おおはしゃぎのクリスマス・レプリカ
●オーナメント
シャナ・コリガン(どこまでも白く・f44820)は考えていた。
何を、と言われたら、それはクリスマスのことである。
バハムートキャバリアにおいても、クリスマスは喜ばしい行事の一つであったことだろう。
厳しい冬を乗り越えるための催しであるだろうし、暗黒の冬を乗り切るための灯火でもあるように思えた。
ともあれ、クリスマスは大変良いイベントなのだ。
「クリスマスと言えば、何か」
彼女は言葉を発し、自らがやらねばならぬことに思いを馳せる。
クリスマス。
連想されるのは、まずケーキであろう。
ブッシュ・ド・ノエルのような変わった形のケーキもいいし、オーソドックスにホイップクリーム甘い苺のショートケーキでもいい。
はたまた濃厚なチョコレートのケーキもいい。
マジパンで象られたサンタもあるとなおいいではないか。
それに加えて、プレゼントもそうだ。
子供らは皆、それを心待ちにしているだろう。
「いずれもが大切なことです。ですが、それだけではないはずです!」
彼女は森の中の木々の一本を見上げていた。
樅の木である。
濃いグリーンの常緑樹である。
これがなければ始まらない。
「それで、どうするって?」
シャナは周辺の村の親たちに向きなおる。
確かになんで此処に呼ばれたのかさっぱりわからんという顔ぶれであった。
「いいですか。必要なのはまず、クリスマスツリーですよ! お子さんたちの喜ぶ顔、みたいいですよね? 確かにお父さんお母さんは子供たちにご馳走とプレゼントを用意するでしょう。ですが、私は何をするのか?」
そう、と彼女は樅の木を示す。
「クリスマスツリーを足しが作ります!」
「でも飾りが……」
「それも私が! 安心してください! 張り切ってやらせてもらいます! ですから!」
「うーん、ならいいけど……でも、結構な世帯があるんだが」
親たちの言葉にシャナは不敵に笑む。
「これでも私はレプリカ作りの養成なんですよ? やってやれないことはありません! さあ、ご希望をどうぞ! 何色にします? 飾りつけは豪華にします?」
シャナはもう大張り切りである。
集められた親たちは思った。
子供よりずっとはしゃいでるな、この人……と――!
成功
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