メリー・メリー・もふもふクリスマス
猟兵になるまで、あまり森の外に出ることがなかったから。
他の世界でキラキラ光るクリスマスツリーを見た時はちょっぴり驚いたし、それにとっても綺麗で、尻尾も大きくぶんぶん揺れたくらいうきうきして。
だから、はじめてそれを見た時は、森のおうちに帰ってからおじいさんや森のお友達に、いっぱい興奮気味に、見たもののお話もしたのだけれど。
でもココ・ロロ(ひだまり・f40324)は、ふと気づいたのだ。
森には、他の世界のクリスマスツリーに負けないくらい立派な木が、たくさんあるということを。
だから、知らないことを知ったそのわくわくを。
ココは今回、おじいさんや森のお友達にもお裾分けしようと思ったのだ。
ということで、考えたのはそう――森の手作りクリスマスパーティー。
●みんなの手作りクリスマスパーティー
というわけでいざ、森のクリスマスパーティー!
……を、はじめるその前に。
たのしいパーティーにするためには、まずは準備から。
なんて言っても今回は、皆で作る、森ならではの手作りクリスマスパーティーだから。
夜のパーティーに向けて、皆で準備から、楽しくがんばるつもり。
ということで、クリスマスパーティーに欠かせないもの。
それは他の世界のクリスマスを見てきたココは、ばっちりとリサーチ済。
「まずは、ツリーにかざりつけをしましょう!」
そう、クリスマスに欠かせないのは、やはりクリスマスツリー。
おじいさんとも相談して、おうちのすぐそばの1本の木を選んで。
森の友達と一緒に、その木を、クリスマスツリーにするために飾り付けします!
選んだ木は、あまり高すぎず、でも見上げるくらいには立派なもので。
それに飾るものは、ココが他の世界から調達してきた、クリスマスっぽいオーナメントなどの飾りだとか。
あとは、おさんぽしながら皆で集めた、森の材料たちもいっぱい。
松ぼっくりやどんぐり、赤や黄色などのいろいろな色の実。
クリスマスっぽい白いふわふわのわたの実だったり、赤や白みたいなお花だったり。
あとは、枝で簡単に作ってみたリースっぽいものだったりなどなど。
冬枯れの森にも、クリスマスツリーに飾れそうなものはたくさん見つかったから。
皆で探して、たくさん楽しく集めた材料が勢ぞろいすれば。
森のクリスマスならではなツリーの飾りつけを、皆で楽しくやっていきます!
あまり高すぎない木を選んだものの、でもただ手を伸ばしたくらいだと、上までは到底届かないのだけれど。
でもそこは、森の友達にお任せあれ!
甘えん坊リスのポポも、仲良しネズミのチュチュとチュリやこもれびねこのルルも。
他にも集まってくれた森のお友達は皆、木登りが大得意だから。
しゅたたっと木にのぼっては、木の上の方の飾りつけだって、楽々。
普通の木が、どんどんクリスマスツリーになっていって。
「これを、木にぐるっと巻きつけてもらえますか? あ、そうです、そんなかんじで~」
鳥さんたちに頼んで、くるくるっと木に巻き付けるように飾っていくのは、外でも光る電池式LEDライトのイルミネーション。
そして仕上げに、木のてっぺんにお星さまをちょんと置いてもらって。
「電気をつけますね……わ、すごい……! えへへ、キラキラできれいです!」
どきどきしながら、ぽちっとライトのスイッチを入れれば。
お耳も尻尾もぴこぴこゆらり、イルミネーションライトがカラフルにキラキラ。
ごく普通の木だったのが、皆の手で見違えるほどに飾られて。
森のクリスマスツリーの完成です!
そして、ツリーの飾りつけが終われば、次はおうちの中でパーティーの準備を。
ちょうど、窓から見える場所にある木をピカピカのツリーにしたから。
おうちでは、テーブルに飾る小さな松ぼっくりのツリーだとか。
森の友達も食べられるクッキーだとか、野イチゴやブルーベリーなどを飾った森のクリスマスケーキだとか、美味しそうな木の実だとか。それにおじいさんと一緒に作った、森の素材たっぷりなあったかクリームシチューも、テーブルの上にずらりと並べて。
クリスマスツリーだけではなくて、ココもおじいさんも、それに森の友達もみんな。
男の子がちょっと多めなお友達だけど、ちょこんと赤いサンタ帽子をかぶって、フードケープを着たり、クリスマスカラーなリボンをきゅっと飾ったり、クリスマス風に皆お揃いでおめかしすれば。
「ココ、あとはまだ何か準備するものはあるかい?」
「ふふー、ばっちりです、おじいさん! 森のクリスマスパーティーはじめましょー!」
お待ちかね――森のクリスマスパーティーのはじまりです!
●森のもふもふクリスマスパーティー
まずは皆で、森のクリスマスのご馳走をいただきます!
「ほう、これは見たことがないかたちのニンジンじゃな?」
「えへへ、お星さまのかたちにくり抜いてみたですよー。おじいさん、クリスマスはお星さまのものもたくさんあるのですよ!」
「確かに、このクッキーも星や色々なかたちをしとる。星に人型に……これは?」
「それはサンタさんで、こっちはくつしたなのですよ。いい子には、サンタさんがくつしたにプレゼントをいれてくれるんです」
「くつしたに、プレゼントを? ふむ……そうなんじゃな」
「そうなんです、おじいさん。あと、このクッキーは、じんじゃーくっきーっていうクリスマスのおかしで、人のかたちのものは、じんじゃーまんっていうお名前だそうですよ!」
ココはちょっぴりえっへん、尻尾をゆらゆら。
おじいさんにもクリスマスのことを教えてあげながらも、森の友達にてしてしされれば、動物さん用のクッキーを渡してあげたりして。
シチューであったか、ケーキももちろん、皆で美味しくいただいて。
おなかもいっぱいになれば、もふもふじゃれあいタイム!
甘えてくるリスのポポのもこもこふわふわな毛をお手入れしてあげれば、お膝の上で今夜もとってもごきげんだし。ルルもなでなでしてあげれば、ころんと気持ちよさそうに寝転がって。チュチュとチュリもやっぱり仲良く並んで、ココのそばにちょこん。
他にも集まってくれた動物さんたちを、順番に撫でてあげた後。
――ふわふわココです!
ココも、白くてかわいいけものの姿に変身!
改めて、おひさまのかおりがするもふもふのからだにサンタさんカラーのペット用のフードケープ、もふもふなお耳にきゅっとキュートなリボン、星やジンジャーマンの飾りもつければ……ふわふわなココはかわいいですからね! と得意げな顔。
今度はココが、大好きなおじいさんになでなでしてもらって。
おじいさんがあたためてくれた暖炉の前で、ぬくぬくほわほわ。
そして森の友達も皆、ココのことが大好きだから。
姿や大きさも違う動物さんたちも暖炉の前に大集合、みんな仲良し!
いつの間にか、ふわふわなもふ溜まりが。
それから、頑張って準備をしたり、いっぱいはしゃいだり、おいしいものもたくさん食べておなかもいっぱいだから……うとうと、ゆらゆら。
鳥さんたちが、まつぼっくりツリーのリボンを興味津々、そっとひっぱって遊んでいるすぐそばで。
もふもふな皆に埋もれながらも、ココは白い獣の姿のまま、すやすやと。
幸せそうに、ふわほわ夢の中へ。
そして――すややかに皆と眠っているふわふわなココは、まだ知らない。
夢の中で、サンタさんがいい子だからって、いっぱいくれたように。
目が覚めたら、周囲にそっと置かれたたくさんの箱と。
それに……なんだかちょっぴり強引にくつしたに入った、嬉しいおじいさんサンタさんからのクリスマスプレゼントがあることを。
成功
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