●
「肥沃な土地」という言葉が、はたしてクロムキャバリアには存在するのだろうか。
広い平原の地味は豊かで、この地で農業がおこなわれていれば、ここは間違いなく、多くの人の腹を満たす大農産地となっていたであろう。
クロムキャバリアの一地方、比較的温暖な平原地帯の話である。平原各地に存在するプラントを巡って、その地は、今も激しい戦乱の中にあった。
各都市同士の小競り合いは止むことなく、プラントを巡る大規模な戦闘もまれではない。「常在戦場」と言えば格好良いが、要は「乱世」である。
誰もが誰かの敵であった。
そのような人々の中で、ある教えがはびこりだした。
「破滅は近い」
「従うものには救いを」
よくあるカルト教団の終末思想だ。だが、彼らは続けてこう言うのだ。
「『|殲禍炎剣《ホーリー・グレイル》の代行者』の御心のままに」
●
「こーんにーちわー! みんなには、クロムキャバリアに行ってもらうよー!」
底抜けに明るい声で、グァンデ・アォ(敖 広徳・f10200)はそう言った。
クロムキャバリアの平原地帯において、謎のカルト教団が勢力を伸ばしているのだという。
「殲禍炎剣の代行者」。教祖がそう呼ぶオブリビオンマシンを破壊するため、当地に潜入して戦ってほしいというのが、今回のグァンデからの依頼だ。
「たしか、この前も倒したよね、こういうの」
「殲禍炎剣の代行者」……かつての戦争にて、同じ威名を名乗るオブリビオンが居た。だが、何らかの関係があるのかは、まったくもって不明だ。
ただ最近、その名を名乗るオブリビオンマシンがクロムキャバリアの各地で確認されているのも事実ではある。
とはいえ、そのことよりも当面の問題となるのは、いかにしてその地に潜入するかという事だ。
その平原地帯では、かねてより戦乱が続いており、各都市国家はスパイを恐れ、よそ者の入国に大変厳しい態度をとっている。
当地には、他国からの襲撃に備えて、常に警備ドローンや物見やぐらでの非常線が敷かれており、これらを越えて潜入する必要がある。
これを突破してしまえば、カルト教団のアジトまでは、特に障害となるものはない。
ただ、教団アジト周辺は、教団員の乗ったキャバリアが警護している。それらを撃破して、教祖の乗る「殲禍炎剣の代行者」を引きずり出して撃破することまでが、今回の依頼内容だ。
さらに付け加えれば、教祖が「殲禍炎剣の代行者」と呼ぶそのオブリビオンマシンは、高速飛翔体を無差別砲撃する暴走衛星「殲禍炎剣」に酷似した「高速飛翔体への無差別砲撃機能」を持ち、それでいて自身はなぜか本物の「殲禍炎剣」の影響を受けることなく高速飛翔を行うことができるのだという。
オブリビオンマシンと対峙する時には、この攻撃への対処があれば戦いやすいだろう。
「というわけで、みんなよろしくー!」
底抜けに能天気な声で、グァンデは猟兵たちを送り出した。
工藤修理光
クロムキャバリア2本目、頑張ります。
このシナリオは3章立てです。
●第1章
「冒険」フラグメントです。強引にでも良いので、国境線を突破しましょう。
●第2章
「集団戦」フラグメントです。群れ成す敵キャバリアを蹴散らしてしまいましょう。
●第3章
「ボス戦」フラグメントです。「高速飛翔体への無差別砲撃機能」に対処するとプレイングボーナスが有ります。
それでは、皆様の熱いプレイング、お待ちしております!
第1章 冒険
『国境を越えて潜入せよ!』
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POW : 強引に国境を突破する
SPD : 警備の薄い場所から潜入する
WIZ : 商人や傭兵に化けて入国する
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🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シュドール・レッドジルコン(サポート)
むー?……ん!
『名前は『シュドール・レッドジルコン』。呼びにくかったら『シューコ』と呼んでくれても良い。』
『好物はブッシュ・ド・ノエル。』
『髪の毛武器を長柄の斧として扱う事が主。身体能力は、こう見えて素早い方。』
『シューコの目に入った人物は何だかやる気が上がる。故にいつも誰かを見つめている。面白いから。』
(↑と言う内容の、いくつかの文章をカンペに書いている)
〇超絶無口なので、普段は『ん』か『む』以外の単語を言いません。
〇ユーベルコードは何を使っても構いません。(18禁でない且つ)彼女の個性(設定)を活かしてくれると大歓迎です。よろしくお願いします。
ミーガン・クイン(サポート)
はぁい♪
サキュバスの魔女、ミーガン・クインよ。
私のユーベルコードの拡大魔法や縮小魔法、
アイテムの巨大化薬や縮小薬で色んなものを大きくしたり小さくしたり。
きっと楽しいことが出来るわね♪
サポートに不思議な魔法の力はいかがかしらぁ?
私のことを好きに使ってみてね♡
●
「ふぅん、思った以上に物々しいのね。さて……」
ミーガン・クイン(規格外の魔女・f36759)が、艶やかな唇に手を当て、その地を眺めていた。悩んでいる、というより面白がっているような表情だ。
彼女が見ていたのは、厳重に引かれた非常線の様子。蟻の入る隙間もないほどに厳格な警備体制が、猟兵たちの侵入を阻んでいた。
「やっぱり、小さくなって潜入するのが一番かしら」
とミーガンはさらに考えを巡らせる。だが、小さくなれば、その分だけ相対的に距離は長くなる。長い道のりをえんえんと歩かされる、などというのはミーガンにとっても御免こうむりたい話だった。
「ん」
そのミーガンの服を引っ張るものがいた。ツインテールの少女だ。大きな赤い瞳で、じっとミーガンを見つめている。
その少女、シュドール・レッドジルコン(じっと見つめる・f45059)が、一方を指さしていることに気づいたミーガンが、そちらのほうに目をやる。
シュドールが指さしたその先には、警備用のドローンが、ふわふわと浮かびながら付近を周回していた。
●
ひゅっ、とん、ひゅっ、とん、と小気味よく音を立てて、シュドールが蹴りを放ち、三日月形の衝撃波で階段をつくってゆく。
先だって進むシュドールが、ユーベルコードで階段をつくり、その後ろをミーガンがついてゆくかたちで、二人は虚空を上へ上へと昇っていた。
「縮小してなければ、たかだか1メートル程度なのよね。結局、歩くことになっちゃった」
二人の立てた作戦は、簡潔に言うとこうだ。「ミーガンの縮小魔法で小さくなって、ドローンの上に乗って移動しよう」。
ただ、小さくなっただけでは、ドローンの上に乗る手立てがない。そこでシュドールのユーベルコード、クレセント・スラッシャーの出番というわけだ。
「ありがとね♡ あなたのおかげで助かったわ」
ミーガンがシュドールに感謝を述べる。シュドールは休みなく蹴りを放ちつつ、「ん」、とだけ返した。
そんなやり取りをしながら、しばらくの時間が過ぎ、やがて二人は目論見通り、ドローンの上へと到達した。
人間の歩哨に交代があるように、ドローンも時々充電に戻る必要がある。
ふわふわと非常線の奥へと帰ってゆくドローンの上で、二人はひと時の休息をとることとした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
政木・朱鞠(サポート)
とりあえず、感覚共有した『忍法・繰り飯綱』を放ち【追跡】や【情報収集】で周囲を探って敵の分布や地形の情報を把握しておきたいね。
邪魔をする敵が湧くのなら、武器は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使い【傷口をえぐる】でダメージを与えたいね。
アドリブも連携もOK
ティモシー・レンツ(サポート)
基本は『ポンコツ占い師』または『本体を偽るヤドリガミ』です。
カミヤドリも魔法のカードも、「Lv依存の枚数」でしか出ません。(基本的に数え間違えて、実際より少なく宣言します)
戦闘についてはそれなりですが、戦闘以外は若干ポンコツ風味です。(本体はLv組で出せない、UCの枚数宣言や集団戦は数え間違える、UCを使わない占いは言わずもがな)
探しものは疑似妖精(UC使用時)か占い(外れる)で頑張りますが、多くの場合は有効活用を思いつけずにマンパワーで探します。
猟兵としての体力は、可もなく不可もなく。
「本体が無事なら再生する」性質を忘れがちのため、普通の人と同じように危険は避けます。
●
「我が魂魄の欠片よ目覚め…力を行使し見聞きせよ…急急如律令」
政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)が印を結び、呪を唱える。すると彼女の前の空間に、もやもやとした霧のようなものが集まりだした。
やがてそれは一か所に凝って一つのかたちをとる。一匹の子狐が、そこに現れた。こうこうと鳴いて、一目散に駆け去ってゆく。
「さて、今から調べて回るけど……何か注意したほうがいい事ってあるかな?」
朱鞠が傍らの青年に向かって意見を求めた。先ほどの子狐は、朱鞠がはなった分霊だ。その目を通じて、朱鞠は周囲の様子を探ろうとしていた。
「ええと……今日のラッキーカラーは……間違えた、僕のラッキーアイテムは、サイコロ!」
水晶玉を片手にカードをめくりながら、ティモシー・レンツ(ヤドリガミのポンコツ占い師・f15854)が、朱鞠の言葉にそう返した。いや、これを「返した」というべきか。ちぐはぐな受け答えだ。
朱鞠もそう思ったか、胡乱げな表情をティモシーに向ける。その表情に、あわててティモシーが言いつくろう。
「あ、いや、これ僕のユーベルコードです。ですから、この辺りのどこかにサイコロが召喚されてます。それを探してくれれば……」
ティモシーの言葉に、何か釈然としないまま、朱鞠は分霊を走らせ、各所を偵察した。
●
「確かに、サイコロは見つけたけれど……」
朱鞠が声を潜め、ティモシーにこれからどうすれば、と問う。二人は、兵の詰め所の近くで、物陰に隠れていた。
ティモシーの託宣どおりに、朱鞠はそのユーベルコードでサイコロを探し、見つけた場所がこの詰め所であった。
詰め所の前は、内部に通じるゲートとなっており、立哨の兵が立っている。ドローンなどの監視機器があると言っても、やはり人の目での監視は欠かせない。この非常線においても、それは同様だった。
この立哨の目をかいくぐらないと、このゲートは通れない。そこにつまづいて、二人の潜入が今、中断している。
「サイコロ自体は、あの詰所の中に有るんですよね? それをどうにかすれば道が開けるハズ……ええと、ごめんなさい」
「どうにか」の方法が思いつかなかったのであろう。しょんぼりしながら、ティモシーが朱鞠に謝った。
「ま、まあ、最悪全員ぶっ飛ばして突破するという手も……あら?」
苦笑いしながら、気落ちしたティモシーを労わっていた朱鞠が、何かに気づいた。
ゲートを見張る立哨の交代だ。今まで立哨に立っていた兵が、奥の詰め所へと入り、代わりに別の兵が立哨に立った。
ただ、その様子がおかしい。何やら落ち着かない様子で、後ろの詰め所のほうをちらちらと振り返る。
朱鞠が、待機させていた分霊を、詰め所の中に潜り込ませた。分霊の五感を通じて分かったのは、そこにあったサイコロで、詰め所の兵たちが賭け事をはじめたという事だ。
そんなに気になるならお前も混ざれ、と詰め所の兵が言った。立哨の兵は一瞬迷うそぶりを見せながらも、詰め所の中に入ってゆく。
すかさず、無人となったゲートを、二人は駆け抜けた。
成功
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第2章 集団戦
『クレイシザー』
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POW : クレイハイド
自身の【地中潜行能力】を籠めた【超振動破砕クロー】を用い、通常移動と同速度で地中を掘り進む事ができる。装甲破壊にも使用可能。
SPD : クレイアダプテイション
自身の【戦闘能力】を【環境に適応した形】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
WIZ : クレイシューター
【複合センサーで索敵を行い、照準】を向けた対象に、【魚雷またはミサイル】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:柿坂八鹿
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アウル・トールフォレスト(サポート)
(基本好きにお任せします)
「今日はどんなところに行けるのかな?」
楽観的でマイペース、夢見がちで元気いっぱいな女の子
好奇心旺盛で無邪気であるが、根本が人でない故に残酷
神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
猟兵の役割は理解し依頼も遵守しようとするが、それはそれとして常に楽しい、面白いで物事を判断しているので、時にはそれを優先して行動することも
バイオモンスターの特徴として、肉体は植物の性質を持つ
戦闘では怪力の発揮や身体の巨大化、鋭い爪での引き裂き、即時回復目的の捕食等、野性味溢れる肉弾戦を好む
理力の扱いも得意で、体表で自生する蔓や苔植物を操り、防御や隠密に罠等サポートも行わせる
シン・クレスケンス(サポート)
◆人物像
落ち着いた雰囲気を持つ穏やかな青年。
窮地でも動じず冷静な状況判断で切り抜ける。
◆戦闘
射撃(愛用は詠唱銃だが、様々な銃器を使い分けている)と魔術による広範囲攻撃が主。
魔力の操作に長け、射撃の腕も確か。
作戦次第では、闇色の武器を召喚(UC【異界の剣の召喚】)して前衛を務めることもある。
◆特技
・情報収集
・機械の扱いにも魔術知識にも精通している
◆UDC『ツキ』
闇色の狼の姿をしており、魂や魔力の匂いを嗅ぎ分けての追跡や索敵が得意。
戦闘は鋭い牙や爪で敵を引き裂き、喰らう。
◆口調
・シン→ステータス参照
(※使役は呼び捨て)
・ツキ→俺/お前、呼び捨て
だぜ、だろ、じゃないか?等男性的な話し方
●
カルト教団のアジト周辺には、何体ものキャバリアが警護についていた。
アウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)は、赤い甲殻類に似たそれらを、次々と素手で叩き割りながら楽しそうに笑っていた。
その様子を、青い炎をまとった闇色のオオカミが、うろたえたような様子で見ていた。オオカミは時おり、近くの青年の顔をうかがう。
アレは放っておいて良いのか、とオオカミが近くの青年に問うた。
「問題ありません」
オオカミの問いに青年がきっぱりと言い切った。その青年ことシン・クレスケンス(真理を探求する眼・f09866)はUDCエージェントだ。その視線を暴れるアウルに向けたまま、スナイパーライフルを自分の背後に向けて放った。
放たれた銃弾が、シンの背後にいた敵キャバリアのコックピットを貫く。周囲の地中から次々と現れる敵キャバリアに対し、シンは視線を向けることなく次々と応射していった。
「僕らの仕事は、まず第一に見極めることです」
視線の先に居るアウラは、自分と同じ猟兵だ。自分の出身である世界とは違う異世界の出身であることも理解している。だが、そういった存在が自分の世界に牙をむいたなら。
「見極めて、備える。UDCはそのためにあります」
無邪気にキャバリアを破壊し続けるアウラから視線を逸らすことなく、シンはそう言った。
●
異形の左手が、キャバリアの装甲板をバリバリと裂いてゆく。引き裂かれたコックピットから、パイロットが這い出してきた。
そのパイロットを、先ほどの手がつまみ上げ……ぽおいっと、遠くへ放り投げた。
森そのものといえる怪物であるアウラにとって、体の大きさを変えることはたやすいことだ。広大な森が様々な表情を見せるように、変幻自在に彼女は姿を変える。
彼女は今、普段の数倍の大きさとなって、敵のキャバリアどもを蹂躙していた。
引き裂き、踏み砕き、叩き壊す。その姿はまさに、人間が決して御しえぬ自然の猛威そのものだった。
普通の人間であれば、逃げるだろう。だが、狂信がその恐怖にまさったか、敵は逃げることなく彼女に向かってくる。
と、破壊の限りを尽くしながら進むアウラの足が止まった。はて、といった風情で、アウラが足元をのぞき込む。
地中から生え出た無数のクローが、アウラの異形の足に食いついている。そのクローがうなりを上げると、彼女の足が血に染まった。
一瞬遅れて、痛みに気づいたか、アウラがまなじりを吊り上げ、ぎりりと歯噛みした。
次の瞬間、アウラの血に染まった足が、翡翠色のうろこに覆われていく。人型を捨て、さらに怪物じみた姿へ、『完全竜体』へと、その姿を変容させる。
変わったのはアウラの体だけではない。その周囲の地面から、地中に潜り隠れていたキャバリアを掘り起こしながら、次々と巨木が生えてゆく。
地面ばかりか、掘り起こされたキャバリアさえもが、次々と植物に浸食されてゆく……ひと時の後、黒々とした森がその地を覆っていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」
基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。
探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。
情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。
戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。
●
カスタマイズドキャバリア"JD-Overed"のコックピットで、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)が、左のつまさきでペダルを踏みこんだ。
がっちょん、と音がして、キャバリアの駆動音が、一段高いものへと変わる。
ぐんっ、と多喜の体がわずかにのけぞる。キャバリアの速度が変わったのだ。急加速した機体が、敵のキャバリアが突き出したクローを紙一重で避け、お返しとばかりに自分のクローを叩きこむ。
と、コックピット内にアラート音が響き渡った。敵からロックオンを受けていると、ディスプレイに表示される。ちら、と多喜がアラートが示す方向に目をやると、もうすでに敵が放った思わしきミサイルの弾頭がぐんぐんこちらに近づいているところだった。
「やばっ!」
多喜が短く叫んで手元のレバーを引く。一瞬でコックピットのハッチが吹き飛び、多喜が外に放出された。
いわゆる緊急脱出装置だ。と、その直後、さっきまで多喜がいたコックピットにミサイルが直撃した。キャバリアの腹部が爆炎に包まれて破壊される。
がくん、と膝をついて沈黙するJD-Overedの前に、先ほどコックピットから放出された多喜がいた。
「まだだ……こいつの真価は速さでも頑丈さでもない、しぶとさなんだよォ!」
勢いをつけて、JD-Overedの機体上を多喜が駆けあがり、そのまま大穴の開いたコックピットに滑り込む。
焼け焦げ、時おり電子部品がショートするのか、火花の上がるコックピットの中で、ひん曲がった操縦桿をつかみながら、多喜は右足で何度もフットバーを蹴りこんだ。何度目かの蹴りの直後、キャバリアの各所に、再び灯がともる。
「さぁて、また走りだそうかぁ!」
不敵な笑みをたたえて、多喜とその愛機が、再び走り出した。
成功
🔵🔵🔴
クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系はばっちこい★状態変化もばっちこい♪
絡みOK、NG無しだよ★
UCは集団召喚系か範囲攻撃系を優先して使うよ♪
状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★
後はMS様におまかせするね♪
●
漆黒のキャバリアが、戦場を駆けた。
PSY-C『|黒御姉《クローネ》』。クローネ・マックローネ
(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)の愛機であるそれは、様々な世界を巡って多くの死者の魂を取り込み使いこなしている乗り手と同じく、凡ゆる武装を召喚し使いこなすというサイキックキャバリアだ。
「キリがないなあ、もう」
コックピットの中で、クローネが引きもきらぬ敵にそう嘆息した。同時に、黒御姉が左手に持ったマシンキャノンがうなりを上げて砲弾の雨を敵機にばらまく。
黒御姉の精確でそつのない動きによって、一体、また一体と敵機が沈黙する。が、それでは追いつかないほどの敵の数だ。
「ちょっと、手伝ってもらおうかな♪」
キャバリアのコックピット内で、クローネがオーブをかかげる。莫大な霊力を秘めたオーブが、クローネの編んだ術式に反応して光輝いた。
黒御姉の周囲に、ひとつ、ふたつ、と黒い影が現れていく。やがてそこに、9体のサイキックキャバリアが出現した。
「召喚したキャバリアは死霊達に動かしてもらって……頭数はこれで充分かな?」
そう言って、クローネが召喚したキャバリアを敵にけしかける。死者の魂を憑依させられたキャバリアたちは、亡者の叫びのような駆動音をあげ、次々に敵へと向かっていった。
成功
🔵🔵🔴
高嶋・瑞希(サポート)
絡み・アドリブ歓迎
戦闘開始と同時に「イグニッション!」の掛け声で武装を装着し戦闘状態へ移行します。
遠距離では結晶輪と氷霊手の「エネルギー弾」「誘導弾」で攻撃、近距離ではなぎなた、七支刀、アイスガントレットを使い分けて攻撃します。
敵の攻撃は「気配感知」「第六感」「霊的防護」「オーラ防御」「武器受け」で回避又は防御します。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
焼傍ヶ原・シオン(サポート)
(連携・アドリブ歓迎・NG無し)
最新鋭のスーパー屋台『炎日』に乗って、常識に囚われない発想の『NEW屋台料理』を作る特別な料理人、それが俺だ!
NEW屋台料理は食べる事も出来るしユーベルコードとして敵味方に使う事も出来るぞ!
戦闘時は炎日を武器として使いながら中に入ってるぞ!
●
キャバリアひしめく戦場を、銀色の竜が上空から見下ろしていた。地に這うキャバリアが、その竜に向けてミサイルを放つ。
その竜の背に乗っている高嶋・瑞希(雪女のストームブリンガー・f36313)が、自分の身長と同じぐらいはあるそのミサイルを、なぎなたと結晶輪を自在に振るって、切り墜とした。
「さあて、どうしたものでしょう」
騎乗している氷龍を突っ込ませて、敵を一掃しようか、と瑞希は一瞬考える。だが、瑞希の脳裏に、今回の依頼を持ち掛けてきたグリモア猟兵の言っていた「|殲禍炎剣《ホーリー・グレイル》」という単語が思い浮かんだ。
高速で飛翔する物体は、いかなものであれ、このクロムキャバリアには存在できない。暴走した衛星が放つ炎が、この世界の全てを地に縛り付けている。
この氷龍のように、空中に浮かんでいるぐらいなら問題はないが、敵への攻撃のために、一気に距離を詰めようとしたりすれば、天空から熱線が降り注いでくることだろう。そんな感じで、瑞希はちょっと敵を攻めあぐねていた。
と、下方の敵キャバリアの群れの中より、とつぜん火柱が上がった。ひしめくキャバリアに混じって、一軒の屋台から猛火が放たれ、次々と敵キャバリアをこんがり香ばしく焼いてゆく。
「いくぞ炎日! 今回の新メニューは、海老型キャバリアの浜焼きだ!」
焼傍ヶ原・シオン(新世代のお祭り料理人・f43422)は、スーパー屋台兼戦闘ガジェット『炎日』の中、大きく敷いてある鉄板の上で、焼きそばを炒めながらそう言った。こんがり香ばしく焼かれたとしても、それらはキャバリアだ。これは料理と言って良いのか。いったい誰が食うんだこんなの。
大きすぎる謎を残しながら、シオンは焼きそばを炒め続ける。味付けは粉末でもウスターでもない。浜焼きにぴったりの天日塩風味の塩だれだ。
「目にもの見せるは姉ちゃんにすら出来ない最強奥義!!」
ちゃきーん、と焼きそばを炒めていたおこし金が鳴る。と、鉄板の上に山盛りとなっていた塩焼きそばが、虚空へと、すすられるかのようにずるずると消えていった。
ぐわし、と何者かが、キャバリアの浜焼きをつかんだ。つかみ上げられたキャバリアが、大きく開いた巨大な口の中に放り込まれる。ばりぼりと、戦場に咀嚼する音が響いた。
シオンのユーベルコードによって召喚された「キャバリアの浜焼きを食う客(名状しがたい)」だ。
さあ、後はこの客が、キャバリアを食いつくすだけ……と、思惑通りにはいかなかった。客の食指が止まったのだ。
「しまった! 客は殻の食感がお気に召していない……ッ! このままじゃ……」
シオンがおこし金を打ち付けながら歯噛みした。ユーベルコードで呼び出されたとはいえ、客はこちらの味方とは限らない。もし、客の機嫌を損ねたならば……それは考えるだに恐ろしいことだ。
「……な、なんだかよく分からないけど、ようはキャバリアの殻を剥けば良いのね?」
今までの様子を見ていた瑞希が、氷龍の上でなぎなたを構えた。
戦場上空の氷龍を中心に灰色の雲が湧き出でる。ちらほらと小雪が舞い散ったかと思うと、それはすぐに、輝く猛吹雪へと変化した。
猛火によって浜焼きにされ、赤熱化したキャバリアの背面装甲が急激に冷やされる。熱されたものが急に冷やされたことによって、その外部と内部にひずみが生じ、大小さまざまの亀裂が、その各所に入った。
「それじゃあ、行きますよ!」
かん、きん、こん、と、澄んだ音を立てて、氷結輪が敵キャバリアの背面装甲を次から次へと割ってゆく。べりべりと音を立てて、装甲板が剥がれ落ち、敵キャバリアのフレームは見事な剥き身となった。
この後、「客」が敵キャバリアを食らいつくしたことは、言うまでもない。
成功
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第3章 ボス戦
『廃城の騎士』
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POW : 近接攻撃
【爪や槍等の近接攻撃やSOCS起動中の突進】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : SFE最大出力・SOCS起動
自身の【再生力を持つピコマシン内在モルトアーマー】から【余剰エネルギー】を放出し、戦場内全ての【R-B属性の攻撃】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
WIZ : サベージ・ライダー
自身の身長の2倍の【馬型オプション用強化装備】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
イラスト:光太朗
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ライアン・フルスタンド」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです
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人騎一体となって、天空を走る姿があった。正確には人ではなく、キャバリアだが。
「空中戦……というわけにはいきませんわね」
かたわらで伏せるグリフォンを撫でつつ、響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)が、そう言った。彼女の視線の先では、敵のオブリビオンマシンが上空を駆け巡っている。
グリフォンがその鷲の頭を、獅子の両前足の間に挟んで、ぺたりと姿勢を低くする。
「あなたを責めているのではありませんわ、アーティア。むしろ、あなたに頼まれてほしいことがありますの」
かたわらのグリフォンに、リズはそう語りかける。少しばかり、悪戯っぽく、リズは微笑んだ。
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ばさっ、ばさっ、と翼で空気を打ち据えながら、グリフォンが空中をホバリングする。この程度の速度なら、「|殲禍炎剣《ホーリー・グレイル》」も反応はしない。
だが、これは敵のオブリビオンマシンにとっては、格好の獲物。すぐさまグリフォンのもとへ、ランスを構えて突撃をかけてくる。
と、その時、戦場にフルートの音が響いた。その音とともに、グリフォンの身体が、大量の白い花びらへと姿を変えてゆく。
白くかすむ花吹雪の中へ、オブリビオンマシンが突っ込む。滅びの力を宿した花吹雪が、オブリビオンマシンの各所にまとわりつき、それらを破壊していった。
成功
🔵🔵🔴
皇・銀静
超巨大キャバリアギガス・ゴライア搭乗
疾駆する者同時発動
「ちぇー…主がサリアちゃんに乗るのはやっぱり不満だな☆」(複座に座る金髪少女
さて…このギガス・ゴライアの整備の条件で戦闘データを持ち帰らないといけないんでな
【戦闘知識】
敵機の能力把握
【念動力・属性攻撃・弾幕】
UC発動
機体に念動障壁展開
両腕のビームキャノンから荷電粒子弾を発射
背中からの眼がビームキャノンから極太のビームでの蹂躙
【二回攻撃・切断・功夫】
ロケットブースターで突撃
接近してクローにより切り刻み尻尾を叩きつけてから口からの荷電粒子砲の砲撃で蹂躙の限りを尽くす!
上空からの砲撃は可能な限り回避!
敵機の下に回り盾に
ちと此方の図体はでかいがな
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「ちぇー…主がサリアちゃんに乗るのはやっぱり不満だな☆」
複座式のコックピット内、その後部座席で、金髪の少女が口をとがらせる。
「無駄口を叩いてないで、火器管制に集中しろ。ここでの戦闘データを持ち帰らないといけないんだぞ……」
前方座席で、皇・銀静(陰月・f43999)が、少女の言葉にそう返した。
ここはギガス・ゴライア『サリア』のコックピット内。通常のキャバリアの枠組みをはるかに超えた、巨大マシンの操縦席である。
「四門…窮奇…饕餮…橈骨…渾沌…開門…!…須らく叩き潰す…!」
コックピットの中で銀静が気を吐いた。その覇気に感応して、サリアの周囲に四つ、エネルギーの塊が浮かび上がる。瘴気にも似た、禍々しい波動が収束し、やがて力場となって障壁を形作った。
その障壁が、地上のサリアと、上空の敵のオブリビオンマシンとを閉じ込めた。馬上槍試合の舞台にも似た、一直線の空間。自由な移動を封じられた敵が、ランスを構えてサリアへ突進してきた。
相対するサリアの両腕から、背部の主砲から、幾本ものビームが放たれ、敵を穿っていった。
大成功
🔵🔵🔵
焼傍ヶ原・ヨネマ(サポート)
(連携・アドリブ歓迎、NG無し)
焼きそばを愛し、焼きそばの為に生きて、焼きそばで競う焼きそバトラーの第一人者、それが私。
どんな相手でもどんな状況でもどんな世界でも、焼きそば1つで切り抜けるつもりよ
ユーベルコードは何を使ってもいいわ、焼きそば!焼きそば!戦闘・日常・冒険全て焼きそばを使うわよ。
ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。
口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。
食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆
※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。
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「にゃあっ!!」
ミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)が、吹き飛ばされて、地に倒れ伏した。
荒い息を突きながら、何とか上体を起こす。体のあちこちに擦り傷ができている。その衣服も、土と砂の汚れが目立つ。今のと同じように、何度も吹き飛び、転んだことが垣間見える。
「休んでいる暇はないわよ、ミーヤ! そんなことでは、一人前の焼きそバトラーには、ほど遠いわ!」
サングラスをかけ、竹刀を手にした焼傍ヶ原・ヨネマ(生粋の焼きそバトラー・f42520)が、ミーヤを叱り飛ばす。サングラスで竹刀といえば……そう、鬼コーチなのである。
「みゃあぁぁ! そうは言っても、焼きそばでどうやってキャバリアと戦うっていうのにゃ!」
ヨネマの言葉に、ミーヤが極めて常識的な意見で返す。だが、ヨネマは動じない。
「焼きそばではキャバリアと戦えない!? そんなことは無いわ! 見てなさい!」
ヨネマがカップ焼きそばを開け、容器に熱湯を注ぐ。流れるようなフォームには、一切の無駄がない。
なお、「『焼き』過程の無いカップ焼きそばを焼きそばとして良いのか問題」については、焼きそバトル界隈では、すでに決着のついている話なので、ここでは繰り返さない。
3分が経ったのち、容器の蓋を抑えつつ、ヨネマが優雅に体を傾ける。並の人間であれば、容易に「だばあ」してしまうであろう角度まで自らを追い込む。
その背後から、いつの間に迫ってきたのであろうか、敵のオブリビオンマシンが、その手を伸ばしてきた。
ヨネマをクローによって掴み潰さんと、地面に向けて手を伸ばし、体を傾けた姿は、ちょうどヨネマが湯切りのために傾けている姿ともかぶる。
オブリビオンマシンが、今のヨネマと同じぐらい体を傾ければ、そのクローがヨネマに届く……その角度に届く直前に、オブリビオンマシンが轟音を立てて転倒した。
焼きそバトルによって展開される焼きそバトルフィールドでは、焼きそばに関わらぬもの全てが弱体化される。オブリビオンマシンのジャイロセンサーもその例外ではなかった。
「……くッ、限界が、限界が近いッ!」
かつて壁にぶち当たり、ダークリーガーへと堕ちてしまっていた頃の負債が、ヨネマを苛む。
膝をつき、肩で息をするヨネマの後ろから、体勢を立て直したオブリビオンマシンが、再びその爪を振り上げた。
「そんな悪いコトするなら、こっちはこのお菓子で守っちゃうのにゃ!!」
突如、ミーヤの声が響き、甘い香りと、その甘い香りを放つ茶色い麺類が、戦場に充満した。
焼きそばである。だが、我々の普段想像する焼きそばとは、根本からして違っていた。ソースでも、塩だれでもなく、カラメルと蜜飴でコーティングされたそれは、焼きそばがもつ食事という固定観念を超え、お菓子のひとつとして、そこに現れていた。
そのお菓子……焼きそば飴とでも言うべきそれは、オブリビオンマシンの繰り出した爪から、ヨネマを完全にガードしていた。
「そうだ、この新境地こそ、まさに私が求めていたもの! だからこそ……だからこそ私は……ッ!」
コーチとして彼女に特訓を与えていたのだ、と、ヨネマが焼きそば飴をポリポリとかじりながら言った。大学芋とかに近い感じだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
城田・紗希(サポート)
基本的には考えるより行動するタイプ。
でもウィザードミサイルや斬撃の軌跡ぐらいは考える。…脳筋じゃナイデスヨ?
暗器は隠しすぎたので、UC発動時にどこから何が出てくるか、術者も把握していない。
逆恨みで怒ってる?…気のせいデスヨ。UCの逆恨みじゃアルマイシ。
ちゃんと説明は聞いてマシタヨ?(地の文と目を合わせない)
戦闘は、範囲系ユーベルコードなら集中砲火、単体攻撃なら可能な限りの連続使用。
必要に応じて、カウンターでタイミングをずらしたり、鎧破壊で次の人を有利にしておく。
……防御?なんかこう、勘で!(第六感)
耐性……は、なんか色々!(覚えてない)
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「うーん、あともうひと息、といったところなんだけど……」
城田・紗希(人間の探索者・f01927)が率直な感想を述べた。
猟兵たちの活躍により、敵のオブリビオンマシンもあちこちにダメージを負っており、その動きもいささか精彩を欠いたものとなっている。
だが、それでもいまだ健在であるオブリビオンマシンが、紗季へと向かって突進してきた。
「まあいいか。斬っちゃおう」
考えるべき事柄はいくらでも出て来るが、あれこれ考えるよりも、とりあえず行動することを、紗季は選んだ。
紗季がフック付きワイヤーを敵の腕にひっかける。その直後に、敵が腕を振るった。合わせて、ワイヤーがぴんと張る。そして次の瞬間、紗希は、その張力で敵のほうへと吹っ飛んでいった。
「えいっ」
まったく力みのない声とともに、紗季が由緒が有りそうでそれほど無い名刀「紅時雨」を振るう。張力の反動を利用して放たれた一閃が、敵オブリビオンマシンの腹部を両断した。
成功
🔵🔵🔴