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未来なき黙示録の進軍

#ケルベロスディバイド #太陽神スーパーアポロン #黙示録指令

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#黙示録指令


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「事件発生です。リムは猟兵に出撃を要請します」
 グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、グリモア猟兵のリミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々とした口調で語りだした。
「ケルベロスディバイドにて、十二剣神『太陽神スーパーアポロン』配下のデウスエクス軍団が、地球人類の決戦都市に突発的襲撃を仕掛けてきます」
 この事件は何らかの大作戦から特務機関DIVIDEの目を逸らすための陽動という訳でもなく、ただ闇雲に人類を襲撃してはグラビティ・チェインを簒奪するだけの代物で、ケルベロスや猟兵による察知及び介入も全く考慮されていないものとリミティアは判断している。

「スーパーアポロンは太陽神の称号を冠するとおり非常に強大なデウスエクスですが、統率者としては些か難のあるタイプのようです。策謀や軍略に疎く、人類鏖殺という大言壮語を恥ずかしげもなく口にする有様です」
 地球の戦力を完全に舐めてかかったスーパーアポロンの名の下に発令された「|黙示録指令《スーパーオーダー》」は、勝算も展望もない作戦に数多のデウスエクスを駆り立てた。ある意味では彼の配下達も、無茶振りに付き合わされた被害者と言えるかも知れない。
「策もなにもない無謀な計画ですが、|黙示録指令《スーパーオーダー》を受けたデウスエクスは戦闘能力が大幅に強化されている上、理性や自我を失って本能のままにグラビティ・チェインを簒奪します」
 できることは力押しによる破壊と略奪だけだが、いずれ力尽きて全滅するまでの間に、決戦都市の一つ二つは陥落させられてもおかしくない。集団で移動しながら根こそぎ全てを食い荒らしていく、その有様はさながら蝗害の如しだ。

「このままでは人類側にも甚大な被害が予想されますので、皆様はデウスエクス軍団が襲来する街に急行し、一般人の救出と敵の迎撃をお願いします」
 襲撃を受ける都市はスーパーアポロンの気まぐれで適当に決められたもので、住民からすれば災害に巻き込まれたようなものだ。戦略的観点としてはまったく無茶苦茶な軍事行動であることが逆に災いして、特務機関DIVIDEの迎撃体制も万全とは言えない。猟兵の救援がなければ一般人の犠牲は避けられないだろう。
「軍団の第一陣を務めるのは『黄昏眼忍者』。偵察や牽制・撹乱を主任務とする盲目の忍者集団で、本来は忍びらしい隠密や搦手が得意で、真っ向勝負は苦手なようです」
 そんな忍者でも理性や自我を奪われ、ただ人類を殺戮する存在になり果ててしまう「|黙示録指令《スーパーオーダー》」の強制力は凄まじいものだが、同時にスーパーアポロンの戦術眼のなさを物語っている。他の十二剣神であれば、もっとまともな彼女達の使い道を思いついただろうに。

「第一陣の黄昏眼忍者を撃破した後も、第二陣、第三陣と敵の襲撃は続きます。どうか皆様の力をお貸しください」
 説明を終えたリミティアは手のひらにグリモアを浮かべ、ケルベロスディバイドの決戦都市に猟兵を送り出す。
 後退のブレーキが壊れた集団を止めるには、こちらも敵を全滅させるまで戦うしかない。狂気の「|黙示録指令《スーパーオーダー》」に操られたデウスエクス軍団との戦いが始まる――。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 今回のシナリオはケルベロスディバイドにて、十二剣神『太陽神スーパーアポロン』配下の軍勢から決戦都市を防衛する依頼です。

 1章は敵軍の第一陣となる『黄昏眼忍者』との集団戦です。
 本来は真っ向勝負よりも偵察や撹乱を得意とする忍者ですが、スーパーアポロンの「|黙示録指令《スーパーオーダー》」を受けて戦闘能力が大幅に強化され、かわりに理性や自我を失っています。
 本能のままに地球人を殺戮してグラビティ・チェインを奪う事しか頭にないので、襲われる一般人を救出しながら敵を撃退してください。

 2章、3章も同様に「黙示録指令」で凶暴化したデウスエクス軍との戦闘になります。
 1章での一般人救出が成功していれば、2章以降は彼らの支援により「|決戦配備《ポジション》」のプレイングボーナスを受けることができます。
 最終的に全てのデウスエクスを撃破すればシナリオは成功です。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『黄昏眼忍者』

POW   :    盲目の利点
敵より【相手が見えない失明状態の】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
SPD   :    抜刀「黄昏時」
自身が装備する【三本脇差し】から【目に見えぬ斬撃】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【盲目】の状態異常を与える。
WIZ   :    霊眼
レベル×1個の脆い【視力代わりの霊眼】を召喚し、攻撃や偵察を行わせる。

イラスト:お餅。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エリー・マイヤー
死をも恐れず暴れ回る、狂戦士の群れ。
そう聞くと、厄介そうに思えますが…
全然噛み合ってないですね。
なんともお粗末なオーダーです。

さて、ボヤキは程々にしてお仕事です。
【念動ハンド】でたくさんの手を出して、敵に差し向けます。
で、叩いたり、足を払ったり、くすぐったり。
そんな感じでちょっかいをかけて、一般人から注意を逸らします。
相手は見えていませんからね。
手で触れられたら、そこに敵がいると誤認することでしょう。
そうして翻弄されている隙をついて、別の手で首を掴みます。
そのまま絞めて、一人一人確実に沈めていきましょう。
…本来なら、こんな簡単な手にはかからない相手なんでしょうね。
なんともお粗末なオーダーです。



「死をも恐れず暴れ回る、狂戦士の群れ。そう聞くと、厄介そうに思えますが……」
 スーパーアポロンの「|黙示録指令《スーパーオーダー》」を受けたデウスエクス軍団の実態を見て、エリー・マイヤー(被造物・f29376)は思わず溜息をついた。新たに確認された十二剣神の命令は、確かに配下の戦闘力を大きく向上させるものの――。
「殺せ! 壊せ!」「グラビティ・チェインを奪え!」
 引き換えに自我と理性を奪われた配下は、グラビティ・チェインを強奪するだけの暴徒と化す。それが本来は諜報や偵察任務を主とする「黄昏眼忍者」であってもだ。隠密行動を取るなどの知性も失い、苦手なはずの真っ向勝負を強いられている。

「全然噛み合ってないですね。なんともお粗末なオーダーです」
 部下の強みを活かすのも指揮官の器量だというのに、これではあの忍者達は死にに行けと言われたのと変わらない。
 エリーもこれまで様々な依頼を受けてきたが、この手のバカの無茶振りに従わされる連中には、少しだけ同情する。
「さて、ボヤキは程々にしてお仕事です」
 なにはともあれ都市や住民への被害は防がなければならない。エリーは百を超える【念動ハンド】を出現させ、敵軍に差し向ける。遠くのものを掴んで動かすのは念動力の基本だが、彼女ほど同時に多くのものを精密操作できるサイキッカーはそうそういない。

「ひゃっ?!」「ぎゃうっ!!」「きゃははは!?」
 叩いたり、足を払ったり、くすぐったり。念動力の手でちょっかいをかけられた黄昏眼忍者達は、完全に虚を突かれて悲鳴を上げ、闇雲に周囲を攻撃し始めた。もちろんエリー本人は離れた場所にいるのだが、今の彼女達にそんなことは分かるはずがない。
(相手は見えていませんからね。手で触れられたら、そこに敵がいると誤認することでしょう)
 目が見えない代わりにその他の五感が鋭く、視覚に頼らずとも支障はないはずの黄昏眼忍者だが、念動力の感触から居もしない敵の影を感じてしまい、面白いように翻弄されている。一般人から注意を逸らすのはもちろんのこと、この調子なら同士討ちまで狙えそうだ。

「さて、必要な手は何個でしょうか」
 こんな具合に念動力で敵を手玉に取りつつ、エリーは隙をみて別の手で首を掴み、絞め上げる。ろくな抵抗も反撃もできぬまま、黄昏眼忍者は「ぐえっ」と白目をむいてオチた。仕掛けたほうが拍子抜けするほどの歯ごたえのなさだ。
「……本来なら、こんな簡単な手にはかからない相手なんでしょうね」
 まともな理性が残っていれば、少なくとも【盲目の利点】をまるで活かせぬまま無様を晒すことはなかっただろう。
 なんともお粗末なオーダーです、ともう一度呟きながら、エリーは念動力の手を巧みに操り続け、1人1人確実に敵を沈めていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

叢雲・紗綾
十二剣神にも随分無能な指揮官がいるみたいですね。
でも脅威なのは変わりありませんし、きっちりブッ倒していきましょう。

捕捉した敵集団の中心位置を狙って磁性引力弾を撃ち込み、敵を引力で縛って足止めします。
付近の一般人にはこの間に逃げてもらって、私は声を上げて敵の意識を引きつけてみようかと。
「私が相手ですよ、馬鹿神共!」

とはいえ敵の戦闘力自体は高まってますから、無理な攻撃は禁物。
敵がUCでの攻撃動作に入ったら、手近な建物の影に隠れるなどして攻撃を凌ぎ、「雀蜂」での【スナイパー】で反撃。
磁性引力弾での足止めを切らさないようにしつつ、確実に仕留めていきましょう。



「十二剣神にも随分無能な指揮官がいるみたいですね」
 これまでに地球人が確認している十二剣神とは、悪い意味で『太陽神スーパーアポロン』は毛色が違う。それぞれに独自の方針で作戦計画を立ててきた他の神々と違って、彼はただ適当な都市を配下に襲わせるだけ。そんな行き当たりばったりで人類を鏖殺できると思っているなら舐められたものだ。
「でも脅威なのは変わりありませんし、きっちりブッ倒していきましょう」
 スーパーアポロンの「|黙示録指令《スーパーオーダー》」を受けたデウスエクス軍団を捕捉した叢雲・紗綾(嘲り詰る兇弾・f40836)は、弐拾参式光線狙撃銃「雀蜂」を構え、敵集団の中心位置をロックオン。理性と自我を奪われた『黄昏眼忍者』は、闇雲に目の前の生物を追いかけるだけで、まだこちらには気付いていない。

「そこ動くんじゃねーですよ!」
「きゃっ?!」「な、なっ!?」
 一喝とともに紗綾が撃ち込んだ【磁性引力弾】は、着弾点に向かって強烈な引力を発生させ、敵集団を縛り付ける。
 見えざる高磁力の鎖に引きずられた黄昏眼忍者達は、強制的に密集させられ足止めを食らい。その間に付近の一般人が逃げていく。
「私が相手ですよ、馬鹿神共!」
 敵の注意が再び一般人に向かないよう、紗綾はさらに声を張り上げて意識を引き付ける。まともな思考が残っている相手なら、こんな見え見えの挑発には乗らなかったかもしれないが。残念な事に現在の忍者達には獣並みの判断力すらない。

「敵だ!」「殺せ!」
 地球人を抹殺し、グラビティ・チェインを奪え。太陽神より与えられたオーダーを、黄昏眼忍者は愚直に実行する。
 腰の脇差しに手をかけ【抜刀「黄昏時」】の構えを取り、紗綾ただ1人に狙いを絞って一斉に襲い掛かってくる。そこに"連携"などという高度な概念はない。
(とはいえ敵の戦闘力自体は高まってますから、無理な攻撃は禁物)
 敵がユーベルコードでの攻撃動作に入ったら、紗綾は手近な建物の影に身を隠す。【磁性引力弾】の効果はまだ持続しているので、敵もこちらに近付くのは難しいはず。距離を取って戦えばスナイパーであるこちらが圧倒的に有利だ。

「これじゃ訓練にもならねーですよ」
「ぎゃっ?!!」
 射線を切りもせずまっすぐ向かってくる黄昏眼忍者を、「雀蜂」のレーザー狙撃で確実に仕留めていく紗綾。身の丈ほどもある長大な銃器を苦もなく操る姿からは、狙撃手としての熟練度が窺える。忍者らしい搦め手を悉く失った敵が相手だからこそ、その技巧はなおさら際立つ。
「もう一発!」
 およそ2分ごとに【磁性引力弾】による足止めを切らさないようにすれば、もう黄昏眼忍者達はどこへも行けない。
 狙撃の基本に忠実に、身を隠す場所を適時変更するだけで、敵は彼女を捕捉できなくなり。さりとて逃げた一般人を追うこともできず、ただ無様な屍を戦場に晒すのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

儀水・芽亜
これは、作戦とも呼べないような襲撃ですね。背後の決戦都市を守るため、あなた方にはここで斃れていただきます。
――といっても、最早聞こえていませんか。
それでは、討滅を開始しましょう。

「全力魔法」「結界術」黒曜石の「属性攻撃」「範囲攻撃」「受け流し」「魔力吸収」で胡蝶の盾を展開。
この先へは一歩たりとも進ませません。

霊眼は黒揚羽がたかって生命力と魔力を吸収すれば崩れるでしょう。
理性が無いのなら、そもそも霊眼を活用出来るかも怪しいですが。

竪琴を爪弾いて「歌魔法」で「音響攻撃」。視覚を封じている分、音には敏感でしょう? さあ、いらっしゃいな。私の可愛い黒揚羽の群の中へ。
その生命、吸い尽くして差し上げます。



「これは、作戦とも呼べないような襲撃ですね。背後の決戦都市を守るため、あなた方にはここで斃れていただきます」
 未来の展望も計画性もない、無謀なグラビティ・チェイン収奪のために招集されたデウスエクス軍団に、儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)はそう告げた。スーパーアポロンとやらのふざけた野望に、地球人を巻き込ませるわけにはいかない。
「――といっても、最早聞こえていませんか」
 彼女が対峙した『黄昏眼忍者』達は「殺せ!」「奪え!」と喚くばかりで、完全に正気を失っている。|黙示録指令《スーパーオーダー》を受けたデウスエクスは自我と理性を失い、スーパーアポロンの傀儡と化すのだ。この有様では仮に撤退を勧告したとしても、聞き入れられる事はあるまい。

「それでは、討滅を開始しましょう」
 芽亜は竪琴『Playland In Sleeping』を手に、黒曜石でできた黒揚羽蝶の群れによる【胡蝶の盾】を展開。高い硬度を誇る蝶々の密集結界は、極めて高い防御力を発揮する。暴徒同然と化したデウスエクス軍団を、一般市民の元に向かわせないための布陣だ。
「この先へは一歩たりとも進ませません」
「「おぉぉぉぉぉっ!!!」」
 宣告であれ、警告であれ、やはり聞く耳を保たない黄昏眼忍者達は、まっすぐ胡蝶の盾に向かってくる。随行するのは視力を補完するために召喚された数百の【霊眼】。単なる数任せの力押しとはいえ、黙示録指令で強化された戦闘力だけは侮れない。

(霊眼は黒揚羽がたかって生命力と魔力を吸収すれば崩れるでしょう)
 理性の無い黄昏眼忍者が霊眼を活用する術は、壁に向かって体当たりさせるくらいしかない。本来は守りの薄い箇所を偵察させるとか、もっと色々な使い道があったはずなのだが――闇雲に叩いたところで胡蝶の盾はびくともしない。
「さあ、可愛い私の分身たち。私を否むその感情を喰らってしまいなさい」
 剥き出しの本能から生じる敵意や殺意を、黒揚羽蝶は生命力とともに吸い取り、主の戦闘力に還元する。十分に力が満ちた所で、芽亜は竪琴を爪弾いて歌魔法を紡ぐ。美しく響く音の波は、黒曜石と共鳴して戦場いっぱいに広がった。

「視覚を封じている分、音には敏感でしょう? さあ、いらっしゃいな。私の可愛い黒揚羽の群の中へ」
「「う、うぉぉぉぉ……!!!」」
 芽亜の歌と演奏に誘われて、霊眼を失った黄昏眼忍者達はふらふらと彼女の元に集まっていく。ハーメルンの笛吹き男の物語を思わせるような、その行進の果てにあるのは破滅だ。人に仇なす敵意ある者を、黒揚羽の群れは許さない。
「その生命、吸い尽くして差し上げます」
 胡蝶の盾に触れた者から1人また1人と倒れていく忍者達。たとえ敵が何十体いようと、もはや結末は見えていた。
 かといって芽亜は油断しない。黙示録指令に衝き動かされたデウスエクスの行軍は、いまだ決戦都市を脅かし続けていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

日下部・香
作戦らしい作戦が無いとしても、強化されたデウスエクスが暴れるというだけで十分すぎるほどの脅威だ。
街の皆さんを助けながら、なるべく早く敵を倒さないと……

ビルの上とかなるべく高い場所を飛び移りつつ(【ダッシュ】【ジャンプ】)敵を探そう。高所からの方が見つけやすいだろう。
襲われてる人がいたら最優先で助けに入るよ。敵を狙撃して牽制したり(【スナイパー】)、敵との間に割って入ったりな(【かばう】)
敵の数が多ければ【螺旋弓術・黒雨】で一気に攻撃したい。

敵が召喚した霊眼を見つけた時も、片っ端から射貫きたい。数が多ければ【螺旋弓術・黒雨】を使おう。視力代わりの霊眼を壊せば、街の人が敵に見かりづらくなるはずだ。



「作戦らしい作戦が無いとしても、強化されたデウスエクスが暴れるというだけで十分すぎるほどの脅威だ」
 この世界を守護するケルベロスの1人として、日下部・香(断裂の番犬・f40865)は今回の事件に強い危機感を抱いていた。無謀な進軍がいずれ瓦解するまでの間に、どれだけの人命が被害にあうのか。計画も予定もないからこそ、それはもはや災害じみている。
「街の皆さんを助けながら、なるべく早く敵を倒さないと……」
 都市に到着した香は忍者らしい俊敏な身のこなしで、ビルの屋などを飛び移って敵を探す。なるべく高い場所から見下ろしたほうが索敵も容易だろうとの判断だ。敵がどこから市内に入り込んできたとしても、絶対に見逃しはしない。

「人間……殺す……!」
「ひっ! た、助けて!」
 決戦都市に侵入した『黄昏眼忍者』は、手当たり次第に人間を殺害してグラビティ・チェインを奪おうとする。このような役回りは本来彼女達の仕事ではないはずだが、スーパーアポロンの「|黙示録指令《スーパーオーダー》」は有能な密偵すらただの暴徒に変えるのだ。
「やらせるものか」
 無論、それを見過ごす香ではない。高所から「螺旋弓・穿」で敵を牽制しつつ、襲われている人の元に駆けつける。
 間に割って入れば、黄昏眼忍者の敵意は一般人からこちらに向かうだろう。本能のままに暴れる彼女達にとっては、どちらも獲物には違いないのだから。

「敵だ!」「殺せ!」
 野獣のように同じ発言ばかりを繰り返す、黄昏眼忍者達の周囲には【霊眼】が浮かぶ。失った視力を補うものだが、攻撃にも使えるユーベルコードだ。それらを含めた敵の数はかなり多く、しかも全員が黙示録指令で強化されている。
「射ち、写し、穿つ。天を衝き、地に降る」
 ここは温存している場合ではないと、香は【螺旋弓術・黒雨】を発動。矢継ぎ早の連射で敵集団を纏めて攻撃する。
 複雑な幾何学模様を描く矢の雨は、包囲した標的を決して逃さない。敵本体はもちろん、敵が召喚した霊眼も片っ端から射抜いていく。

「今のうちに逃げてくれ」
「はっ、はいぃっ!」
 黒き矢の雨が敵を釘付けにしている内に、襲われていた人々は安全な場所に逃げていく。追手がかからないように、香はその後も【螺旋弓術・黒雨】を継続。次々に矢を放ちながらも視野を広く保ち、1人たりとも見逃すまいとする。
(視力代わりの霊眼を壊せば、街の人が敵に見かりづらくなるはずだ)
 もし黄昏眼忍者に理性が残っていて、霊眼をより巧妙に利用されていれば、もっと厄介な事態になっていただろう。
 流派は違えど同じ忍者として、その諜報・偵察力が損なわれている事を僥倖に感じつつ、敵の"眼"を徹底的に潰す香であった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【WIZ判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

さぁて、まずは一般人の救出・避難誘導だね!
頼むよ、皆!

UCは『ワタシの空飛ぶヴァンパイアちゃん達』
ヴァンパイアちゃん達を召喚するよ♪
約半数に【救助活動/コミュ力/大声/団体行動】で一般人の救出・避難誘導をしてもらい、もう半数とクローネちゃんが敵と戦うよ★
ヴァンパイアちゃん達は剣による【斬撃】と血液弾による【弾幕】、クローネちゃんはネクロオーブから放つ【エネルギー弾】で攻撃するね♪
敵の攻撃は【第六感/見切り/身かわし/空中機動】で可能な限り避けるよ♪



「さぁて、まずは一般人の救出・避難誘導だね!」
 デウスエクス軍団による被害を最小限に抑えるため、クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)は直ちに行動を開始する。相手はスーパーアポロンの「|黙示録指令《スーパーオーダー》」で理性を失っているが、だからこそ暴走した殺戮本能には歯止めがない。
「頼むよ、皆!」
 1人でも多くの人を救うため、クローネは【ワタシの空飛ぶヴァンパイアちゃん達】を召喚。サイキックハーツ世界にかつて存在したダークネスの学園、朱雀門高校のヴァンパイア女子生徒が、彼女の手足となって活動をサポートしてくれる。

「半分は一般人の救助活動をお願い。もう半分はワタシに付いてきてね♪」
 クローネはヴァンパイア達を二組に分け、半数にあたる80名ほどを救出・避難誘導に専念させ、残りをデウスエクス軍団との戦闘に動員する。敵の第一陣たる『黄昏眼忍者』は、四方八方から決戦都市に攻撃を仕掛けてきており、市内にも被害を及ぼしつつあった。
「全て奪え!」「皆殺しにしろ!」
 声高に叫びながら無差別に暴れる忍者達は、ブラックタールにヴァンパイアという異色の集団にも当然目をつける。
 本来は偵察や視力の補完に用いる【霊眼】さえも武器として粗雑に扱い、鬼気迫る形相で真っ向勝負を挑んできた。

「ヴァンパイアちゃん達、頑張ってね♪」
「はい!」「行きます!」
 朱雀門のヴァンパイア女子生徒達は血の翼で空を飛び、硬化血液の弾幕で霊眼を撃ち落とし、剣で敵に斬り掛かる。
 同学園の絆がなせる技か、その連携はなかなかのもの。クローネも「ネクロオーブ」から放つエネルギー弾で一緒に敵を攻撃する。
「こっちですよ!」「慌てないで!」
 クローネ達が敵を引き付けている間に、残りのヴァンパイア達は大声で避難誘導を行っている。学生らしいコミュ力と団体行動によって、一般人の救出は今のところ順調に進んでいる模様。デウスエクスの襲撃で大きなケガをした者もいない。

「このまま死者ゼロで切り抜けちゃおう★」
「うぅぅ……!」「死ねッ! 死ねッ!」
 晴れやかな笑顔でそう宣言するクローネに、敵は霊眼を殺到させるが、軽やかな空中機動で身をかわされてしまう。
 真正面から斬るかぶつかるかしかできない黄昏眼忍者の攻撃パターンなど、彼女の第六感はとっくに見切っていた。反撃に転じるヴァンパイア達のほうが軍団としての練度は遥かに高く、この優勢を覆される要素は皆無だった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル
雑にぶん殴っていいデウスエクスの群れだ!殺ろそ!

救助とかめんどくさくない?今日の拙者は気軽に殴りに来たんだ!
まあ適当に殴り掛かってれば全身からまろび出るグラビティチェインに誘われて拙者の方に集まってくるだろ
拙者も人間…でござるからね!

真っ向勝負しかできない相手に搦め手するのは無作法でござるからな!流体金属君もなんとなく懐かしそうにしてるでござるしアレをやっか!身体に流体金属を纏わせながら殴りかかれ!
なんか召喚しているが流体金属纏ってるでござるし気にせず本体を殴れ!そのビー玉のような瞳に拙者の活躍を刻み付けろ!

炎と自由と暴力の真っただ中!まともじゃないからFeel so good!暴力はいいぞ!



「雑にぶん殴っていいデウスエクスの群れだ! 殺ろそ!」
 決戦都市に迫る敵の大軍を目にしても、エドゥアルト・ルーデル(黒髭・f10354)は怯むどころかウキウキと楽しそうに笑う。その思考のほとんどはどんな風に敵を殺すかに割かれており、一般市民の避難についてはあまり考えていない。
「救助とかめんどくさくない? 今日の拙者は気軽に殴りに来たんだ!」
 まあ適当に殴り掛かっていれば、全身からまろび出るグラビティ・チェインに誘われて拙者の方に集まってくるだろ――くらいは考えている。敵も敵でグラビティ・チェインを奪う事しか頭にないので、陽動として実際有効ではある。

「拙者も人間……でござるからね!」
 そんなわけで堂々と敵の前に姿を現せば『黄昏眼忍者』達がわらわらと押し寄せる。スーパーアポロンの「|黙示録指令《スーパーオーダー》」に理性を奪われた彼女達は、本来の牽制や偵察の技を全部忘れて「殺せ!」「奪え!」と口々に喚きながら襲い掛かってきた。
「真っ向勝負しかできない相手に搦め手するのは無作法でござるからな! 流体金属君もなんとなく懐かしそうにしてるでござるしアレをやっか!」
 アポロンとか黙示録とかのワードにちょっと反応している「オウガメタル・Spitfire」と共に【戦術超鋼拳】を発動するエドゥアルト。全身を覆う流体金属生命体は強固な鎧となり武器となり、宿主の戦闘能力を大きく向上させる。

「はいドーン!」
「ぎゃっ!?」
 流体金属を纏った拳が黄昏眼忍者の顔面に突き刺さり、吹っ飛ばす。いくら黙示録指令で強化されていても、元々は貧弱な隠密だ。エドゥアルトに本気でぶん殴られて無事ではいられず――しかし1人倒してもすぐに次がやって来る。
「殺す、殺す殺す殺す……!」
 理性なき黄昏眼忍者が呼び出した【霊眼】は、視覚補助は偵察という本来の用途を捨て、弾丸の如く撃ち出される。
 敵がなんか召喚しているのはエドゥアルトも見ていたが、特に止めようとしなかった。それは流体金属の防御性能を信用しているからである。

「そのビー玉のような瞳に拙者の活躍を刻み付けろ!」
 霊眼をぶつけられてもエドゥアルトは気にせず本体を殴る。防いだ攻撃の威力に比例して戦闘力を増すのが、オウガメタルの特性のひとつだ。多少の攻撃なら無視したほうがパワーアップできてお得だし、受けたダメージは後から回復できる。
「よーしよしよしいっぱいお食べ……お代わりもいいぞ!」
「ひぎっ!?」「ぎゃぁ!!」「ぐふ……!」
 殴り飛ばした相手から生命力を吸収すれば、破損した流体金属鎧もすぐに元通り。敵の凶暴さが霞んで見えるほどの暴れっぷりで、エドゥアルトは黄昏眼忍者団を蹴散らしていく。戦えば戦うほど強くなっていく彼を、もう誰も止められないし止まらない。

「炎と自由と暴力の真っただ中! まともじゃないからFeel so good! 暴力はいいぞ!」
 アニメか漫画の歌詞やセリフを適当に引用しつつ"暴"の限りを尽くすエドゥアルト。戦場に世紀末の匂いが漂う中、敵の断末魔を浴びる彼はすこぶる爽快なご様子だった。敵に回せば最悪以外の何者ではないが、味方でいるうちは頼もしいのは確かだろう――言うまでもないが、こんなヤツを放置して一般人を襲撃できる者など、いるはずがなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミリム・ウィアテスト
●心情
なんてヤケクソともいえる計画…。
しかし黙示録指令は恐ろしい人類の脅威であることに変わりはありません!
気を引き締めて私も防衛に加わります

さらなる虚しい悲劇を増やさないためにも…!

●行動
無辜の一般人に被害が出てしまう前にその忍者達の相手をして住民を避難させなくては!
急いで襲われそうな一般人の間に割って入り
予め手元で準備してたユーベルコード、ゼペットの紋章を発動します!
「そこの忍者さんコチラにご注目!『奇術士の技ご覧あれ』!」

相手の戦闘意欲をコレで少しでも奪ってやります。
「此処は私が囮になりますので!急いで他の猟兵方々の避難指示に従って逃げてください…!」



「なんてヤケクソともいえる計画……。しかし黙示録指令は恐ろしい人類の脅威であることに変わりはありません!」
 撤退の二文字を忘れ、己の命すら顧みず、全てを蹂躙するデウスエクスの軍勢は、地球人にとっては災害の如しだ。
 それを理解しているミリム・ウィアテスト(イノセントの魔想紋章士・f43456)は、気を引き締めて防衛に加わる。
「さらなる虚しい悲劇を増やさないためにも……!」
 押し寄せる敵軍の第一陣は『黄昏眼忍者』。自我も理性も失い、ただ「殺せ」「奪え」と叫ぶ彼女達の狙いは、決戦都市の人々が持つグラビティ・チェイン。多数の【霊眼】で獲物を探し出し、飢えた獣の群れのように駆けずり回る。

「無辜の一般人に被害が出てしまう前に、その忍者達の相手をして住民を避難させなくては!」
 ミリムは急いで襲われそうな一般人の間に割って入ると、予め手元で準備していた【ゼペットの紋章】を発動する。
 彼女の故郷、都市国家ランスブルグに伝わる魔想紋章術は、いにしえの英雄や偉人等を象った紋章より、様々な力を引き出す魔法だ。
「そこの忍者さんコチラにご注目! 『奇術士の技ご覧あれ』!」
「「?!!?!」」
 空中に描かれた「奇術士ゼペット」の紋章から、鳩の群れやサプライズボックスが飛び出して黄昏眼忍者を驚かす。
 このユーベルコードは直接ダメージを与えるものではなく、敵から戦闘意欲を奪うもの。本能のままに行動するデウスエクス達でさえ、吃驚して攻撃の手が止まる。

「此処は私が囮になりますので! 急いで他の猟兵方々の避難指示に従って逃げてください……!」
「は、はい!」「助かりました!」
 奇術士の紋章が敵の注意を引いている間に、一般人達は慌てて逃げていく。とにかく彼らを戦闘に巻き込まない事がミリムにとって最重要だ。幸い、同じように行動している猟兵は彼女だけではなく、避難路の安全は確保されている。
「あっ……逃がすな!」「皆殺しに……」
「させません!」
 黄昏眼忍者達が我に返れば、すかさず鳩の群れで視界を塞ぎ、サプライズボックスをお見舞いする。自我も理性もないからこそ、敵は何度でも同じ手に引っかかる。奇術のタネさえ切らさなければ、延々ここに釘付けにできるだろう。

「ここは通しませんよ……さあ、私が相手です!」
 上流階級で大切に育てられた世間知らずの家出娘でも、無辜の人々を助けたいという気持ちは本物だ。理不尽な|終焉《エンディング》をもたらす「|黙示録指令《スーパーオーダー》」を打ち破るべく、ミリムは幾度も空に紋章を描きだす。右手にはペンを、左手には剣を携えて。
「きゃぁ!?」「ひぎっ!!」
 ――それからほどなくして、一般人の避難誘導を完了した猟兵達が合流したことで、ここでの戦いの勝敗は決する。
 多少の怪我人はいても重傷者や死者はゼロ。襲撃規模からすれば驚くほどの被害の小ささで、彼女達はデウスエクス軍団の第一陣を撃破したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『セントールナイト』

POW   :    背蹄脚
【後ろ足による強烈な蹴り】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    ランスインパクト
【ランスを構えた状態で行う高速の】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【味方】の協力があれば威力が倍増する。
WIZ   :    エクスプローダー
【ランス】が命中した部位に【オーラ】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。

イラスト:8mix

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 太陽神スーパーアポロン配下のデウスエクス軍団、その第一陣を無事撃退した猟兵達。
 しかし休む間もなく、第二陣が決戦都市に迫っているとの報せが届く。

「突撃ぃーーーッ!」
「「おぉぉぉぉォォォーーーッ!!!」」

 鬨の声とともに馬蹄の音を響かせ、ランスを片手に猛進するのは半人半馬の軍勢。
 デウスエクス種族『セントール』の中でも、|騎士《ナイト》として高度な訓練を受けた者達だ。

 黄昏眼忍者の本来の任務が偵察と撹乱なら、セントールナイトの役目は伝令と蹂躙。
 しかし|黙示録指令《スーパーオーダー》を受けている今は、彼らの行動原理も「蹂躙」のみに偏る。
 香車の如く突撃はできても後退はできない暴走集団だが、その突破力に関しては侮れない。

『皆さん! お待たせしました!』
『ここからは私達も援護します!』

 だが、猟兵達にとって悪い報せばかりではない。
 市民の避難と安全確保が完了した事で、決戦都市は本来の機能――デウスエクスと戦うケルベロスや猟兵のサポートを十全に行えるようになった。これ以降の戦闘では「|決戦配備《ポジション》」の要請と支援を受ける事が可能だ。

 防衛体制も整い、勝負はここからが本番だ。
 荒々しく疾走する黙示録の第二陣と、猟兵達が激突する。
儀水・芽亜
|決戦配備《ポジション》はディフェンダーを。
鉄柱を戦場に杭のように打ち込んで、突撃を食い止めるように。

さて、次が来ましたか。先程の忍者よりは特攻に向いているようですね。
一対一なら、|騎乗突撃《ランスチャージ》のトーナメントにも応じたところでしたが。
「結界術」「全力魔法」麻痺の「属性攻撃」「範囲攻撃」「精神攻撃」「マヒ攻撃」で蝶霊跋蠱。
私の周囲を黒揚羽で覆い尽くし、突っ込んでくる端から意識を奪ってアリスランスでとどめを刺していきましょう。
挑発するまでもなく、黒揚羽の渦に突っ込んできますね。とどめを刺すのも忙しい。
ですが、ここから先へは行かせません。

※身長が二倍になるのは、芽亜ではなく黒揚羽の方



「さて、次が来ましたか。先程の忍者よりは特攻に向いているようですね」
 太陽神スーパーアポロン配下の第二陣、半人半馬の『セントールナイト』を見て、そう呟いたのは芽亜。|黙示録指令《スーパーオーダー》で理性を失っているのは黄昏眼忍者と同じだが、蹂躙を主任務にする彼奴らにそれは、得意の突撃戦法を強化する一助となっている。
「一対一なら、|騎乗突撃《ランスチャージ》のトーナメントにも応じたところでしたが」
 流石に集団が相手となれば、こちらも手段を選ぶ余裕は限られてくる。芽亜はディフェンダーの|決戦配備《ポジション》を要請し、鉄柱を戦場に杭のように打ち込んで、突撃を食い止めるようにして。その上で【蝶霊跋蠱】を発動し、自身の周囲を黒揚羽で覆い尽くした。

「漆黒の会堂に我は求めん。濁世に満つる、罪に染まりし汚れた生魄どもを喰らい尽くし、栄光なる清浄な世界へと導かんことを!」
 背に黒揚羽の翼を展開し、黒いゴシックロリータを纏う十五歳程度の少女に変身した芽亜は、女王の如く無数の蝶を率いる。先刻見せたものは生命力や魔力を吸収するが、今度の黒揚羽は先程の二倍程度の大きさで、触れた者の意識を奪う。
「「ウォォォォォォォーーー!!!」」
 そんな蝶の群れに突っ込んでくるのはセントールナイト達。鉄柱で騎行を制限され、必然的にここに誘い込まれたと言うのもあるが。それ以上に彼らの思考は「蹂躙」の二文字に支配され過ぎている。邪魔する者をランスと【背蹄脚】で踏み躙り、グラビティ・チェインを奪う事しか考えていない。

「「ぐおぉぉぉぉぉーーーッ!!!?!」」
 そんな彼らの末路は説明するまでもなく。跋扈する蝶霊に突っ込んだ傍から意識を奪い尽くされていく。全力疾走中に気絶するリスクは居眠り運転と同程度であり、転倒するならまだ良いほう、壁や鉄柱にぶつかって勝手に大怪我する者も続出した。
「挑発するまでもなく、黒揚羽の渦に突っ込んできますね」
 まるで飛んで火に入る夏の虫。蟲はこちら側なのだが――さておき、芽亜は倒れたセントールナイトを順々にアリスランス『ディヴァイン・ユニコーン』でとどめを刺していく。敵軍は次から次に押し寄せてくるので、さくさく仕留めなければ手が追いつかない。

「とどめを刺すのも忙しいですが、ここから先へは行かせません」
 突撃の勢いで多少散らされても、芽亜が【蝶霊跋蠱】を再発動すれば黒揚羽の群れはより大きくなって数を増やす。
 決戦配備と併せ、この漆黒の結界を突破するのは、もしセントールナイトが正気であったとしても難しかったろう。
「怯むな! 進め、進めー!」「「うおぉぉぉぉぉぉッ!!」」
 それでも彼らは突撃することしかできない。ブレーキもバックも壊れた暴走車両の如く、待ち構える破滅に向かってひた走る。太陽神の指令を受けたデウスエクスの末路は、結局の所彼らも先程の黄昏眼忍者と大差ないのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリー・マイヤー
暴れ馬ですか。
先程の忍びない忍者に比べれば、大分マシなオーダーですね。
決戦配備なしだと、厳しい戦いになったかもしれません。
配備は既に済んでしまったわけですが。

まぁ、敵のオーダーがどうあれ、やることは変わりませんか。
お仕事お仕事。
スナイパーを要請しつつ、【念動ルーム】を形成。
敵の動きを悉く減速し、機動力と攻撃力を削りましょう。
さらに念動力で足を挫いて転ばせて、進軍速度を落とします。
遠距離支援の射撃や砲撃は、逆に加速して威力を上げますかね。
そんな感じで、私自身はひたすらジャマー活動に精を出します。
時間稼ぎに徹していれば、スナイパーが数を減らしてくれるでしょう。
決戦配備様様ですね。



「暴れ馬ですか。先程の忍びない忍者に比べれば、大分マシなオーダーですね」
 完全に長所や特技を殺されていた黄昏眼忍者と違って、今度の『セントールナイト』は少なくとも自分達の持ち味を活かせている。|黙示録指令《スーパーオーダー》で理性と自我を失った半人半馬の軍勢は、それ故に凄まじい勢いで決戦都市に押し寄せてくる。
「決戦配備なしだと、厳しい戦いになったかもしれません。配備は既に済んでしまったわけですが」
 すでにエリーはスナイパーの|決戦配備《ポジション》を要請し、狙撃部隊に待機してもらっている。防衛機能が整った決戦都市に無策で突っ込むのは、いかにデウスエクスと言えども愚の骨頂。それを理解する頭を突進力と引き換えに奪ったのが、太陽神の指令の欠点だ。

「まぁ、敵のオーダーがどうあれ、やることは変わりませんか。お仕事お仕事」
 まっすぐこちらに向かってくるセントールナイトを前に、エリーは【念動ルーム】を形成。半径162mに及ぶ広大なサイキックエナジーのフィールドを展開し、内部にいる敵の動きを悉く減速させる。念動力の使い方としてはオーソドックスだが、この手の輩には大変効果的である。
「「ウォォォォォ……ぉぉ???」」
 まるで粘ついた液体の中に飛び込んだように、念動ルームに入ったセントールナイトのスピードが激減する。騎兵が機動力を削がれる事は攻撃力の喪失に等しく、彼らも懸命に足を動かしてはいるが、見えざる念動力の手は彼らを捕らえて放さない。

「すべて私の手の上です」
「ぐわあっ?!」「ぐえッ!!」
 さらにエリーは念動力で敵の足を挫いて転ばせて、進軍速度をさらに落とす。先頭が転べば後続の足も止まるのが騎馬突撃の弱点であり、そこはセントールも変わらない。そして停止した騎馬なぞは、弓兵や鉄砲隊の格好の的になるのである。
「今だ!」「撃ちます!」
「「ぎゃぁぁぁッ?!!」」
 このタイミングで決戦配備のスナイパーが攻撃開始。彼らの射撃や砲撃はセントールナイトとは逆に【念動ルーム】に入ると加速して威力を増す。範囲内であればエリーは生物に限らず、あらゆる物質の速度を操ることができるのだ。

「時間稼ぎに徹していれば、スナイパーが数を減らしてくれるでしょう」
 こんな具合で味方に攻撃を任せきり、エリー自身はひたすらジャマー活動に精を出す。敵を念動ルームに閉じ込めて足止めさえしておけば、突撃するしか能のない連中は、はるか彼方にいるスナイパーに文字通り手も足も出なかった。
「決戦配備様様ですね」
「ぐおぉぉぉ!!」「と、止まるな、進めー!」
 それでも、ここが死地だと分からないセントールナイトは、愚直に彼女の領域に飛び込んでは同じ目にあい続ける。
 先程に比べればマシとはいっても、この光景を見てしまうとやはり、お粗末なオーダーだと思わざるを得ないエリーであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

皇・絶華
神機の主発動中
おお…なんと言う事だ…よもや…よもやあの頭のおかしい黄金バッタが復活したというのか!?
「いや主様!ケルベロスブレイドで主様が戦ったのとは別人らしいですよ!?」(黒髪少女)
「え…?朕ってこんなのと同一扱いされてたの!?」(ライオン着ぐるみ少女)
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=54996

うむ…彼らもまた愚かな指令に脳を毒され狂気に侵されているようだな
ならば!
我がチョコを以て彼らの狂気を晴らす時が来た
「「ぴぇぇぇ!?」」
【薬品調合・爆破・バーサーク】
さぁ!圧倒的なパワーに喜ぶがいい!
UC発動
地獄の宴開始!
敵の口に捻じ込まれるチョコ邪神



「おお……なんと言う事だ……よもや……よもやあの頭のおかしい黄金バッタが復活したというのか!?」
 この世界とは異なるケルベロスとデウスエクスの世界で、皇・絶華(影月・f40792)は「太陽神アポロン」を名乗るデウスエクスを知っていた。あちらのアポロンも無謀な失策を繰り返し、自らの星の種族を滅亡に追いやった愚神であったが。
「いや主様! ケルベロスブレイドで主様が戦ったのとは別人らしいですよ!?
「え……? 朕ってこんなのと同一扱いされてたの!?」
 一緒にいる黒髪少女の「さっちゃん」が情報を捕捉し、ライオン着ぐるみ少女の「コロニス」は困惑する。コロニスはクロムキャバリアで「ロクシアス」というオブリビオンマシンのコアが変質したもので、ロクシアスがアポロンの別名でもあることから絶華にデウスエクスのアポロンと同一視されたりしたのだが――まあその話は今はどうでもいい。

「うむ……彼らもまた愚かな指令に脳を毒され狂気に侵されているようだな」
 現状はスーパーアポロンの|黙示録指令《スーパーオーダー》を受けた『セントールナイト』の軍団が、決戦都市を襲っている。理性や自我と引き換えに戦闘力を強化された彼らは、地球を蹂躙しグラビティ・チェインを簒奪する、ただそれだけのために終わりなき騎行を続けるのだ。
「ならば! 我がチョコを以て彼らの狂気を晴らす時が来た」
「「ぴぇぇぇ!?」」
 その宣言に悲鳴を上げたのは、仲間のはずのさっちゃんとコロニスである。絶華のチョコに対する異常なこだわり――それこそ狂気めいたものを彼女達はよく知っていた。まさかそれが振る舞われると言うのなら、敵に同乗せざるを得ないくらいに。

「宴を始めるぞ!」
 言うや否や絶華は【シャイニングチョコ☆ギャラクシィ】を発動。原初宇宙系チョコパティシエアイドル「ぜっちゃん」に変身すると、お手製のぜっちゃんチョコを披露する。仮にチョコと名義されてはいるが、栄養価のみに重きを置き、異常なカカオ濃度に漢方や虫まで加えられたその産物は、あらゆる意味で一般的チョコとかけ離れている。
「さぁ! 圧倒的なパワーに喜ぶがいい!」
「「むぐぅっ!!!!?」」
 そんな彼の元に駆けてきた不運なセントールナイト達の口に、カカオ濃度1億%のチョコ邪神植物がねじ込まれる。
 濃縮還元にも限度がある、地獄のような味わいとチョコには不必要なまでのパワー。それはデウスエクスだろうと耐えられる味ではなかった。

「「ぐ、ぐおえぇぇぇぇ!!?!」」
 絶叫、悶絶、七転八倒。チョコ邪神を食らったセントールナイトの反応は須らくそんなものである。理性がなくても本能で「これはヤバい」と一口で分かる絶望。しかもなんか口の中で勝手に動いてるし、まさか生きてるのだろうか。
「どうだ! まだ足りないか! おかわりもあるぞ!」
「「ぴぃぃぃ?!」」
 絶華はなおも邪神チョコの調合を続けては戦場に振らせ続けている。襲って来る全員に振る舞うまでやめない気だ。
 これでもし|黙示録指令《スーパーオーダー》の狂気から解放されたとしても、それは別の狂気とトラウマに上書きされただけではなかろうか。恐ろしい地獄の宴に、さっちゃんとコロニスは抱き合ってガタガタと震えるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

決戦配備は「ディフェンダー」を要請★
バリケードを構築してもらって、セントールナイトの軍勢が近づきにくい状態にしてもらうよ♪
離れた位置から一方的に攻め立てるね♪

UCは『クローネちゃんのアイスエルフ軍団★』
アイスエルフちゃん達を召喚するよ♪
アイスエルフちゃん達は氷結輪による【切断】と氷のブレスによる【凍結攻撃】、クローネちゃんはネクロオーブから放つ氷属性の【エネルギー弾】による【凍結攻撃】で戦うね♪
敵の攻撃は【第六感/見切り/身かわし/空中機動】で可能な限り避けるよ♪



「決戦配備は『ディフェンダー』を要請するよ★」
 猛進する『セントールナイト』の軍勢が到達する前に、クローネは決戦都市の支援を受け、前線にバリケードを構築してもらっていた。まっすぐに踏み躙る事しかできない敵には、こうして近づきにくい状態にするのが一番効果的だ。
「進め! 進め!」「ウオオォォォ!!!」
 案の定、敵は愚直にバリケードに突っ込んできた。ゴリ押しで障害物を破壊するつもりだろうが、|決戦配備《ポジション》の防備はそう簡単に破れはしない。突破されるまでの間、クローネは離れた位置から一方的に攻め立てることができるわけだ。

「クールな子達を紹介するね♪ |クローネちゃんのアイスエルフ軍団《ブラック・アイスエルフ・トルーパー》★」
 さらにクローネはユーベルコードで配下を召喚。漆黒の肌を持つ色っぽいアイスエルフ達が、号令に従い姿を現す。
 彼女らは妖艶に微笑みながらセントールナイト目掛けて氷結輪を一斉に投げつけ、冷たい氷のブレスを吹きかけた。
「「ぐわぁぁぁぁぁぁぁッ!!?!」」
 ブレスで足を凍結させてやれば、騎兵はただの木偶の坊。そこに飛んできた六花の刃が、セントール達をズタズタに切り裂く。反撃しようにも相手はバリケードを隔てた遥か向こうだ。ランスも蹄も届かなければ、彼らには為すすべがない。

「さっきの忍者ちゃん達よりも楽勝かもね♪」
 攻撃を受ける心配がなければ、クローネも攻撃に専念できる。ネクロオーブから放たれる氷属性のエネルギー弾は、アイスエルフのブレスにも負けない冷気で敵軍を凍てつかせ。真冬の如き極寒が戦場を包み込み、雪と氷が風に舞う。
「ぐ……うおぉぉぉぉぉ!!!」
 このまま全滅するかに思われたセントールナイトだが、|黙示録指令《スーパーオーダー》による戦闘力強化はやはり侮れなかった。大半の者が凍死する中、ごく少数ながらバリケードを蹴り破り、クローネとアイスエルフ軍団の元まで駆け込んでくる者がいる。

「へえ、よく頑張ったね★」
 それでも所詮は前進しか知らない愚兵。クローネは軽やかな空中機動で敵の突進から身をかわすと、その蛮勇を称えて本気の一撃を見舞った。近距離でネクロオーブのエネルギー弾を受けたセントールナイトは、一瞬にして物言わぬ氷像と化す。
「さーて、お掃除お掃除♪」
 決戦都市に追加のバリケードを要請して、彼女は作戦を継続。防衛戦を完全に破られる前に、残りも始末する気だ。
 敵が何度突撃を繰り返そうとも、クローネ達が陣取る防衛ラインよりも先に進めた者は、ただの一騎もいなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
(決戦配備:キャスター)
…さて……相手は突撃一辺倒と来たか…
その突破力は脅威ではあるのだろうけど……柔軟性に欠けるよね…

…決選都市の術式支援を得て【ソラ跳ね踊る白兎】を発動…
…突進してくるセントールナイトの足下にジャンプ台に設定した薄板状の魔法陣を多数設置…
…これを踏んだセントールナイトを上空へ飛ばしてしまおう…
車と騎兵は急には止まれないからね…
上に跳ね飛ぶか…もしくは魔法陣を飛び越えようとしたナイト達には
術式で作った光の剣を飛ばして迎撃するとしようか…
空中であるなら体勢を崩すだけで着地に失敗するだろうしね…
そうして転倒させれば脅威はほぼ無くなる…起き上がる前にトドメと行こう…



「……さて……相手は突撃一辺倒と来たか……」
 決戦都市に襲来するデウスエクス軍団の第二陣。|黙示録指令《スーパーオーダー》で強化された『セントールナイト』の軍勢を視界に捉え、メンカル・プルモーサ(星導の魔女・f08301)はそう呟いた。濛々と立ちのぼる土煙と地を揺るがすほどの馬蹄の音が、ここまで届いてくる。
「その突破力は脅威ではあるのだろうけど……柔軟性に欠けるよね……」
 力と引き換えに理性と自我を奪われた連中には「まっすぐ突撃して、進路上の敵を蹂躙する」以外の事ができない。
 対してメンカルは数多の世界の技術と魔法を学んだ魔女。愚直な敵を翻弄する手段なら豊富にあるし、キャスターの|決戦配備《ポジション》を要請して迎撃準備も万全だ。

「星の理よ、跳ねろ、弾め。汝は跳梁、汝は跋扈。魔女が望むは天地跳ねる月兎」
 決戦都市の術式支援を得て、メンカルは【ソラ跳ね踊る白兎】を発動。突進してくるセントールナイトの進路上に、薄板状の魔法陣を多数設置する。この陣は簡単に言えばジャンプ台であり、それなりの重量に耐えられる強度と極めて高い柔軟性を有している。
「突撃ぃぃぃぃ――ッ!!?!?」
「「うおわぁああ!?」」
 なにも知らずに突っ込んで魔法陣を踏んだセントールナイト達は、勢いよく上空に跳ね飛ばされた。理性のない彼らには怪しいものを迂回したり飛び越えるという発想すらない。あったとしても全力疾走中に足元のそれを避けるのは難しかっただろうが。

「車と騎兵は急には止まれないからね……」
 高々と飛ばされた敵を見上げながら、メンカルは術式で光の剣を創造し、矢のように射出する。陸上ではデウスエクス種族の中でも屈指の俊足を誇るセントールも、空にいては回避のしようがない。ランスや鎧で一応防御はできるだろうが――。
「空中であるなら体勢を崩すだけで着地に失敗するだろうしね……」
「ぐえっ!」「がはっ!」
 仕留めなくても攻撃を当てさえすれば、完全に姿勢の制御を失ったセントールナイトは受け身も取れずに墜落した。
 落下時のダメージに加えて転倒させれば騎兵の脅威はほぼ無くなる。突撃中の破壊力は侮れずとも、一度足を止めてしまえば脆いものだ。

「……起き上がる前にトドメと行こう……」
 メンカルは再び術式を紡ぎ、容赦のない光剣の雨を降らせる。もはや逃げる暇もなければ防御できる姿勢でもない、無防備に這いつくばるセントールナイト達に襲い掛かったそれは、確実に息の根を止めるだけの殺傷力を有していた。
「「ぐわぁぁぁぁあぁーーーッ!!!!!?」」
 浅慮な突撃を逆手に取られ、文字通り足元をすくわれた騎兵の断末魔が戦場に響く。残念な事に彼らの後続の仲間もまた、それを聞いて警戒心を抱くような理性は残っていない――この様子ならまた引っかかりに来るだろうと、メンカルは魔法陣のジャンプ台を増設するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル
歩兵の援護もない丸裸の騎兵なんぞおやつでござる

適当に流体金属君を集団目がけて投擲!UCをコピーできたかい?お前は自由だ…という訳で好き勝手突撃しな!
頭がパーな集団の中で急に別の騎兵が暴れだしたら?そら釣られて対応するしかないでござるな
はい死んだ!死んだよこの騎兵隊!統制崩れて真っすぐ進まない騎兵なんて玩具よ!

せっかくだから拙者も馬に乗るか!目の前にいるだろ|馬《セントール》がよ
馬だ、馬を寄越せ!見返りに死をくれてやる!
攪乱されて足の止まってる奴の背中へ飛び乗れ!人間部分があるって事は首を締められるって事でござるね
適度にキュッと絞めて他の騎兵にぶつけようぜ!ぶつかったら用済みなのでコキャでござる



「歩兵の援護もない丸裸の騎兵なんぞおやつでござる」
 見た目だけは雄々しく勇ましい『セントールナイト』の突撃が、実際は隙だらけであることを、エドゥアルトは的確に見抜いていた。自称・歴戦の傭兵の戦術眼は伊達ではなく、この手のぼんくら連中を壊滅させる方法なんて、いくらでも知っているという顔だ。
「行くでござるよ流体金属君!」
 さっきまでは身体に纏っていた流体金属生命体を、今度は球状にして敵集団へと適当に投げつける。|黙示録指令《スーパーオーダー》を受けた連中は当然回避など考えないので、ランスを構えたまま正面から激突。これによりエドゥアルトの【アマルガム】が発動する。

「ユーベルコードをコピーできたかい? お前は自由だ……という訳で好き勝手突撃しな!」
 セントールナイトの【ランスインパクト】を模倣した流体金属は、メタルな質感の半人半馬に変身して突進を行う。
 このユーベルコードの真価は味方との連携にあるため、単騎ではそれほどの威力を発揮できないが。エドゥアルトの目的は敵の撹乱にある。
「頭がパーな集団の中で急に別の騎兵が暴れだしたら? そら釣られて対応するしかないでござるな」
 案の定、流体金属の突撃を食らったセントールナイトは「うおおっ?!」「ぬおわっ?!」などと叫び、右往左往。
 一丸となることで突破力を増す騎馬突撃は、直進から蛇行に変わり、バラバラになって、ただの暴走と成り果てる。

「はい死んだ! 死んだよこの騎兵隊! 統制崩れて真っすぐ進まない騎兵なんて玩具よ!」
 これで敵の脅威は半減以下。騎兵の強みを殺したエドゥアルトは、どんな風にこいつらを料理してやるかと考える。
 突っ込む事しかできない馬鹿が、それすら満足にできない無能になり果てたのだ。後は煮るなり焼くなりご自由に、ってなもんである。
「せっかくだから拙者も馬に乗るか!」
「うおぉぉぉ!?」
 目の前にいるだろ|馬《セントール》がよ、と言って彼は撹乱されて足の止まっているセントールナイトに近寄り、そいつの背中に飛び乗った。当然敵は暴れるが、首に腕を回されて振り落とせない。半人半馬ならその部位は人間と同じ、つまり馬の首よりも容易に絞められるって事だ。

「馬だ、馬を寄越せ! 見返りに死をくれてやる!」
「ぐ、ぐえぇぇ?!」「ぎゃぁぁぁ!!」
 適度にキュッと首を絞められたセントールナイトは、エドゥアルトの意のままに暴走した挙げ句、他の騎兵に激突する。 抜群の鋭さを誇るランスは、当然仲間を串刺しにするにも十分な凶器となり。見事な同士討ちを演じてもらったら、そいつはもう用済みである。
「コキャでござる」
「ぐぎゃ……!」
 首の骨を折って束の間の乗騎を始末すると、黒髭の傭兵は次の玩具を探す。統制を戻す指揮官すらいない騎兵隊は、彼が飽きるまで弄ばれる未来しかない。黙示録指令の影響を加味しても、相手が悪かったと言うほかないだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

日下部・香
凶暴化して力押しに特化した分、突破力は上がってるのかもな。
ここで止めなきゃマズい。

突破力は凄まじいが暴走してる。先頭を止められれば、後ろの奴らの勢いを削いだり、うまくいけばコケさせたりできるかもしれない。
【魂断ノ剣】で先頭の敵の脚を斬りたい。セントールといえど、脚が動かなければ突撃はできないだろう。進路で待ち伏せして、横合いから駆け抜けるように攻撃すれば、後ろ足の蹴りを喰らうこともないはずだ(【地形の利用】【ダッシュ】)

とはいえ、奴ら速いからな。襲撃を成功させるため協力を頼みたい。
決戦配備・ジャマー要請! 私の動きの補助をお願いできるだろうか? 奴らを急襲して離脱できるだけの瞬発力が欲しい。



「凶暴化して力押しに特化した分、突破力は上がってるのかもな」
 完全に長所が消えていた黄昏眼忍者と違って、次の相手は蹂躙に長けた『セントールナイト』。|黙示録指令《スーパーオーダー》で強化された彼らの突撃は、単純な破壊力で言えば恐るべきものだろう。万が一市街地に突入されれば甚大な被害は免れまい。
「ここで止めなきゃマズい」
 危機感を強めた香は「斬霊刀・常切」を構え、軍勢の到達前に率先して迎撃行動に入る。幸い、いかに突破力が凄まじくとも暴走しているのは変わらない。理性も自我もなくしたセントールはひたすら標的のいる方向に直進し、進路上の全てを踏み躙るだけだ。

(先頭を止められれば、後ろの奴らの勢いを削いだり、うまくいけばコケさせたりできるかもしれない)
 そう考えた香は騎兵隊の先頭に狙いをつけ、進路上で待ち伏せする。向こうは警戒なぞしていないだろうから、不意は打ち放題だ。とはいえ奴らは速く、タイミングがズレればこちらが逆に轢かれる恐れもある。襲撃を成功させるためには協力を頼みたい所だ。
「決戦配備・ジャマー要請! 私の動きの補助をお願いできるだろうか?」
『了解しました!』
 奴らを急襲して離脱できるだけの瞬発力が欲しいという香のリクエストに、決戦都市は即座に対応。配備されているアイテムや術式を提供して彼女の能力を底上げする。これでセントールナイトのスピードにも瞬間的に応じられる力が身についたはずだ。

「ありがとう。よし、行くぞ」
 決戦配備を受け取った香は自信のある笑みで駆け出した。赤い首巻をなびかせて、またたく間にセントールナイトに迫ると、横合いから駆け抜けるように斬り掛かる。刀剣士が斬るのは物質だけに限らず――斬霊刀による【魂断ノ剣】で斬られた部位は、まるで魂が抜けたように一定時間使用不能に陥る。
「分ち、封じ、縛る。……断ち切る」
「ぐわっ!?」
 前脚を一本使用不能にされた相手はバランスを崩し、それまでの勢いを殺しきれぬまま派手に転倒した。俊足自慢のセントールといえど、脚が動かなければ突撃はできないだろう。そして先頭の1人が倒れれば、後続にも影響が出るのが騎馬隊だ。

「うおぉっぉ!?」「ぐあっ!!?」
 前方の仲間につられて転ぶ者、動揺した拍子に仲間と衝突する者。乏しい知性で愚直な突撃だけを考えていた敵集団は、たちまち大混乱に陥った。香からすればこれは期待以上の結果で、どうとでも始末できる隙だらけの有様だった。
「お前達はここで終わりだ」
 横合いから攻撃して即離脱を徹底すれば、後ろ足で蹴られることもない。螺旋忍者の俊敏さと刀剣士の剣技を以て、狼狽するセントールナイトを斬って、斬って、斬りまくる香。たちまち戦場は半人半馬の骸の山と化すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

叢雲・紗綾
今度は随分と突進力の高そうな敵ですね。こいつらなら理性が無くても割と脅威は高そうです。
が、それならそれでやりようはあるってモノです。

決戦配備が使えるなら存分に使わせてもらいましょう。
ジャマーを要請、敵の侵攻経路に水を撒き、更にそこへ液体窒素弾を撃ち込んで水を凍結させます。
滑る地面じゃ自慢の脚力も充分には発揮できないでしょう、勢い良く滑って転ぶが落ちです。
そして転べば後続はそれに躓いて転ぶ。総崩れです。

耐えるなら、紅蓮の絶火で爆発する光線を撃ち込み爆風で【吹き飛ばし】転ばせてやりましょう。
そうして突進が止まったら、後は光線の連射を叩き込んで殲滅です。



「今度は随分と突進力の高そうな敵ですね。こいつらなら理性が無くても割と脅威は高そうです」
 土煙を巻き上げながら、凄まじい勢いでこちらに向かってくる『セントールナイト』を見て、そう呟いたのは紗綾。
 |黙示録指令《スーパーオーダー》による戦闘力強化も、理性と自我の喪失も、蹂躙を得意とする彼奴らの能力とはうまく噛み合ったようだ。
「が、それならそれでやりようはあるってモノです」
 いくら危険でも戦法はごくごく単純。すでに紗綾の脳内には、いかにして敵を壊滅させるかの絵図が描かれていた。
 武装は引き続き愛用の光線狙撃銃「雀蜂」。搭載した魔導式照準器を覗き込み、迫りくる半人半馬に狙いを定める。

「決戦配備が使えるなら存分に使わせてもらいましょう」
 紗綾が要請したジャマーの|決戦配備《ポジション》により、敵の侵攻経路には散水機で水が撒かれている。更にそこへ液体窒素弾を撃ち込めば、たちまち路面はスケートリンクのように凍結。摩擦を失い滑りやすくなった所に、相手はなにも知らずに突っ込んでくるわけだ。
「滑る地面じゃ自慢の脚力も充分には発揮できないでしょう、勢い良く滑って転ぶが落ちです」
 結果は火を見るより明らかだった。「うおぉぉぉぉ!!」と雄たけびを上げて全力疾走するセントールナイト達は、紗綾が仕掛けた氷の路面に踏み込んだ途端、盛大なスリップ事故を起こす。なまじスピードが出ていた分だけ、被害は悲惨なものとなった。 

「「ぬおわぁぁぁぁぁっ!?!!」」
 そして先頭が転べば後続はそれに躓いて転ぶ。将棋倒しにもみくちゃになって、敵軍はたちまち総崩れ。中には踏ん張ろうとするセントールナイトもいるが、そいつらにしたって立っているのがやっとの有様で、まともに戦える状態ではない。
「ブッ飛びやがれです!」
「ぐ、ぐわーーっ!!?」
 そこに紗綾は【紅蓮の絶火】を発動。狙撃銃から放たれた光線が着弾地点で爆発を起こし、爆風で敵を吹き飛ばす。
 ただでさえ足元覚束ない中でそんなものを食らって、耐えられる者がいようはずもなく。爆音に混じって敵の悲鳴が響き渡った。

「こうなったらもう、こっちのもんですね」
 敵軍の突進が完全に止まったら、あとは光線の連射を叩き込んで殲滅だ。ユーベルコードにより無限供給される光の豪雨は、敵陣で紅蓮の爆炎を撒き散らす。進む事も退く事もできない連中には、どうしようもない遠距離からの猛攻。
「ぐ、がはぁ……」
 やがて連射が終わる頃には、紗綾の射程距離内で生きているセントールナイトは1人もいなかった。後続がやって来る気配もなく、あれだけ騒々しかった馬蹄の音も聞こえない――デウスエクス軍団の第二陣は、これで全滅のようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『強襲竜アサルドラン』

POW   :    アタック・アサルトウィング
【自身の高速飛行能力】によりレベル×100km/hで飛翔し、【体重】×【スピード】に比例した激突ダメージを与える。
SPD   :    ファイア・アサルトバレット
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【口】から【火炎弾】を放つ。
WIZ   :    サモン・アサルトアーミー
レベル体の【飛行型竜牙兵】を召喚する。[飛行型竜牙兵]はレベル×5km/hで飛翔し【突撃や骨バルカン、骨爆弾】で攻撃する。

イラスト:8mix

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はクローネ・マックローネです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 |黙示録指令《スーパーオーダー》を受けたデウスエクス軍団の第二陣、セントールナイトも無事に退けた猟兵達。
 敵の攻勢にもいよいよ終わりが見えた――かに思われたその時、上空から凄まじい雄叫びが聞こえてくる。

「「ギャオオォォォーーーッ!!!!」」

 見上げれば、そこにいたのは漆黒の鱗持つ、何十体もの飛竜の群れ。
 デウスエクス「ドラゴン」の一種にして、特に飛行能力に優れた『強襲竜アサルドラン』だ。

 強襲竜の名の通り、アサルドランは高速飛行によるヒット&アウェイを得意とする。
 ドラゴンの切り込み役として空を翔ける彼らも、此度はスーパーアポロンの配下として地球に襲来しており、これまでのデウスエクス同様に自我と理性を失っている。

「「ガオオォォォォーーーッ!!!!」」

 言うなれば暴れるしか能のない破壊の化身だが、それでもドラゴンという種族は十分すぎる脅威となる。
 それも1体だけでもケルベロス数名と互角以上に戦えるであろう猛者が、今回は何体も同時にいるのだ。
 その戦力は決戦都市を灰燼に帰してもお釣りが来よう。

 これが正真正銘、敵軍最後の――そして最強の第三陣だ。
 もはや言う事はあるまい。己の力と|決戦配備《ポジション》の支援、戦略の限りを尽くして、都市と人々を守り抜くのだ。
エリー・マイヤー
シンプルに強くて厄介なのが来ましたね。
最初から、こういうのに絞ってオーダーすればよかったものを。
私達からすれば、つけ入る隙があってありがたいですが。

まぁ、どうでもいいことですね。
お仕事お仕事。
決戦配備はクラッシャーを要請。
私はひたすら敵を落とすので、トドメをお願いします。
ということでまずは【念動サーチ】。
念動力の波で敵の詳細な座標を捉えまして…
追撃の念動力で、羽を圧し折ります。
自由に飛べなければ、厄介さも激減でしょう。
ついでに、念動力で目を突いて視界も奪っておきますか。
そうして敵の行動を制限して、念動力で押さえつけまして…
後はクラッシャーにお任せで。
きっといい感じに調理してくれることでしょう。



「シンプルに強くて厄介なのが来ましたね」
 忍者に人馬ときて、最後に出てくるのがドラゴンとは。雄々しく空を翔ける『強襲竜アサルドラン』を見上げて、エリーは面倒そうに眉をひそめる。デウスエクスの中でも純粋な戦闘力に優れた種が、|黙示録指令《スーパーオーダー》でさらに強化されれば、自我と理性の喪失を加味しても恐るべき脅威だ。
「最初から、こういうのに絞ってオーダーすればよかったものを。私達からすれば、つけ入る隙があってありがたいですが」
 明らかに不適切な者まで編成に組み込み、しかも戦力の逐次投入という愚まで犯して。一番手に来るのがこの竜達であれば、その方がよっぽど危機になっただろう。結果としてはこちらに防衛態勢を整える時間を与えてしまっている。

「まぁ、どうでもいいことですね。お仕事お仕事」
 エリーはクラッシャーの|決戦配備《ポジション》を要請し、砲撃やミサイル等による攻撃力支援を準備してもらう。決戦都市が保有する総火力をもってすれば、ドラゴンにも有効打を与えられるはず――問題は、高速飛行する標的にどうやって攻撃を当てるかだが。
「私はひたすら敵を落とすので、トドメをお願いします」
『了解!』『頼みます!』
 妨害に関しては任せてもらおうと、まずは【念動サーチ】から。微力な念動力の波を放って、レーダーのように目標を探知する。どんなに数が多かろうが、どれほどのスピードで飛翔しようが、彼女の索敵網は一匹たりとも逃さない。

「「ギャオオォォォォーーーッ!!!」」
 対するアサルトドランは咆哮を天に轟かせ【アタック・アサルトウィング】による突進攻撃の体勢に入る。ごくごく単調な戦法なれど、速度と体重に比例した破壊力は途轍もないものになるだろう。肉体的には非力な部類に入るエリーなら、直撃すればひとたまりもない。
「うるさいですね。もう捉えましたよ」
「ギャオッ?!!」「ガァァ!?」
 だが、その前にエリーは敵の詳細な座標を捕捉すると、追撃の念動力で翼を圧し折る。本来ならそう簡単に折れるはずのないものだが、彼女のサイキックにはそれだけの力があるのだ。出鼻よりも致命的なものを挫かれた竜達の雄叫びは、悲鳴へと変わった。

「自由に飛べなければ、厄介さも激減でしょう」
「ギャァ!?!」
 ついでにエリーは念動力で目を突いて、敵の視界も奪っておく。大幅に行動を制限されたアサルトドラン達は、なんとか墜落しないように滑空するので精一杯。優れた飛行能力が脅威になる反面、その一点に戦闘力の多くを依存しているのは彼らの弱点でもあった。
「はい、動かないでくださいね」
 仕上げも念動力でぐっと押さえつけてやれば、連中は空の覇者からデカいだけの的に成り下がる。はじめにサーチで位置さえ特定していれば、複数対象を同時に捕まえるのも難しくない。サイキックエナジーは相応にバカ食いするが、後はこいつらを倒すだけなら出し惜しみも不要だ。

「後はクラッシャーにお任せで」
 きっといい感じに調理してくれることでしょう――というエリーの声は、都市からの一斉砲火の音にかき消された。
 人類の威信をかけた決戦都市の総火力が、墜ちた飛竜の群れに降り注ぐ。巻き起こる爆炎と衝撃波の中から「グギャアアァァァーーーッ!!!」と、アサルトドラン達の絶叫が聞こえてきた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
(決戦配備:キャスター)
最後は空からの強襲ね……自我と理性を失ってるから仕方ないけど……やっぱり力押しだね…
…ま、空を飛ぶなんて馬鹿な奴だったな…と言う事で…
決選都市からの術式支援を受けて空一帯に居る竜達に【星を墜とす大地の手】を発動…
……強襲竜アサルドランと呼び出された飛行型竜牙兵を纏めて地面に叩き落すとしよう…
…墜落程度で死ぬとも思えないけど…このUCはそのまま大地に縛り付けるからね…
…動きを封じている間に重奏強化術式【エコー】で威力を強化した凍結術式で纏めて凍らせて決選都市からの援護と合わせて砕くとしようか…



「最後は空からの強襲ね……自我と理性を失ってるから仕方ないけど……やっぱり力押しだね……」
 蒼天を覆う『強襲竜アサルドラン』の群れを見上げ、退屈そうに呟くのはメンカル。順々に敵のレベル自体は上がっていても、戦法のほうは根本から変わり映えしない。スーパーアポロンに|黙示録指令《スーパーオーダー》で操られたデウスエクスに出来る戦術は、それしかないのだろうが。
「……ま、空を飛ぶなんて馬鹿な奴だったな……と言う事で……」
 たとえ力押しでも、強化された戦闘力と優れた飛行能力を持つアサルドランの群れは、十分脅威になるはずだった。
 しかし敵にとっては残念な事に、メンカルの有する術式には対空戦を指向したユーベルコードもあるのだ。思慮なく飛ぶのは優位どころか不利になる。

「「ガオオォォォォッ!!!」」
 そうとは知らぬアサルドラン達は【サモン・アサルトアーミー】を発動し、飛行型竜牙兵の群れを呼び出し始める。
 骨バルカンや骨爆弾で武装した彼らは主の随伴機として十分な戦闘力を誇り、本来ならば強力な航空戦力として決戦都市を空爆するはずだったのだが――。
「重き力よ、掴め、落とせ。汝は重圧、汝は天墜、魔女が望むは底より出でし昏き腕」
 引き続き決戦都市からの術式支援を受けたメンカルは、空一帯に居る敵軍に【星を墜とす大地の手】を発動。術式による擬似重力を発生させ、強襲竜と竜牙兵を纏めて引きずり降ろさんとする。空にあるもの全ては天から地へ――この力に抗える者はいない。

「「オ、オォォォォォーーーッ!?!?」」
 見えざる重力の鎖によって揚力を失ったアサルドラン及び竜牙兵は、地面に叩きつけられ悲鳴を上げる。ダメージはそれなりに入ったようだが、流石に倒れる者はいない。不滅にして神の如き者と称されるデウスエクスが、落下死などすれば笑いものだ。
「……墜落程度で死ぬとも思えないけど……このユーベルコードはそのまま大地に縛り付けるからね……」
 この【星を墜とす大地の手】の本質は、対象を強制的に地表に留め続ける事だ。メンカルが術式を解除しない限り、敵は再び飛び立つことはできない。飛行能力を最大の武器とする強襲竜が、地に這いつくばる事を余儀なくされれば、脅威も威厳もガタ落ちである。

「ガァァッ! グガァァッ!」「ウオォォォッ!!」
「暴れても無意味だよ……」
 どれだけアサルドラン達が翼を羽ばたかせても、その身は1ミリたりとて地面から離れない。連中がムダな足掻きをしている間に、メンカルは凍結術式を展開。さらには重奏強化術式【エコー】を多重発動し、術式の威力を強化する。
「「ガっ……ァ……ァ……!!」」
 何重にも重ねがけされた術式の冷気は、強襲竜の巨躯を凍らせるのに十分だった。周囲に散らばっていた竜牙兵の骨まで含めて、全員が氷のモニュメントと化す。見方によっては幻想的な光景だが、生憎のんびりと観賞する暇はない。

「……これで終わり、と……運が悪かったね……」
 決戦都市からの援護と合わせて、光剣の術式で凍結した敵を砕くメンカル。骨や翼膜の一片も見逃すつもりはない。
 愚かな大将の作戦で戦わされたことといい、飛行能力の天敵となる術式を携えた魔女が待ち構えていたことといい。もしもアサルドランに自我が残っていれば、我が身の境遇をさぞかし嘆いた事だろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

日下部・香
ドラゴンだと……!? 奴らがただ暴れまわるだけでも脅威なんてものじゃない……!
何としても倒し切らないと……

決戦配備・ジャマー要請! 悪いが移動の支援を頼む! 私は空飛べないからな……。とにかく打ち上げてくれさえすればいい。あとは何とかする。多少であれば螺旋の力で【推力移動】できるし、位置がよければ敵を足場にすることもできるかもしれない。

【螺旋弓術・黒雨】で敵のドラゴンと召喚される竜牙兵を撃ち落としたい。
射程は約150 m、敵の速さを考えると一瞬で撃ち抜かないとな。敵の動きを予想して偏差射撃を行いたい(【心眼】)
射撃の威力を上げるため、【封印を解く】ことで螺旋エネルギーの出力を最大にして臨もう。



「ドラゴンだと……!? 奴らがただ暴れまわるだけでも脅威なんてものじゃない……!」
 デウスエクスの中でも最強種族の一角と名高いドラゴンの強さを、ケルベロスである香が知らないはずがなかった。
 竜はただ、竜であるからというだけで強い。彼らが理性なき純粋な暴虐の嵐と化せば、都市にもたらす被害はこれまでの比ではなかろう。
「何としても倒し切らないと……決戦配備・ジャマー要請! 悪いが移動の支援を頼む!」
 天空より迫りくる『強襲竜アサルドラン』の群れを見上げ、香は切羽詰まった声で決戦都市に支援を要請した。こちらも遠距離攻撃手段はあるが、一体も通せないという前提のもと戦うなら、やはり奴らと同じ土俵に上がらなければ。

「私は空飛べないからな……。とにかく打ち上げてくれさえすればいい。あとは何とかする」
『了解しました。ご武運を!』
 要請に応じて決戦都市は射出用のカタパルトと足場となるドローン群を準備。普通の人間にはいささか無茶な移動手段だが、ケルベロスなら問題はない。担当者のエールとともに勢いよく射出された香は、敵群のど真ん中に飛び込む。
「「ガオオォォォォォッ!!!」」
 竜に比べれば羽虫の如き人間の襲来に、|黙示録指令《スーパーオーダー》を受けたアサルドランは全力で殲滅態勢を取った。【サモン・アサルトアーミー】により召喚された飛行型竜牙兵の大軍が、竜達とともにケルベロスを迎え撃つ。骨バルカンの銃声が交戦開始の号令となった。

「位置がいい、助かった」
 上昇には決戦都市の支援を借りた香だが、多少であれば螺旋の力による推力移動で方向転換や姿勢制御等はできる。
 一緒に射出されたドローンと、敵の身体を足場にして、義経の八艘飛びの如くぴょんぴょんと身を躱し、銃撃を凌ぎながら矢をつがえる。
「さて、やるぞ……」
 発動するのは【螺旋弓術・黒雨】。確実に敵を撃ち落とすために、すぐには放たない。弓弦を引き絞ったままブレスレット状の「螺旋の組紐」を緩め、螺旋エネルギーの封印を解く。相手がドラゴンほどの大物となれば、こちらも出力最大にして臨まなければ。

(射程は約150m、敵の速さを考えると一瞬で撃ち抜かないとな)
 二射目のチャンスが回ってくるなどという甘い考えは捨て、最初の射撃に全てを賭けることに決めた香は、肉眼だけでなく内なる心眼をもって敵の動きを予測。たとえ地球の航空機を凌駕する飛行速度でも、理性も自我も失われれば、機動そのものは単調だ。
「……そこだ!」
 見切った――確信をもった瞬間放たれた矢は空中で分裂し、螺旋の軌道を描いて敵軍に降り注ぐ。放ってから着弾するまでの偏差まで考慮した射撃は、過たず目標の未来位置を捉えていた。それは"当てる"のではなく"当たる"という、弓術の極意のひとつ。

「射ち、写し、穿つ。天を衝き、地に降る」
「「グ、グガァァァァーーーッ!!!!?」」
 黒き矢の雨に撃ち抜かれたアサルドランと竜牙兵の群れが、絶叫しながら墜落していく。致命傷ではない場合でも、多くは翼に深刻な傷を負っており、もはや飛行するのは不可能だろう。ただ一撃にて戦況を決定づけた香は、ふうと安堵の息を吐きつつも、油断なく次の矢をつがえた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

儀水・芽亜
これは――相性が悪い。
高速で飛ぶ。洗脳済み。ただただ大きい。私の苦手、全部盛りです。

|決戦配備《ポジション》、スナイパー。敵の翼を撃ち抜いてください。

いつまでも泣き言は言ってられません。それで帰ってはくれないのですから。
「全力魔法」神聖「属性攻撃」「範囲攻撃」「対空戦闘」「対空防御」「破魔」「浄化」「集中力」「矢弾の雨」で光輝の雨。
ぎりぎりまで敵群を引き付けて、『驟雨の弓』で放った一射が分裂した光の雨で、その身体を撃ち抜きます。
これで沈めば楽なんですが、曲がりなりにもドラゴンにそれを期待するのは甘い。
ですが、空の敵への対抗手段はこれだけです。敵の突撃は「軽業」でかわし、光の雨を降らせ続けます。



「これは――相性が悪い」
 敵軍の第三陣として襲来した『強襲竜アサルドラン』を見上げて、眉をひそめたのは芽亜。例によって頭の悪そうな連中だが、これまでの敵とは違って単純な「強さ」が段違い。ドラゴンの名に恥じぬ戦闘力と、優れた飛行能力を持つデウスエクスだ。
「高速で飛ぶ。洗脳済み。ただただ大きい。私の苦手、全部盛りです」
 搦め手が効きづらく、高所の優位を取られ、力押しでは分が悪い。もし背後に守るべき都市がなければ、後退して仕切り直すのも考慮に入っただろう。「勝てない」ではなく、あくまで「苦手」だが、それでも難しい戦いになるのは間違いない。

「|決戦配備《ポジション》、スナイパー。敵の翼を撃ち抜いてください」
『了解! 狙撃開始!』
 しかしアサルドランの群れが間近に迫れば、芽亜は直ちに号令を出す。決戦都市に布陣する狙撃部隊からの攻撃は、デウスエクスを仕留めるほどの威力はなくても牽制としては有効だろう。己の生命線である翼を狙い打たれれるのは、連中も本能的に嫌がるはずだ。
「いつまでも泣き言は言ってられません。それで帰ってはくれないのですから」
 これ以上あれこれ言う暇はにと、芽亜は戦いに意識を集中して魔力を練る。持てる技能の数々を尽くして放つのは、神聖なる光輝の雨だ。一粒一粒に破魔と浄化の力を宿したそれは、魔竜の群れに当たれば強酸のように身体を灼いた。

「ガァァァッ!!」「グオォォォッ!!」
 破魔の聖光雨を浴びたアサルドラン達は怒り狂い、【アタック・アサルトウィング】の急降下突撃を仕掛けてくる。
 スナイパーの妨害もあってトップスピードは出せていないが、それでも体重と速度に比例した破壊力は相当のものになる。
(……ここがチャンスですね)
 しかし芽亜から見れば、まっすぐこちらに突っ込んでくる敵は一番迎撃が容易である。迫りくる殺意のプレッシャーに気圧されず、ぎりぎりまで敵群を引き付けると、彼女は神器『驟雨の弓』に矢をつがえ、天に向かって渾身の一射を放った。

「天上より光の雨降り注ぎ、地を這う不浄の一切を討ち滅ぼさん」
「「グ、グギャオォォォォォーーーッ!!!!?」」
 放たれた矢は空中で分裂し、これまでの比ではない規模と威力の【光輝の雨】を降らせる。燦然たる浄化の集中豪雨の中に飛び込む形となったアサルドランは、絶叫してバランスを崩す。その機動はもはや突撃と言うより墜落に近い。
(これで沈めば楽なんですが、曲がりなりにもドラゴンにそれを期待するのは甘い)
 墜ちてきた敵の巨躯を軽業でかわすと、芽亜はすぐさま第二射をつがえる。それなりにダメージは入ったようだが、やはり一撃で倒せるほど楽な相手ではなく。息の根を止められなかった敵はよろめきながらも再び上空に逃げていく。

「ですが、空の敵への対抗手段はこれだけです」
 一発で撃ち落とせないなら、落とせるまで何度も射るまで。持てる魔力の尽きるまで、芽亜は驟雨の弓から【光輝の雨】を降らせ続けた。相性不利な敵にも果敢に攻めかかる姿勢は、アサルドランの群れを着実に追い詰めていく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

叢雲・紗綾
あの暴れっぷりと破壊力、流石に理性が無かろうとも凄まじい脅威ですね。
さっさと片付けませんと。

敵の飛行速度は相当ですが、理性が無いぶん動きは単純。
街の破壊と人間の殺戮しか頭に無いとなれば、仕掛ける隙もあるでしょう。

決戦配備でディフェンダーを要請、魔術障壁で建物を護ってもらいます。特に火炎耐性の高いヤツをお願いしますね。
耐えるにも限度はあるでしょうが、数秒持たせてくれれば充分です。

建物を燃やそうと躍起になってる敵を「Robin」越しの視線で捕捉、以て魔導式狙撃誘導機構を発動。
これで速度に狙いを追従させられます。

後は敵が落ちるまで狙撃を繰り返すのみ。
さっさと落ちるが良いです!



「あの暴れっぷりと破壊力、流石に理性が無かろうとも凄まじい脅威ですね」
 さっさと片付けませんと、と呟きながら紗綾は上空の『強襲竜アサルドラン』に銃口を向ける。セントールの疾走を上回るスピードで空を飛び、圧倒的なパワーで蹂躙する、ドラゴンの切り込み隊長――そいつらが群れをなして攻めてきたとなれば油断はできないが、さりとて彼女に勝算がないわけでもない。。
「敵の飛行速度は相当ですが、理性が無いぶん動きは単純。街の破壊と人間の殺戮しか頭に無いとなれば、仕掛ける隙もあるでしょう」
 |黙示録指令《スーパーオーダー》を受けた他のデウスエクスと弱点は同じだ。無差別な破壊活動から都市を護るために、紗綾はすでにディフェンダーの|決戦配備《ポジション》を要請していた。都市そのものを巨大な魔法陣に見立てた大規模魔術障壁が、市民の避難するシェルターや建物を保護する。

「特に火炎耐性の高いヤツをお願いしますね。耐えるにも限度はあるでしょうが、数秒持たせてくれれば充分です」
『やってみせます!』
 支援担当者の緊迫した声を通信越しに聞きつつ、紗綾は敵の動向を注視する。ドラゴンの攻撃手段として有名なのはやはり、口から吐く炎のブレスだろう――このアサルドランも例に漏れず【ファイア・アサルトバレット】を放つ力を有していた。
「「ガアァァァァッ!!!」」
 高速飛翔しながら射出される火炎弾が、紅蓮の雨となって都市に降り注ぐ。だが決戦都市の総力を結集した魔術障壁は、この空襲にどうにか耐えていた。そう長く保つものではないが、ドラゴンの攻撃に直接耐えるだけで快挙だろう。

「グルルルル……ッ」「ウオォォッ!!」
「だいぶ苛立ってますね」
 思ったように燃えない建物に対して、アサルドラン達は躍起になって攻撃を続ける。その様子を紗綾は軍用ゴーグル「Robin」越しの視線で捕捉し、一体一体に位置情報伝達機能の付いたロックオンマーカーを付与する。目標への命中精度を永続的に向上させる【魔導式狙撃誘導機構】だ。
「ロックオンです。もう私からは逃げられませんよ?」
 これで敵の速度に狙いを追従させられる。何をされたかも分かっていない連中に笑みを浮かべると、紗綾はマーカーに連動して「雀蜂」の照準を動かし、トリガーをぐっと引き絞った。放たれたレーザーは光速の矢となり、標的を逃さず撃ち貫く。

「ギャァッ!?!」
 翼に風穴を開けられ悲鳴を上げるアサルドラン。なまじ速度が乗っていた分だけ、突然の被弾は大きくバランスを崩す要因になるだろう。敵がどんなに変則的な機動を取ろうと、マーカーは自動的に目標を追う――後は落ちるまで狙撃を繰り返すのみだ。
「さっさと落ちるが良いです!」
「グァッ!!」「ギガァッ!?」
 所詮は知恵を失った飛竜の群れなど、こうなってしまえば幾らでも撃ち放題だった。地から天へと降り注ぐレーザーの弾雨に打たれ、アサルドランの群れは次々と墜落していく。この調子なら都市の上空から彼奴らの姿が消えるまで、そう遠いことでもないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル
おっ|野蛮なドラゴンども《ワイルズ》じゃん!一狩りしてこうぜ!

うんうん流体金属君も最後までやる気たっぷりっぽいでござるね!君に決めた!身体にIN!ウッ!オウガメタルキマルッ!
身体にメタルが染み渡るでござるね!

突撃しか能がないアホドラゴンでござるが来てくれるのはらくちんでござるね
突撃する目掛けて跳躍!激突!と思うでござるじゃん?力を抜いて?いや身体を流体化して衝撃をいなしつつ張り付くんでござるよ
よっしゃそのまま背中側に回り込んで乗り攻撃しようぜ!刃物で?銃で?もちろん死ぬまで!

撃破したら大事な大事なチャンスステップ!次のドラゴンに飛び移って同じようにボコして行こうぜ!飛び出して行け!



「おっ|野蛮なドラゴンども《ワイルズ》じゃん! 一狩りしてこうぜ!」
 そう叫んだエドゥアルトが『強襲竜アサルドラン』の群れに向ける視線は、明らかに敵でなく獲物を見る目だった。
 まさかアレを狩って素材を剥ぎ取って武器防具を製造――まではやらないと思うが、絶対にやらないとも言い切れないのが怖い所である。
「うんうん流体金属君も最後までやる気たっぷりっぽいでござるね! 君に決めた!」
 うぞうぞと蠢いているオウガメタル・Spitfireを、彼はノリノリで自分の身体にIN。【Innovator】により流体金属と肉体を一時的に融合することで、全身銀ピカのメタル黒髭に変身。ここまで来ると本当に人間なのかも怪しくなる見た目である。

「ウッ! オウガメタルキマルッ! 身体にメタルが染み渡るでござるね!」
 とかなんとかノリノリでテンション上がってるエドゥアルトの元に、アサルドランの群れは「ギャオォォォ!!」と容赦なく急襲する。例によって|黙示録指令《スーパーオーダー》で理性を失っているとはいえ、体重とスピードを武器にした【アタック・アサルトウィング】はそれだけで脅威になるはずなのだが。
「突撃しか能がないアホドラゴンでござるが来てくれるのはらくちんでござるね」
 まっすぐ向かってくる敵目掛けて、エドゥアルトは自分から跳躍。そのまま激突してバラバラに――と思われたが、メタル黒髭ボディは頑丈さだけが取り柄ではない。オウガメタルの特性をそのまま受け継いだ身体は、脱力することでドロドロに流体化し、外部からの衝撃をいなすのだ。

「うム実ニよク馴染む……拙者達は……ワカり会えタ……」
「ギャオッ?! ギャオォォッ!!」
 よく分からないメタルスライムもどきにべったりと張り付かれたアサルドランは、生理的嫌悪感から暴れ回って引っ剥がそうとするが。エドゥアルトは謎の吸着力でくっついたまま敵の体表を這い回り、爪牙や尻尾の届かない背中側に回り込む。
「よっしゃこのまま乗り攻撃しようぜ! 刃物で? 銃で? もちろん死ぬまで!」
「グギャアアァァァーーーッ!!!?」
 身体からにょきっと生えるように取り出され、無防備な背中に突き立てられるナイフ、撃ち込まれる銃弾。見映えは最悪だが、エグさと殺傷力については折り紙付きである。憐れなドラゴンが致命傷を負い、メタル黒髭の最初の犠牲者になるまで時間はかからなかった。

「撃破したら大事な大事なチャンスステップ! 同じようにボコして行こうぜ!」
「ギャァッ?!」
 血飛沫吹き出して墜落していくドラゴンの背中から、次のターゲットに飛び移るエドゥアルト。恐怖のメタル黒髭による狩猟祭りは、この場にいる全部の獲物を狩り尽くすまで終わることはない。どんどん人間やめてる感が増していくのと引き換えに、その動きはキレと自由度を増す。
「飛び出して行け!」
「ギャアアアァッ!!」「グオォォォォッ?!」
 狂乱するドラゴンの群れは、エドゥアルトを殺そうとするあまり、逆に同士討ちにまで発展する始末。血みどろの雨がザアザアと都市に降り注ぎ――それからほどなくして、黒髭の愉快な高笑い以外、空から聞こえてくる音は消えた。


 こうして、スーパーアポロンの|黙示録指令《スーパーオーダー》により引き起こされた戦いは決着する。
 狂乱するデウスエクスの軍勢より、猟兵達は見事決戦都市を守り抜いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年04月30日


挿絵イラスト