4
月に寄せる歌~新世界の海から

#アイドル☆フロンティア #プレイング受付中 #プレイング募集中

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アイドル☆フロンティア
#プレイング受付中
#プレイング募集中


0




「ああ、哀れなルサールカよ!」「ああ、ああ! 可哀そうに!」
「キスをしてくれ……僕の魂に安らぎを与えてくれ! 貴方の魂に抱かれる幸せに包まれて死のう!」
「貴方の愛も美しさも、移ろいやすい人間のもの……でも、私はそんな人間に命を委ねたの!」
「神よ、彼らの魂を憐れみたまえ!」
 そして王子は息を引き取り、ルサールカは湖に姿を消した。二度とは戻らない。

●レチタティーヴォ
「オペラをご存知でしょうか? 私の世界では、今を時めく最新の文化芸術なのですが……」
 猟兵を招集した月見里見月(幼き彼女の悩み・f27016)は、難しい顔で古びた手帳を捲りながら情報伝達を始める。
「どうやら、かの煌びやかな新世界……アイドルフロンティアでは、むしろレトロもレトロな代物だそうですね、ええ。といえ、滅んでしまっていることもなく……今回の事案はまさにその、オペラにまつわるものです。科の世界の重要なファクタァである"アイドル"の、ひとつ古典的な形式と言えるかもしれません」
 レトロロマンをそうとは思わずに生きて来た彼女にとっては難解な概念だったが、それでも懸命に理解しようと努力しつつ、話題は予知の内容へと移る。
「演目はアイドルフロンティア仕様にポップにアレンジされたドヴォルザークの『ルサールカ』。童話の人魚姫の原案、と言えば分かりやすいでしょうか!」
 湖に住む水の精霊、ルサールカが人間の王子に恋をし、魔女の力によって人間の姿に転じて彼と近づいた。だが魔法の誓約によって喋れなかったルサールカは次第に王子の愛を失い、王子は遂に心変わりしてしまう。
 ルサールカにかけられた呪いを解くには、彼女を裏切った人間の血が必要だ。ナイフを手に王子に近づくルサールカ……だが彼女は思い人を手にかけることができず、彼女を追って湖を訪れた王子は全ての真相と自分の罪を知る。絶望に陥った王子は死をもたらすルサールカの口づけを求め、最後にはルサールカもそれに応えた。そして、孤独に湖の底へと消えゆく……。
「うぅぅん……悲恋です、ビターです、バッドエンドです!」
 ひとしきり感情を吐露する時間を取った上で、グリモア猟兵はケホンと咳ばらいをして話題を先に進める。
「このオペラの見所は、何と言ってもソプラノ、主人公のルサールカ。歌唱で構成されたオペラにあって、声が出せないという矛盾した存在を演ずることが、どれだけ難しいか!」
 それゆえルサールカの役として選ばれる事は、オペラ歌手の栄誉の一つでもあるのです! と前置きした上で、今回の問題はそこにあるという。
「同じ分野で複数の人間が競い、一人が勝って一人が負けるのなら、そこに強い感情が渦巻くのは当然です。同期の歌手との競争に敗れてルサールカの役を逃してしまった魔女役の方は、『トスカ』もかくやという嫉妬の炎に焦がれています。予知によればそれによって、彼女を根源とした骸の海が発生。ステェジが危険に晒されます!」
 それを食い止めるのが、猟兵としての君たちの務めだ。
「入り込めそうな役は、猟師や料理人、それか木や水の精霊でしょうか。劇の演出にそぐう振舞いをしつつ事態に対処して頂きたいです。更に、会場は躯の海の発生とユゥベルコォドの域にまで達したルサールカ役の演技によって、ルサールカの舞台に対応した環境……つまり水中に近い状況になることが予想されます! そちらもご注意のほど!」
 何処からか取り出した黒板に、「水!」という文字をどでかく書き込んで、それを幾重の〇で囲む。
「文字通りドラマチックな勢いで展開する水中に適応して作戦を遂行するには、ルサールカ役の方の演技に合わせる事も肝要だと考えますよ。それでは、そろそろ転移を開始致しますっ!」
 ショー・マスト・ゴー・オンですとも! という一声で送り出されたその先では、サイリウム(とオペラグラスがちらほら)に見守られる静寂の中。今まさに一人の人魚が湖面から顔を出し、遠くに見える王子を見据えているところだった。


眠る世界史教師
 お疲れ様です。眠る世界史教師(バリトン)です。
 20世紀ヨーロッパを生きた人々のオペラに対する熱狂ぶりは、まさしく狂気的なものだったと言われています。今やかつての情熱は失われて久しいですが、新世界のアイドルとそのファンの力を借りて、本格派のオペラを追体験してみましょう。
 第一章は日常です。ルサールカと王子が出会うシーンですが、既にオブリビオンによる悪影響が生じており、水中という特殊な環境が演者や観客に危険をもたらす可能性があります。水の流れを治め、水中行動を助けるルサールカ役のユーベルコードの力を借りて演劇を前に進めましょう(ちなみにルサールカ役はほぼ完全に演技に没頭しています。天才!)。
 その後、第二章は集団戦、第三章はボス戦となります。当世界共通のファンの心を掴むプレイングに加えて、水中に対応したもの、ルサールカ役のユーベルコードを活用したものに高ポイントを差し上げたいと思っております。以上のこと、よろしくお願いします。
14




第1章 冒険 『アイドル☆コラボレーション!』

POW   :    コラボレーション☆パフォーマンス

SPD   :    コラボレーション☆ハーモニー

WIZ   :    コラボレーション☆トーク

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 湖の精霊が楽しく遊び回り、或いは人間たちが各々の仕事に興ずるステージの中心で、ルサールカを演ずる歌手、[銀月・リアナ]。過去の文化となったオペラの世界に現れた新星は、白いドレスに身を包んで完全に湖の精霊になりきっていた。アイドルの世界ということもあってその服装は伝統的なものよりやや華美だが、それでもなお、今の彼女は哀れな波しぶきだ。

「ああ……月よ消えないで、どうか消えないで! 私の魂が呼んでいると伝えて、夢にその姿を映し出すように!」

 アイドルステージでは第一幕にして、ルサルカの物語を彩るエッセンスとなる絶唱『月に寄せる歌』の旋律が響き渡っている。湖面を揺蕩う波でしかない彼女は、愛する王子にその存在すら感ぜられていないことを冷たい水の中で嘆き、彼に抱きしめられることを願う。
 彼女の涙を表すかのように、アイドルステージの一部が冷たい湖水で満たされ始めた。他の演者は溺れたりするどころか、それに違和感を覚えた様子すらない……銀月のユーベルコードが無意識にその効力を発揮しているのだ。
 舞台が真の意味で完成しつつある今が好機だ。この物語の中に飛び込み、これから展開する予期せぬ即興劇に備えるのが良いだろう。
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎

「助力しよう儚き歌唱姫を…叶えよう“召喚獣”の本懐を!願え、祈れ…」
『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』を起動して水の精霊を演じながら浮遊して近付きパルス波長で「声はいらない思念で十分だ、助力する願いを…」とルサールカ役に伝えて願い祈る度に姿を現し必要な時以外は姿を消して劇を盛り上げます。
更にファンネルビットを泡や筏に変型させて出演者や観客たちにも盛り上げと救助をしつつ、応援に応じた支援を行ないます。
“召喚獣”のティティスは使役され協力に応じる事こそが本懐なので普通に満足気な微笑みを振り撒きます。

他の猟兵の要望にも必要に応じた対応に可能な応対をします。



「波をゆりかごに生きてきたお前が、人間の魂を求めてはいかん! 罪に満ちた、穢れた魂!」
 ルサールカの、全ての水の精霊の父は、ルサールカが王子の愛を求めることを許さない。彼らは太陽の下ではなく湖の底で、来るべき死を待つこともなく、ただ存在し続けなければならない。ルサールカの求めたことは、彼らの存在を根底から否定してしまう代物だった。
 精霊の父は心からルサールカの身を案じ、その愛をまやかしだと否定しようとしている。純粋な善意、親心によって父が言葉を発する度に、水はより冷たく、より暗くなる。彼女の心に生まれた情熱を圧しこめ、湖の奥底で凍てつかせるかのように。
 ティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)は周囲を遊び回る水の精霊の一員となって、ふよふよと浮かびながらそんな二人の様子を見ていた。アストラル・エレメントによって構成される彼女にとって、波長を操って自分の姿を自在に変えてみせることなど児戯に等しい。現れた猟兵たちを早くも脅威と見なしたのか、強く冷たい波が襲い来るが、その脅威がティティスを捉えることは決してない。あくまで波しぶきとして振舞いつつ、時折その波にさらわれそうになる演者たちを見つけては、その手の動きによって自在に動き回る泡が身体を包み、筏が波を乗り越えることで、決して彼らに危害が及ばないようにしている。
 ルサールカの力は弱まっていた。月の光は雲に隠れてしまい、彼女の思いは決して許されるものではない。例えそれが台本通りであっても、そうであるからこそ、リアナの心を震わせる。人間の心は移ろいやすく、不確かだ。ルサールカは、そしてリアナは、それをよく理解していた。

『しかし、貴方は識っている。』
「|でも、愛にも満ちていますわ!《A plna lásky!》」

「人間には魂があるの。死んで無に帰す時、湖の底ではなく、空の彼方へと羽ばたいて往く、自由な魂が!」
 ルサールカは再び露わになった月を仰いで、そう叫んだ。その光は先程よりも明るく、神秘的な輝きをたたえている……音楽家が鍵盤を操るようにあらゆるパルスを操る召喚獣にとって、光の演出は最も得意とするところだ。それと同時に透明なままルサールカの脳へと語り掛け、その思いを後押しする言葉をそっと紡ぐ。ルサールカが強く願うたび、召喚獣はそれに応えた。|独唱《ソロ》でありながら|重唱《アンサンブル》……現実を超越した新機軸のアリアが、凍てついた湖面を再び暖め始める。
「私は彼と共に生き、そして死ぬことを望んでいるのですわ!」

『儚き|歌唱姫《プリマ・ドンナ》よ、貴方に助力しよう。私もそれを識っている、人間の素晴らしさを識っているから……強く願い、祈れ。湖面の向こう側へと!』
 蒼いサイリウムとオペラグラスを二刀流した破天荒な観客の群れが、息を呑んでいるのが分かる。この世界における一般的なアイドル・ステージのそれとは大きく様子が異なり、彼らは歓声と身振りによってその感情を露わにすることはないが、それでも彼らがリアナの演技をどう思っているかは明らかだ。勿論、その後押しをする小さな泡には気付かない。
 人間への奉仕を至高とする者の見えざる手によって、舞台は着々と整えられつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユウ・リバーサイド
オペラ作品をちょっとでも齧っててほんと良かった!
(内容を思い出しつつ)

けど…ステージ力で骸の海がオブリビオンとして実体化されるとはいえ
大量の水が現れるってのは…
それだけ彼女がルサルカ役を切望してたってことか
俺も役者の端くれだから、気持ち、分からなくもない
絶対、救わなきゃな(ぐっ)

水に纏わる都市伝説を召喚し
水中機動と水中呼吸の助けをこの舞台の間は借りるよ

お付きの猟師の衣装に早着替えしたら
舞台に上がろう
ダンスで鍛えた体幹で水の流れを味方に
僅かな出番でも印象に残る所作を
白い雌鹿の姿に畏怖を覚え静止する声を
神に王子への加護を祈る歌声をステージに響かせて

さてこの後の|即興劇《インプロ》に備えないとね



「まさか、オペラが始まるなんて……!」
 ユウ・リバーサイド(Re-Play・f19432)は、息せき切ってグリモア猟兵による転移に飛び込み、会場へと辿り着いた。
 その背景は複雑怪奇だが、ともかく確かな事には、彼はオペラに関してある程度の知識を有している。それはかつて彼自身──或いは、彼自身と呼ぶことが可能な存在──にとって特別な意味を持つ相手のために戦った日以来の縁だ。
 一流の演者であり、"騙り手"である彼は知っている。この物語は、死へと向かうことを。それこそが正しい道筋であり、少なくともオペラを超えて事態が展開するまでは、それを守らなければならない。王子は人間の魂を象徴し、それは揺れ動き、移ろいやすい無情さという側面を強く押し出してもいる。その結果として、ルサールカは愛した彼に口づけて死をもたらすことになるのだ。
 互いに死と、それに値する苦しみを与え合う二人。その物語は、彼自身の心に残る記憶と共に僅かな影を落とし──。
(それでも、俺は人を救いたい。例えこれが欲望でしかなく、罰を下されるべき罪であったとしても)
 そう、彼には自身に課した使命があった。それはルサールカの物語を護ると同時に、この舞台で夢破れ、今も岩を模したセットの影で冷たい湖水の涙を流している魔女のためのもの。
 王子は、人間の魂は、無常であると同時に、情熱に満ち溢れている。ルサールカと王子の物語は、悲痛な悲恋を描いたものである反面で、人間讃歌でもあるのだ。

(今こそ、我は語る。僅かに昔、紡がれし双生の赤き花の物語──)
 彼も今ここに、自分自身の情熱によって選択をした。叶うかも、赦されるかも、誰かを傷つけないかも分からない演技を始めるため、『悲しき運命の中、池にて命を断った双子の物語』薔花紅蓮伝の力を借りて、水没した舞台に足を踏み入れる。ユウ・リバーサイド……茶色の衣装に身を包んだ"猟師"は、ホルンを強く吹き、精霊の物語を一挙に人間の物語へと展開させる嚆矢となる。
 筋骨隆々とは言いがたい体つきの彼だが、今の彼はそうではない……少なくとも、そうは見えない。力強く地面を踏みしめ、湖と森とに立ち向かう戦士の佇まいだ。立ち居振る舞いによって、あるものをないと、ないものをあると見せること。騙り手としての彼の才だ。その腕で弓を引き絞れば、きっと大木すら貫いてしまうだろうと思わされる。
「ああ、なんと深い眼差しか。我が矢で射殺すことがあって良い筈がありましょうか!?」
 それでも、神聖なる存在を前に畏敬の念を抱き、必死に王子を止めようとする。誰よりも自然と長く触れあい、戦い抜いてきたが故に、彼は自然に対する敬意を忘れない。今のユウ・リバーサイドは、どこから見ても歴戦の狩人そのものだった。舞台にとっては予期せぬ事態である溢れかえる湖水すら、彼の演技にとって何の支障にもならず、むしろその身体を自由にしている。力強く剣舞を踊るように泳ぎ、しかし決して自らの役を|踰《こ》えることはしない。
 退屈を持て余した王子を制止すると、その前に立って帰路を先導し始めた。勿論、これは水流の影響が王子役の演技を妨げないための措置の一つでもある。
「雌ジカはおりませんでした。王子、どうかお待ちを! ああ、神が殿下の魂を救ってくださいますように!」
 彼に与えられた最後のセリフは、奇しくもルサールカが物語の終わりに叫ぶものと重なる。オペラにおいて、魂の救済は神によってもたらされる。
 だが、骸の海、オペラの領域を超えてしまった部分に関しては、そこにいる人間の魂は神以外が救い出すしかない。魔女の魂は誰が救う? ルサールカか、王子か、或いはオペラそのもの──?
(それは、まだ分からない。でも……)
 必ず救ってみせる。
 彼はそう心の中で呟き、舞台の中心から姿を消した。訪れるべき即興劇への備えを始めながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
真剣口調でいくよ

演劇を見るのは初めてだったんだけど…これは、すごいね
うん、これは絶対に成功させてあげなきゃあね

事前に【情報収集/情報検索】でドヴォルザークの『ルサールカ』について調べて、詳細な話の流れやこちらがやるべき役柄・台詞を確認しておくよ

アイドルステージでは、自前の【水泳/水中呼吸/水中機動/水中戦】技能と銀月ちゃんのUCによる支援によって、水中でも問題なく行動するね
UCで高められた【演技】力で木の精霊役を演じるよ

UCは『クローネちゃんの愛用品★』
【演技】を100レベルにするよ



「ルサールカは湖に消え、二度と戻らない……」
 クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)は、水柱に包まれた舞台を俯瞰しつつ、ここに着く前に調べたこの演劇の内容を反芻していた。
 後期ロマン派の雄であるドヴォルザークの作品は、現在古典的なオペラの一つとして見なされている。アイドルフロンティアの影響で多少シナリオがブレていると言っても、積み重ねられてきた伝統は明確だ。彼女は容易に、水精の悲恋とそれにまつわる物語を知ることができた。
「演劇なんて、見るのは初めてだったけど……これは」
 そして、今彼女の目の前に、本物のドヴォルザークがある。或いは多少"超現実的"な部分はあったが、舞台は神秘的な冷たい湖としての輝きを湛えていた。
「絶対、成功させてあげなきゃね」
 躊躇う事もせず、演技と情動が形を成して波打つ舞台に足を踏み入れる。元より不定形生物である彼女にとって、水中であることはさしたる枷にはならない……当然、そこで演技をするにあたっても何の問題も無い。
「水の父さんのお嫁さん? そんな人居るの?」
「あなたのために、水を泡立て、髪をとかして、ベッドを仕立てて?」
 オペラというより、ミュージカル的に、楽しげに歌い踊る。森に住まう無邪気な木の精として、彼女の舞台は始まった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

熊ヶ谷・咲幸
なりたいものを目指していて、なかなか身を結ばない辛さはあたしも分かる。だから、魔女さんを助けないと!
「ワカメだろうと昆布だろうと何でもやります!(※湖に海藻はありません)」
結局、木か水の精霊あたりで入り込む

ルサールカ役の彼女の演技に呑まれ現実世界と錯覚してしまう。そして、役ではなく咲幸として行動してしまう
「そんな悲しい顔をしないでルサールカ〜!あたしはあなたの恋を応援するわ〜!お父様が何と言おうと負けないで〜」
台本をぶち壊すスタンドプレイだが、UCの効果も相まってリアナや演者達が軌道修正。運命はままならないことの物悲しさを強調するなり、オリジナル展開が足されるなりで劇がなぜかうまくいく方向へ



「つまり、その魔女さんは……人魚のお姫様には、なれなかったんだね……」
 激情と愛情渦巻く、オペラの舞台である。熊ヶ谷咲幸(チアフル☆クレッシェンド・f45195)にとって、果てなき目標への憧れ、それが実を結ばない辛さはごくごく身近に感じられるものだった。その結果が目の前に物理的に展開されているこの状況なら、尚更だ。
「魔女さんを助けないと! ワカメだろうと昆布だろうと、何でもやります!」
 そう意気込んで、そもそもそんな役はないと留められ、結局水の精霊の一人として冷たい湖に飛び出して行った──。

「諦めちゃダメ~~!!! あなたの恋、応援するからぁ!」
 などと、単純に終わることは無かった。
「ルサールカァ~! 王子様のこと、好きなんでしょ!? 絶対なんとかしなきゃ、お父様が何て言っても!」
 オペラ界の新星の演技は、鬼気迫るものであった。感受性豊かな少女が近くに寄って行ったら、思わずそちらを現実だと錯覚させてしまうほど。
 咲幸はなんたらの精霊とかいう自分の職分をすっかり忘れ、熊ヶ谷咲幸として嘆くルサールカの目の前まで飛び出してしまったのだ。
「そうよ……」
 目を伏せていたルサールカは、突如として投げつけられた声に、ゆっくりと顔を上げた。
「月は消えたけれど、私は……私の魂は消えてはいないわ。そうでしょう、姉さん?」
「うんうん!! そうそう、その通り!!」
 オペラ特有の比喩が加わった言い回しに対して具体的にどれほど『その通り』だと理解していたのかはかなり疑わしいが、ともかく彼女はルサールカを全力で応援していたのは確かだ。
 そしてリアナの方も、半分狂気的なプロ意識によって、目の前の異常を異常と見なしてはいなかった。彼女は紛れもなくルサールカであり、話しかけて来るのは彼女の姉妹である水の精霊だ。
「わたし……あの人のところへ行かなければならないわ。魔女のおばさま!」
「そう! 魔女さん! あの人に会わないと!」
「そう、会いに行かないと……一緒に行きましょう? 連れて行って頂戴……私を導いて!」
「行く行く~!!!」
 そうして、一人は王子への思いを遂げるため、もう一人はその辺とは別ベクトルでルサールカと魔女をどちらも助け出すため。本来水の父が担当していたセリフの一部を犠牲にして、二人は泳ぎ出した。湖の奥底、魔女のいる場所へ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『フォビア・ピエレッタ』

POW   :    アイクモ・フォビア
自身の【背中の蜘蛛足の先】を【鋭利】化して攻撃し、ダメージと【何らかの恐怖症】の状態異常を与える。
SPD   :    パイロ・フォビア
【両手】から、物質を透過し敵に【何らかの恐怖症】の状態異常を与える【多数の火の玉】を放つ。
WIZ   :    オフタールモ・フォビア
【視線】を向けた対象に、【何らかの恐怖症を発症させる光線】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:mimizuki

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 舞台は移ろい、第二幕が始まる。魔女から薬を受け取ったルサールカは人間の姿を得て、念願であった王子の傍に近づく事に成功した。
 だが、ルサールカは冷たく口を閉ざし、抱擁すら拒絶する。そうしなければ、魔女の魔法が解けてしまうのだ。
「なぜ君の抱擁はこんなに冷たく、情熱をそんなに嫌がるのだ?」
「なぜ私は、君の腕の中にいながら、不安に震えねばならぬのだ?」
 王子の嘆きは宮廷中が知る所となり、やがて隣国の王女の耳にも触れた。
「この私が望む場所に、他の女が居るのなら。この気持ちは愛などではない、憤怒であり憎悪なのですわ! 二人の幸福など、砕けてしまえばいい!」
 やがて王子は王女の手を取り、口づけをする。ルサールカはそれを黙って見ている事しか出来ない。舞台の上に沸き上がった、冷たい湖の底から。
「哀れな蒼いルサールカ! 人の世のくびきに囚われてしまった!」
 新たな恋の芽生えを祝う華やかなポロネーズが遠くから聞こえる中、ルサールカの悲しみは深い水底へ沈むように、より一層冷たく、重いものになる。

 そして、それを黙って見ているオブリビオンではない。シナリオが谷底に落ち込み、更にルサールカ役が声を出ないためにユーベルコードの効果が薄くなったその瞬間こそ、彼らが舞台を乗っ取るのに最も適した機会。舞踏曲が鳴り響く王宮の書割から不気味な複肢を持つ人形が這い出て、湖の領域を侵そうとし始める。それは王女の怒り、ルサールカの哀しみ、そして何よりも、骸の海の主たる彼女の憎悪が生み出した怪物。
 王子を心配する王宮の人間や、ルサールカに同情する精霊たちを演じ、今は役柄としてこの哀しみに身を委ねつつ、脅威には対処する必要がある。
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎

「劇は劇…なれども物語の中では“現実”、害悪敵だけは駆逐し撃滅する」
『フォビア・ピエレッタ』より放たれるパイロ・フォビアに精神干渉と状態異常を感知して1分先の未来を見ながらエフェクト型ファンネルビットを創造して展開し敵の攻撃をテレポートで空間飛翔して回避しつつリニアロングボウとレーザービームで攻撃を仕掛け、目立たぬ様に“三女神”で敵のUCを封印/弱体化させながらドローンを用いて被害や損壊を防ぎつつ好機を見逃さずにフルバーストとヘラ・エウピションでの全力総攻撃によって派手に劇的な攻撃で観客にも「『悪を挫く願いを!勝利を!』供に」と鼓舞して声援と衆目を集めて強まります。



 この場においては関係性を絡め取らんとする嫉妬を核として生み出された異形の蜘蛛たちは、舞台に恐怖を振り撒く事で演劇を乗っ取ろうと画策している。水柱に包まれたステージへとその複肢を蠢かせ……だが、それによって生じる振動は水を通って舞台の全体へと届けられる。
「劇は劇に過ぎないが……この物語の中では"現実"」
 ティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)は、舞台に現れた闖入者にいち早く気が付いた。波や思考もパルスの一種、彼女にとってそれを察知することは、自分自身の身体に起こった異常に気が付くのと同じくらい容易いことだ。瞳が黄金色に輝き、この先舞台で起こるであろう事態をシミュレーションし、実行に移すまでの過程を、よどみなくこなした。
 王女が怒りを込めて吐き捨てた言葉によって強い光の演出が入ると同時に、展開したビットから光線が放たれる。それは素早く、しかし正確に、舞台を汚す敵の身体を貫いてゆく。
「物語を完遂し、全ての演者の心を救う……召喚獣の本懐を果たしてみせよう」
 無声のルサールカを慈しむように飛ぶ水精は、絶望的な筋書きの中にも何か救いが残されているのではないかという思いを観客たちにもたらした。彼らの意識はより一層舞台へと引き込まれ、その物語の完結を見届ける思念が演者を、そして猟兵たちを強化する。
 ルサールカの物語は、これから始まるのだと。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユウ・リバーサイド
本来なら猟師の出番は終わってるけれど
緊急事態ってことで許してくれよ

異変に気づいて飛び出した形で登場
弓を構える仕草で矢の代わりに
ハートを放ち心眼で見抜いた急所を貫いていく

引き続き水中での助けを借りつつ
軽技の動きで魅せ、残る敵に一気に近づき
蹴り倒していく

敵UCによって元々潜んでいた「大切な人々を傷つけること」への恐怖が再発
過去の過ちを思い出し、体が竦みそうになる
でも

歌声に自身の恐怖心を重ね響かせ
鼓舞の意志込めたダンスを交え
聴衆の応援を集める

王子
自然とはこのように恐ろしいものです
怯えるのも当然
なれど
殿下の情熱は失われたのですか?
本当の恐れとは
呪いとは
己の罪の自覚であり
喪失だと
いつかお気づきください



「猟師の出番は、第一幕でとっくに終わってるけど……仕方がないか」
 先程作り出した衣装に身を包んだまま、"狩人"は再び舞台へと姿を現わす。複雑化する人間関係がダイナミックに描かれるこの場面では、先の幕よりも激しい動きを違和感なく演じることができた。強弓を構える仕草が、ユーベルコードと舞台の力によって本当の矢を生み出し人形の急所を的確に貫いてゆく。
「ああ、この人の眼差しが、私の心を少しく乱していたようです……宴の主として、王女、貴方を歓迎しなければ」
 場面はルサールカの態度に恐怖を覚えた王子が、異国の王女の手を取るシーンだ。そのまま二人は広間へと消えて行き、残されたルサールカは一人池のほとりで涙にくれる。
 王子の恐怖が、オブリビオンの蠢かせる肢の震えによって増幅され、舞台の全てを支配しようとする。
(大切な人々を傷付ける、恐怖……かつて俺が囚われていたものだ)
 震える手を必死で抑え、ユウ・リバーサイド(Re-Play・f19432)は再び弓を取る。今は王子の従者として、華やかなりし舞踏会の音に負けぬ力強い声と踊りで、舞台の一角を我がものとした。
「王子、怯えているのですね。それも当然でしょう、若き人よ」
「ですが、お忘れなきように。本当の恐れとは、呪いとは、己の罪の自覚であり……喪失だと、いつか知る時が来るでしょう」
 ルサールカという演劇が描き出す人間の本質は、情熱だ。それは無軌道で、信頼を置くには少し不安定な感情。だが、決してそれを悪しざまに描いている訳ではない。それはあくまで人間らしさでしかないのだ。
 だから狩人は叫ぶ、王子の恐怖を振り払うように。彼の情熱は、絶える事はないのだと。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
真剣口調でいくよ

ある程度予想はしてたけど、やはりこのタイミングできたね
役を演じながら戦うのは正直骨だけど…やるしかない、か

自前の【水泳/水中呼吸/水中機動/水中戦】技能によって、水中でも問題なく行動するね
【化術/変装/演技】で役を演じながら戦うよ

UCは『ワタシの内部破壊拳』
敵の攻撃は【第六感/見切り/身かわし/水中機動】で可能な限り避けるね



「第二幕……やはりこのタイミングを狙って来たね」
 ルサールカは静寂を保っている。第二幕において、主役たる彼女が言葉を発するシーンはごくわずかしかない。歌唱によって効果を発するユーベルコードは力を失い、舞台の波は荒れ始めていた。
 この場面を狙って敵が姿を現わすことを、事前に演目の流れを把握していたクローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)は予測していた。切った張ったが繰り広げられる冒険活劇のような代物ではないルサールカの舞台において、役柄を演じながら戦闘をこなすのは容易ではない。だが、アイドルフロンティアの流儀に従って、彼女はあくまで風の精霊として、徒手のまま敵への対処に踏み切った。
 不気味に紅く輝く薔薇のツルが覆い尽くそうとしていた王宮のセットに果敢に泳ぎ寄り、振るわれる肢を神がかり的な直感で避け、踊るような動きのまま攻撃を加え離脱する。尋常ならざる魂を大量に取り込んだ彼女にとって何かを演じる事は日常に寄り添った行為であり、ルサールカの物語を保ったまま、侵略を試みる人形たちを蹴散らしていた。
「月が……月が見えませんわ……私の心は空っぽになってしまったの!」
 舞台が進行し、ルサールカが人のいない湖で嘆きの声を上げ始める。物語は佳境に近づきつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

熊ヶ谷・咲幸
ルサールカが可哀想……何とか、何とかする事はできないの!?
「ああもう、こんな時に魔女さんの手先が! はっ!もしかしてルサールカを亡き者にして、あの声を永遠に自分のものにしようとしているのでは?」
勝手な憶測で色々と口走りながらも、蜘蛛足の攻撃をなんとか掴み取り、【びったんびったん】で振り回す

「ルサールカ! 魔女さんのところに行きましょう!ルサールカを狙っているということは、声が戻ってしまうと魔女さんに不都合なことがあるのかも。もしかしたら、そこにヒントがあるかもしれないわ」
台本にないかもしれないけど、リアナさんと魔女役の人と対決させることで魔女さんの心の壁をこじ開けられるかも



 基本的にルサールカの物語における役柄を演じきっている猟兵たちの中で、言葉を選んで説明するならかなり異彩を放っている赤い少女が水中を駆ける。彼女、熊ヶ谷・咲幸(チアフル☆クレッシェンド・f45195)は水の精霊を演じているが、魔女の手先と見なした人形兵たちを片手で掴んで水の抵抗をものともせず振り回している姿は、良く言えば嵐か火山あたりの精霊と言った方が適切な気がする。それでもオペラの古典性を重視する観客から非難の眼差しで見られてはいないのは、彼女が幼少期から動物たちと触れ合ってきたために、人間のしがらみから解放された超自然的な存在を思わせる振舞いが、演技にならぬ演技を自然に成立させていたためかもしれない。或いはもっと単純に、何よりも情熱を持ってこの演目に取り組んでいるのが分かるせいか。
「ルサールカ! 湖に帰るにはまだ早すぎます!」
 湖のほとりで黄昏ていたルサールカに向けて、姉が声をかける。シナリオにおいては人間と触れ合いその魂を知ったルサールカは姉妹の水の精霊からは排斥される存在となるのだが、そんなことは当然お構いなしだ。
「姉さん……?」
「ここは危険です、魔女さんの手先がやって来ます! 狙いは貴方かも」
 未だぼんやりとしている白いドレスの手を優しく取って、水の精霊は彼女を導こうとする。
「魔女さんの所へ行きましょう。ひょっとしたらルサールカ、貴方と彼女には何かが……なにかがあるかもしれません!」
「魔、女……」

 この異常事態にあっても完璧な演技を続けていたルサールカ役の瞳に、僅かに理性の瞳が灯った。脳を過る記憶は、役を選抜するオーディションのもの。
 彼女は実力でルサールカ役を勝ち取ったのだ。その代償は、彼女以外が支払っている。

「貴方の声を返してもらわないと……ひょっとしたら魔女さんは、声を返さないつもりかも」
「そう……ね。私……あの人に会いに行かないと」
 シナリオに沿った決断だ。ルサールカはこの後、第三幕にて魔女と再び見える。ただしそれは物語の本筋ではなく、呪いを解くためのナイフを渡されるシーンだ。
 だが、果たして今の魔女が、ルサールカの呪いを解く手段を与えてくれるものだろうか?
「一緒に来て頂戴……姉さん。私……伝えないといけないことが、あるかも」
「お任せっ!」
 ルサールカのか細く、震えた声を聞き届け、水の精霊はその手を強く握って泳ぎ出した。道中に待ち構える実体化した王女の情念を派手に吹き飛ばし、オペラは予期せぬ|終曲《フィナーレ》へと移行する。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『LOOK・AT・ME』

POW   :    私を見て
【羨望と嫉妬で狂った眼差し 】で射抜いた対象を【視線固定】の状態異常を付与する【モザイク】で攻撃し、着弾点からレベルm半径内の仲間を【夢が叶った光景を見せる幻】で回復する。
SPD   :    私を見て
【羨望と嫉妬で狂った眼差し 】で射抜いた対象を【生きる気力を奪う呪いの言葉】で攻撃し、着弾点からレベルm半径内の仲間を【夢が叶った光景を見せる幻】で回復する。
WIZ   :    私を見て
【羨望と嫉妬で狂った眼差し 】で射抜いた対象を【あらゆる光を消し去る闇】で攻撃し、着弾点からレベルm半径内の仲間を【夢が叶った光景を見せる幻の爆発】で回復する。

イラスト:瓜子

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は日輪・黒玉です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 第三幕。ルサールカは再び、湖の魔女を訪ねる。人間であるにも関わらず青白く、冷たい肌を持ったルサールカの姿を、魔女はあざ笑って言う。
「全ての人間は追放者なのさ。自然から外へと追いやられた、哀れでちっぽけな存在さ」
「魔女様。私は未だ、呪われてありますわ」
 演劇は未だ続いている。リアナはルサールカだったが、彼女のセリフはルサールカとしての脚本に指示されたものではなかった。
 その言葉は、一人の演者として魔女を演じる仲間に向けたものだ。
「私たちは皆、呪われているのです」
「呪い! 魔女の呪い! 何であれ、全ての不幸を魔女の呪いのせいにする気なんだね! 生意気な小娘!」
「あんたの呪いは……あんたが、私から奪って行ったものなのに! あんたは今も、輝くスポットライトの中心にいるのに! それすら呪いだと言うんだね!?」
 魔女を演じる彼女も、リアナに敗れたとはいえ、その地位を争う立場にあった人間だ。演者としての実力は申し分ないものであったと言える。
 それ故に……人間を憎む魔女の役柄とシンクロしてしまった彼女は、折れた夢への思いをより過激な形で"演じる"ことになった。
「呪いあれ……災いあれ! 裏切られ、呪われた女よ! あんたにナイフは必要ないだろうさ、いずれにせよ……ルサールカの物語は、消えゆくあんたの姿と共に終わるんだからね!」
 魔女のローブが露わになり、中から単眼の怪物が姿を現わす。この舞台の異常の元凶、骸の海より現れ出たオブリビオンだ。それは全ての視線、全てのスポットライトを己のものにしようと、凶悪な視線を舞台中に彷徨わせる。

「白い雌鹿、私の雌鹿よ! おとぎの姫、物言わぬ我が残響! ああ、どこへ消えてしまった? 私の目の前に姿を現わしてくれ!」
「誰があの子を裏切った!? 浅ましく愚かな人間が! 私の子、ルサールカを絶望へと落としたのは誰だ!」
「赤い血を流すんだ! 人間の血、人魚の血、どっちだって変わりゃしない! アハハ、アハハハ!!」
 ルサールカを探しに来た王子や怒りに燃える水の精霊たちも舞台に上がり、湖が嵐のように渦巻く舞台に想いと歌声を交錯させる。
 もはや舞台は元の姿を完全に失い、混沌の様相を呈していたが……|重奏《アンサンブル》はオペラの終曲を飾る欠かせない要素だ。
「……|即興曲《kadence》」
 ルサールカの冷たい唇から、泡と共に言葉が漏れる。人間の限界を超えているのではないかと思われる程の高音によって紡がれるメロディが、舞台上の演者たちの歌声を纏め、同時に舞台に満たされた潮の流れを鎮める。

「あと、一曲だけ……フィナーレまで、お付き合いくださいな」
熊ヶ谷・咲幸
いよいよフィナーレ……ここがいちばんの頑張りどころ
「なりたいものになれない辛さ……あたしも分かるよ」
人並外れた力で人並みに生活するのもままならなくて、人を避けて生活していたあたしと、ちょっと違うかもだけど分かる部分はある
「アイドルになってからも失敗ばかりだけど……それでも、あたしはあたしに元気と希望を与えてくれた人みたいになりたい。例え、一番星を掴めなくても!」
ここで名乗り
「掴め、希望の元気星!チアフル⭐︎クレッシェンド!」
視線は根性で耐えつつ、魔女役の人の名前を呼びかけ近づく
「だから、貴方も貴方だけの人に感動を与えられる役者さんになれるはずです!」
そしてUCでギュッと抱きしめる



『人間は他人の血で手を染め、真っ赤になって喜びを感じる……』
 地の底から響き渡るような怨嗟に満ちた歌声が、湖を揺らしている。
『誤った流血の情熱に酔いしれ、総てを巻き込んで破滅への道を突き進むのさ。そうさ! それこそが人間だ!』
「レイラ……」
 人魚は哀しみの満ちた声を漏らし、目を伏せた。今まで切磋琢磨して来た劇場の戦友は、スポットライトを求める怪物になり果てた。
 ルサールカにおける"魔女"は人間の情熱、その負の側面を象徴するキャラクターだ。彼女は人間を嘲り、それに近づこうとするルサールカを蔑む。
『人間として産まれた私が、今更人間として生きることの、何がおかしいんだい!? この湖を染め上げて、それから……一人きりの舞台を手に入れる、そうしないと!』
「いいえ、そんなの間違ってます!」
 真っ先に飛び出したのは、熊ヶ谷咲幸(チアフル☆クレッシェンド・f45195)。舞台の袖を蹴って、そのまま魚雷のように湖を突き進む。
 先程から目立っていた彼女に向けられる視線は多い。それは視線を渇望するオブリビオンからの注目をも浴びることを意味し、そのユーベルコードによる攻撃は当然、その身体へと集中して突き刺さることになる。
『あんたも……薬が欲しいのかい? なりたい姿になりたいんだろう。何を差し出す? 声か、それとも顔か……』
「何かを投げ出して、誰かを傷付けないと夢は叶えられないなんて……それが人間だなんて、そんなことは……」
 多くの視線に拘束されて、水の中で瞬時身動きが取れなくなってしまった彼女だったが、それを──
「ないんです~ッ!」
 根性で跳ねのけた。
 演劇の舞台では人の情動が怪奇現象を呼び起こすと言われているが、彼女のそれはやや異なったベクトルだ。
「あの人は教えてくれたんです、例え一番星を掴めなかったとしても……それでも、人は何かになれる! 輝かしい自分の姿を、きっと実現できるって! だから貴方にも、絶望に負けて欲しくありません! レイラさん!」
 リアナのユーベルコードによって操られた潮の流れが、彼女を後押しする。勢いに乗った彼女は再び突進を開始し、その手がついに歪に繋がった怪物の身体を捉えた。
「掴め、希望の元気星! チアフルゥゥ、クレッシェンド!!!」
 そのままユーベルコードを発動して、観客や他の猟兵に危害が及ばないよう押さえつける。怪力で舞台が震え、情動は波となって湖を揺らした。
「きっと戻してみせます、貴方がもう一度、貴方だけの、人に感動を与えられる役者さんになれるように!」
 魔女の細い体を抱きしめ、決して離さないという覚悟を顕わすかのように叫ぶ。その声が、オペラの旋律へと融けて行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎

「私を見てだと?我褒めでも自惚れでも迷惑千万でしかない…駆逐し撃滅あるのみ」
『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』を起動して1分先の未来を見ながら精神干渉攻撃に対して召喚獣であるティティスは命令や指示を受けての行動なので誰かの夢や希望を元に行動なので召喚主“命令者”が存在しての存在なので、今はただ『演劇を完遂させる事と大団円を迎える』事に注力して死力を傾けます。
ファンネルビットを創造して展開しリニアロングボウとレーザービームで攻撃を仕掛け、敵の攻撃をテレポートで空間飛翔して回避しつつ透明化と視聴嗅覚を阻害を駆使し敵主力にフルバーストで全力総攻撃をします。



「舞台にあって、自分ただ一人だけを見て欲しいだと? 迷惑千万でしかない……」
 技術に身を包んだ召喚獣たるティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)は、無論多くの人間の手助けをし、その希望を叶えることを行動原理の一つに据えている。
 しかし……或いはだからこそ、「自分だけを見て」という演者の素朴にして邪悪な願いは、彼女にとっては受け入れがたいものだった。彼女の手は、どんな人間にも等しく差し伸べられなければならないのだから。
「Miláčku, znáš mne, znáš……」
 ルサールカ、リアナの紡ぐ歌は高調を迎えつつある。観客たちからの期待も膨れ上がり、その意思はそのままティティスの力に還元された。舞台に投げ入れられた光の輝きが彼女の周囲で成形され、その動作を補助するビットとして顕現する。
「アストラル・エレメント・トランスフォーメーション、起動」
 ニューロンが繋がり、感覚器官の動作が何倍にも膨れ上がる。舞台の全ての情報を掌握した彼女の眼には、未来すら実感を伴った予測として見えていた。
 怨嗟と共に紡がれる歌と全てを縛り付ける視線を躱し、或いは透明な水に融けるように隠れ、悠々と舞台を泳ぎ回る。
「|私の金色の髪を見て、そこにホタルが降りて来る《Mám, zlaté vlásky mám, svatojánské mušky slétají se k nim》」
 水の精霊は歌を口ずさむ。"金色の髪"を持つ少女の周りを燐光が飛び交い、メルヘンな舞台により一層の幻想を添える。それが幻想とは正反対の技術によって生み出されていることは、観客の予想の及ばないところだ。
 歌劇としてのスタンスを崩さないまま、拘束されて動けなくなっている魔女のオブリビオンに向けて光弾による一斉射撃が加えられた。
「全ては、演劇の完遂……大団円を迎えるため」
 召喚獣は踊る。透明で純粋な目的意識に導かれるままに。

大成功 🔵​🔵​🔵​


--------------------------------------
※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「相原きさ」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
--------------------------------------
 
モリガン・フォーゲル(サポート)
ぼくの事を簡単に説明すると大道芸妖精 兼 戦争の女神だよ。

普段は明るい事大好き!大道芸をしてみんなを楽しませたり、みんなの笑顔を阻むものに対してパフォーマンスを混ぜながら派手にやっつけるよ。

だけど、ぼくは女神モリガンの名を受け継いだ者でもある。煽りがいのある戦争が、もしくは愛すべき勇士が居るならば、ぼくはこの戦争の女神の側面を出そう。(口調変更)

別に戦争の女神の側面を隠しているなんてことは無く、二つとも「それはそれ、これはこれ」で両方大事なものだ。
似て非なるもの故、紛らわしいかもしれないが殺人道化師の類と混同しないようMS様には注意してもらいたい。

あとはおまかせ、好きにサポートを使ってね♪



「ああ、見てらんないよ! こういうのは、悲劇が約束だっていうけど、ぼくはそういうの好きじゃないんだよね」
 ぱんと、楽しげに飛び出してきたのは、元気なツインテールを揺らす、モリガン・フォーゲル(131代目女神モリガン・f39591)だ。
「だからなんだというんだね! 呪いのせいで、お前は不幸になっていくのを止められない。今更、そんな歌を歌っても、呪いは解けないのだよ!」
 レイラの……LOOK・AT・MEな姿で、紡がれるのは、羨望と嫉妬で狂った眼差しで射抜いたモリガンを、生きる気力を奪う呪いの言葉でもって、攻撃する力。
「残念だけど、呪いは解けるものだよ。では、ここでしっつもーん☆ どうやったら、その呪いを解けるでしょうか?」
 ぱーんと、華やかなクラッカーを鳴らしながら、モリガンは言う。
「……はぁ? そんなもの……解けてなるものかっ!!」
 もう一度、呪いの言葉で攻撃しようとするLOOK・AT・MEに、モリガンは、その青い瞳を細めた。その恐ろしいまでの迫力に思わず、LOOK・AT・MEも戸惑いを隠せないようだ。
「答えを言う前に……じゃじゃーん! ぼくの新しい仲間たちだよ☆」
 そのとき、モリガンが呼び出したのは、|フォーゲルサーカス団《フォーゲルサーカストゥループ》の面々。サーカステントから様々な世界から集めたサーカス団員を召喚し、驚くような喜ばせようとする、鮮やかな技を華麗に見せながら、次々とLOOK・AT・MEの注目を奪っていく。
「そんなっ!! このステージは私のものっ!! 渡してなるものかっ!!」
「駄目だって言ってるんだよ? その傲慢さが、今のステージを生み出している。そろそろ気づいたら? 君はもう負けたんだって」
 サーカス団の華麗な技を背負いながら、モリガンはそう、冷酷な声で告げるのだった。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

ユウ・リバーサイド
トンデモな状況だけど
出演者全員の想いを束ねた即興曲を受けての芝居なんて光栄だ
悲劇も喜劇も、演出と役者次第
ここに揃った|猟兵《役者》の皆とならきっと大丈夫
即興劇なら慣れてる
無茶振りだって拾ってみせるさ

ジョブとしての王子様の力で
水面の如き碧き光を溢れさせる
それは俺の|情熱《願い》
誰かを傷つけても
人を救いたい希望の色

言葉を受けても情熱で気力を補い
その場に立ち続ける

UCに魔女の女優を想う言霊を乗せ
即興で物語を歌い紡ぐ
重奏に合わせ
狩人としての自然への畏怖と思慕をダンスとパフォーマンスで表し
歌声をステージ中に届ける

魔女よ
人間を憎みながら
なのに何故誰よりも人間の情熱を知る!

凍てついた|役《精霊》の裡に願いが沸り
既に血は貴女の心の中で流れている
この先を信じて
君の|情熱《願い》が己にかけた呪いを解くのだから(微笑む)

隠された呪いに終焉を
世界に写された心を救う意志を以て革命剣を輝かせ
溢れる煌めきを剣に纏わせ更に強化
心眼で怪物の核を見抜き貫く
どうか君の未来を照らすスポットライトとなれ!

アドリブ、絡み歓迎



「トンデモな状況だけど、出演者全員の想いを束ねた即興曲を受けての芝居なんて光栄だ」
 そう告げるのは、ユウ・リバーサイド(Re-Play・f19432)だ。
 長く、このステージを陰ながら見守っていた彼は、この最終幕に相応しいフィナーレを迎える為、再びステージへと上がる。
「悲劇も喜劇も、演出と役者次第。ここに揃った|猟兵《役者》の皆とならきっと大丈夫。即興劇なら慣れてるし、無茶振りだって拾ってみせるさ」
 そして、現れるのは、このボロボロになった舞台をまとめるもう一人の狩人だった。
 綺麗な所作で、一礼すると、水面の如き碧き光を溢れさせた。
(「それは俺の|情熱《願い》。誰かを傷つけても、人を救いたい希望の色――」)
 その黒き瞳に熱い決意をみなぎらせて、ユウもまた、LOOK・AT・MEへと挑む。
 そう……たとえそれが偽りの演者だとしても、この素晴らしい舞台をこのままで終わらせるわけにはいかない。

「今更また、狩人だって!? なにをするつもりだっ!! あんたに何が出来るっていうんだいっ!!」
 レイラなLOOK・AT・MEは、なおも叫ぶ。
「それでも……君達が作り出したこのステージを……最後まで見せたいんだ。君も本当は……くっ」
 LOOK・AT・MEの攻撃を受けながらも、ユウは果敢にも、このステージに立ち続ける。
 彼女の紡ぐ言葉は容赦ないが、僅かに見える心は、きっとそうじゃない。

「魔女よ、人間を憎みながら……なのに何故、誰よりも人間の情熱を知る!」
 そのユウの言葉にLOOK・AT・MEは、その言葉に詰まらせる。
 ユウは、なおも紡ぐ、魔女の女優を想う言霊を乗せて。
「凍てついた役精霊の裡に願いが沸り、既に血は貴女の心の中で流れている。この先を信じて……君の情熱願いが、己にかけた呪いを解くのだから」
 にこりと微笑み、歌いながら発動させるのは、|七不思議の舞台《ナナフシギノブタイ》。
「隠された呪いに終焉を……」
 世界に写された心を救う意志を以て、その手にある革命剣、Esprit blancを、溢れる煌めきを剣に纏わせ更に強化していく。
 そして、ユウの心眼でもって、目の前のLOOK・AT・MEの核を見抜き。
「どうか……君の未来を照らす、|スポットライト《ひかり》となれ!」
 幻影が纏う鎮魂と再生の光を持って、LOOK・AT・MEを貫き、倒れた姿は、意識を飛ばした魔女へと、元の姿へと戻っていた。

 割れんばかりの拍手が送られる。
 こっそりと、猟兵達はその場を後にする。
「いろいろあったけど、これでいいんだ……きっとね」
 最後には、ヒロインであるルサールカのリアナと、魔女役のレイラが涙しながら抱き合うところが見られた。
 わだかまりがこれで、終わったとは思わない。
 けれど、今だけは……これで終わったことを喜ぼう。
 なぜなら、本当に素晴らしいステージを彼女達は見せてくれたのだから……。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年09月12日


挿絵イラスト