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三春の元で春爛漫

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●薄桃色の惑星
 風に吹かれて揺れる慎ましくも美しい花々。
 白色、薄桃色、濃い桃色の花を咲かせた木々の見応えのある事と言ったら観光客のみならず住んでいる人々でさえうっとりと見入ってしまうほどだ。タイミングが合わなければ見る事の出来ない、梅、桃、桜の花が同時に咲き誇るさまは壮観の一言。条件が合わなければ目にする機会の無い風景はこの惑星では常に見れるものでそれゆえに観光地として賑わっている。
 三春の花々をモチーフにしたスイーツを扱うカフェから三春の花々をモチーフにしたアクセサリーを展示する露店に桃色の天然石を使った高級アクセサリー店。三春の花々を使ったハーバリウム作りからドライフラワー作り。桃色の生クリームと三春の花々の形をしたチョコレートがトッピングされたクレープに飲み物など、カフェでゆっくりと過ごすも良し、お土産を買うも良し、思い出として手作り教室に参加しても良し、ここでしか見れない風景を眺めながら食べ歩きをするも良し。観光客を楽しませる様々な施設が充実している。
 そんな観光客で賑わう惑星で人知れずオブビリオンが息づいていた。

「こきげんよう、皆様」
 広げていた扇子を畳んで、ニィクス・デケムベル(純粋な雪片・f42316)は集まった猟兵達に微笑む。
 春の観光地として賑わっているとある惑星に『星喰エンプティ『幼生』』が潜り込んでしまった。多くの観光客が居る場所で『星喰エンプティ『幼生』』が姿を現せば、その場は混乱に陥り多くの犠牲者を生み出す事だろう。そうなる前に人知れず『星喰エンプティ『幼生』』を倒して欲しいとニィクスは説明する。
「それと、無事にオブビリオンを倒せましたらそのまま観光などはいかがでしょうか? 普段はお目にかかれない三春を楽しむ良い機会ですわ」
 ニィクスの言う通り、梅、桃、桜。三種類の花が同時に咲くなど中々見れる機会は無い。オブビリオンを倒す事が最優先なのは間違いないが敵を倒して、お疲れさまでした。はい、撤収! は、味気ない。折角、美しい風景が目の前にあるのだ。やる事をやった後で楽しんでも良いだろう。
「さぁ、皆様。参りましょう」
 自身も期待に目を輝かせながらニィクスはゲートを開いた。


望月朔夜
 閲覧ありがとうございます。三春を見てみたい望月朔夜です。

●第一章:ボス戦
 『星喰エンプティ『幼生』』との戦闘です。
 戦闘場所は梅、桃、桜の木々に囲まれている場所になりますが、
 特に障害になる事はありません。

●第二章:日常
 観光地でのひと時となります。
 カフェでのんびりするも良し、手作り教室に参加しても良し、
 お土産屋を巡っても良し、食べ歩きも良し、のんびり散歩しても良しです。

●第三章:日常
 住民がとっておきの穴場スポットを教えてくれます。
 仲間達とあるいは1人でのんびりと穏やかな時を過ごすのも良いかもしれません。
 ニィクスものんびりとしておりますのでお誘いがあればご一緒いたします。

●その他
 各章、断章投稿後からプレイングの受付を開始します。
 お連れ様と一緒に参加される場合はお互いに名前とIDの記載か、
 チーム名の記載を願いします。
 称号と苗字は無くても構いません。
 リプレイはアドリブ多めになります。
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第1章 ボス戦 『星喰エンプティ『幼生』』

POW   :    デウス
【寄生した惑星 】の龍脈から1〜12体の【闇の巨人】を召喚し、【破壊光線】で戦わせる。[破壊光線]の威力は召喚数分の1に減衰する。
SPD   :    エクス
戦場内に、見えない【生命力吸収 】の流れを作り出す。下流にいる者は【エンプティの見えない胃袋】に囚われ、回避率が激減する。
WIZ   :    マキナ
【エンプティを覆う外殻 】に触れた対象の【生命力】を奪ったり、逆に与えたりできる。

イラスト:V-7

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はファランス・ゲヘナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●目覚める厄災
 観光客で賑わう歓楽街から離れた木々に囲まれた場所に|『星喰エンプティ『幼生』』《ソレ》は浮かんでいた。
 完全体となれば厄介な存在ではあるが今はまだ幼体。己が成長の為に力を蓄えなければと|『星喰エンプティ『幼生』』《ソレ》はぼんやりと思考する。
 運の良い事に|『星喰エンプティ『幼生』』《ソレ》が居る惑星は観光地で己が成長に必要な|地上の生物《遺伝子情報》が至る所に存在しており、それらを全て収集出来れば一気に完全体まで成長出来るだろう。
 薄桃色の花びらがヒラヒラと落ちる木々の間をゆっくりと進みながら|『星喰エンプティ『幼生』』《ソレ》は|地上の生物《遺伝子情報》を求めて歓楽街へと向かうのだった。
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎

「『星喰エンプティ『幼生』』…成長する前に駆逐し撃滅する、滅殺は確定だ」
『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』を起動して1分先の未来を見ながらファンネルビット/シールドビット/リフレクタービットを創造して展開し敵に対してリニアロングボウとアルテミス・レーザービームで攻撃を仕掛け、敵の攻撃をテレポートで空間飛翔して回避しながら敵UCを“三女神”で封印/弱体化させてファンネルの展開を終了させると一斉総射とフルバーストとヘラ・エウピションでの全力総攻撃を仕掛けます。
【胃袋】に囚われたら躊躇無くい自爆して僅かにでもダメージを与えて栄養を与えない様に気を付けます




 稲妻のような光が薄桃色の花びらを踊らせて宙を貫く。
「『星喰エンプティ『幼生』』……成長する前に駆逐し撃滅する、滅殺は確定だ」
 【アストラル・エレメント・トランスフォーメーション】で武装したティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)は『星喰エンプティ『幼生』』にリニアロングボウを向けて第二射を放つ。
「その動きは見えている」
 ティティスの放った攻撃を避けるべく動く『星喰エンプティ『幼生』』だが先を見ているティティスの前では無駄な動きであり、『星喰エンプティ『幼生』』の動きをファンネルビットが抑え、リニアロングボウの第二射が命中する。
「無駄な事を」
 『星喰エンプティ『幼生』』の攻撃をシールドビットで防いでリフレクタービットで反撃し、ファンネルビットでダメージをあたえていく。先を見据えるティティスの流れるような一連の動きに『星喰エンプティ『幼生』』は成す術も無い。
「悪あがきは止せ」
 完全体となれば厄介極まりない相手であっても今はまだ幼体。だからこそ『星喰エンプティ『幼生』』が仕掛けてこうようとする攻撃の気配を察知する事も戦場に見えない何かが形成されようとしている事も感じる事が出来た。
(場合によっては自爆しても良いが)
 勿論、それがどんな攻撃で自分がどんな目に合うかは既にティティスには分かっている。【エンプティの見えない胃袋】に囚われ『星喰エンプティ『幼生』』の栄養となる未来だ。もしそうなった場合には速やかに自爆して『星喰エンプティ『幼生』』にダメージをあたえる事も想定しているが先が見えているのだ、余程の下手を打たない限りその未来に至る事は無い。
「さて、時間も惜しい。ここで終わりにしよう」
 薄桃色の花びらと共に舞う金の髪を靡かせながら静かにティティスは告げる。『星喰エンプティ『幼生』』にその言葉が通じたかどうか定かではないが焦りのような気配をティティスは感じたが、焦った所で結末は変わらない。
「女神の憤怒の如き、総攻撃を」
 焦りから逃げる気配に変わった『星喰エンプティ『幼生』』をファンネルビットで撃ち落として展開を終了し、動けずにいる『星喰エンプティ『幼生』』へ向かって威力の高められた一斉総射が放たれ、眩い光の軌跡が澄み渡った空を駆けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

賤木・下臈
生命を喰らう者、ですか。では、この下臈の生命を吸収してみますか?我々「あやしき|下臈《げろう》」が本当に|生物《せいぶつ》であるか、試してみますか?この下臈にも分かりませぬ、世に100人いる「あやしき下臈」のうちの726番目の一個体に過ぎませぬゆえ。|生物《なまもの》であることは確かですが。この下臈から何かを吸収したとして、それがあなたにとって栄養である保証はありますか?

あほうな戯言はさておき、敢えて「見えない胃袋」に我が身を委ね、「生命力」を吸収させます。吉と出ますか、凶と出ますか。

私も下臈さん あなたも下臈さん




「生命を喰らう者、ですか」
 来る途中で拾った木の枝を隙無く構えて賤木・下臈(おいしいクッキーです・f45205)は眼前に浮かぶ『星喰エンプティ『幼生』』を見据える。自身の行く手を塞ぐ下臈を敵と認識した『星喰エンプティ『幼生』』が小さく威嚇しながら攻撃してくるのを柳の如く避けながら時折木の枝で打ち据えてダメージをあたえていく。その辺で拾った木の枝であるが手練れであればそれを武器として扱う事は容易い。
「では、この下臈の生命を吸収してみますか?」
 木の枝で打ち据えられながらも喰らい付こうと足掻く『星喰エンプティ『幼生』』に下臈は静かに告げる。
「我々「あやしき|下臈《げろう》」が本当に|生物《せいぶつ》であるか、試してみますか?」
 飛び掛かって来る『星喰エンプティ『幼生』』を避けてその背を木の枝で打ち据えながら下臈は言葉を続ける。
「この下臈にも分かりませぬ、世に100人いる「あやしき下臈」のうちの726番目の一個体に過ぎませぬゆえ。|生物《なまもの》であることは確かですが」
 のらりくらりと『星喰エンプティ『幼生』』の攻撃を避けながら紡がれる下臈の言葉を『星喰エンプティ『幼生』』が理解しているかどうかは分からない。けれども下臈が自身の目的を妨げる存在であり、敵である事は本能的に分かっていた。故に『星喰エンプティ『幼生』』は目の前の存在を飲み込み、消し去ろうと大きな流れを作り出す。
「この下臈から何かを吸収したとして、それがあなたにとって栄養である保証はありますか?」
 見えずとも肌で感じる大きな流れ。生命力を吸収しよと轟くうねり。そして自らを飲み込もうとするナニかに下臈は持っていた木の枝を手放して無防備にその身を晒す。
(あほうな戯言はさておき、このまま身を委ねてみましょうか。さて吉と出ますか、凶と出ますか)
 ナニかに囚われると肌で感じながら下臈は小さく呟く。
「私も下臈さん あなたも下臈さん」
 そうして下臈はナニかに飲み込まれた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ゾルファ・デロジエ(サポート)
 シカのパラディン×黒騎士、21歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、偉い人には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


飯綱・杏子(サポート)
狩った獲物は持ち帰ってもいいっすか?

ジビエ|食材《オブリビオン》がヒト型でなければ料理して喰らうっす
ヒト型の食材を料理するときはこちらがヒト型を辞めるのが|マナー《マイルール》っす

リビングアーマーや宇宙船の類だってきっと貝類みたいに美味しい可食部があるし、食器としても活用するっす
どんなに癖のある|肉《ジビエ》でも濃い味付けにすれば食えない肉はないっす

悪魔だから|毒は利かない《【毒耐性】持ち》っす。酔うけど。腐敗も発酵もわたしには一緒っす
あと|八つ裂きにされても死なない《【切断部位の接続】持ち》っす

シナリオや同行者の都合で、ヒト型を性的な意味で食い散らかしてもいいっすよ
白子もミルクも大好きっす




「あの|食材《オブリビオン》を狩ればいいっすね? 狩った獲物は持ち帰ってもいいっすか?」
 |万能《エクストリーム》|猟理器具《クックウェア》を肉切り包丁に変えてキラキラした瞳で『星喰エンプティ『幼生』』見つめる飯綱・杏子(悪食の飯テロリスト・f32261)に黒剣を構えたゾルファ・デロジエ(シカのパラディン・f45028)は思わず動きを止めた。
「あれを持ち帰るの?」
 杏子の視線の先をゆっくりと辿ったゾルファは思わず質問を投げかけた。まさかとは思うが、食材と書いてオブリビオンと呼ぶ。なんて事は無いよね。と。
「勿論っすよ。どんなに癖のある|肉《ジビエ》でも濃い味付けにすれば食えない肉はないっす」
 にっこりと笑って返す杏子に彼女の本気を感じたゾルファは静かに『星喰エンプティ『幼生』』を見やる。心なしか『星喰エンプティ『幼生』』が震えているように見えるのだが気のせいだろうか。
「まずは部位ごとに|解体し《バラさ》ないとっすね」
 杏子のやる気に満ちた言葉にこちらの言葉が分かるのか、それとも杏子のただならぬ雰囲気に恐れをなしたのか『星喰エンプティ『幼生』』の震えは大きくなるばかり。
「行くっすよー!」
「血抜きくらいなら手伝えるわね」
 肉切り包丁を持って『星喰エンプティ『幼生』』へと駆けて行く杏子と黒剣を槍に変えて続くゾルファ。このままでは狩られると本能で感じ取ったのか『星喰エンプティ『幼生』』はすかさず龍脈から11体の闇の巨人を召喚して自分を守らせる。まさか敵を退治にきた猟兵が敵を食材と見做すとは『星喰エンプティ『幼生』』もオブリビオン人生では初めてではなかろうか。
「食材が増えたっす! 一気に|解体する《バラす》っすよ!」
「サポートするわよ!」
 召喚された闇の巨人11体から同時に放たれる破壊光線を潜り抜けて2人は闇の巨人達を解体していく。すね、もも、そともも、ばら、かた、肩ロース、ネック。器用に|万能《エクストリーム》|猟理器具《クックウェア》を変形させて解体していく杏子にサポートとして同じく黒剣を変形させながら続くゾルファ。バラバラに解体されて行く闇の巨人を目の前にブルブルと震える|『星喰エンプティ『幼生』』。
「させないわよ!」
 このままでは|ヤられる《喰われる》! 本能で悟った『星喰エンプティ『幼生』』は【エクス】を発動させたが周囲の空気が変わった事を察したゾルファは【無敵城塞】を発動して超防御モードになる。そして――。
「いただきっす!」
 暴食衝動を開放した杏子の【|フードファイト・最終モード《フードファイト・ファイナルモード》】が『星喰エンプティ『幼生』』へと襲い掛かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ベルベナ・ラウンドディー
歓楽街を楽しむ客じゃ無さそうですね
幼体のうちにラクに始末が出来そうで実に結構

さて、と、拳士だ海賊だとジョブで名乗っても得意技は【封印術・結界術】の2つでしてね
抜刀、突きの構え。…そして一直線に駆け抜けユーベルコードで攻撃します
其方の技の特性から触れた私の体力を吸い上げるってことなんでしょうが
【元気】、私は生命力にも自信がある。
完全に吸い取られる前に此方の技で効果範囲を縮小させ、そのまま封じ込めてくれますよ


これだけの強度で技を撃てば普通は刀が曲がるか折れるか…
まぁいい、近場で買えそうですし一本くらいは差し上げるつもりで。




「歓楽街を楽しむ客じゃ無さそうですね」
 薄桃色の花びらが舞い散る中で『星喰エンプティ『幼生』』と相対したベルベナ・ラウンドディー(berbenah・|∂《ラウンドディー》・f07708)は直刀を構える。そんなベルベナの姿を『星喰エンプティ『幼生』』は自身を覆う外殻の中でニヤニヤと見つめていた。まるでその鈍らでは自分を倒す事は出来ないとでも言うように。
「幼体のうちにラクに始末が出来そうで実に結構」
 そんな『星喰エンプティ『幼生』』の態度を意に介さずベルベナは抜刀し、地を蹴って一閃。カキンと甲高い音と共に弾かれて『星喰エンプティ『幼生』』と距離を取る。どうやらこの程度の攻撃では外殻の中に居る『星喰エンプティ『幼生』』を斬る所か外殻に傷を作るのが精一杯のようだ。ほら、見た事か。と、ばかりの表情を浮かべる『星喰エンプティ『幼生』』。
「そうですか」
 言ってベルベナは抜き身の直刀を鞘に戻す。
「さて、と、拳士だ海賊だとジョブで名乗っても得意技は【封印術・結界術】の2つでしてね」
 そう言って再び抜刀した刀に結界の力を込めてベルベナは力強く地を蹴って一気に『星喰エンプティ『幼生』』へと迫った。一瞬で自分の目の前まで来たベルベナの姿に驚愕の表情を浮かべた『星喰エンプティ『幼生』』だったが、先ほどのベルベナの一閃が自分にまで届かなかった事を思い出して余裕の笑みを浮かべた。『星喰エンプティ『幼生』』は密かに【マキナ】を発動しており、その効果は自分を覆っている外殻に触れた相手の生命力に影響を与えるもの。相手の生命力を奪って涸らすもよし、逆に本人の持ち得る生命力以上の生命力を与えて自滅させても良いのだ。
「結界の力そのものを流し込む」
 自分の勝利を信じて疑わない『星喰エンプティ『幼生』』の外殻を結界の力が込められた直刀が貫く。それを信じられないとばかりに目を見開く『星喰エンプティ『幼生』』だがまだ【マキナ】の効果があると表情を改めた。勿論、【マキナ】の効果はベルベナも分かっている。
「其方の技の特性から触れた私の体力を吸い上げるってことなんでしょうが、私は生命力にも自信がありますよ」
 外殻を貫いた瞬間。直刀を通して生命力を奪われている事を感じていたベルベナに焦りはない。何故ならそのおかげで【|結界突《グレイプニル》】の追加能力が発動するのだ。それまで【マキナ】の効果とベルベナの我慢比べとなる。そうして【|結界突《グレイプニル》】の追加能力により徐々に【マキナ】による生命力を吸い上げる力が弱まって行きその効果を消した。
「こちらも限界のようですね」
 直刀に目をやりベルベナは呟く。特別な力も護りも無いただの刀である直刀に結界の力を込めたとは言え結構な強度で技を使ったのだ。普通の刀は曲がるか折れるかするだろう。現に外殻を貫いている刀の刃にヒビが入り嫌な音を立てている。
「刀の一本くらい差し上げます」
 まぁいい、近場で買えそうですし。そう胸中で呟き、ベルベナは『星喰エンプティ『幼生』』の外殻を貫いている直刀に再度力を込めて一息に『星喰エンプティ『幼生』』を貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『コロニーで休日を』

POW   :    美味しい宇宙料理を堪能

SPD   :    面白い宇宙遊技に興じる

WIZ   :    珍しい宇宙土産を買う

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●花舞う街で
 『星喰エンプティ『幼生』』を撃破し、人知れず惑星の危機を救った|猟兵《あなた》達は折角来たのだからと観光を楽しもうと歓楽街へと向かう。梅、桃、桜の花びらが混ざり合って風に舞うさまは見ているだけで美しく、ただ散策するだけでも目を奪われる。
 このままのんびりと散歩するのも良いがカフェで桜ラテや梅茶。ピーチ―ティーを楽しむのも良いかもしれない。何処のカフェも三種類の花をモチーフにした飲み物や食べ物が置かれているので目についたお店にふらりと入るのも旅行の醍醐味だろう。
 それとも土産屋を巡ろうか? アクセサリーを展示する露店に桃色の天然石を使った高級アクセサリー店。小物や雑貨のお店に定番のクッキーやせんべいを売っているお店。様々なお店が開いており、何を買うか悩んでしまいそうだ。
 あるいは、手作り教室に参加してみようか? 三種類の花で作ったハーバリウムにドライフラワー作り。簡単なアクセサリーや小物の手作り教室もある。この地に来た記念として何か作って行くのも良いかもしれない。
 あえて食べ歩きをすると言う選択もある。薄桃色の花びらが舞う街をぶらぶら歩きながらクレープやアイス、ドーナツ等を食べたり、桃色の生クリームがたっぷり乗った飲み物を飲んでみたり。もしかしたら何か発見があるかもしれない。
 何をするかは|猟兵《あなた》達しだい。脅威の去った観光地を心行くまで楽しんで行こう。
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎

「宇宙遊技か…久し振りに羽根を伸ばして見るとしよう」
『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』を起動してティティスの分体とファンネルビットを創造したらチビティティスも出て来て一瞬「クスクス」と笑ってしまい、“戦闘以外では私にも色々な,verが出る様になっているな”と再確認してフムフムと理解して自由遊泳でも癖や手順を見て改めながら記憶し記録していく。
そんな中で猟兵コレクション2025,verも見付けて少々派手では無いか?と思いつつも自分の中でプロポーションや容貌に自信を持っているのを把握します。他にも猟兵や観光客とも談笑したり一緒に宇宙遊泳を楽しみます。




 歓楽街から離れた場所にひっそりと建っている建物。その奥で梅、桃、桜の樹々に囲われるようにして存在するその場所は一見すれば広いゴルフ場のようだが実は知る人ぞ知る有名スポットだ。
 気ままに観光地を散策していたティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)がその場所を訪れたのは偶然であり、興味を惹かれるままに何をする場所なのかと覗いてみればそこは特殊なフィールド下で空中散歩を楽しむ娯楽施設だった。人に限らず一定の生物は特異な力でも無ければ空に浮く事は出来ない。ましてや浮いたまま移動するなどもってのほかだ。だが、この施設では外付けの機械を使う事で時間制限はあるものの人の身でありながら宙に浮き。自由に動き回る事が出来る。
「宇宙遊技か……久し振りに羽根を伸ばして見るとしよう」
 受付のスタッフに施設の説明を受けたティティスは折角だからと空中散歩に興じる事にした。宙に浮くための機械を何種類か紹介されたがティティスはそれを断る。何せ彼女は自前で浮く事が出来るのだ。楽しいひと時をお過ごし下さい。と笑顔で見送るスタッフと別れてメインの広場へ向かえばそこには、日の光を浴びて薄っすらと浮かび上がるドーム状のフィールドの下で空中に浮かんだ観光客が各々楽しそうに過ごしていた。
「うん、良い空中遊泳日和だ」
 少し雲はあるものの空は快晴。日差しも柔らかく風も穏やかだ。
「幽魔月精は機械身体、幽魔月精の機械魂魄」
 【アストラル・エレメント・トランスフォーメーション】を起動したティティスはゆっくりと空へと浮かんで行く。半透明の黄色いスカートの裾がふわりとたなびいて一部の観光客の目を奪った。
「ここらで良いか。……ん?」
 ある程度の高さまで上がったティティスが自らの分体とファンネルビットを創造するとファンネルビットの一つから長い金色の髪が揺れており、次いでぴょこっと小さなティティスが顔を覗かせた。どうやら分体とファンネルビットを創造した時にチビティティスも一緒に出て来たようだ。思わずクスクスと笑ってしまう。
(戦闘以外では私にも色々な,verが出る様になっているな)
 そう再認識してフムフムと頷き、空中を緩やかに泳ぎながら癖や手順を見て改めながら記憶していく。そんな中で視界に映る姿にティティスは思わず動きを止めた。
「あれは」
 肌を大胆に露出させてセパレートタイプの黄色の衣装に身を包んだティティスの分体がチビティティスと共に空中遊泳を楽しんでいる。
「少々派手では無いか?」
 春のコレクションにて披露した衣装の一つだ。思わずマジマジと観察してしまい、そのプロポーションと容姿に自信を持って満足げに頷く。
「ねーちゃん、すげー!!」
「この子カワイイ!!」
 そんなティティスの耳に無邪気な子供の声が届く。見ればファンネルビットに目を輝かせている幼い男の子とチビティティスに目が釘付けの幼い女の子が居た。他にも視線を感じればやはりファンネルビットやチビティティスに興味津々な観光客の姿が。声をかけたくともかけられないとばかりに遠慮するその姿に思わずティティスが笑みを浮かべた時。大きな風が駆け抜けて薄桃色の花びらを頭上高く舞い上がらせる。そうしてひらひらと降り注ぐ花びらはまさに花吹雪のようで周囲から感嘆の声が零れた。花吹雪の中でティテイスは声をかけてきた幼い男の子と女の子に向き直る。まずは二人を空中遊泳に誘ってみようか。それからティティスに声をかけるか迷っている観光客にこちらから声をかけてみよう。薄桃色の花びらが舞う中でティティスは優しく微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベルベナ・ラウンドディー
…まいりましたね、歓楽街で刀を売る店が見当たらないとは
本来は平和な場所である証左と言えますが今の私には少し困る
グリモアベースに帰還するまでその辺の茶店で時間つぶししてましょう
えーとお品書きは…と眺めたところでグサグサ刺さる奇異の視線
何故でしょうか、とりあえず適当にピーチティーでも。

…え?観光で来ましたよ
…ん?1人でですよ?
…は?いませんよそんなん
と思ったら、アベック割引とかそういう店でしたか、ほー(ぷるぷる

猟兵でも持ってない奴は持ってないんですよ 悪かったですねえ!!
その注文はテイクアウトにして逃げるように店を出ます

…平和すぎるのもよくないですねえ、
平和になれてない私みたいなのは、特に




 ひらひらと静かに舞い落ちる薄桃色の花びらを一瞥してベルベナ・ラウンドディー(berbenah・|∂《ラウンドディー》・f07708)は天を仰ぐ。
「……まいりましたね、歓楽街で刀を売る店が見当たらないとは」
 思わず零れた言葉に少しばかりの疲労が滲んでいる。先の戦いで使用した直刀が使い物にならなくなったために新しい物を探しているのだが食べ物や小物、アクセサリーの店はあっても武器を扱う店は無かった。
(本来は平和な場所である証左と言えますが今の私には少し困ります)
本物は無理でも木刀くらいはあるかと思ったがそれすらも無いとは……。一つ溜息を吐いてベルベナは歩き出す。無い物は無いのだ。このまま探し続けても無駄だろう。ならば帰還するまで何処かの店で時間をつぶそう。
「えーとお品書きは……」
 そうして目についた喫茶店のメニューを眺める。生のオレンジの果肉を入れ、綺麗に向いたオレンジの皮とミントを乗せたオレンジティー。梅シロップを入れ、梅の花の形をした砂糖菓子を乗せたソーダ―。桜のラテアートが美しい桜風味のカフェラテ。ラテアートは桜以外も選択可能だ。そして桃の果肉を入れ、くし切りにした桃と桃の花を乗せたピーチティー。観光地だけあって映えそうなメニューにどれを頼もうかと考えていると何やらグサグサと刺さる奇異の視線。何か粗相でもしたのかと思ったがメニューを眺めているだけで何かをやらかした記憶は無い。ではドラゴニアンが珍しいのかと思えば訝しむベルベナの後ろをドラゴニアンのカップルが通り過ぎて行く。何故だろうと疑問は浮かぶものの、店の前でずっと立っているのも迷惑になるし適当に目に入ったピーチティーでも注文しようかと尻尾をゆらした瞬間。
「いらっしゃいませー。店内をご利用でしょうか?」
 満面の笑みを浮かべた店員がベルベナに声をかけてきた。その言葉にベルベナが頷けば店内へと案内される。
「かしこまりました。ご注文がお決まりでしたら先にこの場で承ります」
 店員の言葉にピーチティーを1つ注文すれば不思議そうな顔をした店員がベルベナを見つめた。
「えっと、不躾な質問で申し訳ないのですがお客様はお仕事でこの地に来られたのでしょうか?」
「……え? 観光で来ましたよ」
 突然の店員の質問に戸惑いながらもベルベナは答える。
「お連れ様とかは……」
「……ん? 1人でですよ?」
「えっ?」
「えっ?」
 ベルベナの言葉に小さく声を上げて動きが止まる店員。その店員の行動にベルベナも反射的に動きを止めた。暫し見つめ合う2人。
「あの、恋人と一緒に来られたんですよね?」
「……は? いませんよそんなん」
 再度、2人の間を奇妙な沈黙が流れる。
「ただいま絶賛カップル割引キャンペーンを行っております! よろしければどうぞ!!」
「!!」
 2人の間の沈黙を破ったのは外で呼び込みをしている別の店員の声だった。その声に、否。その内容に驚いてベルベナが店内を見回せばそこには恋人達が甘い雰囲気でそれぞれに飲み物や食べ物を楽しんでいた。
(アベック割引とかそういう店でしたか、ほー)
 何故この甘ったるい空気に気付かなかったのか。ベルベナの体がぷるぷると震えだす。つまり、ベルベナがメニューを眺めていた時にグサグサと刺さっていた奇異の視線はカップル割引がある店の前で1人で居たベルベナを不思議がっていたもので。それだけこの店はカップル割引をしているのが有名な店と言う事だ。
(猟兵でも持ってない奴は持ってないんですよ! 悪かったですねえ!!)
 あまりの居たたまれなさに注文していたピーチティーをテイクアウトに切り替えてもらい逃げるようにベルベナは店を後にしてがむしゃらに走る。そして3つの木々に囲まれた公園に辿り着きベンチに座って大きく息を吐いて天を仰いだ。
「……平和すぎるのもよくないですねえ、平和になれてない私みたいなのは、特に」
 そんなベルベナを慰めるかの如く薄桃色の花びらがベルベナの頬を撫でていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『この星に抱かれて』

POW   :    満喫しよう!

SPD   :    満喫しよう☆

WIZ   :    満喫しよう♪

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●とっておきの場所を貴方へ
 グリモアベースに帰還するまでの間、観光を楽しんでいた猟兵達に強い憧れの色が浮かんだ瞳を輝かせて話しかけて来る人物がいた。彼、あるいは彼女は|猟兵達《あなた》が『星喰エンプティ『幼生』』と戦闘をしている所をたまたま目撃してその姿に魅了されたと言う。
 事細かに|猟兵達《あなた》の戦う姿を褒めたたえ、あそこが凄い。あそこに目を奪われた。あそこの攻撃などまさに天才の発想。等々。聞いている|猟兵達《あなた》が恥ずかしくなる程の絶賛ぶりだ。
 そうして、彼ら、彼女らは言う。もっと|猟兵達《あなた》の戦いぶりを語りたい所ではあるが|猟兵達《あなた》にはもっとこの|惑星《ほし》の素敵な所を見て欲しい。好きになって欲しい。この|惑星《ほし》を救ってくれたお礼としては足りないかもしれないがこれからあまり人に知られていない特別な場所を教えるので是非堪能して欲しいと告げて彼ら、彼女らは去って行った。

 雄大な大自然を眺めながら楽しむ天然温泉の足湯。
 梅、桃の樹々に囲まれた樹齢千年は越えようかという枝垂れ桜の大樹。
 まるで絨毯のように三種類の花びらが浮かぶ湖での小舟遊び。
 梅、桃、桜の樹々と歓楽街を一望出来る高台。
 その他にも教えてもらった場所は多く。さて、どこから回ろうかと|猟兵達《あなた》は頭を悩ませたのだった。
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎

「さぁ、宇宙銀河の海を満喫するか…」と呟くと意図せずに『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』が起動して分体たちが色々な姿になって自由奔放に飛び回りじゃれ合いながら指を差して笑い合います。
ティティス本人は宇宙の静寂を堪能しながら流されているとチビティティスに髪の毛にじゃれられたりしながら段々と自分自身の中にも気持ちが増えているの理解して「私にも色々な“気持ち”などが増えているのだな」と感心しながら別のティティスに「まだまだ序の口よ」や「なにを黄昏ているのやら」とそれぞれが口にしながらテレパシーで情報根幹をしつつ次々と増える情報に感嘆としています。




 静寂が広がる暗い世界に無数に浮かぶ惑星。生き物が住んでいる惑星もあれば未開のままひっそりと浮かんでいる惑星もある。古き|惑星《ほし》が死んで流れ、新しい|惑星《ほし》が生まれる場所。自ら光る|惑星《ほし》に他の|惑星《ほし》の光を受けて輝く|惑星《ほし》が浮かぶ場所。そんな|宇宙《場所》で輝く星の如く長い金の髪をなびかせてティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)は漂っていた。
「さぁ、宇宙銀河の海を満喫するか……」
 呟いて視線を下げれば先ほどまでティティスが居た惑星が目に入る。観光の目玉である梅、桃、桜の花が満開に咲き誇っているためか遠目から見ると惑星全体が薄桃色に染まっていた。
「これはまさに自力で飛べなければ見れない光景だな」
 娯楽施設で教えてもらった特別な場所。場所と言うには特殊過ぎるが確かに|宇宙《ここ》から見るリゾート惑星は宇宙の広大さはさる事ながら他の惑星とも相まって絶景である。この場所を教えてくれた者曰く。宇宙船で外を眺めていた時にたまたま気付いた光景で自力で飛べるティティスであればもっと凄い光景が見れるはずだと。様々な惑星が浮かぶ広大な宇宙空間に桃色の丸い惑星が一つ。ジーと見つめているとティティスの頭に何かのイメージが浮かんできた。
(あれはまるで)
「丸くてピンクで、まるでキャンディみたいじゃない?」
「なら、味は桃味?」
「梅味かもしれないよ?」
「大穴で桜味かも?」
 ティティスが口を開く前に聞きなれた声と共に幾人ものティティス達が口を開く。
「キャンディなんてお子様ね。あれはインカローズに似てるのよ」
 後ろからティティスの肩に両手を置いて顔を覗き込むのは純白の翼を背に持つティティス。
「随分とロマンチックな事を考えるのね」
 ティティスの正面から抱き着くのは羽飾りを付けたティティス。
「ちょっと夢見がち?」
 そんな二人を見ながらからかうのは黒いリボンをしたティティス。
 他にもスーツスタイルのティティスや黄色いリボンを結んだティティス等、色々な姿になったティティスの分体達がお互いにじゃれ合いがら自由奔放に広大な宇宙空間を飛び回り、あれこれと指をさし合いながら笑い合う。ティティスの傍に居た三人の分体も他の分体達の元へと向かってじゃれつく。どうやら意図せずに【アストラル・エレメント・トランスフォーメーション】が起動したようだ。
(なんとも穏やかだな)
 分体達の弾んだ笑い声に耳を傾けながらティティスは宇宙を漂う。金の髪がヴェールのように宇宙空間に広がるのをチビティティスが小さな手で弾いてみたり、髪の間を潜ってみたり、ティティスの頭の上に乗ってみたりとじゃれついて来る。時折、遠くで光る流れ星を見つけては歓声を上げる分体達の声が聞こえて凪のように心が静かだ。
「私にも色々な“気持ち”などが増えているのだな」
 分体達と過ごす穏やかな時。ほっとするような温かさを感じながら自分自身の中に気持ちが増えているのだと理解して言葉が零れた。
「まだまだ序の口よ」
「なにを黄昏ているのやら」
 そんなティティスの言葉を聞いたティティスの分体が訳知り顔で言えば他の分体が呆れながら続く。
「これは私達が教えてあげないとね」
「まったく世話が焼けるんだから」
 言葉とは裏腹に優しい笑みを浮かべている分体達が目を閉じれば本体であるティティスへと向かってテレパシーが送られて察知したティティスも静かに目を閉じる。分体達とのテレパシーによる情報交換。分体達から次々と送られて増え続ける情報にティティスは思わず感嘆するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベルベナ・ラウンドディー
少し前は資源惑星を渇望していた我々の世界が噓みたいですね
賑わしいのは花嵐だけで充分、飲み物を片手に静寂の散策に臨みます


折れた刀を散る花弁に当て、それを刃の上で滑らせてピーチティーの表面に浮かばせる
花弁の重さと流れに体を合わせる妙技、
これが自然に体を合わせる(黄龍拳士ジョブ説明)動きというものです
そして呑むことを含めて自然との合一とします、美味


「猟兵」などと名乗り続けて数年が経った
彼等に強く仲間意識は抱いていない筈が
袂を分かつ機会も特にないまま混ざり続け、今はこんな贅沢を楽しませてもらっている
彼等に感謝しなくてはなりません


この景色はもう少し楽しめそうだ
それまでは猟兵を名乗り続けてましょう




 穏やかに吹き抜ける風が枝垂れ桜の花を揺らして幾つかの花弁が彩度の違う薄桃色の花弁と共に空に舞う。日差しを遮っていた枝垂れ桜の枝の隙間から日差しが零れるのに目を細めてベルベナ・ラウンドディー(berbenah・|∂《ラウンドディー》・f07708)は緑の髪を風に遊ばせながら飲み物を片手に静かな遊歩道を歩く。
「少し前は資源惑星を渇望していた我々の世界が噓みたいですね」
 地元民しか知らないと言う長閑な遊歩道。枝垂れ桜が道なりに並び、その奥に梅と桃の樹々が植えられている。人の気配も無く、時折鳥の声と羽ばたきが聞こえる穏やかなひと時にベルベナは自らの世界を思い浮かべて空を見上げると雲が薄っすらと浮かぶ蒼天がベルベナを出迎えた。
(賑わしいのは花嵐だけで充分)
 ひらりひらりと舞い散る花弁に誘われるようにしてベルベナは空を見上げていた顔を戻し、先の戦闘で折れた直刀を取り出すと不規則な動きで散る花弁に当てて刃の上で滑らせながら手に持っていたピーチティーへと落とす。薄桃色の花弁は刃で切れる事無くピーチティーに飾られた桃の花を彩るように表面に浮かんだ。花びらの重さと流れに体を合わせる妙技。これがあらゆる武術の源流になったとされる黄龍拳士の自然と体を合わせる動きと言うもの、そして呑むことを含めて自然との合一とする。
「うん、美味」
 風に吹かれた枝垂れ桜の枝がカーテンのように揺れて鳥の声が空気を小さく震わせる。吹く風は穏やかで植えられた樹々が日差しを遮り時折零れる日差しは柔らかい、目に映るものが殆ど薄桃色に染まった景色。まるで大自然に抱かれているかのような感覚を味わいながらピーチティーに口をつけるベルベナ。悩みも難しい思考も吹き飛ばすような大自然の景色のせいか、またはゆっくりと流れる穏やかなひと時のせいか。ふと、これまでの事がベルベナの脳裏をよぎる。
 「猟兵」などと名乗り続けて数年が経った。|猟兵《彼等》に強く仲間意識は抱いていない筈が袂を分かつ機会も特にないまま混ざり続け、今はこんな贅沢を楽しませてもらっている。
「彼等に感謝しなくてはなりません」
 穏やかな風が枝垂れ桜と共にベルベナの髪を揺らし、白い肌を撫でながら吹き抜ける。巻き上げられた花弁が宙を舞いながらひらひらと落ちて来るさまは雪のようでベルベナは目を細めた。
「この景色はもう少し楽しめそうだ」
 それまでは猟兵を名乗り続けてましょう。
 空は薄っすらと雲が浮かぶ快晴。遊歩道から見える樹々は薄桃色の花を満開に咲かせて鳥の声が彩りを添えるまさに散策日和。そして散策のお供は花弁を浮かべたピーチティー。ゆっくりと歩みを進て帰還の時間になるまでの間、ベルベナは人の手の入っていない自然の景色を眺めながら散策を続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年06月18日


挿絵イラスト