ユー・オンリー・ライフ・ワンス
播州・クロリア
下記の内容で黒影・兵庫(f17150)と播州・クロリア(f23522)とのクリスマスノベルの作成をお願いします!アレンジ・改変、問題ありません!大歓迎です!
●シチュエーション
黒影・兵庫(f17150)の内容と同じです!
●プレイング
あにさん、メリークリスマス!
はい、1か月過ぎてますね。知ってますけど?
チクチク言葉に対するチクチク返しです。甘んじて受け入れてください。
私がこの格好をしている理由、それはあにさんが我々家族と一緒にクリスマスを過ごさなかったからです。
そのため私の中ではクリスマスは終わっていません。
平日にケーキを一緒に食べたからと言ってなんだというのでしょう。仕事帰りのお父さんが気まぐれに買って帰ったケーキと同じじゃないですか。まったくの不均等です。
これで質問は以上ですか? では今からクリスマスパーティを執り行いますので、つきましてはあにさん、一緒に私へのプレゼントを買いに行きましょう。
サンタさん? あぁ、見ず知らずのおじいさんからプレゼントを頂きましたね。ありがたいことですが、やはりプレゼントはあにさんから手渡しで頂かないと。そっちの方が100倍嬉しいです。
ほらほら、いつまでもこたつむりしていないで、子供は風の子、元気な子、出ませい、出ませい! 極寒な戦場を潜り抜けてきたあにさんにとってこの程度は温いぐらいでしょう。
話を聞かないとは心外な。あにさんの言葉は一言一句聞き逃していませんよ。ただそれに従わないだけです。
黒影・兵庫
下記の内容で黒影・兵庫(f17150)と播州・クロリア(f23522)とのクリスマスノベルの作成をお願いします!アレンジ・改変、問題ありません!大歓迎です!
●シチュエーション
炬燵で温まっているところにクリスマスツリーのように色々と飾りを身に纏い、パーティモールを首にかけたクロリアがやってきて「メリークリスマス」の言葉を投げかけられる黒影。
クリスマスはもう1か月前に過ぎたことを指摘すると、理解しているといいながらパーティモールで叩かれる黒影。
なぜそんな格好しているのか? と問いかけたら、クリスマスを家族で過ごしていないので、自分にとってはクリスマスは完了していない。なのでこれからクリスマスパーティを執り行うので、自分に向けたプレゼントを共に買いに行くことを迫るクロリア。
プレゼントならサンタさんがクリスマスにくれたでしょ? と反論すると、見ず知らずの老人に貰ったプレゼントより、良く見知った相手から貰う方が100倍嬉しいと言い返し、黒影を炬燵から引きずり出して、そのまま町へと繰り出す。
●プレイング
クリスマスはもう1か月過ぎたね。あけましておめでとうの挨拶もしたはずでしょ?
痛っ! ちょ、ちょっと! そのキラキラしたやつで叩かないで! チクチクするの!
で、なんでそんな恰好をしているの?
う゛、たしかに、クリスマスは、その、恋人優先にしちゃったところは若干申し訳ないかなーって思うところあったけど。
でもさ、前の日にはみんなでケーキ食べてお祝いしたよね? あれで釣り合わない? 合わない、そうですか……。
え? 今からクリスマスのプレゼントを一緒に買いに行くの? 前にあげ、んっ! サンタさんから貰ったよね?
見ず知らずって、そりゃそうだけど言い方……。
あ、ちょっと引っ張らないで! 防寒具を身に着けてないの! 体は丈夫でも寒いのは寒い、って話を聞いて~!
●YOLO
黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)は、まだ正月気分が抜けていなかった。
それもこれも全ては己が足を突っ込ませている炬燵のせいだ。
あったかい。
本当にあったかい。
UDCアースの冬は厳しい。
猛烈な換気が今まさに兵庫の住まいの地域を襲っている。
こういう時は室内でのんびりするのがいい。
特別用事があるわけでもないし、喫緊の要件というものは全て終わらせている。
少しくらい、炬燵の中でのんびりすることくらい許されたっていいはずだ。
故に兵庫は炬燵の天板に顎を乗せて、暖かさを甘受していていたのだ。
「はぁ~……炬燵。なんて素晴らしい発明なんだろう。ここから抜け出せないっていう人たちの言葉が今、心から理解できる……」
願うことなら、このまま移動できたらいいな、と思う。
コタツムリ、なんて言葉が一時流行ったが、大げさではないな、と兵庫は思った。
しかし、悲しいかな。
いつだってそうだ。
緊急事態っていうのは、自分が予期しない時にやってくるものであったし、のんびりしたいな、今日はのんびりするぞ、いや、何もしない、と決意を新たにした瞬間にやってくるものなのだ。
勢いよく部屋の扉が開く音に兵庫は肩を震わせた。
ビクッと体をすくませたと言ってもいい。
炬燵の暖かさに緩んだ体が一気に引き締まる思いであった。
「あにさん、メリークリスマス!」
開いたドアと共にやってきたのは、播州・クロリア(踊る蟲・f23522)であった。
身をかがめて扉を潜る彼女に兵庫は冷静だった。
寧ろ、平常運転であるから特に気にする必要もない、といった気安さでもあった。
「クリスマスはもう一ヶ月前にやったでしょ。あけましておめでとうの挨拶もしたはずでしょ?」
そう、努めて冷静であったのだ。
クロリアのこういう奇行というか、突然にやってっくる謎の甘え方というものに兵庫はよく振り回されていた。
別に嫌ではない。
ただ、ちょっといつも唐突過ぎて対処にまごついてしまうだけなのだ。
今回は、かなりに平静に努めることができたのではないかと思う。
季節感ガン無視なクロリアにも、むしろ此処で慌てた様子を見せようものなら『あにさ~ん』と揶揄われてしまうことは目に見えている。
故に兵庫は、コホンと咳払いをしたのだ。
「なんで今さらなの? 一ヶ月前だよ?」
「はい、一ヶ月過ぎてますね。知ってますけど?」
それがなにか? みたいな顔をしているクロリア。
なんだ? 居直っているのか? と兵庫は訝しむ。
しかし、騙されてはならない。
ここからいつも兵庫はクロリアに主導権を握られてしまうのだ。
もう何度かこういうやり取りがあった。
だから、彼は炬燵の中で居住まいを正す。
「あにさんは、いつもそうやってチクチク言葉を私に投げつけます。えいえいえい」
しゃんしゃんしゃんと音を立てるようにしてクロリアが持っていたパーティモールを振って兵庫の顔面を叩く。
兵庫は漸くにして気がつく。
なんかクロリアキラキラしてない?
いや、雰囲気とかそういう問題ではなく、物理的にキラキラしている!
メッキカラーのキラキラが室内灯の明かりを反射しているのだ。
目にも痛いし、先が細いので当たると地味にチクチクしてうっとおしい。
「痛っ! ちょ、ちょっと! そのキラキラしたやつで叩かないで! チクチクするの!」「チクチク言葉に対するチクチク返しです。甘んじて受け入れてください」
「ち、チクチク言葉なんて使ってないでしょ!?」
「いいえ、あにさんは私に大してチクチク言葉を使いました。チクチク言葉を使った自覚もないということ事態が、私に対するチクチクなのです。甘んじて受け入れてください」
なんで!? と兵庫は思った。
あまりにも理不尽が過ぎないか?
だがしかし、しゃんしゃんしゃんと振るわれ続けるパーティモールに為す術がない。
漸く満足したのか、クロリアが手を止める。
「で、なんでそんなっ格好をしているの?」
そう、今のクロリアはパーティモールを身に巻き付けるようにして首から懸けている。
なんか、こうオーナメントがところどころに配されている。
巨躯と合わせるとなんだかクリスマスツリーそのものみたいだな、と兵庫は思っただろう。
「何故、と聞きましたか、あにさん」
「え、うん」
「わかりませんか、私がこの格好をしている理由」
悪いが全然わからない。
季節外れだってことしかわからない。
「それは、あにさんが我々家族と一緒にクリスマスを過ごさなかったからです。そのため、私の中ではクリスマスは終わっていません」
「う゛、たしかに、クリスマスは、その」
「なんですか」
ぷんすこ。
クロリアは憤慨しているようだった。
いや、仕方ないだろう。クリスマスとは、日本の文化においては大切な人と過ごす日だ。
若者の特権といてもいい。
恋人がいるのならば、当然、恋人を優先したくなるのはある種必然であった。
しかし、兵庫も兵庫で家族よりも恋人を優先したことは、若干申し訳ないと思っていたのだ。
でも、だ。
「悪いとは思っていたよ。でもさ、そのかわり、前の日にはみんなでケーキ食べてお祝いしたよね?」
埋め合わせというか、これから掘る穴を埋めるための盛り土をしていたと言うべきか。
まあ、なんにせよ、クリスマス当日を家族で過ごせないのならば、当然の代わりを用意していたのだ。
あれで普通は片がつくものではないのか?
しかし、クロリアは頭を振る。
そして、盛大にため息を吐き出す。
でっかいため息であった。
ため息で空気砲ができるのではないかと思うほどのでっかいため息であった。
「はぁ~……平日にケーキを一緒に食べたからと言ってなんだというのでしょう」
「いや、それ言うなら、今日も平日……」
「仕事帰りのお父さんが気まぐれに買って帰ったケーキと同じじゃないですか」
「いや、その例えわかるの? っていうか、絶対それ、どっかのテレビドラマの入れ知恵じゃないかな!?」
「わかりますとも。そして、あにさんは、ごまかさないように」
「いや、誤魔化してなんかないよ……?」
「いいですか、ともかく。これではまったくの不均等です」
そうかな? と兵庫は思った。
クリスマス前日は、それはそれなりにパーティめいたことをしたのだ。
あの時は、クロリアも喜んでいたではないか。
ていうか、だれだ? 本当にクロリアにこんなことを吹き込んだのは?
思い当たる節があるようなないような。
それよりも、と思う。
「いや、不均等じゃないよ。ちゃんとクリスマス前夜祭したじゃないか」
「いいえ。まったくもってあいません」
頑として譲らないクロリア。
まるで巨木であった。
いやまあ、今はクリスマスツリーめいた姿であるので、間違っていないのかもしれない。
「これで質問は以上ですか?」
「これって質疑応答だったの?」
「ないですね。では、今からクリスマスパーティを執り行いますので、つきましてはあにさん、一緒に私っへのプレゼントを買いにいきましょう」
「なんで!?」
いや、本当になんで!? と兵庫は思った。
しかも、一緒に?
なんで?
「今からってまた急じゃないか」
「一緒がいいんです」
「いやでもさ、クリスマスプレゼントなら、前にあげ……――んっ! サンタさんから貰ったよね?」
兵庫はあっぶない! と自らの口を噤む。
まだクロリアはサンタの存在を信じている。
自分がサンタとなってっ彼女にクリスマスプレゼントを枕元に用意したなどと知れたのならば、二重に面倒なことになると理解していた。
だからこそ、兵庫はこれはもしかして二重にプレゼントを渡す流れになるのではないかと危惧したのだ。
夢は夢のままが美しくていいのだ。
それを壊すことを大人がしてどうすると思ったのだ。
故に、言葉を噤むしかなかった。
「サンタさん? あぁ、見ず知らずのおじいさんからプレゼントを頂きましたね」
「見ず知らずって、そりゃそうだけど言い方……」
サンタの扱いぞんざいすぎないか!?
兵庫は思った。
もうちょっとサンタさんありがとう! とか、そういう反応になると思っていたのに!
喉元過ぎれば熱さを忘れる、とかそういことなのだろうか?
え、じゃあ、もしかして。
「ありがたいことですが、やはりプレゼントはあにさんから手渡しでいただかないと」
「いやいや、流石に今からはさ」
「いいえ、今からがいいです。それに、あにさんからいただいたプレゼントのほうが、100倍は嬉しいです」
「えー」
それは嬉しいけれど。
でも、二重にプレゼントしたことになる。
それはそれで懐的にもよくない。
むしろ、阻止したい。
加えて言うなら、炬燵からでたくない。
「いや、でもさー」
そう、出れないというのが正しいかもしれない。
今の兵庫は炬燵に足から根が生えたように出ることを拒んでいるのだ。
だが、クロリアはずんずかと兵庫に近づいてくる。
「ほらほら、いつまでもこたつむりしていないで、子供は風の子、元気な子、出ませい、出ませい!」
「いやだー! 引っ張らないで! ちょっと待ってよ! 俺、もう大人だから! 子供じゃないから!」
「関係ありません! 極寒な戦場をくぐり抜けてきた、あにさんにとってこの程度は温いぐらいでしょう」
「防寒具はせめて!」
「いいから、早く出てください」
ずぼ、と容易く兵庫は炬燵から引っこ抜かれる。
これはこれでちょっと大人として屈辱的な体勢でもあった。
「わかった、わかったから!」
「では、行きましょう!」
「まってまって! なにか羽織らせて! 流石に半纏はまずいってば!」
「何がマズイのでしょうか。むしろ、いいのでは? 部屋着ルックでいつも通りをチューン、みたいなファッションで」
一周回っておしゃれ、みたいな言い回しをクロリアは言う。
兵庫はクロリアは、一体どこでそういう言葉を覚えてくるのかと思う。
なんだろう、テレビやラジオなのか?
というか、本当に誰だ? クロリアに家族で過ごしていないからクリスマスが終わってない、とか今更吹き込んだのは?
あのグリモア猟兵か?
だぶるぴーすしているグリモアベースのグリモア猟兵が脳裏にちらつく。いやまさかな、と兵庫は思う。
しかし、その間にもクロリアはずんずかと部屋の外に兵庫を抱えたまま出ようとしている。
「待ってっまって! 話聞いて~!」
「話を聞かないとは心外な」
「いや、聞いてないでしょ!? 現に今!」
ずんずか。
まるで止まる気配がない。
体を襲う冷たさと、焦りに兵庫はジタバタしてしまう。
クロリアはにっこり笑う。
本当に、こうやって笑う姿だけは子供らしくていいものだな、とは思う。体躯と不釣り合いなと思うこともない。
むしろ、そういうチグハグさが無邪気さに拍車を懸けているのかもしれない。
となれば、クロリアのこういった行動は全て甘えているにすぎないのだろう。
年長者としては、と兵庫は己を慕うクロリアの行動に喜ばしい感情がないと言えば嘘になると思う。
「あにさんの言葉は一言一句聞き逃していませんよ」
「な、ならさ」
ね、とせめて着替えさせて、と兵庫は頷く。
しかし、無情である。
無邪気さとは無情の裏腹なのかもしれない。
玄関のドアが勢いよく開かれて、外の冷気が風となって飛び込んで来る。
「寒いっ!」
「ただ、それに従わないだけです」
「質悪い!?」
さあ、とクロリアは兵庫を抱えて街に繰り出す。
それは大いに目立つだろう。
何せ、クロリアの体は季節外れなクリスマスツリー。そして、兵庫は炬燵にインしていた半纏姿である。
なんていうか、正月の怠惰さとクリスマスの陽気さの合体であった。
そんな彼らが人の目を惹かぬわけがない。
「やめて~! わかった、わかったから! クロリアが欲しい物をプレゼントするから! ひとまずおろして~!」
「なんでも?」
今、なんでもって言った? ではない。
欲しいものをなんでも? とクロリアは確認したのだ。
「え、あ、うん。出来る範囲でね?」
「ふむ、であれば」
にっこりと兵庫を下ろしてクロリアは笑む。
彼女は兵庫のお財布をほっそりと、それこそこの冬の寒気に負けぬほどに寒々とするプレゼントを欲するだろう。
けれど、その笑顔はきっと春の訪れを想起させたはず、だ。多分――!
成功
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