セラフィ・L/IVI/セラフィ・X
●新型決戦兵器
亜麻色の髪の女性『エイル』博士は、とある湾岸の決戦都市の責任者だ。
彼女の功績はいくつかあるが、その最たるものが決戦都市のシェルター機構である。
彼女は天才と呼ばわれるほどの頭脳を持っていたし、その頭脳を人類のために役立てられることを期待されていた。
当然だ。
この地球は、宇宙からの侵略者デウスエクスの襲来に日々晒されている。
彼女の齎したシェルター機構は多くの決戦都市に置いて、なくてはならないものであったし、人々を守るために活用されていた。
だが、そんな彼女は戦いに『勝利』するための決戦配備開発に関しては、天才と呼ばれてなお敗戦続きであった。
彼女が作り上げた自律人型戦術兵器『セラフィム』は、体高5m級の人型の決戦兵器である。
無人機であるがゆえに人的被害は抑えられている。
何故、無人機にこだわるのか。それは、人が乗ることで撃破された際にデウスエクスに生存エネルギーであるグラビティ・チェインを奪われるからである。
いや、それ以上に彼女は人が死ぬことを憂いていた。
ケルベロスであれ、猟兵であれ、それは変わらない。
彼女は勝利ではなく、敗北を得続けていたが、その根底に流れているのは生命が脅かされぬという一つの信念故である。
「人は私のことを天才と呼ぶがね。自惚れることはできないんだよ。私は本当の『天才』を知っているからね。それに、デウスエクスに私は勝利できない。いつだって敗北し続けている。ケルベロスや猟兵の諸君がいなければ……」
己はきっとこの決戦都市を守りきれなかっただろうと彼女は嘯くが、紛れもない事実であった。
敗北し続けた。
だからこそ、彼女『だけ』が辿り着けた境地がある。
戦うために守るのではない。
守るために戦うのだと、数多の敗北を得た彼女だからこそ、『此処』に至ったのだ。
『同調率、80%から95%を推移。機体各所センサー異常なし。合体機構、シークエンス・オールグリーン』
サポートAI『第九号』の声が響く。
多くのデータが揃っていた。
これまで多くのデウスエクスが湾岸の決戦都市に襲来した。
その度に、この都市の決戦配備、自律人型戦術兵器『セラフィム』は破壊され続けてきたし、多くのケルベロス、猟兵を手助けしてきた。
そのデータの蓄積を持ってアップデートされた新たな『セラフィム』たちがいる。
しかし、今まさに『エイル』博士の眼の前にあるのは、新たなる二騎の『セラフィム』であった。
「『セラフィ・|L《エル》』、『セラフィ・|X《クス》』、起動!」
『二騎、同時起動』
「……!」
眼の前で二騎の『セラフィム』が起動したことを示すようにアイセンサーが灯る。
その二騎の機体色は、これまでとは異なる完全なる青色だった――。
●ケルベロスディバイド
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)だった。
「お集まり頂きありがとうございます。とある湾岸の決戦都市にて開発された『新型決戦兵器』がデウスエクスに狙われていることが予知されました」
ナイアルテの言葉に猟兵達は頷く。
新型決戦兵器。
それは新たなる決戦都市が対デウスエクスに開発された心強い兵器であることは言うまでもないいだろう。
人類の不断の努力と研究。
この湾岸の決戦都市の『新型決戦兵器』は、二騎の新たなる『セラフィム』である。
その名も『セラフィ・L』と『セラフィ・X』である。
この二騎はどうやら合体機能を有している機体であるらしい。
「その性能を黄道神ゾディアックも脅威と認めたのでしょう。これまで決戦配備である『セラフィム』は単体ではデウスエクスに敵うべくもない兵器でしたが、此処に来てデウスエクスが動き出した、ということは……』
そう、無人機でありながらデウスエクスを撃退する性能を有しているということである。
この襲撃こそが証明でもあった。
「ですが、この湾岸の決戦都市を襲うデウスエクスたちは狡猾です。都市直上から直下へと急降下し、防衛魔術を持ってケルベロスや皆さんの到来を阻んでいるのです」
デウスエクスは、この新型決戦兵器と猟兵達を分断する作戦に出たのだ。
まずはこの道を阻む防衛魔術を如何にかしなければならないだろう。
「無論、この防衛魔術の先には湾岸の決戦都市の責任者であり、新型決戦兵器の開発者でもある『エイル』博士が窮地に陥っています。彼女を守るのは決戦配備の『セラフィム』のみ。ですが……『新型決戦兵器』は、起動実験から再度の起動に手間取っている様子」
となれば、時間が惜しい。
ナイアルテは猟兵達に頭を下げ、湾岸の決戦都市へと転移を促す。
「これを救うことができるのは、皆さんだけです。新型決戦兵器の開発成功は、必ずやデウスエクスたちを退ける人類防衛の要となりえるでしょう。どうか」
それを守ってほしいとナイアルテは猟兵たちを送り出すのだった――。
海鶴
マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
今回の事件は『ケルベロスディバイド』。
とある湾岸の決戦都市にて開発された『新型決戦兵器』、青い二騎の『セラフィム』こと『セラフィ・L』と『セラフィ・X』の破壊を目論むゾディアックの襲撃から、これを守るシナリオになります。
※『決戦配備』とは。
(https://tw6.jp/html/world/441_world25.htm)
に記されたものです。プレイングの冒頭に各々の単語を書き込むことで上記のプレイングボーナスを得ることができます。
このシナリオに登場する湾岸の決戦都市の決戦配備は『セラフィム』と呼ばれる自律人型戦術兵器です。様々なポジション効果を提供してくれますが、そこまで強くありません。
●第一章
冒険です。
この章では敵の防衛魔術によって決戦配備である『セラフィム』が使用できません。
一刻も早く、この防衛魔術を突破しなければ『『新型決戦兵器』を守ることはでいないでしょう。
●第二章
集団戦です。
防衛魔術を突破した皆さんの前に迫るのは、無数の『バレルヘッドドラゴン』たちです。
この章から『決戦配備』を利用することができます。
敵が囲む研究所には『エイル』博士がいます。彼女は先生から逃げ出すことはありません。
また、新型決戦兵器は完全に完成はしていませんが、皆さんを援護してくれます。
どうやら、二騎の『セラフィム』は皆さんの攻撃方法、ユーベルコード、『決戦配備』に応じて姿を変えるようです。
勝利の鍵は『熾天合体』です。
●第三章
ボス戦です。
強力なデウスエクスとの対決です。
前章にて『エイル』博士が生存していれば、引き続き新型決戦兵器『セラフィ・L』と『セラフィ・X』による援護を受けて戦うことができます。
それではデウスエクスに抗する新型決戦兵器、二騎の青い『セラフィ・L』と『セラフィ・X』と共に叫べ、『熾天合体! ゴー! セラフィエルクス!!』です。
そんな皆さんの物語の一片となれますように、たくさんがんばります!
第1章 冒険
『防御魔術を破れ』
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POW : 魔術を維持する魔法陣や魔導設備を破壊する
SPD : 僅かな隙を見つけ出し、突破口を作る
WIZ : 敵の魔術に魔力で干渉を仕掛ける
イラスト:純志
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「外部から遮断された……!? まさか、デウスエクス……この二騎の存在を感知したとでもいうのかい!?」
亜麻色の髪の女性『エイル』博士はアラートの鳴り響く新型決戦兵器の研究所にて呻く。
今まさに起動実験を終えて、新型決戦兵器である青い二騎の『セラフィム』の電源を落としたところなのだ。再起動には時間も電力も要する。
だが、防衛魔術によって外部から遮断された研究所の予備電力では再起動は敵わない。
そして。
『防衛魔術内に無数のデウスエクスを検知』
サポートAI『第九号』の言葉に『エイル』博士は歯噛みする。
「決戦配備の『セラフィム』を回すんだ! ケルベロス達も気がついているはずだ。彼らが来るまでなんとしてでも、あの二騎を守るんだ!」
しかし、長くは保たないだろう。
なにせ、自律人型戦術兵器『セラフィム』は決戦配備であれど、デウスエクスに敵う性能を持ち得ていない。
できるのは状況を先延ばしにすることだけで、好転させることではないのだ。
故に『エイル』博士は歯噛みする。
もしも、新型決戦兵器である二騎の青い『セラフィム』が起動していたのならば、デウスエクスの撃退も可能であったはずだ。
それを理解しているからこそ、デウスエクスはこのタイミングで襲撃してきたのだ。
「何が天才だ……こんな襲撃も予測できないで! いつだって私は敗北してきた。けれど! 敗北したからと言って、殺されてしまうからといって、私は、人間は負けるようにできてはいないんだ。敗北続きであっても、最後に勝利するのならば、それだってただの過程だ。なら!」
彼女の黒い瞳は星を写す。
いつだってそうだ。
諦観は彼女を止めるに値しない。
ならばこそ、彼女の瞳に写る星は、瞬くように転移してきた猟兵達の姿と重なるのだった――。
村崎・ゆかり
どこから人類側の情報がデウスエクスに漏れたのやら。
まあ、仕方ない。敵を殲滅しましょう。
結界魔術の類ね、これ。多分どこかに要があるはずだけど、デウスエクスの術式を悠長に分析してる暇はないね。
「全力魔法」虚の「属性攻撃」「範囲攻撃」「破魔」「禁呪」で六魂幡。
肉体も魂魄も喰らい尽くすこの宝貝で、術式も食い破ってみせる。
必要な霊力は、メガリス『六合無窮』から供給して、六魂幡の維持をサポートするわ。
六魂幡が結界を削ってる間に、彼らの術式を少しでも読み解いておくわ。
何をよすがにこんな魔術を張れたのか、すごく気になるわ。
じっくり解析したいけど、今は術式の解析よりも人命救助が先決。急ぎましょう。
結界の中へ!
新型決戦兵器。
それはデウスエクスに抗する人類にとっての切り札でもある。
これまで湾岸の決戦都市の決戦配備たる自律人型戦術兵器『セラフィム』はデウスエクスに及ぶものではなかった。
「だからこそ、これまで放置されていた、と考えるのが妥当よね。『エイル』博士には悪いけれど」
村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)は、しかし転移したケルベロスディバイド世界に降り立って現状を把握する。
亜麻色の髪の女性『エイル』博士が作り上げた二騎の青い『セラフィム』はデウスエクスにとっても捨て置くことのできない性能を獲得しているのだろう。
ならばこそ、ゆかりはこれを守らなければならない。
加えて言うのならば、その新型決戦兵器を作り上げた技師でもある『エイル』博士の生命が奪われることがあってはならない。
「どこから人類側の情報がデウスエクスに漏れたのやら。もしかして、この間の潜伏型のデウスエクス……? まあ、考えても仕方ない。敵を殲滅しましょう」
ゆかりは決戦都市と研究所を隔てている防衛魔術を見上げる。
隙のない魔術による障壁。
強固であることは言うまでもない。
「魔術ということは、術式で構成されているということ。でも、デウスエクス独自の術式ね、これは……」
これを解除するのは骨が折れると彼女は判断し、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
そう、解析して解除している暇が無いのならば、どうするのか。
答えは単純明快である。
「我は命ず。喰らえ、喰らえ、六魂幡(リッコンハン)。あらゆるものを巻き込み、欠片一つ残さずこの世から消滅させよ。我は命ず――」
煌めくユーベルコードの輝きと共にゆかりの口から紡がれるのは呪言。
その呪言を持って制御される宝貝は、メガリスである『六合無窮』から得られる霊力でもって支えられ、眼の前の防衛魔術そのものを巻き込み消し去っていく。
「それでもまだ膨大な力を発揮しているのね……削っても削っても後から湧き出してくる……ということは」
ゆかりはそこまで言って気がつく。
この術式を維持するためのエネルギーをデウスエクス事態が供給しているわけがない。
それはあまりにもロスが多すぎるやり方だ。
なら、この防衛魔術を構築している膨大なエネルギーはどこから引き込んでいるのか。
「そうか! この術式事態が、決戦都市の電力を吸い上げているのね! だからこんな膨大な……だけど!」
今は構っていられない。
何を縁にしてこのような防衛魔術を構築したのかと思ったら、敵陣地のインフラ事態を攻撃しつつ敵を妨害する策を用いてくるなど、敵は相当に用意周到であるようだった。
「急ぎましょう! じっくり解析して位相反転してやりたいところだけど! 人命救助が最優先! ぶち破って結界の中に踏み込んでやるわ!」
ゆかりは、そう己を鼓舞するように宝貝を稼働させ、その力を持って防衛魔術を食い破らんとするのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風
『エイル』博士には、いつもお世話になっていますからねー。戦闘だけでなく、お土産とかでも…。
ですから、急ぎましょう。
これだけの防御魔術、まさか都市の電力を使うとは…。
なれば、一時的にでも結界を破って突入するが吉と見ました。
なので、UCを載せた漆黒風を投擲し、穿っていきますよ。陰海月も、合わせてくれてますねー?
※
陰海月「ぷ!」
地形破壊を載せた怪力パンチで、少しでも結界が破れれば!
できたセラフィムぬいぐるみ、渡せてないもん!
湾岸の決戦都市に襲来したデウスエクスの狙いは新型決戦兵器だ。
デウスエクスをして脅威であると認める所であるがゆえに狙われたのは皮肉である。
猟兵たちが転移した先に待ち構えていたのは、防衛魔術。
本来ならばデウスエクスの拠点を守るためのものであろう。だが、今は決戦都市と新型決戦兵器の研究所を隔絶する壁でしかない。
これを突破しなければ、研究所内部の亜麻色の髪の女性『エイル』博士を救出するどころではない。
「彼女……『エイル』博士には、いつもお世話になっていますからねー」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱『疾き者』は、湾岸の決戦都市に降り立ち、眼の前の防衛魔術を見上げる。
「なるほど。これが防衛魔術ですかー」
見ただけでわかる。
強固な障壁だ。
術式で組まれたものであることが理解できる。
だが、真に脅威であるのはデウスエクスは敵の陣地内部にあって、敵の電力を奪い、この防衛魔術を行使しているという点であった。
「まさか都市の電力を奪って使うとは……。悠長に解析を待っていては、間に合わないですね、これは」
そう、この防衛魔術の内部では、今まさにデウスエクスの研究所への襲撃が行われているのだ。
残された決戦配備である自律人型戦術兵器『セラフィム』だけでは対処できないだろう。
アップデートが施されてなお、未だに『セラフィム』はデウスエクスを打倒できない。
それ故に急がねばならない。
「なれば、一時的にでも結界を破って突入するが吉と見ました」
握り込んだ棒手裏剣の切っ先がユーベルコードに輝く。
「『陰海月』、合わせてくれますねー?」
「ぷ!」
その言葉にふわふわと浮かぶ『陰海月』が頷く。
触腕を握り拳にするように力を込めて、振りかぶる。
同時に叩きつけられる棒手裏剣の切っ先と、触腕の一撃。
ユーベルコードと怪力。
その一点突破の一撃が防衛魔術を揺らがせる。
「ぷ!」
「そうですね。なるほど、固い。決戦都市の電力を奪って構築しているだけのことはありますねー」
簡単に破れるものではない。
だが、揺らいでいる。
自分達が攻撃を続ければ、防衛魔術を構成している電力を乱れさせることができる。
一点突破であるというのならば、己たちが防衛魔術を攻撃していることは無意味ではないはずだ。
「ぷきゅ!」
『陰海月』が鳴く。
そう、自分が作った『セラフィム』ぬいぐるみを『エイル』博士に渡せていない。
この戦いを終えて、きっと彼女に手渡すのだという『陰海月』の意気込みに『疾き者』は応えるように己もまたユーベルコードを込めた一撃を叩きつけて、防衛魔術を揺るがすのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ミスト・ペルメオス
・POW
魔術か。その類は専門外だがやるしかない。
行くぞ、ブラックバード。
愛機たる機械鎧(人型機動兵器)を駆って参戦。
装備等を介して念動力を活用、機体をフルコントロールしつつ。
研究所を封鎖する防御魔術のもとへと飛来、十分に接近する。
魔術など専門外。しかしこの手のものは何にせよ、負荷限界を超えれば機能を損なうと相場が決まっているだろう。
正面からブチ破る。
念動力、解放。意識を集中し……念動波を防御結界へと投射。
命中、“標的”を感知、|異次元空間《シュラウド》へと|交信《アクセス》。
招来──【シュラウド・ストリーム】ッ!
異次元空間からのサイキック・エナジーの奔流を防御結界に叩きつけ、ブチ抜いてやるッ!
猟兵達を阻んでいるのは、デウスエクスの防衛魔術であった。
彼らは守っているのではない。
湾岸の決戦都市に存在する新型決戦兵器の研究所を隔絶し、これを破壊するための攻勢にでているのだ。
それには猟兵やケルベロスという障害は排除しなければならない。
故に彼らは防衛魔術を転用して研究所を孤立させたのだ。
「魔術の類か」
ミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)は、己たちの進路を阻む障壁を眼の前にして呟く。
専門外だ。
己は鎧装騎兵である。
このような魔術に対して造詣が深いわけではない。
だが、それでもやらねばならない。
ためらっている間にも時間は過ぎ去っていく。時間の経過と共に研究所に残された人々の生命が脅かされるというのならば、己が立ち止まっている理由はない。。
「行くぞ、『ブラックバード』」
己の愛機とも言うべき機械鎧をまとったミストは、己の念動力を拡充させていく。
鋼鉄の四肢の隅々までにいきわたる念動力と共にミストは飛び出す。
防御魔術は障壁だ。
敵を阻むものであり、攻撃をふせぐものだ。
「魔術など専門外。しかし、この手のものは何にせよ、負荷限界を超えれば機能を損なうと相場が決まっている。なら!」
オーバーフローを引き起こせば良い。
一体何が起点となっているのかはわからない。
わからないのならば、わからないなりにやるべきことを為すだけなのだ。
「正面からブチ破る」
ユーベルコードに輝くミストの瞳。
煌めくようにミストの機械鎧が一気に防衛魔術に激突する。
その眼前には投射された不可視のサイキック・エナジーがエネルギーの奔流とおなって吹き荒れる。
「命中、“標的”を感知、異次元空間へと交信。招来──シュラウド・ストリームッ!」
更に放たれるは、異次元からのサイキック・エナジーの奔流であった。
一点突破。
であるというのならば、ミストは己が手繰り寄せたサイキック・エナジーを集約させるようにして防衛魔術へと叩き込み続ける。
その衝撃は障壁を揺らし、機械鎧纏うミストの体躯すら揺らす。
凄まじいまでの連撃。
防衛魔術が揺らめくようにして、その力を軋ませている。
行ける。
どんな仕組みであれ、負荷をかけ続ければ揺らぐ。
それを証明したミストは、異次元から引き出し続けるエネルギーと共に防衛魔術への突撃を敢行し続ける。
「今はぶち抜けずとも! いずれ限界を迎える。そういうものでしょう!」
ミストは、その瞳をユーベルコードに更に輝かせて防衛魔術を軋ませるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステルク】
ステラさんの雄叫びも久しぶりに聞くとなんだか懐かしく染みる感じが……。
って、えええええ!?
ステラさん、なんか雄叫びが雑になってませんか?
なんかもう『掴みの自己紹介』みたいになってますよ!?
そんなことされたら、こちらも、
「はい、あいかわらずやべーメイドと清楚な勇者なんですけど」
とか挨拶しないといけない感じになるじゃないですか!
あっ、あっ、話聞いて、引っ張らないで!行きます、行きますからー!
と、『エイル』博士、お久しぶりです。騒がしくてすみません。
敗北続きなんて気にしなくておっけーですよ。
ステラさんなんて何連敗してると思ってるんですか。
それでもストー追っかけやめないんですから!
え?
わたし、演奏していいんで……って、ブチ抜くってなんですか!
心ですよね!?心の壁をブチ抜くってことでいいんですよね!?
デウスエクスも思わず聞き惚れるってことですよね!ね!ね!
自己暗示もかかったので、このまま全力で演奏いきますよー!
響け【悪魔のトリル】!
『エイル』博士の心を癒しつつ、、敵なんて吹き飛ばせー!
ステラ・タタリクス
【ステルク】
|エイル様《主人様》の!!
香りがしまぁぁぁぁぁっすっ!!
はい、メイド参上です
エイル博士の危機ならば、たとえ火の中水の中!
ルクス様も連行しますよ!
誰がやべーメイドですか!
その時々が敗北とて、生命の営みは詩編のごとく
ええ、歩みこそがエイル博士の功績ですので!
その歩みを止める事こそが真の敗北ですよ!
ともあれ今日はルクス様がいてくれてよかったです
私だけではフォローしきれない箇所も
ルクス様の|光の奏魔法《広域におよぶ音波攻撃》があれば!
今日は演奏よろしくお願いしますルクス様!
エイル博士と第九号様の安全が第一ですので!
可及的速やかに持てる力でブチ抜きましょう
『ケルーベイム』!いきますよ!
【カナフ】で防衛魔術内に突撃します!
ええ、目についた奴からぶっ飛ばします!
目に見えない輩はルクス様がやってくれるでしょう
頼りにしていますよ?
ところで今ふと思ったのですが
この世界にもアイン様やアハト様はいるのでしょうかね?
『天才』……かの異名はエイル様の得る二つ名ではなかったはずですし
まぁ今度聞いてみますか
久方ぶりであるが、つかみ芸というのならば、それは頷けるところであったし、なんだか懐かしく心に染み渡るものであるなぁ、とルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は思った。
つかみ芸。
それは古今東西、芸事に生きるものにとっては欠かせぬものである。
あえて言うのならば、名刺代わりである。
己が何者であるのかを広く知らしめるものである。
そういう意味であったのならば、確かにステラ・タタリクス(紫苑・f33899)の――。
「|『エイル』様《主人様》の!! 香りがしまぁぁぁぁぁっすっ!!」
雄叫びは……。
「あれ!?」
「はい、メイド参上です。『エイル』博士の危機ならば、たとえ火の中水の中! ルクス様も連行してゴー! 誰がやべーメイドですか!」
「って、えええええ!? ステラさん、なんか雄叫びが雑になってませんか? なんかもう掴みの自己紹介だと思っていたんですけど、それ流されるくらいになったんですか?」
ルクスはまくし立てた。
もっとこう、ステラというメイドはヤバイのである。
ヤバさイコールメイドみたいな図式が出来上がっているはずなのに、今日のステラはなんか薄味であった。
もっと言えば、声量が足りてない気がする。
気迫と言っても良い。
雑であった。
「そ、そんなことされたら、こちらも『はい、あいかわらずやべーメイドと清楚な勇者なんですけど』とか挨拶しないといけない感じになるじゃないですか!」
清楚? と首をかしげさせる所までワンセットなのであろう。
それを言ったら勇者のプライドが傷つくかもしれないので言わないが。
「ともあれ今日はルクス様がいてくれてよかったです」
「あっ、あっ、話聞いてください!」
「私ではフォローしきれない箇所も、ルクス様の|光の奏魔法《広域に及ぶ音波攻撃》があれば!」
「あの、あの! 引っ張らないでください! 行きます、行きますからー!」
ステラはルクスの襟を引っ掴んで湾岸の決戦都市、その研究所へとひた走る。
その速度は脅威であった。
というか、ちょっとい怖い。
「防衛魔術とはしゃらくさい。可及的速やかにブチ抜きましょう。『ケルーベイム』!」
その言葉と共に出現するのは、鋼鉄の巨人『ケルーベイム』であった。
噴出する風の翼を背に受けてステラは『ケルーベイム』のコクピットに飛び込む。
そのマニュピレーターにルクスを乗せる。
「ルクス様、今日は演奏よろしくお願いします!」
「えっ! わたし演奏していいんで……」
「『エイル』博士と『第九号』様の安全が第一ですので! ルクス様の演奏で防衛魔術の障壁を位相反転させてぶち抜きます!」
「い、いそう、え、なに? なんです? それより、ブチ抜くってなんですか! 心ですよね!? 心の壁をブチ抜くってことでいいんですよね!?」
ステラの言葉にルクスは首を傾げる。
演奏して良いとは言われても、その意図がわからない。
敵の姿はまだない。
だが、防衛魔術の先、研究所にはすでにデウスエクスが蔓延っているだろう。
なら、自分の出番は、その後ではないかとルクスは思うのだ。
「それにデウスエクスも思わず聞き惚れるっていう意味ですよね!? ね!? ね!!」
「いいえ、物理でブチ抜くやつです」
「うわーん! 違います! 心です! 心を震わせるのが、わたしの演奏なんですー!」
「わかりました。では、それで」
「おざなりすぎませんか!」
「頼りにしているという証明ですよ」
ステラは微笑む。
その微笑みにルクスは何度騙されてきたことだろうか。
だが、やらねばならない。
すでに『ケルーベイム』は加速に入っている。そのマニュピレーターの上に自分が抱えられているのならば、やるべきことは一つ。
「いっつもそれですね! ええい、でも自己暗示はかかってますから! このまま全力で行きますよー!」
ルクスの瞳がユーベルコードに輝く。
構えるは、バイオリン。
奏でるは、悪魔のトリル(アクマノトリル)。
「敵の防衛魔術なんてわたしの光の奏魔法で吹き飛ばしますよー!」
ルクスの奏でる音波が『ケルーベイム』を覆っていく。
言うなれば、音の砲弾である。
加速した『ケルーベイム』もまた超加速形態に入っている。
風の翼が背中を押すように機体を走らせる。纏う風と音。
音速を超えた瞬間、轟雷のように音が響き渡り、防衛魔術と激突する。
力の奔流がほとばしり、障壁が軋む。
「例え、『天才』でなくとも、歩み続けることこそが『エイル』博士の功績です。その歩みを止めることは、真の敗北。ならば!」
そう、敗北が続くのだと押しても、生命の営みは詩篇のごとく紡がれていく。
人の歴史がそれを証明している。
だからこそ、ステラはルクスの奏でる音波と共にデウスエクスの防衛魔術を貫かんと『ケルーベイム』の出力を上げて、その先へと進むことを望むのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
月隠・新月
新型決戦兵器ですか。ユーベルコードを使わずしてデウスエクスに脅威と認められるとは、人間の作るものには驚かされますね。
防衛魔術……敵陣でこれほどの魔術を行使するとは……。しかし、デウスエクスが決戦都市内で都市のエネルギーを使って魔術を使っているのならば、多少の無理は生じているはず。どこかに綻びがあってもおかしくはありません。
【ブランクオベリスク】を召喚して周囲に展開し、防衛魔術のどこかに隙が無いか探しましょう(【情報収集】【急所を見抜く】)
隙を見つけることができれば、そこを部分的に破壊するなり、あるいはそこから防衛魔術全体を破綻させるなりして、防衛魔術を突破する糸口となりえるでしょう。
湾岸の決戦都市の責任者である亜麻色の髪の女性『エイル』博士が兼ねてより開発を続けていた新型決戦兵器。
その性能はデウスエクスをして捨て置くことのできないものであった。
それ故に今回の襲撃が起こったのならば、と月隠・新月(獣の盟約・f41111)は思う。
ユーベルコードを使わずしてデウスエクスが脅威と認識する兵器。
「人間の作るものには、驚かされますね」
彼女は人の営みを思う。
変わらないように見えて、絶えず変化していく営み。
見せる色合いは千差万別。
形もまた二つとして同じものはない。
それが人の歩みだというのならば、これを守らなければならないと彼女は思うのだ。
故に決戦都市の街路を疾駆する。
研究所を襲撃したデウスエクスたちは、決戦都市と隔絶するために防衛魔術を構築して猟兵やケルベロスを足止めせんとしている。
「敵陣でこれほどの魔術を行使するとは……」
侮っていたわけではない。
デウスエクスは強靭な防衛魔術の障壁を維持するために敵地である決戦都市の電力を吸い上げて、障壁の構築に使用しているのだ。
とは言え、だ。
「敵陣のエネルギーを使って魔術を使っているのならば、多少の無理は生じているはず。そして、他の猟兵たちの一点突破によって揺らいでいる……ならば、綻びが生まれていてもおかしくはありません」
その瞳がユーベルコードに輝く。
「現れ、写し、砕く。此方は白紙のオベリスク。征け」
現れる『ブランクオベリスク』。
宙を駆け抜け、研究所を覆っている障壁を観察する。
猟兵たちのユーベルコードの一点突破によって、障壁自体は揺らいでいる。
これまでの攻勢であっても貫くことができぬのは、それだけ吸い上げた電力が膨大なものであるからだろう。
だが、敵地の電力を吸い上げている、というのならば必ず起点があるはずだ。
「揺らめいている」
新月は目ざとく、ユーベルコードが一点に集約している箇所から最も遠い場所が僅かに薄くなっていることを認める。
「薄くなっていたとしても、防衛魔術……この一撃で打ち破れるものではないでしょうが」
しかし、と新月は『ブランクオベリスク』を他の猟兵たちがユーベルコードを一点に集約させている正反対の一点へとぶつける。
破れない。
だが、その一撃は魔術障壁そのものを揺らがせるものであった。
ユーベルコードによる一点突破は確かに防衛魔術を貫くには必要なことだった。
防衛魔術は攻撃を受けた点に最優先でエネルギーを回す。
そこに対極から衝撃を与えればどうなるかなど言うまでもない。
防衛魔術を構築している電力は膨大な決戦都市そのもの。だが、出力する場所は限られている。
「ならば、これで突破の糸口となるでしょう。後は」
新月は召喚した『ブランクオベリスク』を猟兵たちの対極から叩きつけ、その障壁の揺らぎをさらに大きなものへと変えていくのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
イクシア・レイブラント
ナイアルテさんからの情報によれば敵は直上から降下した。
たしかに、猟兵もケルベロスも地上戦力の方が多いものね。
それなら侵入経路は手薄だったりしないかしら?
サイキックスラスターを稼働させて[推力移動、滑空、空中機動]。
結界の直上を目指しつつ、ポリスタキアと[情報収集、情報分析]。
もし脆弱な部分がみつかればユーベルコードを使用し、結界の魔術式に負担をかけてみる。
さて、うまくいくといいのだけど。
防衛魔術の障壁が揺らめいている。
それは他の猟兵達によるものであるとイクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)は認めた。
グリモア猟兵の情報によれば、敵は直上……即ち、宇宙から決戦都市に降下し、研究所を孤立させた。
電力が遮断されているのは防衛魔術の構築にエネルギーを奪うという方策を取っているからであろう。
「確かに、猟兵もケルベロスも地上戦力の方が多いものね。それなら、侵入経路は手薄だったりしないかしら」
イクシアはサイキックスラスターの噴射と共に防衛魔術の障壁を舐めるようにして飛翔して、その境界線を探る。
ドーム状の障壁。
その切れ目はない。
あえて言うのならば、猟兵たちのユーベルコードが一点突破のために集中している点がもっとも障壁が分厚いとも言える。
それは恐らく、この防衛魔術が衝撃に対して重点的にエネルギーを回して阻む仕組みになっているからだろう。
それを見抜いた猟兵が対極から攻撃を仕掛けて、その障壁を揺らめかせているのだ。
「なら、この防衛魔術を構築しているエネルギーは……敵地のエネルギーが尽きるまで続くということ。それが尽きるまで攻撃し続ける、なんていうのは無為無策よね。なら」
イクシアの瞳がユーベルコードに輝く。
圧縮された電脳空間と解凍コードが戦場に降り注ぐ。
「デジタルひよこフィールド展開(デジタルヒヨコフィールドテンカイ)!」
電脳ひよこたちが防衛魔術の障壁の上へと降り立ち、障壁を羽でペシペシ叩き始める。
それがあちこちで起こるのだ。
そうなれば、広い範囲で防衛魔術の障壁が揺らめいていく。
強烈な一点突破に対抗するためにエネルギーが集約されている。
さらに、その対極で突破しようとする動きあれば、そちらにもエネルギーを回さなければならない。
確かに電脳ひよこの一撃は大したものではないだろう。
決戦都市から引き出され続けている電力は膨大なものであるが、それを出力する箇所は鍵いられている。
なら、一度に障壁と変化する量は限られているということだ。
そこに無数の電脳ひよこが攻撃を仕掛ければどうなるか。
「薄くなるだろうし、術式の構成上、これを無視できない。そうなれば、必ずオーバーフローが起こる、はず」
なら、とイクシアは直上から電脳ひよこたちを引き連れ、デウスエクスが画策した研究所と決戦都市の隔絶という策を打ち砕くために、その瞳をユーベルコードに輝かせるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
レラ・フロート
『新型決戦兵器』…なんと心躍る言葉でしょう!
黄道神さまが情報を掴みすぐに襲撃したとしても
必ず守り抜いてみせるよっ!
『エイル』博士は敗北し続けたといいますが、
勝利の途中なのです!って言いたいよね
気合十分に防御魔術を突破しようっ
分析する時間はなさそうだから、
仲間同様に破壊専心するね!
最大までエネルギー充填、斬撃波を叩き込んで
防御魔術を揺らがせていくよ
仲間の猟兵に合わせ攻撃を重ね、ダメージを蓄積していく
そう、1人なら猟兵とてデウスエクスには敗北続きのはず
みんながいるから勝てる、前に進めるんです!
いざ、想いに呼応し放出される光刃を集め放つ
これが私の《雷穿》だよ、貫けぇーっ!
叩き込み防御魔術を破壊するね
「『新型決戦兵器』……なんと心躍る言葉でしょう!」
ダモクレスであった己が変じたのは、心を得たからだ。
姉妹の中で最も力のなかった自分。
けれど、知ってしまったのだ。
限りあるから輝く生命の尊さを。だから、それを姉妹にわかってもらうまで、己はとまらない。
それはきっと多くの敗北を糧にしなければならないことであったし、勝利を求めなければならない道であったことだろう。
「必ず守り抜いて見せるよっ!」
そう、人間は敗北し続けたとしても、それは勝利の過程でしかないのだ。
きっと『エイル』博士と呼ばれるものも、それがわかっているからこそ、ここまで積み上げてこれたのだとレラ・フロート(守護者見習い・f40937)は思う。
眼の前にはデウスエクスの防衛魔術。
これを突破しなければ、隔絶された研究所へと向かうことはできない。
「分析している暇はないから……破壊専心!」
彼女の手にした剣、自慢の剣を構えた瞬間、彼女の瞳がユーベルコードに煌めく。
己の想いを刃に乗せる。
集約させる。
他の猟兵たちのユーベルコードが障壁に激突している。
そのお陰で大分防衛魔術が揺らめいている。
ここから一気に押し込むためには、己もまた強烈な一撃を放たなければならないとレラは認識して、自慢の剣を振りかぶる。
「そう、一人なら猟兵とてデウスエクスには敗北続きのはず。けれど、これまで勝利してこれたのは……みんながいるから。だから勝てる。だから前に進めるんです!」
想いが膨れ上がっていく。
レラの思いは刃に光を宿す。
「いざ! これが私の雷穿(ライセン)ッ! 貫けぇーっ!」
放たれる一撃。
それは光刃を長大なものへと変えて打ち込まれる一閃であった。
防衛魔術の障壁と激突してエネルギーの奔流が周囲に撒き散らされる。。固い、とレラは思っただろう。
だが、それは想定内だった。
例え、己の一撃が障壁を破ることができなかったのだとしても、それでも他の仲間達がいる。
自分一人でできないことでも、仲間たちがいれば成し得る事ができると彼女は知っている。
だから、光刃を放つ己の剣を握りしめる掌に力がこもる。
明滅する視界。
切り開く。
道はいつだって、そうやって拓かれてきたのだ。
「いけぇーっ!!」
レラは叫びながら剣を振り抜く。
揺らぐ障壁は、あと僅か。息を切らしながらレラは見上げる。
「負けないっ」
そう、負けない。
例え、人は殺されてしまうかもしれなくとも、負けるようにはできていない。それを己はよく知っている。
だから、今もレラの瞳にはユーベルコードの輝きが灯されているのだ――。
大成功
🔵🔵🔵
雨河・知香
ソニア(f40904)と。
インフラだけじゃなく直に狙ってくるとはねえ。
良くも悪くもそれだけ脅威と認識されてるってことか。
エイル博士には世話になってるし必ず守り抜くよ!
オルテュクスに乗って空からの突入を試みる。
UC起動、高速移動形態で一気に加速し結界が比較的脆そうな位置を見切って突っ込むよ!
この結界はデウスエクスのもの、なら敵の防護でもあるわけでそれは無視できるはず。
地形だとしても激突のダメージはないからまあ何とかなる筈だよ。
突破の衝撃で体勢が崩れるかもしれないが立て直しは操縦技術でどうにかするとして…反撃はソニア、頼んだよ!
立て直したらさっさとエイル博士、助けに行こうか!
※アドリブ絡み等お任せ
ソニア・コーンフィールド
知香ちゃん(f40900)と!
え、割と大ピンチじゃない?
決戦配備自体がヤバいから狙ってくるってこっちの技術力を正確に認識してるわけで…
とにかくまずは今の危機を食い止めないとね!
移動は知香ちゃんのオルテュクスに同乗して一気に突っ込むね!
結界を見て発生源とかの位置を可能なら確認、もし外から潰せそうならUCで召喚したガジェットの弾丸ぶっ放して結界弱めてみたりできないか試してしてみるね。
まあ本命は突破後、内側に敵がいるなら突破した瞬間とか狙ってくるとかありそうだし、突入直後の迎撃にガジェットでカウンター合わせて反撃、立て直す時間稼ぐね!
あの技術は希望なんだから!絶対に守り抜こー!
※アドリブ絡み等お任せ
「インフラだけじゃなく直に狙ってくるとはねえ」
雨河・知香(白熊ウィッチドクター・f40900)は、己のセイルフローターたる『おるテュクス』から見下ろす湾岸の決戦都市、その新型決戦兵器の研究所を覆う防衛魔術を見やり、息を吐き出す。
敵の防衛魔術は敵地である決戦都市の電力を奪うことで、その強固な障壁を維持していた。
巧妙なことである。
敵地のインフラを攻撃しつつ、決定的な一撃を叩き込むことを目的としているのだ。
無論、決定的な一撃とは新型決戦兵器の破壊である。
「え、割りと大ピンチじゃない?」
ソニア・コーンフィールド(西へ東へ・f40904)は同乗したセイルフローターの中で知香へと言葉を投げかける。
言うまでもなくインフラとはデウスエクスとの戦いにおいては生命線である。
これを攻撃せんとしたデウスエクスたちもいたが、今回は一挙両得総取りと言わんばかりに研究所を隔絶し、電力をも同時に奪う方策を打ち出してきているのだ。
ハッキリ言って厄介である。
「新型決戦兵器って、そんなにデウスエクスにとっては捨て置けないものなの? むしろ、こっちの技術力を正確に認識しているって……」
「以前、人間に紛れるダモクレスがいただろう。情報が漏れるとしたら、そういう連中がまだいたっていうことだよ」
ソニアの言葉に知香は頷く。
「でも、今は危機を食い止めないと! そのためには!」
「ああ、あの障壁を破って研究所に急がなくちゃあならない……他のみんなのユーベルコードによってオーバーフローを狙っているみたいだけれど」
「電力を奪い続けているから、一点突破でも狙わないと!」
「なら、全速力でかっ飛ばす! 振り落とされないよう注意しな!」
「えっ、それって……!?」
知香の笑む瞳がユーベルコードに輝いているのをソニアは見ただろう。
こういうときの彼女が何をしでかすのかなんて、ソニアにはご存知であったことだろう。
「星海を翔ける鶉(オルテュクス・フルスロットル)!」
加速するセイルフローター『オルテュクス』。
その加速でもって障壁に激突する。
猟兵たちのユーベルコードと重なって、障壁自体が揺らめいている。
後もう少し。
総認識したソニアは、己のユーベルコードによって召喚したガジェットの弾丸を手にとってセイルフローターから身を乗り出す。
「とっておき、見せてあげるね!」
これまで猟兵たちのユーベルコードが防衛魔術に激突する様を見てきた。
敵地である決戦都市から電力を吸い上げることで、敵地にダメージを与えつつ、敵を隔絶させて孤立させること方策なのだろう。
それは確かにうまく嵌まっていた。
現に研究所に配置されていた自律人型戦術兵器『セラフィム』だけではデウスエクスの侵攻を阻むことはできない。
「ソニア、頼んだよ!」
「おまかせ! あの技術は希望なんだから! 絶対に守り抜くよ!」
放たれる弾丸。
そおれは電力を変換した魔術の障壁を位相反転して打ち消していく。
それでも、位相反転して生まれた穴を塞ぐように障壁が構築されていくのだ。
「でも、穿つことができた! なら!」
自分だけではない。
多くの猟兵たちが紡いできた道がある。
だからこそ、ソニアは己の役目を果たしたと理解しただろう。
後に続く猟兵がいる。
その猟兵が必ず、己が穿った穴をさらに押し広げて道を切り拓いてくれる。
そう信じてソニアは知香の操縦するセイルフローターと共に針の穴のように穿たれた障壁へと突っ込むのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
水鏡・多摘
防衛魔術…これは厄介。
地球側のリソースを転用してくるとはデウスエクスも中々やる。
だがその目的は果たさせる訳にはいかぬ。
速やかにエイル博士とやらと合流し、護らねば。
防衛魔術の結界内にエイル博士、つまり味方がいるなら|UCによる転移《テレポート》で一瞬で移動はできぬだろうか。
結界にそれを阻害する力があったとしても突破後の時間短縮にはなるじゃろう。
結界の突破には電撃を纏わせた祟り縄を伸ばしつつ呪詛で汚染、構築された魔術をかき乱し防護能力を劣化させてくれよう。
兎に角全体を破壊する必要はない。
通る事さえできれば後は目的の地を目指すだけ、道中のデウスエクスは蹴散らさねばならぬがな。
※アドリブ絡み等お任せ
デウスエクスが新型決戦兵器の研究所を、彼らの敵地である決戦都市にありながら隔絶せしめた手腕は見事と言う他なかった。
防衛魔術は本来、味方の陣地を守るための障壁である。
それを敵陣の中にあって、主要なる陣地を孤立させれう壁へと変えたのだ。
しかも、敵地のインフラである電力を利用することで強固なものにしている。
「地球側のリソースを転用してくるとは、デウスエクスも中々やる」
水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)は、そう呟く。
敵の目的は言うに及ばず、新型決戦兵器の破壊だ。加えて、その技師でもある亜麻色の髪の女性『エイル』博士の喪失である。
護らねばならない。
それも速やかに、だ。
敵はこの防衛魔術の内側にて迫っている。
ならば、時間は多く残されていない。
「ふむ。防衛魔術とは言え、一種の結界。であるのならば、内側にいる味方……『エイル』博士がいるのならば、飛ぶぞ」
多摘の瞳がユーベルコードに輝く。
瞬間、彼の体が飛ぶ。
本当に僅かな一瞬であった。
弾かれることがなかったのは、彼のユーベルコード、龍神転移結界(ドラゴンポート)が防衛魔術の効果に適応されなかったからだ。
あっさりいと防衛魔術の内側に転移した多摘は、ふむと頷く。
「全体を破壊する必要はなっ買ったか。であれば」
振り返る。
その先には他の猟兵たちのユーベルコードの激突の光が見える。
自分だけが結界の内側にあっても、この困難を乗り越えることはできないだろう。
であれば、と己の電撃をまとわせた祟り縄を穿たれた小さな穴へと伸ばし、円を描く。
「円とは完結しながらも、縁となる」
雷撃に満たされた呪詛が防衛魔術の障壁を汚染し、構築した魔術をかき乱していく。
劣化された障壁に猟兵たちのユーベルコードが激突すれば、彼らの眼の前には防衛魔術が砕ける様が見て取れる。
突入することができると彼らに判断させるには充分だった。
「通ることさえできれば、後は目的の地を目指すだけ。道中のデウスエクスは蹴散らさねばならぬがな」
多摘は砕かれた防衛魔術の残骸を認め、デウスエクスたちがひしめく研究所を見やる。
既に破壊された自律人型戦術兵器『セラフィム』の残骸が周囲には満ちている。
彼が思う以上に状況は芳しくない。
急がねばならない。
然し、その前に立ちふさがるのは、やはりデウスエクス。
「邪魔立ては止してもらおうか」
その眼力は凄まじいものだったことだろう。
例え、体躯が似通っていたとしても、その瞳に宿る輝きは、比するところではない。
そう証明するように多摘は身を翻して、迫りくるデウスエクスとの交戦に突入するのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『バレルヘッドドラゴン』
|
POW : バレルヘッドキャノン
【バレルヘッド】の【弾丸一斉発射】で、レベルmの直線上に「通常の3倍÷攻撃対象数」ダメージを与える。
SPD : ロングレンジ榴弾ブレス
【バレルヘッドから放つ砲撃】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【炸裂榴弾】で攻撃する。
WIZ : 銃声咆哮
【激しい銃声咆哮】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
イラスト:傘魚
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猟兵達はついに防衛魔術を打ち破る。
砕けた障壁。
その向こう側には、デウスエクスによって破壊された無数の決戦配備である自律人型戦術兵器『セラフィム』の残骸があった。
研究所は無事なのか。
「無事さ! だが、流石にマズイ状況だ」
通信が回復したのか、『エイル』博士の声が届く。
彼女はまだ無事のようだった。
「決戦配備の数は、限られている! だが、新型決戦兵器は無事だ。コールサインは『熾天合体」だ。いいかい、『熾天合体』だからね!」
『新型決戦兵器、『セラフィ・L』、『セラフィ・X』、コンディション、オールグリーン。特性をご説明いたします。新型決戦兵器は、皆様の『ポジション』と『ユーベルコード』に応じて、分離、合体、変形を行い状況に最適な形状へと変化します。そして、その力を増幅させることを主眼に開発された兵器です』
サポートAI『第九号』の通信に猟兵達は頷く。
時間は多くない。
だが、新型決戦兵器が無事でも技師である『エイル』博士がデウスエクスの手にかかれば、どのみち新型決戦兵器の開発は止まってしまう。
生命は救わなければならない。
研究所のハッチから立ち並ぶは、青い二騎の自律人型戦術兵器。
アイセンサーがきらめき、その力の発露を待つように面を上げる。
それを取り囲むようにして無数のデウスエクス『バレルヘッドドラゴン』たちが一斉に攻撃を研究所へと叩きつけんと迫るのだった――。
村崎・ゆかり
よかった、まだ無事ね。
『ジャマー』で『熾天合体』。その実力、見せてもらうわよ。
あたしは、「結界術」「全力魔法」酸の「属性攻撃」「範囲攻撃」「呪詛」で紅水陣。
デウスエクスを溶かし尽くす。
敵の攻撃が無差別攻撃なら、お互い潰し合ってくれればいいわ。
「式神使い」で『鎧装豪腕』を顕現。敵の砲撃、受け止めてね。
自分でも「オーラ防御」は張っておく。砲弾までは紅水陣じゃ対応出来ない。
合体した新型決戦兵器はなんと呼べばいいのかしら? 『セラフィ・XL』?
ま、どうでもいいか。
あなたには、紅い酸の性質強化をお願いするわ。早めに片付けましょう、こいつら。
手遅れになる前に、早く『エイル』博士のところへ行かなきゃね。
防衛魔術の破壊によって通信が回復したのを知らしめるように村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)の耳へと『エイル』博士の声が届く。
「よかった、まだ無事ね」
「そうだね。まだ、と言えるのはありがたいことだが、逼迫した事態はまだ解決には程遠いよ!」
「それだけ元気があれば充分よ。行けるんでしょう?」
ゆかりは通信の向こう側にいる『エイル』博士』に問いかける。
そう、戦いはここからだ。
己達、猟兵が防衛魔術を突破したことはでエウスエクスも知るところであっただろう。
故にデウスエクス『バレルヘッドドラゴン』たちは一斉に、その頭部の銃口をゆかりへと向ける。
むしろ、好都合だった。
敵の狙いは研究所、そして新型決戦兵器である。
その技師である『エイル』博士こそが、こちらの生命線であり、護らなければならない存在だった。
だが、その存在から敵対する猟兵を排除しようと動いたのは、僥倖そのものだった。
「敵と見れば排除せずにはいられないのね……なら、決戦配備要請『ジャマー』! そして……」
「『熾天合体』!」
「そう、『熾天合体』。その実力、見せてもらうわよ」
その言葉と共に並び立つ二騎の青い新型決戦兵器が飛び立つ。
「え、なに!?」
「言っただろう、君のユーベルコードに呼応しているんだ。今、君がユーベルコードを使用するつもりだったはずだ。その光を受けて二騎の『セラフィ・L』と『セラフィ・X』は変形合体を繰り返すんだよ!」
「どういうこと?」
「やればわかるさ!」
その言葉をかき消すように『バレルヘッドドラゴン』の咆哮が轟く。
銃声のような咆哮。
それは衝撃波となってゆかりを襲う。
鎧装剛腕が盾となって彼女を庇う。ビリビリとした衝撃を受けながら、ゆかりの瞳がユーベルコードに輝く。
「なら、やってみせるわよ! 古の絶陣の一を、我ここに呼び覚まさん。魂魄までも溶かし尽くす赤き世界よ、我が呼びかけに応え、世界を真紅に塗り替えよ。疾っ!」
展開される紅水陣(コウスイジン)。
その陣を囲うように二騎が分離する。
いや、細かいパーツに別れたと言っても良い。
「何あれ!?」
「あれこそが新型決戦兵器『セラフィエルクス』! 君のユーベルコードは広範囲こそが肝だろう! だからこそ、『セラフィエルクス』は君のユーベルコードを増幅させる形になったのさ!」
戦場の空を覆う円。
それは『セラフィエルクス』が分離し合体した姿。
まるで巨大なサークレット。
その内側を通して落ちる強酸性の雨は、通常のそれよりも強化された力を発揮する。
あらゆるものを腐食させる赤い靄は『バレルヘッドドラゴン』だけを取り囲み、その体を腐食させていく。
いや、一瞬で溶かし尽くしたのだ。
「強化されるってこういうこと?」
「そうさ! いいぞ、問題なく稼働してる!」
「そうね。でもまだ気が抜けない。手遅れになる前に駆けつけるから、待っていて!」
そう言ってゆかりは、赤い靄を生み出し続ける紅水陣を強化した青いサークレットと化した『セラフィエルクス』を見上げ、研究所へと駆けつけるために走るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
UCを使用。
陰海月「ぷっきゅっ!!」
…陰海月語を翻訳します…
カッコいい!!
ええと、コールサイン…カチッとな!
(流れる「ジャマー」「熾天合体」の合成機械音声)
むむ、無差別攻撃するんだね?なら、同士打ちにもなるんだね!
ぼくは、四天霊障(極彩色)での結界張ってるから平気だもん!
そして、どんどん光珠(極彩色)を投げちゃえ!
増幅されて、眩しくて眩しくて仕方ないくらいになるんじゃないかな?
あ、でも。データはちゃんと取れるようにしてるからね!?
何でぼくかって?カッコいいんだもん!!
(おじーちゃんたち、孫的存在に甘い)
二騎の青い自律人型戦術兵器。
それこそが新型決戦兵器である。
『セラフィ・L』と『セラフィ・X』。
この二騎がケルベロスや猟兵の決戦配備に対応し、ユーベルコードの強化増幅を行う。その在り方は千差万別。
合体できるということは分離することができるということ。
分離したパーツは形を変えて合体する。
そうすることでユーベルコードをより効果的に、より強力にすることが可能となっているのだ。
デウスエクス『バレルヘッドドラゴン』は咆哮する。
その銃身の如き頭部から放たれる咆哮は、それ自体がユーベルコードの衝撃波となって、研究所に急ぐ猟兵たちを阻むようであった。
「――ッ!!」
その咆哮を前に、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)と合体した『陰海月』は目を輝かせるようだった。
カッコいい!
『ジャマー』
『熾天合体』
それは合成機械音声だった。
「受け取り給え!」
『エイル』博士の言葉が聞こえる。
同時に二騎の青い新型決戦兵器が空中で合体する。
その姿は人型ではなくて、球状だった。いったいどのような、と思っただろう。
だが『陰海月』はすぐに気がつく。
あの球状の意味を。
「ぷきゅ!」
迫る『バレルヘッドドラゴン』の咆哮の如き砲撃は苛烈だった。
身を守る霊障がある。これならば、平気だ。
揺れる体。苛烈な砲撃は、それだけで身に痛みを走らせるだろう。
けれど、負けてはいられない。
何故なら、これまでも『エイル』博士は敗北を喫しながらも、一度たりとて諦めることはなかったのだ。
敗北が人を殺すのではない。
敗北を敗北のままにするから、勝利を得ることができないのだ。彼女はそれを理解しているからこそ、今ままで敗北を糧として進んできたのだ。
故に!
「きゅきゅ!」
揺らめくは、1680万色に輝く四悪霊の呪詛。
身より発せられる光を二騎が合体し、球状へと変形した『セラフィエルクス』が受け止める。
まるでミラーボールのように1680万色の光珠を反射させる。
いや、増幅させている、というのが正しいのだろう。
「きゅっ!」
正しく1680万色通りの弾幕。
それが空に浮かぶ『セラフィエルクス』に反射して、地上に在りし『バレルヘッドドラゴン』を打ち据え続けているのだ。
「これはゲーミミングカラーが強い……!」
「きゅっ!」
あまりの眩しさ『バレルヘッドドラゴン』は光珠の乱舞を躱すこともできないだろう。
視界が塗りつぶされるほどの弾幕を『陰海月』と『セラフィエルクス』は生み出しているのだ。
それも頭上から注ぐ光の弾幕。
如何に『バレルヘッドドラゴン』が強靭な体躯を持つのだとしても、雨の一滴にも濡れぬままに走り抜けることができないように、彼らもまた『陰海月』の放つ光の弾幕から逃れることはできないのだ――。
大成功
🔵🔵🔵
月隠・新月
この新型決戦兵器は相当に柔軟な対応ができるのですね。ユーベルコードの強化率も非常に興味深い……ですが、まずは目の前の敵を倒さなければなりませんね。
決戦配備・クラッシャー『熾天合体』
敵は数が多い、であれば範囲攻撃で迎え撃ちましょうか。新型決戦兵器の開発者を守るためにも、なるべく早く数を減らしたいですね。
【魔獣領域】で魔力の奔流を発生させ、敵全体を攻撃しましょう。同時に味方の強化もできますので、皆さん多少戦いやすくなるかと。
敵の攻撃は銃声咆哮、こちらの【遠吠え】である程度は相殺できるでしょうか。声がかき消される懸念もありますが、そこは頑張りましょう。ケルベロスですからね(【魔力防御】【気合い】)
興味深い、と月隠・新月(獣の盟約・f41111)は、この湾岸の決戦都市にて生み出された新型決戦兵器の特性に感嘆するようだった。
これまで、この決戦都市の決戦配備は、いずれもが自律人型戦術兵器『セラフィム』を主軸としたものだった。
無人機であるために人的被害を抑えることに特化した決戦配備であったが、その戦闘力はデウスエクスに遠く及ばない。
多くの経験と研究を経てアップデートされてなお、単体ではデウスエクスに敵うべくもないことは、この戦場となった研究所付近にて防衛にあたっていた『セラフィム』の残骸を見れば理解できるところであった。
「ですが、相当に柔軟な対応ができるのですね」
「そのとおり! 君達猟兵、ケルベルロスのユーベルコードを増幅し、ポジションの最適解を導き出すために合体と分離、変形機構でもって対応できるのさ!」
『エイル』博士の言葉に新月は頷く。
こちらを補助するだけではなく、戦場にあって戦う者たちの力を増幅することに特化した新型兵器は、確かにデウスエクスにとっては脅威そのものであったことだろう。
興味はつきない。
だが、まずはやらねばならないことがある。
咆哮と共に迫るは『バレルヘッドドラゴン』の群れ。
これを片付けなければ、研究所を守ることもできない。
肝要なのは、眼の前の敵を打ち倒すこと。
「ポジション、クラッシャー要請。そして……『熾天合体』」
その言葉と共に空を舞うは、二騎の青い新型決戦兵器。
『セラフィ・L』と『セラフィ・X』。
その二騎が空中で合体し『セラフィエルクス』へと変貌する。
「守るためにも、まずは数を減らします!」
新月の瞳がユーベルコードに輝くのに呼応し、『セラフィエルクス』が分離し、無数のパーツへと変貌する。
「これは……一体何を」
新月は戸惑ったかも知れない。
合体し、分離した『セラフィエルクス』。
そのパーツが人型とは思えないシルエットを描くようにして、新月の体躯を包みこんでいくのだ。
「君のユーベルコードに反応したんだ。そのまま放てばいい!」
「わかりました。ですが、敵のユーベルコードも咆哮……であるのなら!」
新月の腹の底、そして喉を通して放たれる遠吠え。
そう、それは、魔獣領域(オルトロス・テリトリー)。
己の領域を示す咆哮である。
この領域にあって、何人も存在を許さぬというように新月は咆哮する。
彼女の体躯を包み込む『セラフィエルクス』は、まさに巨大な鋼鉄の狼の如き姿であった。
その口腔から放たれるのは、新月の咆哮。
増幅され、その威容を示すように時半たれた魔力の奔流は通常のそれとは異なる圧倒的な物量となって『バレルヘッドドラゴン』たちを一撃のもとに吹き飛ばし、大地に叩きつけるのだ。
「こちらの咆哮をかき消される懸念がありましたが……」
「杞憂だっただろう?」
「ええ、正しく。二騎と俺……ふ、三位一体……」
ケルベロスの名に相応しい力だと新月は思い、さらに迫りくるデウスエクスとの戦いに身を投じるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステルク】
あおい。あお……あおーん(シリアスへの抵抗
おやつ抜きとか、どこのママですかー!
おやつくださいよぅ、お菓子くださいよぅ!
演奏しないで、と言われましても、
あの数の相手には演奏がいちばんよくないです?
わーい♪ありがとうございます!
それでは……(こほん
かもん!セラフィ、『熾天合体』!ポジション・キャスター!
わたしの演奏をフルパワーで増幅してくださーい♪
って、『え、ルクス?』。ステラさん呼びました?
なんですか?特等席での視聴を希望ですか!
あれ?
呼んでおいていっちゃうとかツンデレも過ぎないですかー!?
むー。
しかたないです。まずは敵をやっつけてから、
あらためてステラさんのために演奏しましょう!
ステラ・タタリクス
【ステルク】
青いセラフィム!
まるで生まれ直したかのような存在感ですね
いえ、エイル博士のこれまでによって生まれ変わったのでしょう
ならば私は祝いましょう
と、シリアスをするとすぐにアレルギー起こすルクス様は大丈夫でしょうか?
今日はおやつはありませんよ?
それでは!
ルクス様は支援……演奏はやめてほしいんですけどぉ
仕方ありませんね
遠慮なく演奏すると良いですよ
新しいセラフィムに応援してもらうと良いですよ
私のポジションはクラッシャーを
その力、拝見しましょう
熾天合体! ゴー、セラフィエルクス!
火力支援、お願いしますよ!
賛美を謳う祈る者、それこそが『ケルーベイム』!
エイル博士の為に
【クーストース】突撃、参ります!
二騎の青い新型決戦兵器。
『セラフィ・L』と『セラフィ・X』。
猟兵たちの決戦配備とユーベルコードに対して、補助、増幅を行うために合体、分離、変形を備えた自律人型戦術兵器である。
かつての決戦配備である自律人型戦術兵器『セラフィム』が、その性能を単独でデウスエクスを上回ることを目指したのに対して、この新型決戦兵器たる二騎はケルベロスや猟兵を戦いの主軸として置くコンセプトを持っていた。
同じ合体機構を持つ、他世界の赤い二人羽織のキャバリア『熾盛・改』とは、機構を同じくしていながら、対極へと進化を果たしていた。
「青いセラフィム! まるで生まれ直したかのような存在感ですね」
ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は思う。
これまで幾度となく敗北を喫してきた『エイル』博士だからこそ、辿り着けた境地であった。
たった一人で、第九世代の戦術兵器の領域にまで到達してしまったのだ。
縮退炉もなく。
それを可能にした彼女の技術力と研究、探究心が、今まさに実を結んだと言えるだろう。
「ならば、私は祝いましょう」
ステラは『ケルーベイム』のコクピットにて一つ頷く。
そのマニュピレーターの上でルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は、一人シリアスアレルギーへの対抗措置として、なんとかダジャレを放り出せないかと悪戦苦闘していた。
「あおい。あお……あおーん?」
よくわからない。
そんなルクスを見て、ステラは小さく呟く。
「ルクス様、シリアスアレルギーをダジャレで緩和しようとしているようですが、今日ははおやつはありませんよ?」
練乳もない。
「おやつ抜きとか、どこのママですかー! おやつくださいよぅ、お菓子くださいよぅ!」
「いえ、ないので無理です」
「そんなぁ!」
「それと、演奏はやめて欲しいんですけど」
ルクスは、え! と顔を青ざめさせる。
おやつもない、シリアスアレルギーは襲ってくる。
この状況で、演奏まで取り上げられるとは思ってもいなかったt。
「でも、あの数相手には演奏が一番よくないです?」
ほら、と指差す先にあるのは無数の『バレルヘッドドラゴン』たち。
研究所を襲撃していた『バレルヘッドドラゴン』たちの数は圧倒的だ。この状況で範囲攻撃の出来るルクスの演奏を禁じるのは得策ではないように思えたのだ。
まあ、わからないでもない。
「……仕方ありませんね。ならば、遠慮なく演奏するとよいですよ。新しい『セラフィム』ならば! ポジション、クラッシャー! そして、その力拝見いたしましょう。熾天合体! ゴー、セラフィエルクス!」
ステラの言葉に呼応するように二騎の新型決戦兵器が変形し、合体する。
二騎で一騎。
そして、その合体した『セラフィエルクス』が上半身と下半身に分かたれ、それぞれが変形する。
上半身は『ケルーベイム』の背にマウントされ、大型推進力へと変貌する。
「これは……!」
瞬間、『ケルーベイム』のアイセンサーがユーベルコードに輝き、風の翼より得られる推力が変換され、極大な光の翼へと変貌する。
瞬間移動にも等しい……いや、もはや瞬間移動である。
圧倒的な速度で『ケルーベイム』が駆け抜けた後には、『バレルヘッドドラゴン』が次々と破壊される爆発しか残らないのだ。
そう、『セラフィエルクス』が分離変形したパーツとドッキングすることで『ケルーベイム』の速度が加速し、相対手系に近接攻撃の威力も底上げされていたのだ。
「わ、すごいじゃあないですか! でもなんか『え、ルクス?』って呼びましたよね? ステラさん! なんですか? 特等席での視聴を希望ですか!」
「それは常に否応なしに視聴を強いられていますが」
「もー、ツンデレさんなんですからー?」
「ルクス様、それよりも」
「はい! かもん! セラフィ、熾天合体! ポジション、キャスター!」
ルクスの声に呼応するように『セラフィエルクス』の下半身が変形する。
それはルクスのバイオリンにコードを伸ばす。
「これって……アンプってことですか? そうですよね! なら! わたしの演奏はフルパワーです!」
炸裂するは、Canon(カノン)。
不協和音が増幅される恐怖。
逃れ得ぬ音は、『バレルヘッドドラゴン』を吹き飛ばし、その身を砕く。
それほどまでに『セラフィエルクス』によって破壊音波が増幅されてしまっているのだ。恐ろしい。
「火力支援を頼みましたが、これほどとは……しかし、賛美を謳う祈る者、それこそが『ケルーベイム』なのです。『エイル』博士の為に! 参りますよ!」
「むー、もっと褒めてくれてもいいですのに! しかたないですね、まずは敵をやっつけてから! あらためてステラさんのために演奏しますからね!」
それは結構です、とステラは本気で遠慮しつつ、きっと聞き届けられないのだろうなぁという予感と共にデウスエクスを蹴散らしていくのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
皇・絶華
神機の主発動中
おお、何とか次戦には駆け付けられたようだ
「何か生意気そうなドラゴンがいやがるぞ主様!」
「エイル博士が美少年であったならなぁ…」
お…おおお…!なんと…流石エイル博士だ!
「「主様?」」
ぜっちゃんチョコシティ…そしてチョコセラフィムを完成させようとは!
UC発動!
「「主様ぁぁぁぁ!?」」
決戦配備
メディック
【医術・バーサーク・薬品調合】
エイル博士!前に私が託したドリンクを飲むのだ!それが生還への道だ!
という訳でエイル博士とさっちゃんころちゃんと自分にチョコドリンク投与
…ドラゴンって栄養価が高いのではないだろうか
さぁ…お前達もチョコの材料にしてやろう!!
余りに惨い仕打ちがドラゴン達を襲う!!
「おお、なんとか決戦には駆けつけられたようだ」
皇・絶華(影月・f40792)は、己の乗騎たちと共に戦場に降り立つ。。
湾岸の決戦都市。
その新型決戦兵器の研究所を包囲していたデウスエクス『バレルヘッドドラゴン』たちを見下ろす。
すでに猟兵たちによる攻撃によって、隔絶されていた研究所を覆っていた防衛魔術は破壊されている。
であれば、後はこれらを排除するだけなのだ。
「何か生意気そうなドラゴンがいやがるぞ主様!」
「『エイル』博士が美少年であったならなぁ……」
口々に言う彼女たちを前に絶華は、然し別のことに着目していた。
二騎の新型決戦兵器。
どうやら、あの青い二騎は猟兵たちの決戦配備要請とユーベルコードに呼応して合体と分離、そして変形して即応するようだった。
であるのならば、と絶華は思ったのだ。
「お……おおおお……! なんと……流石『エイル』博士だ!」
乗騎たる彼女たちは主を見て思う。
何が、と思ったし、唐突すぎるともおもった。これはまあ、いつものことだ。発作みたいなものだしなーとも思っていたが、その発作の犠牲になるのはいつだって己たちだっていうことを忘れていたのだ。
「ぜっちゃんチョコシティ……そしてチョコセラフィムを完成させようとは!」
「いや、絶対そういうんじゃないと思うぜ主様!」
「そ、そうだぞ! 絶対違うぞ! 勘違いだぞ!」
「ふ、ならば、心が籠るバレンタインチョコドリンク(キョウキトアクムノジゴクドリンク)で熱烈歓迎しなければな!」
絶華は聞いちゃいなかった。
もとより聞くつもりもないし、聞いたところで、そうか、そうだな。チョコだ!! となっただろう。
何処から何処までが本気なのではない。
徹頭徹尾本気なのだ。
だからこそ、たちが悪いと乗騎たちは思った。
「主様ぁぁぁぁ!?」
やめろ、大惨事になると、彼女たちはお慌てであった。
「『エイル』博士! 前に私が託したドリンクを飲むのだ! それが生還への道だ!」
「いや、流石に怖い」
通信で『エイル』博士の声が聞こえる。
やっぱりなーと乗騎たちは思った。
自分達もだってやだもの。
「主様、やっぱりそういうのってよくないと思うんだよな」
「漢方と虫配合の狂気の超高濃度カカオ汁の味が理解できるやつの方が少ない……せめて味わいをマイルドにして欲しい……」
「無理だ!」
なんで? と彼女たちは思った。
いや、それよりも早く彼女たちの口にぶち込まれる漢方と虫配合の狂気の超高濃度カカオ汁。
「ごぼぼぼっ!?」
「がぼぼぼっ!?」
「さぁ……お前たちドラゴンもチョコの材料にしてやろう!」
絶華はユーベルコード煌めく瞳と共に『バレルヘッドドラゴン』に迫る。
それは惨劇の幕開けであったし、乗騎たちの苦難の始まりでもあった――。
大成功
🔵🔵🔵
皇・銀静
単独行動希望
機神搭乗
そしてサリアちゃん騎乗
……む
「主ー?」
あり得ない事だが絶華兄さんの気配を感じたんでな
「絶華君だっけ☆」
ああ…健康にいいからって漢方を料理に使う大馬鹿野郎だが…彼奴は猟兵じゃないからありえないな
「そうだね☆(でも…主同様絶華君の異世界同位存在の可能性からは目をそらしてるのかな☆」
「Goaaaa!」(銀静お兄さん!ドラゴンが暴れてるよ!早く止めないと!
神機と魔王竜の糸発動
さてサリア…安心しろ…お前が力を発揮するべき狂暴性は…この僕が代用しよう
オリジナルにも負けないって事を見せてやる
決戦配備
クラッシャーだ
須らく破壊し尽くす
【戦闘知識】
敵陣の動きと性能を把握
UC発動
防御強化
「見せてやろう。格の違いをな」
「Grrrrrr…!」(ぼくは作られた機械の竜だけどね
【属性攻撃・弾幕・オーラ防御】
パルスシールド展開
両腕の荷電粒子砲からの弾幕で薙ぎ払い
背のメガビームキャノンで遠くの敵を蹂躙粉砕
これもデータ収集になるか…?
【二回攻撃・切断・串刺し】
グリムは槍での蹂躙に剣で切り刻む
「……む」
巨竜の如き鋼鉄の体躯を持つギガス・ゴライア『サリア』にまたがるようにして騎乗したキャバリア『グリームニル』のコクピットで皇・銀静(陰月・f43999)は、僅かに何か気配を感じて眉根を寄せた。
「主ー?」
「あり得ないことだが、絶華兄さんの気配を感じた」
「そうなんだ☆」
「ああ」
瞳を僅かに閉じる。
兄。
その奇行は、銀静をして大馬鹿野郎だと彼は断じていた。
とは言え、己の知る彼は猟兵じゃあない。
この気配はありえないものだと一蹴する。
「そうだね☆」
幾つかの可能性があることを『グリームニル』は示唆することができたが、やめていた。それを指摘したところで銀静はどうあっても否定するだろう。
つまるところ、見て見ぬふりをしているだけなのだ。
可能性があるからといって何でもかんでも肯定はできない。
むしろ、肯定することによって自らに降りかかる災難みたいなものを察知しているのかもしれない。
「Gaaaa!」
そんな銀静にじれるようにギガス・ゴライア『サリア』が咆哮する。
眼前に迫るのは『バレルヘッドドラゴン』の群れである。
彼らがデウスエクスであることは疑いようがない。
加えて、その頭部より放たれる砲撃が己たちに迫っている。
この湾岸の決戦都市襲っていることは一目瞭然だ。
であれば、己たちが何をしなければならないのかも、また明白だった。
「さて『サリア』……安心しろ……お前が力を発揮するべき凶暴性は……この僕が代用しよう」
オリジナルであるギガス・ゴライアに負けるとは思えない。
故に銀静はポジションを要請する。
「クラッシャーだ。敵は須らく破壊し尽くす」
その言葉と共に魔王竜の蹂躙(ギガス・ゴライア・サリアウェポンズ)劇は幕を上げる。
強力な電磁障壁『ハイパーパルスシールド』が敵の砲撃を受け止め、その悉くがギガス・ゴライアに届くことはなかった。
爆風の奥に煌めくアイセンサー。
「見せてやろう。格の違いをな」
「Grrrrr……!」
作られた機械の竜なれど、戦いに際しては容赦はいらない。
量腕部の荷電粒子砲きらめき、その弾幕が『バレルヘッドドラゴン』を打ち据える。打ち合うだけならば、ギガス・ゴライアに分がある。
敵の砲撃が如何に苛烈であったとしても、元よりギガス・ゴライアの装甲の分厚さは規格外である。
そこにハイパーパルスシールドの防御力が加わるのならば、難攻不落の城と同義であった。
背部の大型荷電粒子砲がマウント基部にて照準を合わせる。
「これもデータ収集になるか……? いいや、圧倒的すぎてデータの参考にもならないか」
騎乗するようにギガス・ゴライアにて座す『グリームニル』が何かするまでもない。
放たれた荷電粒子ビームが『バレルヘッドドラゴン』を打倒し、蹂躙の道を拓くように破壊の跡を刻み込んでいくのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
クーナ・セラフィン
決戦配備もだけど決戦兵器も随分凄いことになってるにゃー。
いや冗談めかして言ってる状況じゃなさそうだけども心に余裕はね。
…折角のお披露目だ。その力をたっぷり貸して貰おう。
決戦配備はクラッシャー。一撃必殺位の気合でちゃちゃっと仕留めたいね。
ええっと…『熾天合体』?(微妙に控えめ)
もっと勢いよく言わないとダメ?ならノリノリで。
どんな風に変形合体するのかなー(わくわく)
まあどんな形になってもやることはきっと変わらない。
バレルヘッドの向きから敵の射線見切って弾丸回避しつつ一気にダッシュで距離詰めて、至近距離で胴体に銀槍の一撃叩き込んで仕留めていくだけさ。
博士守るために、速やかにね!
※アドリブ絡み等お任せ
湾岸の決戦都市の決戦配備、自律人型戦術兵器『セラフィム』。
それは人的被害を抑えるための無人機であり、多くの猟兵、ケルベロスを支援するために開発された鋼鉄の巨人である。
しかし、単体の性能はデウスエクスに遠く及ばない。
その証明が、今まさに研究所を防衛していた『セラフィム』の残骸である。
確かにデウスエクスにとっては脅威にすら値しないのだろう。だが、ここに来て新たに開発された新型決戦兵器はデウスエクスも捨て置けぬ性能だったのだ。
これまで猟兵、ケルベロスに対して補助的な役割しか果たさせなかった『セラフィム』が、ついに彼らのユーベルコードを増幅させる機能と、状況や要請者にたいして柔軟に対応できる力を得たのだから当然と言えば当然である。
「随分すごいことになってるにゃー」
少し茶化したような物言いであったが、心に余裕というものはいつだって必要なものである。
だからこそ、クーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)は軽口めいた冗談を飛ばしたのだ。
「……せっかくのお披露目だ。その力をたっぷり貸して貰おう」
「無論だよ。そのために開発したんだからね。存分に頼むよ!」
「任せておいてくれよ。さあ、行くよ。決戦配備要請、クラッシャー」
その言葉と共に二騎の青い新型決戦兵器が宙を飛ぶ。
「ええっと……『熾天合体』?」
「もっと元気よく! コールサインは、叫んでなんぼだからね!」
「いらないところにこだわってるなぁ……でも、戦いはいつだってノリと勢いのある方が勝つってのは、わかるかな」
『エイル』博士の通信にクーナは苦笑いしながらも頷く。
「熾天合体! ゴー!『セラフィエルクス』!」
その言葉に呼応するように二騎の青い新型決戦兵器が合体し、さらに分離する。
クーナの小さな体躯を包み込むようにして巨大な鎧へと変貌し、さらに手にした銀やりを包みこんでいくパーツ。
そう、これこそが『セラフィエルクス』の真髄である。
多くの猟兵は千差万別。
法則性も何もない。
それに即応し、対応することのできる能力こそが『セラフィエルクス』の本領。
増幅されたユーベルコードの輝きがクーナを包みこんだ青い巨大な鎧と共に放たれる。
迫るデウスエクス『バレルヘッドドラゴン』を前にしても、その輝きは一切陰ることはなかった。
「これが……まさか、私自身を包みこんで巨大な鎧になるとはね。まあ、やることは変わらないけれど、やれるのなら、やってみるさ!」
手にした銀槍。
その槍の穂先は、すでに『セラフィエルクス』のパーツに覆われ、巨大な槍へと変貌を遂げている。
踏み込むだけで迫る砲撃を退け、『バレルヘッドドラゴン』へと肉薄する。
速い。
自分で思う以上に踏み込みの速度が圧倒的だったのだ。
放たれる青と白銀の槍の一撃。
騎士猫の介錯(ダージュ)の如き一撃は、容易く『バレルヘッドドラゴン』の体躯を白百合のオーラとと共に貫き、粉砕するのだ。
「速やかに、とは思っていたけれど圧倒的だね。これなら博士を守ることもできる! さあ、もう動かないでね、とは言わないさ。動く前に仕留めてみせる!」
クーナは次々と『セラフィエルクス』の変じた巨大な鎧と共に『バレルヘッドドラゴン』たちを打倒し、研究所への道を拓くのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
雨河・知香
引き続きソニア(f40904)と。
まずは間に合った!
だけどまだ窮地を脱したわけでもなくここからが本番。
新型決戦兵器の援護もあるみたいだし、ここは手早く蹴散らして安全を確保するとしようか。
改造ヘリのオルテュクスを自動操縦に切り替え飛び降りて降下、研究所に近づこうとするドラゴンを片っ端からぶちのめしてやるよ!
UC起動、偽物の月浮かべた上で決戦配備はディフェンダーを要請。
『熾天合体』のコールサインを叫んで一気に切り込んでいく。
向こうは遠距離から榴弾の狙撃をやってくるみたいだけど…近づくまでダメージを減らせれば後は打つべし打つべし!
…しかしソニア、あの切り札はまだ出さないのかい?
※アドリブ絡み等お任せ
ソニア・コーンフィールド
引き続き知香ちゃん(f40900)と!
間に合ってよかったー!
声聞く限りではまだ元気そうだし、ここを守りきれば問題なし!
新型決戦兵器の実力も楽しみだし、デウスエクスなんて押し返しちゃおー!
知香ちゃんのオルテュクスから飛び降りてUC起動!
狙撃に対抗できる撹乱のガジェットを召喚して、さらに決戦配備はジャマーで『熾天合体!』
…ガジェットに合体する感じになるのかな?
どんどん切り込んでく知香ちゃんの援護意識しつつ、向こうの照準絞らせないよう飛び回って位置を変えながら攻撃してくよ!
え、切り札?
あの秘密兵器はもうちょっと後!
向こうもまだ本命がいるみたいだし、ここで手札見せちゃうのもねー。
※アドリブ絡み等お任せ
間に合った、と喜ぶ暇もないことを、雨河・知香(白熊ウィッチドクター・f40900)とソニア・コーンフィールド(西へ東へ・f40904)は理解していた。
己たちがデウスエクスの防衛魔術を砕き、漸く研究所への道を拓いたのだが、しかし、未だデウスエクスの群れが健在しているのだ。
研究所にいる『エイル』博士たちを救出するためには、『バレルヘッドドラゴン』の群れを突破し、撃破しなければならない。
まだまだ窮地だということに代わりはない。
むしろ、ここからが本番だとも言える。
「君達! 救援に来てくれたのかい!」
『エイル』博士の言葉に二人は頷く。
「もちろん! 助けに来たよ! 元気そうで良かった!」
ソニアの言葉に『エイル』博士は頷く。
とは言え、予断を許さぬ状況であることに代わりはない。
「ここを守り切るよ! デウスエクスなんて押し返しちゃおう!」
「任せておきたまえ! 新型決戦兵器のお披露目にはもってこいのシチュエーションじゃあないか!」
「それだけ言えれば充分さ。さあ、いくよソニア!」
知香と共にセイルフローターである『オルテュクス』よりソニアが飛び出す。
「片っ端からぶちのめしてやるよ! 決戦配備要請、ディフェンダー!」
「うん! 決戦配備要請、ジャマー!」
『――熾天合体!』
声が重なった瞬間、二騎の青い新型決戦兵器が宙を舞う。
合体し、更に分離する。
合体して『セラフィエルクス』へと変貌した四肢が分離し、二対の巨腕へと変貌し知香の腕部に接続される。
知香のユーベルコード、空に輝く活力の銀光(ルナティックハイ)が彼女の体躯に降り注ぎ、接続された巨大な青い腕部はいうなればボクサーグローブ。
鉄槌の如き連打が、ただの牽制たるジャブの一撃で『バレルヘッドドラゴン』の頭部をひしゃげさせ、その内部にて爆発を引き起こして吹き飛ばすのだ。
「これが、新型決戦兵器。なるほど。こっちの特性やユーベルコードに合わせて自在に形を変えるってわけかい」
「その通り! 猟兵、ケルベロスは法則性がないからね。それに即応できるだけの柔軟な機構を組み込むのは大変だったが!」
「これなら行けるね!」
ソニアは残された『セラフィエルクス』の胴体が変形した砲身を己のガジェットと連結する。
長大な砲身へと変貌したガジェットは、ユーベルコードに輝き、其の力の発露を今かと待ちわびるようだった。。
「ソニア!」
「はーい! とっておき、見せてあげるね!」
無限に進化する魔竜の力を宿したガジェット。
それに接続された『セラフィエルクス』の砲身が、その力を増幅させていく。
「 ドラゴンガジェット・イグニッション!」
燃えるような光が砲身から膨れ上がって放たれ、『バレルヘッドドラゴン』たちの体躯を蒸発させていく。
迸る熱線兵器の一撃。
その強烈な力を知らしめるようにソニアは白煙上げる砲身……『セラフィエルクス』の増幅機能が凄まじいことを理解する。
「……しかしソニア、あの切り札はまだ出さないのかい?」
「え、切り札? あの秘密兵器はもうちょっと後!」
「なんだい、君も新しい兵器を作っていたのかい?」
「そういうこと! 向こうだってまだ本命が残ってるんだし、ここで手札を全部切るわけにもいかないでしょ!」
最後まで手の内に切り札を持っている方が勝つ。
それを証明するようにソニアと知香は、戦場を切り裂くように『バレルヘッドドラゴン』を蹴散らしていくのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
水鏡・多摘
ふむ、状況としては最悪ではない…だが天秤は容易に傾くもの。
まずはこの場を凌がねば希望は小さくなり、そしていずれ絶えてしまうやもしれぬ。
ここはあの奇怪な竜共を打ち倒さねば。
決戦配備はキャスターを要請、『熾天合体』のコールサインは叫べばよいか?
龍の咆哮になるかもしれぬが…呪詛は乗せぬようにせねば。
術式支援でこの悪霊の身に宿す霊力と呪詛を増幅、UC起動し塩の属性のブレスをバレルヘッドドラゴン共に叩きつけてくれよう。
その銃身が錆びるかは知らぬが生命力を奪い取る事は間違いなし。
敵の銃弾は祟り縄を伸ばし防御の結界を構築し受け流し対処しつつブレスを叩き込み敵を確実に削っていくとしよう。
※アドリブ絡み等お任せ
研究所を隔絶せしめていた防衛魔術は砕かれた。
一気になだれ込むようにして猟兵やケルベロスたちがデウスエクス『バレルヘッドドラゴン』を蹴散らしている。
状況は未だ最悪ではないことを水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)は理解していた。好転した、とも言えるだろう。
だがしかし、彼は理解していた。
戦いにおいて、その趨勢を決める天秤というものは、容易く傾くのだということを。
「まずは此の場を凌がねばな」
灯された希望は未だか細く、小さいものだ。
頼りなく、篝火と呼ぶことはできまい。
「いずれ絶えてしまうやもしれぬ。故に、ここはあの奇怪な竜共を打倒さねばな」
見やる先にあるのは銃身の頭部を持つ『バレルヘッドドラゴン』である。
その砲口より放たれる砲撃は苛烈そのもの。
爆風が吹き荒れ、周囲に破壊を撒き散らしている。
「決戦配備の要請は可能か」
「もちろんさ、行けるよ!」
『エイル』博士の言葉に多摘は頷く。
「であれば、キャスターを要請する。そして」
「コールサインは『熾天合体』さ!」
「よかろう。では、『熾天合体』!!」
それは雷鳴の如き重たく響き渡る声であった。戦場は黒煙によって暗雲立ち込める様相を呈していたが、彼の雷鳴の如き叫びと共に二騎の青い新型決戦兵器が空中で合体し、変形する。
その様は竜を思わせる靭やかな体躯。
いや、鞭か荊のようであった。
「ほう。これがそうなのか」
「ああ、君達猟兵の特異性は理解しているよ。だからこそ、その千差万別な能力に即応するために変形合体機構に重きをおいたのさ。これで十二分に君達のユーベルコードを補助、増幅、強化することができる!」
「なるほどの。ならば、存分に震わせて頂くかの!」
吹き荒れるブレス。
身に宿す霊力が手にした青い巨大な鞭へと変じた『セラフィエルクス』へとまとわれ、一気に呪詛を増幅させていく。
放たれる一撃は弧を描くのではなく、暗雲を切り裂く稲光のように複雑怪奇なる軌跡を描いて『バレルヘッドドラゴン』たちを打ち据えるのだ。
躱すことなど許さぬ変幻自在たる荊の動き。
それは増幅された呪詛と共に『バレルヘッドドラゴン』たちの生命力を奪い、抵抗力を削ぎ落とす。
打ち据えられた『バレルヘッドドラゴン』達は、その強烈なる悪霊龍の息吹(ドラゴンブレス)纏う荊の一撃にのたうち回るばかりであった。
反撃どころではないのだろう。
その苛烈なる痛みは、多摘が振るう度に増幅していき、反撃の糸口すら掴めぬままにめっせられる運命を刻み込んでいく。
「これが、新型決戦兵器とやらの性能か。デウスエクスが脅威に思うのも無理なからぬ」
多摘は、己こそが竜であることを知らしめるように、そのしなる『セラフィエルクス』が変じた鞭を振るい、此の軍勢を率いるデウスエクスへと迫るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
イクシア・レイブラント
バレルヘッドキャノンの射線を[瞬間思考力、戦闘演算]で読み、
[空中機動]で回避しながら交戦エリアへ突入。
セラフィ・L、セラフィ・X。力を貸して。
私自身をコアとして2機と熾天合体、最大稼働。
鎧装騎兵イクシア、交戦を開始する。
[推力移動]で勢いをつけて、大型フォースブレイドで[空中戦、武器巨大化、なぎ払い]。
デコイドローンも展開して[おびき寄せ、変わり身]で囮を増やし、
隙ができたところで決戦配備:クラッシャー。敵を殲滅するよ。
放たれる砲撃。
それは猟兵達によって破られた防衛魔術の代わりに、研究所へはいかせぬと迫るデウスエクス『バレルヘッドドラゴン』の砲列であった。
爆風が荒ぶ中をイクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)はサイキックエナジーの噴射と共に空中を舞うようにして躱す。
だが、苛烈なる砲撃を前に爆風までも完全に躱すことはできなかった。
「『セラフィ・L』、『セラフィ・X』。力を貸して」
「ならば、叫びたまえ! コールは!」
『エイル』博士の通信にイクシアは頷く。
新型決戦兵器。
その力を発揮するためには、そのコールサインが必要なのだ。
「『熾天合体』!」
その言葉と共に二騎の青い新型決戦兵器が合体する。
分かたれた半身が結合するようにして左右から二騎が合体し、一騎へと変じる。
そして、その瞬間、その胴が割れて顎のように変じる。
その内側へとイクシアが背よりドッキングを果たし、彼女のサイキックエナジーを二騎が合体した『セラフィエルクス』へと流入させるのだ。
膨れ上がっていくサイキックエナジー。
その総量は彼女が身より発露するサイキックエナジーを倍にまで引き上げて、光の翼として排出するのだ。
「機体各部、安全装置解除。フォースリアクター、イグニション……最大稼働!」
その言葉と共にイクシアは己を包む『セラフィエルクス』のアイセンサーが煌めくのをっ感じたことだろう。
戦場に溢れ出す緑のサイキックエナジー。
その力は、彼女の意思に比例して膨れ上がり、更に『セラフィエルクス』を介在して倍にまで至るのだ。
「鎧装騎兵イクシア、交戦を開始する」
一気に踏み込む。
その速度もまた膨れ上がったサイキックエナジーに比例するように圧倒的な加速でもって『バレルヘッドドラゴン』の懐へと踏み込む。
「ブレイド展開! 出力は!」
大型フォースブレイドの基部に接続される『セラフィエルクス』のパーツ。
そのパーツがサイキックエナジーを流入させ、その緑の刀身を更に巨大化させる。
ただのひとふり。
横薙ぎの一閃だけで無数の『バレルヘッドドラゴン』の胴が両断されてしまう。
「デコイドローン展開!」
さらにイクシアは展開したドローンによる多角的な砲撃を『セラフィエルクス』との合体によって可能にし、強化された砲撃で死角などないかのような飽和攻撃で持って敵を撃滅していくのだ。
その一撃一撃は決戦配備の底上げされた力と共に暴威を振るい、迫りくる『バレルヘッドドラゴン』を軒並み打倒してなお有り余る力を発露し、そのサイキックエナジーの放出による光の翼を戦場に広げ、己が来たことを知らしめるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『踏破王クビアラ』
|
POW : 魔障弾撃
【胸元のコアから拡散光線】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 魔障核拡散光線
【胸元のコアから拡散光線】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 魔障バリアー
【両拳】を構える。発動中は攻撃できないが、正面からの全攻撃を【電磁バリアー】で必ず防御し、【拳または内蔵兵器】で反撃できる。
イラスト:山田丸
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
湾岸の決戦都市。
新型決戦兵器の研究所にあと一歩に迫っていたデウスエクス『踏破王クビアラ』は、己の配下である『バレルヘッドドラゴン』たちの反応が悉く消失したことを受けて振り返った。
そこにあったのは、撃滅された『バレルヘッドドラゴン』たちの遺骸。
「……ここまでとはな」
新型決戦兵器の脅威は認識していた。
だが、それは二騎の青い新型決戦兵器、その単体における性能であった。
まだ充分に対応出来る範囲であった。
「見誤ったか。猟兵、ケルベロスを得ることで、真の完成に至るとは……」
そう、二騎の青い新型決戦兵器『セラフィ・L』と『セラフィ・X』が合体して『セラフィエルクス』へと変じる。
その本領とは、合体による性能向上ではなく、分離変形による猟兵たちそれぞれの個性に即応する対応力と増幅機能であった。
その一点を見誤った『踏破王クビアラ』は、その巨大な体躯を振り返らせた。
研究所の破壊があと一歩及べば、此の襲撃も無駄には終わらなかっただろう。
しかし、それができない今、迫る猟兵たちを打倒し、新型決戦兵器をも破壊しなければ、己の目的は達成できないと知るのだ。
「よいだろう。ならばこの『踏破王クビアラ』が直々に相手をしてやろう。データの収集には事欠かぬであろうからな」
そう、それこそが『魔障』と呼ばれる特殊能力。
デウスエクスは永遠不滅。
滅ぼすことはできないが、しかして、此度の戦いで得たデータを分析することによって再びの襲来において己が配下を強化できる。
既に彼は、此の戦いにおける己の役割を捨て石だと理解しているのだ。
「さあ、来るが良い。此の戦いを経て、さらなる高みに至るのは、お前たちだけではないのだと、知らしめてやろう――」
村崎・ゆかり
ようやく追いつけた。残るはあなただけよ。
死んでも復活するって面倒ね。データを持ち帰られるのは防げないから。
まあいいわ。今はあなたを討滅するのが最優先。
『エイル』博士はちゃんと避難してるかしら?
『セラフィム・L』、『セラフィム・X』、『熾天合体』、引き続き『ジャマー』で。
あたしの手も同じ。
「結界術」「全力魔法」酸の「属性攻撃」「呪詛」で紅水陣。
不壊の障壁を作られても、十絶陣なら壁の向こうも効果範囲に含められる。
拳で殴ってきたら『鎧装豪腕』で受け止めましょ。内蔵兵器は拡散光線ね。下手に拡散してる分、威力は落ちてるでしょ。「オーラ防御」で防ぐ。
あたしは急ぐ必要は無い。待っていればあなたは溶ける。
研究所まであと僅か、というところでデウスエクス『踏破王クビアラ』は迫っていた。
周囲には無数の『セラフィム』の残骸。
よくここまで保たせることができたものだと村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)は思ったことだろう。
それほどまでに『踏破王クビアラ』は、大型であった。
鋼鉄の巨躯から見下ろす視線を受けて、ゆかりはしかしたじろぐことはなかった。
むしろ、追いついたことによって彼を打倒する機会を得たのだとさえ思っていたのだ。
「残るはあなただけよ」
「ほう、この私を前にして怖気づくこともないか。それとも」
「新型決戦兵器が余程怖いと見えるわね、その物言い」
「虎の威を借る狐とまでは言うまいが、その驕り、ここで正してくれよう」
踏み込まれる、と思った瞬間、ゆかりは寧ろ不敵に笑む。
「『熾天合体』、『セラフィエルクス』!」
「――!」
青い二騎の新型決戦兵器である『セラフィエルクス』が合体し、ゆかりの眼前に降り立つ。
さらにゆかりは決戦配備を宣言する。
「ポジション、ジャマー! いくわよ! あなたを今ここで討滅する!」
「行きたまえ! 君のユーベルコードの力を示すんだ!」
『エイル』博士の声が聞こえる。
まだ避難していないのか、とゆかりは思っただろう。
だが、彼女たちが退避することがないことをゆかりは理解していただろう。
このケルベロスディバイド世界の人々は覚悟が決まっている。
汎ゆる産業がデウスエクスとの戦いに注力されているのだ。
此度の新型決戦兵器もそうだ。
正しく命懸け。
それ故に『エイル』博士も逃げることはない。戦うことに意義を見出しているのだ。
「そう……なら、行くわ! 紅水陣(コウスイジン)!」
その言葉と共に降り注ぐのは、強酸性の雨。
そして、振り下ろされる巨腕の一撃。
だが、その一撃は彼女に落ちることはなかった。
彼女の眼前に割り込んだ鎧装剛腕。だが、その形が大きく異なっていた。
「空……これは!」
「そうよ。あなたの『魔障』は確かに強力。だけど、真正面からの攻撃しか防げない。だから、あなたはその拳で私に殴りかかった……それがわかっていたから『セラフィエルクス』は、その一撃を受け止める盾になってくれたのよ」
そう、ゆかりの眼の前で鎧装剛腕と合体した『セラフィエルクス』が盾となって『踏破王クビアラ』の一撃を受け止めていたのだ。
「ならば、拡散光線で!」
放たれる内蔵兵器の光条。
鎧装剛腕だけでは防ぎきれなかっただろう。だが、『セラフィエルクス』と合体した鎧装剛腕は、その一撃を全て弾き返していた。
「あたしは急ぐ必要はない。何故なら」
そう、降り注ぐ強酸性の雨が戦場を赤い靄でもって満たしていく。
彼女のユーベルコードは、『踏破王クビアラ』の装甲を徐々に溶かしていくのだ。
今、すぐに勝てなくてもいい。
このユーベルコードが後に続く猟兵たちの助けになれば良いのだ。
「待っていればあなたは溶ける。そこまでいかなくても、きっとみんながあなたを討ち取ってくれる。だから、あたしは待つだけでいいの」
そう言って、ゆかりは『セラフィエルクス』が変じた盾でもって攻撃を防ぎながら、『踏破王クビアラ』を消耗戦に引きずり込むのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステルク】
さらなる高みにとかもいってますけど、そんなことよりまずは今。
次のことは次の時に考えます。今がなければ次もないんです!
そちらが強くなるなら、わたしたちはもっと強くなればいいんですしね!
前に進めないデウスエクスとは違うんですよ!
最近真面目に戦ってない気もしましたし、今日はシリアスです。
いつもやべーステラさんとは違って、勇者はできる子なんですよ!
え?大丈夫かって?
こっそり先練乳してきましたからね!(えっへん
それにしても……。
殺すとかはわたしも許しませんけど、いつのまに『エイル』さんがステラさんのものに……。
あ、いえなんでもありません!
わたしも渾身の一撃、いれさせてもらいますよー!
ステラ・タタリクス
【ステルク】
千里の道も一歩より、というわけですか
ですが
不死のデウスエクスに無いもの……限りある命の輝き
たとえ死が分かつとも
終わりなき探求心が必ずあなた達を討つ
それはそれとしてエイル博士は私のモノなので
勝手に殺すとか奪うとか絶対に許しません!!
壱那由他歩くらい譲って第九号様なら納得します
そろそろルクス様が死にそうなので戦いましょう
誰がやべーメイドですか
ちょっと三半規管がやられているだけです
もう一度!
熾天合体! ゴー、セラフィエルクス!!
ポジションはクラッシャー
『ケルーベイム』! 【ヘレヴ】で突撃です!!
ルクス様おいていきますよ、ついてきてください!
演奏でもいいから!でも仲間倒さないで!!
デウスエクス『踏破王クビアラ』の特殊能力『魔障』は永遠不滅の存在にとって、あまりにも脅威な能力であった。
収集したデータ。
これを己が配下に共有し、次なる襲撃には対処法を持って現れる。
脅威そのものであり、今現在デウスエクスを完全に滅ぼす手法保たぬケルベロス、猟兵にとっては撃退以外の意味を戦いに見いだせない。
「千里の道も一歩より、というわけですか」
ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は、デウスエクスの用いる手段の悉くが徐々に人類を追い詰めるものであることを知る。
今、捨て石になるのだとしても次なる機会には、さらなる脅威として現れる。
それがどれだけ厄介なことであるのかをステラは知る。
「さらなる高みにとかいってますけど、そんなことよりまず今。次のことは次の時に備えます。今がなければ次もないんです!」
ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は『ケルーベイム』の掌から降り立ち、己の数倍もあろうかという巨躯を持つ『踏破王クビアラ』を前にして一切怯むことなく言い放つ。
そう、彼女の言う通りだ。
どれだけデウスエクスが永遠不滅の存在であろうとケルベロスディバイド世界の人々は抗ってきた。
絶望に瀕してもなお、希望を燦然と輝かせてきたのだ。
「そちらが強くなるなら、わたしたちはもっと強くなれば良いんです!」
「永遠不滅を意味する我らを前にして、そうのたまうか。それがどれだけ無意味なのか、定命のものは知らぬと見受けられる」
「いいえ」
その言葉をステラは否定した。
そう、確かにデウスエクスは永遠不滅。
定命の者を見れば、それがどれだけ儚いものであるか、無意味かと思うことだろう。
だが、ステラ達は知っているのだ。
「不死のデウスエクスにないもの……限りある生命の輝き」
「それが何になる」
「例え死が分かつとも、終わりなき探究心が必ず、あなた達を討つ」
その言葉に偽りはない。
虚勢もない。
あるのは、人々の弛みない練磨、研鑽がいつしか永遠不滅に届くという確信のみ。
「そうです。前に進めなデウスエクスとは違うんですよ!」
ルクスはシリアスな雰囲気を感じながらも、いつものやばいステラとちがって、己は出来る勇者なのだと胸を張る。
「であれば、永遠不滅を前に、滅びるがいい!」
胸部のコアが変形し、光を湛える。
解き放たれた光線の一撃がルクスたちを打ち据える。その苛烈なる熱量の一撃が、空より降り立った『セラフィエルクス』が受け止める。。
青い装に火花が散る。
「誰がやべーメイドですか!」
「だ、誰も言ってませんよ!? お、思いましたけど!」
「私の『エイル』博士を殺すとか奪うとか絶対に許しません! 壱那由他歩くらい譲って第九号様なら納得します!」
「いつの間に『エイル』さんがステラさんのものに……」
「なにか」
「あ、いえなんでもありません!」
じゅ、とルクスはあまりの怖気にこっそり持ち込んでいた練乳チューブをすする。
これでシリアスな雰囲気にも対応できる。
煌めく瞳。
ルクスは『セラフィエルクス』が防ぐ光線の熱波に荒れ狂う戦場に飛び出す。。
「わたしの渾身の一撃、いれさせてもらいますよー!」
バイオリンを構える。
奏でる旋律が『踏破王クビアラ』を打ち据え、さらにグランドピアノの一撃が、その頭部に叩き込まれる。
「ぐっ……なんだ、その攻撃は!」
楽器とはそう使うものではないはずだ、と言う彼の横っ面に更に叩きつけられるのはユーフォニアムの強烈な音波だった。
その余波は近くにいたステラにも及ぶ。
「三半規管がちょっとやられますが……!」
ステラは叫ぶ。
「熾天合体! ゴー、『セラフィエルクス』!!」
その言葉に呼応するようにして『セラフィエルクス』が分離する。
左右に分かたれた青い機体が変形し、『ケルーベイム』の両腕に武装として持ち帰られる。
「フローリス、展開! スラスター!!」
一気に距離を詰める。
振るわれる武装へと変じた『セラフィエルクス』の連撃が『踏破王クビアラ』を打ち据え、その装甲を打ち破る。
「武装に変形した、だと……!?」
「さらに!!」
展開する『セラフィエルクス』の変じた武装。
それは槍のようであり、こじあけた装甲の内側へと叩き込まれる光条の一撃。然し、それで終わるわけがない。
「コール! プロメテウスバーン!」
炸裂する熱線砲の一撃。
それは『踏破王クビアラ』を凄まじい爆風の中に包み込み、苛烈なる戦うの様相を刻むのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
皇・絶華
おお!セラフィムが合体したぞ!これはぜっちゃんチョコシティのチョコセラフィムへと進化したということだな!
「「あわわわわ!」」
そしてクビアラよ!お前の目的は分かっている!
このぜっちゃんチョコをお持ち帰りぃして!グラビティに変わる圧倒的なパワーの素にする気だな!
「ぴぃ」
UC準備開始
【戦闘知識】
敵の動きと構造を分析
神機の主発動中
【念動力・弾幕・空中機動】
飛び回りながら念動光弾を打ち込み動きを止め
【二回攻撃・切断・貫通攻撃】
さっちゃんころちゃんが
鎌剣で切り刻み
拳による猛攻
【爆破】
UC準備完了
さぁ!お前はこのぜっちゃんチョコのデータを持ち帰るがいい!
圧倒的なパワーで宇宙を感じるのだ!
地獄の宴の始まり
青い二騎の新型決戦兵器『セラフィ・L』と『セラフィ・X』が合体して至る『セラフィエルクス』の性能は確かにデウスエクスが脅威に思うのも無理なからぬものであった。
故に皇・絶華(影月・f40792)は大いに驚愕した。
「おお!『セラフィム』が合体したぞ! これはぜっちゃんチョコシテのチョコセラフィムへと進化したということだな!」
その言葉に大慌てな者たちがいる。
「あわわわわわ!」
「違うぞ主! そんなことは一言も言っていない!」
「そうだ! 絶対違う!」
「そんなことはないだろう! 何せ、絶大なパワーを感じるからな!」
どう考えても違う。
だが、絶華は己が感じるままに言葉を紡ぐ。
そして、彼はデウスエクス『踏破王クビアラ』へと向きなおる。
「『踏破王クビアラ』よ! お前の目的は判っている!」
「ほう、我が『魔障』の力を理解するものがいるか」
そう、『魔障』とは彼が対峙した敵の能力や情報を配下に与え、さらなる強化を図る特殊能力である。
これを用いて永遠不滅であるデウスエクスを強化しようというのだ。
彼にとって、この戦いは人類側の新型決戦兵器を破壊するという目的と同時に、その情報を得て、配下を強化する目的をも果たすものだったのだ。
しかし、絶華は力強う頷いて見当違いの方角へと突っ走る。
「このぜっちゃんチョコをお持ち帰りして! グラビティ・チェインに変わる圧倒的なパワーの素にする気だな!」
「ぴぃ」
ないたのは、絶華の乗騎たちだけだった。
あまりのことに『踏破王クビアラ』は絶句していた。
「……どういうことだ?」
まるでわからない。
猟兵の語るところが、何一つわからない。
チョコ?
「ふ、語らずともよい。貴様に足りないのは圧倒的なパワーだ! そして、その一端を思い知り、データとして持ち帰るといい!」
「何をわけのわからぬことを!」
胸部装甲が展開し、コアより放たれる熱線の一撃。
炸裂した一撃を絶華は己の乗騎と共に躱す。
熱波で装甲が焼ける。
それでも放ち続ける弾幕と共に踏み込み、その他の猟兵たちの攻撃によってひしゃげた装甲を切り裂くのだ。
「さぁ! お前はこのぜっちゃんチョコのデータを持ち帰るといい! 圧倒的なパワーで宇宙を感じるのだ!」
「本当に何を言っている!?」
本当にそうだ。
まるでわからない。
一体『踏破王クビアラ』は己が何をされているのか、わからなかった。
口腔らしきヘッドパーツにねじ込まれるチョコ。
味わいは形容しがたい。
美味しいか美味しくないかで言えば、美味しくない。
天国が地獄かで言えば地獄。
宇宙を感じる?
わけがわからない。
「その鋼鉄の体躯であっても、味覚に覚醒するほどの味わい! 思い知るがいい!」
ねじ込まれるチョコ。
それはきっと地獄の宴そのものであった――。
大成功
🔵🔵🔵
月隠・新月
『魔障』の力……デウスエクスを滅することができない以上、データ収集を完全には防げません。
猟兵やケルベロス然り、こちらの新型決戦兵器然り、地球側も常に強くなっていますが……できるだけ情報を与えたくはありませんね。
決戦配備・ジャマー『熾天合体』
【霧重無貌】で身を隠しつつ戦いましょう。視聴嗅覚での感知は不可能になりますから、敵が集められる情報が減るはずです。何かしらの手段で感知される可能性はありますが、そこは許容しましょう。
朧の魔力で覆ったオルトロスチェインで、敵の生命力を奪いたいですね。
敵の攻撃に対しては……対象に指定されないのが一番ですが、攻撃されたら呪鎧で防ぎましょう(【魔力防御】)
『魔障』、それはデウスエクス『踏破王クビアラ』が持ち得る特殊能力であった。
対峙した相手の能力を情報として収集し、それを配下に伝播する。
情報さえあるのならば、デウスエクスである彼らは解析し、対処法を編み上げるだろう。次に対峙する時、その対処法を持ち得る無数の配下が軍勢として現れるのならば、その力がどれだけ脅威であるのかは言うまでもない。
「そして、それは……デウスエクスが滅することができない以上、完全には防げません」
月隠・新月(獣の盟約・f41111)は正しく理解していた。
デウスエクスは永遠不滅。
滅ぼす方策は未だなく、人類が防戦一方になっている要因の一つだ。
宇宙からの侵略者は、それ故に止むことのない波そのものだったのだ。
「猟兵やケルベロス然り、こちらの新型決戦兵器然り、地球側も常に強くなっていますが……できるだけ情報を与えたくありませんね」
新月の判断は正しい。
だが、それができるかできないかはまた話は別だ。
そう、今までであれば不可能だった。
しかし、今は違う。
「新型決戦兵器『セラフィエルクス』の力があれば……決戦配備要請、ジャマー……『熾天合体』」
新月の瞳がユーベルコードに輝く。
同時に『セラフィエルクス』の青い機体が分離し、新月の周囲をドーム状に覆う。
それはまるで巣を作るようであったし、また彼女の体躯を完全に隠すものであった。
「覆い、重ね、隠す。帳、暴くこと勿れ――霧重無貌(オボロノトバリ)」
新月の姿を『踏破王クビアラ』は認識できない。
視聴嗅覚のいずれもが、彼女の存在を覆い隠しているからだ。加えて、『セラフィエルクス』が変じたドーム。
これもまた彼女のユーベルコードを経て、その存在を極めて希薄なものへと変えていたのだ。
例えば、熱源感知などで此方の存在が認識される恐れはあった。
だが、『セラフィエルクス』によって覆われたことで、その心配もない。
許容しなければならなかった要因は、全てが杞憂になっていたのだ。
「これならば……」
ドームから奔るオルトロスチェイン。
それは一瞬で……それこそ『踏破王クビアラ』すらも認識できぬままに繋がれる。
「素晴らしい……此方の攻撃すら認識させない、のか」
「そうだよ! 君のユーベルコードの特性を更に拡充し、増幅させる。それが『セラフィエルクス』の特性なんだ!」
通信の先にいる『エイル』博士の言葉に新月は頷く。
接続されたオルトロスチェインは、『踏破王クビアラ』が認識できぬままに、その生命力を吸い上げ続ける。
「駆体が、重い……何故だ。この体の重さは一体何が、原因なのだ」
戸惑う『踏破王クビアラ』。
その様を新月は見据え続ける。
情報は一つでも多く隠す。
そのために新月は、その名が示す通り、夜空に紛れて溶け込むようにして『踏破王クビアラ』の生命力を奪い続け、消耗させていくのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
皇・銀静
単独行動希望
機神搭乗
サリア騎乗継続
そういえばこのセラフィムとやらは前に乗ろうとした奴に似てるな?
まぁあり得ん筈だが
「主と一緒だよ☆セラフィムとその系列は色んな世界にいるよ☆」
クラッシャー継続
まぁいい
サリアの援護なら火力優先だな
「Goaaaa!!!」(セラフィム君達よろしくね~)
【戦闘知識】
敵の性能と能力分析
【二回攻撃・リミットブレイク・功夫】
象形拳といこうか
UC発動
攻撃力強化
爪で切り裂き尻尾で叩きつけ
噛みついて吹っ飛ばし
敵の攻撃はその巨体と電磁障壁で防ぎ
【弾幕・属性攻撃・空中戦・念動力】
跳び回り両腕の砲口から念動光弾を撃ち込み動きを固定
着地して背中の荷電粒子砲からセラフィム達と共に砲撃で蹂躙!
「そう言えば」
皇・銀静(陰月・f43999)は新型決戦兵器である『セラフィエルクス』の姿を認めて、訝しむ。
「この『セラフィム』とやらは前に乗ろうとしていた奴ににているな? まぁありえんはずだが」
もとより異世界である。
共通の名前があるとしても、全てに関連するとは思えなかったからだ。
だが、『グリームニル』はそれを否定する。
「主と一緒なんじゃないかな☆ 系列? 世代? 言葉は違っても、名前がおんなじ存在なんていくらでもいるんだよ☆」
「そういうものか。まぁいい」
どちらにせよ、己には関係のない話だ。
あの青い新型決戦兵器『セラフィエルクス』は猟兵やケルベロスの援護を主軸としているらしい。
であるのならば、己たちの戦いにも加勢してくれるということだ。
「Gaaaaa!!!」
『グリームニル』が騎乗した形になるギガス・ゴライア『サリア』の咆哮と共にデウスエクス『踏破王クビアラ』は、その胸部より迸る熱線を解き放つ。
叩きつけられる一撃。
その火力は凄まじいものだった。
電磁障壁すら揺らす一撃に『サリア』の体躯が傾ぐ。
「ふむ……なるほどな。充分な火力を持っているらしい」
「笑止。これで充分などと!」
吹き荒れるようにして『踏破王クビアラ』の胸部から奔る熱線は威力を底上げされるように煌めく。
「Gaaaa!!」
「ならば、象形拳といこうか」
銀静の瞳が煌めく。
その光を受けて『サリア』のアイセンサーがきらめき、熱線を受けながら『踏破王クビアラ』へと迫るのだ。
「我が砲撃を受けながら進む、だと!?」
「『サリア』を……ギガス・ゴライアを舐めるなよ?」
その言葉に『サリア』が咆哮する。
その巨体を振るう格闘戦。
爪による装甲への裂傷。
尾による殴打。
そのいずれもが『踏破王クビアラ』の鋼鉄の体躯を揺るがす。
「どうやら、その熱線……長く砲撃を放つことはできないようだな」
「くっ……! だが!」
組み合う巨体。
いや、『踏破王クビアラ』の方が巨体を誇っている。押しつぶすように巨大な鋼鉄の腕が『サリア』を押しのける。
だが、そこへ牙が食らいつき、首元の装甲を引き剥がす。
「ぐうっ!」
「お前をここに釘付けにするのが目的だ。『サリア』、その破壊の力、魅せてもらうぞ?」
咆哮と共に放たれる荷電粒子砲の一撃。
その一撃は強烈な爆風を生み出し、『踏破王クビアラ』の巨体を容易く吹き飛ばしてみせるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
陰海月「ぷきゅ!」
…陰海月語を翻訳します…
むむっ、データ持ち帰るんだね?なら、ぼくのままで行ったほうがいいよね、おじーちゃん!
「ポジション:ジャマー」(合成機械音声)
正面からのはバリアーで必ず防がれる。なら、光珠(極彩色)を囮に。もう一個の光珠(白一色)を迂回させて後ろからの…どかーん!
いくら魔障とかでも、今は方向性が定まってるからね。あと、光珠だけじゃないんだよ!
拳での反撃も、内蔵武器での反撃も…おじーちゃんたちが四天霊障(極彩色)による結界で弾いてくれるもん!
※
霹靂「クエ」
こっそり。四天流星で自分の位置錯誤させつつ…。
光珠(白一色)の攻撃に合わせて、後ろから雷属性体当たり!
デウスエクス『踏破王クビアラ』は敵のデータを持ち帰ることができる。
いや、正確に言うのならば、そのデータを持って配下を強化することのできる特殊能力『魔障』を持っているのだ。
本来ならば滅ぼすことで、その特殊能力も次に活かせることはない。
だが、永遠不滅なるデウスエクスが持ち得るという点が脅威なのだ。
そう、滅ぼせない。
未だ猟兵とケルベロスではデウスエクスを完全に滅ぼすことができない。
例外が存在してはいるが、その例外が『踏破王クビアラ』にも当てはまるわけではないのだ。
故にこの戦いは、長期的に見れば此方の敗北は必至であったのだ。。
「ぷきゅ!」
だが、それでもと馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)と合体を果たしている『陰海月』は思う。
例え、データを持ち帰られるのだとしても、それでもこのまま戦う。
自分が戦うことで義透たちのデータを敵が得ることはないと考えたからだ。
合成機械音声でもって、ポジションを要請する。
爆発の中をかき分けるようにして『踏破王クビアラ』は、その名を示すように一気に距離を詰めてくる。
装甲が切り裂かれ、ひしゃげていても、あの鋼鉄の巨体は止まるところを知らないのだ。
「オオオッ!」
咆哮と共に真正面に『陰海月』を見据える。
放つ光珠さえも容易く弾かれてしまう。
止まらない。
僅かな攻撃では、些細なことだと言わんばかりに『踏破王クビアラ』は邁進することをやめないのだ。
叩き込まれる拳。
砕ける結界。
霊障が如何に強固であったとしても、あの巨拳の一撃は凄まじい。
「きゅっ!」
「豆鉄砲程度が!」
展開する胸部装甲。
コアが光を解き放ち、熱線が迸る。その一撃を『セラフィエルクス』が受け止め、周囲に破壊が巻き起こる。
粉塵が舞い、瓦礫が飛散する。
その中を『陰海月』はゲーミングカラーに輝きながら『踏破王クビアラ』の頭上を取るのだ。
「きゅっ!!」
「クエ」
その粉塵舞う影から『霹靂』が飛び込む。
『踏破王クビアラ』の鉄壁は前面に限定されている。
であるのならば、側面、背面からの攻撃には無防備。位置を錯誤した『霹靂』の体当たりに蹌踉めく巨体。
だが、その頭を鷲掴みにされて、『霹靂』の体躯が大地に叩きつけられ、沈む。
「きゅっ!」
まるで長柄のように振るわれる巨腕。
その一撃を受け止めながら『陰海月』は煌めく光珠を『踏破王クビアラ』に叩き込む。
炸裂する爆発。
互いに痛み分けのような攻防。
それでも、確実に『踏破王クビアラ』は、その体躯を軋ませ、消耗していくのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
水鏡・多摘
【ツイン】
何ともまあ強烈な…これだけの技術を完成させるには途方もない苦労があったのじゃろう。
デウスエクスが恐れるのも無理はない。灯火の内に消し去ろうとするのは我が向こうの立場であったとしてもそうするじゃろう。
故にここは守り切らねばならぬ。地球を守る為にも…そこの猫の騎士も、後れを取るでないぞ。
決戦配備はキャスター、熾天合体と叫ぶとしよう。
UC起動、翼竜型式神を召喚。
周囲に散開させ敵を包囲し四方から攻め立てさせよう。
拳を向けている方角からの攻撃はカウンターを回避する為フェイントで寸止め、残りでじわりと削っていくとしよう。
こちらで気を散らせば猫の騎士も仕掛けやすくなる筈じゃ。
※アドリブ絡み等お任せ
クーナ・セラフィン
【ツイン】
いや、中々の代物だ。これだけの力があればきっとケルベロスの皆も心強いだろうね。
でもそれは使えたらの話。それを阻止しようとするデウスエクスを倒し切らないとね。
もう一押し、そこの龍神様も頑張っていこうじゃないか。
切り替え可能なら改めて決戦配備はキャスター、熾天合体!
これだけの柔軟性があれば一回合体した後でも切り替えられるかなってね。
正面からの攻撃は全部受け止められて反撃喰らうからどうにか回り込む…いや、このセラフィエルクスならいける?
UC起動、敵とは少しずれた方向に銀槍向けて花弁と吹雪を放つ。
そしてそれを鏡で光を反射するように別の角度から反射させて攻撃!
※アドリブ絡み等お任せ
新型決戦兵器『セラフィエルクス』。
その性能は凄まじいの一言であった。単体の性能が優れているというわけではない。
特筆すべきは、その特性である。
猟兵、ケルベロスの要請した決戦配備とユーベルコードに即応する柔軟な対応力。
加えて、ユーベルコードを強化、増幅させる機能。
如何なるユーベルコードにも対応できるよに合体変形分離を組み分けて自由自在に対応してくるのだ。
デウスエクスにとっては、対する猟兵やケルベロスが状況に応じて強化されてくるような悪夢でしかない。。
「なんともまあ強烈な……」
「いや、中々の代物だ。これだけの力があればきっとケルベロスの皆も心強いだろうね」
水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)は、ここに至るまでの道程が並大抵の苦労ではないことを理解したし、クーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)は、これほど心強い力もないと確信しただろう。
然し、同時にこうも思う。
デウスエクスが恐れるのならば、次なる機会からは、如何にこれを封殺するのか対策を打ってくるだろうと。
そして、これをが使用できなければ、デウスエクスの侵攻を押し切ることはできない。
ならばこそ、この戦いにおいて、自分達はさらなるひと押しをしなければならないのだ。
「そこの龍神様」
「ああ、言わずともやらんとしていることはわかっている」
多摘は頷く。
己が敵の立場であったとしても、これはなんとしてでも阻まねばならぬものだと。
故に此処が正念場。
「そこな猫の騎士も、遅れを取るでないぞ」
「まあ、がんばらせてもらうよ! さあ、行こうか!」
「決戦配備要請、キャスター。熾天合体!」
多摘の言葉が響いた瞬間、『セラフィエルクス』が分離する。そして、そのユーベルコードに呼応するようにパーツが分離するのだ。
分離したパーツは鏡面のように輝いている。
眷属竜の夜行(ノクターナルワイバーン)のごとく、多摘が召喚した翼竜型式神たちの放つ一撃が鏡面のように磨かれた『セラフィエルクス』の装甲に乱反射して『踏破王クビアラ』を包囲して、動きを縫い留めるのだ。
「くっ……飽和攻撃……! 斯様な真似までできるか!」
展開される電磁バリアー。
しかし、側面、背面から迫る飽和攻撃に『踏破王クビアラ』は足を止めてしまう。
「気が散るであろう。乱反射は予測不可能。なるほど、このようなところにまで対応しきれるとはな……やはり、灯火の内に消し去ろうというお主たちの目論見は正しいようじゃのう」
「邪魔を!」
するな、と振るわれる拳。
その一撃が『セラフィエルクス』の飛翔する無数のパーツが合わさることで受け止める。
一瞬の隙。
巨拳の一撃を受け止めた瞬間、『踏破王クビアラ』は己が一手誤ったと知るだろう。
そう、もう一人いる。
そして、『セラフィエルクス』の分離したパーツは、等分されている。
なら、その残りのパーツは。
「いくよ、熾天合体!」
その言葉と共にクーナの手にした突撃槍と合体する『セラフィエルクス』の半身。
巨大な穂先へと変貌した槍と共にクーナの瞳がユーベルコードに輝く。
風花は舞い散り(カザバナマドイ)、槍の穂先は煌めく。
周囲に散るは、雪混じりの花吹雪。
「ええい、なんだこれは! この光景は!」
散る吹雪を払うようにして巨大な腕が振るわれる。
だが、虚空を切るばかりだ。
「この『セラフィエルクス』と合体した槍の一撃ならいける」
踏み込んだクーナは多摘が注意を惹きつけ瞬間、『踏破王クビアラ』の横っ腹に槍の一撃を叩き込む。
それは痛烈なる一撃いであったし、また『踏破王クビアラ』からすれば、意識外の衝撃であった。
折れるように巨体が傾ぐ。
たたらを踏む巨体が揺らす震動の中、二人はさらに『踏破王クビアラ』を追い詰めるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ロー・シルバーマン
デウスエクス…明確な侵略な意志を持って攻めてくる侵略者。
圧倒的な支配者とはまた違う厄介な敵じゃが…倒せぬことはない。
この地で作られた決戦兵器の力を借りて、撃ち抜き倒すとするかのう。
決戦配備はジャマー、熾天合体!
…成程、このように纏う形になるか。
必要なのは敵に気付かれない事。上手くジャマーの攪乱能力で儂の姿を迷彩で隠す事ができれば十分。
戦闘で破壊された周囲の地形に身を隠しつつ敵から140メートル以内の狙撃し易い地点へ移動。
移動中も敵の向き、視線などから攻撃を読み拡散光線喰らわぬよう注意。
移動完了したら猟銃で胸部コアに狙いを定めUC起動…破魔の力を籠めた銃弾で撃ち抜くぞ。
※アドリブ絡み等お任せ
デウスエクスはケルベロスディバイド世界における侵略者である。
そこにあるのはただ一つの目的。
そう、生存エネルギーであるグラビティ・チェインの簒奪。それ故に地球は豊富なグラビティ・チェインの宝庫であり、侵略は休む暇なく行われているのだ。
圧倒的な支配者とは異なる。
ただただ奪うためだけにやってくる侵略者に融和の道はない。
故に厄介なのだと、ロー・シルバーマン(狛犬は一人月に吼え・f26164)は思わざるを得なかった。
しかも永遠不滅。
滅ぼすことはできず、撃退する他ない。
「だがしかし、やらねばならんのじゃろう。なら、ためらっている暇はない。撃ち抜き倒すとするかのう」
ローは、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
未だ『踏破王クビアラ』は健在。
とは言え、消耗はしている。
その巨大な鋼鉄の体躯に刻まれた傷跡を見ればわかる。だからこそ、ローは己がユーベルコードこそが、この戦いの趨勢を傾けさせるにたり得るものだと理解していた。
「決戦配備要請、ジャマー。熾天合体!」
瞬間、新型決戦兵器『セラフィエルクス』が分離し、ローの体を覆う。
それはまるでギリースーツのようであった。
彼の姿を完全に覆い、光学迷彩のように『踏破王クビアラ』の視界にあれど、その姿を隠すのだ。
「……成る程、このように纏う形になるのか」
合体、変形、分離。
それによって『セラフィエルクス』は従来の自律人型戦術兵器の枠組みから大きく逸脱しているのだ。
だが、そのおかげで己のユーベルコードの力が従前に発揮することができる。
「ふぅー……」
息を吐き出す。
息を潜めるのではなく、吐き出す。
己rの神経の高ぶりを鎮め、冷静なる眼光でもって『踏破王クビアラ』を睨めつける。
狙うは一点。
そう、あの厄介な熱線を放つ胸部のコアだ。
あのコアを射抜くことに集中する。
手にした猟銃の照準は戦いの最中にあってなお、ブレることはなかった。
「ヘッドショット……ではないが、その武装もらうとしようかのう」
引き金を引いた瞬間、閃光が迸る。
敵は己を認識してすらいない。
ユーベルコードによる一射は、狙う過つことなく『踏破王クビアラ』の胸部コアを射抜く。
破魔の力を込めた銃弾は、胸部のコアへと激突し火花を散らす。
「……!? 狙撃、だと!? 一体どこから!」
だが、射線の先を見てもローの姿を認識することはできないだろう。
ローはひび割れたコアを認め、満足げに頷く。
「後は任せたぞ」
そう、この一射こそがこの戦いの趨勢を一気に傾けさせたのだ――。
大成功
🔵🔵🔵
イクシア・レイブラント
最後まで戦う覚悟、敵ながら見事ね。だけどそれは私たちも同じ。
セラフィL、セラフィXはポジション:ディフンダー。
シールドビットとの連携で拡散光線を[盾受け]して研究所と中にいる博士を[護衛]つつ、
[推力移動]で距離を詰める。
エクスターミネイターの[レーザー射撃]で隙を作り、熾天合体、セラフィエルクス。【決戦武装、解放】。
大型フォースブレイドで[武器巨大化、限界突破、なぎ払い]。
あなたたちが戦いで得たデータを共有して強くなるのと同じで、
決戦都市もセラフィエルクスもアップグレードが施されるし、私たち猟兵も日々成長していく。
だから、出し惜しみはしないよ。
敵は己を捨て石だと定めている。
それは不退転の覚悟であっただろうし、また己が役割を全うせんとする気概に満ちているとも言えた。
だが、デウスエクスは永遠不滅。
猟兵やケルベロスには彼らを撃退することしかできない。
再び、この地球に『踏破王クビアラ』は襲い来るだろう。しかも、今回のデータを経て、さらなる猛威となって。
それは避けられないことだった。
『魔障』と呼ばれる特殊能力。
これによって『踏破王クビアラ』は、こちらの戦闘データを分析して配下に与えることができる。
それがどれだけ厄介なことなのかは言うまでもない。
「まだだ……まだ情報を、データを集積しなければ。この『踏破王クビアラ』を恐れぬ者はいるか!」
咆哮が轟く。
それを聞いたイクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)は、その捨て石になる覚悟のほどを理解しただろう。
「敵ながら見事ね。だけど、それは私達も同じ」
イクシアは迫る拡散光線の一撃を受け止める。
展開した『セラフィエルクス』のパーツがシールドとなって、彼女のシールドビットおを強固なものとしたのだ。
これによって撒き散らされる光線から研究所を守ったのだ。
「損害は!」
「お陰で軽微だ! まだ行けるかい?」
「もちろん……リミッター解除。決戦武装、ファイナル・モード」
拡散光線が弾かれ、周囲に爆炎を巻き上げる。
そのさなかをイクシアは駆け抜けた。
恐ろしくはない。
敵と真っ向からぶつかることに対して、恐れはない。
己は戦うために生み出された存在だ。
サイキックエナジーを噴出するスラスターと共に肉薄する。見上げるほどの巨躯。
巨大である、ということはそれだけで脅威だ。
けれど、イクシアは躊躇わない。
「あなたたちが戦いで得たデータを共有して強くなるのと同じで、決戦都市も『セラフィエルクス』もアップグレードが施される」
それに、とイクシアは展開された大型フォースブレイドを振りかぶる。
「それさえも我らは超えている! 貴様たち人類が如何に技術を高めるのだとしても!」
「兵器だけじゃあない。私たち猟兵も日々成長していく。だから、出し惜しみはしないよ」
ユーベルコードに煌めくイクシアの瞳。
振りかぶった大型フォースブレイドの一閃が『踏破王クビアラ』の体躯へと叩きつけられる。
軋むような音。
散る火花。
装甲と激突して明滅するフォースブレイドの刀身。
そして、『踏破王クビアラ』の咆哮。
「鎧装騎兵イクシア、その鋼鉄を寸断する」
振り抜いた一撃は一閃となって『踏破王クビアラ』の巨躯を覆う装甲を切り裂き、爆発の中に飲み込ませるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
マウザー・ハイネン
【トリプル】
ふむ、中々暴力的な相手ですね。
…ですがその程度で人類は踏み潰されませんよ?
完膚なきまでに凍てつかせ、叩き潰して差し上げましょう。
ウルザ、あまり前に出過ぎてはなりませんよ。見誤る事はしばしばあるのですから。
決戦配備はディフェンダー、『熾天合体』とあの青の機体に呼びかければいいんですよね。
拡散光線を見切り直撃を避けつつ距離を詰めてUC起動、槍の一撃を叩き込んで差し上げましょう。
セラフィエルクスにより守りを然程気にせず加護を砕く事に集中できる…その魔障を砕かせて頂きます。
砕いたなら追撃も通り易くなるでしょう。それに重ねてもう一度槍でコアを狙いましょうか。
※アドリブ絡み等お任せ
ウルザ・ルーナマリア
【トリプル】
うわー今回もまたデカいな!
ダモクレスってのはどいつもこいつもデカいものなのか?
今回はマウザーの姉ちゃんとヴィクトルのおっちゃんも一緒だし負ける気はしねえけどな!
頑張ってぶっ倒そうぜ!
決戦配備はスナイパーで…熾天合体!
何か叫ぶと気合が入るというかテンション上がって来るな!
拡散光線は周囲の瓦礫とかを利用して防御、途切れた瞬間にUC起動して銛の先端を敵に向けて氷の投網で動きを縛ってやるぜ!
動きが止まれば追撃とかもやり易くなるだろうし、近づく隙もできる!
水のシャチが喰らい付いてるタイミングでダッシュで近づいて巨大斧槍のバンガイア振りかぶってそのコアに叩きつけてやるぞ!
※アドリブ絡み等お任せ
ヴィクトル・サリヴァン
【トリプル】
何ともでかい相手だねえ。冗談とかも通じそうにない相手だ。
侵略者とはそうあるべきなのだろうけどこっちの技術叩き潰されたらかなわない。
ちょっとばかり気合入れて侵略者を叩き潰してやろうじゃないか。
それにしてもウルザ君、どことなーく海の仲間っぽい親近感あるねー。
決戦配備はスナイパー、熾天合体!
こういうのはノリノリで言った方が楽だよね。
UC起動して狙い定め動きが鈍ったタイミングで厄介そうなコア目掛け銛をぶん投げる!
セラフィエルクスがいい感じに軌道補正してくれるんじゃないかな。もしくは狙う時にいい感じの補助してくれるか。
当たれば後は水シャチががぶがぶしてくれる事だろう。
※アドリブ絡み等お任せ
放たれた一閃がデウスエクス『踏破王クビアラ』の巨躯を切り裂く。
装甲を寸断された体躯は、しかしそれでも未だ倒れることをしなかった。曲であるがゆえに、なのかもしれない。
其の力の脅威を示すように『踏破王クビアラ』は、その内臓兵器である拡散光線を撒き散らす。
「まだだ。まだ終わってはおらんぞ!」
「ふむ、中々暴力的な相手ですね」
マウザー・ハイネン(霧氷荊の冠・f38913)は湾岸の決戦都市を疾駆する。
巨躯である、ということはマウザーにとってはさして重要なことではなかったし、その程度で踏み潰されるつもりもないのだ。
「うわー、今回もまたデカいな!」
「冗談も通じなさそうな相手だ」
ウルザ・ルーナマリア(月に泳ぐ白き獣・f39111)とヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)もまた同様だった。
「とは言っても負ける気がしねぇけどな!」
ウルザは頼もしき仲間たちがいるからだと咆哮する。
ぶっ倒す。
そう、どんなに巨大な敵であっても倒す。
そうしなければ、ケルベロスディバイドが、地球が危機に瀕している現状を救うことができない。
「ウルザ、あまり前にですぎてはなりませんよ。見誤ることはしばしばあるのですから」
「そうだよ。ウルザ君よ。どことなーく海の仲間っぽい親近感あるんだから。やられては困るってもんだ」
その言葉にウルザは頷く。
「でもよ、テンション上がるよな! 叫ぶと元気が出るっていうか! だから! 行くぜ、熾天合体!」
ウルザは、その体躯を震わせ叫ぶ。
そう、この決戦都市には新型決戦兵器がある。
『セラフィエルクス』と呼ばれる二騎の青い自律人型戦術兵器が合体分離し、変形して此方のユーベルコードや決戦配備に相応してくれるのだ。
「させるか! そう何度も!」
拡散光線が降りしきる中、ウルザは己が手にした銛を『踏破王クビアラ』へと投げ放つ。
その一撃は装甲に阻まれて弾かれる。
が、くるりと銛が空中で一回転した瞬間、氷の網へと変貌するのだ。そして、それに合わせたのはヴィクトルだった。
「まあね、こういうのはノリノリで言った方が楽だよね。熾天合体!」
投網のように広がる氷の網。
それに重なるようにしてヴィクトルのユーベルコードが瞳に煌めく。
同じく投擲した銛。
互いに親近感を覚えたのは、得物のためもあったことだろう。
ウルザが生み出した氷の網。
これだけでは『踏破王クビアラ』の動きは止められない。
だが、彼の放った銛が空中で水で象った巨大なシャチとなって『踏破王クビアラ』の頭上から襲いかかるのだ。
「くっ……あのような一撃、容易いはずなのに、何故……動けぬ!」
そう、『セラフィエルクス』の分離したパーツが『踏破王クビアラ』の動きを制限し続けているのだ。
それ故にウルザとヴィクトルの投擲した銛の一撃を『踏破王クビアラ』は躱すこともできずに甘んじて受け入れるしかなかったのだ。
「チャンスってやつだよな! マウザーの姉ちゃん!」
「ええ……守りは気にしなくていい。なるほど、たしかに便利です」
マウザーが疾駆する。
合体、変形、そして分離。
それによって三つに分かたれたパーツがマウザーの眼前にて迫る拡散光線の悉くをシールドとして防いでいるのだ。
故にマウザーは一気に、それこそ一直線に『踏破王クビアラ』の眼前に飛び出す。
「チッ……だが!」
胸部のコアが煌めく。
しかし、そのコアには亀裂が走っていた。これまで猟兵たちが刻んできた戦いの軌跡。
その蓄積が今まさに放たれようとしていた熱線のためのエネルギーを消耗させ、タイミングがずらしたのだ。
「おっと、させやしないさ!」
ヴィクトルの声が響く。
彼が放った水で象ったシャチ。
それが『踏破王クビアラ』を飲み込んだのは、ただ攻撃するためではない。
全身を水に濡らし、ウルザのはなった氷の投網で凍結させる。
さすれば、どうなるか。
加えて、『セラフィエルクス』のサポートもある。
「駆体が、凍結する、だと……!?」
マウザーの直進は見極めやすい突進だった。
イノシシの如き直線行。
例え、どれだけ強烈な一撃であろうと躱せぬ道理もなかったのだ。
だが、ウルザとヴィクトルの連携によって『踏破王クビアラ』は凍結され、その動きの一切を封じられたのだ。
「その護りを砕きます」
マウザーが構えるは、絶対零度の冷気を纏わせた教皇の氷槍。
汎ゆる防護を貫き、砕く一撃。
即ち、大海嘯砕き(ワタツミヲクダク)である。
槍の穂先を覆うように残された『セラフィエルクス』のパーツが合体していく。
胸部コアに槍の穂先を打ち込む。
瞬間、『セラフィエルクス』のパーツがこじ開けるようにして展開し、本来の槍の穂先を杭打ちのように打ち出したのだ。
「グ、オオオオオッ!? バカな、この鉄壁の守りが、砕かれる!?」
「砕くと言いました。ウルザッ、ヴィクトル!」
その声にウルザとヴィクトルが飛ぶ。
手にした槍斧と銛。
こじ開けられて打ち込まれたコアへと叩き込まれる一撃。
それは内部にたくわえられたエネルギーに誘爆するかのように打ち込まれ、『踏破王クビアラ』の体躯を爆炎に包み込むのであった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
淳・周
【クロス】
おーでかいな!
それも真面目そうな相手で心置きなく真っ向からぶん殴れそうだ!
この地球を、都市を侵略しようとするなら悪!つまり正義のヒーローの敵って訳だ!
懐かしい顔ぶれで負ける気もしねえ、全力でぶっ潰してやるだけだ!
決戦配備はクラッシャー、熾天合体!
拡散光線を見切り躱しつつクビアラに拳が届く距離までダッシュで近づくぞ。
ハリマがいい感じに守ってくれてるから心置きなく攻撃に集中できるが、必要なら長月で障壁展開してガードするか。
向こうが体勢崩したらUC起動、皐月と月光のオーラ燃え上がらせ攻撃に集中!
最大の破壊力の一撃を向こうのコアにぶち込んでブッ飛ばしてやるぞ!
※アドリブ絡み等お任せ
セレス・ホークウィンド
【クロス】
成程、侵略者とは様々な種族がいると聞くが…これは厄介そうだ。
とはいえ対抗せねばこの都市が、そして技術が失われてしまう。
久しぶりの仲間達との戦いだが気を緩めることなく、確実に戦っていこう。
決戦配備はキャスター…成程、叫んだ方がいいと。
「熾天合体! ゴー! セラフィエルクス!!」
前には出ず後方からUC起動、極寒領域でクビアラの思考や活力を凍らせてやろう。
エネルギーを急減させられれば攻撃の手も緩めざるを得ない。そうすれば近づきやすくなるだろう。
仲間達が極寒領域の影響を受けぬようセラフィエルクスで領域の範囲を絞る事も可能だろうか。
…この技術も、人も。皆守らねば、な。
※アドリブ絡み等お任せ
饗庭・樹斉
【クロス】
巨大ロボ対巨大ロボ…の構図?
一瞬そう見えたけどセラフィエルクスってそういう風にサポートしてくれるんだね。
悪の巨大ロボ…クビアラを倒すには心強い味方、全力で戦って敵倒して博士も決戦兵器も守り抜かないとね!
四人集まって同窓会みたいな気分かも?負ける気はしないよねー。
決戦配備はクラッシャー、熾天合体で行くよー!
大剣を覆うように、より巨大な刀身を形作る感じの合体になるのかな?
前に出てくれてるハリマ先輩の後ろから拡散光線を呪歌で結界を作り減衰させつつクビアラに迫る。
十分近づいて向こうが体勢崩したらUC起動し跳躍、コア目掛けて天雲を振り下ろし一気に大打撃狙ってみるよ!
※アドリブ絡み等お任せ
押出・ハリマ
【クロス】
巨大ロボ…灼滅者よりも戦う相手が幅広いっすね…
でも戦える事には間違いない、ならば日ごろの鍛錬の成果をぶつけるだけっす!
それにしてもこの四人で戦うのは久しぶり、でも相変わらず心強いっすね!
決戦配備はディフェンダー、熾天合体!
昔から戦いでは守りを担当すること多かったけどこんなサポートがあるなんて…有り難い!
拡散光線を宿儺で防ぎつつ前へ前へ迫り間合いに捉えたらUC起動。
三倍位に強化した張り手の一撃をクビアラの足元に叩き込み体勢崩してやるっす。
とにかく前へ、後ろに攻撃を通さないのがディフェンダーの役割。
畳みかけるのは頼れる仲間に任せてやるべき事に専念するのみ!
※アドリブ絡み等お任せ
凄まじい爆炎が立ち上る。
戦場となった湾岸の決戦都市に火柱のような強烈な爆発が巻き起こり、その中心には鋼鉄の巨躯を持つデウスエクス『踏破王クビアラ』の姿があった。
これだけの熱量の中心にあって、なおその威容が陰るところはなかった。
強靭なる装甲。
そのいずれもがひしゃげ、剥がれ落ちていてなお、である。
脅威と言う他ない。
王の名を頂くだけはあるのだと猟兵たちは理解しただろう。
「成程、侵略者とは様々な種族がいると聞くが……これは厄介そうだ」
セレス・ホークウィンド(白楽天・f44144)は、その猛禽の眼でもって威容を見やる。しかし、そこに恐れはない。
在ったのは戦いに赴く者の意思だけだった。
「おーでかいな! それも真面目そうな相手だ。心置きなく真っ向からぶん殴れるってものだ!」
「巨大ロボ……灼滅者よりも戦う相手が幅広いっすね……」
淳・周(赤き暴風・f44008)の言葉に押出・ハリマ(気は優しくて力持ち・f44111)は、なんと言えない気持ちになったかも知れない。
彼らがこれまで戦ってきたダークネスもまた多くの種族がいた。
セレスの語る通り、様々な、というに相応しい者たちばかりであった。
が、あの『踏破王クビアラ』のような存在は多くはなかったように思える。
だが、ハリマは言いようのない気持ちを押しのけるようにして久方ぶりに共に戦う仲間たちを認めて、戦意が漲るようであった。
一言で言えば、心強い。
「これって巨大ロボ対巨大ロボ……の構図?」
饗庭・樹斉(沈黙の黄雪晃・f44066)は、一瞬見えた、この湾岸の決戦都市の新型決戦兵器『セラフィエルクス』の姿を認めて首を傾げた。
「どうやらサポートしてくれるんだね」
「そういうことだ。地球を、都市を侵略しようとするなら悪! つまり正義のヒーロの敵ってわけだ!」
周の言葉にセレスたちは、いや言い換える必要があったか……? と思ったが敢えて言うことはない。
何故なら、それも含めて彼女のたくましい所であり、頼もしいところでもあったからだ。
「さ、行こうぜ。懐かしい顔ぶれで負ける気もしねぇし、全力でぶっ潰してやろうって気持ちが溢れちまう!」
周の言葉に三人は頷く。
この決戦都市を護るため。弛みない研究と人々の歩みを護るため。
まるで同窓会のような空気に気を緩めることなく四人は、同時に叫ぶ。
そう、この決戦都市の新型決戦兵器のコールサイン――。
「決戦配備要請!」
「クラッシャー!」
「キャスタ……」
「ディフェンダーっす!」
「熾天合体!!!」
その言葉に呼応するように青新型決戦兵器のアイセンサーが煌めく。
同時にセレスは理解しただろう。こういう時は叫んだ方がいい、と。
「ゴー!」
そして、彼らは叫ぶ。
声高々に、その名を!
「『セラフィエルクス』!!」
瞬間、駆体が四分割され、それぞれに飛ぶ。
「……この技術も、人も。皆護らねば、な」
だからこそ、セレスのユーベルコードが『セラフィエルクス』の分割したパーツと共に『踏破王クビアラ』を取り囲む。
「……ッ! これは!」
「風花に眠れ(ダイヤモンドダスト)……この極寒領域は、『踏破王クビアラ』、お前だけに注ぐ。なるほど、確かにこの『セラフィエルクス』は便利だというほかない。指定した地点の冷気をお前にだけ集約するように取り囲んでいる。これならば、仲間たちに影響を及ぼすことはない」
「くっ……我がグラビティ・チェインが枯渇していく、だと……!? まだ充分にたくわえていたはずだ、なのに、それが!」
そう、他の猟兵もまた生存エネルギーであるグラビティ・チェインを奪っていた。
加えてセレスのユーベルコードによって『踏破王クビアラ』は体内にたくわえていたエネルギーを不活性化され、出力が落ちているのだ。
「はっ! お得意の光線はもう撃てねぇってか! なら!」
周が踏み込む。
だが、『踏破王クビアラ』は、その巨腕を振るう。未だ己が倒れていないということを知らしめるように、その一撃を彼女に叩きつけんとするのだ。
「させないっす!」
ハリマが周に振り下ろされた拳を受け止める。
ただで済むはずがない。
腕はひしゃげ、骨は砕ける一撃だった。だが、そうはならなかったのだ。
何故なら、彼の腕部に装着された『セラフィエルクス』のパーツが盾として形成され彼を守っていたからだ。
「何……!?」
「……こんなサポートがあるなんて……有り難い!」
すり足。
体勢を低くしたハリマは巨体を物ともせずに気合の張り手(オオヅツ)を放つ。
さらに『セラフィエルクス』のパーツが手甲のように彼の張り手を覆う。
強烈なてっぽうの一撃は『踏破王クビアラ』の巨躯を容易く吹き飛ばす。
距離が拓いた瞬間、周と樹斉が飛び込む。
これだけ体勢を崩しているのならば、攻撃の心配はいらない。
「助かったぜ、ハリマ!」
「オレがいる限り、仲間への攻撃は通させないっす。それがディフェンダーの役割っす! なら!」
「だよね! クラッシャーの役目は!」
「ああ、敵をぶっ飛ばすことだぁっ!!」
二人の瞳がユーベルコードに輝く。
ハリマは見ただろう。
己が守った仲間たちが、己の切り拓いた道を征く。
その頼もしさは、いつまでたっても変わらないものだ。己がやるべきことに専念できているのは、いつだって彼らがいてくれるからだ。
頼もしき仲間。
彼らを守って見送る。
「そうだ。そのとおりだ。だから、私達は戦える。共に歩むことが出来る」
セレスの言葉と共に風が吹いた。
「さあ、響かせるよ!」
樹斉のの振りかぶった大剣が『セラフィエルクス』の青いパーツを纏うことで巨大な刀身へと変貌する。
狙うは、ひび割れたコア。
あのコアが攻撃の起点担っていることは言うまでもない。だからこそ、此処で潰す。
仲間をもう撃たせぬために。
振り下ろした渾身の一撃は天雲墜とし(アマグモオトシ)。
刀身に纏ったパーツが変形し、それはまるで鉄槌のように叩きつけられる。
「ぐ、おおおっ!? バカな、ここまで私がっ、追い詰められる!? これが、新型決戦兵器の、力だとでも!」
「いいや、そんなんじゃあないよ。それもあるかもしれないけれど……此れを作った人は、わかっていたんだよ、きっと」
樹斉は振り抜いた大剣の形を見やる。
猟兵たちと合体した新型決戦兵器『セラフィエルクス』はいずれも同じ形にならなかった。
自分達の能力やポジション。
そうしたものに具に対応していた。
「戦うのはいつだって人だって。だっから、此れだけの力では倒せなかったはずさ。だから!」
「ああ、結局、新型決戦兵器だって道具だ。それを使う人間がいなけりゃ、ただの鉄くずだろうさ!」
周が踏み込む。
セレスが追い込み、ハリマが守り、樹斉が崩した体勢。
その巨躯に飛び込み、周は己がユーベルコードの輝きを宿す無尽業炎(リミットレスヒート)たる一撃を握りしめた。
彼女の肘に装着された『セラフィエルクス』のパーツが噴射光を解き放ち、彼女の体躯を加速させる。
回転し、炎の竜巻の様相となりながら周の拳がコアへと叩き込まれる。
「これが! 人類の弛みない歩みの結晶ってやつだ!!」
振り抜いた拳が『踏破王クビアラ』のコアを打ち砕き、その巨躯を吹き飛ばす。
四人は炎の中に立つ。
これまでの戦いの軌跡が、彼らをここに呼んだように。
これから起こりえる戦いの中にあっても、共に立つことができるのだと知らしめるように。
突き上げた拳は、永遠不滅さえも打ち砕くのだとデウスエクス座す宇宙へと向けられていた――。
大成功
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雨河・知香
引き続きソニア(f40904)と。
踏破王…本当に厄介な相手だよ。
だからと言って好き勝手させる道理なんてないけどさ。
守り切る為にもうひと踏ん張り、頑張るよ!
決戦配備はディフェンダー。
熾天合体! ゴー! セラフィエルクス!!
…テンション上がってればそう気にならなくなるね!
UC起動して浮かべた銀の満月の生命力賦活を利用して踏破王に接近戦仕掛け足止め。
セラフィエルクスの守りである程度は耐えられるだろうが直撃は避けたい。ボクシングのステップで左右に揺さぶって躱しながらアタシの方に気を惹きつけてやるよ。
…時間稼ぎできればソニアの方の切札も準備出来てるだろう。
さあ、ブッ飛ばしちまいな!
※アドリブ絡み等お任せ
ソニア・コーンフィールド
引き続き知香ちゃん(f40900)と!
でっかーい!これは切札取っといてよかったかも!
うん、エイル博士守るためにもういっちょガンバロー!
決戦配備はクラッシャーで!
知香ちゃんが時間稼いでる間に十分な広さがあっていい感じに取っ掛かりある場所へ移動。
準備出来たらプラクト規格の熾天怪獣王取り出してガジェット構えてUC起動!
切札のキャバリアの熾天怪獣王召喚、重ねて『熾天合体! ゴー! セラフィエルクス!!』
さー踏破と蹂躙、どっちが上か勝負!
操作感覚は練習したのと同じ感覚でやれるから、上手く地形に翼引っ掛けて加速!
拡散光線を振り切るように弧を描く軌道で踏破王に体当たり喰らわせるよ!
※アドリブ絡み等お任せ
叩き伏せられた体躯。
その巨躯はもう立ち上がることはない――はずだった。
「否、否、否ッ! 我が名は『踏破王クビアラ』ッ! 踏破せず倒れるなどありえぬっ!」
鋼鉄の巨躯が炎の中に立ち上がる。
胸部のコアを砕かれ、装甲のいずれもをひしゃげさせてなお、その巨躯は立ち上がっていた。
未だ己は不滅というように彼は立ち上がっていたのだ。
「踏破王……本当に厄介な相手だよ」
雨河・知香(白熊ウィッチドクター・f40900)は呻く。
だが、彼女の瞳に戦意は消えていなかった。
何故なら、彼女の隣にはソニア・コーンフィールド(西へ東へ・f40904)がいるからだ。
「だいじょうぶ! だって、まだこっちには切り札があるんだから!」
「……そうさね。好き勝手にさせる道理なんてない。守り切るためにもう一踏ん張り、頑張るよ!」
「うん、『エイル』博士を守るためにもういっちょガンバロー!」
ソニアの瞳が輝く。
同時に知香は叫ぶのだ。ちょっと気後れもしたが、もうテンションが上がっていたら、恥ずかしいだとかなんだとかそういうのは関係なくなっていた。
「決戦配備、ディフェンダー要請……熾天合体! ゴー! セラフィエルクス!!」
コールサインと共に分かたれていたパーツが再度合体し、今一度分離を果たす。
「さあ気合い入れていくよ!」
空に輝く活力の銀光(ルナティックハイ)が知香に降り注ぎ、分かたれた『セラフィエルクス』のパーツが彼女の腕へとまとわれていく。
それはまるで手甲だった。
青い鋼鉄を打ち鳴らして知香はガードを固め、砲弾のように『踏破王クビアラ』へと飛び込む。
「真正面から来るか!」
だが、光線は放たれない。
すでにコアを破壊されているからだ。だが、それでも無理矢理に出力した光線が拡散し、知香を打ち据える。
「無駄!」
『セラフィエルクス』のパーツもあるのだ。
鉄壁とまではいかないが、コアを失い出力の不十分な光線ならば、これで充分だった。
左右のステップ。
揺さぶるような挙動。
そして、弾丸のように一気に踏み込む体躯。
互いに一歩も譲らぬ攻防であった。
「決め手に欠けるな、猟兵! それではなぁ!!」
振り下ろされる巨腕。
その一撃をガードしながら、軋む骨身の痛みを噛み殺し知香は叫ぶ。
「ソニア!!」
その言葉にソニアの瞳がユーベルコードに煌めく。
「ありがとう、知香ちゃん! コール! 熾天怪獣王!」
瞬間、彼女が掲げていたプラスチックホビー『熾天怪獣王』がユーベルコードの輝きを宿す。
それは『踏破王クビアラ』からすれば奇異なる光景であったことだろう。
見たところガジェットのようであるが、ただの玩具にしか思えなかった。
それで何ができるというのだ。
「熾天合体! ゴー! セラフィエルクス!!」
だが、そのユーベルコードの輝きに『セラフィエルクス』は呼応していた。
残されたパーツが彼女の掲げた『熾天怪獣王』を包み込み、巨大な怪獣王の姿へと変貌を遂げるのだ。
そして、ソニアはその場でクラウチングスタートのような体勢を取る。
すると『熾天怪獣王』もまた同じ動きを取るのだ。
変形させた翼が地面に突き立てられる。
「何を……」
「問答はいらないよ! 踏破と蹂躙、どっちが上か勝負!」
ソニアは何度も練習した感覚を思い出す。
加速と地面の感触。
いずれもが彼女の体に刻み込まれている。
放たれる拡散光線なんてかんけいない。振り切るように『熾天怪獣王』が飛ぶ。
弧を描く軌跡でもって『熾天怪獣王』は加速し、『踏破王クビアラ』へと砲弾のように飛び込む。
その一撃は、熾天怪獣王の蹂躙!(クロッシング・チャージ)そのものであった。
体当たりの一撃は砲弾。
そして、これまで刻み込まれてきた猟兵たちの攻撃の跡に『熾天怪獣王』は飛び込む。。
「ブッ飛ばしちまいな!」
「バカな……何故、こうも質量がある……これが、ユーベルコードなのか!? こんな、こんな……!」
「これが『熾天怪獣王』の! 力だー!」
ソニアの咆哮と共に『熾天怪獣王』は『踏破王クビアラ』の体躯を叩き伏せ、大地へと叩き込む。
砕けたコアの先、そのさらに奥底にあるであろう魂を砕くかのような一撃がついに『踏破王クビアラ』の五体を粉砕し、戦いの終焉を示すように爆炎を立ち上らせるのであった――。
大成功
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