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大怪獣をぶっ飛ばそう

#ケルベロスディバイド #黄道神ゾディアック

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#ケルベロスディバイド
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#黄道神ゾディアック


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●封印されし破壊の竜
 ケルベロスディバイド、一昨年のハロウィンに十二剣神の一柱による襲撃を受けた広島の海沿いの決戦都市の一つは、襲撃の傷跡もほぼ消え失せて人々は元の日常を取り戻していた。
 しかしその決戦都市に突如けたたましい警報が鳴り響く。直後、|小剣《グラディウス》の群れが都市に飛来、地面に突き刺さって亀のようなドラグナーがわらわらと現れ、無常にも逃げ惑う人々への虐殺を開始する。
 ――その決戦都市の南西近く、瀬戸内海に浮かぶほぼ無人の島の一つには十数年前に決死の戦いの末に強大なデウスエクスが封印されていた。
 封印の解除にはグラビティ・チェインが利用できる。そして地球人類の殺戮によって大量のグラビティ・チェインを得ることができる。
 つまりはそういうことだ。強大なデウスエクスを復活させるための贄として狙われた決戦都市――まだ現実となっていないその悲劇を防ぐことができるかどうか、それは猟兵とケルベロスにかかっている。

 グリモアベース。
「ケルベロスディバイドでの事件の予知が見えた。ちょっと皆の力を貸してくれないかい?」
 冬の寒さにも強そうな、ふかふかした白熊のグリモア猟兵、雨河・知香(白熊ウィッチドクター・f40900)は集まった猟兵達によく通る声でそう切り出した。

「今回狙われるのは広島にある海沿いの決戦都市、そしてその近くにある瀬戸内海の島になる。黄道神ゾディアックの配下が決戦都市で虐殺を行って大量のグラビティ・チェインを収奪して、それを利用して島に封印された超強大なデウスエクスを復活させようとしているみたいだ。十数年前ではあるがこのケルベロスディバイドの地球人類が決死の戦いの末封印されたデウスエクス……完全復活されたら厳しい戦いになるだろうね」
 けれどグラビティ・チェインの回収の阻止、つまり大量殺戮を防ぐことができれば封印デウスエクスはかなり弱体化した状態で復活するだろう、と知香は続ける。
「逆に考えれば未来に先送りするしか出来なかった爆弾を比較的安全に処理できるチャンスにできるかもしれない。一般人の殺戮最優先で行動してくる大量のデウスエクスを捌き切って守り抜くのは大変かもしれないけど、|決戦配備《ポジション》や現地のケルベロスと連携すればなんとかできる筈だよ。上手くいって封印されたデウスエクスを弱体化できても戦い自体は厳しいものになるかもしれない。それでも皆なら勝てると信じてるよ」

 そう白熊のウェアライダーは猟兵達に告げ、そして説明は得た予知の詳細についてのものに移る。
「まず決戦都市の防衛だ。事前に避難させるとデウスエクスは別の街を襲撃すると予知されてるからデウスエクスの襲来を待って迎撃する必要がある。|小剣《グラディウス》に乗ってやってくるデウスエクスは『炎の闘士ボッティチェリー』ってドラグナーだ。亀のような姿をしているが得意とするのは格闘技、四肢に炎を纏わせ接近戦を仕掛けてくるようだね。……飛び道具で攻撃すると卑怯者とか言って怒ってくるかもしれないけどまあ無視して大丈夫だろう」

 決戦都市を守り抜いた次はケルベロスと共に船でデウスエクスが封印された島へと向かうことになる、と知香は言う。
「封印されているのは島の地下だ。人里離れた土地だから周辺に一般人はいない。封印解除後の戦いで多少派手に暴れても大丈夫だろう。ただ……決戦都市の襲撃と同時に少数のデウスエクスがこっちにも向かってきていて、封印解除の時間稼ぎに防御魔術を施すみたいだ。猟兵なら力技でぶっ壊すでもスマートに解析して解除するとか、その他の方法でも大丈夫だろう。そして結界を突破して地下に向かえば、そこには巨大な『破壊竜アベルビジ』ってドラゴンが佇んでいる。グラビティ・チェインの量次第ではあるけど……不足してれば相応に不完全な復活で弱体化してるから真っ向勝負で十分に勝てるはずだよ」

 そう説明を終えた知香は、猟兵達を転送する為にグリモアを取り出す。
「この世界では決戦配備の支援が受けられる。単独ではそれ程でもないかもしれないが、上手く猟兵の技能やユーベルコードと組み合わせれば相乗効果で大きな効果を得られるかもしれない。難しい戦いになるかもしれないけど、上手くこの世界の人の力も借りてデウスエクスの企みをぶっ潰してほしい」
 そう知香ははきはきとした声で話を締め括り、猟兵達を海辺の決戦都市へと転送したのだった。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 マイナスにはなったりしないと思います。

 第一章は一般人の虐殺を目的に決戦都市にやってきた『炎の闘士ボッティチェリー』との集団戦になります。
 事前避難は行えないので上手く一般市民を守りながら戦うとよさそうです。
 第二章は強大なデウスエクスが封印された決戦都市近隣の島に場所を移してのデウスエクスの展開した防衛魔術の突破、第三章は島の地下に封印されていた『破壊竜アベルビジ』との決戦になります。

 第二章以降はそれぞれ断章で状況説明を追加致しますので、そちらをご確認下さい。
 また、三章通して決戦配備の支援は可能なので上手く利用すると有利に戦う事ができます。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『炎の闘士ボッティチェリー』

POW   :    闘志業炎格闘技
【闘志の炎】を纏い空中高く舞い上がった後、敵めがけて急降下し、[闘志の炎]が尽きるまで【燃え盛る炎の格闘技】で攻撃し続ける。
SPD   :    闘志の炎拳
【己の拳】を【闘志の炎の発破】で加速し攻撃する。装甲で防がれた場合、装甲を破壊し本体に命中するまで攻撃を継続する。
WIZ   :    闘志の陽炎
【闘志の炎を纏った四肢】による近接攻撃の軌跡上に【闘志の陽炎】を発生させ、レベルm半径内に存在する任意の全対象を引き寄せる。

イラスト:十姉妹

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

イクシア・レイブラント
任務了解。まずは敵の位置の把握ね。
低空飛翔しながらデコイドローンを展開して[偵察、索敵、情報収集]。
発見次第[レーザー射撃]を打ち込み、自身は[煌きを纏う、注目を集める]ことで敵を[おびき寄せ]する。
さあ、ここまで届くかしら?

[瞬間思考力、弾道計算]で敵の跳躍や急降下を読み[空中機動]で回避、
反撃に大型フォースブレイドで[なぎ払い]して敵を蹴散らす。

その隙にメディックに要請。
【シールドバリア】も活用して安全に一般人を避難させるよ。



●殺戮の|小剣《グラディウス》阻む翡翠の盾
 決戦都市にデウスエクスの|小剣《グラディウス》が飛来し、空より亀獣人のような外見のドラグナー『炎の闘士ボッティチェリー』達が殺戮を齎すため降下する。
 突然の襲撃にも人々は恐慌に陥らずにできる限り急ぎ避難を開始するが、虐殺を目的とするボッティチェリーの行動はそれよりも早い。
 着地したドラグナー達は獲物を見定め、四肢に炎を纏わせると空高く跳躍、落下速度を乗せた飛び蹴りを一般人に食らわせようとする。
 もはやこれまで――だが、その間に一人のレプリカントが飛び込んできて、浮遊端末で展開した光の盾がドラグナーの飛び蹴りを阻む。
「|決戦配備《ポジション》、メディックを要請するわ」
 通信機越しにこの決戦都市のケルベロスに要請する彼女の名はイクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)。ユーベルコード【シールドバリア】により展開した防御結界で後方の一般人を保護して後退する時間を稼ぎつつ、闘志の炎を絶やさず格闘の連撃で護りを砕かんとするドラグナー達へと視線を向けて、
「任務了解。敵の位置の把握……の前にこちらの対処が先ね」
『こんな盾砕いてやるぞ!』
 冷静なイクシアに対し拳と蹴りを連続で叩き込んでいたボッティチェリー達は息を切らせながら跳躍、同時攻撃の強烈な飛び蹴りで一息に防御結界を破壊しようとする。
 しかしイクシアはそれを瞬時に見切り軌道計算、念動力で浮遊端末を操って光盾を傾けつつ、ジェットパック『サイキックスラスター』を噴射して飛び蹴りを回避しつつ決戦武装の大型フォースブレイドをカウンターの形で薙ぎ払った。
 光刃の強烈な斬撃を受けたドラグナー達は倒れ消滅していく。振り返れば要請していたメディックのケルベロスが一般人を避難させていて、避難は彼らに任せつつジェットパックを噴射して低空飛行を開始、デコイドローンを決戦都市の各所に展開して状況の把握を開始する。
(「……あちこちに散らばっているわね」)
 それなりの広さの決戦都市、効率的にグラビティ・チェインを収奪するためにドラグナー共は散開して作戦行動を行っているようだ。
 ならばと、イクシアは手近な位置にいたドラグナーへとアームドフォートからレーザーを撃ち込みその注意を惹きつけようとする。
『飛び道具とは卑怯な!』
 その攻撃はデウスエクス達の勘に障ったらしく、怒り狂った亀のようなドラグナー達は低空飛行するイクシアを追いかけ始めて。
「さあ、ここまで届くかしら?」
 サイキッククリアウイングで姿勢制御しつつ、把握した敵位置を参考に低空を飛翔移動しながら手当たり次第にレーザーを叩き込んでいくイクシア。飛び道具に怒り狂うドラグナーが彼女に気を取られ大勢で追いかけている隙に、メディックとして要請されたケルベロス達は速やかに人々を避難させていく。
 炎燃やし跳躍からの空中殺法でイクシアの撃墜せんとするボッティチェリー達、その攻撃を宙を舞うイクシアは光盾で防ぎいなしながら、フォースブレイドの大型の刃でデウスエクス達を薙ぎ払い仕留めていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミリム・ウィアテスト
●心情
人々の虐殺と強大なデウスエクスの復活なんて理不尽な終焉の予知を見逃してなるものですかっ

●行動
グラディウス飛来からのデウスエクス出現に合わせて避難指示を出しましょう
「この場は私達猟兵に任せて皆さんは早くシェルターに避難してください!」

私は星霊グランスティードに跨って電光を纏い
炎の闘士ボッティチェリー達の群がりを突っ切るように相手の急降下に対してコチラも突撃してやります!
「あなた達の野望を阻止しに来ました通りすがりの猟兵です!突然のカチコミ、失礼しますよー!!」

殴打も火傷も怖くはありません!実家の猛特訓に比べればなんのこれしき!

(アドリブ・連動OKです)



●その悲劇を砕いてみせる
 |小剣《グラディウス》の飛来、そしてドラグナーが降下して一般市民が逃げ惑う中、軍馬が人々の間を駆けていく。
「この場は私達猟兵に任せて皆さんは早くシェルターに避難してください!」
 悲劇の|終焉《エンディング》を見逃せない、ミリム・ウィアテスト(イノセントの魔想紋章士・f43456)はユーベルコードで召喚した星霊グランスティードで街中を巡りながら避難指示を出していく。
 デウスエクスに対抗するために整備されている決戦都市といえども、人の生活がある以上相応に広い。軍馬の機動力を活かし取りこぼしが無いように駆け回る彼女の視界に、ドラグナーの集団が見えた。
 確かその進路上には人々の避難所への入り口があった筈、
「人々の虐殺と強大なデウスエクスの復活なんて理不尽な終焉の予知を見逃してなるものですかっ」
 即座に覚悟を決めたミリムは人馬一体状態のグランスティードと共に電光を纏いドラグナーの群れに突撃を敢行する。
「あなた達の野望を阻止しに来ました通りすがりの猟兵です! 突然のカチコミ、失礼しますよー!!」
『邪魔をするな! 騎兵なんぞぶちのめしてくれる!!』
 ミリムの襲撃に反応したボッティチェリ―達は炎の闘士の異名通りに四肢を燃え上がらせ空中高く跳躍、馬上のミリムに対し拳を振り下ろし叩き落そうとしてくる。
 空高く跳躍してからの炎纏う格闘の連撃、彼女の出身世界で言えば達人の群竜士に迫る練度だろう――だが電光纏うミリムは上空からの強襲に対しグランスティードをさらに加速、ドラグナーの攻撃の直撃を避けつつボッティチェリ―の群れを蹴散らすように駆け抜けた。
 その様はまるで雷光の如し。距離を取られたボッティチェリ―は炎を纏いつつダッシュして連続攻撃を継続しようとするがミリムはそれを読んでいたかのように反転。
 そして向かってくるボッティチェリ―の頭をグランスティードの蹄で蹴り飛ばしつつ再突撃し、群れを更に混乱に陥らせていく。
 炎の格闘技、その殴打も火傷もミリムの実家の猛特訓に比べれば恐れるようなものではなし。
 人々の殺戮に向かおうとするドラグナーを雷光の突撃で吹き飛ばし仕留めながらミリムは苛烈に戦場を駆け抜けていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系はばっちこい★状態変化もばっちこい♪
絡みOK、NG無しだよ★

UCは集団召喚系か範囲攻撃系を優先して使うよ♪
状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★

後はMS様におまかせするね♪



●悪をも従え善を為す
 決戦都市の各所で猟兵とケルベロスがデウスエクスの襲撃に対抗、一般人の生命は守られ避難は速やかに行われつつあった。
 だが、それを阻止するために亀のような姿のドラグナー『炎の闘士ボッティチェリー』は四肢に闘志の炎を纏わせ回し蹴りを行う。
 その軌跡に生じるは闘志の陽炎、射程内の彼らが選んだすべての対象――避難中の一般人を引き寄せるという、殺戮を効率的に行う為の行動だ。
 意志に反してドラグナーの元へ引き寄せられていく一般人達、だがクローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)というブラックタールは彼ら以上の速さでドラグナーの元へ切り込みつつ、ユーベルコード【ワタシの上級悪魔兵合体】を起動する。
「『レアメタルナンバー』の力……少しの間、利用させてもらうよ」
 召喚したダークネス――デモノイド寄生体を悪の心で制御したデモノイドロードという存在に、ブラックタールの体が溶け込むようにして合体、そして更に加速する。
 形としては体をデモノイド寄生体が覆う形となったクローネは、デモノイドロードの強烈な剛腕でボッティチェリ―達を殴りつける。
 格闘技を得意とするドラグナーはその一撃を受け止めつつ即座に燃える拳で反撃、クローネと合体したデモノイドはバックステップで距離を取りつつ、腕を大砲に変形させて青の砲弾を発射する。
 デモノイド寄生体で作られた咄嗟に回避しようとしたボッティチェリーを自動追尾、命中して吹き飛ばしていく。
『卑怯者め! これだから猟兵って奴は!』
 そんな不満の声もどこ吹く風、一般市民を守るためにクローネはドラグナーへと容赦なく攻撃を加えていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイクル・エフジェイコペン(サポート)
猫っぽい舌足らず口調にゃ。こんにゃ感じで、末尾だけじゃにゃくて途中にも入れてほしいにゃ。めんどいならなくてもいいけど。
ちなみに機嫌悪い時は「に゛ゃ」って濁点入る感じにゃ。

正直状況とかよくわかってにゃいけどなんとなく気に入らない顔してるからぶっ殺すに゛ゃ。
パワーイズジャスティス。真正面から行っておもいっきり攻撃するのみにゃ。ユーベルコードは何使ってもいいにゃ。

基本はむちゃくちゃ猫かぶってかわいい子演じてるものだから、なるべくスマートに『せーとーはなれでぃー』的な感じで戦おうとするけど、むちゃくちゃ怒ったら地が出てむちゃくちゃ口が悪くなる。
「ぶっ殺おおおおおおす!●ぁぁぁぁぁぁっく!!」



継続する。
●かわいいものにもトゲがある
 猟兵達の迎撃は容赦なく決戦都市を襲撃したドラグナーの群れを蹴散らしていく。
 亀のような姿のボッティチェリーは虐殺――グラビティ・チェインの収奪を最優先に行動するが、それを予知していた猟兵と協力者である決戦都市のケルベロス達はそれを阻止するように一般人を守り、避難を行っていた。
『くそっ、この辺にはグラビティ・チェインを回収できるようなヤツはいないのか!?』
 叫ぶ『炎の闘士ボッティチェリー』、一足早く避難が完了した広場で毒づく彼らの前に、アイクル・エフジェイコペン(クロスオーバー三代目・f36327)というドワーフが背丈に見合わぬ無骨な巨大斧を抱えて現れた。
「虐殺にゃんてさせにゃいのにゃ」
『なんだこのちんちくりん』
 正統派、清楚に見える仕草(本人基準)でアイクルが斧を構えるのだが、彼女はドワーフであり普通よりも小柄で年若く――幼く見える故にドラグナー達は見たまま率直に密かに高いアイクルのプライドを傷つけるような地雷を踏み抜いてしまう。
『いやグラビティ・チェインの足しにはなる……か? 斧を見る限り武の心得もありそうだが』
 そのことに気づかずドラグナーは更に続けて、アイクルの機嫌は坂道を転がり落ちるように悪化していって。
『とにかく殺すぞ! 始末してから考えればいい!』
 拳に闘志の炎を燃やし、ボッティチェリー達がアイクルにダッシュで飛び込んでくる。その拳の炎は爆発により拳を一層加速、もし装甲に阻まれたなら破壊するまで攻撃を止めない強烈な攻撃だ。
 一方、受ける側のアイクルの機嫌は既に最悪、猫を被る事もすっかり吹っ飛んで荒々しい地が現れてしまう。
「……ぶっ殺おおおおおおす!」
 おっと検閲対象になりかねない罵詈雑言、具体的な内容の記述は避けておくが、FとかSとかBで始まる英単語混じりの、淑女とはとても思えない強烈な罵倒がアイクルの口から飛び出してくる。
 ――本人曰く【正統派なレディの大激怒】、客観的に『せーとーはなれでぃ』とはとても思えない罵倒はユーベルコードとして格闘戦を仕掛けようと飛び込んでくるボッティチェリー達に強烈なダメージを与えていく。
『いくらなんでも言い過ぎだ! 猟兵はこんなのばっかりか!?』
 装甲ではなくアイクルの強烈な罵倒をボッティチェリーは乗り越えられず、燃える拳はドワーフには届かないか弱りきった状態で接近戦で十分対応できる程度。
 道半ばで力尽きたボッティチェリーにきっちり巨大斧でお仕置きして消滅させつつ、アイクルは機嫌を少しばかり直したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シェーラ・ミレディ(サポート)
※OK:シリアス
※NG:エロ、ネタ、コメディ、心情系
※傭兵的なスポット参戦

称号通り、僕の身体を維持するための金儲けと、弱者をいたぶる醜い行いが許せぬ義侠心が行動指針だ。
美しいものは愛でるべきだが、恋愛には結びつかないなぁ。
性格ブスは醜い。見るに堪えん。

複数の精霊銃をジャグリングのように駆使する、彩色銃技という技(UC)を使って、敵を殲滅しようか。
敵からの攻撃は基本的に回避する。が、護衛対象がいるならかばうのも検討しよう。
……嗚呼、僕を傷付けたなら、代償は高くつくぞ!



●醜悪な闘志を撃ち抜く
 決戦都市へのデウスエクスの襲撃は猟兵とこの都市のケルベロスの活躍により、一般人の被害なく撃退されようとしていた。
 強大なデウスエクスを復活させる為の大量のグラビティ・チェインの収奪という作戦目的はどう見ても失敗、されど僅かばかりでも復活の足しにするために、炎の闘士ボッティチェリー達は逃げ遅れた一般人を探し炎の四肢で人々の命を奪わんと襲いかかる。
 だが、それを銃弾が阻む。
「虐殺などさせはしない」
 人形のように整った外見のシェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)という青年は愛用の精霊銃をジャグリングのように入れ替えながら一般人を狙う亀のドラグナー達を正確に撃ち抜いて妨害していく。
 彼が戦うのは弱者への醜い行い――グラビティ・チェイン収奪という目的での虐殺を赦せぬ義侠心からだ。
『飛び道具とは卑怯な……お前もこっちに来い!』
 しかしドラグナーは炎纏う拳で何もない虚空を殴りつけると、生じた陽炎によりシェーラを引き寄せようとする。
 得意な接近戦へ持ち込もうとするドラグナー達、しかしその前にシェーラはユーベルコード【彩色銃技・口寄せ・珠聯璧合】を起動する。
「僕のために咲け。舞い散る花弁は諸君に捧ぐ」
 シェーラが召喚したのは790体の家事精霊達、小型の戦闘用デバイスを持つ精霊達は召喚主の意志通りに悪しきドラグナー達を『掃除』せんとシェーラに先んじて切り込み襲いかかる。
 一体一体は一撃で消滅する脆さだが、戦闘能力自体はそれなりに高い家事精霊たち。精霊同士の息を合わせた連携と数の暴力に格闘を得意とするボッティチェリー達はあっという間に押され、押し切られていく。
 卑怯者、という罵詈雑言にもシェーラは涼しい顔、それどころかくるくる精霊銃を入れ替えながら狙撃して精霊たちを援護しつつ敵を黙らせていく。
 そして、
「見るに堪えんな」
 くるくると精霊銃を納めつつ、倒れた最後のボッティチェリーから視線を外すシェーラ。
 更地の如く徹底的に叩きのめされたドラグナーは消滅し決戦都市の避難警報は止まり一先ずの危機が去ったことをミレナリィドールの青年は認識したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『防御魔術を破れ』

POW   :    魔術を維持する魔法陣や魔導設備を破壊する

SPD   :    僅かな隙を見つけ出し、突破口を作る

WIZ   :    敵の魔術に魔力で干渉を仕掛ける

イラスト:純志

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●防御結界を砕いて
 決戦都市への強襲を退け、グラビティ・チェインの回収を阻んだ猟兵達は速やかに次の行動に移る。
 決戦都市から船に乗って味方のケルベロス部隊と共に向かうはかつて強大なデウスエクスが封印された瀬戸内海の無人島、定住する者はいないが船を接岸させる程度はできる土地だ。
 島に到着して船から降りた猟兵達が見たものは背の低い植物に覆われた土地、そして奇怪な魔法陣をはじめとした魔術的な防御結界の数々。
 決戦都市への攻撃と同時、この封印の島へやってきた先行部隊が施したらしい結界は一つ一つは脆いようだが、時間稼ぎの為に島のあちこちに数をばら撒いているようだ。設置したデウスエクス達は封印のある島の地下へと潜って儀式中だろうか。
 後から合流予定だった決戦部隊が壊滅しているから復活の為のグラビティ・チェインは不足している。しかし時間をかければ友軍の壊滅を把握した先行部隊が何かやらかさないとも限らない。
 手早く結界を張るためにか防御結界は道具を起点に展開されているようだ。魔術的に強化されそれなりの強度はあるようだが、ケルベロスの支援も上手く使えば効率よく結界を破壊する助けになるだろう。その事も思考の片隅に置いて、猟兵は防御結界の破壊に取り掛かるのだった。
イクシア・レイブラント
結界に【ステータスオープン!】を使い[情報収集]を試みる。
私は魔法使いではないから結界の解除は苦手だけれど、
この世界には専門家たちがいる。決戦配備:ソーサラーを要請。

あとは現場の指示に従い、壊すだけでいいものには攻撃をするし、
自身の[空中機動]で術者たちの移動をアシストしたりするよ。
後ろからしがみついて運んでも大丈夫かしら?



●解析、解体、破壊
 強大なデウスエクスが封印された無人島、時間稼ぎにデウスエクスが大量にばら撒いた物品から展開された多重結界が島の地下へと降りる道を守っている。
「少し数が多いわね……」
 うんざりしたように言うレプリカントのイクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)、純粋に地下へ向かう道にあるのみでなく島のあちこち、離れた位置から結界を展開する陣もあるようで、全部砕かなければ地下に降りる事は叶わないだろう。
 どれも一つ一つはそう複雑でもないようだが、魔法使いではないイクシアには解除に手間取る位には難しく見える。
 ともあれ、先ずは情報から集めていくべきだろう。
「ステータス・オープン!」
 ユーベルコードを起動したイクシア、すると眼前の結界の情報が浮かび上がってくる。
 個人情報、結界だから個体情報か。その情報を明らかにするユーベルコードで得た情報を、|術式支援《キャスター》の決戦配備の為に同行してくれた術式の解析を得手とするケルベロスに伝えていく。
 得られた情報は結界の弱点、結界の要となる石碑のようなものの位置だ。それをどうにかすればこの多重結界の一部は砕けるようだ。
「後ろからしがみついて運んでも大丈夫かしら?」
『大丈夫ですよ。こういう移動には慣れていますから』
 申し出たイクシアにそう少女の外見――実年齢はイクシアよりも上の、術式の専門家である眼鏡をかけたドワーフのケルベロスが返す。
 因みに危険になったら彼女用のジェットパッカーで猟兵の手を借りずとも緊急離脱する、と割と覚悟は決まっているようだ。
 彼女を抱えサイキックスラスターで空を飛んで要石のある島の東部の地点へと向かうイクシアとケルベロス。そして現場でイクシアの半分ほどの高さの黒い石碑を発見。
 ケルベロスの解析の結果、この石については衝撃には強いが切断には弱いとのことでシンプルに壊して問題ないそうだ。
 そして破壊ならイクシアの出番、大型フォースブレイドの光刃を展開して一閃すれば要石はずれるように上下で分かれ、黒色が灰に薄れると共にその効力を喪失させた。
 他にも多くの場所から結界が展開されているが、このように一つ一つ対処していけば問題ないだろう。
 手ごたえを感じつつ、イクシアは専門家のドワーフと共に次の結界破壊へと向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。



自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
                      プロデューサーより



●結界を砕く歌声
「世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん、ただいま参上」
 晴れた空に見合わぬこの世の終わりのような表情を浮かべた音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)がカメラドローンに向かっていつもの台詞を言いつつポーズを決める。
 超強大なデウスエクスが封印された無人島、悪しきデウスエクスが封印を解こうとしているこの地へ突撃――という企画でやってきた形である。
 鬱詐偽的には恥ずかしい台詞だがこれも番組の為、悪しきデウスエクスと戦う存在であると認知してもらう方が視聴率は上がるからとプロデューサーに言われているので回避できない。
 因みに現時点での視聴率はケルベロスの人気もあってかなり良いようである。
 しかし敵であるデウスエクス自体は地上にはいない。時間稼ぎの多重封印を大量にばら撒いた彼らはとっくに地下へ、それを追いかける為に結界を破壊しなければならないのだ。
「なんでこんなにばら撒いてるのよ……暇人なの……?」
 石や謎の機械、目立つものだけでも相当な数がある島の風景に似つかわしくない物体の数々。どれが結界に関わるものなのか判別して砕いていたら日が暮れそうだ。
 ――ならばもう手当たり次第に壊してしまおう。
 ウサギマイクを取り出した鬱詐偽がユーベルコード【鬱歌『Fall Down』】を起動、
「私は世界から取り残され、世界が落ちていく」
 翼を生やした堕天使のコスチューム姿へと変身した鬱詐偽の周囲が落下――実際は彼女自身が空へ落下しているような形で飛翔し、空から呪詛を籠めた歌声を響かせる。
 その歌声は結界を展開している要石の物品に響き、その魔力を呪詛で攪乱しその機能を破壊。そして耐久限度以上にダメージを受けた要石は自壊、島の地下へ降りる道への多重結界の一部が弱まった。
 無人島とはいえそれなりに広さはあるこの島、全部の結界を破壊するには場所を変えながら歌う必要があるだろう。
 どれだけ歌わなければならないか、げんなりしつつ鬱詐偽は空を飛び次の要石を探しにかかるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

仲佐・衣吹(サポート)
キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから
バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!

お相手するはアタシことネイル
美術好きな女性人格よ

口調はいわゆる女言葉かしら
身のこなしが一番軽いみたいで
接近戦より距離をとってダガーで戦うのが好きよ

よく使う手は
外套を投げつけて囮や目暗ましからの一撃
ルーンソードで戦ってる途中で手放して虚を突き、袖口から隠し武器としてダガー
光属性を付けたルーンカルテを落としといて、タイミングを見て目潰しフラッシュ
こんなところかしらね

アイテムやユーベルコードはお好きに選んでくれていいわ
使えるものは全部使って、華麗に美しく戦いましょ!



●軽やかに、スマートに
「あったわ、ここね」
 黄砂のトレンチコート纏う青年が、無人島の野の背の高い草木に隠れるようにして存在していた要石の前にふわりと降り立った。
 仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)という名の彼だが、今表に出ている人格は女性人格のネイル。
 マジックナイトとしてデウスエクスがばら撒いた防御結界を観察、結界維持の要石を結界に流れ込む魔力の流れを感知して探り当てたのだ。
 どこか女性的な柔らかい印象の仕草のネイルは、発見した要石の一つをじっくりと観察しその急所を見極めていく。
「全体的には闇の魔力……ここが急所かしら? 魔力の流れがキレイじゃないわ」
 見るからに頑丈な魔力を宿す黒い石、しかしその魔力の流れは一様ではなくここを攻撃すれば効率的に壊せるとネイルは分析する。
 デウスエクスの封印が解けるまでそう時間はかからない。ネイルはルーンソードを抜いて光の魔力を帯びさせて、見極めた急所を鋭く突いた。
 衝撃、直後その刺突点を中心に亀裂が全体に広がって要石は崩壊。島の地下へ降りる道を守る結界がまた一つ解除された。
「さあ、急いで片づけていくわよ」
 砕いた要石から魔力が完全に消え失せた事を確認したネイルは、軽やかに無人島の野を駆け結界を無効化していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『破壊竜アベルビジ』

POW   :    巨怪竜の熱線
【喉の奥にある魔力炉】から無限に供給される【大地をも溶かす熱線】を、レベル分間射撃し続ける。足を止めて撃つと攻撃速度3倍。
SPD   :    巨怪竜の靭尾
【尾によるなぎ払い】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    巨怪竜の咆哮
レベルm半径内に【激しい咆哮】を放ち、命中した敵から【戦意】を奪う。範囲内が暗闇なら威力3倍。

イラスト:濱田

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●復活の大怪獣
 要石となる物品や装置は猟兵とケルベロスにより砕かれ、地下へ降りる階段に展開された多重結界の魔法陣は硝子が砕けるような音と共に崩壊、消失した。
 速やかに地下へと降りていく猟兵、島の広さの割には意外と深くまで続くその先にあったのは巨大な地下空間だった。
 その中心にあったキャバリアよりも巨大な黒い塊――黒鱗纏うそれが封印された強力なデウスエクス、ドラゴンの戦士である『破壊竜アベルビジ』。
 周囲には封印を解除する為にやってきた他のデウスエクスの姿はない。封印を解くため、もしくは不足したグラビティ・チェインを補う為に自身を贄としたのだろうか。
『GURUUUU……』
 猟兵を認識した破壊竜が唸り立ち上がろうとする。その声は恐ろしくはあるがどこか弱弱しく感じられ、不完全な復活による弱体化の影響が大きい事を示している。
 しかしそれでも力は強大、破壊竜が立ち上がって天井に頭をぶつけた余波で地下空間の天井が砕け崩落、太陽の光が地下空間に射しこんできた。
 ――かつてこの世界のケルベロスが多数で決死の戦いを挑んだ末にどうにか封印できたこの強大なデウスエクス、弱体化が解除されれば真っ向勝負で打ち勝つことは困難だろう。
 しかし今なら倒す事は可能、ここでなんとしても食い止めねばならない。
 決戦配備の支援も準備はできている。猟兵達は咆哮あげる大怪獣との交戦を開始するのだった。
アイリス・フォーゲット(サポート)
 強きをくじき弱きを護る。アリスナイトとして前衛に立つことが多いがサウンドソルジャーとしても一級品。
「私が護ってあげるから安心して」
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 アドリブ/連携歓迎。エログロはNG。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ハル・エーヴィヒカイト(サポート)
▼心情
手の届く範囲であれば助けになろう
悪逆には刃を振り下ろそう

▼戦闘
殺界を起点とした[結界術]により戦場に自身の領域を作り出し
内包された無数の刀剣を[念動力]で操り[乱れ撃ち]斬り刻む戦闘スタイル
敵からの攻撃は[気配感知]と[心眼]により[見切り]
[霊的防護]を備えた刀剣で[受け流し]、[カウンター]を叩き込む


柄倉・清春(サポート)
喫茶店で働く傍らに暗殺業を営む男
今は特務機関DIVIDEに所属しており二足ならぬ三足の草鞋を履く
強面だが粗暴なわけではなく日常生活では気さく
殺しの関わる仕事の時は途端冷徹になる

暗器を交えた肉弾戦と中距離からの牽制・奇襲を好む
戦いに流儀を持ち込まないのが流儀
搦め手、揺さぶり、闇討ち、あらゆる手段を用いる
生物の急所を熟知しており、異形と戦う際も経験則に基づき攻撃箇所を決める
身に宿した悪魔の力は奥の手

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用
多少の怪我は厭わず行動し、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
依頼の成功のためなら汚れ役を担う事も
自身が性的な行為を行うのはNG


シェーラ・ミレディ(サポート)
※OK:シリアス
※NG:エロ、ネタ、コメディ、心情系
※傭兵的なスポット参戦

称号通り、僕の身体を維持するための金儲けと、弱者をいたぶる醜い行いが許せぬ義侠心が行動指針だ。
美しいものは愛でるべきだが、恋愛には結びつかないなぁ。
性格ブスは醜い。見るに堪えん。

複数の精霊銃をジャグリングのように駆使する、彩色銃技という技(UC)を使って、敵を攻撃しようか。
敵からの攻撃は基本的に回避する。が、護衛対象がいるならかばうのも検討しよう。
……嗚呼、僕を傷付けたなら、代償は高くつくぞ!



●破壊竜の大暴れ
 長き封印より復活した破壊竜アベルビジ、完全な復活ではない故にその力は大きく衰えているがそれでも脅威であることに変わりはない。
 眼前の敵を認識したドラゴンが咆哮と共にその尾を振り回し周囲を薙ぎ払う。
 狙いはシェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)、麗しきミレナリィドールの彼は軽く舌打ちをすると薙ぎ払いの軌道で振るわれた巨大な黒尾の間合いからダッシュで逃れ、回避する。
 置き土産に四丁の精霊銃を持ち替えながら発砲するが、強靭なドラゴンの鱗は貫けない。ドラゴンの尾は弾丸を両断し軌道上にあった全てを地形ごと切断、破壊する。
 攻撃をかわされたドラゴンの戦士は即座に力強く吼える。その激しい咆哮は敵対するものから戦意を奪う強烈な威圧、空が見え日が射す今の戦場ではその効力を最大には発揮できないが、それでも敵対者に死を感じさせるには十分すぎる程だ。
 しかしDIVIDEにも所属するシャドウエルフの猟兵、ハル・エーヴィヒカイト(閃花の剣聖・f40781)はビリビリと竜の咆哮の振動を感じながら殺界を展開、内包された刃を念動力でアベルビジに発射し遠間から斬撃を叩き込んでいく。
 強力な竜鱗は簡単には貫けないがそれは囮、同時に放った黒剣を操り破壊竜の取り囲むように配置していく。
 咆哮したアベルビジの胸部、喉の奥にある魔力炉の光が肉と鱗を透かして赤く輝く。そして次の瞬間、ドラゴンの口腔から猟兵めがけ熱線が放たれた。
「あっぶねえな!?」
 その一射を咄嗟に特務機関DIVIDE所属の柄倉・清春(悪食子爵・f33749)は回避する。しかし足を止めた破壊竜から放たれる熱線は高速で、ほぼ間断無く薙ぎ払うように周囲を高熱で溶かしていく。
「私に任せて」
 その熱線を躱しつつ、戦闘鎧を纏い光翼広げた青髪のヴァルキュリア、アイリス・フォーゲット(小鳥の止まり木・f43246)が宙を舞い、アベルビジの頭部付近に近づくと『ダークジャベリン』を投擲する。実体を持たぬ闇のエネルギーで構成された槍は竜の顔面に命中、頑強な竜の鱗を侵食し崩していく。
 顔を狙われた破壊竜は怒り熱線の標的をアイリスに定める。大地をも溶かす熱線――魔力炉から無限に供給されつづけるそれは、足を止めている今はほぼ途切れることもなく発射され続けている。アイリスを撃ち落としたなら竜は頭部をぐるりと巡らせ周囲一帯を焼き払おうとするだろう。
 しかしその熱線をアイリスは真っ向から受け止める。彼女の纏う鎧は【アリスナイト・イマジネイション】により創造された無敵の鎧、その力に疑念を持たぬ限り無敵の力を発揮する。
「私が護ってあげるから安心して」
 弱き人々を守るために強きに抗う彼女――敵が強大な破壊竜であろうと、打ち破れられてしまうのではないかという疑念はない。
 そして彼女が無敵の鎧で死の熱線を阻み、時間を稼いだ隙に他の猟兵が一気に攻撃にかかる。
「それは自らの罪で編んだ縄。業の檻に繋ぎとめる鎖。刑を下す断頭台の刃」
 四丁の精霊銃を入れ替えながらシェーラが起動したユーベルコードは【戯作再演・厄を転じて害と為す】、かつて暴れ回っていた破壊竜――その身に宿った罪業にて竜を拘束し、同時に精霊銃に込めた怨嗟の弾丸を発射する。
 直接狙えば触れたものを両断する強靭な尾に阻まれただろう。しかしシェーラが狙ったのは周囲の地形、岩で跳弾させた弾丸思わぬ方向から破壊竜の胴に命中、重ねた罪業に比例した威力を宿すそれは頑強なアベルビジの鱗を貫通しダメージを刻み込む。
 罪業による拘束で破壊竜の動きが停止した瞬間、機とみたハルがユーベルコードによる攻撃に転ずる。
「この刃は我が後悔の具現――集いて喰らえ、殲びの黒剣」
 既に下準備は整えている。あとは起動コードを紡ぐだけ。
「―――滅ッ!!」
 その言葉を合図に【絶剣・無想滅華】が起動。瞬間、黒い剣に包囲された空間に極光が降り注ぐ。
 極光が咲かせるのは刃の花、空間を埋め尽くす刃の群れが黒き竜鱗を切り裂き悪逆を刻んでいく。
 そして刃の花の影に隠れながら暗殺者の技量でアベルビジに肉薄する清春、
「手こずらせるなよ……」
 彼は静かに呟くとユーベルコード【穢多腐れ】を起動、アベルビジの懐に飛び込めば、その腹部に異形化した右腕を叩きつける。
 それは腐敗を齎す一撃、頑丈な竜鱗はおろかその内側にある内臓まで腐らせる強烈な攻撃にアベルビジが絶叫して、巨体を暴れさせ周囲を踏みつけ尾をのたうたせた。
 周囲一帯を破壊するドラゴンの反撃から清春はなんとか逃れつつ、降下してきたアイリスと合流しつつ、ハルやシェーラのいる位置まで後退した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

イクシア・レイブラント
巨大な身体はそれだけで武器になる。みんな、気をつけて。
デコイドローンを広域展開して巨怪竜の全体像を常時[|情報収集《モニタリング》]して[瞬間思考力、戦闘演算、弾道計算]。
[煌めきを纏う、おびき寄せ]しつつ共に戦う仲間たちと[情報伝達]し、物理攻撃や熱線に巻き込まないように立ち回る。
[空中機動]で攻撃を避け【最大稼働】で飛翔。
[推力移動]の勢いを乗せて巨怪竜の全身を大型フォーブレイドで[武器巨大化、なぎ払い]。
怯んだところに決戦配備クラッシャーを要請して畳み掛けるよ。



●巨怪竜切り裂く緑刃
 完全な復活でなく弱体化した状態であるとはいえ、破壊竜アベルビジが受けた傷は深い。
 苦痛に暴れ回る、それだけで周囲の地形は崩されてしてしまう程に、ただ動くだけで強力な武器になるのがこのドラゴンの巨体だ。
『GAAAAAA!!!』
「みんな、気をつけて」
 味方に警告しつつ、咆哮をあげながら暴れまわるドラゴンの周囲を飛翔しながら『強行索敵型デコイドローン』を展開するのはイクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)。
「……機体各部、安全装置解除。フォースリアクター、イグニション」
 既に彼女はユーベルコード【最大稼働】を起動、全身を緑のサイキックエナジーで覆う高機動モードの姿はまるで緑の煌めきを纏っているかのようで、高速で飛翔する姿は巨怪竜の注意を惹きつけるには十分。
 鋭く巨大な爪に喉奥の魔力炉から放たれる大地をも溶かす強烈な熱線、更には振り向き振るわれた巨大な尾の薙ぎ払いに至るまでを、イクシアは鮮やかな空中機動で機敏に躱してドラゴンの周囲を飛び回り翻弄する。
 それを可能にするのは破壊竜を包囲するように展開されたドローン、アベルビジの全体像をモニタリングし続けるそれから得た情報を元にレプリカントの頭脳で演算、計算、思考を重ね敵の攻撃を予測し見切っているのだ。
 足を止めて熱線の発射に集中しようがそれも躱す、躱す。サイキックスラスターの噴射に重ね極限まで高まったサイキックエナジーが形成する光翼を広げて複雑な機動で躱し続け、そして竜の熱線がついに途切れる。
 頃合いだと、イクシアの加速した思考は瞬時に判断、大型フォースブレイドから巨大な緑刃を展開しつつ速度を落とさぬまま旋回、アベルビジに向かって全速で滑空、突撃する。
 推力を乗せた一閃――魔力炉の直上、首元の頑丈な竜鱗が深々と切り裂かれ、たたらを踏んで後ろに数歩後退するアベルビジ。
「――決戦配備:クラッシャーを要請、全力を叩き込んで」
 イクシアの要請に島の地上部に展開していたケルベロス達が、天井に開いた大穴より一斉に砲撃。強烈な火力の追撃が破壊竜に襲い掛かる。
 そしてアベルビジを切り裂きその横を通り抜けていたイクシアは再度旋回して竜の背に向かって飛翔、サイキックエナジーで形成された巨大な緑刃を真っすぐ突き立てた。
 その一撃は、破壊竜アベルビジが完全な復活を遂げていたとしても耐える事はできなかっただろう決定的な一撃。胸部の赤き輝きは弱まりそのまま消えて、ドラゴンの巨体は轟音を立てて崩れ落ちた。

 封印されていた過去の強大なデウスエクスはこうして猟兵の活躍により無事討たれ、完全復活は阻止された。
 地上で勝利に沸き立つケルベロス、そして特務機関DIVIDEの職員の姿を見上げつつ、イクシアは地上へと飛翔し帰還するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年04月01日


挿絵イラスト