5
アイドルを夢見た少女は、骸の海に溺れる

#アイドル☆フロンティア

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アイドル☆フロンティア


0




●アイドル達のフェスティバル
「みんなー今日は春のアイドルフェスに来てくれてありがとー♪」
「「うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!」」
「「リンちゃーーーーん!! ナナちゃーーーーん!! モモちゃーーーーん!!」」
 野外ステージの上で可愛らしい衣装を纏った3人のアイドルが元気に手を振ると、大勢の客から歓声が上がった。前座の新人アイドルらが終って売れっ子のアイドルグループが出て来ると会場のテンションが跳ねあがっていた。
「4月といったら進級進学、それに新社会人!」
「みんなが新しいスタートを切る時期だよね!」
「みんなー! 新しい生活を楽しんでるー?」
「「たのしんでるーーーーー!!!!!」」
 アイドル達のトークに合いの手を入れてライブに一体感が生まれる。
「それじゃあ私たちの最初の曲は、みんなの新生活に元気と勇気をたくさん湧き上がらせる曲だよ! みんな聴いてね! New Frontier!!」
 テンポの良い爽やかな曲に合わせてアイドルが歌い出す。希望溢れる前向きな歌――それに合わせて客たちが笑顔でファングッズのタオルを振った。

「全然楽しくなんてないよ……わたしもリンちゃんたちみたいになりたかった。でもなれないんだ……」
 盛り上がる客の中、眩いほどの前向きな歌が心の影を色濃くさせてしまい、一人の少女が俯いて呟く……。
「養成所に入ってレッスンをしても、才能のある子がどんどん先に進んじゃう……わたしには才能なんてないんだ……」
 その心は深く暗い「骸の海」に堕ちて沈み、底から禍々しい感情が湧き出ていた。
「だったら……アイドルなんてなくなっちゃえばいい……希望なんてなければ苦しくないんだ………」
 少女の心から「骸の海」が溢れ出し、周囲を飲み込んでその心を侵食する。
「あ、ああ? なんだ、イライラしてくる……」
「おいっテメェ今ぶつかっただろ!」
「ああん? そりゃお前の方だろうが!!!」
 歌に夢中になっていたはずの人々が、些細なことで喧嘩を始め、それはどんどん広がっていく。
「え? なに? みんなどうしたの! ケンカなんてやめて!!」
 ステージ上のアイドルが悲鳴のような制止の声を上げるが、「骸の海」に心が汚染した人々はステージなど最早眼中になく、喧嘩を楽しむように殴り合いをしていた。
「ほら、ステージなんて、誰も見ない。もうアイドルなんて………必要ないんだ………」
 自分に言い聞かせるように、騒動の中で少女は一人声を殺して泣いていた――。

●グリモアベース
「アイドル☆フロンティアで事件が起きるよ!」
 ラフィロワ・ベルシルト(幸せ運ぶ星のうた・f04751)が予知した事件についての説明を始める。
「アイドルが集まる野外フェスがあるんだ。そこで「骸の海」に心囚われた女の子から骸の海が溢れ出しちゃうんだ。その影響で周囲の観客たちが凶暴になって暴れ回ってフェスティバルを台無しにしちゃうよ」
 骸の海の影響で暴走した人々が喧嘩を始め、フェスティバルは中止になる。そんな大乱闘が起きてしまえば、後々もアイドルフェスは開催されなくなる可能性もあるだろう。

「そんな風にさせないために、みんなにはフェスティバルに行って、骸の海を溢れさせちゃう女の子を探してほしいんだ。中学生の女の子で、名前はユイちゃん。黒髪でセミロングくらいの可愛い子だよ。野外フェス会場は広い公園のような場所で好きに移動できるから、はっきりとした居場所はわからないんだ。だから動き回って探すことになるよ」
 複数のアイドルユニットが参加する長時間の野外フェスで、休憩場所や食事できるコーナーもあり、広い会場を自由に移動できるようになっている。

「見つけることができたら、骸の海が溢れ出したと同時に、流れ星に願ってアイドルに変身して、アイドルステージを呼び出してステージに立とう! ステージ上では骸の海を侵食された人々がオブリビオン化しちゃうから、それをやっつけることで骸の海を浄化して元に戻すことができるよ!」
 アイドルステージでなければ骸の海は心に宿るだけで手出しできない。ステージ上で現実にオブリビオンとして顕現させて倒さなくてはならない。

「周囲の人々を元に戻したら、原因である女の子も強力なオブリビオンに変身しちゃうんだ。だけどアイドルステージの周りには観客席があって、サイリウムの形をした「人々の無意識」が召喚されてるから、その観客たちを魅了するようなパフォーマンスができれば、応援を受けてパワーアップできるんだよ。だから応戦を受けるような魅せる戦いをして女の子も元に戻してあげよう!」
 カッコよかったり可愛かったり、観客を魅了すればサイリウムが光を増して盛大に振られパワーアップできる。その力を利用すれば強いオブリビオンになった少女を倒して元に戻せるだろう。

「がんばっても上手くいかないで弱気になることって誰にでもあるよね。この世界では誰もが心に骸の海を抱えてるから、キッカケ一つでとんでもないことになったりするんだ。だから、まだまだこれからだよって女の子の心を助けてあげよう!」
 ラフィロワは女の子を心配し、助けてあげて欲しいと猟兵達を野外フェスへと送り出した。


天木一
 こんにちは天木一です。
 アイドル☆フロンティアでの事件となります。骸の海が溢れ出してしまう少女を助けてあげましょう!

 第1章は野外フェス会場に入り、骸の海を溢れ出す女の子を探すことになります。探した後は様子を見て溢れ出るのを待ちます。待ってる間は観衆に溶け込むようにアイドル達のパフォーマンスを楽しんだり、腹ごしらえしたりするのもいいでしょう。

 第2章はアイドルステージを呼び出し、骸の海を浴びてしまった人々をオブリビオン化させ、『オブリビオン・ロッカー』を倒して浄化します。
 流れ星に「アイドルになりたい!」と願えばアイドルに変身でき、アイドルステージを呼び出せます。アイドルにならなくても猟兵がオブリビオンと戦おうと強い意志を持てばアイドルステージが現れます。

 第3章ではオブリビオン化した少女『オブリビオン・アイドル』との戦いになります。素晴らしいパフォーマンスを見せれば、アイドルステージの観客が沸いてパワーアップできます。

 歌うのが好きな少女「ユイ」は中学生でアイドルを目指していますが、同期の子らに比べてダンスの成績が悪く、劣等感によって骸の海を強めています。

 複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
 プレイングの締め切り日などは決まり次第タグにて。
 それでは、悩める少女を助けるアイドルとなって、心を正しい方向へ導いてあげましょう!
196




第1章 日常 『お祭り☆フェスティバル』

POW   :    出店を巡って楽しむ

SPD   :    ゲームやレクリエーションの企画に参加する

WIZ   :    ライブステージを見物する

イラスト:ぽんち

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

村崎・ゆかり
これがアイドルのフェス会場か。色んな音楽が流れてて浮き浮きしてくるわね、アヤメ。
アヤメとデートも久しぶりだわ。せっかくだから、しっかり楽しみましょ。
一緒に「おしゃれ」して、フェス参加者にまぎれる。

さすがにスイーツのお店も他のお祭より多いみたい。あのクレープ屋さんに行ってみようか?
お勧めを訊いてそれを二つ頼んで、「コミュ力」でこんな場所なのに暗い顔してた娘がいないか店主さんに聴いてみる。
最低限の仕事をそうやってこなしつつ、アヤメとお菓子の食べ合わせとかしながら回遊していくわ。

疲れたら休憩場所で一休み。
あら、アヤメ、口元にクリームが付いてるわよ、なんて言いながら唇を重ねたり。続きは帰ってからね。



●野外アイドルフェスで少女を探せ!
「これがアイドルのフェス会場か。色んな音楽が流れてて浮き浮きしてくるわね、アヤメ」
 村崎・ゆかり(“|紫蘭《パープリッシュ・オーキッド》”/黒鴉遣い・f01658)が広々とした野外会場を前に、隣で腕を組む式神のアヤメに視線を向けた。
「アヤメとデートも久しぶりだわ。せっかくだから、しっかり楽しみましょ」
 デートでおしゃれに着飾った二人は、笑顔で会場に入り自然体でフェス参加者に紛れる。
「おっ! 次は新人のかのんちゃんだって!」
「行ってみようか!」
 フェス参加者は興味のアイドルがステージに立つと聴きに向かい、興味が無ければ食事や休憩を取っているようだった。

「さすがにスイーツのお店も他のお祭より多いみたい。あのクレープ屋さんに行ってみようか?」
 ゆかりはまずはフードコーナーに向かい多くの出店を見渡す。そして甘く美味しそうな香りを漂わせるクレープ屋を見つけてアヤメに尋ねると、アヤメは目を輝かせて頷いた。
「いらっしゃいませ!」
「お勧めは何かしら?」
「お勧めはこのスーパースタークレープです! 本日限定のフルーツたっぷりのクレープですよ」
「じゃあそれを二つ」
「はい、スパクレ2つでーす!」
 料金を払うと、さっそくクレープ専用の鉄板で薄く生地が焼かれていく。
「そうだ、こんな楽しいフェスなのに、暗い顔してた娘がいなかった?」
「暗い顔……そういえば、あんまり乗り気じゃない感じの女の子を見ましたよ」
 ゆかりがクレープを焼くのを見ながら何気ない調子で尋ねると、店員のお姉さんがそういえばと思い出す。
「どこに行ったか知ってる?」
「ええっと、あっちでジュースを買ってたような……ああ、そうだ、俯いてて人にぶつかってジュースを零して手を汚してたんですよ。それであっちのお手洗いの方に行ったんだったかなぁ……っと、はい、焼けましたよー」
 店員は喋りながらもクレープを器用に焼き、可愛らしくイチゴ、バナナ、マスカット、巨峰、パイナップルとカラフルなフルーツと生クリームたっぷりのクレープを完成させた。
「お待たせしました!」
「ありがとう。ほらアヤメの分よ」
 二つのクレープを受け取ったゆかりは片方をアヤメに渡し、二人並んで食べ歩く。
「あら、アヤメ、口元にクリームが付いてるわよ」
 そう言ってゆかりはそっとアヤメと唇を一瞬重ねる。
「続きは帰ってからね」
 人の多い場所であまりイチャイチャも出来ないと、二人は他にも甘いスイーツを試していった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ステラ・カガミ
あたしも歌や踊りを生業にしてるし、この世界の『アイドル』がどのような物か興味があるから問題の子を探しながら露店を回って屋台の料理を楽しんだり、アイドルたちの歌や踊りを見ようと思うわ。
歌や踊りが好きでこの道に進んだから違う世界の歌や踊りを見るのも楽しいしね。
せっかくのイベントが悲しい事にならないように猟兵としてだけではなく、歌や踊りを生業にする者の一人として頑張るわ。



「あたしも歌や踊りを生業にしてるし、この世界の『アイドル』がどのような物か興味があるから、問題の子を探しながら露店を回って屋台の料理を楽しんだり、アイドルたちの歌や踊りを見ようと思うわ」
 ステラ・カガミ(踊り子兼歌姫・f14046)もアイドルフェスの会場に足を踏み入れ、そのお祭りのような賑やかな熱気に笑みを浮かべる。
「歌や踊りが好きでこの道に進んだから、違う世界の歌や踊りを見るのも楽しいしね」
 違う世界ので自分と同じような職業の人々を見るのは楽しみだと、音楽が響く野外ステージへと近づく。
「みんなー! 応援よろしくー♪」
「「うぉおおおおお!!」」
「ショウコちゃんがんばれー!!」
 まだまだ経験の足りていない若手アイドルがステージで歌い踊る。未熟さの残るパフォーマンスだが、応援を受けて元気に跳ねる――足りていないものはパッションで補っていた。
「これが『アイドル』なのね。舞台とお客さんの距離が近いわね。両方が協力して盛り上がれるようになってるのね」
 アイドルのステージを見てステラは、アイドルというものを学ぶ。
「いいわね。あたしもこんな舞台に立ってみたいわ」
 満面の笑顔を浮かべたステラも観客として声援を飛ばした。

「さて、この辺りには目的の女の子は居ないわね」
 ステージが一区切りつくと、ステラは周囲の客席を確認するが探している女の子は居なかった。
「じゃあ場所を変えてみようかな」
 露店の方へと移動し、美味しそうな匂いのクレープを食べていると、先に情報収集を行っていたゆかりと出会う。そして探す女の子がお手洗いの方に向かったかもしれないという情報を得てそちらに向かう。
「こっちね……このベリーのクレープ美味しいわね」
 探しながらイチゴ、ブルーベリー、ラズベリーの入ったクレープを食べ歩き、周辺を散策するように調べると、俯いて暗い雰囲気の少女「ユイ」の姿を見つけた!
「聞いた通りの見た目……あの子が目的の子ね」
 ステラはクレープを食べ終え、ユイから目を離さないようにジュース片手に後を追う。
(せっかくのイベントが悲しい事にならないようにしないと)
 周りを見れば笑顔の人ばかり。皆がアイドルのパフォーマンスを楽しみにこの場に集まっていた。
(猟兵としてだけではなく、歌や踊りを生業にする者の一人として頑張るわ)
 そんな笑顔を曇らせはしないと、ステージの方へと向かうユイを見守って付いていった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『オブリビオン・ロッカー』

POW   :    反逆の薔薇
【エレキギター】で楽曲「【反逆の薔薇】」を奏で、曲に込められた【社会への憎悪】に圧倒された対象全員にダメージと畏怖を与える。
SPD   :    闇のイバラ
【演奏によって具現化した「闇のイバラ」】を最大でレベルmまで伸ばして対象1体を捕縛し、【骸の海】による汚染を与え続ける。
WIZ   :    バイオレンス・ロック
【エレキギターの激しい演奏】で【闇色の爆発】を発生させ、レベルm半径内の対象全てを攻撃する。連続で使うたび命中力と攻撃速度が上昇。

イラスト:nitaka

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●溢れる骸の海
「みんなー今日は春のアイドルフェスに来てくれてありがとー♪」
「「うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!」」
 人気の3人のアイドルグループ『トライアングルスター』がステージに出ると一気に会場が盛り上がる。そして歌い始めると観客がハイテンションに歓声を上げた。
 しかしその中で、一人テンションを下げて暗い雰囲気の少女が居た……。
「アイドルなんてなくなっちゃえばいい……希望なんてなければ苦しくないんだ………」
 憧れた眩いアイドルに自分はなれないのだと、負の感情に呑み込まれた少女『ユイ』の心から「骸の海」が溢れ出す!
「おい!! 今ぶつかっただろ!!」
「うるせぇ!! そっちがぶつかって来たんだろうが!」
 骸の海を浴びた観客達が浸蝕されて喧嘩を始めようとする。このままでは乱闘となりアイドルフェスは中止に追い込まれてしまう。
 それを阻止するべく、猟兵達はアイドルステージを呼び出し、骸の海を浴びて悪しき影響を受けた人々をオブリビオン『オブリビオン・ロッカー』と化し、倒して浄化しようと動き出す――。
村崎・ゆかり
始まったわね! 降りてきて、アイドルステージ!

「脱衣」で下に着ていた面積の狭いビキニ水着に早着替え。これもファンサービスよ!
「全力魔法」神聖「属性攻撃」「範囲攻撃」「法力攻撃」で仏頂尊勝陀羅尼経!
読誦をポップミュージックに乗せて、あなたに届ける。本来、声明とは仏に届ける楽曲でもあったのよ。

相手を圧倒する? 甘いわ。あたしの「負けん気」をそれで抑えられるとは思わないでね。
「オーラ防御」「霊的防護」「魔法防御」「呪詛耐性」を張って、『叛逆の薔薇』の魔力を打ち消す。

心の中の『骸の海』、このまま祓い落としてあげる!
ただ空気に乗っただけのあなたたちは、お呼びじゃないの。クライマックスはこれからよ!



●アイドルステージ!
「始まったわね! 降りてきて、アイドルステージ!」
 ゆかりが流れ星に願うと、光に包まれてアイドルステージが現れ、下に着ていた面積の狭いビキニ水着に早着替えした。
「これもファンサービスよ!」
 堂々と露出の高い姿を晒してビシッとポーズを決める。それに合わせてステージの周りに現れたサイリウムの形をした「人々の無意識」が激しく輝く。
「カラダが変化して……!!」
「おお! ハートが震えるぞ!! ロックなビートを響かせろ!!!」
 アイドルステージが現れたことで、骸の海を浴びていた観客達がオブリビオン『オブリビオン・ロッカー』の姿となってエレキギターを掻き鳴らした。

「骸の海の悪影響を受けたようね。でもすぐに助けてあげるわ」
 ゆかりはユーベルコード『|仏頂尊勝陀羅尼経《ブッチョウソンショウダラニキョウ》』を発動する。
「オン ボロン ソワカ オン アミリタ アユダディ ソワカ! いと尊き御仏の御慈悲を此処に示さん。弱き衆生を守り業を背負いし者を討つ」
 いつもとは違いリズムに乗って軽やかに読誦し、頭上から煌めく霧のような法力を広げてオブリビオンを飲み込んでいく。
「なんだこりゃ?」
 法力に触れても肉体的変化はなく、一見何の効果もないように見える。
「読誦をポップミュージックに乗せて、あなたに届ける。本来、声明とは仏に届ける楽曲でもあったのよ」
 そして十分に放り法力が広まると、オブリビオンの|業《カルマ》のみに影響を与え浄化していった!
「うっ!! 心が、清々しい気持ちになっていく……」
「ああ、ロックなテンションが消えちまう……」
 業を失ったオブリビオンが人の姿に戻っていく……。

「クソッ! こんなもんでオレ達のロックが止められるかよ!」
「こんなクソみたいな世の中をぶっ飛ばしてやる!! この曲を聴いて圧倒されろ!!」
 普段のストレスが増幅されているオブリビオン達がギターを鳴らし、反逆の薔薇を奏でて周囲に畏怖を撒き散らす!
「相手を圧倒する? 甘いわ。あたしの「負けん気」をそれで抑えられるとは思わないでね」
 強く意思を保ったゆかりは霊的な守りと耐性によって曲の持つ魔力を打ち消す。
「心の中の『骸の海』、このまま祓い落としてあげる!」
「ああっ! 力が抜けていく!」
 そしてさらに読誦を行い、周囲のサイリウムを眩く輝かせて法力を増してオブリビオンを浄化する。
「ただ空気に乗っただけのあなたたちは、お呼びじゃないの。クライマックスはこれからよ!」
 ゆかりの視線はオブリビオン達の奥に居る、少女へと向けられていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか

太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ

正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像で目眩まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな

それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ


音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。



自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
                      プロデューサーより


シホ・エーデルワイス(サポート)
助太刀します!


人柄

普段は物静かで儚げな雰囲気ですが
戦闘時は仲間が活躍しやすい様
積極的に支援します


心情

仲間と力を合わせる事で
どんな困難にも乗り越えられると信じています


基本行動

味方や救助対象が危険に晒されたら身の危険を顧みず庇い
疲労を気にせず治療します

一見自殺行為に見える事もあるかもしれませんが
誰も悲しませたくないと思っており
UCや技能を駆使して生き残ろうとします

またUC【贖罪】により楽には死ねません

ですが
心配させない様
苦しくても明るく振る舞います


戦闘

味方がいれば回復と支援に専念します
攻撃は主に聖銃二丁を使用


戦後
オブリビオンに憎悪等は感じず
悪逆非道な敵でも倒したら
命を頂いた事に弔いの祈りを捧げます



「オブリビオン化してしまった一般人を助けるのですね。助太刀します!」
 シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)がステージに降り立ち、【『聖銃』ピア(Pea)_甲WS】と【『聖銃』トリップ(Tulip)_甲WS】の白黒の二丁拳銃を構える。
「すぐに救ってみせましょう」
 ユーベルコード『【弾葬】聖銃二丁で奏でる葬送曲』を発動して聖銃二丁のマシンピストル機能を起動し、楽器を奏でるような連射を放つ!
「ぐあっ!!」
「いでぇっ!!!」
 被弾したオブリビオン・ロッカー達が倒れる。
「こいつはロックだぜ! こっちも派手にやってやる!!」
 その銃撃に対抗心を燃やしたオブリビオン・ロッカーがエレキギターの激しく鳴らし、闇色の爆発を起こしてステージに衝撃波を広げる!
「こちらの銃声に合わせているようです。それならお付き合いしましょう」
 飛び退いて衝撃を受け流しながら、シホも負けじと銃弾と共に音を飛ばして派手に撃ち合う!
「オレのギターがっ!!」
 その弾丸がギターを貫いて音が途切れる。
「正気に戻ってください」
 隙を見せたところでシホが弾丸を体に撃ち込み、骸の海の影響を消し飛ばして人の姿に戻した。

「これがあいどるすてえじなるものか」
 続いて加勢にやって来た水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)が、物珍しそうにキラキラ輝くサイリウムが降られる賑やかなステージを見渡す。
「さて、場所がどこであれ敵を前にやることは変わらない」
 オブリビオン・ロッカー達と対峙し、ユーベルコード『錬成カミヤドリ』を発動して本体である太刀【水心子真峰】の複製刀を無数に浮かべた。
「そんなもんでビビるかよ! 闇のイバラで捕えてやる!!」
 オブリビオン・ロッカー達がギターを鳴らし、闇のイバラを生み出して真峰を拘束しようと伸ばす!
「この数の刃を抜けて私に届くかな?」
 真峰はその場を微動だにせず、複製刀を次々と飛ばして闇のイバラを切断していった!
「クソッ!! 届かねぇ!!」
「もっと演奏を激しくしてイバラに勢いをつけろ!!」
 さらにギターが激しさを増し、闇のイバラが荒れ狂うように迫る。
「騒がしい音だな。私としてはもう少し雅な音の方が好みだ」
 耳に痛い音楽に顔をしかめた真峰は、複製刀を矢のように放ってイバラを貫きギターに突き立てた!
「オレのギターが!?」
「正気に戻るといい」
 真峰はさらに飛ばした複製刀でオブリビオンを貫き、骸の海を消滅させて元の一般人へと戻した。

「世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん。ただいま参上。……って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。うう、これも番組の為なのね」
 ステージで名乗りを上げた音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)が鬱々と表情を曇らせる。
「アイドルステージ……ここなら私でも少しは活躍――」
 ちょっとは前向きな気持ちになろうとしたところで、激しいエレキギターの音にかき消される!
「ふざけやがって! ここはオレらロックの演奏場所なんだよ!! 邪魔者は消えやがれ!!」
 苛立つ感情を表現するように、オブリビオン・ロッカー達がギターを鳴らすと闇色の爆発が起こり、鬱詐偽は吹き飛ばされてステージを転がった。
「うぅ……いきなり攻撃されるなんて……」
 そんな姿をユーベルコード『グッドナイス・ブレイヴァー』による動画撮影ドローンが撮影して生放送していた。
『鬱詐偽さんがピンチだ!』
『いつものことだけどがんばれ!』
『今日はステージなんですね。応援してます!』
 なんだかよくわからないが、ピンチな姿を見て視聴者が応援する。すると鬱詐偽にエナジーが集まっていく。
「鬱……鬱よ………早く帰りたい…………」
 【ネガティブオーラ】が高まり周囲にどんよりした空気が広がると、それはオブリビオン達にも影響を与える。
「なんだ、やる気が無くなってきた……」
「ああ、もう演奏なんてどうでもいい。はぁ……帰りたい」
 気力を失ったオブリビオン・ロッカー達が演奏を止めて座り込んでしまった。

「これはチャンスです。一気に元に戻してしまいましょう」
「うむ、今なら一気に数を減らせよう」
 シホと真峰がその隙に攻撃を仕掛け、リズミカルに連射される銃弾がオブリビオンを撃ち抜き、複製刀が乱舞して切り裂いてオブリビオン達を倒して元に人へと戻していった……。
「私は転がってただけの気もするけど……悪を懲らしめられたならもういいよね」
 鬱詐偽が起き上がり、もうこれで切り上げて帰る気になっていた。
 三人の即席ながらも連携が上手く行き、オブリビオンになってしまった人の多くを元に戻す事に成功した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ステラ・カガミ
この世界で初めてのステージね。
踊り子兼歌姫のステラとしてあたしの歌を皆に届けるわ。
ファンの声援が直接力になるこの世界であたしの歌と踊りがどこまで通じるかやってみるわ。
こんな状況だからこそ、平和への祈りを込めた安らぎの歌(マザーズウィズパー)を歌って皆の心を静めるわ。
眠らせてしまえば後の対処も簡単になるから。
正直、あたしは戦うのは得意ではないけど、踊り・歌うことでできる事はあるはずだから。



「この世界で初めてのステージね」
 ステラは星の輝きを宿すアイドルステージに軽やかに立つ。それだけで心が沸き立つようだった。
「踊り子兼歌姫のステラとしてあたしの歌を皆に届けるわ」
 そして周囲を見渡し、敵だけでなくサイリウムの客人達を意識する。
「ファンの声援が直接力になるこの世界であたしの歌と踊りがどこまで通じるかやってみるわ」
 堂々とステージの真ん中でユーベルコード『マザーズウィスパー』を歌い出す。
(こんな状況だからこそ、平和への祈りを込めて……)
 囁くような子守唄が不思議と遠くまで響き渡る――。
「なんだ、眠くなってきやがった……」
「これは子守歌か? ステージで子守歌なんて歌いやがっ……て………」
 オブリビオン・ロッカー達が崩れ落ち穏やかな顔で眠りについた。

「こんな子守歌なんかのオレたちのロックが負けて堪るか!!」
 対抗するようにオブリビオン・ロッカー達がエレキギターを激しく掻き鳴らし、ステージ上で闇色の爆発を起こす!
「争う必要はないわ。どんな歌も音楽も、人を楽しませられるんだから」
 爆発の衝撃で宙に浮いたステラは華麗に回転してステージに着地し、踊るようにステップを踏み衝撃の勢いを逃す。するとその華麗なパフォーマンスにサイリウムが激しく振られ、力が沸き上がってくる。
「正直、あたしは戦うのは得意ではないけど、踊り・歌うことでできる事はあるはずだから……」
 応援を受けてステラは再び優しく子守唄を歌う。心の籠った歌声は相手の心を強く揺さぶる。
「くっ、眠い……耐えられん……」
「ああ、まるでふかふかの布団に包まれてるような……」
 その母に抱かれるような優しい歌声に耐えきれず、オブリビオン達は皆眠ってしまった……。
(皆眠ったみたいね。あとは仲間が対処してくれるわ――)
 ステラがステージで歌い続けている間に、仲間の猟兵達が気持ち良さそうに眠るオブリビオン・ロッカーを元の人の姿に戻していった。

「歌でオブリビオンになってしまった皆の心を鎮められる。アイドルを目指しているというのなら、歌や踊りの持つ可能性をあの子に伝えたいわ」
 そして残された俯いて世界を拒絶する少女と向かい合った。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『オブリビオン・アイドル』

POW   :    コール・オブ・ダークネス
【精神をかき乱す歌声】を放ちダメージを与える。命中すると【オブリビオン化エネルギー】を獲得し、自身が触れた対象の治癒or洗脳に使用できる。
SPD   :    ブラッククロス・リベレイター
視界内に【黒き十字の閃光】を召喚する。[黒き十字の閃光]はレベル秒間存在し、レベルm半径内の全員に【「骸の海」流出】の精神異常を与える。
WIZ   :    暗黒の歌声
視界内の任意の全対象を完全治療する。ただし対象は【心の内に秘めた「骸の海」】に汚染され、レベル分間、理性無き【オブリビオン】と化す。

イラスト:稲咲

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●骸の海のアイドル
「どうしてそんなにキラキラしてられるの?」
 アイドルステージの上で俯いたまま骸の海を溢れさせる少女が呟く。
「どうして私はキラキラ輝けないの?」
 溜まった鬱屈を吐き出すように声を荒げる。
「どうして? 才能がないから? どうして? 努力が足りないから? どうして!?」
 どうして自分が同じようにアイドルを目指している同期より劣っているのか分からないと叫ぶ。
「私だってキラキラしたい! 私だってアイドルになりたい! 私だって! 私だって――!!!」
 骸の海に溺れるように包まれ、少女「ユイ」は人からオブリビオンへと変貌する!
「アイドルになってやる!!! 全てのアイドルを叩き潰すトップアイドルに!!!!!!!!」
 『オブリビオン・アイドル』となったユイは、骸の海に汚染されて衝動のままステージで歌う。その歌声は周囲を骸の海に包み込んでいった。
 骸の海によって暴走した少女を止めようと、猟兵達はアイドルステージで勝負を挑む――。
村崎・ゆかり
「呪詛耐性」を乗せた逆凪で、ユイのUCを跳ね返す。

泣き言なんて聞きたくないのよ。皆を元気にするのがアイドルの仕事でしょ!
どうして、どうして、どうして。言いたいことはそれで全部?
誰かと比べなくてもいいじゃない。あなたが見るべきは、自分自身。『アイドル』という山を登るために、道筋を考えて、一つずつ難所を抜けていく。もっと自分を信じなさいよ!
アイドルになりたいと思ったきっかけは何? その時の思いは、まだあなたの中にある?

「破魔」を乗せた薙刀を振るって、「衝撃波」を伴う「なぎ払い」。
あなたの中の醜い部分はあたしが祓い落としてあげるから、もう一度立って歩いて、進んでいきなさい。アイドルになるんでしょ!?



●アイドルは輝く
「私はアイドルになるんだ……他のアイドルを全部倒せば、私が一番のアイドルだ!!」
 オブリビオン・アイドルとなったユイが咆え、マイクを通して凶暴性を露わとした歌を叩きつけるように歌う!
「泣き言なんて聞きたくないのよ。皆を元気にするのがアイドルの仕事でしょ!」
 ゆかりはオブリビオンの中の弱音を吐き続けているユイの心を一喝する。
「どうして、どうして、どうして。言いたいことはそれで全部? 誰かと比べなくてもいいじゃない。あなたが見るべきは、自分自身。『アイドル』という山を登るために、道筋を考えて、一つずつ難所を抜けていく。もっと自分を信じなさいよ!」
「うるさいうるさい! うるさーーーい!! 学校もアイドルも同じ! 成績成績成績!! 上に立たなきゃデビューなんて夢のまたユメなんだよ!! 私だって必死に頑張ったんだよォオオオオ!!!!」
 ゆかりの叱咤激励がユイの心を揺さぶり、激昂したオブリビオン・アイドルが感情を高めて歌うと、黒き十字の閃光が召喚され「骸の海」が漏れ出て周辺を汚染する。

「思い入れが強い分、骸の海の影響で反転した負の感情も強くなってるみたいね」
 呪詛耐性で骸の海の影響に耐え、血染めの霊符を手にユーベルコード『|逆凪《サカナギ》』を発動する。
「急急如律令。人を呪わば穴二つ。己が手業にて滅ぶべし」
 血染めの霊符に仕込まれた呪詛返しの術式が起動し、骸の海を反射してお返しする。
「あっアアアアッッッ!!!!」
 オブリビオン・アイドルが顔を歪めて歌が止まる。それに合わせて骸の海の放出も弱まった。
「アイドルになりたいと思ったきっかけは何? その時の思いは、まだあなたの中にある?」
「アイドルになりたいと思ったのは……子供の頃に親といっしょにこの野外ライブに来たの……あの時見たキラキラしたアイドルの輝きが忘れられなくて……だから私もアイドルに……」
 ゆかりが尋ねると、ユイがアイドルになろうと思った時のことを思い出す。するとオブリビオン化している体の中心からキラキラした輝きが溢れた。
「まだ忘れてないようね。あなたの中から想いが溢れてるわ」
 それを見てゆかりは【薙刀『紫揚羽』】を構えて破魔の力を籠めて声を掛ける。
「あなたの中の醜い部分はあたしが祓い落としてあげるから、もう一度立って歩いて、進んでいきなさい。アイドルになるんでしょ!?」
 一閃して衝撃波でユイを薙ぎ払い、骸の海によって増幅されている負の感情を祓う!
「うぅ、私は……私はアイドルに……いいえ、今の私がアイドルなの!」
 負の感情が吹き飛ぶが、まだ骸の海は勢いを弱めながらも溢れ、ユイはマイクを手に黒き歌を紡ぐ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レオンハルト・シャルラッハロート
絡み/アドリブ共に可
レオーナ(f42330)と共に行動

オブリビオンアイドルに悲し気な表情を浮かべる
(何て痛々しい姿だ。まるでエンドブレイカーに目覚めなかった昔のボクのようで…)
ーだからこそ!と意を決して、新調したばかりのロックギターを演奏(&UC発動)

(以下の内容を歌にしてアレンジ)
自分もいくら鍛錬を積んでも、騎士になれなかった時があった。
しかし、ふとした事が切欠で覚醒した。
そしてエンドブレイカーとなって最後まで戦い抜いた

(歌い終えた後で)
「ヒトは誰しも輝きを持っている。諦めない限りそれはいつか大きな輝きを放つ!
だから…骸の海に飲まれちゃダメだ!」

後は娘や他の猟兵達に一任します


レオーナ・シャルラッハロート
絡み/アドリブ共に可
父・レオンハルト(f38951)と共に行動

(…もしかしたら、レオーナはこの為にボルたんと出会ったのかもしれない)
「行こう、ボルたん(星霊ボルヴォイト)!シンフォニックデバイス、マイクモード!」

周囲に星霊を呼び出し、ダンスや踊りを交えながら歌を披露。
(歌の内容はこんな感じ、アレンジ等は一任します)
貴方の描く夢は何?
貴方の描く未来はどんな景色?
立ち止まってたら辿り着けないよ
躓いたら、また立ち上がって前へ進もう
進み続けよう貴方の道
歩み続けたら、いつかきっと辿り着く

-この歌に祈りを乗せて、響け!<UC発動

無事ユイさんを助け出せたら、ボルたんと一緒に優しく抱きしめます。



「私の歌を! 私の歌を聴け!! 私こそがアイドルだ!」
 アイドルステージの上でオブリビオン・アイドルが叫ぶように歌う! 命令系でありながら、何故か懇願しているようにも感じられる。それは真にアイドルに成れていない故の悲痛な叫びだった。
(何て痛々しい姿だ。まるでエンドブレイカーに目覚めなかった昔のボクのようで……)
 レオンハルト・シャルラッハロート(不死鳥の天誓騎士・f38951)はオブリビオン・アイドルと化してしまったユイを見て悲しそうな表情を浮かべる。
「――だからこそ!」
 意を決して、新調したばかりのロックギター【スカーレット・ライトニング】を演奏してユーベルコード『奮い立て、雄々しき|猟兵達《イェーガー》』を発動し、メロディに乗せて力強く歌い始める――。

 ――男は夢を思い描き、憧れの騎士を目指した
 だがどれだけ剣を振っても、血潮を流してもその手は騎士に届かない
 心折れそうになっても、諦められずに足掻き続け、ある出来事を境に覚醒する
 それはふとした切欠、しかしそのチャンスを逃さず手にしたのは諦めずにいたから
 そして新たな|天誓騎士《エンドブレイカー》は生まれ、人々の希望として最後まで戦い抜いた。そんな一人の男の物語――

 歌に合わせてサイリウムの形をした観客達が大きく揺れて歌声をパワーアップさせる。そしてレオンハルトが歌い終え、ギターの音が余韻を残して響く……。
「ヒトは誰しも輝きを持っている。諦めない限りそれはいつか大きな輝きを放つ! だから……骸の海に飲まれちゃダメだ!」
 思わず聞き入っていた相手にレオンハルトが語り掛けると、ユイは激しく感情を揺さぶられる。
「お腹に響くような歌……負けられない! 私は負けない! トップアイドルになるんだ!!」
 歌に心を揺さぶられたオブリビオン・アイドルが負けじと歌う! だが歌声には荒々しさに混じって寂しそうな感情が乗り、放出する骸の海は減っていく。そのパフォーマンスはオブリビオンとしてではなく、ユイ本体の表情が出始めていた。
「次は任せます」
 そう言ってレオンハルトは娘に後を託す。

(……もしかしたら、レオーナはこの為にボルたんと出会ったのかもしれない)
 レオーナ・シャルラッハロート(星霊の友・f42330)は【星霊ボルヴォイト】を見つめる。するとボルヴォイトも視線を合わせてぴょんと浮かんだ。
「行こう、ボルたん!」
 呼びかけて一緒に父・レオンハルトに次いで歌おうと前に出る。
「シンフォニックデバイス、マイクモード!」
 【シンフォニックデバイス】をマイク形態に変形させ、周囲に星霊達を呼び出して共にダンスを始め、歌い出す――。

 ――貴方の描く夢は何?
 貴方の描く未来はどんな景色?
 立ち止まってたら辿り着けないよ
 躓いたら、また立ち上がって前へ進もう
 進み続けよう貴方の道
 歩み続けたら、いつかきっと辿り着く
 だからどうか、諦めないで――

「私の道……進んでいたら辿り着けるの……本当に……?」
 観衆のサイリウムが大きく振られて歌は力を増し、露わとなっていたユイの心にレオーナの歌が突き刺さる。それはオブリビオンという仮面から素顔を覗かせる。
「――この歌に祈りを乗せて、響け!」
 そこでレオーナはユーベルコード『シンフォニック・ピュアハート』を発動し、笑顔で投げキッスと共に音符型の浄化エネルギーを放つ! すると骸の海が多くが浄化されてユイがよろめいた。
「私の力が……アイドルではなくなってしまう……!」
「ユイさん、貴方の道を照らすのは貴方自身でなくてはなりません。そんな力に頼っては本当の夢には辿り着けません」
 骸の海の力を求めようとするユイに、レオーナが心を込めて説得してボルヴォイトがそうだそうだと言うように跳ねた。
「私自身が……私はアイドルになりたい……転んでも立ち上がってアイドルに……」
「そうです。失敗したっていいんです。諦めずに進み続ければきっと夢は叶います!」
 レオーナの真摯な言葉にユイの姿がオブリビオンから人のものへとぶれる。
「進み続ければ……ぐっああッ!!」
 ユイの身体から骸の海が溢れ、姿をまたオブリビオンのものへと変えた。

「どうやらまだ骸の海を完全には抑えられていないようだ。だけど効果は出ている。歌を続ければ人の姿に戻れるはずだ」
 レオンハルトが観察し、歌が高い効果をもたらしていると判断した。
「それなら、戻るまで歌い続ける!」
 父の言うことなら確かだと、レオーナはまた歌う。
「私の歌を聴け!!」
 しかしユイもまた負の感情を吐き出すように歌い、歌同士がぶつかり合ってステージが激しく躍動し盛り上がった!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ステラ・カガミ
ユイ(オブリビオン・アイドル)を止めるためにあたしもステージで歌うわ。
あたしはこの世界のアイドルじゃないけど、歌や踊りの道が楽じゃない事はよく分かってる。
うまく行かなくて悩む事は誰にでもあるわ。
ましてや、あなたはまだ中学生なんだし、これからいくらでも伸びていくわ。
具体的な方法だけど、シンフォニック・キュアで暗黒の歌声でオブリビオン化した人を治療して元に戻せないかやってみるわ。
大人数がオブリビオン化して暴れ回ったらさすがに収拾が付かなくなるから。
それに、歌声の本当の力を彼女に見せたいから。
人を傷つけ苦しめる手段ではなく、人を幸せにする手段としての歌を。



「アアアアッ! 私は! 私はアイドルなの! アイドルになりたい! 私こそトップアイドル!! どうやったらアイドルになれるの!!」
 猟兵達の言葉や歌によって骸の海の影響が弱まり、オブリビオンとしてではなくユイとしての意識が表に現れるようになっていた。
「聴け! 聴け!! 聴け!!! 私の歌を!!」
 それでも暗黒の歌声は止まらず、周囲に骸の海をばらまいて一般の観客をオブリビオンへと変えてしまう。

「ユイを止めるためにあたしもステージで歌うわ」
 オブリビオン・アイドルと化してしまったユイを止めるべく、ステラも舞台の上でスポットライトを浴びる。
「あたしはこの世界のアイドルじゃないけど、歌や踊りの道が楽じゃない事はよく分かってる」
 芸の道は長く険しい。下積みから一人前になっても、まだまだ先は長く果てなど見えはしないのだ。
「うまく行かなくて悩む事は誰にでもあるわ。ましてや、あなたはまだ中学生なんだし、これからいくらでも伸びていくわ」
 自分だって壁にぶつかって悩んだことは一度や二度ではない。そんなのは当たり前なのだと語る。
「どうすれば……どうすればいいの?」
 壁にぶつかり悩むユイの本音が漏れ出る。
「そうね、自分を信じること。あなたが得意な歌にはたくさんの可能性があるこってことを教えてあげるわ」
 ステラがステージの真ん中で大きく息を吸うと、ユーベルコード『シンフォニック・キュア』を発動して歌い始める。

 ――声よ届け
 闇に囚われても光は届く
 光に向かって進めば、そこには希望がある
 諦めないで、あたしの声を聴いて
 歌には無限の可能性がある
 さあ、手を取って共に歌を紡ごう。その先には希望がある――

 歌が響き渡ると、眩い光が降り注ぎオブリビオン化していた人々が元に戻る。
 そしてその光はユイの事も包んで骸の海を消し去っていった。
「私も、こんな歌が歌えるようになる……?」
「もちろん。諦めずに歌い続ければ、きっと歌えるようになるわ。人を傷つけ苦しめる手段ではなく、人を幸せにする手段としての歌を……」
 膝をついたユイに向かってステラが手を伸ばす。
「私……ちゃんとアイドルになりたい。胸を張って自分はアイドルだって言えるアイドルに!」
 その手をユイがしっかりつ掴み立ち上がる。すると骸の海が消滅してアイドルステージもまた幕が下りる。

「えっと? 次の曲は――」
 風景が元に戻るとアイドル達の野外ステージも何事もなかったように続く。
「私も、リンちゃんやあなた達みたいな、人を元気にできる歌を歌えるアイドルになってみせるから!」
 猟兵の「ファン」となったユイが吹っ切れたような笑顔を見せ、周囲の観客と一緒にステージのアイドルに向かって応援の声を送った。
「もう大丈夫ね」
 ステラがその様子に安堵し、他の猟兵達と共に微笑んでステージの上で輝くアイドルを眺めた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年05月04日


挿絵イラスト