Pick Me Up
●Pick Me Up
桃の花が咲いている。春なんだ、なんて、あたしはようやく季節の移り変わりに気づいた。
賑やかな会場では、たくさんの人々の笑顔がまぶしい。
そのなかでも、ライブステージに立つあの子達の笑顔が一番輝いて見えた。
――あたしは、あのステージにすら立てなかったのに。
すべての視線を一心に受けて、歌って踊ってファンサービスを繰り広げる。
そうやって、皆を夢中にさせる輝きになりたくって。
なのに、なのに。どうしてあたしは、こっち側に居るんだろう。
その胸に、いつまでも春が来ることはない。
●Look At Me
「来てくれてありがとう。えっと、予知をしたから、みんなには事件解決のためにアイドルフロンティアに行ってもらいたくて」
四肢に歪な彩の翼を生やしたエンジェル、リヤン・サクリフィス(戀慕・f34991)が猟兵達へと感謝を述べ、早速説明を始めていく。
「心のなかに抱えた『骸の海』が溢れちゃいそうな人を見つけたの。今すぐ向かえば、その人が骸の海のせいで危険なことをする前にオブリビオンを倒せるの。本人も、周囲の人生もめちゃくちゃになっちゃうのは嫌だから、どうか助けてあげてほしいな」
なるほど、と頷く猟兵達へ、エンジェルの娘は更に言葉を続けた。
「事件が起きそうなのは、桃の花祭りをやってる最中の大きな公園でね。いろんなお店とか、レクリエーションの企画とか、ライブステージもあるの。お客さんがいっぱい居て、その中から見つけるのがちょっぴり難しいかも。でも、楽しそうにしてる人達ばっかりのなかで、落ち込んでる人が居たら、確率は高いんじゃないかなって」
本当なら、正確に誰なのかを予知できたらよかったんだけど。そんな風にすこしばかりしょんぼりとしつつ、リヤンは話し続ける。
「その人を見つけられたら、多分骸の海が溢れだしちゃう。そうしたら、流れ星に願って、アイドルに変身してね!」
問題はこれなんだよなぁ。幾人かの猟兵達は頭を抱えたかもしれない。そう、猟兵はアイドルに変身し、その場に出現するアイドルステージに立つことでオブリビオン達と戦うことが可能になる。それは、老若男女例外ではないのだ! 絶対なのだ!!
「ステージには、この人から溢れちゃった骸の海を浴びちゃった他の人達もオブリビオンになっちゃうから、まずはそっちを倒して元に戻してあげてほしいな。そのあとは、目的の人がオブリビオンになっちゃったのを元に戻してあげるの。みんなはアイドルだから、観客を魅了しちゃうようなパフォーマンスをしながら戦ったら、観客から応援がもらえてすっごくパワーアップできるよ」
アイドルってすごいね、憧れちゃう。どこかきらきらとした眼差しでそう告げたエンジェルに、う~んと唸る猟兵達。パフォーマンスって言われましても。
「みんなのアイドル姿、見られないのが残念だけど。がんばってきてね!」
勿忘草の花々が咲き乱れたかと思えば、それはやがて桃の花の景色を映し出す。
まだまだ未知数の新世界で、猟兵達は素敵なかがやきをまとえるだろうか。
遅咲
こんにちは、遅咲です。
オープニングをご覧頂きありがとうございます。
●成功条件
オブリビオンを撃破し、人々を助け出す。
おそらく全編ゆるふわですが、プレイングによって雰囲気が変わります。
アイドルに変身した際の服装やイメージなどがあれば是非お書きください。
特になくお任せして下さる場合、勝手に書きます(お任せの指定がない場合は控えめ)
どの章からのご参加もお気軽に。
皆さんのプレイング楽しみにしています、よろしくお願いします。
第1章 日常
『お祭り☆フェスティバル』
|
POW : 出店を巡って楽しむ
SPD : ゲームやレクリエーションの企画に参加する
WIZ : ライブステージを見物する
イラスト:ぽんち
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
佐藤・和鏡子
私は看護用モデルとして作られた身。
身体だけでなく、傷ついた心も癒やすのが使命ですから。
表向きはライブイベントの医療スタッフとして会場を回ろうと思います。
(もちろん、本当のけが人や病人がいたら診ます)
実際この手の人の集まるイベントで体調を崩す方は多いですから。
楽しいはずのイベントで明らかに不機嫌だったり悲しそうな表情をしている者がいないか探してみます。
(そういう人間は本当の体調不良とは明らかに表情が違うはず)
そういう表情の者がいたら診断で何か怪しいところがないか更に調べます。
幸い、相手を視界に入れるだけで話しかけなくても診断は使えますから。
愛らしい桃の花が咲き乱れる公園は、楽しそうな人々の笑顔で混雑している。
看護用モデルのミレナリィドール、佐藤・和鏡子は医療スタッフとして会場を回っていた。
身体だけでなく、傷ついた心を癒すのも彼女の使命のひとつ。実際、この手のイベントで体調を崩す客は少なからず存在していた。
「大丈夫ですか?」
ベンチに座りこんでいる少女と、それを心配そうに気遣う母親らしき二人組へと声をかけたのち、和鏡子はすぐに診断を始めていく。
「おなか、痛くて……」
「救護室へ行きましょう、身体が寒暖差に慣れていなかったのかもしれません」
それからぐるりと見てみれば、今度は転んで怪我をした学生姿の少年を発見。手持ちの医療キットから手当を済ませる手さばきに、少年やその友人達が感心したように声をあげた。
応対はやさしく、それでいて対処はてきぱきと。和鏡子の丁寧な看護によって、体調や怪我が原因で表情を曇らせていた人々は明るい笑顔を取り戻していく。
「ありがと、スタッフさん」
「いいえ。イベント、楽しんでくださいね」
手をふって客を見送りつつ、視界に入れただけで行えるその診断は続いている。
楽しいはずのイベントで、明らかに不機嫌だったり悲しそうな表情を見せる人間は、それはそれはよく目立つものだから。
――そういう人は、本当の体調不良とは明らかに表情が違うはずですから。
一刻も早く見つけることで、その心を癒してあげたい。
彼女には、インプットされた使命だけではない、本心からの理由があった。
大成功
🔵🔵🔵
ギュスターヴ・ベルトラン
へえ、初めて来た世界だが、|生まれ故郷《サイキックハーツ》とあまり変わらない雰囲気だな
これなら色々と活動するにも文化が違いすぎて困るってことはなさそうだ
…アイドルになる云々って話は今は置いとくとする
人を探す前に…折角だしライブステージを見てみるか
歌いながらすっげえ跳ぶじゃん、肉体派だな…いや、感心してる場合じゃなかった
すごいやつを見せてもらったお礼に、舞台演出に紛れてUCで鳩を呼ぶ
祝福の力を持つ鳩だ
演者だけでなく、客にも祝福を
祭りにはそれが相応しいだろ?
そしてこいつは人探し…特に助けが必要な者を見つけるには最適だ
――聖霊よ、どうか救いを求める者を指し示したまえ
祭りによって賑やかな声があちこちから響くなか、ギュスターヴ・ベルトランはサングラス越しに人々の笑顔を見た。
「へえ、はじめて来た世界だが、生まれ故郷とあまり変わらない雰囲気だな」
ある程度の環境、文化といったものは完全なる地球、サイキックハーツと遜色ないように思える。これならば、色々と活動するにも何かと文化の違いで困ることもないだろう。
「……アイドルになる云々って話は今は置いとくとする」
青年は後々の問題を頭の隅に置いやってしまった。さて、人を探す前に、とライブステージへ目を向ける。
まだ未成年も混じる若々しい男性ユニット達が、歌唱力を披露しつつ完璧に揃ったダンスで観客を魅了している。
「歌いながらすっげぇ飛ぶじゃん、肉体派だな……」
と、そこまで言って感心している場合ではないと気がついて。素晴らしいパフォーマンスを見せてもらったお礼も兼ねて、ギュスターヴは聖なる言霊を紡ぐ。
やわらかく、それでいて神々しい光を纏った鳩の群れは、舞台に立つ者に祝福を送り届けてくれる。
アーティスト達もサプライズの演出だと思ったようで、合わせた即興のパフォーマンスを披露する。観客の歓声にも笑顔の花が咲いて、鳩の群れが持つ祝福が会場に降りそそぐ。
そして、小鳥達は人探しにも役に立つ。
「――聖霊よ、どうか救いを求める者を指し示したまえ」
助けを求める誰か見つけるならば、エクソシストたる青年に従う彼らがふさわしい。一斉にとびたつ平和の象徴は、骸の海を抱く者を見つけ出す。
大成功
🔵🔵🔵
熊ヶ谷・咲幸
「うわ〜、すごい!お店が向こうまで続いてる! 地元の縁日じゃ、ここまで大規模なのなかったからな〜」
都会の中学校に来月から通うことになり田舎から来たばかりなので、こうした大規模なイベントは初めてでワクワクしています
そんな中、風船が木に引っかかって泣いてる子供を見つける
「待ってて、お姉ちゃんがとってきてあげる。木登りは得意なんだから」
農村生まれなので割とスルスル木に登って風船を掴みますが、うっかり足を滑らせて無様に落下(でも風船は手放さない)
「お姉ちゃん、頑丈さが取り柄だからね。もう、手放しちゃだめだよ」
そうやって風船を返して笑顔で別れたら蹲る。やっぱり痛かった
そんなことしながらも人探しします
「うわ~、すごい! お店が向こうまで続いてる!」
熊ヶ谷・咲幸がきらきらとした眼差しで会場を見渡せば、どこもかしこも人々のうれしそうな笑顔が満ちている。
「地元の縁日じゃ、ここまで大規模なのなかったからな~」
四月から都会の中学校に通うことになった少女は、つい先日田舎から引っ越してきたばかり。こういった規模のイベントは初めてで、なんだか胸がわくわくとしていた。
勿論、人探しも忘れずに。とはいえ楽しむことも忘れたくはなくて、たくさんの客の表情を見ながらも何を食べようかな、なんて考えてしまう。
ふと、耳に届いたのはこどもの泣き声。そちらへと目を向けてみれば、桃の花の木の下で幼い少女が声をあげて泣いている。
「どうしたの?」
「ふうせん、ひっかかっちゃった……」
少女が指さす先を見上げると、そこには桃の花の木にひっかかったピンクの風船。ありゃりゃ、と頷いたのち、咲幸はふんす、と力こぶをつくってみせる。
「待ってて、お姉ちゃんがとってきてあげる。木登りは得意なんだから」
農村生まれの力持ちは、すぐさま木に登っていく。問題なく風船に括りつけられた紐を掴んで、さぁ降りる――となったところで、ずるり。
「あ」
うっかり足を滑らせた咲幸の身体は無様に落下。けれど風船は手放さず、えへへ、と笑顔を見せた。
「おねえちゃん、だいじょうぶ!?」
「ふふ、平気平気! お姉ちゃん、頑丈さが取り柄だからね。もう手放しちゃだめだよ」
慌てた様子の父親らしき男性が戻ってきて、咲幸へと感謝を述べる。少女も、ありがとう、と何度も空いた手をふって、受け取った風船を離さなかった。
――笑顔でふたりと別れたのち、人の少ない端っこで咲幸はうずくまる。
やっぱりじんじんと痛む身体だけれど、こういったことは慣れっこで、きゅっと痛みに耐えつつ人探しへと戻るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『グリード・コレクター』
|
POW : 欲望の大口
【長い舌と大きな口】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【味】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD : 欲望の魔顎
【肩から生えた牙つき触手】で敵の肉片を捕食する。自身の身体部位ひとつが変異し、敵のユーベルコードひとつを使用可能になる。
WIZ : 欲望の巨兵
戦闘中に食べた【欲望の対象】の量と質に応じて【肉体が巨大化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
イラスト:ワジマ ユウスケ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「なんで、なんであたしはこっち側に、」
様々な方法で猟兵達が見つけた少女は、ひどく苦しそうな表情で肩を震わせている。
ライブステージを見つめるその横顔には、切迫した想いがこぼれていた。
「あたしだって、皆を夢中にさせるアイドルになりたかった……!!」
ぶわり、こぽり――骸の海が溢れだす。
会場の様々な楽しいを欲望として吸い取った骸の海を浴びた人々が、オブリビオンへと変貌していく。
さぁ、今こそ|猟兵《アイドル》の出番だ!
流れ星に願えば、彼らの姿はアイドルへと変身し、戦場となるアイドルステージが現れる。
まずはとばっちりを受けた人々を元に戻すことが先決だろう。
ギュスターヴ・ベルトラン
――目をそらすことなど許されない
オレがこの地で人々を助けると決めたのならば
|Merde…à toi, étoile filante《クソ…頼むぜ、流れ星》!
スレイヤーカードをかざせば、カソックは黒と金のアイドル衣装へ
動きやすくて助かるな…今日はめちゃくちゃギターを弾くつもりだからな!
クソデカ欲望を取り込んだ相手に静かな音楽は無意味
強く響けと【祈り】を込め、UCを一発かます!
…演奏してたら気分がアガってきた!
(ギアを上げて無意識に、うっかり歌ってしまう
(日本語、フランス語、英語が混ざった発音が不安定な歌だ
(音響攻撃レベルである
あれ?!なんか敵とか諸々ぐったりしてねえか?!
……やべぇ、やらかした
もちもちとしたモンスター、グリード・コレクターへと変貌した人々を前にして、ギュスターヴ・ベルトランは迷わなかった。いや、実際ちょっと迷ったかもしれないけれど、すぐに思い直したのだ。
――目をそらすことなど許されない。彼が、この地で人々を助けると決めたのならば!
「|Merde……à toi, étoile filante《クソ……頼むぜ、流れ星》!」
灼滅者の証であるスレイヤーカードをかざした時、青年の纏うカソックは黒に金をあしらったアイドル衣装へと変わりゆく。普段よりも身軽な衣装は星屑めいた輝きが煌めいていて、冠の代わりに浮いている光輪は、派手なライティングで眩く点滅している。
「動きやすくて助かるな……今日はめちゃくちゃギターを弾くつもりだからな!」
ぎゅいん、バイオレンスギターの弦を軽く弾いただけで、いつもよりも相棒の調子が良いことがわかる。
今のはなんだ、とわらわら溢れだしたオブリビオンは、その音色をぱくり。途端、むくむくと|巨大化《クソデカ》していく姿に、おいおい、とギュスターヴは目を丸くする。
「なら、静かな音楽は無意味だな」
いくぜ、と気合一発。強く響けとギターを演奏すれば、それは世界を揺るがすほどの真理をステージ全体に響かせる。
食べても食べてもなくならないその演奏は、ダメージとなってグリード・コレクター達の腹のなかで蓄積していく。
「……っしゃ、アガッてきた!」
そうしてギアを上げていけばいくほど、青年の情熱も高まっていく――無意識に歌っていることにも気がつかぬほどに。
日本語、フランス語、英語の混ざった歌は発音がすべて不安定で、もはや音響攻撃と遜色ない。
「……あれ!?」
気がついた時には、きゅう、とぐったりちいさくなって倒れているオブリビオン達の群れがちらほらちまちま。
「……やべぇ、やらかした」
おろおろと焦るフリッカーダイヤだったが、心配ご無用。倒れたグリード・コレクター達は、次第にきらきらとした浄化のオーラと共に、元の一般人の姿へと戻っているのだから。
大成功
🔵🔵🔵
ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。
口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。
食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆
※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。
「にゃにゃ、楽しいお祭りだったのに、いきなりいっぱい出てきたにゃ!?」
桃の花祭りを存分に楽しんでいたミーヤ・ロロルドは、突然現れたグリード・コレクター達に目をぱちくり。けれど彼女だって立派な猟兵、慌てることなく流れ星に願いをかける!
「流れ星さん、ミーヤもアイドルににゃって戦うにゃ! 手伝ってほしいにゃー!」
きらきらと輝く星の導きが、少女の願いを叶える。スチームパンクとスイーツを掛け合わせたデザインのコスチュームに変身した元気っ娘に、スポットライトがきらきら降りそそぐ。
「まずはオブリビオンににゃった人達を助けてあげるにゃん」
がうがうがぶがぶ、肩から生えた牙のついた触手がミーヤへと迫る。けれど軽い身のこなしでそれらをあっというまに躱してしまえば、ぴょんぴょん跳ねてステージの中心へ。
おもいっきり息を吸って、一気におおきな咆哮をあげる!
「にゃぁああん!!!」
人狼咆哮、これはまごうことなく人狼咆哮である。ネコチャンの威嚇ではない。そんな注釈がテロップとして一瞬流れたような気もしたが、その咆哮によってグリード・コレクター達は一気にばたばたと倒れていく。
きゅう、と目を回した彼らが一般人へと戻るのを確かめて、ミーヤは第二波、第三波。
「まだまだいくにゃん!」
きゅるんとかわいいにゃんにゃんアイドルが、ステージで輝いている。
成功
🔵🔵🔴
熊ヶ谷・咲幸
「アイドルの出番ですね!」
やってやります!流れ星に願いを込め、飛んできた星を鷲掴み。それがコンパクトへと姿を変えると、なんとか開けようとむりやり【こじ開け】ます
「ふぬぅっ!」
そして、アイドルの姿へと変身します
「掴め、希望の元気星!チアフル⭐︎クレッシェンド!」
アイドルらしい(?)名乗りを上げたらいざ突撃、と思ったら無理やりの変身のせいか足のリボンが絡まって勢いよく転倒
「わぶっ!?」
【奇跡のドジ】でそのまま噛みつきや舌をかいくぐって敵の足元までヘッドスライディング
「これは、チャンス!?」
そのまま足を掴んで【びったんびったん】で別の敵へ叩きつけます
もし、攻撃を喰らっても【怪力】で無理矢理攻撃です
人々が次々とオブリビオンへと変貌する姿に、悲鳴をあげる群衆。そのなかで、熊ヶ谷・咲幸だけはまっすぐに危険なステージへと駆けだす。
「アイドルの出番ですね!」
やってやります! 少女が流れ星へと願いをこめれば、応じるように星が飛んでくる。それを受け入れる――のではなく、なんと鷲掴みにした。おや?
コンパクトへと姿を変えた流れ星、ちょっと硬い。むん、と力を入れて咲幸はコンパクトをむりやりこじ開ける!
「ふぬぅっ!」
ばきっと嫌な音がしたような気がしたが、気のせい気のせい。無事に開いたコンパクトを掲げた時、きらめきに包まれた咲幸は、やがて愛らしいまっかな情熱をモチーフにしたアイドルへと変身。
「掴め、希望の元気星! チアフル☆クレッシェンド!」
登場したチアフル☆クレッシェンドは、気合を入れていざ突撃! けれどなかば無理矢理の変身だったせいか、コスチュームの長いリボンが足に絡まってしまう。
「わぶっ!?」
べちん。派手な音と共に勢いよく転倒するクレッシェンド。大丈夫かなこの子、と見守っていた人々がはらはらしている間も、グリード・コレクター達は一斉に長い舌をクレッシェンドへとべろり。
「わっ」
リボンが絡まったおかげでその舌をかいくぐり、噛みつかれそうになったかと思えばリボンに引っ張られ、驚くことに頑丈な彼女は無傷。奇跡のドジは今日も健在である。
「きゃー!」
ずるっと滑ってそのままスライディングをキメたなら、一人の敵の足元に。これは、チャンス!?
えいっと足を掴んで、びったんびったん振り回す。そうして別の敵へと叩きつければ、オブリビオンはぐったり目眩。
「次はこっち!」
どりゃあ、と再び持ち前の怪力で舌を引っ張って、ぶんぶんべしべし。派手に吹っ飛んでいくグリード・コレクター達が、やがて浄化のオーラと共に一般人の姿へ戻る。
「お、俺達は一体……?」
「なんか、やたら目を回したような……」
「痛かったような……」
そんな風に首をかしげている人々はさておき、クレッシェンドはおりゃーっと元気よく残りのオブリビオンと激闘を続けていた。
大成功
🔵🔵🔵
木元・祭莉(サポート)
「おおー、いっぱいいるねー♪」
グラップラー×サウンドソルジャー、17歳の人狼少年です。
前衛肉弾派で、積極的に行動します。
まだまだ未熟なアホの子です。
いつも深く考えず、楽しそうにテンション高く対応します。
どどーん、ばばーん、ひゅいーんなど、擬態語を多用します。
ユーベルコードは、補助的に使うことが多いです。
状況に応じて、グラップルでの接近戦、衝撃波でのなぎ払い、浮遊とジャンプ・ダッシュを組み合わせた空中戦のどれかで戦います。
多少の怪我は耐性で耐え、肉を切らせて骨を断つ、がモットー。
いつも笑顔で、後先考えず。でもちょっとビビリ。
あとはおまかせで。よろしくおねがいします!
「おおー、いっぱいいるねー♪」
グリード・コレクターへと変貌した人々を見て、木元・祭莉はよしっと気合を入れる。アイドルのことはよくわからないけど、困っている人を助けるのが猟兵の役目なのだから。
「えーと、こうか? 流れ星、てつだって!」
少年の願いを聞き届けた流れ星によって、祭莉の姿は桜をモチーフにした和の衣装へと大変身。ステージへと上がった彼の尻尾はぴょんぴょこ跳ねて、いざ戦闘へ。
もぐもぐとおいしい屋台飯を食べまくったオブリビオン達はむくむくと巨大化していき、それを見上げる祭莉を踏んづけようとする始末。
「わわっ! 危ないなぁ!」
ぺしゃんこにされる寸前、ぴょんと飛び跳ね身を躱し、祭莉はえいやっと拳を振るう。
「いっくぞー! ばばーん!!」
一気に殴りかかった小柄な身体は、グリード・コレクター達によって傷をつけられる。けれどそんなことは気にもせず、次々と殴打の連打を続けていく。
「アイドルって歌もうたうんだよね、まっかせて!」
――集い花 咲き誇りて 憩う庭 想い溢れ――
まだあどけない表情を残した歌声が響けば、祭莉の身体に刻まれた傷がみるみるうちに癒されていく。
同時にグラップルによる連続フルコンボを達成する少年はダンスを踊っているようで、本人が思っている以上にアイドルとしての素質が開花していたのだった。
成功
🔵🔵🔴
佐藤・和鏡子
この世界のルールに則ってヒーリング☆アイドル・佐藤和鏡子として戦います。
ただ、私にはアイドルや魔法少女の知識がないので予めアニメやマンガなどを見て勉強しておきます。
今着ているセーラー服のデザインをベースにしたヒーリング☆アイドルらしい可愛らしい衣装に変身します。※アレンジはお任せします
強射の荷電粒子砲(救急箱に内蔵されています)に武器改造でファンシーな虹色の光が出るように改造して大口広げた相手の口めがけて『ミラクル☆レインボーシャワー!!』しようと思います。
敵の舌攻撃は救急箱で防ぎます。
(消防斧や救急車はファンから引かれそうなので今回は使いません)
「これがアイドルステージ……初めての経験です」
佐藤・和鏡子は看護用ミレナリィドール、アイドルや魔法少女といった知識は持っていない。しかし勉強家の彼女は、この依頼を受けるにあたってしっかりとアニメや漫画を予習していた。
「行きます。流れ星さん、力を貸してください!」
可憐な彼女の呼びかけに応じ、流れ星は和鏡子の掌のなか。大切に握り込んだそれに願いを込めれば、普段から着慣れているセーラー服をベースとしたヒーリング☆アイドルへと大変身を果たす!
普段は履くことの少ないスカートはふんわりと、けれどその動きを邪魔することはない。ぱたぱた背中で揺れる天使の翼は、きらきらと星屑が瞬くかのよう。
新たなアイドルの誕生に、不安そうにしていた観客達はわぁっと歓声をあげる。がんばれ、とめいっぱいの応援をしてくれているのは、和鏡子が医療スタッフとして助けた人々。
まだ慣れていないけれど、きっとなんとかなるはず。ゆめかわカラーのコスチュームに彩られた少女めがけて、グリード・コレクター達がべろりと長い舌をけしかける。
すぐさまそのおおきな舌は、彼女のために誂えられた救急箱型のガジェットで防がれる。後ろへとステップを踏むように飛び下がったなら、救急箱に内蔵された荷電粒子砲を解放していく。
「これで……! ミラクル☆レインボーシャワー!!」
トリガーをひいて、ボタンをぽちり。改造を施された銃口は、グリード・コレクターのあんぐりと開いた口へとまっすぐ照準を合わせられている。放たれた砲撃は、メルヘンでファンシーな虹色の光。
枝分かれするそれらはグリード・コレクターすべての口へと突っ込んでいき、ぱちぱちとはじける飴のような音を鳴らして爆破する。ぽん、とかわいらしい音を立てたオブリビオン達は、やがて目を回した一般人の姿へと戻っていく。
観客達の歓声はすさまじく、和鏡子はぺこりと頭を下げる。すぐに倒れている人々の救助へと向かい、てきぱきといつもの仕事をこなしてみせた。
「私は、一体なにを……?」
「あれ……?」
いつも通り戦闘で消防斧や救急車を使っていれば、おそらくヒかれているところだった。勉強した甲斐があったと思いながら、看護用ミレナリィドールは患者へと微笑む。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『LOOK・AT・ME』
|
POW : 私を見て
【羨望と嫉妬で狂った眼差し 】で射抜いた対象を【視線固定】の状態異常を付与する【モザイク】で攻撃し、着弾点からレベルm半径内の仲間を【夢が叶った光景を見せる幻】で回復する。
SPD : 私を見て
【羨望と嫉妬で狂った眼差し 】で射抜いた対象を【生きる気力を奪う呪いの言葉】で攻撃し、着弾点からレベルm半径内の仲間を【夢が叶った光景を見せる幻】で回復する。
WIZ : 私を見て
【羨望と嫉妬で狂った眼差し 】で射抜いた対象を【あらゆる光を消し去る闇】で攻撃し、着弾点からレベルm半径内の仲間を【夢が叶った光景を見せる幻の爆発】で回復する。
イラスト:瓜子
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「日輪・黒玉」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
グリード・コレクターとなった人々が元に戻った時、舞台に残ったのは一人の娘――けれど、少女というには大人の顔つきをしている。
彼女はアイドルとなった猟兵達へと、ひどく羨ましそうに苦しげな表情を向けていた。
「ずるい、ずるい……あたしだって、あたしだってステージに立ちたかった!! なのに、全部のオーディションには受からないし、家族の言うとおりに就職するしかなくて……誰も、誰もあたしを見てくれなくて……!!」
努力は決して裏切らない。そんなものは戯言だと、娘は悲痛な声をあげる。その姿が強大なオブリビオンへと変貌していくと、観客達が叫ぶ。
「負けないで!!」
そう、今こそ観客へと素晴らしいパフォーマンスを魅せながらその声援を力に変えて、オブリビオンとなった哀れな被害者を救うのだ。
多環和・ひゃんたん
はーい、こっからひゃんたん会場ジャックしちゃうひゃーん★
『I☆LOVE(あい☆あい)あんぶれら』―聞いて下さい
羨望と嫉妬なんて、売れない崖っぷちひゃんたんには夢のようなご褒美ひゃん
ひゃんたんね、今も全然売れないよ
昔はファンになってくれた人もひゃんたんを憶えてられなかったひゃん
けどひゃんたんはアイドルしたいからお金貯めたら旅アイドルしてるひゃーん
忘れられたらまた歌えばいいひゃん
『次は飛び入りゲストちゃんひゃーん、拍手ぅ♥ね、あなた名前は?一緒にライブするひゃん♫』
彼女を舞台にあげて一緒に歌うひゃーん
この世界の曲はひゃんたん憶えてきたからなんでもOK
ほらほら好きなの歌お★ミスったらフォローよろるり
「はーい、こっからひゃんたん会場ジャックしちゃうひゃーん★」
派手にライトの瞬くアイドルステージへと、多環和・ひゃんたんが飛び込んだ。どさ回りなんて当たり前、ゲリラライブがだいすきなダークネスのお騒がせ☆アイドルは、瞳に星を宿らせてマイクを構える。
「それでは『I☆LOVE(あい☆あい)あんぶれら』――聞いてください」
途端、ステージはひゃんたんのライブ会場へと姿を変える。まばゆいばかりの星と雨粒を模した彩りが、いくつも降り注いでは彼女の歌声をサポートしてくれる。
――だってここは、エンドレス耐久ライブ会場。皆が倒れてしまうまで、ひゃんたんは素敵なパフォーマンスを繰り広げる。
「うおおひゃんたーん!」
「かわいー! 指バーンしてー!」
ファンサを求められれば快諾し、めいっぱいの笑顔を振りまく。うっかりダンスの振りを間違えようともお構いなし、彼女の楽しそうな姿に、オブリビオンは羨望と嫉妬の眼差しをぶつけた。
「ずるい、ずるいずるい! あたしより歌が下手だし、あたしよりダンスも下手なのに! なんで!?」
呪いの言葉を吐かれても、ひゃんたんは瞳の星を燈し続ける。羨望と嫉妬なんて、売れない崖っぷちアイドルには夢のようなご褒美にすらなっていた。
「ひゃんたんね、今も全然売れないよ。昔はファンになってくれた人もひゃんたんを憶えてられなかったひゃん」
彼女の生まれ故郷、サイキックハーツ。バベルの鎖によって人々の記憶から消されたアイドルは、それでもこうして歌い続けている。
――だって、皆を元気にさせるアイドルがしたいから。
「忘れられたら、また歌えばいいひゃん」
「……また?」
当たり前のようにそうわらったひゃんたんに、オブリビオンは目を見開く。すると彼女の手をひいて、ひゃんたんはマイクを彼女へと向けた。
「次は飛び入りゲストちゃんひゃーん、拍手ぅ♡」
「えっえっ!?」
慌てる彼女へと、ひゃんたんの熱意にあおられた観客達も拍手を送る。
「ね、あなた名前は? 一緒にライブするひゃん♫」
この世界の曲はなんだって憶えてきた。ミスったらフォローよろるり、なんてウィンクひとつ。
「ほらほら、すきなの歌お☆」
なんってここは、あなたとひゃんたんのミラクルステージ。ひどく消耗しながら、オブリビオンはお気に入りの歌をうたった。
大成功
🔵🔵🔵
イネス・オルティス(サポート)
『この鎧は一族伝統のものよ、それがどうかしたの?』
アックス&ウィザーズ辺境のどこかにある隠れ里に住む一族の女戦士
〔一族伝統の鎧〕のビキニアーマーを愛用し主に〔巨獣槍〕という槍を使う
”ダッシュ”で近づき”なぎ払い”、”串刺し”等をよく行う
ボン・キュ・ボンのナイススタイルで、ビキニアーマーを普段使いしている
恥ずかしさ耐性のあるイネスは、周りの視線を気にしません
そのビキニアーマー姿の存在感で、無意識に誘惑してしまう事がありますが
イネスにそのつもりはありません
アドリブ・絡み・可 ””内技能
描写はセクシーレベルまで
キャバリアには乗らず生身で戦います(他の人のキャバリアを足場にする等はあり)
「ふぅん、自分を見てほしい――ね」
女戦士であるイオス・オルティスには、オブリビオンの渇望があまり理解できなかった。けれど、戦士として認められたいと思う気持ちと似たものならば、自分でも寄り添える気がして。
「そうね、努力が必ず実るとは限らない。厳しい環境であればあるほど、弱者は淘汰されていくものだわ」
けれど、自分の力を信じて諦めずにいることはできる。相棒とも呼べる槍を手に、イネスは華麗なダンスを披露してみせた。演武と舞踊を掛け合わせたようなそのパフォーマンスと、豊満な肢体を包むビキニーアーマーをモチーフとしたコスチューム。観客を魅了してやまないイネスへと、すさまじい歓声が沸き起こる。
もっとも、彼女自身にはそんなつもりはないのだけれど。
「なによ、あたしの欲しいものなんでも持ってるみたいな顔して……!」
羨望と嫉妬の眼差しが、イネスへと突き刺さる。生きる気力すら殺ぐような言葉を吐くオブリビオンだったが、その言葉は跳ね返された。
――そう、物理的に。
「はぁ!?」
|薄衣甲冑反射術《ビキニーリフレクト》、一族伝統の鎧で受け止めた攻撃を、いくらだって跳ね返せる秘儀。
「ビキニアーマーにはこういう使い方もあるのよ」
攻撃を喰らったオブリビオンへとダッシュで近づくと、女は槍を勢いよく薙ぐ。その存在感は圧倒的で、くらくらと頭が揺れるほどだった。
「あなただって、努力を諦める必要はないのよ」
私は、そうしてきたんだから。イネスがそう呟けば、スポットライトが彼女を輝かせた。
成功
🔵🔵🔴
ギュスターヴ・ベルトラン
努力を積み重ねる行為は祈りと似てる
報われずとも、積み重ねずにいられないという点で
――だからこそオレの信条はいつだって『踏みにじられた祈りに救いを』だ
ギターに【祈り】を乗せ、熱狂を鎮めるような荘厳な旋律を奏でる
【霊的防護】で呪いを耐えつつ、このUCでピンスポみたいに一点の光で狙いをつける
|Regarde-moi《私を見て》って願うほど、立ちたかったステージだろ
まだ終わったわけじゃねぇ
心を燃やすような、イントロをぶち破る激しいギターリフをかき鳴らす
おら、歌え歌え!妬みでもなんでもいい、自分の心をぶちまけろ!
それで自分の心を最後まで歌いきったのなら…前を向けるさ、きっとな
胸に刺さっていつまでも抜けない痛み。それをこぼすオブリビオンの姿に、ギュスターヴ・ベルトランは静かに想いをはせる。
努力を積み重ねる行為は、祈りと似ている。報われずとも、積み重ねずにはいられないという点において――だからこそ、青年の信条はいつだって同じ。
「“踏みにじられた祈りに救いを”、だ」
サングラス越しの眼差しが、はっきりとオブリビオンを視る。祈りをのせてバイオレンスギターの弦を鳴らせば、奏でられるのはステージの熱狂を鎮めるかのような荘厳な旋律。
観客達はギュスターヴの超絶技巧に、あっという間に見惚れてしまう、魅入られてしまう。聞き惚れて、ただ沈黙が重なるなかでオブリビオンはまた叫んだ。
「なんなの、その音……! それであなたにばっかり注目が集まって、」
ずるい、ずるい! 羨望と嫉妬の視線は、呪いの言葉となって青年に撃ちつけられる。コスチュームに姿を変えたカソックに宿る霊的防護が、妬みを重ねた呪詛を跳ね返す。
その時――|ステージ《世界》に光が満ちた。
ただ一点、ピンスポットのように天から降り注ぐ光がオブリビオンへと狙いを定めたなら。
「|Regarde-moi《私を見て》って願うほど、立ちたかったステージだろ」
青年は、それまでの荘厳なイントロとは一転して、激しいギターリフをかき鳴らす。まるで心を燃やすような、この沈黙すべてぶち破るかのような。
沸き立つ観客、困惑するオブリビオン。ステージの主役は、間違いなく彼女だった。
「おら、歌え歌え! 妬みでもなんでもいい、自分の心をぶちまけろ!」
「え……?」
すこしばかり怯えたような、不思議そうな声をあげたオブリビオンの背中を押すため、ギュスターヴは更に観客のボルテージを上げていく。
「いいか、あんたは自分の心を歌いきればいいんだ! 誰もがあんたに注目してる、あんたの叫びを聴きたがってる! 歌え、歌ってみろよ! このステージは今、あんたのもんだ!!」
夜はよもすがら泣きかなしもうと、朝と共によろこびは来たる。今この瞬間に、すべてを出し尽くすことをギュスターヴは善しとした。
それが、聖職者としての救いのかたち。
「……っ」
オブリビオンは歌う、あらん限りの声をあげて。調子っぱずれの音が出ても構いやしない、観客達は声援を送り続けた。
ギュスターヴは信じている、最後まで己の心を歌いきったのなら、きっと彼女は前を向けると。
大成功
🔵🔵🔵
クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系・状態変化系もばっちこいだよ♪
絡みOK、NG無しだよ★
UCは少人数を召喚する系か単体攻撃系を優先して使うよ♪
状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★
後はMS様におまかせするね♪
「そっか、アナタは苦しかったんだね」
クローネ・マックローネはやわらかく微笑んで、大丈夫、と元気に頷く。
「その気持ち、全部受け止めてあげる♪ アナタの視線も皆の盛り上がりも、全部ね★」
ふわり、スマートフォンから放たれた炎の花の群れがステージのあちこちに燈る。それは明々と咲いて、派手な演出として観客の心を沸き立たせる。
アイドルに相応しいダンスと見事な歌唱力で即興のアイドルを務めるクローネへと、オブリビオンの視線が刺さる。
「あたしの気持ちなんて、わかんないくせに……!」
羨望と嫉妬で狂った眼差しが、ざらりとした質感のモザイクをぶちまける。けれどクローネはそれを素早く躱し、ウィンクひとつ投げ返してみせた。
「一緒に踊って歌っちゃえば、そんな気持ちも吹き飛んじゃうよ♪」
緋牡丹灯籠はうつくしくステージを彩り、オブリビオンの手を握ったクローネが彼女にステップを踏ませる。驚いたオブリビオンがそれにつられて、気づけばふわりふわりと花咲くような舞踊を披露していた。
「さぁさぁ、楽しく踊って歌って、皆の注目を集めちゃお★」
漆黒の膚とモザイクの膚が揺らめいて、ほのかに秘密ごとのような空気を感じさせる。観客達のサイリウムの光も相まって、オブリビオンは自然と歌を口遊んでいた。
「その調子♪ スポットライトは頑張る人のためにあるんだから♪」
励ますようにそう歌って、ブラックタールはまだまだステージを終わらせない。
成功
🔵🔵🔴
佐藤・和鏡子
ガジェットショータイムでより派手なデザインのヒーリング☆アイドルの衣装を出してスーパー・ヒーリング☆アイドルに変身します。
指をハート型に組み合わせてポーズを決めて『リトルナース・佐藤和鏡子!あなたの傷ついた心を救うために参りました!!』と高らかに叫んで彼女とステージのファンにアピールします。
ハート型に組んだ指からピンクのハート状の光弾を放って彼女の絶望や闇を浄化します。
眼差しや言葉にはこちらも光弾や言葉を使って押し切ります。
どんなスターも挫折や下積みはあったはずですし、アイドルの形もこの世界にはたくさんありますから、これが新たな一歩を踏み出すきっかけを作れれば良いのですが。
「なんで、なんで皆そんなに優しくするの……! あたしのこと、ずっと見てくれなかったのに! 今更、遅すぎる……!!」
オブリビオンの悲痛な叫びに、佐藤・和鏡子は拳をつよく握る。今この場で、もっとも傷ついているのは彼女なのだと、看護用ミレナリィドールは確信していた。
手にしたガジェットは、ヒーリング☆アイドルとしてのかわいらしいポップなデザインの聴診器。それをふわりと放り投げれば、淡い色彩のやさしいリボンと花弁が踊る。
より派手に、よりつよくやさしい癒しの力を得たスーパー・ヒーリング☆アイドルは、指をハートの形に組み合わせてポーズを決める。
「リトルナース、佐藤・和鏡子! あなたの傷ついた心を救うために参りました!!」
高らかに叫んだ決め台詞と共に、アイドルを輝かせるステージはいっそう美しいライトで和鏡子の存在を患者であるオブリビオンと観客達へと知らしめた。わぁあ、と歓声のあがる観客席は、サイリウムの海とファンの声援に満ちていく。
「がんばれ、和鏡子ちゃん!」
「おねーさん、ファイト!」
様々な掛け声は、すべて和鏡子がたすけた誰かの応援。彼らと同じように、オブリビオンに変貌してしまった彼女のことも救ってみせる。ハート型に組まれた指から放たれたのは、きらきらとしたピンク色のハート状の光弾。
それに対抗するかのように、オブリビオンは単眼から羨望と嫉妬の鋭い視線を叩き込む。ぶつかりあう光弾と視線の呪いに、オブリビオンは叫ぶ。
「あたしだって、あたしだって、もっと……皆を元気づけたくて……!」
無限に沸いて出てきてしまう妬みの言葉を、和鏡子は言葉でしっかりとかえしていく。
「どんなスターも挫折や下積みがあったはずです! きっとあなたにだって、違った形のかがやきがあるんです!」
この世界において、アイドルの形は千差万別。人々を元気づけたいと思っていた彼女の心に巣食う絶望と闇を、浄化することが先決だから。
「誰かを元気づけるには、自分が元気にならないといけないんですから……!」
言葉のばんそうこうを貼りつけて、ハートのビームがオブリビオンを撃ち抜いていった。
大成功
🔵🔵🔵
熊ヶ谷・咲幸
「うまくいかないことは、誰にだってあります!あたしだってそうです!」
人との付き合いが怖くて、山に籠っていた時期もあった。けれど、自分の弱さに向き合って立ち直ることができた
「うまくいってる周りが羨ましい妬ましい、そう思うことだってあります。でも、それでも頑張ってきたんですよね?」
うまく言いたいことが出てこないから、気合いと根性で眼差しを受けつつ近付く
「望んだ形じゃないかもだけど、ライブをやりましょう。きっとうまくいきます!自分の頑張った積み重ね、自分自身で見つめれば、分かるはずです!」
そしてファンに呼びかけ
「皆さんも応援お願いします!」
UCの力でファンの応援力を高め、楽しいライブをやりたいです
ステージにへたり込んでしまったオブリビオンに、熊ヶ谷・咲幸がそっと近づく。その姿に気づいたオブリビオンが単眼を向けたとしても、チアフル☆クレッシェンドは臆することなく微笑む。
「うまくいかないことは、誰にだってあります! あたしだってそうです!」
他人との付き合いが怖いあまりに、山にこもって動物達とばかり過ごしていた時期もあった。けれど少女は、自分の弱さと向き合うことで、こうして立ち直ることができたから。
「そんなの、あなたの運がよかっただけじゃない!」
バチン。羨望と嫉妬の眼差しをまともに受けて、呪いの言葉が突き刺さる。ああ、こわい、痛い、苦しい。けれど、クレッシェンドは一度も足を止めない。
「うまくいってる周りが羨ましい、妬ましい。そう思うことだってあります。でも、それでも頑張ってきたんですよね?」
上手に言いたいことが浮かばなくて、けれど伝えたい想いは無限にあふれるから。気合と根性だけは誰にも負けない自信があって、呪いの苦しみをすべて耐え抜き近づいていく。
「望んだ形じゃないかもだけど、ライブをやりましょう! 皆さんと歌っていたあなた、とっても素敵でした! もう一度、やりましょう!」
先輩猟兵達の|戦い《ライブステージ》を見ていたクレッシェンドは、ラストステージを締めくくるためにめいっぱいの笑顔を咲かせる。
「でも、」
「自分の頑張った積み重ね、自分自身で見つめれば、分かるはずです!」
そうして、今日一番の大声をあげる。呼びかけるのは、この舞台を見守るすべての観客。
「皆さんも応援お願いします! あたし達の、最高のライブを盛り上げてください!」
その呼びかけに、最初に応えたのはちいさな少女。風船をもった反対の手に、愛らしいハート形のペンライトを掲げたならば、クレッシェンドとオブリビオンへと懸命に声援を届けようとしていた。
「がんばれ、おねえちゃんたちー!」
それをきっかけに、ステージのボルテージは最高潮に達していく。観客達全員が、ふたりのアイドルのパフォーマンスを待っていた。
驚いた声をあげるオブリビオンの手を握って、クレッシェンドは笑う。
「ね、大丈夫。歌いましょう、踊りましょう?」
コール・アンド・レスポンスは終わらない。音楽はいつだって誰かの味方で、ダンスは想いを伝えるためのもの。
自然と身体が動いて、クレッシェンドと共にスポットライトを浴びて、最高のパフォーマンスを繰り広げたオブリビオンは、いつのまにか元の女性の姿に戻っていた。
桃の花咲くステージは、いつのまにやらおしまい。
けれど、此処に集った|猟兵達《アイドル》が魅せてくれたパフォーマンスを、此処に居た人々はきっと忘れない。
「……もう一回、がんばろう」
心の闇から救い出された女性は、目の前で魅たいくつものかがやきを抱いて、再び歩き出す。
旅立ちの春が、爛漫に咲いていた。
大成功
🔵🔵🔵