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商人からの依頼・即死をリスクで乗り越えろ!

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●いらっしゃいませ
 GGO某所の湿地帯。普段はこれと言って大きなイベントもなくうまみのあるモンスターもいない過疎りがちなフィールドなのだが、時として普段いないはずのNPCが現れることがある。
 それがこのフードを被った眼鏡の女。年齢はまだ10歳そこそこの少女にも見えるが、妙にハスキーな声と怪しい物腰が特徴的なキャラクターだ。
「Welcome!」
 そう言って広げた長いマントの裏には、小型の装備や道具が大量にぶら下げられていた。さらに彼女の前には敷物が広げられ、そこにも大型な様々なアイテムが並べられている。
 武器、防具、薬と種類は多岐にわたるが、その外見は無意味に湾曲しまくった剣や急所以外ががっちり固められた鎧、髑髏を模したフラスコなど怪しいことこの上ない。
「使いこなせるかはあんた次第。モノが良くても使う頭が悪くちゃねぇ……?」
 眼鏡の奥でにやにやしながら言う女。その前で冒険者たちは並べられた品を手に取る。
「じゃあ、この『ドロップ率&感度三千倍薬』を……」
「俺はこの、『全ステータスが攻撃力になる剣』で……!」
「ひっひっひ……thank you……」
 恐怖と欲望がせめぎ合う目で商品を取っていくPCたち。彼女は不定期にここに現れる『超リスキーなアイテムを売る商人』NPCであった。
 使い方を間違えれば即死も有り得る品だが、だからこそ自称を含めた上級者やアイテムコレクターには垂涎の品ばかり。
「わ、私は……逆ビキニアーマーを……! 色々なものと引き換えにお金と知名度には困らなくなるという話だから……背に腹は代えられないから……!」
「本当に仕方なくかい? まあ金さえ払えば文句は言わないよ。それじゃ……」
 女が注文の品を取ろうとするが、手を伸ばした先には何もない。
 顔を上げて周囲を見回せば、それを含めたいくつかの品物を抱えて走り去っていく緑の影が。
「どろぼー! うわーん! かえせー!」
 それを見た女はフードをめくり、半泣きで高く可愛らしい声で叫ぶのであった。

●タダじゃあおきません!
「皆様お疲れ様です。本日はゴッドゲームオンラインにて依頼にござる」
 シャイニー・デュール(シャイニングサムライ・f00386)が集まった猟兵たちに一礼する。
「本日はとある商人からの依頼で、泥棒をお縄にして欲しいのでござる。これはゲーム内のクエストとして発行されているのと同時に、困っている|原住民《NPC》からの依頼でもあります」
 GGOにてゲームはもう一つの現実に等しい。AI制御のNPCであっても、それは最早ゲームという世界に住む生物とも言える存在なのだ。
「依頼人は『アストニッシュ・ベル』という商人NPCでござる。彼女は低確率で決まった場所に出現し、極めてリスクのあるアイテムを高額で販売する隠れキャラクターのような存在でござる」
 そんな彼女が店の商品が盗まれたから、犯人を捕まえて取り返して欲しいという話。なるほどゲームによくありそうなイベントである。

「依頼を受ければ湿地帯の中で盗人との戦闘になります。だがこの泥棒、『グリーンラット盗賊団』というのが通常のNPCやモンスターではなく|バグプロトコル《オブリビオン》となっておりまして。盗みの能力が通常より大幅に強化されている他、盗んだ装備を使い『抵抗不可能の即死攻撃』をかけてきます」
 このゲームにおけるPCの死とは『PLが遺伝子番号を焼却され存在を消される』、つまり現実での死に他ならない。猟兵も命こそ落とさないが、死んだのと同じ扱いでクエストから強制排除されてしまうことになる。
「まずは盗んだ装備を使った攻撃を一発も喰らわず盗賊団を排し、これ以上の被害を食い止めてくだされ」
 幸い本来のモンスターとしてのランクは高いとは言えない。即死にさえ気を付ければ十分勝ち目はあるだろう。

「続いて敵の首謀者を追う為、湿地帯の奥へと進んでいくことになります。しかしここはいわゆる毒の沼地、ダメージゾーンとも言える一帯。一歩歩くごとにHPが減少していく沼に、吸い込むだけで意識を奪う霧、一噛みで死に至らしめる猛毒を持った蛇に進入者を触手の如く捉えて引き裂かんとする蔓……とかく全てが即死級の罠となって侵入者を阻みます」
 例え毒耐性が1000レベルあろうとアリスナイト・イマジネイションや無敵城塞が発動状態だろうと、一切の例外なくここの影響を受ければ問答無用で即死となる。
「ですが、先の敵から取り返したアイテムを使えばここの即死を無効化することもできます。その代わり命にかかわらない甚大な|リスク《呪い》を受けることになりますが、命には代えられぬと思って耐えてくだされ」
 常に所持金が減少し続ける、正気を秒刻みで失っていく、死なない代わりにHPがマイナス域になっても|ダメージ《苦痛》を受け続ける。はたまた全体チャットで恥ずかしい秘密を垂れ流されっぱなしになるなど社会的なダメージもあるが、死ぬよりはましと思って受け入れるしかない。
 ちなみに複数使えばより効率的、迅速に抜けることもできるかもしれないが、当然リスクも倍盛りとなるので考えどころだろう。

「湿地帯を抜ければクエストボスである『犬江・沁兵衛』との決戦にござる。彼女は命の取り合いを何よりの喜びにしており、リスクを飲んだうえでいくつものアイテムを装備、全ての攻撃を即死技にして襲い掛かってきます」
 命を賭して事を成すことを至上とする彼女。命を賭けぬものに価値なしとし、強いプレイヤーとの|死合《デスゲーム》のためクエストボスとなったという。
「こちらもリスクあるアイテムを使って戦うことで彼女の即死技を防ぐことができます。ただし即死に頼らぬ純粋な実力もかなりのもの。リスクさえ我慢していれば楽勝……などと思っていては容易に首を刈られます故ゆめご注意を」
 自らに起こった状況を最大限利用しているとはいえ、仮にそれなしでもかなりの実力者。異世界でボス級オブリビオンを相手取る時と同じように、油断は禁物ということだ。

「文字通りに危険と隣り合わせの依頼となりますが、例えゲームの中とは言え盗みは重罪。十両盗めば首が飛ぶとも申します。どうか皆様、盗人どもを誅してきてくだされ」
 そう言ってシャイニーは転移を開き、猟兵を即死蔓延るゲームの世界へ送り出すのであった。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。今回はゴッドゲームオンラインで即死バグクエストです。

 第一章では『グリーンラット盗賊団』との集団戦。彼らは本来大して強くない人間型エネミーですが、盗品のアイテムを使い全ての攻撃が即死技となっています。一撃でも受けてしまえばクエスト失敗となるので、即死攻撃を何とかかいくぐりながら相手を倒してください。

 第二章では毒の湿地帯を抜けていただきます。踏み入っただけで即死なバグフィールドと化していますが、何かしらリスクのあるアイテムを使うことで即死を無効化しつつ進めます。SPDは『ギリギリまで使わない』という形になります。どのようなリスクかは使うアイテムによって変わりますが、即死の代替となるので何にせよ相当なものになります。リスクの重ね掛けはできますが、踏み倒しはできません。

 第三章では『犬江・沁兵衛』とのボス戦。彼女はリスク突きアイテムを複数装備し、集団戦同様全ての攻撃に即死効果が付与されています。第二章と同じくこちらもリスクアイテムを使い即死の無効化は出来ますが、本人の実力も高いためきちんと戦闘も行わないと普通に負ける可能性があります。ちなみに彼女が負っているリスクは主に命を削る系のものです。

 クエスト依頼人として商人のNPCがいます。戦闘には参加しませんが、アイテム補充(リスクのあるものに限る)してくれるので、第二章以降からの途中参加や章ごとにアイテムを変えたい場合彼女に頼んでください。以下詳細。

 アストニッシュ・ベル ノンプレイヤーキャラクターの組合員(ギルドスタッフ)×冒険商人。
 不定期に湿地帯に現れる、ハイリスクなアイテムを売る商人NPC。眼鏡をかけた外見年齢10歳ほどの怪しい少女。商売時は色々な商人を参考にした怪しい口調を作っているが、クエスト時には地の喋りが出る。プレイヤー間の通称は『ベル屋』『ベルたそ』『明日と』など。

 アイテムのリスクの効果はシリアス系、ネタ系どちらにも対応します。どういう理屈で即死を無効化しているかはお任せ。ただどちらにせよボスは強いので、戦闘部分はちゃんと戦わないと普通に負けます。

 それでは、プレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『グリーンラット盗賊団』

POW   :    攻撃と同時に盗む
レベルm半径内に【ナイフを使った攻撃 】を放ち、命中した敵から【持ち物や装備品】を奪う。範囲内が暗闇なら威力3倍。
SPD   :    不意を打って盗む
自身と武装を【腕部から染み出る闇 】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[腕部から染み出る闇 ]に触れた敵からは【持ち物や装備品】を奪う。
WIZ   :    隙を突いて盗む
【投げナイフ 】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【どろぼう袋】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。

イラスト:リタ

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 GGOにある湿地帯。そこは今あるクエストの舞台となっていた。
『あの盗人ども、こっちは犬も飼ってないってのに数でかかってきて商品を持ってきやがった。このままじゃ商売にならねぇ。やつらをとっ捕まえて盗まれたモノを取り返してくんな』
 依頼人である商人NPC『アストニッシュ・ベル』が吹き出し付きで喋る。これはゲーム内クエストの依頼文であり、これを読んだ上でプレイヤーはクエストを受けるかどうか決めるのだ。
 |猟兵《プレイヤー》がそのクエストを受領する旨を告げれば、彼女は湿地帯の奥へ向かうよう指示してくる。
「『へっへっへ、ありがとさん。ただし気をつけな。あいつら盗んだ品を勝手に使ってきやがるぜ! うちの品は雑魚モンスターにゃもったいねぇ逸品ばかりだ。だから……』月末までに裁かないと売掛が払えないの! お願い、助けて!」
 システムのAIではなくこの世界で暮らす『ノンプレイヤーキャラクターという種族』としての懇願込みの言葉に背を押されて進めば、逃げていく緑衣の集団が。
『くそっ、もう追いついてきやがった!』
『ヤバイよ、取り返されて手ぶらで帰ったらアタシらがボスに殺されちゃう!』
 やはりメッセージ風に喋る盗人たち。逃げられないと悟ったか、盗品を身に着けながら猟兵たちの方へ振り返る。
『こうなりゃヤケだ。こいつを使ってお前らをやってやるぜ!』
『どんな目にあうかわからないけど、死ぬよかマシだよ!』
 彼ら『グリーンラット盗賊団』は本来低レベルなエネミーだが、装備とバグによりその攻撃は全てが即死技となっている。
 さあ|猟兵《クエスト参加者》たちよ、即死を掻い潜り最初のクエストを達成するのだ!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
確かに、放置は出来ませんねぇ。
何とかしてみましょう。

『FAS』により飛行、『FPS』で敵方の情報を集めまして。
『FLS』の空間歪曲障壁と『FGS』の重力波で投擲と跳躍を阻害、緊急時は『FIS』の転移で躱しますぅ。
そして【駈虗】を発動、『牢獄』の幻覚を見せ『盗品を返しお縄に付け』と命令、断れば『全感覚』が喪失する以上、投擲や跳躍もまず不可能ですぅ。
後は『FRS』『FSS』の[砲撃]で叩き、『FTS』で盗品を回収しますねぇ。

回収品を確認したところ、『ダメージの乳肉変換』と「単体では無意味だが、他の影響を倍加することで耐性を強化する』品が有りましたので、此方を購入しましょう。



 売り物を盗まれたから取り返して欲しいという商人からの依頼。ゲームの依頼としては比較的ありきたりな部類であるが、盗まれた品が危険な事、そして依頼人がゲームのシステム文章だけでなく意志を持った|AI《実存在》として困っているということもあり、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はこの依頼を受領する。
「確かに、放置は出来ませんねぇ。何とかしてみましょう」
 飛行状態で依頼人が示した方に向かえば、荷物を抱えた緑衣の集団が駆けていくのが見えた。
『くそっ、逃げ切れねぇ!』
『やっちまうぞ!』
 プレイヤーに聞かせるようなセリフと同時に向き直る盗っ人たち、『グリーンラット盗賊団』。その手には奇妙な形をした装備が持たれていた。
「喰らえ!」
 戦闘に入ったからか、メッセージではなく場に合わせた台詞を穿きながら攻撃してくる盗賊。|闇のようになった《バグった》右手で鎖付きのナイフを投げつけてきたが、その逆側は盗賊の左腕にぐるぐるに巻き付いていた。
 それを正面に障壁を張ってるこるは狙いを反らしたが、一度通り過ぎていったナイフは空中で軌道を変え再度るこるに迫る。
 るこるは短距離移動でもう一度それを躱すが、ナイフはまたも軌道を変えてるこるを襲った。
「こいつはどこまでも追っていくぞ!」
 宣言の通り、何度外れてもナイフは軌道を修正する。一方根元にある鎖はその都度引っ張られ盗賊の腕に食い込んでいく。恐らく命中するまで攻撃を繰り返すが、その都度使用者に継続ダメージといったところだろう。
 さらには他の盗賊も同じナイフを一斉に投げつけてくる。彼らのユーベルコードは『ナイフによる攻撃』を条件にする故にこの装備を選んだのか。
 回避では対応しきれないと、るこるは別の装備を使って重力場を発生しナイフをその場に抑えつけた。
「大いなる豊饒の女神、その神聖なる裁きの執行を促す『祭器』を此処にお与え下さい」
 さらにそこに重ねて【豊乳女神の加護・駈虗】で牢獄の幻を見せる。
「それでは命令しますねぇ。『盗品を返しお縄に付け』」
 相手に返すようメッセージ風に告げれば、相手も相応に抵抗はしてくる。
「ふざけんな、誰が……!」
 そんな言うことを聞く泥棒はいないと突っぱねるが、そうなれば感覚と活力を奪われることになる。
「ぐあっ……!」
「くそっ、動け、動けよ!」
 必死にナイフに命令を飛ばしるこるを攻撃させようとする盗賊たち。一撃でも入れれば終わりなのは分かっているのだ。だからこそ無理をしてでもリスクあるアイテムを使い、勝利をもぎ取ろうとする。
 その命令に応えるように巻かれた鎖がぎりぎりと腕を締め上げるが、先端のナイフは抑えつけられて動けない。また感覚を消したことで痛みも消えているのか、盗賊たちはそのダメージを意に介する様子もなくナイフに命令を飛ばし続ける。
 何にせよ相手が受け入れるとはるこるも思っていない。このままとどめを刺してしまおうと、攻撃用の兵装を差し向けた。
「動けっ!」
 盗賊の一人が思い切り叫んだ瞬間、締まりすぎた鎖が腕をついに引きちぎった。だがそれと同時に砲撃が叩き込まれ、他の盗賊諸共消し飛ばされる。
 オブリビオンの、あるいはゲームのモンスターの常として盗賊たちの骸は消え失せ、後にはドロップ品のように彼らの使っていたナイフを始めとする盗品が残されていた。複数あったことと限界まで使っても腕一本失う程度で済んだこと。それを考えればこのナイフでも盗まれた品の中では比較的『安全』な方なのだろう。
 るこるは迂闊に触ることを警戒し、道具を使ってドロップ品を回収する。それを確認すると、ナイフ以外にも『ダメージの乳肉変換』と『単体では無意味だが、他の影響を倍加することで耐性を強化する』ためのアイテムが見つかった。
 これならば以後のクエスト、さらにはそれが終わった後にも使えると確信し、借りるのではなく代金を支払っての購入を申し出ることを考えつつ、るこるは次のクエストへと向かうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アラタマ・ミコト
荒魂鎮神命が命じるのでございます。
神器よ施されし封印を解きその力を示すべし!
荒魂鎮神命の無双をご覧に入れるのでございます。

……あらたまちゃんのらいふを削っているのです!
高れああいてむや素材をどろっぷするのです!!



 GGOはゲームの世界である。元々は王道ファンタジーではあったが、ユーザーの望みが無節操に詰め込まれ実装されて行った結果様々な文化や技術、設定がごった煮となっていた。
 それ故、アラタマ・ミコト(極楽浄土にて俗世に塗れし即身仏・f42935)の姿もそこまで違和感のある者とはとらえられない。
「東方のアンデッドか?」
「新規実装じゃない?」
 この世界には『東方』といういわゆる和風世界が設定上存在する。フィールド自体は未実装ながらそれに関するジョブやアイテムは既に多数実装されているので、アヤカシエンパイアの即身仏という姿もそのままに彼女はこの世界を満喫するに至っていた。
 そんな半現地人なアラタマ、手慣れた様子でクエストを受領し、早速討伐対象を追う。
『くそっ、逃げ切れねぇ!』
『やっちまうぞ!』
 追いついたら別の|プレイヤー《猟兵》に行ったのと同じメッセージと共に戦闘開始。だが高度なGGOのAI、実戦ともなればそこは実際の生物並みにその場で考えて動き出す。
「俺自身が……属性になる!」
 盗賊たちが何かの瓶を取り出し、バグによって闇と化した自分の腕にかける。その腕は液化したようにドロドロと溶け出すが、そのまま体に伝って全身を、さらには周囲の他の盗賊までもを覆い一切を闇に溶かした。
「なるほど、こうなりますか」
 アラタマがゲームシステム的な相手の基本情報を見ようとするが、本来カーソルを合わせるだけで見えるような敵の数や名称などが全て空欄になっていた。
 視覚嗅覚での探知を不可能にしその闇に触れた相手の持ち物を盗む技。それを効果拡大し周囲全部を闇に包み、ゲームシステム上の探査も妨害してしまうという技にしたのだろう。
「しからば、御免!」
 天叢雲剣を抜いて闇を一閃、この程度の敵ならば属性攻撃も防御も大したことあるまい。そう踏んでの攻撃だが、振るったその剣そのものが一瞬出てから消え失せていた。
「この闇自体が俺だ……戻れるかは、知らないけどなぁ……」
 体を溶かして自身の闇属性を大幅に強化し、闇を使うユーベルコードの効果増強にあてているのだろう。さらに中に入った盗賊たちが闇の中から染み出すように手を伸ばして来る。
 闇に触れたものを奪い取る技。ならば敵自身が闇となり他の者の闇と融合しているのなら、彼らに触れたものは装備はもちろん肉体や命さえ奪われる、存在自体が必殺となっている状態だろう。さらに感知を誤魔化すことで本体となった者を叩くこともできない。
「なるほど、ざこもんすたーという認識は改める必要がある様子」
 この敵は一太刀に切り払えるような相手ではない。そうアラタマは考えた。
「神器よ施されし封印を解きその力を示すべし! 荒魂鎮神命の無双をご覧に入れるのでございます」
 しからば、強敵相手への大技を解放するのみ。アラタマは【神器解放】で三種の神器が一つ、八咫鏡を大量複製。さらにそれを闇の周囲に配置し、その中心に光剣|邪辻免斗聖刃亜《ジャッジメントセイバー》を突き立てた。
 剣が光を放ち、それがいくつもの鏡に反射する。
「うおぉぉっ!?」
 闇が光に照らされ晴れる。例えバグに曝されても『闇』である以上『光』は弱点でしかない。
 敵を追う闇が晴れ、中にいた盗賊たち、そしてその中心で体をどろどろに溶けさせた一体の姿が露になる。
「……あらたまちゃんのらいふを削っているのです! 高れああいてむや素材をどろっぷするのです!!」
 命こそ落とさないが、こちらもリスク付きの技を使ってやろう。勝てるならライフを削るくらいは安いコストだ。ましてや相手はアイテムを隠し持っているのも分かっている。
 その中核となった者を、|宇露菩櫓須無礼怒《ウロボロスブレイド》を伸ばして貫いた。そしてそのまま伸びた剣を振り払い、辺りの雑魚を一纏めに薙ぐ。闇の守りさえなければ元の低レベルモンスターと同じ。身を削るアラタマの大技に、盗賊たちは一気になぎ倒された。
「それでは剥ぎ取りたいむにござります」
 敵のいたあたりからアイテムを回収。中核だったものが使っていた『存在自体をリムーブし特定属性超バフ薬』を始め、様々なリスキーアイテムがアラタマの手に入る。
 これを|極楽浄土《ゲーム》内で活用するかは、アラタマのプレイスタイルと腕前次第といったところだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘グロ×
【第六感・見切り】からの【功夫・カウンター】で
【武器落とし】した呪い武器を【結界術】に封印

これでもう即死攻撃は出来ない

すると男盗賊が取り出したのは、私のピスティス・ブラスター。
勘違いしないで。あえて盗ませてあげたの。
私の【念動力】で自在に操れるから
盗んだ彼も、残った女盗賊も
私の媚毒の【呪詛】を含む【レーザー射撃】を浴びて魅了状態に

女盗賊の服を【引き裂き】私も【脱衣】
濃厚なキスと共に彼女の胸・へそ・お尻を愛撫し
『纏わりついて精気をむさぼる』

貴方もどうぞ♥

奪った行動回数を男盗賊に分け与え
女盗賊の尻穴を指で広げ【誘惑】
私も【化術】で竿を生やし
女盗賊を前後から【串刺し・慰め・生命力吸収】よ♥



 盗まれたアイテムが全て取り戻され、クエストが消失しない限り他の|プレイヤー《猟兵》がクエストを受けることができる。そして受領した者が追いついてくれば、戦闘開始までの決まった流れを生き残った盗賊たちは繰り返す。
『くそっ、逃げ切れねぇ!』
『やっちまうぞ!』
 ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)相手にも同じ台詞を吐いてナイフを構える盗賊たち。だがその武器は先に構えたものとはまた違う。
「刃が囁いてくるぜ。殺せ、ってな……!」
 構えた盗賊の片眼の色が変わり、ナイフを持つ手に禍々しい文様が浮かび上がる。台詞と合わせて現実でやれば10年後に悶絶するような痛々しい姿だが、何しろ彼らが持つ武器はこのゲーム内においての『本物』。
「ああ……止まらない……これ以上、アタシに眠る悪魔を起こさないで……!」
 自分を抱きしめるような姿でくねくねと身をよじらせる女盗賊。だが、一しきりその動きをした後超高速でドゥルールの方へと突っ込んできた。
 その動きは雑魚モンスターの意気にはない高速。ドゥルールは急ぎ身をかわし、手刀を相手の腕に叩きつける。上手いこと手元に当たった衝撃は反射で指の力を緩めさせ、ナイフをその場に取り落とした。
 そしてすかさずドゥルールはその場に小さな結界を展開、ナイフを拾えないようにするとともに女盗賊を取り押さえた。
「これでもう即死攻撃は出来ない」
 人質にでもするかのように女を締め上げるドゥルール。だが、それを見る男の方は余裕の笑みを浮かべたままだ。
「見えるぜ……お前が死ぬ点が!」
 男盗賊が躊躇なくナイフを投げてくる。そのナイフは一本だけだが、女盗賊を抜けてドゥルールの急所を貫く一ミリの狂いもない精密なもの。
 恐らくこのナイフの呪いは、言動が痛々しくなる代わりにその『設定』相応の力を得るものだろう。
 ナイフは一瞬にして何かに突き立ち、それを引っかけたまま盗賊の手元に戻る。そこに刺さっていたのはドゥルールの心臓……ではなく、髑髏の形をしたオブジェであった。
「ふん、髑髏なんて俺にとってはいつもそばにある……」
 台詞を言いながらナイフを抜く男に、ドゥルールは告げる。
「勘違いしないで。あえて盗ませてあげたの」
 その言葉と共に、髑髏が男の手から離れて浮き上がり発光しだした。
 そのまま髑髏から光線が発射され、男を射抜く。髑髏の正体は『ピスティス・ブラスター』。念動力で動く光線兵器だ。
 さらに髑髏は転回して女の方も射抜くが、二人が何か傷を負った様子はない。その代わり明らかに動きが鈍った女の服を、ドゥルールは引き裂いた。
 光線に込めたのは魅了の力。盗賊が使った中二病ナイフは言い換えれば思考力、精神年齢を低下させて戦闘力を上げているようなもの。システム的に言えば精神攻撃への耐性が下がるデメリットを負うような装備だったのだろう。
 そのまま自分も服を脱ぎ、女の体を貪るドゥルール。素肌の露出したところを重点的に触るのはいつもの事だが、そこには普段とまた別の力が込められていた。
 女盗賊は動くこともできなくなり、ドゥルールはその女の体を曝け出して男を誘惑する。それに誘われ近寄ってきた男を捕まえ、触れた腕から『何か』を与えた。
「貴方もどうぞ♥」
 男に与えられたのはドゥルールが奪った女の『行動回数』。【纏わりついて精気をむさぼる】のはただの戯れではなく、シルバーレインのサキュバスが持つアビリティがユーベルコードになったもの。
 そして行動を与えられた男は|魅了状態《バッドステータス》にかかっている故に、その行動は『同士討ち』に使ってしまう。
 武器を失った女盗賊を、ドゥルールは自分の『武器』と男盗賊の二人掛かりで攻め立てる。倍量の攻撃を喰らった女はそのまま生命力を吸い尽くされ、あっという間に|即死《昇天》してしまった。
 そして増えた行動回数をセーブなく吐き出した男も後を追うように消え去る。
 そして敵はいなくなり戦闘終了。敵のドロップ品の中から、ドゥルールは『自分好み』の品がないか探すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

UCで飛翔状態になって高高度から攻撃を仕掛けるよ♪
盗賊達を手早く倒して、商品を取り返すね♪
回収した商品の中から、『胸や尻が過度に豊満化し動きづらくなるが、変身系能力使用時のステータス上昇値アップ』『自身の各種情報が全体チャットに垂れ流しになるが、視界内の敵や地形等の情報がわかる』等様々なアイテムを購入して先に進むよ♪

UCは『ワタシの上級悪魔兵変化』
攻撃はネクロオーブからの【エネルギー弾】で行うよ♪
敵の攻撃は【第六感/見切り/身かわし】で避けるね♪



 オンラインゲームのクエストは期限が設定されているものも多い。とりわけバグプロトコル関連のものはそれが駆除されてしまえば解決となるわけで、例え元となったクエストが残っていたとしても猟兵が関わる依頼としては消滅することとなる。
 クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)が|依頼人《ベル》から受領した所、ベルの頭上の吹き出しが消えた。
 恐らく『盗賊捕獲クエスト』は締め切りとなったのだろう。滑り込みではあるが参加できたとして、クローネは指示された盗賊のいる方向へ向かう。
 そして見えて来た盗賊たちがお決まりの文句を言っている間に、クローネはさっさとユーベルコードを発動した。
「ダークネス『デモノイド』の上位個体、『デモノイドロード』の力を見せてあげる!」
 【ワタシの上級悪魔兵変化】で暗い青色の触手で体を覆い、高高度に飛翔する。そのまま空中からエネルギー弾を放って一方的に殲滅しようとするが、盗賊たちはナイフを握り締めていた。
「伸びろ、腕よ!」
 上に向かってナイフを突き出すと、盗賊の腕が一気に伸びて高空にいるクローネまで届いた。咄嗟に空中で身をよじってそのナイフを避けるが、そのまま空中で腕は曲がりクローネを捉えようと追撃する。
 さらに別の女盗賊は、脚を何メートルも伸ばし空中にいるクローネの正面まで体を持ち上げて来た。そのまま真正面にナイフを突き出すのを、クローネは一気に後ろに飛んで避ける。
 体を変化させて高度差を埋める戦法。だが、一見コミカルな変化をしている盗賊たちの顔はいずれも苦痛に歪んでいた。
 そこに再び伸びた腕がナイフを突き出して来る。それを顔ギリギリのところで躱すと、すぐ横にある腕がぶちぶちと音を立てているのがかすかに聞こえた。
 装備か薬品か、とにかく敵が使っているのは体を自在に変化させられるようなもの。ただし感覚は元のままで、肉や腱が引き延ばされ関節でない所を無理矢理曲げられる激痛が常にあり続けるというものなのだろう。
 さらにバグの影響でプレイヤー側は一発でも受ければ即死。まぐれでも何でも、とにかく振り回して掠らせれば勝利という状況が彼らを苦痛に耐えさせているのだろう。
「気持ちよくない変化はお断りかな……♪」
 とにかく、相手は必殺の一撃を狙って特攻状態で攻めてきている。さらに上空へ逃げるも、相手は体を変化させてついてくる。だが肉体変化についてはクローネも一家言あった。
「自由っぽくても限界はあるんだよ♪」
 男の腕、女の脚から聞こえるきしむ音がよりはっきりと聞こえ出した。中の戦意は既に捩じ切れ、骨も蛇腹にでもなったかのように細切れになっているだろう。
 そこに一撃、エネルギー弾を撃ち込む。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ……」
 伸ばされて耐久力を失った脚が千切れ、女の腰から上が落下していった。さらに男の手も斬れ飛び、ナイフを持ったまま落ちていく。
 そしてそこにエネルギー弾を降らせれば、地上に残った男の体に直撃するのがかすかに見えた。
 追撃がなくなったことを確認し、クローネは地上に降りる。そこには盗んだものがドロップ品としてばらまかれているだけで、盗賊たちの骸はなかった。
 転がっているものを検分し、クローネはいくつかのアイテムを取る。
「『胸や尻が過度に豊満化し動きづらくなるが、変身系能力使用時のステータス上昇値アップ』に『自身の各種情報が全体チャットに垂れ流しになるが、視界内の敵や地形等の情報がわかる』……これは面白そう★」
 他にも自分好みのアイテムがいくつも見つかり、それらをすべて回収。その購入を考えながら、クローネは先に進むのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『呪いの装備、使うかはあなた次第!』

POW   :    デメリットなんて怖くない!見つけ次第装備してみる。

SPD   :    呪いの力には頼らない!無視する。

WIZ   :    使わないけど一応回収はしておこう。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 窃盗の実行犯『グリーンラット盗賊団』を成敗し、盗品を取り戻したことで最初のクエストはクリアーとなった。
 だが、一度消えた吹き出しがまた依頼人の商人アストニッシュ・ベルの頭上に現れる。
『盗っ人どもを捕まえてくれたみたいだな。とりあえず礼は言うぜ。だが、盗まれた数には全然足りねぇ。どうやらもうボスに届けられちまったもんがあるみたいだな。連中のアジトに乗り込んで根こそぎ取り返してきてくれ』
 続きのクエストの依頼文をメッセージで読み上げるベル。
『奴らの根城はこの湿地帯の奥だ。そこに踏み込んで生きて帰ってきた奴はいねぇ。沼に、草に、蛇に蟲……空気までが殺しにかかってきやがる。だが安心しな。うちの品を使えば命の保証だけはばっちりだ。まあタマ以外の何かは落ちるかもしれないが……命と比べりゃ安いもんだろ?』
 次にバグっているのはフィールド。回避や対策することすらできず、踏み入った時点で即死する理不尽を越えたバグの塊。
 それに唯一対抗する手段として、今取り返したハイリスクアイテムを使えと依頼人はレクチャーしてくる。
「『特別にタダで貸しといてやるぜ。拾ったのが気に入らなきゃ言えば取り換えてやる。ん? 偉くサービスがいいなって? そりゃあ、この先に持ってかれちまったもんがもっと値打ちモンだからだよ。つまり……』まだ全然補填できてないの! 不渡りが出る前に! 急いで!」
 結構ギリギリの経営をしているのかもしれない依頼人の悲鳴に押され、湿地帯の奥へと進む|プレイヤー《猟兵》たち。
 そこに広がるのは毒と瘴気と異様な生物だらけのまさに魔境。あらゆる手段で進入者を即死させてくるこのバグフィールドを、死以外の|リスク《呪い》を全て受け入れた上で踏み越えるのだ!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
無事帰還しましたら、健全運営の為に見直された方が良さそうな?

|先程《前章》発見した2点を使用、【綰閒】で全『祭器』を体内に収めて『身体能力』とすることで『品』の対象に含まれる様にし、『FAS』で飛行して向かいますぅ。
「踏み込めば死亡」級の影響を『胸の増量』に変換する上、『倍加』による強化もありますからねぇ。
僅かに進むだけで尋常では無い『増量』が発生する上、『毒』に接する面積が増えて『増量』が大幅に加速するサイクルに入りますから、『FGS』の重力操作で軽減し、少しずつであっても着実に進みますぅ。
到着時点で、最低でも直径数km以上の巨山級になっていそうな気もしますが、まあ?


クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

先程購入したハイリスクアイテムを躊躇いなく装備して、即死を無効化するね♪
胸や尻が過度に豊満化し動きづらくなったり、自身の各種情報(平時のスリーサイズや好きな食べ物、性的嗜好等)が全体チャットに垂れ流しになったりするけど、まあ物理的に死にそうにならなきゃ全然OKだよ★
【情報収集/気配感知/偵察/索敵/聞き耳/視力/暗視/嗅覚】とアイテム効果で周囲を調べながら、【ダッシュ/悪路走破】でフィールドを抜けていくね♪

UCは『ワタシの淫魔変化』
淫魔形態に変身して、移動速度を上げるよ♪



 盗賊退治から連鎖して発生した二つ目のクエスト、その内容は『危険なフィールドを突破せよ』というものであった。
 依頼主から仰々しい|脅しの言葉《アドバイス》はあるものの、それはあくまでゲーム内設定に置いての話。討伐必須の対象がいない分、ジョブやスキル構成によってはむしろ前回よりクリアしやすいクエストだったのかもしれない。
 しかし、実際の所は全くそんなことはなかった。
 一歩踏み入れただけで問答無用の即死。様子見することすらできず、受領=失敗=遺伝子番号焼却という図式の成り立つクソゲーと言う言葉すら生温いもの。
「無事帰還しましたら、健全運営の為に見直された方が良さそうな?」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)の言う通り、こんなもの放置していたらサ終待ったなしのバグクエストであった。
 だが幸いなことに、クエストの内容や攻略法自体は変わっていない。前クエストの戦利品や依頼人から貸与されたアイテムの『リスク』を飲んで危険を無効化する、これがこのクエストの本来の攻略法であり、同時に即死バグに対抗する唯一の方法であった。
 その為のアイテムを、るこるは躊躇なく使用する。片方には緑の装飾品を、もう片方には赤の装飾品を、両方の胸それぞれの先端に取り付けた。
「大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、至尊なる器の結合を此処に」
 そして持っている装備を乳の中にしまい、【豊乳女神の加護・綰閒】を発動。その上で即死バグ蔓延る沼地フィールドへと踏み込んだ。
 沼に足先が使った瞬間、そこから一気に全身に毒が回る。それは一瞬にして肌から肉、骨までを腐らせて対象を死に至らしめる理不尽なまでの猛毒であった。
 しかし、それはるこるの|命《HP》を削ることはなく、その代わりに全てそこに溜め込まれるかのようにるこるの両胸が膨れ上がった。
 その様子を遠目に見て、クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)もまた自分の得た装備を躊躇なく……どころかどこか楽しむように装備し、即死フィールドへと乗り込んだ。
 やはり毒がクローネの体を侵した瞬間、装備した首輪とピアスが脈動する。そしてクローネの元から大きかった胸が激しく揺さぶられ、やはり一気に数倍の大きさへと膨れ上がった。
「お、これはいいカンジ♪」
 毒によるダメージは一切なくその感覚を楽しんでいたが、クローネの変化はそれだけにとどまらない。
『クローネ・マックローネは気持ちいい事、えっちな事が大好き』
 突如として、ワールド全体に届く全体チャットにメッセージが流れた。
 これ自体は普段から公言しておりバラされても問題はないのだが、さらにメッセージは続く。
『性的志向は氷結、石化、肥大化等、それらが組み合わさるとさらに興奮。平常時のスリーサイズは……』
 そこから詳細な性癖が次々と垂れ流しにされていく。たまに好きな食べ物など無難な情報も流れるが、基本は伏字が入るような卑猥かつ赤裸々な情報が隠すことなく全体に曝け出され続けた。
 そのような状況にクローネは。
「まあ物理的に死にそうにならなきゃ全然OKだよ★」
 膨れ上がった乳尻をびくびくと痙攣させ、公開情報通りに興奮するのであった。
 とは言えクエスト自体はきちんと終わらせなければならない。
「他者を愛し、他者から愛される淫魔の力……魅せてあげる!」
 【ワタシの淫魔変化】を用いて移動速度を上昇。持ち前の悪路走破能力や装備の効果もありその上昇率はさらに高くなり、地形把握効果と合わせてすいすいと湿地の森を移動していった。
 しかし、その巨大乳は柔らかい何かに突然ぶつかる。
「あぁん」
 その壁が甘い声を上げた。クローネが衝突したそれは、既に小山の如きサイズとなったるこるの乳房であった。『敵』でも『地形』でもないため装備の知覚から漏れていたそれに、クローネは肥大した自分の乳を思い切りめり込ませる。
「お、これは気持ちいいね♪」
 そのままぐいぐいクローネはるこるを押していく。そのるこるの乳も否応なしに聞こえたクローネの|個人《性的》情報と、彼女を見ることで齎される精神効果で思わずひくついて興奮してしまった。
 元々巨体を装備で浮かせているため、るこるはクローネに押され進んでいく。そして乳が膨れていくほどに毒に晒される面積は増え、肥大も加速していく。そうなれば、密着しているクローネは自身も巨大化しながらもどんどんその肉の中にめり込んでいった。
「周囲は調べられるから、上手く押してってあげるね♪」
「はいぃ、お願いしますぅ……あっ」
 バグフィールドを自分の体で上書きする勢いで膨れていくるこるに、それに埋もれながら自分も巨大化していくクローネ。即死の変換されたサイズと快感を全身に享受しつつ、二人は湿地帯を乗り越えていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
POW
呪い装備名:不滅の愛
逆バニーそのまんまなデザインの防具。
自身が受ける全てのダメージを無効化し、快楽に変換する

デザインが気に入ったからコレにするわ。
快楽には慣れてるし、問題なく先に進めるでしょ

「ふあぁぁぁんっ♥♥」

毎秒の即死ダメージが
毎秒の即イキ快楽に変換され
乳から、股間から、体液が噴き出す

「らめぇっ♥ こんなっ♥ クセに……なりそ……んぅぅぅっ♥♥」

元々の【継戦能力】の高さに加え
この悦びをオブリビオンと分かち合いという想いが
私を【鼓舞】し【気合い】を滾らせる

グラウンド・デス【生命力吸収・範囲攻撃・地形破壊】で
自然やエネミー達から生命力を【大食い】
連続絶頂による疲労を回復しながら先に進むわ



 ゲームのアイテムは当然ながら全て名前がついている。多用するアイテムや序盤用の装備は効果を分かりやすくするため、シンプルな名前がついていることが多い。逆にイベントで手に入るものや一点ものなどは固有名を持っていることがよくある。その方が特別感が強まるし、入手の過程で効果が分かっていたり、あるいはあえて使ってみるまで分からなくするためなどその理由は様々だ。
 今回回収、奪還を依頼されているアイテムもそのようなものが多いが、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)が拾ったアイテムは『不滅の愛』という名前であった。名前だけなら装飾品にも思えるが、実際は逆バニーそのまんまなデザインの防具。そしてその効果は『自身が受ける全てのダメージを無効化し、快楽に変換する』というものであった。
「デザインが気に入ったからコレにするわ。快楽には慣れてるし、問題なく先に進めるでしょ」
 その装備を、ドゥルールは軽い気持ちで装備した。そしてそのまま即死フィールドへと踏み込んでいく。
「ふあぁぁぁんっ♥♥」
 一歩踏み出した瞬間に、ドゥルールは痙攣してその場で果てた。だがその余韻に浸る間もなく、絶頂は連続で襲い掛かる。
 ここは一瞬で即死するフィールドだが、死ねば本来それ以上ダメージは受けない。だがそのダメージが別のものに変換されている以上、即死級の|ダメージ《快楽》が途切れることなく毎秒襲い来ることになるのだ。
「らめぇっ♥ こんなっ♥ クセに……なりそ……んぅぅぅっ♥♥」
 全身からあらゆる液体を垂れ流し、その場に崩れ落ちるドゥルール。だがそれは、全身を猛毒の沼地に浸してしまうことに他ならなかった。
「!!!!!!!????????♥♥♥♥♥♥♥♥」
 足先だけで体が崩れる程だったダメージを全身に受け、最早声も出せないドゥルール。その間も全身から毒の沼が染み込んできてはドゥルールを苛む。
 まさに地獄の快楽。あるいは毒で死なない代わりに、ここから進む意思の方を殺されてしまいかねない程。実際ドゥルールのような|快楽慣れしている《継戦能力》者でなければとっくにここの虜になっていただろう。
 この余りの快楽に、しかしドゥルールが考えるのはこれを『分かち合いたい』というもの。
 今まで吸収したオブリビオン。そして、この沼地を超えた先にいる者。それを思う感情が自分を鼓舞し、気合を滾らせる。
 そんなドゥルールの胸に、水上を張って来た蛇が噛みついた。その牙からはやはり致死量の猛毒が流し込まれ、それが快楽に変換される。
 まるで吸い付くように張り付いてくるその蛇から、ドゥルールは逆に生命力を吸い上げた。
 それだけではない。それを伝って沼の水や泥、そこから生える植物などにも力を伝えていく。自身が『グラウンド・デス』と名付けた地形破壊技を周囲に振りまいて、この毒の沼地を破壊しはじめたのだ。
 木がへし折れて沈み、土が盛り上がって水が散らされる。辺りに蠢く虫一匹ずつからも生命力が吸われ、次々と地に落ちていく。
 もちろん吸い上げる生命力は同時に毒の塊だ。それを快感に変換すれば再びドゥルールは連続絶頂に覆われるが、それでもう足を止めることはない。
 この世界はゲームの中だが、そこで|生命力《HP》を吸えばそれは自身の|命《ライフ》として返還される。それを使ってドゥルールは歩を進めていく。
 もちろん絶頂が止まっているわけではない。その快感とそれによる体力減少を減る端から補充することで無理矢理進んでいるのだ。
 その様は、まさに装備の名に関された『不滅』そのもの。死さえも快感として食らいながら、ドゥルールはその先を求め死の沼を渡っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『犬江・沁兵衛』

POW   :    忍法・血凍刃
【手持ちの武器】に【自分の血】を注ぎ込み変形させる。変形後の[手持ちの武器]による攻撃は、【凍結】の状態異常を追加で与える。
SPD   :    忍法・薬霧の陣
戦場全体に【牡丹の香りの霧】を発生させる。レベル分後まで、敵は【毒霧】の攻撃を、味方は【薬霧】の回復を受け続ける。
WIZ   :    忍法・霜狗舞
対象の攻撃を軽減する【霜の霊犬】に変身しつつ、【氷刃を含ませた旋風】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:えんご

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は政木・朱鞠です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 死の沼を抜けた先、通常のプレイでは決してたどり着けない場所。そこに猟兵が辿り着くと、後ろから小舟が沼を渡って来た。
『お疲れさん。あんたらが道を作ってくれたおかげでこっちはやりやすかったぜ。おっと、怒るなよ。あんたらだってうちの品のお陰でここまでこれたんだろう? 持ちつ持たれつ、ってやつさ』
 船から降り、クエスト依頼人の商人ベルがクエストの吹き出しを出して言う。猟兵がバグを踏み越え作った道を、彼女自身自分の商品を使って楽に乗り越えてきたのだろう。ゲーム的に言えば、依頼人がいないと次のクエストが受けられない故のご都合主義と言ったところか。
 沼の先にあったのは岩肌に掘られた洞窟。そこを見てベルの頭上にまた新しい吹き出しが出る。
『さあて大詰めだ。ここにいるのは……』
 次のクエストの依頼文を出すように続けるベル。だがその言葉に被せるよう、別の声が洞窟から響く。
「ここまで来てくれたのですね……まずは私の前に並ぶ最低限の価値はある様子」
 洞窟の入口から現れたのは高露出なビキニアーマーを纏った女。その手には禍々しい形の武器がいくつも携えられていた。
「そこのあなた、あなたの扱う商品は素晴らしいものばかり。それは認めましょう。でも……」
 女はまずベルの方を見て言う。だがベルの方は様子を崩さない。
『ああ、こいつが盗っ人共の親玉だ。こいつは手下どもと違って、アイテムをいくつ使っても耐えちまいやがる……』
 AIに従いクエスト説明を説明するベルだが、その頭上の吹き出しが突然粉々に砕け散った。
「|種族《NPC》故の頑丈さと品物を好きに使える特権に守られた、命を懸けているふりをして絶対の安全圏から話だけをするその姿勢。あなたのような人にこの品は余りにも勿体ない」
 その手にあるのは赤いナイフ。それはいつの間にか深く切り裂かれていた彼女の手から流れ出る血が固まったものであった。手を一振りしてそれを投げるとベルの体を包むマントが切り裂かれ、その中にあった彼女が付けていた複数の装備が砕け散る。
「ああ、あ……」
 その衝撃で腰を抜かしたように座り込み、幼い顔を青ざめさせるベル。彼女の|NPC故の特性《理不尽なまでの頑丈さ》を理由づける装備を破壊し、命の危機が目の前にある状態に強引に引きずり出したのだ。
「彼女はもう結構。さて、そちらの方々。私を殺しに来たということは、殺される覚悟もあっての事でしょうね? この『犬江・沁兵衛』、命を賭さぬ輩と対等に話す気はありません」
 名乗った女の持つ武器が動きだす。あるものは管を身体に突き刺し血を吸い上げ、あるものは沼のものより強い瘴気を噴き上げ持ち主の身を包む。それはベルの扱う品の中でも飛び切りの効果とリスクを併せ持つものだろう。
 そしてベルへの対応からして、相手の装備を破壊すれば自らの『即死』が通じるようになることも恐らくは分かっているはずだ。AIに縛られることなく、そちらを狙うことを柔軟に考える知恵も備えている相手だろう。
「さあ、始めましょう。命の対価は命しかありえない。互いの命を賭して、最高の『死合』を楽しみましょう」
 命を刻む武器を構える女。この|盗賊の頭目《クエストボス》にしてボス級|バグプロトコル《オブリビオン》『犬江・沁兵衛』を倒し、クエストの完全制覇を目指せ!
アラタマ・ミコト(サポート)
|荒魂鎮神命《あらたましずむるのかみのみこと》でございます。
此度は妖討伐の任を受け馳せ参じてございます。
極楽浄土より持ち帰りし法具の力を開放いたします。
活路は切り開きませたでございましょうか?



 ついに現れた一連のクエストの最終ボス、『犬江・沁兵衛』。複数の装備を使い全ての攻撃を即死技とするこの凶悪ボスに、|猟兵《プレイヤー》たちは挑む。
「|荒魂鎮神命《あらたましずむるのかみのみこと》でございます。此度は妖討伐の任を受け馳せ参じてございます」
 アラタマ・ミコト(極楽浄土にて俗世に塗れし即身仏・f42935)は先に盗賊と戦った時とは違う、威厳と仏性を漂わせる声で名乗った。
 |猟兵《GGOプレイヤー》として、この|ボス級オブリビオン《強力なクエストボス》は全身全霊を持って挑まねばならない。その気概を持って、アラタマは敵に向き合った。
「アンデッド……気に入らない字面です。死と縁ないのなら最早存在する価値もなし」
 命を取り合いを至上とする沁兵衛にとって、不死の存在ほどつまらないものはないのだろう。早々に排除せんと、手にした瓶の蓋を開けその中身を頭からかぶった。
 中から出てきた液体は沁兵衛の体を凍りながら垂れていき、やがてその身を完全に氷結に包む。そしてその体は自重にすら耐えかねたかの如く、霜の破片となって粉々に砕け散った。
 突然の自害。だがアラタマは油断なく砕けた敵を見る。その眼前で、霜は再び集まり犬のような形をとる。
 霜の霊犬となった沁兵衛は、その身から氷の刃を撒き散らしながらアラタマへと飛び掛かった。
「ぬん!」
 アラタマが|宇露菩櫓須無礼怒《ウロボロスブレイド》を一閃する。それは霊犬の体を真ん中から薙いで切り裂くが、刃が通り抜けると同時に霜は集まり犬の体はすぐに元通りに戻ってしまった。
「なるほど、攻防一体。代償はその身の崩壊、といったところにございましょうか」
 体を凍り付かせ、粉々に砕いて自在に操る。しかしそれは単純な変身ではなく、極限の凍傷を伴うもの。別の猟兵と戦った時盗賊が用いていたものの氷属性版、といったところだろうか。
 しかし、沁兵衛の実力は盗賊たちとは段違い。氷属性の塊となった沁兵衛を構成する霜は、一つ一つが魂までもを凍てつかせる死の氷となっていた。
「然らばご店主。これをお借りいたしましょう」
 アラタマが取り出したのはやはり瓶。その蓋を開け、アラタマは沁兵衛と同じように中身を自分にかけた。
 しかしそこから起こるのは、地獄から湧き出したかの如き業火。
「氷には炎、というわけですか。見た目は悪くありませんが、安直な発想で」
 これで即死するほどに凍り付かされるのは防げた。だが体が燃えている以上継続ダメージは尋常ではない。そしてこのまま我慢比べをしても勝てる保証はない。
 故にアラタマは、さらなる一手を打った。
「極楽浄土より持ち帰りし法具の力を開放いたします」
 炎越しにアラタマが沁兵衛の氷を見つめる。するとそこから、蓮の花が生えだした。
「何……?」
 その花が生えた部分は、アイテムによる凍傷を忘れるほどに暖かく心地よい。そしてそれが全身に咲くうちに、沁兵衛はそれに心を奪われ|本当に大事な事《命のやり取り》を忘れ始めていた。
「獣は、命を惜しみます故……」
 【極楽の香気】で癒された体は傷を忘れる代わりに天上界の獣と化す。代償による傷が癒え、そこに生身の体が現れた時、アラタマはそこに踏み込んでダイカタナを突き立てた。
「命あればこそ死す……貴女様の仰る通りに」
 燃える体からダイカタナに炎が伝わり、現れた沁兵衛の体内を直接焼き焦がす。沁兵衛の用いた氷属性があれほどに協力だったのだ。同じアイテムであるこの炎属性の威力も推して知るべし。
「……あ、熱。い……!?」
 蓮の花が焼け落ち、沁兵衛に理性が戻る。そしてそれが最初に知覚したのは、敵から与えられた命を焼く激痛。
「活路は切り開きませたでございましょうか?」
 炎の中、アラタマは後に続くであろう他の猟兵に静かに言う。己が焼き開いたこの道に続けと、尊き即身仏は心頭滅却の中涼やかに告げるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

勿論!
そっちも、殺される覚悟はできているね?
それじゃあ、やろうか★

ハイリスクアイテムの効果で胸と尻は先端に全く手が届かない程に豊満化しているよ♪
情報垂れ流しはクローネちゃんが自覚している範囲の情報はもう大体出尽くして、クローネちゃんが忘れているか自覚していないレベルの情報が出始めているね★
有志による情報纏めが作られているところだよ★

アイテム効果で犬江ちゃんが装備しているアイテムを【情報収集】しながら戦うよ♪

UCは『ワタシのソロモンの悪魔変化』
真の姿の一つ、ソロモンの悪魔形態に変身するよ♪
過度に豊満化して動きづらくなった身体を【空中浮遊/空中機動/風を操る】で浮かせて、【電撃】魔法とネクロオーブからの【エネルギー弾】、体当たり等の【重量攻撃】で戦うね★
敵の攻撃は【第六感/見切り/身かわし/空中機動】で避けるよ♪



 クエストボス犬江・沁兵衛は命を懸けることを絶対とし、猟兵にもその覚悟で来たかを問うてきた。
 それに対し、クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)は全く気負いなく答える。
「勿論!」
 まるで遊びに行こうとでも誘われたかのような明るい返事。そしてその調子のまま聞き返す。
「そっちも、殺される覚悟はできているね?」
 殺していいのは殺される覚悟のある者だけ。戦うに際し命を賭すことを強いるなら、自身もまた同じようになる覚悟はあっての事か。
「ええ、当然。賭けた札は負ければ取られる。それに否を言うのならば最初から|賭場《戦場》になど来ません」
 ギャンブルで唯一負けない方法は賭け事をしないこと。それを蹴ったのだから、|掏る《死ぬ》ことは承知していて当然の話。
「それじゃあ、やろうか★」
 丁半出そろったとばかりに、クローネは戦いの構えに入った。
 と、ここまでは格好つけたが、クローネの今の体はアイテムの効果で胸と尻が極度に豊満化している状態。最早手など届くはずもなく、黒い球体が四つ連なっているような状態だ。
 さらにはさっきから全体チャットで彼女の秘密が垂れ流し。性的嗜好に至ってはリピートで流されており一度聞き逃した者にも再周知され、さらに各部位の感度やそこで楽しんだ回数など本人が忘れていたり自覚していないような情報までが赤裸々に開示されていた。あまりの情報量に有志による|情報纏め《まとめwiki》が作られているところですらある。
「人間を闇の道へと誘う、伝説の「悪魔」の力……その一端を見せてあげる」
 しかし、そこにこれの情報はない。性的なものとは一切関係ない戦うための力、【ワタシのソロモンの悪魔変化】を使い、クローネはその身を稲妻纏うソロモンの悪魔へと変えた。
「電撃……なるほど。然らば、これです」
 沁兵衛は自分の腕に爪をたて、先に依頼人に投げた血のナイフを再び出現させる。手を一振りしてそれを投げると、それは鋼さえも切り裂かんほどの刃となってクローネを襲った。
 その血のナイフがクローネの丸々とした巨大な胸に突き刺さる。
「おっと……これは中々すごいね♪」
 巨大な肉球にめり込んだナイフは勢いを殺され、元の赤い液体となって乳房の上をたらりと溶け落ちる。そのぬめる感覚に僅かにぞくりと乳を震わせるが、同時にこれほどの巨大乳でなければ体を貫かれまさに『即死』させられていただろうとそちらの意味でも怖気が走った。
 そして装備している首輪とピアスが光り、クローネの乳尻がまたぶくりと膨れだす。
「やはり、それですか。手裏剣程度ではその体は貫けない模様。ならば……」
 それを見て、沁兵衛は傷ついた腕で柄だけの剣を持った。その剣は鍔の部分が生き物のように大きく広がりはじめ、禍々しい形状となって沁兵衛の腕を覆う。そしてそのまま腕の傷をさらに広げるように食い込み、肉を抉りだすと、柄の部分から赤い刀身が伸び始めた。
「なるほどなるほど……そういうことね♪」
 その性質は見ればわかる、持ち主の血を喰らいそれを刃に変える武器。ゲーム的に言えば甚大なダメージと引き換えに使える高攻撃力の武器と言ったところだろう。
 その剣を構え、沁兵衛が踏み込む。
「おっと♪」
 その神速の斬撃を、クローネは巨体をふわりと浮かせて躱した。今度は投擲ではなく体重も乗せた斬撃。乳肉さえ切り裂いて装備を破壊し『即死』を齎してくるかもしれない。さらに刃が肌の近くを通った時に感じた冷感。彼女の得意とする氷結属性も加えて乗せられているだろう。
 通り過ぎた沁兵衛に、クローネはネクロオーブからのエネルギー弾と電撃を浴びせる。
「甘い!」
 沁兵衛はそれを血の剣を振るって切り裂いた。
 互いに飛び道具は牽制程度にしかならない。沁兵衛は剣を構え、直にクローネを切り裂かんと再び構えた。
 では、クローネは如何にするか。
「はっ!」
 裂帛の気合とともに沁兵衛が踏み込む。そこにクローネは、自らの後ろから風を吹かせ浮いた巨体を砲弾のようにして突っ込ませた。
 剣がクローネの体に突き刺さる。だがそう見えた瞬間、クローネは巨大な乳房を開いて切っ先を躱し、そのまま胸の正面を沁兵衛の顔面にぶち当てた。
「ぐっ……!?」
 思わず仰け反る沁兵衛。だがそれで攻撃は終わらず、クローネは乳同様に巨大な尻を沁兵衛の腕、装備と接続されている部分に向かって振り下ろした。
「ぐあぁっ……!」
 べきべきと音を立て、腕と剣が壊れる。クローネの装備はダメージを乳尻に変換するだけではない。そこを感覚器として、敵や地形の情報を仕入れられるようにもなるものであった。
 それで判明した敵装備の情報、食らうために内部組織に複雑に食い込んでいることを看破し、そこを自身の重量で滅茶苦茶に破壊したのだ。
「死ぬのと死ぬほど痛いのと……どっちがマシかな?」
 破壊された腕を抱える沁兵衛に、クローネは戦闘前と変わらぬ調子で言うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
SPD
良い事を言うじゃない……
私も、命懸けで、貴女と愛し合う為に来たわ

イキまくりで既にフラフラだけど
装備破壊は【第六感・見切り】で回避
が、足払いを受けて転倒し
それだけで即イキ級の快感が走る

ふああぁぁっ♥♥

ダメージを快楽に変換する呪い装備の特性を看破され
下腹部をグリグリ踏み躙られる

りゃめえええっ♥♥♥
イグっ♥ イグの止まんないぃぃ♥♥

「無様ですねぇ……♪」と嘲笑い
呪い装備を解体する彼女。
「あの世にイキなさい」と放たれる最後の一撃

その直前【気合い】爆発『ホエール・スプラッシュ』
媚毒【呪詛】体液に塗れさせ、吹き飛ばす

言ったでしょ……愛し合う為に来たって……♥

UCで霧を発生させても
風の【属性攻撃・範囲攻撃】で吹き飛ばすと共に
前掛けを捲り上げて視界を遮り【ダッシュ】で接近。
彼女の下着を【引き裂き】股間に触れた手から
【誘惑・催眠術・全力魔法】の【魔法光線】を注いで魅了

恋はいつもハリケーン。最も強く尊き呪い。
貴女の嬌声も聞かせて頂戴……♥

媚毒唾液を帯びた舌で
花弁も、その奥も【慰め・生命力吸収・大食い】



 沁兵衛は事を成すには命を懸けるべしという信念を持っており、己もそれを誇り相手にも同じ覚悟を求めていた。
「良い事を言うじゃない……私も、命懸けで、貴女と愛し合う為に来たわ」
 ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は彼女のその信念を肯定するが、沁兵衛はそれにたいして表情は変えない。
「そう。ですがもうそちらの種銭はあまり残っていない模様。抱えて逃げない、という点だけは評価してあげますが」
 ここに来るため、ドゥルールはダメージを快楽にするという装備を使って猛毒の即死フィールドを超えて来た。それ自体は彼女の選んだことだし好ましい事ではあったのだが、そのあまりの快感にここまでですでに体力を使い果たしてしまっていた。
 その目の前で、沁兵衛は何かの花を口に含んで咀嚼する。そして口をすぼめて息を噴き出すと、そこから甘い香りのする霧が大量に吹きだしてきた。
 霧はあっという間に辺りを包み、互いの視認を困難にする。それと同時に、ドゥルールの体に強烈な|ダメージ《快感》が走った。
 この霧は沁兵衛のユーベルコードであり、同時に彼女が口にした花から噴き出す猛毒の霧。即死バグフィールドを満たしていた毒の空気をさらに濃くした、牡丹の香りに満ちた死の霧である。
 その霧に紛れ、沁兵衛はドゥルールへと近づく。そしてその霧の中で音もなく手を振ると、それをそのまま刀のように振り抜いた。
 その手はドゥルールの胸を鋭くえぐる。霧を堪能していたドゥルールは胸元に迫った冷ややかな感覚に一瞬我に返り咄嗟に体を反らすが、それによってバランスを崩した足元が素早く払われ、ドゥルールはそのまま仰向けに倒れ込んだ。
「ふああぁぁっ♥♥」
 受け身を取ることもできず、頭からまともに叩きつけられる。本来は命にかかわるような危険な倒れ方だが、装備の特性でそれも快感に変換されていた。
「……少し、試してみますか」
 沁兵衛は倒れたドゥルールの腹を思い切り踏みつけた後、さらにその少し下をぐりぐりと踏みにじる。
「りゃめえええっ♥♥♥イグっ♥ イグの止まんないぃぃ♥♥」
 それも快感となり悦ぶドゥルールだが、沁兵衛は何かに得心した表情でその姿を見下ろしていた。
「なるほど、部位は関係なく装備していることそのものが条件。しかし、効果の調整ができないという欠点を見落としている……無様ですねぇ……♪」
 ダメージの変換は装備部位だけでなく全身に及ぶが、逆に言えばどこに何を受けても同質の|ダメージ《快感》が蓄積されてしまう。それ故にダメージの種類を分散させてライフで受けるという選択が取れなくなるのが、ドゥルールが用いた装備の隠れた欠点であった。
 それを見抜けなかったと嘲笑いつつ、これがある限り相手を殺すことは出来ぬと沁兵衛は素早くドゥルールの装備を剥ぎ取る。
「あの世にイキなさい」
 無防備になった心臓に、突き刺すような踏み抜きが放たれた。
「それを、待ってたわ……!」
 その瞬間、自身の体液を【ホエール・スプラッシュ】で噴射。即死の力を纏った沁兵衛を纏った霧ごと押し返した。
 快感濡れになって出た体液もこの技を用いるのなら力に変えられる。だが、形成が不利なのは変わらない。
「悪あがき……死ぬのが少し伸びただけですよ」
 装備を失った以上、あとは何をされても即死する。例えオーバーロードしていても、敵の装備とバグの前では無意味。ここから先は一度の被弾も許されないギリギリの戦いとなる。
「言ったでしょ……愛し合う為に来たって……♥」
 それでもドゥルールは恐れる様子はない。風の魔法を全力で放ち、まずは沁兵衛が纏う霧を払う。これは術者に回復、敵に猛毒を齎す霧であり、これが貼られているだけで圧倒的に不利な状況を強いられることになるからだ。
 無論、沁兵衛は再度花を口に含み、霧を吐きだそうとする。ドゥルールは彼女の前垂れを思い切りめくり上げ、顔を遮ることでその噴射を抑え込んだ。
 そしてそのまま沁兵衛の着衣を引き裂き、そこから魅了魔法を流し込む。
「恋はいつもハリケーン。最も強く尊き呪い。貴女の嬌声も聞かせて頂戴……♥」
 そこからその下半身に吸い付いて得意の生命力吸収に持ち込むが、その勢いは普段以上に強い。生命力の吸収も攻撃としてはともかく、防御手段としては一切役に立たないこの状況。この密着状態で僅かでも反撃を許せばそれは即死に繋がる。
 あるいはこの状態こそ究極の裸単騎、装備を駆使する沁兵衛以上の命懸けの状態か。
「うぐ……く、あ……!」
 沁兵衛も装備の効果は攻撃型ばかり。防御力や生命力を高めるようなものは一切用いていない。
 相手が果てるまで攻め切るか、たった一撃を加えるか。綱渡りの上の命のやり取りは、沁兵衛が精を吸い尽くされ膝を折るまで続くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、凄まじい相手ですねぇ。

ベルさんを胸に乗せ保護しまして。
|今の体型《乳の直径が数km級》で回避は不可能、乳の端が『沼』に届けば更なる増量が確定等のリスクは有りますが、『追加の品』を使わせて頂きましょう。
『装備中の耐性装備の効果をパッシブスキル化&代償効果5倍化(+副作用有の)凶薬』を摂取、二つの『装備効果』をスキル化し『破壊されても継続可能/装備していれば重複』の状態にしまして。
【卻渝】を発動、負傷と状態異常を『|反動《胸の増量》』に置換しますねぇ。
『即死効果』は『装備&スキル』で、ダメージと状態異常は『反動置換』で防げば、彼女の強さと増幅された『増量速度』故に増量速度こそ絶大化、直径数十km級迄増量するでしょうが、防ぐこと自体は可能ですぅ。
この状態で一時『FGS』で重力制御し『FAS』で浮遊、巨山を上回るサイズの乳で落下し|圧し潰し《重量攻撃》しましょう。

ただ『副作用』が『パッシブ継続』&『自然成長上限登録』と出たのですが。
何れこのサイズまで『育つ』のです?



 クエストボス犬江・沁兵衛は複数のリスク付きアイテムを用い、その代償を全てその身受けながらもそれらを使いこなしている。
「成程、凄まじい相手ですねぇ」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は相手の実力と覚悟をそう見て取った。
「あなたに言われても皮肉にしか聞こえませんね」
 それに対し、沁兵衛は嘲笑うように言う。だがそれも無理はない。今のるこるの体は装備したアイテムの影響により、比喩表現ではなく山のような乳房となっているのだ。
 その山の上にるこるはベルを乗せる。
「それでは、お願いしますねぇ」
 るこるが言うと、ベルは大きな注射器のようなものを取り出した。そしてそれを足元の地面……るこるの巨大な乳肉に躊躇なく突き立てる。
「あぁぁぁぁぁん」
 その感覚に思わず声を上げるるこる。注射器後部に体重をかけ中身を乳内に押し込んでいくと、山の様な乳房が脈動を始めた。
 この薬は『装備中の耐性装備の効果をパッシブスキル化&代償効果5倍化(+副作用有の)凶薬』。
 その効果がどれほどのものか、沁兵衛は確かめてみようとする。
「それでは、一つ試してみますか」
 沁兵衛は手に血の投刃を出し、目の前に聳える乳の山に投げつけた。それは乳肉に突き刺さるが、そこにめり込むだけで血は流れず、代わりと言わんばかりにさらに目の前の乳肉が膨れ上がった。
「まあ、分かっていました。ではこちらに」
 その刃を足場に、沁兵衛は乳の山を駆け上る。そしてその情報、乳の先端に食い込んでいる赤い装飾品を鋭く蹴り飛ばし、打ち砕いた。
「あぁん」
 その衝撃にるこるがまた声を上げる。だがそれに構わず、沁兵衛は今まで装飾品がついていた部位を足場に跳躍。もう片方の先端部まで飛び移り、緑の装飾品も同じ様に破壊してしまった。
「結局、あなたも御し切れていなかったということですね」
 そのまま着地し言う沁兵衛。ここまでの攻撃にるこるは一切抵抗はしなかった。その理由は大きくなり過ぎた乳房で回避行動など出来るはずもないからというのは明白であり、それを結局リスクに飲まれてしまったのだと沁兵衛は結論付けた。
「さて、そのような体で生き続けるのも困難でしょう。それでは、さようなら」
 沁兵衛は手に血の長剣を出現させ、それをるこるの乳房に突き立てた。それは突き刺さったまま周囲に赤い氷を広げていき、乳房事態を凍らせ砕こうとする。
 だがその氷が乳房を覆いベルの足元に届く前に、山が震えその氷が砕け散った。
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『変相の加護』をお与え下さいませ」
 るこるの使った【豊乳女神の加護・卻渝】。これによりダメージと氷結を乳房肥大の反動に変えたのだ。
 だが、今この場に起きているバグと沁兵衛の使う複数のアイテムはユーベルコードやオーバーロードさえ貫き、相手を即死させるはず。
『こいつを買ってく奴はたまにいるが、どいつも二度と顔を見なくなったぜ』
 るこるの上でベルが呟く。ベルの注入した薬は装備の効果をリスク諸共スキル化するもの。装備を外したり破壊されても継続され欄がその分空き、続けて装備していれば効果重複となるが、一方例え戦闘が終わり必要なくなっても外せなくなるのと同じ。負う必要のない平時や雑魚戦でも強制的にリスクが発動し、最終的にはそれに押し潰されてしまうことになるのだろう。
 そう、例えば今まさにるこるに始まった変化のように。
「な……!?」
 るこるの乳が突然凄まじい勢いで膨れだした。これは巨大になりすぎた乳が|とっくに通り過ぎた場所《別フィールドエリア》であるはずの毒沼まで届き、そこの毒を無制限に吸い上げる状態になってしまったのだ。
 この予期せぬ、あるいは普通は予期する必要もないリスク発動こそこの凶薬の恐るべき効果。
 毒沼の無限の即死と沁兵衛の圧倒的な強さ。それはどちらもるこるの乳肉に変換され、既にるこる自身が|フィールドと化す大きさ《直径数十km級》となっていた。
「ならば……魂を潰す!」
 沁兵衛は腕全体を異形の籠手で覆った。それは手の部分が異形の口を模しており、何かを喰らうように牙をむいている。
 一口に即死と言ってもその原理はいくつかある。沁兵衛はダメージ型のものではなく、相手の魂を喰らう……システム的に言えば全てを無視して相手の状態を『死亡』に書き換えてしまうタイプの装備を持ちだしたのだ。
 命を懸けることに躊躇ない彼女がここまで温存した、そのリスクはどれほどか。しかしどれほどであれ、それが発動する前にすべきことがある。
「……何が……!?」
 沁兵衛の目の前で何かが動いた。それは余りに巨大すぎて分からなかったがるこるの乳肉。例え即死に対抗する力にならなかろうとも、己が本来持つ装備はオーバーロードさせられる。
 超克した重力制御装置が山となったるこるさえも浮き上がらせる力を放ち、そして飛行装置がその体を押した。
「食い尽くせ、魂ごと!」
 上に差し掛かった山に、沁兵衛は籠手を突き出す。退避ではなく最後まで戦闘を選ぶ彼女の体の上で、るこるは重力制御を解いた。
 瞬間、大地が揺れる。それは即死の毒沼を振動で掻きまわして崩壊させ、その向こう側にいるクエスト不参加の一般PCたちまで転倒させた。
 そして同時に、るこるを始めとするクエスト参加者たちにシステムメッセージが伝わる。そこには『QUEST CLEAR』の文字が大きく踊っていた。


 ボスが倒れたことで、ベルが沁兵衛が出てきたアジトの中へ入っていく。しばらくして大量のアイテムを抱え、頭上に再度吹き出しを付けて彼女が出て来た。
 ベルはその場でマントを開き、大量の装備を中に収納していく。中にはマントどころかベル自身の体より大きなものもあるが、これもNPC特有の|特殊能力《ご都合主義》というやつだろう。
「『ありがとうよ、助かったぜ。危うく自分をグラムいくらで売り出すハメになるところだった』……なんかそれ期待して見てるPCがいて怖かったし……ほんと助かった……」
 商人NPCのクエスト終了メッセージとして、また|ゲームNPCの宿命《危ない薄い本》から逃れたことにも礼を言うベル。
『まあもし今回でクセになったなら、またうちに来な。飛び切りの品を用意して待ってるぜ。それじゃあ……』
 イベント期間は終わりこれからは通常営業。また彼女は不定期に所定のポイントに現れ、危険な品を売るレアNPCに戻るのだろう。
『|Comeback anytime《ヤバいことが起きたらまた助けてね》……』
 ベルはにやつきながらマントを閉じ、クエストコンプリートを告げるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年03月16日


挿絵イラスト