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聖賢者は決戦支援列車にその手を伸ばす

#ケルベロスディバイド #聖賢者トリスメギストス #決戦都市ミツルギ

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「ケルベロスの強さはユーベルコードにあらず」

 デウスエクス達が平伏するその場に、重厚な“声”が響いた。
 平伏するデウスエクス達はその声に顔を上げるでもなく更に低く首を垂れて、続く言葉を待つ。

「特務機関|DIVIDE《ディバイド》にもあらず」

 重厚な“声”は、返答の声を待つでもなく、滔々と言葉を紡ぐ。

「全ては彼等を支えている民衆の支持によるものだ即ち地球人はひとつの群体と捉えるべきであるそう考えると彼等の最大の弱点即ち群体としての大動脈は電力水力食糧等グラビティ・チェイン以外にも様々な資源を群体に循環させる|生存基盤《インフラストラクチャ》である故に」

 姿を見せぬ“声”の主が、平伏するデウスエクスのうち一体にその意識を向ける。
 姿がなくとも、その意識が己へと向けられた事にそのデウスエクスは震える。それが歓喜の震えなのか畏怖の震えかなのかは、彼等にとっては些細なものだ。

「汝は手勢を率いこの動脈のひとつを破壊せしめ彼等の群体としての力を削げ」

 さらに深く首を垂れる事で、デウスエクスは意思を示す。必ずや、その意に沿うと。

「これは|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》たる我『聖賢者トリスメギストス』の命令である」

 恭順は当然であるといわんばかりに“声”はそう告げると、一方的にこの集いの終了を告げるのだった。



「ミツルギに、聖賢者トリスメギストス配下のデウスエクスの襲撃がある」

 龍之宮・翡翠(未だ門に至らぬ龍・f40964)が、猟兵たちに端的に告げた。

「どうやら、決戦都市の弱体化と|グラビティ・チェイン《資源》の確保を同時に行おうとしているらしい」

 その為に目をつけられたのは決戦都市ミツルギが誇る交通網。
 物品の輸送はもちろん、ケルベロスや猟兵を迅速に戦場へ送り届け、戦場においては彼らを支援する|決戦配備《ポジション》車両が走るミツルギの電車網が、今回の|聖賢者《トリスメギストス》の標的となったのだった。
 交通網の問題であれば、復興さえすればどうにかなるといえばなるのだが。

「襲来するタイミングに問題がある」

 啓蒙と人心をまとめる為に|DIVIDE《ディバイド》が主導して行うイベントが行われる会場に、彼らは襲来するというのだ。
 イベントの開催時間中ではないため、幸いにも一般市民が巻き込まれる事は無いのだが、整備担当者等力を扱えない一般人が巻き込まれる可能性があるのは変わらない。
 デウスエクス達は、ミツルギの支援車両を一部なりとも使用不能にし、かつ、僅かなりとでもグラビティ・チェインを奪い、主たる|聖賢者《トリスメギストス》の力にしようというのが狙いらしい。

「幸い、迎撃可能な地点と頃合いについては|グリモア《こいつ》のお陰で判明している」

 傍らに浮かぶ|光鯉《グリモア》を翡翠は指し示しながら言う。

「イベント開催時間中に暫くイベントを見て回るのも1つだろう。
 ミツルギの支援車両群は他の世界から見てもそこそこ風変りだろうしな」

 翡翠がそう言うと、その傍らの|光鯉《グリモア》がくるりと回った後、空を跳ねた。


白神 みや
 初めましてのかたは初めまして。
 そして、そうでない方はご無沙汰しております。|白神《しらかみ》です。

 聖賢者トリスメギストスが決戦都市ミツルギが誇る列車網を破壊すべく、配下のデウスエクスを送り込んできます。
 幸いイベントで人が集う頃合いの襲撃ではありません。しかし、展示している車両が損傷すればミツルギの対デウスエクス戦力や物資輸送等に影響が出てしまうでしょう。

 一章は|決戦配備《ポジション》車両とその整備基地の一般公開向けイベントになります。フラグメントに沿わず、断章も参照の上ご自由にお楽しみください。
 二章以降はデウスエクスの迎撃、戦闘となります。詳細は断章に譲ります。

●お願い
 MSページはお手数ですが必ずご一読ください。
 今回は受付開始日は設定しますが、1日に1~2人程度お返しするゆっくり進行の予定です。そのキャパシティを超えた場合、お返しする事になるかも知れません。
 また、通常/オバロ共に指定日時より前のプレイングはお返しすることとなりますので、ご了承ください。
 諸々はタグとMSページに状況を記載しますので、ご確認の程宜しくお願いします。
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第1章 日常 『青空の下でイベントを』

POW   :    とことん楽しもう

SPD   :    効率よく楽しもう

WIZ   :    のんびり楽しもう

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ミツルギ車両基地へようこそ
 特務機関|DIVIDE《ディバイド》決戦都市ミツルギ支部からやや離れたところに、ミツルギ車両基地がある。
 もともと基幹線の車両整備基地であったそこは、今日は平素の静けさはなく、戦闘態勢時の物々しさとは別の賑やかさに包まれていた。
 ケルベロス達を迅速に戦場へと送り届ける車両群はもちろん、輸送車両群や各|決戦支援《ポジション》に特化した車両群までもが、平素よりどことなく浮かれた装飾をつけて並んでいる。
 これは、決戦支援列車の一端を一般に知らしめる事で、ケルベロスへ|DIVIDE《ディバイド》の価値を高め、戦う為の力とする事業でもあるのだ。

 各支援列車を見学できるだけではなく、支援列車グッズの販売や、子供向けの列車職員制服の試着コーナー。更には「ケルベロスを助けて、デウスエクスを追い払おう!」と銘打った簡易な|決戦支援《ポジション》車両シミュレーターまで。要は、こういう類のものが好きな大人だけでなく、これから興味を持ってほしい子供へ興味を持ってもらうための施策が取りそろえられているのだ。無論、休憩用のキッチンカーブースも用意されている。
 流石にケルベロスとして扱われている猟兵達のシミュレーターへの参加は断られるだろうが、他のコーナーであれば歓迎されるだろう。
日下部・香
これがミツルギの決戦配備車両か。大学受かったらこういう決戦配備とかについて勉強したいなあ。
入試の結果発表はまだだからドキドキしてるけど、ケルベロスの仕事に支障を出すつもりはないよ。

ケルベロスコート着て、イベント会場になっている整備基地を一周しよう。
デウスエクスの襲撃に備えて、地形とかを把握しておきたいしな。
できれば、支援列車の見学もしたい。どんな機能があるのか気になるし。

あとは、可能なら整備担当の人と挨拶しておきたい。先に避難してもらったり襲撃のことを伝えたりできればいいんだが……それで予知に悪い影響が出ることもある。ちょっとでも連携取りやすくするために、顔合わせするくらいなら大丈夫かな。





 特務機関|DIVIDE《ディバイド》のケルベロスの証である黒いコートを翻して会場に足を踏み入れた日下部・香(断裂の番犬・f40865)は、列車が並ぶ様子を物珍し気に見上げていた。
 大学入試は一通り終わり、今は結果を待っている状態。そんな折に、イベントの話を聞き、今後の勉学の参考にとやってきたのだった。

(これがミツルギの決戦配備車両か。大学受かったらこういう|決戦配備《ポジション》とかについて勉強したいなあ)

 未だ合否通知は来ていないので、学生として気を緩めきれる状況ではない。しかし、緊張感の何割かはケルベロスの任務に割り振っても支障はないだろう。そう思いながら地形把握もかねて基地内を歩く。本当は襲撃の事も伝えられたら良かったのだが、グリモアの予知に支障が出てしまう可能性があるため、それは伝えられないのが少しだけもどかしい。

「おや、道に迷いまし……ああ、ケルベロスの方でしたか」

 そんな思いを抱えながら歩く香に、整備基地の職員らしき制服を着た男性が声をかける。年若い娘が周囲を見ながら歩いていたので、道に迷った見物客かと思ったようだが、香が纏っているコートを目に留めて認識を改めたようだ。

「はい、こちらの整備基地の方ですか? 実は……」

 ケルベロスとしてこれからも生きていくにあたり、大学で決戦都市の機能や|決戦配備《ポジション》について学びたいと思っている事を伝える。職員は嬉しそうに笑う。

「若い人、それもケルベロスの方がこういうのに興味を持ってくれるのは嬉しいですね」

 |決戦配備《ポジション》の力を借りてデウスエクス達と戦うケルベロスは、特務機関|DIVIDE《ディバイド》の主戦力であり、花形でもある。一般人の興味や耳目も必然的にそちらの方に向いてしまう事が多くなってしまいがちなのだ。気づけば何人かの整備職員が集まって来ており、なんでも聞いてくれと言わんばかりである。

(どんな機能があるのか気になってたし、この後の為に顔合わせをしておきたかったから、丁度良かったな)

 |決戦配備《ポジション》と遠近に応じた複数の車両を駆使する、ミツルギの独自の|決戦配備《ポジション》列車の話は独特で、機会があれば技術者の話も聞いてみたいと思いながら香は会場の散策を続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

新井山・直次郎
決戦配備車両か…
襲撃に備えるのも重要だが、この機会に決戦配備の流れを理解しておきたい
この辺の理解は現場の人間以外はおざなりになりがちだからな

バイクを停めて入場
髑髏面は目立つ、普通のケルベロスとして会場入りだ
ケルベロスとして振る舞うのも柄じゃないが機関に対して、いつも助かっていると伝えるぐらい罰はあたらないだろう
ひと通り会場を歩いて【情報収集】

そういえば、もうすぐ彼女の誕生日だったな
俺が記憶をなくす前にパートナーだったという…気になる存在
記憶のない俺からの贈り物でも受け取ってもらえるだろうか?
いい感じのグッズを探してみる
車両の模型は…貰っても困るか
頼もしき決戦配備車両を眺めていよう

アドリブ歓迎





 新井山・直次郎(|髑髏面《スカルフェイス》・f40823)はミツルギ車両基地に仮設で用意された駐車場へ愛用のバイクを停めた。

(……流石に髑髏面は目立つだろうな)

 収納スペースにヘルメットをしまいながら、服の内の髑髏面に服の上から手を添える。襲撃までは時間があるのだから、今髑髏面をつけるのは、世界の加護があるとしても悪目立ちになりかねない。そう判断した直次郎は|直面《ひためん》で車両基地へと足を踏み入れる。
 流石に所持品チェックは行ってはいたが、|DIVIDE《ディバイド》のケルベロスであると告げればあっさりと通過できた。武装の類を帯同していたとしても、それはいつ何時起きるかわからない襲撃の為の必然であるという事らしい。

(決戦配備の流れを理解するにはいい機会だな)

 前線で戦うケルベロスを支援する|決戦配備《ポジション》は裏方稼業の印象を持たれやすいのか、決戦都市によっては地味な印象をもたれがちだ。直次郎自身も、|決戦配備《ポジション》はあるのが当然という認識が強い。
 こういう場に来ることが出来たのも何かの縁だろうと、支援には助けられていると告げれば、居合わせた職員達は嬉しそうに笑む。

「そう言ってもらえると、メンテナンスにも力がはいりますよ」

 そんな声や|決戦配備《ポジション》列車の特徴を聞きながら、周辺の状況を伺う事も忘れない。数時間後には恐らく此処が戦場となるのだ。少しでもスムーズに立ち回れるように、会場設備等を覚えていく。

 そうして一通り回った後。

(――そういえば、もうすぐ彼女の誕生日だったな)

 いつかの過去にパートナーだったという女性。自分にそんな存在が居たというのは青天の霹靂といったところなのだが、記憶を喪くした自分にも変わらず接しようとしてくれる――直次郎からすれば、稀有な存在。
 “今の”自分からの贈り物でも受けっとってくるのかは判らないが、それでも、何か祝いを渡したいと、物販コーナーに足を踏み入れる。

(流石に決戦支援列車の模型は女性に渡しても困るだろうな……)

 目玉商品として並んでいるのはやはり決戦支援列車関連の商品が多かったのだが、それと並んで可愛らしいひよこのマスコットアイテムがあったので、それを購入することにした。丸っこいひよこが、車掌帽をかぶったキーホルダー。少し子供っぽいアイテムかもしれないが、列車模型よりはマシだろう。
 彼女はいったいどんな反応をするだろうか。そう思いながら直次郎は土産をそっとしまった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雨河・知香
ソニア(f40904)と

決戦配備車両…大量の物資とか装備の輸送に便利そうだねぇ。
襲撃に対する迎撃以外にも復興にも役に立てるんだろうけど、それを可能にする鉄道網の維持整備とかは大変そうだ。
このミツルギ独自の進化を遂げた支援列車、しっかり見学させて貰おうじゃないか。
ソニアもしっかり見とくんだよ。

とりあえずは普通に見学。
決戦配備に特化した車両群とかが気になるので職員の人に問題ない範囲で聞いてみようか。
車両ごとにどんな工夫がなされてるのかとかだね。
それにしても一般の人もこれだけ興味持ってるとなると説明するのも中々熱が入ってるんじゃないかな。
協力あってこそ皆で頑張れるんだろうしね。

※アドリブ絡み等お任せ


ソニア・コーンフィールド
知香ちゃん(f40900)と!

へー列車で決戦配備の支援やるって他ではあんまりみないかも。
陸伝いにやる方が修理とかやり易かったりするのかな?いろいろ気になる…!
今日はいっぱい勉強しないとねー。知香ちゃんもガンバロー!
…当然デウスエクスの襲撃も警戒するし!

ケルベロスコート着用でイベント参加。
シミュレーターには興味あるので挑戦できずとも遠巻きに見る感じで一般の人の反応見て楽しんだり。
こーいうのって挑戦するとなんだかわくわくするよね…!
職員の人にはきっちりご挨拶!
個人的に気になるのは決戦支援列車って形に進化してった歴史だったりするので機密とか無理のない範囲で説明して貰えたらなーと。

※アドリブ等お任せ





「へー、列車で決戦配備の支援やるって他ではあんまりみないかも」

 物珍しそうにはしゃぐ|竜人《ドラゴニアン》の少女――ソニア・コーンフィールド(西へ東へ・f40904)と、それを窘めつつも興味深そうな様子は隠さない白熊の|獣人《ウェアライダー》の女性――雨河・知香(白熊ウィッチドクター・f40900)。その竜眼を興味できらめかせているソニアと落ち着いた獣眼でその様子を見守る知香は、年の離れた姉妹のようにも見える。

「陸伝いにやる方が修理とかやり易かったりするのかな?」
「大量の物資とか装備の輸送に便利そうだねぇ」

 二人がよく知る酷似した世界では、回復魔法が建物にも効力を発揮するため、デウスエクスの襲撃があったとしても全く同じ状態とはいかなくとも修繕が可能だった。しかし、この世界ではその恩恵が無いため、都度復興作業が必要になる。その為の輸送力を確保する為に鉄道網を整備したのだろうと、知香は経験から推測していた。

「大変そうな維持整備も含めて独自の進化を遂げたミツルギの支援列車、しっかり見学させて貰おうじゃないか。ソニアもしっかり見とくんだよ」
「いろいろ気になるから、いっぱい勉強しないとねー。知香ちゃんもガンバロー!」

 そう言い交わしながら、二人は可愛らしいひよこの着ぐるみが迎えるイベント会場へと足をむけるのだった。

「知香ちゃん! みてみて!」

 楽しそうに声を上げるソニアが指指し示したのは、まさにミツルギが誇る決戦支援車両。既に退役した車両をシミュレーターを設置したイベント用車両に仕立てているのだと、車両の傍らに居た係員が誇らしげに語る。そんな係員達に挨拶をした後車両の中を覗いてみれば、一般人が数人、表示される画面に一喜一憂しながら、計器を操作していた。

「こーいうのって挑戦するとなんだかわくわくするよね……!」
「一般の人もこれだけ興味持ってるっていうのは良いことね」

 二人の会話を受けた係員の説明によると、シミュレーターは順番待ちになっているイベントの目玉になっていて、成功すると渡される記念メダルもちょっとした人気アイテムとなっているのだとか。
 この場で展示しているのは、|術式配備《キャスター》や|妨害配備《ジャマー》向きのドローン技術を利用した車両が中心になっている。これらの他にも|総決戦配備《クラッシャー》や|狙撃配備《スナイパー》向きの長距離砲搭載型の車両といった、戦場や状況、ケルベロスの個々の戦い方に応じた車両が用意されているという。

「多彩な戦い方をするケルベロスが増えているので、それに応じた車両の開発も進んでいますよ」
「協力あってこそ皆で頑張れるんだろうしね」
 
 熱の籠った係員の説明に、知香が頷く。二人とも、かの世界ではケルベロスを送り出す立場だった。故に、係員達の気持ちも良く判るのだ。そんな彼等の気持ちに応える為にも、これから起こらんとする襲撃から護らなければと、思うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『シティ・ローグズ』

POW   :    凶器攻撃
【バットやバール、ナイフなど】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    苛立ちの矛先
自身に【逆怨みの念】をまとい、高速移動と【念動力】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    群れる悪党
敵より【数的に有利な】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。

イラスト:あやふや

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●這い寄るは破壊の先兵
「本日はミツルギ車両基地、一般開放イベントへ来場頂きありがとうございました。本日のイベントはすべて終了しました」

 車両基地に今日のイベント終了を告げるアナウンスが響き、人々は家路につく。
 そして、人がほとんど居なくなった車両基地に、ひたひたと人ならざる者たちが近づいてくる。

「さあ、我らが主の命を遂行する為に行け、屍隷兵ども!」

 指揮官と思われる者の檄を受け、屍隷兵達が彼等の主の威光を示す機会を得た栄誉に歓声を上げて走り来る。
 しかし、彼等の思い通りにはいかない。既に猟兵達がこの地に居るのだ。無論、DIVIDEの職員達もこの地の襲撃は知らずとも、いつ何時デウスエクスが襲来しても良いように備えている。ならば、彼等の命運は尽きている事は明白である。

 猟兵達がその力を示す時が、今まさに訪れたのだ。
新井山・直次郎
アドリブ連携歓迎

来たか…
奴らの姿は俺がケルベロスになる前に懲らしめた事のある連中にそっくりだ
俺がこんな似合わない活動をしている理由のひとつでもある

髑髏面を装着、バイクで突入する
決戦配備はクラッシャー。戦闘ロボによる支援を頼む
ロボに注意を引いてもらい、俺はバイクで撹乱しつつUCで戦場を掌握するため全体に【武器を隠す】
十分に武器を配置したらスマホによる操作で【念動力】を強化し、一斉に敵を襲わせる
逆恨みで自己を強化しても、どこからともなく武器に襲われればこいつらでは対応できまい

…あんた達を見ていると、自分の罪をあてこすられているようでイライラする
何度も始末すれば、そのうち居なくなってくれるか?





(来たか……)

 イベント会場からやや離れた所に潜伏し警戒していた新井山・直次郎(|髑髏面《スカルフェイス》・f40823)は、屍隷兵達の襲撃を察知すると髑髏面を着け、|愛車《バイク》のエンジンをふかし駆ける。
 現れた屍隷兵達は、ケルベロスになるよりも以前に対峙した者たちとよく似ており、その事が直次郎の内心を刺激する。

「|決戦配備《ポジション》、|総決戦配備《クラッシャー》要請。戦闘ロボでの支援を頼む」

 駆け抜けながら短くそう告げると、直次郎は屍隷兵達の只中に躍り出る。
 彼等にとっては予想外の存在が現れた事で一瞬動揺の声があがるが、彼等に与えられた指示は決戦支援列車の破壊工作である。目の前で妨害せんとする|邪魔者《直次郎》を排除せんと、屍隷兵達は即座に武器向ける。

「……あんた達を見ていると、自分の罪をあてこすられているようでイライラする」

 直次郎が小声で吐き捨てるようにそう言うのと、白い巨体が舞い降りたのはほぼ同時だった。平素は|DIVIDE《ディバイド》ミツルギ支部のランドマークの1つとなっているそれもまた、|決戦配備《ポジション》機構を備えたミツルギの技術の一端だった。

「暫くあいつらの注意を引き付けてくれ」

 直次郎は短くそう告げると愛車を走らせながら、ユーべルコードを起動する。ユーべルコードの力で複製した|キャンプ道具《武装》を潜ませながら、白い巨体へと群がらんとする屍隷兵達を攪乱するように駆け抜ける。

(どこからともなく武器に襲われればこいつらでは対応できまい)

 そう判断した直次郎の見立ては誤りではなく。白い巨体に集中していた屍隷兵達は、直次郎が手にしたスマホの操作を引き金にして、彼等の死角から一斉に襲いかかる|キャンプ道具《武装》に成す術なく打倒されていくのであった。

「――何度も始末すれば、そのうち居なくなってくれるか?」

 その様を冷静に見つめながら、直次郎は淡々と呟くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雨河・知香
色々勉強になったねえ。
大本の条件が違えば発展の形もまた変わる…聞くのと実際に見るとでは随分違ったものだ。
さあ勉強の後は実践。
厄介なデウスエクスを叩きのめしてやらないとね!

決戦配備はジャマー要請。
バイオガスの煙幕とかで妨害支援頼んだよ!
高速移動に念動力の放射…視界封じられた状況だとその力も上手く扱えないだろう?
認識できる距離での接近戦を挑んでくるだろうけど…こっちも接近戦は得意でね。
UC起動、銀の満月浮かべて身体機能活性化させつつボクシングの連打でぶっ飛ばしてやるよ!
向こうの攻撃には羆の腕の装甲を展開、多少は再生できるけどできるだけ弾くように拳で迎撃、カウンターをぶち込む!

※アドリブ絡み等お任せ


ソニア・コーンフィールド
色々あって楽しかったー!
知らないものはやっぱ直接見に来るのが一番!
侵略者もやってきたみたいだけど、ここの皆がいるなら怖いものなし。
全力でお引き取り願いましょー!

決戦配備はディフェンダー要請!
隔壁展開して身を隠し守る物陰とか作って貰えると助かる感じかな。
列車からこんな風に…成程!
高速移動で仕掛けてくる相手にガジェットの弾丸で応戦しつつUC起動。
召喚されるのは…捕獲網発射する銃っぽい?
暴徒鎮圧用とかそんな感じの。
ようするに高速移動するなら捕まえちゃえ、ってことだよね。
逃げようとしても余計逃げにくいように進化するし、捕獲できて止まった所にガジェットでどかーんとやっちゃうね!

※アドリブ絡み等お任せ





「色々勉強になったねえ」
「知らないものはやっぱ直接見に来るのが一番!」

 雨河・知香(白熊ウィッチドクター・f40900)とソニア・コーンフィールド(西へ東へ・f40904)は、似て非なる世界の示す可能性の一端への感嘆の余韻に浸りつつも、周囲の気配を伺う事を怠らない。似て非なる世界でも護るものとして、導き戦ってきた二人は、切り替えるべき頃合いもよく理解していた。

「さあ勉強の後は実践」
「うん、全力でお引き取り願いましょー!」

 そう言って武器を構えた二人は、屍隷兵達の気配が徐々に強くなるのを感じていた。そして、この地に二人以外の猟兵達がいる事も。

「厄介なデウスエクスを叩きのめしてやらないとね!」

 最初に動いたのは知香。

「|妨害配備《ジャマー》要請、妨害支援頼んだよ!」

 |決戦配備《ポジション》要請の声と共に、屍隷兵達が迫るより先に地を駆ける。車両基地に待機する支援列車より飛び立ったドローンが上空から屍隷兵の集団の中程にバイオガスを振り撒くのと、知香の武装した拳が屍隷兵の先頭の一体に届いたのはほぼ同時だった。振りぬいた拳の向こうから鋭く見据える知香の背には、この場に似つかわしくない銀月が冷たく冴え光る。
 それは、知香が発動したユーべルコードにより造り出されたもの。その|銀光《ひかり》は、知香の身体に力を与える。

「視界を封じられた状況だとその力も上手く扱えないだろう?」
「それだけじゃないよー! 列車からこんな風に……!」

 知香が挑発するようにそう言うのに応じたのは、ユーべルコードで呼び出したガジェット――どうやら捕獲網を射出する銃のようだ――を手にしたソニア。知香に屍隷兵達が引付けられている間にソニアが要請した|決戦配備《ポジション》は|防御配置《ディフェンダー》。随所に隠蔽配置された防御壁が屹立し、屍隷兵達の攻撃を受け止め、その進路を阻む。それでもなお二人へと迫る屍隷兵達へは、支援列車から射出される簡易防壁が防御壁と共にその進みを阻む。

「逃げようとしても余計逃げにくいように進化するからね!」

 ソニアのガジェットは魔竜の力で敵に対して有効な機能を有するように、常に進化するもの。故に、屍隷兵達を的確に捕獲網で絡めとっていく。
 屍隷兵達は視界も機動力も奪われた状態で、ソニアのガジェットや知香の拳に吹き飛ばされて、その数を減らしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

水鏡・多摘
ふむ、厄介な…邪悪な気配がするのう。
屍隷兵…安息の為にも、速やかに殲滅せねばならぬ。

決戦配備はキャスター、魔法陣での術式強化要請。
神珠で結界を展開、浄化と破魔の力を帯びさせ敵の接近を妨害。
凶器攻撃主体のようじゃが大体接近戦用の武器、投擲するにも祟り縄を念動力で操り弾き防ぐとしよう。
攻撃は遠距離からUC起動、破魔属性のブレスを吹き付け屍隷兵達に霊力を浸透、その身の生命力を黒き荊で奪いつつ自由を阻害。
非道な行いの産物、いつか安らぎがあるのかは知らぬが…今一時は浄化されると良い。
数が多いから全てを探し倒しきるには時間がかかるかもしれんが、DIVIDEと協力し連携して対応するぞ。

※アドリブ絡み等お任せ





 車両基地のあちこちで屍隷兵達を阻止する戦いは、猟兵達だけでなく、状況を察知した特務機関|DIVIDE《ディバイド》のケルベロス達も交えて戦闘が起こっている。だが、状況としては拮抗というところである。

(ふむ、厄介な……邪悪な気配がするのう)

 水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)が現れたのも、猟兵という決定的な戦力を欠くが故に、一進一退の攻防を強いられている戦場だった。戦況を詳しく把握しようとするまでもなく、屍隷兵の姿が目に入ってくる。

(……屍隷兵……安息の為にも、速やかに殲滅せねばならぬ)

 異なる世界であっても邪なる者が世を脅かすのであれば、それを捨て置く理は存在しない。
 で、あれば。

「|術式配備《キャスター》、術式強化を要請するぞ」

 多摘が要請した|決戦配備《ポジション》は|術式配備《キャスター》。車両基地の支援車両から射出されたドローンが光を射出し、その力を強化と補助を担う魔法陣を多摘の上空に描く。屍隷兵達も目の前に立ちはだかる存在が何やら彼等にとって不穏な動きをしている事を察知し、手にした凶器を振り上げ集団で圧倒しようと駆けてくる。しかし、標的である多摘より遥かに手前で、その歩みは阻まれた。|決戦配備《ポジション》の支援を受けた多摘が、神珠を使って浄化と破魔の力を宿した結界を展開した為である。
 更に多摘が展開したユーべルコードが、その|吐息《ブレス》を黒い荊へと変化させ、更にその動きを縛る。

「いつか安らぎがあるのかは知らぬが……今一時は浄化されると良い」

 仄暗さを秘めた厳しい声が、屍隷兵達に断罪を告げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

日下部・香
敵の統率を取ってる指揮官がどっかに居そうだけど、先に屍隷兵を倒さないとな。
戦えない人を巻き込むわけにはいかないし、決戦配備車両を壊されるわけにもいかない。

【螺旋弓術・黒雨】で敵を攻撃しよう。
敵はこっちより数的には有利だろうから、回避率やらが上がっているかもしれない。避けられづらいよう、相手を包囲して逃げ場を潰すように矢を射たいな。

しかし、確実に撃ち抜くためには結構集中力を使う。相手に攻撃されたとき、十分回避や防御ができるか微妙だな。攻撃されづらいよう高所を陣取る(【地形の利用】)としても、不安が残る。
決戦配備・ディフェンダー要請。防御は任せてもいいだろうか? 私は早く敵を倒すよう努めよう。





(敵の統率を取ってる指揮官がどっかに居そうだけど……)

 屍隷兵達が襲撃したタイミングやその動きに秩序だったものを垣間見た日下部・香(断裂の番犬・f40865)は、車両基地より少し離れた高台に潜んでいた。指揮官が居るとしても、恐らくは屍隷兵達を壊滅状態に追い込まねば、出てくることはないだろう。

(それに……戦えない人を巻き込むわけにはいかないし、決戦配備車両を壊されるわけにもいかない)

 長丁場の戦いになれば、猟兵でもケルベロスでもない車両基地の人間にも被害が出てしまう可能性がある。決戦配備車両が無事だとしても、それを動かす人間が居なければ無用の長物となってしまうだろう。それは避けねばならない。
 香は屍隷兵達に気取られぬよう、愛用の弓を構える。

「|防御配備《ディフェンダー》要請。――防御は任せてもいいだろうか?」

 弓をつがえながら決戦配備の要請をDIVIDEに向けて送れば、問題無いといわんばかりに周辺の都市機構が防御のためのものへと変容していく。

(――なるほど。これなら、いける……ッ!)

 つがえた弓に力を巡らせれば、そこに現れるのは漆黒の矢。

『射ち、写し、穿つ。天を衝き、地に降る』

 静かに紡がれた言葉と共に矢が放たれ、中空を舞う。屍隷兵達を追尾するかのように幾何学模様を描いた矢は、敵を穿つ雨となって降り注いだ。
 かくして、屍隷兵達の襲撃は押し留められ、戦局は転換する。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『死神『バテンカイトス』』

POW   :    死鎌銃"ニュクス・エレボス"
【死鎌銃】を用いた戦闘時に、一点を貫く【ニュクスモード(銃)】と広範囲を薙ぎ払う【エレボスモード(鎌)】を一瞬で切り替えて攻撃できる。
SPD   :    バレルコフィン
【背面の柩から射出されたキャノンビット】から、着弾地点で爆発する【闇の砲弾】を連射する。爆発は敵にダメージを、地形には【瘴気の底なし沼へと変化させる】効果を与える。
WIZ   :    死者の泉
レベル×1体の【配下死神】を召喚する。[配下死神]は【冥】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。

イラスト:けむり

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はハル・エーヴィヒカイトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ひとの希望の示す先は
 屍隷兵達を駆逐した猟兵達を睥睨する存在がある。
 漆黒の髪を靡かせる暗紅の瞳の少女。その纏う軍服と武装の一部以外のほとんどを漆黒で彩ったその存在が人ではないことは、猟兵達にとって明らかであった。

「……何という事」

 その唇から震えた声が漏れる。主の覚えをめでたくする機会。その機会を此処まで徹底的に潰されるとは、彼女にとって屈辱以外の何物でもない。

「いえ、屍隷兵達が役に立たなかっただけの事」

 そう言うと少女は手にした鎌を振るう。その心は未だ折れる様子はなく、勝機をつかみ取らんと猟兵達を睨みつけた。

「死神『バテンカイトス』、|地球人たち《お前たち》のなけなしの希望を殺してみせる!」

 ミツルギの防衛線の要、ひとの希望の象徴のひとつを巡る一連。その最後の戦いが、始まる。
新井山・直次郎
アドリブ連携歓迎
引き続き髑髏面として振る舞う

連中の元締めか
所詮やることはあの連中と同じ、それを随分と大袈裟に言うな?
【挑発】してバイクから降りる

決戦配備はジャマー
バイオガス散布を要請、死神の周辺を視界不良にし【闇に紛れる】
まず偽装キャンプ用品を【投擲】でばら撒きスマホの【念動力】で攪乱する
これだけだと死神には通用しないだろう、俺自身も位置ばれを【覚悟】で接近する

接近中に銃撃されるのが一番危険だ
冰塊剣を作り【激痛耐性、武器受け】で防御できるようにしておく

十分に接近したら【氷結耐性】で冰塊剣を一気に強化し【怪力、重量攻撃】でしめる

あんたに希望は奪えない
ならば、所詮あんたもあの連中と同じということだ





「所詮やることはあの連中と同じ。それを随分と大袈裟に言うな?」

 死神を見上げ吐き捨てるように言うのは、バイクに乗ってこの場に現れた新井山・直次郎(|髑髏面《スカルフェイス》・f40823)。

「矮小な地球人が何を……ッ!」

 己を配下と同じと断じる直次郎の声を死神が聞き零す事はなく、睨みつける。配下の屍隷兵達であれば畏れ慄いたかもしれないが、直次郎は|猟犬《ケルベロス》であり猟兵である。

「|妨害配備《ジャマー》、バイオガスで奴の視界を塞いでくれ」

 この場へ駆けつけるために乗っていたバイクから降りながらその視線を受け流しつつ、|決戦配備《ポジション》を要請する。屍隷兵達の戦いでの要請を受け、この一帯に配備済みのドローンが死神に向けガスの散布を始める。
 死神の視界が奪われた時点で、其れを利用して死角に紛れた直次郎は、先刻の屍隷兵達との闘い同様に戦闘用の小道具を周辺に散らしつつ、死神に接近を試みる。

「貴様……たかが視界を奪った程度で!」
「ああ、この程度では通用しないだろうな」

 死神が手にした影の鎌を振るい、ドローンごとガスを薙ぐ。しかし、直次郎にとってガスを利用した隠形が破られるのは、想定していた流れである。

(こちらの居場所を察知されるのは覚悟の上だ……だが)

 接近しつつ、直次郎はユーべルコードを展開する。己の体温と引き換えに形成される冰塊剣がその手に形成される。
 可能な限りの体温と引き換えに強化した、冰塊剣は剣というよりも殴打武器のような武器と化して、冷気を纏う。

「あんたに希望は奪えない」

 感情の熱をも武器の強化に捧げたかのように、冷たく直次郎は告げる。

「――ならば、所詮あんたもあの連中と同じということだ」

 その言葉と共に、死神に向けて武器を振りぬいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

日下部・香
あれが指揮官かな。単体での戦闘力が高いタイプのようだし、暴れられて被害が出る前に倒さないと。

敵の持ってる武器、一瞬で変形するのは厄介だな。けど、逆に考えれば、あれを封じれば敵の手札を結構減らせるってことだ。
どうにかして近づいて、【魂断ノ剣】で敵の腕を斬りたいな。できれば両腕、最低でも片腕。腕が使えなければ鎌も銃も十全には扱えないだろう。

問題はどうやって近づくかってトコだな。私も螺旋忍者だから、忍び寄って【不意打ち】、とかはまあ苦手じゃないけど、敵は警戒してるだろうからな。
決戦配備・ジャマーを要請して、敵の注意を引いてもらうようお願いしたい。敵の意識が逸れている隙に、近づいて攻撃しよう。





(やっぱり、指揮官が居たんだな)

 日下部・香(断裂の番犬・f40865)は、屍隷兵達と戦っていた時点から指揮官の存在を感じていた。その直感が正しかったことに、気を引き締める。単騎の司令官ということは、相当に手練れであろう。対応を間違えると甚大な被害を出す可能性が高い。これまで|猟兵《ケルベロス》として戦ってきた経験が、香にそう告げていた。

(腕を封印できれば、あの武器も十全には扱えないだろうけど……)

 腕を狙うには接近しなければならないが、死神とて警戒をしているだろう。

「|決戦配備《ポジション》、妨害配備《ジャマー》。敵の注意を引いてもらう事はできるだろうか」

 香が声を潜めてした要請に、再び戦場にドローンが飛ぶ。

「また同じような手をッ!」

 似たようなドローンが姿を現した事で、同じことが繰り返されると想定した死神は、銃形態にした武器でドローンを撃ち落そうとする。
 しかし、引き金が引かれようととしたその時。

「――何っ!?」

 死神の正面に回り込んだドローンが、閃光を放つ。

(よし、今なら!)

 死神の視界が閃光によって封じられたのを好機と、香は地を蹴る。死神に向かって駆けながら、愛用する斬霊刀を抜いた。

「『分ち、封じ、縛る』」

 刀に己の霊力を巡らせる為に詠唱する。

「『……断ち切る』!」

 死神の封じられた視界のその外から、力満ちる刃でその腕を一閃。
 魂すらも断ち斬るユーべルコードの力を宿したその刃は、香の狙い通りにその腕の動きを一時的にではあるが封印したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雨河・知香
あれが指揮官かい?
希望を殺すとは大きく出たもんだがそうはさせる訳にはいかないね!
さっさとぶっ飛ばしてこのミツルギを守るとしようじゃないか!

決戦配備はクラッシャーを要請。
オルテュクスに乗ってUC起動、高速移動形態でキャノンビットの闇の砲弾を躱しながら突撃してやるよ!
こちとらヘリの操縦は慣れてるんだ。
その上この状態なら地形の影響も受けたりはしない…そもそも空かっ飛んでるしね。
爆発は操縦技術と射線見切って回避して…アタシの方に注意を向けてていいのかい?
支援の火力砲撃もかなりの破壊力だろうし、そちらに気を取られたらオルテュクス全速で突撃、一気に押し切ってやろうじゃないか!

※アドリブ絡み等お任せ


ソニア・コーンフィールド
うーんなんだか器用そうな相手…あの死鎌銃のギミック面白いなーじっくりよく見てみたいかも!
でもまあダメだろうし、戦いの中で学んでみよっかな。
当然叩き返すのは前提でね!

決戦配備はディフェンダーで!
防壁出してもらって身を隠したり地形として利用できればいいかなー。
プラクト用の熾天怪獣王取り出しつつUC起動!
召喚したキャバリアの方に乗り込んで、モーションセンサーな感じで動かして突撃!
変形させた翼を地形とか防壁に噛ませて方向転換したり加速して銃撃を回避、そのまま熾天怪獣王の質量と硬さで撥ね飛ばしちゃおう!
器用に切り替える相手には付き合わずに豪快に押し切る方がいい感じな事もあるよねー。

※アドリブ絡み等お任せ





「私がッ……私は、こんなところでっ!」

 氷の刃に襲われ、一時のものではあるがその武器を扱う腕を封じられるという憂き目にあった死神が吼える。

「希望を殺すとは大きく出たもんだがそうはさせる訳にはいかないね!」

 そう死神に言い放ったのは、雨河・知香(白熊ウィッチドクター・f40900)。
 知香は猟兵と成ってから識った世界の技術を用いた、故郷の世界でよく扱った回転翼機に似た機体を喚び出して乗り込む。

「|決戦配備《ポジション》、|総決戦配備《クラッシャー》! 火力支援頼んだよ!」

 その声と共に回転翼機が空を舞う。本来の回転翼機であれば制約の色々とあるが、|蒼き空の世界《ブルーアルカディア》の力と技術と知香の持つ知識が組み合わさればその制約はほぼ消失する。

「制空権を取ったからとて……!」
「って、思った?」

 死神がその背に負った棺型の砲台で回転翼機を狙い定めたとき、その間に滑り込んできたのは金色の怪獣型の機体。
 ソニア・コーンフィールド(西へ東へ・f40904)が乗り込んだ、|競技者切磋する世界《アスリートアース》の競技模型を核にユーべルコードで召喚したキャバリアである。
 知香が死神と対峙する間に要請した|決戦配備《ポジション》で姿を現した防壁を隠れ蓑にした結果、このタイミングまでキャバリアの存在に気づかれず居たようだ。

(あの死鎌銃のギミック、面白いからじっくり見てみたいんだけどなー)

 魔導蒸気機械の技術の知識を持ち合わせるソニアは、死神の銃形態と鎌形態へと流れるように切り替わる武器の仕組みへの興味が尽きない。

(流石に武器を奪ったりとかは出来ないだろうし、戦いの中で学んでみよっかな。当然叩き返すのは前提でね!)

 趣味も大事だが、やらなければならない事との区別はきちんとつける。世界を渡り、世界を護る者としてそれは当然の事。

「さっさとぶっ飛ばしてこのミツルギを守るとしようじゃないか!」
「熾天怪獣王、撥ね飛ばしちゃおう!」

 ソニアのキャバリアが防壁を利用し器用に立ち回る周囲で、知香の回転翼機が、キャバリアの動きに巻き込まれぬよう器用に空を駆ける。
 |決戦配備《ポジション》に後押しされた二人のコンビネーションは、死神を確実に追い詰めていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

水鏡・多摘
…死の匂いが濃い。
死神というだけはあるかもしれぬが…好きにはさせぬ。
ここは生者の、希望を抱く者の場所。
死などばらまかせてなるものか。

決戦配備はキャスターを要請。
吾の召喚する翼竜型式神を術式…特に速度か火力を強化して貰えれば助かる。
配下の死神に対しUC起動、式神達を飛び立たせ配下に一斉攻撃を仕掛けさせよう。
一撃で消滅しても数は此方の方が多い筈。
時間を与えず一気に押しきりバテンカイトスへと浄化の力を籠めた祟り縄を伸ばし捕縛を狙う。
捕まえたなら空へと一気に振り上げて残存する式神達に一斉に攻撃させ、その後に地面に叩きつけ一気に体力を削ってやろう。
…これでミツルギは救われたかのう。

※アドリブ絡み等お任せ





 満身創痍となりつつある死神の前に立つのは、眼光鋭い龍神――水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)。
 
「ここは生者の、希望を抱く者の場所」

 静かに鋭く死神を見据えて、多摘は告げる。その最中にも多摘は、死神の纏う死の匂いを感じ、密かに眉を寄せる。

「十二剣神に目をかけていただいて、何の成果もあげずに逃げる事など!」

 この状況においても、死神は未だ戦う意思を喪失していない。
 死神の手により決戦支援列車が失われれば、この決戦都市はデウスエクスに対する防衛能力を喪ってしまい、デウスエクスに蹂躙されてしまうだろう。

(死などばらまかせてなるものか)

 その心に過るのは、嘗て守護した村落の末路。遥かに時を重ねても、その心に刺さったままの悔恨こそが、多摘が今此処に猟兵として立つ所以。

「……好きにはさせぬ。|決戦配備《ポジション》、引き続き|術式配備《キャスター》を。吾の式神の強化を頼む」

 そう告げるとともに、その周囲に小鳥程度の大きさの翼竜型の式神達と、術式支援を担うドローンの群れが姿を見せる。

「吹き散らせそうな配下だな!」

 それを見た死神も対抗するように配下死神を召喚し、式神達へと向かわせる。術式支援を受けた式神達は、配下死神達の振るう鎌をすり抜けて舞う。配下死神達であれば強化された式神達の方が上回るが、流石にその主たる死神一筋縄ではいかない。

「この程度で止められる等と――」

 優位を誇ろうとした死神を、多摘の放った祟り縄が絡めとった。

「さて、仕置きの時間じゃ」

 多摘のその言葉と共に、残っていた式神が一斉に死神へと攻撃を加える。そして、仕上げとばかりに、祟り縄を操って捉えた死神を地面へと叩き落とす。空中から叩き落とした衝撃と残存する式神達の追撃に轟音と共に土煙が舞う。
 猟兵達の攻撃を受け続けた死神も流石にこれ以上はこの地に留まる事が出来なかったのか、土煙が収まるころには姿が消えていた。

「……これでひとまずミツルギは救われたかのう」

 多摘は髭を撫でつつ、そう呟いた。
 死神が撤退したという事は、今回のデウスエクス襲撃の目的――決戦支援列車の無力化――を挫く事が叶ったという証左だろう。デウスエクスが手段を変えて襲撃を企てる事は避けられない事だが、今目の前にあった危機は確かに退けられたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年04月29日


挿絵イラスト