クリスマスはもうはじまっている!
柳・依月
【ドヴェルグ】5名で共同ノベル希望
●キャラ概要
普段は大学生
ノリのいい、でもそれなりに落ち着いてる普通の現代の若者
新しい妖怪(ネットロア)がその正体
和洋折衷や和風なものを好む
●他参加者に対して
呼び名:尚人、エルゴ、ゼロ、レン
全員呼び捨て
いずれとも関係は友人
●ノベル概要
旅団の仲間達と、旅団のクリスマスパーティーのために買い出し。
のついでに買い食い。
場所はUDCアースのショッピングモール。
了解、俺たちが買い出し班だな?
なかなか珍しい面子だな。
嫌いじゃないぜ、この時期。
街中も浮き足立ってて、いつもより華やかだし、楽しそうな空気が漂ってる。
俺は特に気になる相手がいるわけでもねえし、恋人がいるわけでもねえが――まあ、根本的に人の賑わいってのは好きだからな。
エルゴ……街中でそれは目立つぞ?
猟兵が5人もいんだから普通で十分だろ。
俺は男だからよくねえか?
もうちょい持つぞ、俺も。
おい、ちょっ(少し焦り)……って、アイシャ達の前でもそんなんやってるのか?全く……
お、良い匂い!
なあ尚人、せっかくだし食ってこうぜあれ!
クリスマスっぽい屋台も並んでるし、せっかくの買い出しなんだから、ちょっとくらい寄り道したっていいだろ?
ん、両手が塞がってる?
持つぞそれくらい。
エルゴ・ルスツァイア
【ドヴェルグ】
アドリブ改変歓迎
・呼称:名前にさん付け、時々呼び捨て
友人として皆に気を許している、やや砕けた口調
・キャラ概要:強化クローンに魂が入り込んだ元軍人。集中時以外はややお気楽な性格。未知の事柄等への好奇心も高い
旅団の仲間計5名と|ドヴェルグ《飛空艇》で行うクリスマスパーティーの買い出しにUDCアースのショッピングモールへ。
(集合場所にて仁王立ちとなり)
よし、準備万端! …この格好か? いやまあ買い出しとなると、とにかくパワーが要るな…とパワーアシスト付きの装甲服を着て来たんだが、やり過ぎか? 目立つ……そうか。
了解!着替えておくよ。
(あっという間にコート姿に)
おお、コレが全部材料か! 肉に野菜に……こっちは飾りのコーナーだな。
(次々に放り込まれる飾りに目を丸くしつつ、お菓子に目を奪われつつ)
こうして見ると大量だな。ワタシも持つぞ? 良いのか? 凄い恰好になってるけど…って危なっ!
……ふう、驚かさないでくれ。道理でアイシャさんが落ち着かない訳だ。
良い香りだな……特権? ははは、それじゃあ買い食いと行こうか!
うーん、悩むな。どれを買おうか……いや、ここは全部だ!
この串焼きを二本づついただこうか。…甘い物が欲しいな。クレープに…ああ、ホットチョコならアッチに有ったぞレンさん!
(尚人さんを見)
いくら何でも無茶だったな、尚人さん。ほら、しっかり味わってくれよ?(串焼きを差し出しつつ)
●準備も祭りのうち
季節は冬。
多世界を知る猟兵たちであってもクリスマスというものは特別なイベントの一つだ。
恋人たちの季節とも言える。きっとそれは本能のようなものなのだろう。
厳しい冬を乗り切るためには熱が必要だ。
肌寒い空気は身を寄せ合う理由になるだろうし、それがきっと生きるということなのだろう。
身を寄せ合うということは、温かなものなのだ。
そして、何もそれが恋人たちだけのものではないことも言うまでもないだろう。
人と人との繋がりは密接になっていけば、家族という形態を生み出す。
例え、血が繋がらなくとも親しいものたちは生まれる。
育まれた縁が見せる光景は猟兵たちにとってかけがえのないものであったことだろう。
祭事というものはそういうものだ。
いきなり祭りがドンと始まるように思えるのは、前準備をしっかりと行う者たちがいるからだ。おかげであると言ってもいい。
「待ち合わせの時間にはまだあるけれど」
日野・尚人(あーちゃんの早朝襲撃に断固抵抗する会終身(?)会長・f01298)は、旅団『蒸気飛行船 -空中工房ドヴェルグ-』のクリスマスパーティを行うための買い出しに出かけている。
買い出しのメンバーたちとの待ち合わせ場所と時間はしっかりと把握している。
訪れたショッピングモール。
行き交う人々も、きっとクリスマス前の準備に追われているのだろう。
けれど、切羽詰まっているように見えないのは、誰もがクリスマスという行事に対して心躍るものが一欠片でもあるからだ。
尚人は、そんな人々の表情を嬉しく思う。
しかし、なんだかショッピングモールの広場の方角が騒々しい。いや、ざわついているというか、困惑していると言うべきか。そんな気配がするのだ。
どうしたことかと尚人は視線を向ける。
「待ち合わせ場所は……広場、だったよな?」
そこには仁王立ちをしているエルゴ・ルスツァイア(強化継承体・f40463)であった。彼女が立っている。
それ自体は問題ない。
だが、問題なのは。
「エルゴ!? な、何してんだよ! そんな物騒なもの……!」
「ん? ああ、尚人さんか。クリスマスパーティの買い出し、準備は万端だ!」
「いや、そうじゃないよ!」
尚人が指さしたのはエルゴが身にまとうパワーアシスト付きの装甲服であった。
「確かにパワーはあるだろうけどさ!?」
「エルゴちゃん、気合が入った装備してるねぇ!」
「流石に却って立ち回りが大変なのではないでしょうか? 足回りなど、特に。今の季節柄、小さなお子さんもいらっしゃいます。足元への注意に意識を取られると頭上を取られますよ」
装甲服に身をまとって待ち合わせ場所に仁王立ちしているエルゴを認めたのは、尚人だけではなかった。
ゼロ・ブランク(スリーオーブラック・f42919)と玄羽・レン(『元』対歯車のコッペリア・f44108)であった。
二人の言葉にエルゴは頷く。
「心配は無用だ。この装甲服のセンサーは万全だ。特に脆い足場のセンサーなどはな、アフリカゾウと猫の足のセンサーを参考にして……」
「いや、いやいや! そうじゃあなくって!」
そんな問題じゃあなく、装甲服でやってきているエルゴに問題があると尚人は言いたいのだ。
「なかなか珍しい面子だよな、これって」
そんなフォロー体質の尚人の言葉に柳・依月(ただのオカルト好きの大学生・f43523)が笑って現れる。
これで買い出しメンバーの五人は揃った。
だが、尚人はこの五人をまとめなければならないのだ。
「柳、確かにそうかもしれないけれど、装甲服は……」
「まあな。エルゴ、街中でそれは目立つぞ?」
「しかし」
エルゴからすれば、買い出しとは即ち補給線の確保に他ならない。
もしかしたら、己たちが購入した物資の強奪を狙うものもいるかもしれない。であれば、備えておくに越したことはないのではないかと思ったのだ。
多世界から集った猟兵ならではの感性であった。
それに、とエルゴは装甲服を纏った身を示す。
「買い出しとなると、とにかくパワーが要るものだろう?」
「荷物が沢山持てるっていうのはありがたいよね! その気遣いが天才っ! でもでもさ」
「やはり目立ちますね」
レンは周囲を見やる。
猟兵は確かに他者に違和感を与えづらいという能力を持っている。がしかし、である。エルゴの語ることも尤もなのだが、やはり考えすぎであろう。
「猟兵が五人もいるんだ。普通で十分だろ?」
「そうだぞ! それに女子たちに荷物をもたせるつもりはないぜ?」
尚人は大張り切りである。
「おいおい、俺もいるんだぜ?」
「大丈夫だって!」
「ふむ……であれば、了解! 着替えておくよ」
エルゴは仲間の言葉に素直に頷いて、あっという間の早着替えでコート姿に見を落ち着けていた。
集合という買い出しスタートの段階から、こんな調子である。
だが、ゼロは心が子どものように浮足立つのを感じていた。
確かにまだクリスマス本番ではない。
パーティだって始まっていない。ただの準備だし、買い出しでしかない。
けれど、ショッピングモールの雰囲気に彼女は当てられていたし、仲間たちとこうしてワイワイと買い物に行ける、というのは素直に喜ばしいことだったのだ。
「ね~! 早くいこうよ~!」
「あ、そうですね。まずは電飾の飾りなどから購入しましょう。生鮮食品の買い出しは、その後に」
レンはちゃんと食材が傷まぬように買い物セオリーというものをよく理解しているようだった。
浮足立つ者、しっかりとした者。
買い出しメンバーだけでも、こうも様相が違う。
そのことに依月は笑む。
正直言えば、楽しい。自分だってちょっとは地より足が数センチ浮いているような気分だ。いつもより街が華やかであるし、また楽しそうな空気が漂っているのは喜ばしいことだ。
「この雰囲気は好きだな、やっぱり」
「だよなー。店先見ているだけでも、装飾の参考になるよな。ほら、あれなんてキラキラしてッ綺麗だよな」
「あ~確かに。電飾って単純な光の明滅だけどさ、なんかこう、あるだけで豪華! ってッ感じがするよね~」
「最近では電力も極力抑えられるようにできているようですし」
「なあ、この飾りは何の意味があるんだ?」
エルゴの言葉にゼロは頷く。
「この丸いボールみたいなのは、リンゴだね。定番! 智慧の樹をイメージしてるんだろうね、それにこれはケイン~!」
「杖? なんで杖なんだ?」
「キャンディケイン……とある僧侶の作った杖の形をしたキャンディのことですね。羊飼いの杖をモチーフにしているようです。星は、誕生を知らせる導きの星ですし、靴下は、サンタクロースの伝説から、ですね。あとは花や、鳥……ああ、スノーフレークもポピュラーです」
レンの言葉にエルゴは深く頷く。
なるほど、こういう世俗にも様々な意味があるのだな、と感心するようだった。
「一通り、買ってく?」
「そうだな。飛空艇の甲板は広いし、むしろ足りなくてしょんぼりするよかいいだろう」
尚人の言葉に依月が頷く。
飾りつけを買い込んで次は、とレンがメモを手に取る。
それをゼロとエルゴが横から覗き込んで、男性陣である尚人と依月の二人が続くという形でショッピングモールを歩いていく。
「やはり、クリスマスと言えばターキーは必須ですね」
「んね~! 楽しみ!」
「おお、メモのこれは全部材料か! なになに……肉に野菜か。やはり装甲服、必要ではないか?」
エルゴは買い出しメモを見て、かなりの量になることを懸念していた。
やはり、大量なのだ。
「大丈夫だって!」
そう言う尚人はすでに両手が埋まっている。
これ以上どう持つつもりなのだろうか?
「尚人さん、本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫だって。女子に荷物をもたせるようなことはしないぜ!」
「俺も男だからよくねえか? もうちょい持つぞ、俺も……」
そんな依月の言葉にも尚人は笑う。
「大丈夫大丈夫♪ こんなのなんでもないから任せておけって」
そういう彼の両手両腕は荷物で着ぶくれしたようになっていた。
腕が塞がればどうするのか?
四人が疑問に思っていると、尚人は買い込んだ装飾品の袋を頭上に乗せて空いた手で食材の袋を掴んでいた。
曲芸か? と思うほどの光景である。
まるで荷物そのものが移動しているようであったことだろう。
「凄い格好になってるけど……」
エルゴは別の意味で驚愕していた。
自分の装甲服より尚人の方が目立っているではないか、と。
「大丈夫大丈夫……うおっと!?」
ぐらり、と揺れる頭上の荷物。
「危ないっ!」
「……な~んてな♪」
だが、次の瞬間、尚人は危なげなく躓くフリをしていたことを示すようにぐらりと揺れた頭上の荷物を器用にバランスを取って受け止めていた。
「ふう……」
「驚かさないでください……」
「おいおい……彼女たちの前でもそんなんやってるのか?」
「たまに?」
三人の言葉に尚人は悪びれた様子もなく笑う。
毎回、デートの度にこんな悪戯を仕掛けているのか、と依月は呆れ半分、らしいなとも思っていた。
「どうりで彼女たちが落ち着かないわけだ」
「へへ~♪」
「心配したら、お腹が空いてきました……」
「わ、買い食いしちゃう?」
ゼロの言葉にエルゴは頷く。
確かにショッピングモールをあちこち歩き回っている。
そろそろ補給をしなければならないと思っていたところであった。
「あっちに屋台あったよ! この香り、ずっっっと気になってたんだよね~! ヴルストもある! 唐揚げのいい匂い~……揚げ物の油の匂いってどうしてこんなに強烈なんだろうねぇ~食欲そそる~……! いっぱい買っちゃおうよ!」
「確かに良い香りだな。せっかくだ、ちょっとくらい寄り道したって構わないだろ?」
「え、ああ、いいと思うぜ! これも買い出し組の特権ってやつだな!」
「特権? ははは、そうだな。確かに、これは特権だ。労働には対価が必要だからな」
五人は揃って屋台居並ぶ催事場へと進む。
香りをたどれば、すぐに分かることだった。どれもこれもが、この寒空の下で食べることを想定されているのか、手に持って食べられるものばかりだった。
「串焼きか。やっぱ香辛料なんだろうか。異国の香りがするよな」
「ええ、甘いものも欲しいですね……」
レンはキョロキョロと周囲を見回している。
こういう屋台の場合、多くは酒のあてになるようなものばかりであったことだろう。食事を取る、という意味でも塩っ辛い物が多い。
ケバブサンドも美味しそうだし、と彼女は思っていたのだが、やぱり甘いものも食べたい。
「レンさん、大変だ」
「ど、どうしました?」
神妙な面持ちでエルゴが近づいてくる。
「あっちにホットチョコもあった。クレープも。どうしよう。どれを買うべきか、迷う」
「……それは、本当に一大事ですね」
「ここは、全部という選択肢、あるだろうか」
「ありですね」
二人の見解は見事に一致していた。
が、一人ここに戸惑う者がいた。
「しまったな……両手塞がってるから買っても受け取れないぜ……」
そう、尚人だ。
一人で荷物を持っているせいで、屋台で購入したものを受け取ることができないのだ。
その姿を見かねたゼロが尚人に近づく。
「あ、尚人くん、両手が塞がって食べられない?」
「ああ、そうなんだよ、ゼロ」
「じゃあ、あーん……」
差し出される串焼き。
その光景に尚人は瞳をうるませた。
やっぱり持つっべきは仲間であり友である。
あー、と口を開けた尚人だったが、その口が串焼きを捉えることはなかった。
「……あげないっ!」
「なっ! だったら……こうだ!」
逃げた串を追う尚人。
揺れる荷物。
なのに落ちないのは、尚人のバランス感覚あればこそだろう。
「おいおい、だから持つってば」
依月は尚人から荷物を奪うし、エルゴもまたやはり無茶だったな、と嘆息して頭の上の荷物を受け取る。
「はい、ウッソー♪ ちゃんと上げるってば! あ、レンちゃんのクレープおいしそー!」
「よかったら、ひとくちどうぞ?」
そんな騒々しくも楽しい買い食いの一時。
五人は積み上がる多くの荷物と共に買い出し組の特権を楽しみ、そしてさらに訪れるであろうクリスマスパーティを買い出し時の出来事を交えて笑い語らうのだろう。
メリークリスマスにはまだ早くても、きっと幸せな時間はやってくる――。
成功
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