ダーティ・ゲイズコレクターは聖夜に企てる
ダーティ・ゲイズコレクター
下記の内容でクリスマスノベルの作成をお願いします!アレンジ・改変、問題ありません!大歓迎です!
●シチュエーション
デビルキングワールドに住む幼馴染「エクサイト」のお店を手伝い、業務が終わったところでクリスマスパーティを開こうと誘われたダーティ。
その時なぜかにやりと何かを企んだ顔を一瞬見せたのを「エクサイト」は不思議に思ったが、いったんスルーしてパーティの買い出しに一緒に出掛ける。
パーティが始まり、最初の乾杯を交わしたところで、またもや不敵な笑みを見せたダーティ。今度はそれを指摘すると、プレゼントを用意していたことを話す。
去年は忘れてしまった反省を踏まえ、入念な下調べを行い「エクサイト」に最適なクリスマスプレゼントを用意できたと自負し、それを披露したダーティに対し
プレゼントのためにそこまで頑張ってくれたダーティの想いに感動した「エクサイト」は思わずダーティを抱きしめ、感謝の言葉を繰り返す。
突然の事態にびっくりしつつもサプライズが成功したことに喜ぶダーティだった。
●プレイング
お疲れさまでした、エクサイトちゃん! お手伝いに来るたびにお客様が増えている気がしますが、お一人で大丈夫なんですか?
おぉ、なんとまだ余裕たっぷりとは……さすがです! エクサイトちゃん!
クリスマスパーティ……(にやりと不敵な笑みを一瞬見せる)いいですね! やりましょう!
ケーキは……もう準備できているんですね! 素晴らしい! では後はパーティのためのご馳走を買い出しに行きましょう!
では改めまして、メリークリスマス! んふー、労働の後の乾杯は五臓六腑に染み渡りますね~
おっと、忘れるところでした(不敵な笑みをまた見せたので指摘されると指でにやけ顔を戻しながら)ん~どうも私は顔に出ちゃうのがワルい癖
実はプレゼント用意してるんです! 去年は忘れてましたからね! 今年はばっちり用意しましたよ!
エクサイトちゃんが喜ぶのはどんなものか、たっぷり考えまして! 今年お手伝いしながら、この『ダーティ・アイ』でしっかりばっちり調査した結果
エクサイトちゃんのお仕事は立ち仕事ということもあり、足回りに疲労がたまっていると言う情報を手に入れることができました!
なのでプレゼントは、この着圧ソックス! これはキング屋デパートのみならずネットでも調査し、最良のものを選びに選び抜いた逸品です!
きっとエクサイトちゃんも喜んでいただけると思い……おわーっ! え、エクサイトちゃん!? 急に抱き着いてどうされました!?
おぉ……そこまで喜んでいただけるとは……1年かけたサプライズは成功した、ということですね!
●クリスマスパーティ
「お疲れ様でした!『エクサイト』ちゃん! お手伝いに来る度に、お客様が増えている気がしますが、お一人で大丈夫なんですか?」
幼馴染であり仕立て屋『エクサイト・テーラー』の主人でもある『エクサイト』に、ダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)は年末に差し掛かる繁忙期のお店の中を片付けながら首をかしげていた。
今日も彼女の手伝いにダーティはやってっきていた。
以前のように一人で無理をして体調を崩すのではないかと案じてのことだった。
「ダーティちゃんもお手伝いしてくれたし~余裕のよっちゃんだよ~」
「おぉ、なんとまだ余裕たっぷりとは……流石です!『エクサイト』ちゃん!」
「えへへ~」
あれ以来、『エクサイト』も体調管理には気を配っているらしい。
とは言え、どうしても年末の繁忙期。
そこで見かねたダーティが手伝いにやってきたのも彼女は強く拒まなかった。むしろ、ありがとうとニッコリ笑って受け入れるだけの度量が生まれていたとも言える。
誰かに頼ることを覚えた『エクサイト』は、さらに仕立ての腕を上げ、効率化し、多くの悪魔たちにデビルキングワールド最新の流行を取り入れたファッションを提供し続けているのだ。
「あ、そうだ~ダーティちゃん、クリスマスパーティしない~?」
それはなんと喜ばしい響きだろうか。
雪降る聖夜でなくてもどこか浮足立ってしまうような音の響きがあった。
「クリスマスパーティ……」
「そうなの~ダーティちゃん、どうかな~って思って~」
『エクサイト』が、そう言った時、ダーティは極悪な笑みを一瞬だけ浮かべた。
割りとのんびり屋なところがある『エクサイト』は見逃したかもしれない。
だが、ダーティのこととなれば話は別である。
彼女はしっかりとダーティの悪そうな、にやり……と笑った顔を見ていたのだ。
慌てて、その後指でつり上がった口角を戻しているところもバッチリ見ていた。
が、一端スルーした。
敢えて何も言わないのも幼馴染みである。
つうことだ、と言えば、そういうことかぁ。
これで通じるのだから、二人の間柄が幼馴染であっても特別なものであるところがわかるだろう。
「それはいいですね! やりましょう!」
とは言え、ダーティはごまかせたと思っているのだろう。
むにむにと自分の口の端を指でマッサージしながら、善は急げと言わんばかりに腕まくりをしている。
パーティの準備だとは思うのだが、腕まくりする要素あったかな~と『エクサイト』は思ったが、スルーした。
「それでは『キング屋』にケーキを……いえ、この時期ですし、もうケーキは完売御礼状態でしょうか?」
「ううん~ケーキはね~ダーティちゃんがそう言ってくれると思って、準備出来ているんだよね~」
「なんと! もう準備してあるとは! 素晴らしい! ですが、『エクサイト』ちゃん! クリスマスパーティにケーキは欠かせぬものですが、他にもごちそうというものが必要だとは思いませんか! 思いますよね! 思ってください!」
ダーティは『エクサイト』の肩を掴んで揺さぶる。
がくんがくんと『エクサイト』の体が前後に揺れる。
頭がゆらゆら揺れながら『エクサイト』は頷く。
「うん~そう思う~けど~揺らすのやめて~」
「おっと、すいません! では行きましょう! チキンにターキーにデビタッキー!」
「全部同じ~」
「そうでした! ですが、多くて困るものでもないでしょう!」
そうかな~と『エクサイト』は首を傾げるが、ダーティが嬉しそうにしているから、まあいいか、という気持ちになってしまう。
ダーティも大概であるが、『エクサイト』もダーティが絡むと大雑把になるところがあるようだった。
彼女と共に店じまいを終えたダーティはデビルキングワールドの聖夜へと繰り出す。
どこもかしこもイルミネーションが飾られて明滅している。
夜だと言うのに商店街はずっと昼間のような明るさであった。
「私が思うにですね、イルミネーションってとってもワルだと思うんです」
「え~なんで~?」
「だって、夜はお休みする時間じゃあないですか」
「でも、明かりがあるから頼まれたお仕事もできるわけだし~」
「でも、考えてみてください。明るいと眠れませんよね? 安眠妨害というワル……そうは思いませんか?」
ピシャーンと『エクサイト』に電流が走る。
「た、確かに~」
「しかもですよ。良い子は早寝早起きといいます。ですが、ワルならば、夜更かしに、深夜に油物にインスタントラーメン……これくらいはやらねばなりません」
「ご、極ワル~……!」
「となれば、このイルミネーションは、安眠妨害しつつ、深夜の間食という大罪を冒すことのできるシチュエーションではないでしょうか……!」
「つ、つまり~?」
「はい、これから私達がやるのは、極ワルなクリスマスパーティなんですよ! なので、この揚げ物お惣菜のオードブルを購入しても、なんら問題ないってことです!」
「じゃ、じゃあ、このボトルのちょっとよいデビルゴールド賞受賞したワインを買っても~……?」
「最高にクールです!」
二人は、商店街のあちこちを寄り道しながら、買い物袋をパンパンにしながら『エクサイト・テーラー』へと戻る。
その頃にはもう、両腕の指がちぎれんばかりの食べ物をご機嫌に買い込んでしまっていた。
「か、買いすぎましたね……! ですが、これもワル!」
「うん~……散財っていうワル、いいよね~」
二人は互いに笑いながら、部屋のテーブルに買い込んだごちそうを並べていく。
ずっとニコニコしていた。
だって、他愛のないことかもしれないけれど、買い物をしていた道中もクリスマスパーティなのだ。
楽しくって仕方なかった。
ワクワクが止まらなかったし、普段ならば買わないようなものまで買い込んでしまった。
「わあ~……なんだかすごいことになっちゃた~」
「ですね! ですが、パーティはこれからですよ! メリークリスマス!」
互いにグラスを手にとって、音を鳴らして乾杯する。
くいっとワインを流し込めば、食道を通った神の血ならぬ葡萄の恵みが臓腑に染み渡っていくのだ。
「んふー、労働の後の乾杯は五臓六腑に染み渡りますね~」
「ね~美味しいし、やっぱりデビルゴールド賞受賞は伊達じゃないね~」
「改めて、メリークリスマス!」
「二回目~でも、何度でもメリークリスマスしちゃう~」
お互いにご機嫌であった。
だって、二人で過ごすクリスマスパーティである。好きなものを買って、並べて、食べて、呑んで。
楽しくないわけがない。
「おっと、忘れるところでした」
にやり。
ダーティはまた不敵な笑みを浮かべていた。
口角を釣り上げ、目元が薄暗くなる笑み。
ダークな笑顔と言えばいいのだろうか。再びのニヤリ……とした顔に『エクサイト』も今度はスルーしなかった。
「ダーティちゃん~ワルい顔してる~」
「ん~どうも私は顔にでちゃうのがワルい癖」
ぐにぐにとニヤケ顔を戻しながらダーティは、うぉっほんと咳払いをする。
ちょっと今のワルの幹部っぽくてよくありませんでした!? とダーティは言いたかったが、ぐっと堪えた。
我慢。
そう、我慢である。
ここまでなんとか誤魔化しきってきたのだ。誤魔化しきれてなかったけど。
「実は! プレゼント用意してるんです! 去年は忘れてましたからね! 今年はバッチリ用意しましたよ!」
「え~!? そうなの?」
「ふふん。不肖、このダーティ・ゲイズコレクター、凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ですが『エクサイト』ちゃんに最高のプレゼントを用意するために、たっぷり考えました! 喜ぶのはどんなものだろうって、リサーチに余念がありませんでした!」
そう、『ダーティ・アイ』は、しっかりばっちり『エクサイト』が喜ぶものを調べ尽くしていたのだ。
「『エクサイト』ちゃんは、いつも立ち仕事です。どうお休みしたって、足回りの疲労は簡単には癒せません! 私の『ダーティ・アイ』は、そこんところ、ばっちりお見通しでした! なのでプレゼントは!」
ダララララララ。
ダーティは自分の口で巻き舌を作ってドラムロールを演出していた。
ワインの酔いが回るの早くない?
「この! 着圧ソックス~!」
てれれれん。
そんなサウンドエフェクトが聞こえてきそうな声と共にダーティはクリスマスラッピングされた包を『エクサイト』に手渡す。。
「これは『キング屋』デパートのみならずネットでも調査し、口コミを虱潰しにしてきたものです! その中でも最良のものを選びに選び抜いた一品です! これで足のむくみともおさらばです! きっと『エクサイト』ちゃんも喜んでいただけると思い……おわーっ!?」
ちら、と『エクサイト』の様子をダーティは見ようと思って視線を向けた瞬間、彼女が勢いよく抱きついて来たのだ。
「え、『エクサイト』ちゃん!?」
「ありがとう~! ありがとう~! うれしいよぉ~! 足、いたいなぁって思ってたんだよね~誰にも言ってなかったのに~ダーティちゃんが~見ててくれたんだって思ったら、わたし~!」
涙が滂沱のようにこぼれていた。
きっと彼女もワインの酔いが回っていたのかも知れない。
けれど、感動は本物だ。
ダーティの気遣いが、忙しくて凝り固まっていた彼女の澱を溶かして流してしまったのだ。
であれば、その感情をせき止めるものはない。
力強く抱きしめる『エクサイト』にダーティは笑む。
だって、サプライズプレゼントが成功したのだ。
「おぉ……そこまで喜んでいただけるとは……一年かけたサプライズは成功した、ということですね!」
「ダーティちゃぁぁぁぁん~」
「ふふ、メリークリスマスですよ」
「うわぁん、三回目~」
おいおいと泣く『エクサイト』の頭を撫でて、ダーティは最高の聖夜になったと笑むのだった――。
成功
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