて前へ
地形に関し情報得られていたなら、加味した位置取りの指示があろう
何にせよ、先ずは気付いた敵を、吹き飛ばすに止めながら、十分に遠くまで駆けてゆく
武器の割にヒカルの射程射撃は大したものだからね
「…大丈夫」
合図あれば幻影を纏うよ
大丈夫、俺は。戦える、多勢に無勢でも
(コントロール出来る、この戦場を)
斧槍で薙ぎ払い、弱ったと見えるものから突きを狙う、一体でも多くとどめを刺すべく
ヒカル・チャランコフ
【安地】で参加!
アレンジ共闘何でもござれ~
ウィザぁードの皆!元気ぃ?
いやぁ!分かるぜ!
遠くから一方的に、最高だよなぁ!?
…だから、持ってね?|拠点《ここ》周りの地形データ。
シューターはマップ把握が命!ルート予測に、高低差利用。貰えるならキルレ増やして魅せますヨ?
相棒にインカムで合図!
「けっこうデカ、あいつ…」
目立つアイコンでやり易いわ!
貰えてたら地理データも加味して|射程有利《Teir X》を押し付ける!
相棒に群がって大口開いたヤツらに弾の飴アラレ!
「色んな|味《デバフ》あるぜぇ? 味わって食えよなぁ」
一弾一弾は雑魚いけどよ、ガトリングからの弾数とカクテルで相棒の負担軽減も狙うわ!
●Like an Airsoft
「……俺が?」
「おうよ、お前ならいける!」
戦場から離れた場所で、ヒカル・チャランコフ(巡ル光リ・f41938)とエルンスト・ノルテ(遊子・f42026)は作戦を打ち合わせる。提案された作戦の内容に一瞬固まったエルンストへ、ヒカルがいつも通りのノリで笑って見せる。
「……魔術師殿たちの安全の為にもそれがいいかもな」
不思議なほどに自信満々のヒカルに、半ば折れるようにエルンストはその作戦を了承する。
(前向きに考えよう、うん)
何しろ作戦のカギである、エルンストの|ユーべルコード《ちから》は、エルンスト自身がそう思わなければ、成り立たないのだから。そうと決まればと、二人は取り決めたように手分けして駆けだしていく。
●
「ウィザぁードの皆! 元気ぃ?」
魔術師達の一団を目にしたヒカルはいつもの調子で声をかける。
彼等が誰何するより先に特務機関のケルベロスと名乗ったことで、一瞬向けられた警戒は直ぐに解けた。
「|拠点《ここ》周りの地形データ、持ってね? 貰えるならキルレ増やして魅せますヨ?」
ゲームにでも赴いたようなその口ぶりとへらりと笑いながら接してくるヒカルの様子に、眉を寄せる魔術師も見受けられる。
「何せ、シューターはマップ把握が命! 遠くから一方的に、最高だよなぁ!?」
自分のペースで喋り続けるヒカルに眉を寄せていた年嵩の魔術師を押しのけるように出てきた若手の魔術師が、ヒカルに周辺情報を提示した。
「これで良いか?」
「お、サンキュー! ルート予測に、高低差利用は大事だからなぁ!」
提示された情報を確認しつつ、ヒカルは相棒の力が的確に発揮する地点と、その居場所の把握に努める。
●
ヒカルからの連絡を待ちながら、エルンストは|獣魔竜《デウスエクス》が闊歩する前線で極力身を隠す。
気配を察して牙を向けてくる|獣魔竜《デウスエクス》に対しては、武器を振るって吹き飛ばして、魔術師達とヒカルの方へ近づけないのが、今のエルンストのやるべき事だ。
「おっ待たせぇ! いっちゃってくれ、相棒!」
そんな中、ヒカルから渡されたインカムから合図が聞こえる。
「……大丈夫。『大丈夫、俺は』」
一呼吸して、エルンストは己のユーべルコードを解き放つ。
「……大丈夫。戦える、多勢に無勢でも」
繰り返し己に言い聞かす自己暗示を幻影の装甲に変えて纏う。纏う幻影は、徐々に形を成して、巨大なエルンストの姿へと成る。
●
「けっこうデカ、あいつ……」
エルンストの力の内容は聞いていたが、それでもヒカルは驚きを隠せなかった。
「――っていうか、目立つアイコンで一気にやり易くなったわ!」
が、気を取り直してみれば、狙える目標は明確になり、おまけに地形データもある。ヒカルにしてみれば、難度ががくんと下がった状態だ。
「よっし。『雑魚が! 射程見てから攻撃せいよッ!』」
ヒカルは愛用する紫の銃の力を高め、弾丸の雨を降らせる。ヒカルの力を乗せられた銃弾は、巨大化したエルンストの姿を目印にその周辺に降り注ぐ。
「色んな|味《デバフ》あるぜぇ? 味わって食えよなぁ!」
「防御も強化されているとはいえ、もう少し加減してくれないか」
幻影の装甲を纏うエルンストに流れ弾がいくらか飛んでいるようだが、その声音は非難するというよりもある程度の信頼の上での言葉。
「群がってるヤツら減らして負担軽減してやってンだから我慢しろよぉ! あと、ウィザぁードの皆もちゃんと準備しろよぉ!」
そう言ってる間にも、エルンストの武器が|獣魔竜《デウスエクス》を吹き飛ばし、追い打ちとばかりにヒカルの銃弾の雨が降り注ぐのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
トーノ・ヴィラーサミ
新月(f41111)さんと共闘
この世界とは、縁がないわけではありませんので、ね。
助力させていただきます。
基本戦場全体を俯瞰で把握するよう心がけ、何かあれば声掛けなど連携
また隠密状態の新月さんの存在を気取られぬように視線などは最低限におさえる
「さて、ではお相手願いましょうか」
敢えて大きく召喚した狼龍共々、敵の注意を集め惹きつける様に動き相手の初撃を「見切り」「カウンター」の要領で当たるギリギリなところで狼龍を消す事で不発に終わらせるよう努めましょう
露払い、というには少々派手が過ぎるかもしれませんが
仮に相手の攻撃を喰らっても「覚悟」のうえ
自身の血を吸い切れ味の増したcaidaで「カウンター」狙い
月隠・新月
トーノさん(f41020)と共闘
ブラックウィザード……世界の危機に危険を顧みず率先して戦うとは、立派な心掛けです。
人類にケルベロスの力を齎した原獣として、捨て置くわけにはいきませんね。
トーノさんと協力して殲滅に当たります。
【霧重無貌】で姿を隠しつつ、敵を攻撃しましょう。俺の位置が敵に割れれば作戦が水の泡ですから、魔力等も抑えて立ち回りましょう(【魔力制御】)
トーノさんが敵の注意を引いている隙に、爪で急所を攻撃したいですね(【急所を見抜く】【貫通攻撃】)。できるだけ多く敵を倒さなければならないことを考えれば、一撃で仕留めたいところですが……難しければそのまま生命力を吸収して倒しましょう。
●黒蒼と黒紅の獣、疾駆す
(……世界の危機に危険を顧みず率先して戦うとは、立派な心掛けです)
隠形の力を持つユーべルコードで身を隠した状態で、月隠・新月(獣の盟約・f41111)は魔術師達の在りように関心する。この世界にちからを齎した原獣たる身で、そんな彼等を捨て置く事などできようか。
相棒と|二匹《ふたり》連携を取っているのだが、より確実に|獣魔竜《デウスエクス》を屠る事が出来るようにと新月は、気取られぬよう身を潜める。
じきに相棒が情報を収集して動き始めるだろう。全てはそれからだ。
●
「この世界とは、縁がないわけではありませんので、ね。助力させていただきます」
トーノ・ヴィラーサミ(黒翼の猟犬・f41020)は、魔術師達の一団へ駆け寄ると穏やかな声音でそう告げる。この乱戦の場にあっても落ち着いた物腰は、緊張していた一団の空気を幾らか和らげる。
「そうか、特務機関も動いているんだな」
死の気配を満たす為に己の命を「禁呪」に捧げる覚悟をしていた魔術師の声には、安堵の彩があった。それを見て取ると、トーノは視線を戦場へと向ける。己が此処に居るのは魔術師達を助け、「禁呪」の発動を支援することだ。まだ為すべきことは多い。
戦場を把握できそうな場所を魔術師達から聞き出すと、相棒――新月の気配を身近に感じながらトーノは地を駆ける。
(迂闊に気を向けてしまうと、新月さんの存在に気付かれてしまいますからね)
魔術師達に教えられた場所へと辿りついたトーノは、索敵しつつユーべルコードを起動する。
「さて。『では、お相手願いましょうか』」
その言葉と共に姿を現すのは、トーノとよく似た姿の狼龍。違いといえば、纏う炎の色と、その体躯。漆黒の焔を纏い、トーノの倍程もある体躯は、敵味方区別なく目を引いた。
(露払い、というには少々派手が過ぎるかもしれませんが)
トーノが咆哮をあげれば、狼龍も呼応するように咆哮をあげる。それは、より敵が引付けられる目的であり、相棒へ此処が彼等の戦場であると告げる合図。|二匹《ふたり》は互いの動きを確認するまでもなく、突進してくる|獣魔竜《デウスエクス》へと、その爪と武器を向けた。
トーノが紙一重で流れるように攻撃を避け、|獣魔竜《デウスエクス》の必殺の一手を封じれば、隠形を維持した新月が急所をその爪で抉る。新月は隠形を維持する為、朧の魔力以外は最低限の魔力に留めているが、朧の魔力そのものに生命力を奪う効力がある。その魔力を纏う爪は例え直接攻撃を逃れたとしても|獣魔竜《デウスエクス》達の生命を奪い取っていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
凶月・陸井
相棒の時人(f35294)と
「きっと怖いんだろう」
永遠で無くなる事が
自身の願いがなくなる事が
人の身でなくとも終わる事が怖いんだ
その果てない欲望を断ち斬る為に
「まずは、彼らを護りに行こうか」
相棒と共にブラックウィザード達の前へ
より多くの敵を殲滅する為に戦うのは俺達の領分だ
彼らの禁呪の為に死の気配が必要なら
「此処はまず、俺達に任せてくれ」
彼らを護りながら
相棒と共に敵を薙ぎ払おう
「絶対、君達を護り通す」
再度声をかけてから両の手に水を掴み
幾重にも重ねた刃を敵の集団へ放つ
敵の猛攻が止まるまで何度でも放ち
相棒の光と共に撃破するよ
術師たちの所には一体たりとも向かわせない
「悪いが、彼らの邪魔はさせないからな」
葛城・時人
相棒の陸井(f35296)と
永遠回廊、ね…
「悪いけど、永遠なんてないよ」
それは彼らのただの願望だって思う
そうしたいからそう名付けたみたいなさ
彼らにその矛盾を思い知らせてやろう
今迄隠れていたのに
世界を護る為に立ち上がった勇士たちを
「護る為に往こう!」
相棒と意思と武器を併せ躍り入る!
「猟兵だよ!今からの戦闘は俺達に任せて!」
禁呪の発動に精神を研ぎ澄ませて欲しいと
「君たちは絶対に護りぬくから!」
声を掛けてから
アークへリオン詠唱!
高速・多重詠唱で二度、三度、四度!
合間に蟲笛からの蟲でも攪乱しながら
陸井と全速で連携して大鎌でも敵を薙ぐ
勿論術師たちには指一本触れさせない
「通りたかったら俺達を倒すんだな!」
●水刃と光、連れ舞いす
|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》を護る『|永遠回廊《グラビティ・ゲート》』は、彼等に無敵を約束しているという。
「悪いけど、永遠なんてないよ」
葛城・時人(光望護花・f35294)は、その名に冠された“永遠”を、彼等が抱く願望だと断じる。そうしたいから、そう在りたいからそう名付けたのだと。
「きっと怖いんだろう」
共に立つ凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)は、彼等は終わる事を恐れているのだと推測する。永遠であれとそう願うが故に、そうで無くなる事を恐れるのだと。
二人にとって、|全世界決戦体制《ケルベロス・ウォー》が発動するこの時まで|縁《えにし》の無かった世界だが、力なき人々までが抗う為に動く世界を捨て置く等出来るはずがない。
「まずは、彼らを護りに行こうか」
「ああ、護る為に往こう!」
その力を研鑽する為に隠れていたにも関わらず世界を護る為に立ち上がった勇士たちを護る為、二人は戦場へと駆けていく。
●
「猟兵だよ! 今からの戦闘は俺達に任せて!」
二人は転送された戦場のほど近くに居た魔術師達の一団へと駆け寄る。
既にこの戦場のそこかしこで特務機関DIVEDEの|ケルベロス《猟兵》達が、|獣魔竜《デウスエクス》達を退けている事は魔術師達の間にも共有され始めているのか、魔術師達の警戒も薄くなっているようだ。
「此処はまず、俺達に任せてくれ。より多くの敵を殲滅する為に戦うのは俺達の領分だ」
「君たちは絶対に護りぬくから!」
その言葉と共に、二人は流れるようにユーべルコードを解き放った。
陸井は水から手裏剣を創り出し、時人は空へ光の刻印を刻む。そうして放たれた水と光の乱舞が、|獣魔竜《デウスエクス》達へと牙を剥く。更に時人はその身に宿す|白羽の白燐蟲《ククルカン》達を喚び出して、|獣魔竜《デウスエクス》達を撹乱する為に向かわせる。
「悪いが、彼らの邪魔はさせないからな」
「通りたかったら俺達を倒すんだな!」
水と光、そして|白羽の白燐蟲《ククルカン》達の連れ舞によって、魔術師達へその牙を届く事はなく、|獣魔竜《デウスエクス》達はその数減らしていく。それは即ち、この場の死の気配が徐々に濃くなっていくという事だった。
●かくして、戦場に死は満ちて
「これならいけるぞ!」
「奴らの死を以て! 我らが研ぎ澄ました「禁呪」を発動する!」
|獣魔竜《デウスエクス》を猟兵達が屠っていくことで、戦場に満ちた死の気配を魔術師達が練り上げ、嵐と為した。
これこそが、彼等「ブラックウィザード」達が研ぎ澄ましてきた「禁呪」。その名もブラックストーム。魂を喰らう死の嵐である。
大成功
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