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世の春よ、我が掌中の花よ

#サクラミラージュ #戦後 #セヴン・デッドリヰ・シンズ

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#サクラミラージュ
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#戦後
#セヴン・デッドリヰ・シンズ


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 ――願わくば、今一度。
 あのお方の掌中にて、花を愛でるように、この身も、心も――。


「……うゥん……」
 珍しく、花神・玉恵(花竜の乙女・f41618)が、何とも形容し難い、苦い笑いを浮かべている。察しのいい猟兵ならば、何とは無しに、彼女が『言葉を選んでいる』と、感じる事が出来ただろう。
「ええと、護衛、護衛をね、皆にはお願いしたいの。影朧なのだけど、影朧の中でも力が、とても弱くてね。儚く、吹けば散り、やがて朽ちてしまう桜の様に、害される事があれば、すぐにでも、掻き消えてしまうでしょうね」
 だが、其れを護れと玉恵は、言う。
「人に、危害を加える力も無ければ、そのつもりも無いのよ、彼女には。ただ、彼女が、此の、眠れぬ夜の夢魔が求めるのは、望んでいるのは。嘗て受けた寵愛を、もう一度。草葉の陰で、永い眠りに就く、其の前に。其れだけ、ただ、其れだけなの」
 儚くも、枯れかけた花が、水を求める様に、渇望して止まない、狂おしい程の、愛執。
 其れを、影朧は何に求めたのか。何に、渇いているのか。
「一度、ただの一度。本当に、気紛れでね、寵を受けたの。……其の……色欲宮の、|花尊《みちたか》様に」
 ……ゑ?
 |花尊《みちたか》、とは。一部の猟兵の、記憶が正しかったのならば。其の名は、其の者の名は、確か此の桜朧の世の、皇族に連なる者、ではなかったか。
「そう、その、花尊様。其の名の通りの、尊き御方。|漆辜宮《しちこのみや》に、数えられる其の御方よ」
 『漆辜宮』。
 紛れも無き、皇族なれど、幻朧戦線なるテロル集団と戦い、その企みを阻んできた、七人の存在。然しながら、此の高貴な七人は、嘗て、各々が群れず、組まず、単身、|乃至《ないし》、其々の率いる組織にて、各々の思惑の為、大正の世の為とは程遠く、個の利害を求め、動いていたに過ぎぬのだった。
 故に、幻朧戦線は、意趣返しにと皮肉を込めて『漆辜宮』と、そう呼んだ。其れが始まりであった。
 特に『色欲宮』と呼ばれた花尊は、己の快楽をこそ、追求し続けていた身であった。其れは、男女の慕情や、性愛に留まる事は無かった。即ち、己の覚える全ての昂揚情動、其の全てを貪欲に、日々にも戦乱にも、全てに追い求めた。其の様な、何処までも己が本位な、求道者であった。
 故に、花尊は其の、憎悪から来る蔑称たる別称を、寧ろ面白がると自ら名乗った。そして、己の他、同じ大罪の名で繋がれた六人を、其の権力と実力で以て集め、正式に漆辜宮は結成される運びとなった。
 集う事は稀であったが、其れでも、花尊は、其の力の全てを以て、漆辜宮を束ね続けた。否、今も尚、束ねている。
 さて、この花尊、色欲宮、と揶揄されるだけあり、男でありながら、酷く匂い立つような、魔性とも呼ぶべき美貌を備えていたのであった。
 顔は、花の如く在りながら、其の体躯は鍛え抜かれ、締まり、線と肉が、或る種の芸術と成り、其処に在った。其れでいて、全体の均整は、其の一切合切が、他のパアツに因って損なわれる事は無く、其の在り様は、当に、奇跡を体現していると云うべき様子であった。そう、奇跡と云う言葉の何より相応しい、そんな男でもあった。
 そして、気紛れであれど愛でる存在に、至上の快楽を与える側でもあった。
 女が、死して尚、影朧と成る程に入れ込むのも、無理からぬ話であった。
「花尊様に、最期に一度、愛されたい。叶うのならば、思い残す事は、何も無い、と」
 故に玉恵は、求めるのだ。
 影朧を、尊き花の下へと送り届けるのを。
「帝都桜學府へは、私から話を。花尊様へも、其の後に。だから、皆には其の間、影朧のいる現場に、私が送る、から。彼女の保護と、其れから、案内を。場所は此処、望む場所へと行けると知れば、抗う事は無い筈よ」
 影朧へと、其の望みを叶えるべく参じたと、伝えればいい。其れから、道中を共に進むのみ。猟兵、即ち超弩級戦力が共に在れば、桜學府も、喩え其の時点で、玉恵の言伝が、組織伝に届いておらずとも、事情を察し、看過して呉れる事であろう。
「花尊様は、或るカフェーの地下にいらっしゃるわ。自ら運営するカフェーの様でね、時折立ち寄っては、地下で享楽に耽っておられるそうよ」
 気紛れな花尊は、嘗て寵を与えた者に執着をしない。だが、影朧が、唯の一度と求めるならば拒みはしないだろうと。
 後にも二度、三度と続くのならば、そうはなるまいが。後腐れの無い事が分かり切っている。ならば、と。
「カフェーは好い処でね、花尊様のご意向で、陽の昇らない内しか、営業をしていないの。暗く静かな闇の中で、微かな喧騒と気配を感じるのがお好きな様ね」
 そして、陽が昇り始める頃には、カフェーもまた、花尊と共に、眠りに就く。
 カフェーの扉を開いて、外へと足を踏み出す其の瞬間、世を彩るは暁の、光を浴びて淡い黄金に灯る桜の、花明かり。
 其の光景は、視界に横たわる其の世界は、帰路へ着く足を縫い留めて、唯一つの想いを湧き上がらせるに、余りに充分だと云う。
 ――嗚呼、時よ暁にて止まれ、と。


絵琥れあ
 お世話になっております、絵琥れあです。
 サクミラ戦争前に傲慢宮の話をやりたかったけど、キャパが足りず間に合わなかったというのはここだけの話。
 (と言っておきながら今回彼女はいない)

 流れと詳細は以下の通りになります。

 第1章:ボス戦『眠れぬ夜の夢魔』
 第2章:日常『時よ暁にて止まれ』

 第1章は『眠れぬ夜の夢魔』との接触フェーズになります。
 名ばかりのボス戦です。戦いません。お話しながら目的地まで歩くだけ。
 基本サポート採用で完結予定ですが、恋バナしたいですとか、個人的にちょっと話したいことがあるという方は、参加してみてもいいかも知れません。

 第2章は、夜桜を楽しみながらのんびりカフェーで過ごしつつ、帰りに暁の桜を楽しむという流れになります。
 両方堪能するよくばりセットでも、どちらかにフォーカスした単品をじっくり味わうコースでも、どちらのスタイルでも描写可能です。

 また、この章ではお声掛けいただくことがあれば『花尊』や『一部の拙宅グリモア猟兵※』が、関係性や公共良俗的に不可能がなければご一緒させていただきます。
 ※陸慧、シトロン、レオ|単体《・・》は如何なる場合でもご一緒できません。(レオには必ず|保護者《カイ》が同伴します)
 影朧と再度、時を過ごすこともできます。
 但し彼女は、花尊に地下へと連れ込まれた後は転生(消滅)してしまうため、交流できるのはその前までとなります。
 (=暁の桜を一緒に見ることはできません)

 【重要】
 花尊に関してはその性質上、アダルト要素への匂わせが含まれます。が、直接的な接触描写などを行うことはありません。
 それに伴い『お色気描写』を求めての花尊への接触プレイングは(ないとは思いますが)全て不採用とさせていただきますので、ご理解いただければ幸いです。

 第1章開始前に、断章を執筆予定です。
 各章の状況など(カフェーの状態やメニュー含む)の追加情報も、断章での描写という形で公開いたします。
 断章公開後、プレイング受付開始日をタグにて告知させていただきます。
 締切までに必要成功数に達しなかった場合はサポート・全員リクエストを採用して章を完結させますので、追加募集はないこと予めご了承いただければ幸いです。
 (特に1章は募集期間中でもサポート・全リクから採用して執筆する可能性もございます)

 それでは、ご縁がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 ボス戦 『眠れぬ夜の夢魔』

POW   :    古人曰く、恋と戦は手段を選ばず
自身が【女性への嫉妬】を感じると、レベル×1体の【自身の半分の大きさの分身】が召喚される。自身の半分の大きさの分身は女性への嫉妬を与えた対象を追跡し、攻撃する。
SPD   :    あなたを想うとわたしの胸はこんなに高鳴るの
全身を【薄紅色の流体】で覆い、自身が敵から受けた【ときめき】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
WIZ   :    好きって答えてくれないなら殺してやる!
対象への質問と共に、【自身の影や足元】から【悪夢の精霊】を召喚する。満足な答えを得るまで、悪夢の精霊は対象を【拘束し、催眠効果のある毒針】で攻撃する。

イラスト:透人

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神楽火・天花です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 眼差しは、桜色に蕩けていた。
 唯、一点にのみ、其の視線は注がれる。尤も、其れを視線と呼べるか否かは、疑問の余地が残るだろう。
 見えて居る様で、見えて居ない。光は在るが、焦点が合わない。儚く、危うい、恋に塗れた瞳だった。
 覚束ない歩みで、ふらり、ふらりと彷徨う、朧気な女だった。正に『影朧』の名に相応しく。
 だが、其の立ち居振る舞いと裏腹に、女の心を占めるは、唯一つ。

 ――嗚呼、今一度、彼の御方の下に。

 夢見る如く、女は花舞う道を往く。
 眠れぬ夜は、未だ、明けない。
ミルナ・シャイン
影朧さんと恋バナしたく!
初めまして、ミルナと申します。貴女の保護と道中の案内に参りました。

花尊様に会いに行かれるのですよね、わたくし漆辜宮の皆様の神前試合を見たことがありまして。皆さんイケメン揃いでしたけど、花尊様は中でも別格といいますか…もう色気がヤバかったですわね!おまけに試合も花尊様の圧勝!あんな方に寵を受けたとなればそれは忘れ難い体験でしょうね…
あ、でもわたくし別に花尊様を狙ってるとかじゃありませんのでご安心を。本命の溺愛彼氏がちゃんといますもの!
花尊様にだって負けないくらいのイケメンなんですから!

よろしければ花尊様との出会いとか想い出とか聞かせてくださいな。好きな人自慢しましょう?




「お話は聞かせていただきましたわ」
「……?」
 舞い散る桜の、其の向こう。
 影朧の前に、人魚が居た。
 瞳に煌めく、海の色。
 髪に宿すも、海の色。
 碧を纏って現れた、少女は其の名を、ミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)と云った。
「初めまして、ミルナと申します。貴女の保護と道中の案内に参りました」
 阻む為に来たのでは無いと、先ずは告げて。
 恋の他にはまるで虚ろな、桜色の女に微笑んだ。
「花尊様に会いに行かれるのですよね」
「……花尊、様を。御存知なの?」
 女の問い掛けに、ミルナは頷く。其の儘、並び立って、隣を歩いた。女は、拒みはしなかった。
「わたくし、漆辜宮の皆様の神前試合を見たことがありまして。皆さんイケメン揃いでしたけど、花尊様は中でも別格といいますか……もう色気がヤバかったですわね!」
 先の、大戦の折の事。
 花尊の主導にて行われた、漆辜宮による桜前試合に、超弩級戦力たる猟兵達は、護衛として随伴した。ミルナも、其の一人であった。
「おまけに試合も花尊様の圧勝!」
「でしょうね!!」
 ……喰いついた。其れはもう、勢い良く。
 だが、ミルナは全く、驚く事は無かった。ばかりか、其の反応も、想定の範囲内ですらあった。
 理解が、出来るのだ。ミルナもまた、恋する乙女なのだから。
「あんな方に寵を受けたとなれば、それは忘れ難い体験でしょうね……」
「そう……そうよ。あの方は何よりも美しくて強くて私の様なちっぽけな女でも目に掛けて下さって愛して下さって其れはもう天国の様な一時だったわ嗚呼花尊様烏滸がましいとは解っております其れでも私はハッまさか貴女も花尊様を」
「いえ、わたくし別に花尊様を狙ってるとかじゃありませんのでご安心を。本命の溺愛彼氏がちゃんといますもの!」
 途端、早口で捲し立てる様に、女は饒舌に語り出し、有らぬ誤解までもが生じかけたものの、ミルナは、心に唯一、想う者が居ればこそ、揺らぐ事は無かった。
「花尊様にだって負けないくらいのイケメンなんですから!」
「いいえ、いいえ! 花尊様は誰よりも美しいの!」
 女は、力強く返したが、其の表情は、活気に溢れていた。
 恋とは、生きる力すら、時に与える物だ。影朧として、其の想いを蘇らせてしまう程に。
 だからこそ、その力は、正しく導かれなければ。
「よろしければ、花尊様との出会いとか想い出とか聞かせてくださいな。好きな人自慢しましょう?」
「ええ、ええ、幾らだって語れるわ!」
 恋の話に花咲かせ。
 乙女達は、桜の中を行く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

轟・やゆよ(サポート)
語尾に「だわさ」なのよさ」がつく熱いアニソン好きな女の子

あたしも駆けつけてきたのよさ!
その場で必要なUCや技能を使って攻撃や支援をするだわさ
説得の通じる相手なら説得を試みるしワケありの相手には思わず情を口にするだわさ

もちろん公序良俗に反することや他人の迷惑になることはしないのよさ!

アドリブ絡み歓迎


ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。

口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。

食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆

※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。




「あたしも駆けつけてきたのよさ!」
「ミーヤもお手伝いするのにゃ!」
 朗々と響いた声は、轟・やゆよ(あにそん伝道師・f06396)とミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)の物。
 早速状況を確認する二人。先を行く影朧と、彼女のケアに回っている猟兵達の様子は、現状では安定しているように見える……否、其れ以上に謎の盛り上がりを見せている。
 然し、矢張り片方が影朧と云う事で、不安げな様子を見せる市井の人々が居るのも又事実。
 となれば、超弩級戦力として危険性は無いと周知して回るか、或いは影朧に意識を向けないようにするか……いずれにしても、人々が不安を覚えぬ様、其方のフォローに回る人員も必要だろう。
「そういうことならお任せだわさ! あたしのアニソンで不安を吹き飛ばすのよさ!」
 やゆよのビートステッキが、イントロから奏でていく。セットリストは大正時代を舞台にしたアニメのオープニングとエンディングのメドレーだ。
「にゃ! その曲ならミーヤも知ってるのにゃ。一緒に歌うのにゃ〜♪」
 変わり始めた流れにも物怖じせず、寧ろ積極的に乗っていくミーヤ。幸いにして歌の心得は有るし、戦場で人々や仲間達を癒す為に歌った事も一度や二度では無い。
「即席ユニットでデュエットだわさ♪」
「みんな〜、ミーヤ達の歌を聴いてにゃ〜♪」
 先ずは明るく、其れでいて力強く、胸の奥から高揚する気持ちの湧き上がるオープニングからだ。
 歌いながら、影朧達と付かず離れずの距離を保ち練り歩けば、人々の視線は、興味は其方に釘付けと成った。
(「掴みは上々だわさ♪」)
(「もっと盛り上げていくのにゃ〜!」)
 人々から、不安の気持ちが消える様に歌い続ける。
 何時の間にか、人々は歌に合わせて手拍子や掛け声を始め、影朧に怯えた視線を向ける者は居ない。
 影朧を目的の場所に送り届けるまで、やゆよとミーヤは歌声を、音楽を絶やさぬ様、彼女達自身も楽しみながら、精一杯尽力するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能

接近戦で戦う場合は鎖鎌や鎖分銅の【ロープワーク】による攻撃がメインだが、プロレスっぽい格闘技や忍者っぽい技もいける
遠距離戦では宇宙バイク内臓の武装による射撃攻撃やキャバリアによる【結界術】
その他状況によって魔術による【属性攻撃】や【破魔】等使用。

猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。

基本的にチャラい上辺ですが、人々の笑顔のため、依頼自体には真面目に取り組みます


数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。




 一方、リカルド・マスケラス(希望の|仮面《マスカレイド》・f12160)と数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は、其々の愛車に跨り、其の機動力を活かして先行していた。
 |如何様《どうやら》此の後、影朧が此処を通る様だと、不安げな様子が人々から伝わって来る。
「ふむ、やっぱり分かってても不安っすよね〜。事情を知らない人達からすれば、急に暴れ出すかも知れないっすし」
「だねぇ。ま、その辺りは地道に伝えてくしかないさ。ちと骨は折れるが、やるしかないね」
 敵を倒すのみが超弩級戦力――元い、猟兵では、無い。
 人々の生命、|加之《のみならず》、其の生活を護る事も、又猟兵の使命である。
 と云う事で、とばかりにひらり、|愛機《アルタイル》より飛び降りる、リカルド。彼は今、青年の姿――厳密に言うのであれば、本体である仮面は其の儘、分身の様な形で、嘗ての装着者を再現している――で、怯えた様子の女性に、威圧感を与えぬ様、気を配りつつ、歩み寄る。
「失礼するっす。これからここに影朧が来るっすが……」
 そして、声を低く落とし、さり気無く、其の手を取った。
 驚く女性が、何事か口走る前に、其の整った顔立ちを、柔和に崩し、言葉を続けた。
「影朧は、既に無力化されているっす。いざという時は、自分らが護るっすから……落ち着いて、通してやってくれるっすね?」
「は、はい」
 そう、此の青年、顔は整っているのだ。
 女性は、何処か惚けた様子で頷いた。
「はは……」
 苦笑するより、他に無い多喜である。
 だが、其れで事情を呑み込んで呉れるのであれば、其の行動は、寧ろ最善だった、と理解出来る。
 自分も、成すべき事をせねばと、多喜もまた、怯える人々に向け、声を掛けた。
「っつーワケなんで……影朧が未練なく、綺麗さっぱり転生するのに必要な移動なんだ。何かあった時には、あたしらで何とかする。何事もなく通してくれればそれでいいからさ」
「ち、超弩級戦力の皆様が、そう仰るのでしたら」
「助かるよ。ホントに通るだけだし、すぐに済むから」
 少し、安堵した様子の人々に、多喜は口元に、笑みを浮かべて見せる。
 影朧や、他の猟兵達が、近付いてきた。リカルドと多喜は、再び愛車に飛び乗り、再び先行するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 日常 『時よ暁にて止まれ』

POW   :    この時を楽しむ

SPD   :    この時を味わう

WIZ   :    この時に興じる

イラスト:羽月ことり

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「お待ちしておりました」
 目的の、カフェー『金桜』にて。
 美しい女給達が、猟兵達と、影朧を出迎えた。
 どきまぎとした様子の影朧と、通された席で、花尊を待つ。
 高級感と、品の良さが両立した、革張りの長椅子に、カフェーテエブル、シャンデリアにカアペット、赤い煉瓦の壁……其れ等全てが、非日常感を演出する。其れでいて、光を抑えたシャンデリアの他に灯りは無く、隅々には仄かな闇が佇み、静謐が直ぐ隣に在る様な、奇妙な感覚にも見舞われた。
 やがて、軽く靴音を響かせて、奥の暗がりから、闇をも劈かんばかりの、美貌の男が現れた。
 其の美しさも、艶やかさも、人間離れすらしており、華やかにして綺羅びやか、其れでいて、妖しさが在った。髪は、月光を編んだ絹糸にも似て、瞳は、彩こそ桜貝の様で在りながら、何処か刺す如く、刀たる風情の鋭さをも、孕んでいた。
 白亜と見紛う肌は、彫像を想起させ、均整の取れた肉体は、|雄《おとこ》らしさと靭やかさが両立されていた。
 そして開いた口からは、低く重厚ながらも、何処か甘ささえ覚える声が、不思議な安堵感と、異様な威圧感を伴って、言葉が紡がれていく。
「来たか……超弩級戦力。そして……」
 ちらと、花尊は、影朧を見た。
 影朧は、跳ね上がる様にして、居住まいを正した。
「我が元に侍りたいと……希ったのは、貴様か?」
「はッ、はひ」
 緊張の余り、声が上擦っている。
 花尊は、思案する風で、其の実、殆ど即答に近く、頷いた。
「良いだろう。貴様の転生の餞に、寵愛を与えてやろう」
「は……はいィ……」
 最早、同じ答えしか返せなくなった、影朧を抱え上げ、花尊は、闇の中へと消えていった。

 ……さて。
 残された猟兵達へ、女給達が声を掛けた。
「ご注文されますか? 御品書は此方になります」
「数は多くありませんが、御食事も扱って御座います」
「未成年とお見受けする御客様には、酒類の提供は致しかねますが」
 飲むも良し、食べるも良し、相手が居るなら、談笑も良し。
 暁までには、まだ遠い。何をして過ごそうか。



 【御品書】

 ▼御飲物
 ・金桜ブレンドコオヒイ
 ・金桜紅茶(ダアジリン)
 ・冷やしコオヒイ
 ・冷やし紅茶(セイロン)
 ・レモネード
 ・ミルクセエキ

 ▼デゼール
 ・カスタアドプディング
 ・アイスクリン(ミルク)
 ・ゼリイ
 ・氷菓(蜜柑、桃)

 ▼御食事
 ・チキンライスカレエ
 ・オムレツ
 ・ビフテキ

 ▼酒類
 ・ウヰスキイ
 ・ブランデエ
 ・ビイル
 ・ワイン(赤/白)
ミルナ・シャイン
あぁ、ちょっとお待ちになって!と花尊様と影朧さんを呼び止めて。
お楽しみの前に、花尊様にお願いがございまして…

サインください!御前試合見てからファンなんですの!こちらのハンカチにお名前書いていただければ…
ご迷惑でなければ握手してもらえませんか、はっごめんなさい影朧さんお邪魔するつもりはありませんの!わたくしキスとその先は本命の人としかしないって決めてますし!

そうだ、よろしければ影朧さんもお名前をハンカチに…書けないようでしたらわたくしにお名前教えていただければ。
花尊様さえよければツーショットのお写真お撮りしましょうか?

影朧さんは転生されるのですもの、今日のことを何かしらの形で残しておきたくて。




「あぁ、ちょっとお待ちになって!」
 金と桜が、闇に溶けて消える――其の、直前。
 花尊が、振り返る。声は、ミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)が、主であった。
 ミルナが、上目遣いに見上げれば、匂い立つ如き色男が、薄い笑みを浮かべて、此方を見下ろしている。
 だが、多少の緊張こそあれ、ミルナが物怖じする事は、無かった。
「お楽しみの前に、花尊様にお願いがございまして……」
「ほう……いいだろう。言ってみろ」
 花尊は、何処か、愉しげであった。何分、求められる事の多い身である。少女であり、超弩級戦力であるミルナが、己に何を求めるのか、其れを、興味深く思って居る様であった。
 其処で、ミルナはもう一歩、否、半歩進み出た。其の手には、正方形に折り畳まれた何かが、確りと握られていて。
「サインください! 御前試合見てからファンなんですの!」
「御前試合……ああ、浮島に居たな」
 記憶力が良いのか、印象深かったのか、其の常に薄く笑った様な表情からは、読み取り難いが、どうやら、花尊もミルナを思い出した様である。
 一度瞬く其の所作だけでも、燐光が跳ねるかの様だった。
「こちらのハンカチにお名前書いていただければ……」
「名前だけで良いのか?」
「あ、あと、ご迷惑でなければ握手してもらえませんか」
「そんな事か」
 さらさらと、ペン先を走らせ、返されたハンケチーフを受け取ろうとしたミルナの、其の片方の手を、花尊は握って来る。確かに感じる骨と、筋肉の硬さは、間違いなく『男』を感じさせる。
「……はっごめんなさい影朧さん、お邪魔するつもりはありませんの! わたくしキスとその先は本命の人としかしないって決めてますし!」
 暫し堪能していると、生温い眼差しが、ミルナへと突き刺さった為。
 慌ててそう、弁明する。とは言え、事実である。故に、後ろめたい心地等、何も無かった。だからこそ、影朧も何も言わなかったのかも知れない。
「そうだ、よろしければ影朧さんもお名前をハンカチに……書けないようでしたらわたくしにお名前教えていただければ」
 想う相手と、並べるのは如何なる形であろうと幸いだ。
 其れに、影朧として留まる程の想いが、此処に在った証でもある。
「……|織子《しおりこ》よ」
 其れは、きっと、想いの主の名前。
 芽吹いた生命の、種を撒いた|女性《ひと》。
 嗚呼、恋とは何と素敵なのだろうか。
「花尊様さえよければ、ツーショットのお写真お撮りしましょうか?」
 温かくなった心の、感謝の代わりでは無いが。
「影朧……織子さんは転生されるのですもの、今日のことを何かしらの形で残しておきたくて」
「私は構わんが。どうする」
「えっあっ、では、其の、御願い、します……」
 暁には未だ遠く、闇はまだ其処に在る。
 其れでも、カメラの光は、想いの肖像を確かに、焼き付ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。

口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。

食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆

※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。


響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです




「こっちなのにゃ〜!」
 ミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)に連れられて、金桜を訪れたのは、響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)だ。
「金色の花明かり……きっととても綺麗でしょうね。楽しみですわ」
「まだ夜明けには時間があるから、ご飯食べて待つのにゃ!」
 女給から渡されたメニューを、ミーヤが広げる。
 リズも一緒に、其れに目を通した。
「とは言え、夕食は済ませてしまいましたし、お夜食をいただくほどお腹も空いておりませんから……金桜紅茶と、桃の氷菓をいただくことにしましょうか」
「ミーヤはお夜食いただくのにゃ! レモネードにチキンライスカレエ……? カレーに、デザートにカスタアドプディ……プディングもお願いするのにゃ〜」
 注文を終えて、運ばれてくるのを、のんびりと待つ。
 レコヲドからは、心を安らがせる様な、其れでいて、時を忘れさせる様な、メロディが、夢幻の如く、場を包んでいた。
「眠くなってきちゃったのにゃ……でも! ご飯を食べて桜を見るまで我慢なのにゃ」
「もう夜ですから、仕方がないですよ」
「寝ちゃったら起こしてにゃ!」
「ええ。ですが、無理は禁物ですわよ」
 ねむねむと、眠い目を擦るミーヤに、ふふと、リズは柔らかく微笑む。
 食前の飲み物が、運ばれて来たのは、そんな時だった。
「金桜紅茶、そして、レモネードでございます」
「待ってましたのにゃ! しゅわしゅわで目を覚ますのにゃ〜」
「良い香りですわね……頂きます」
 談笑しながら、飲み物を頂く間に、ライスカレエも運ばれてくる。
「ん〜! 程良いスパイスがたまらないのにゃ! いただきますなのにゃ〜♪」
 其の味は、正に王道。其れでいて、単なる『外れが無い』に留まらず、深いコクと、濃厚な旨味が、香りと共に、ミーヤの口の中に、広がった。
 隠し味に、金桜ブレンドを使っている様で、成程、確かに此処は『喫茶店』なのだと、リズは納得した。
 ミーヤが、ライスカレエを食べ終える頃、女級がデゼールを持って、やって来た。
「このプリンも昔ながらの硬めプリンで、卵の味が濃厚なのにゃ♪」
「氷菓も上品な味で、かと言って、桃の味が冷たさに抑えられていません。全ての料理や飲み物に、こだわりがあるとお見受けしましたわ」
 『色欲宮』に留まらない、花尊の一面を、垣間見た気がした。
 やがて、料理もデゼールも、空となり。
 残る飲み物片手に、時を過ごせば。
「あっ、みてみてにゃ!」
「! これは……」
 窓から、微かに差した薄明かり。
 月には白く照らされていた、桜の花は今や、言葉通りの金桜。
 暁に、昇る朝日に照らされて、花明かりは、夢見心地の夢見草。
「素敵ですわね……」
「きれーなのにゃ! 夜ふかしした甲斐があったのにゃ〜」
 今頃は、花尊は闇の中、眠りに落ちて。
 影朧は、転生の輪に溶けただろう。
 付き人に、桜の精が居た事に、リズは気付いている。
 此処に、一つの物語は、金桜の下で、幕を下ろした。
 だが、猟兵達の、此の物語は、未だ続いてゆく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2025年07月28日


挿絵イラスト