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ロード・トゥ・マイソロジー

#ヒーローズアース #サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』

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#ヒーローズアース
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#サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』


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●最強ギャラクシィリーガー・ロード
「アハハッ、人には指針が必要なんだよっ。どんな時でも方角を示す指針が。それは計画とも呼ぶだろうし、時には道とも呼ぶだろう」
 その声は快活そのものであった。
 ヒーローズアース、ラグランジュポイントを越えて、遥かに広がる大宇宙。その暗黒に瞬く星々の大地にサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は立っていた。
 彼女こそ、宇宙史上初めて第三銀河を統一せしめた最強のギャラクシィリーガー。
 そう、人呼んで究極美少女『エル・ティグレ』。
 宇宙である。
 宇宙!
 そう、彼女は今まさにヒーローズアースの宇宙征服計画をぶち上げていた。

「い、一体何が目的なんだ!? この女は!?」
 ある星の住人たちは突然に現れた『エル・ティグレ』の言葉に困惑していた。
「このヒーローズアースの宇宙にはたった一つだけ『異世界へと渡る為の|超機械《オーパーツ》』があるんだろうっ! なら、アタシはサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』様だぞ! 必要なものがあるのならば、征服して勝ち取るっ! アタシが決めたことだっ。他の誰にも阿る必要なんざないのさ! だが、誰かに手伝ってもらおうなんざ、端っから思っちゃいないのさ!」
「お、おーぱーつ? そ、それはこの宙域よりもずっと先にある銀河の果てにあるという、あのオーパーツか?」
「そうよっ! あるんだろ? なら、銀河の果てまで征服計画を打ち立てるってのが筋ってもんだ。言っただろう、人には道が必要なんだと。なら、これはアタシの道だ。お前たちがアタシの道の前に立っていた。だから、ぶちのめす!」
「む、むちゃくちゃだ! り、理屈が通じないのか、この女!?」
 彼女はヒーローズアースの宇宙、その銀河の果てにあると言われる|超機械《オーパーツ》を目指して旅立つ。
 如何に銀河の果てに至るまでの道程が長く険しく、数え切れぬ星を制して行かねばならないことなど百も承知。
 だが、止まる理由などない。
 彼女が決めたのだ。
 そして、そう決めたのなら、もう甘えなど許されない。
 目標に向かって邁進する。
 かつての第三銀河を征服せしめた原動力は、そのたった一つの決断によって成さしめられたのだろう。

 故に彼女は言い放つ。
「さあっ、キックオフだっ! 真正面から正々堂々とサッカーでぶち抜いてやるぜ――っ!!」

●ヒーローズアース
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)だった。
「お集まり頂きありがとうございます。帝都櫻大戰のことを覚えていらっしゃいますか?
 ええ、そうです。アスリートアースのキャンプ・フォーミュラ『キャンピーくん』の世界移動能力によって、皆さんの強力な共闘者を多数サクラミラージュに送り込んでくれたあの戦いです」
 猟兵たちは承知していると頷く。
 だが、彼らは帝都櫻大戰の後も、それぞれが移動した世界にとどまっている。
 困ったことに『キャンピーくん』はどこかに姿を消してしまった。世界移動能力を頼ることができないのだ。
 加えて、共闘者の中には特に戻ろうともしていない者もいたり、いなかったりしている。
 その中のひとり、サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は自身でアスリートアースに帰還するために……。

「宇宙征服計画を打ち立てたのです」
 なんで?
 猟兵たちは本気で頭痛がする思いであった。
 確かに『エル・ティグレ』には世話になった。彼女の活躍がなければ、『イザナミ』の『火雷大神』の防御をかいくぐることはできなかっただろう。
 すっごく助かった。
 本当に助かった。
 だが、彼女はヒーローズアースの宇宙を征服しようとしているのだ。
 マジでなんで?

「どうやら彼女はこの世界にたった一つだけ存在する『異世界へと渡るための超機械』を手に入れて自ら帰還するつもりなのです。そのための宇宙征服計画なのです」
 な、なるほど? と猟兵たちは頷く。
 しかし、その超機械とやらは何処にあるのか。
「銀河の果てだそうです」
 ナイアルテはめまいを覚えたようだった。
 無限に広がる大宇宙。
 その銀河の果てである。
 当然、その道程には幾つもの『オブリビオンの大組織』との戦いが待ち受けているだあろう。
「あの、どうかお願いいたします。彼女の宇宙征服計画を手伝う……のは、その、ちょっとあれですが。しかし、敵の軍勢も宙域を埋め尽くす数千数万の大軍勢なのです。オブリビオンである以上、捨て置くこともできませんし……」
 ね、とナイアルテは慣れぬウィンクをした。

「……」
 なんでウィンクした?
「お願いするときの作法だと」
 今の今までそんなことしたことないでしょ。
 だが、これがとんでもなく大変なお願いだとナイアルテは自覚していたのだろう。
 だから、ウィンクでどうにか、と思ったのだ。
 自惚れるな。
 そのウィンクにどれだけの価値がある。
「お願いしますお願いしますお願いします!『エル・ティグレ』さんの帰還のお手伝いをしてください! よろしくです――!!」


海鶴
 マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回の事件はヒーローズアースです。
 帝都櫻大戰にて共闘してくれたサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』の帰還を手助けするシナリオになっております。
 彼女はラグランジュポイントから既に果てのない宇宙の旅に出発しています。
 目的は、銀河の果てにあるという超機械。
 待ち受けるは、数千数万に及ぶオブリビオンたちとの戦いなのです。

●第一章
 集団戦です。
 すでに『エル・ティグレ』は一つの宙域に差し掛かっています。
『プルトン人』と呼ばれるオブリビオンの軍勢と真正面からサッカーで挑んでいます。
『エル・ティグレ』はハチャメチャに強いです。
 ですが、なにぶん敵の数が数千数万単位なのです。
 ちなみ、サッカー勝負なので、サッカーしましょう。
 拳法サッカーでも、ユーベルコードを駆使した超サッカーでも構わないでしょう。
 これが自分のサッカーだ! と並み居る『プルトン人』をぶっ飛ばすくらいの胆力がないと付き合ってられないくらいの超次元サッカーを『エル・ティグレ』は繰り出しております。

●第二章
 ボス戦です。
『プルトン人』を率いていた『宇宙魔神ディバウラー』との対決です。
 この宙域最強のオブリビオンです。
 周囲にはまだまだものすごい数の配下がひしめいています。
『エル・ティグレ』と協力して戦うもよし、ディフェンスするも良し、蹴散らすも良しです。
 とにかく『宇宙魔神ディバウラー』をぶちのめせば良いのです。

●第三章
 日常です。
 かくして『エル・ティグレ』はこの宙域を制圧しました。
 そのため、『宇宙魔神ディバウラー』に虐げられていた宙域の人たちが喜び、『エル・ティグレ』共々、皆さんを英雄として崇めることでしょう。
 ここは一つ、この宙域の人々と超人スポーツたるサッカー大会を行い、彼らの心にさらに深くサッカーの醍醐味を刻み込むとよいでしょう。
 シナリオで得た​🔵が「299個」を超えると、エル・ティグレは異世界へと渡る為の超機械を手に入れ、アスリートアースに帰って行くようです。。

 それでは、『エル・ティグレ』と共に超人サッカーで宇宙征服計画を押し進め、彼女の帰還を促進する皆さんの物語の一片となれますように、たくさんがんばります!
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第1章 集団戦 『プルトン人』

POW   :    フルメタル・スキン
全身を【地球には存在しない未知の金属でできた装甲】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃を学習し、味方全体で共有。その蓄積】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD   :    ブラックアイド・ヒューマンズ
【眼以外は完璧に地球人に擬態した潜入工作員】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
WIZ   :    アンノウン・ウェポン
【未知の科学技術で作られた光線銃やその銃剣】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。

イラスト:V-7

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 それは宙域を埋め尽くすかのような膨大な数の『プルトン人』たちであった。
 圧倒的な数である。
 数千数万という軍勢。
 だというのに、今や彼らは混乱の極みに陥っていた。
「な、なんなのだ、あの女は!? こちらの兵器の数々が……吸収されているッ!?」
「わ、わけがわからない! なんだあのボール!?」
 彼らの困惑に拍車を駆けるようにサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は高笑いと共に宙域をジグザグドリブルでもって、強引に『プルトン人』をふっとばしていくのだ。
「アハハッ! 脆い脆い! こんなんでアタシのドリブルを止めようなんて百億光年速いってんだよっ!」
 彼女のドリブルによって『プルトン人』はのけぞりながら、宙を舞うように吹き飛ばされていく。心做しか集中線さえ見えるようであった。
 とんでもない強引なドリブルである。
 実況解説にも力が入りそうだ。
「どけどけっ、アタシが、この超銀河少女『エル・ティグレ』様がお通りだ――!」
菫宮・理緒
【理緒サージェ】

はぁはぁはぁはぁ。
たどたどしいウィンク、イイっ!
あーもう、両目瞑っちゃったりしてもうもうもう、あーもう!
来月の会報の表紙は決定だね!

依頼?だいじょぶだいじょぶ。

だって今回|とらたん《ティグレさん》案件でしょ?
しっかり調教し直して……違う?

あ、なるほど。そういう……。
ま、奴隷を守るのは主人の役目ってことで!

しかーし!
それ言うと調子に乗りそうだから、とらたんには、
「|ご主人さま《猟兵》に宇宙を捧げようということだね!」
と、言っておこう。
イジって輝く子だからね!

とらたん、そのままドリブって!

わたしとサージェさんは……。
殺人タックルと胸部装甲アタックでふぉろー!
イエローは必要悪だー!


サージェ・ライト
【理緒サージェ】
ごふっ……(『ないあるてういんく』と床に血文字)
私はここまでのようです……理緒さん後は頼みました
私は骸の海でナイアルテウインクを布教します
オブリビオンがナイアルテさんのウインク知ってるほどに布教します!!
万歳!!(玉砕する覚悟)

じゃあ依頼行きますか

お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、胸が大きくて忍べてないとかそんな事ないもん!!

ところで『とらたん』可愛いですね
奴隷は流石に可哀想!でも仕方ないですかね!

【VR忍術】! ……って胸部装甲アタックってナニ!?
私、そんな特殊攻撃持っていませんが!
というわけで【VR忍術】クノイチサッカーの術です!
説明しましょう!クノイチです!!



 宙域の無重力に赤い液体が散っている。
 それは無重力故にふわふわとしたものであったが、確かに模様を描いていた。
 オブリビオン『プルトン人』は、首をかしげた。
 今まさにこの宙域は戦い……いや、無法の如きギャラクシィサッカーが繰り広げられている。
 方や、数千数万の軍勢もといチームメンバー。諸々含めてフルメンバーである。
 対するサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は一人。
 なのに、『エル・ティグレ』のボールキープを『プルトン人』は阻むことができないのである。
「オラオラッ! アタシを簡単に止められると思うなよっ、アハハハッ!」
 彼女のドリブル技術は凄まじいものだった。
 無重力の宙域にあるというのに、彼女は巧みな足さばきでもってボールをキープし、迫る『プルトン人』は容易くブッ飛ばしては、凄まじいドリブルでもって駆け抜けているのだ。

 そんな彼女をよそに浮かぶ赤い液体……即ち血。
 いや、サッカーに流血ってつきものだろうか? まあ、たまにあるかもしれないが、基本流血しないのがサッカーである。故意であり、不意であれ、流血はあるが稀なることであった。
 前置きが長くなってしまったが、故に『プルトン人』は首をかしげていたのだ。
 しかも、なんかこう……文字に見えなくもない。
「な、い、あ、る…て、ういんく? ウィンク?」
 首を傾げた。
 そして『プルトン人』は己の耳元で響くなんか荒い息を聞いた。
 いや、宇宙空間で音が響くのか? という問題はある。
 が、些細なことである。
「はぁはぁはぁはぁ」
「ひっ!?」
「たどたどしいウィンク、イイっ! あーもう、両目瞑っちゃったりしちえもうもうもう、あーもう!」
 やばい。
『プルトン人』はあまりの気配に振り返ろうとしても、振り返ったらヤられる、と理解していた。
 だから、振りかられなかった。
 だ、誰か大人の人! と叫び倒したかった。
 だが、できない。

「来月の開放の表紙は決定だね!」
「私はここまでのようです……理緒さん、後は頼みました。私は骸の海でナイアルテウィンクを布教します。オブリビオンがナイアルテウィンクと言ったら……? ツーカーで答えられるまで布教してきますから!! バンザイ!!」
 どう考えてもやばい。
 振り返れない。
 振り返ったら、やられる! そう思わしめる気配であったのだ。
 だが、やらねばならぬ。
 己とて『プルトン人』の端くれ。
 ここで逃げては男がすたるってもんである!
 ええい、なるようになれー!!
 振り返った時、そこに残されていたのは、新たな血文字ばかりであった。 
 浮かぶ血。
 さりとて、姿はなく。
『プルトン人』の戦士は、首を傾げるしかなかったのだ。

「じゃあ行きますか」
「何事もなかったかのように復活するよね」
「いやぁ、お呼びとあらば参じましょうっていうのがクノイチですからね。私、クノイチ。胸が大きくて忍べてないとか、そんなことないもん!! ですから」
「なるほどねー」
 サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)の言葉に、菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は頷いた。ちょっとおざなりであった。適当って言っても良い。
「|とらたん《ティグレさん》案件だからね。しっかり調教しなおして……」
「物騒な!」
「違う?」
「『とらたん』は可愛いですね。奴隷は流石に可哀想! でも仕方ないですかね!」
「まあ、負けたら配下になるっていうあれだからねー。ギャラクシィサッカー鉄の掟だし」
 そういう意味では、主人たる自分達が『エル・ティグレ』を守るのは当然と言えば当然であるか、と理緒は思った。

「げぇっ! |猟兵様《御主人様》!」
『エル・ティグレ』は、理緒たちの姿を認めて、顔を引き攣らせた。
 勝手に宇宙征服計画を打ち立てたことを怒られると思ったのだ。不憫は可愛いね。
「宇宙を捧げようっていう計画を立てたのはヨシ!」
「え、あ、えっと、そう、かも? です?」
「なら、とらたんは、そのままドリブって! わたしとサージェさんは……殺人タックルと胸部装甲アタックでフォローしちゃうから!」
 理緒の言葉にサージェが目を見開く。
「胸部装甲アタックってナニ!? そのまえに理緒さん、殺人タックルっていいました!? 私、そんな特殊攻撃持っていませんが!?」
「やればできるよ!」
「えぇ……ですが、これってカードもらっちゃうやつじゃあないですかね?」
「大丈夫! イエローは必要悪だから!」
 むちゃくちゃな理屈である。
 だがしかし、ギャラクシィサッカーにおいては、その無茶苦茶が罷り通る無法地帯。

「であれば、いきましょう! VR忍術(イメージスルノハカッコイイワタシ)、クノイチサッカーの術です!」
 説明しよう!
 クノイチサッカーは、なんかこうサッカーっぽいなにかである!
 クノイチらしいことをしたほうが加点されるという、なんかこう、どこかの辺境の星になら伝わっていそうな気配があるが、まったくそんなことないサッカーである! たぶん!
「そしてわたしは、殺人タックル!」
 そんなユーベルコードはないが、あると言ったらあるのであるし、そこになければないですねって言われたらないのである。
 兎にも角にも、二人は『エル・ティグレ』の御主人様らしい無法でもって、並み居る『プルトン人』をふっ飛ばしながら、強引なドリブルコンビネーションで大宇宙を疾駆するのだった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テスティナ・ヴァシリッサ
ぴるぴる。
エル・ティグレさんが並みいる敵をぶっとばしているようですが、ちょうどよいので使わせてもらいましょう。こちらとしてもセルを増やし、異星種族の情報を得るチャンスです。いずれ私もクエーサービーストにリベンジを果たさねばなりませんので。情報と戦力は欲しい所です、ぴる。

【戦場における簡易増殖行動】を。気絶・死亡・戦闘不能のプルトン人を『コルピオス号』で捕えて糧にし、その分増産したゼルガリアス・セルの歩兵種を繰り出します。次から次にです。最初は屍拾いのように、そしてある程度数が増えてきたならこちらも兵を纏め直接打って出る事にしましょう。

ところで、光年だと距離の単位では?

※アドリブ歓迎ですぴる



「ぴるぴる」
 テスティナ・ヴァシリッサ(ゼルガリアスの姫巫女・f38690)は、自前の円盤型宇宙船の中からサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』が凄まじい勢いでもって、サッカーフィールドとなった大宇宙を猟兵と共に強引なドリブルでもって駆け抜けていくのを認めて、頷いた。
 周囲にはぶっ飛ばされたオブリビオン『プルトン人』たちが浮かんでいる。
「『エル・ティグレ』さんにかかれば、オブリビオンの宇宙人と言えど物の数ではないのですね」
 とんでもない戦いぶりであった。
 一騎当千。
 獅子奮迅。
 もうなんていうか、サッカーという領分において『エル・ティグレ』に敵うものはいないのではないかと思うほどであった。
 ハッキリ言って、『プルトン人』たちの敗因は、ギャラクシィ・サッカーという彼女の領分で戦うことになったという一点に尽きる。

 もしも、これがギャラクシィ・サッカーではなく、普通の戦いであったのならば、まだ勝つ目はあった……いやないな、これ、とテスティナは思った。
 正攻法でも普通に『エル・ティグレ』は『プルトン人』たちをぶっ飛ばしていたことだろう。
「まあ、いいです。こちらとしても都合がいいです」
 そう言って彼女はユーベルコードに瞳を輝かせる。
「ぴるぴる。本当に都合が良いことに『エル・ティグレ』さんがふっ飛ばした『プルトン人』たちがいますから……」
 テスティナは笑むでもなく、『プルトン人』たちを円盤型宇宙船にキャプチャーする。
 掃除機のように吸い上げた『プルトン人』たちは戦闘不能になっている。
「異星種族の情報を得るチャンスです」
 そう、テスティナはいずれクエーサービーストにリベンジを果たすべく着々と準備を進めているのだ。

 例え、ここがヒローズアースの宇宙であるとはいえ、多くの情報を集めることで群体生命『ゼルガリアス・セル』は再び宇宙怪獣として返り咲くことができるはずなのだ。
 故に『プルトン人』たちを多数収容しながら、戦場における簡易増殖行動(仮)(セル・イェニスィ)でもって、テスティナは彼らの生体情報を抜き取り、円盤型宇宙船『コルピオス号』から複製体の歩兵種セルを次々と排出していくのだ。
「なんか、敵の数、増えてね?」
「確かに。なんか最初は一人だったのに」
『プルトン人』たちは首をかしげた。
 だが、まあそんなこともあるかなぁと呑気に眺めていたら、いつのまにか相手チームの人数がおかしなことになっているのだ。

 そう、それは洪水とも言いかえてもいい程の数であった。
「……いや、どう見ても増えてるな!? おかしいくらいに!?」
「ぴるぴる。そうです。最初は屍拾いですが、もう十分に数が用意できましたから」
 テスティナは『コルピオス号』の中から排出した歩兵種セルに号令を下す。
「戦いは数ですから」 
 さあ、と洪水のように歩兵種セルたちが大宇宙というフィールドを駆け抜け、テスティナもまた打って出るのだ。
「数多いな!?」
『エル・ティグレ』の言葉にテスティナは頷く。
「ところで、光年だと距離の単位では?」
 確かに!
「……そんくらいアタシと連中との間にはサッカーの技量の差があるって言う、そういう、あれだ! です!」
 テスティナは頷いた。
 ああ、単純に間違えたんだな、と――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霧沢・仁美
フィールドは宇宙、相手は数千数万の大軍勢。
…これ、サッカーかな。サッカーなんだね。
そういうコトなら…うん、やるしかなさそうだね!
(邪神の侵食が進んだことで宇宙的事象への理解力が上がってる模様)

というワケでエル・ティグレに協力して敵と戦うよ。
念動鎧装を発動、プラズマ炎の翼を広げて【推力移動】、飛び回りながらドリブルしたりパスワークしていこうかと。
邪魔する敵はプラズマ炎で焼き払っちゃうよ。

そうして敵のディフェンスを突破したら、エル・ティグレへパス。
豪快なシュートで一発決めちゃってね!

…あれ、ゴールって何処だっけ。まあ良いか!



 ギャラクシィ・サッカーのフィールドは宇宙。
 当然無重力である。
 そして、敵は数千数万を数える大軍勢。
 その規模は言うまでもなく宙域すべてを巻き込むものであった。とんでもないものである。宇宙戦争もかくやという様相である。
 その光景を見ながら、霧沢・仁美(普通でありたい女子大生・f02862)は呟いた。呟いてしまった。
「……これ、サッカーかな」
 核心的なことを!
 そう、これって本当にサッカーかな? という光景が仁美の前では繰り広げられていた。
 サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』の強引なドリブルによって次々とオブリビオン『プルトン人』がふっとばされていく。
 普通のサッカーなら、一発レッドカードである。
 だがしかし、ギャラクシィ・サッカーは違う。
 元々超人サッカーなのだ。ふっとばされるくらい、よくあることである。
 
 試合は人がふっとばされた程度は中断されないのである。
 無法ここに極まれリである。
「サッカーなんだね。そういうコトなら……うん、やるしかなさそうだね!」
 仁美は力強く頷いた。
 邪神の侵食が進んだことで宇宙的事象に対する理解力が上がっているようである。それって理解力というより、常識の改変が行われているっていうことではないのだろうか?
 大丈夫だろうか。
 本当に元・どこにでもいる女子高生だろうか?
 もはや、別のなにかに変わろうとしているのではないだろうか?

「オラオラッ! 銀河美少女のアタシが通るぞ! 道を開けろッ!」
『エル・ティグレ』のドリブルに仁美は並走していた。
「おっ、御主人様、なかなかよい走りっぷりだな! です!」
「うん! コンビネーションでいこう! いくよ!」
 仁美の身にまとわれるは、念動鎧装(サイキック・アームズ)である。
 それはギャラクシィ・サッカー的に大丈夫なのか。
「ユニフォームだと思えば、ヨシ! です!」
「そうなんだ。なら!」
 仁美は迫る『プルトン人』たちを触れることなく吹き飛ばしていく。なんで!? ま、まさか、その弾むような……。いや、これ以上は言うまい。
 兎にも角にも仁美に近づこうとした『プルトン人』たちは次々に吹き飛ばされるのだ。

「ちゃ、チャージだろ、これ!?」
「なんで近づけないんだ!?」
「しんぱーん!!」
 猛抗議である。だがしかし、忘れて欲しくないのだが、仁美は何一つ『プルトン人』たちの体に触れていない。
 端から見れば、勝手に『プルトン人』たちが吹き飛んでいっているようなもなのだ。だから、反則は取られることはない。あくまで彼らが勝手に吹き飛んでいるだけなのだから。
 セーフである。
「そして! これならどうかな……!」
 仁美の身にまとわれた念動力がプラズマの翼となってフィールドを舐めるようにして広がっていく。

「これはアウトだろ!」
「言い逃れできないぞ!」
『プルトン人』たちの抗議の声があがる。だが、抗議の声を上げた『プルトン人』たちは、仁美のプラズマ炎の翼に焼き尽くされてしまう。
 口封じかな?
「……まあ、そうとも言うかも知れないが、抗議がないならやってないのと同じだ! です!」
「そうなのかな。でもディフェンスに穴があいたよ。『エル・ティグレ』さん、ぱーす!」
 仁美が、ぺいんとボールを『エル・ティグレ』に蹴り返す。
 なんともヘロヘロな、インターセプトしてくださいって感じのパスである。 
 だがしかし、そのパスを止める『プルトン人』たちは仁美のプラズマ炎の翼で焼き尽くされている!
 もうがら空きである。
「……あれ、ゴールって何処だっけ」
「そこがゴールって定めれば、ゴールなんだぜ、です!」
「そっか! いっけー!」
 仁美は納得して、『エル・ティグレ』の必殺シュートが『プルトン人』の宇宙艦艇をぶち抜く光景に拳を突き上げて、声援を上げるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

んもー
だから『美』と『究極』はいらないでしょって
つまり彼女がオーパーツを見つけたところで後ろからガツンッてやって宝物を奪えばいいんだね!
そういうの映画がよく見たよ!
え?ちょっと違う?そっかー

●並んで並んで
はいならんでならんでー
別に並ばなくてもいいけど!
[球体]くんたちのうち最大サイズの子たちを呼び出してー
UC『神罰』で巨大化!
そしてまとめてドーーーンッ!
もひとつドーーーーンッ!
おまけにドーーーーンッ!
これでスリーストライクバッターアウt…ハットトリック達成だね!
これはサッカーだからね!

さあ!このままスリーアウト取ったら次はボクたちの回だよ!!



 第三銀河の統一者にして美少女。
 それが究極たるサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』である。
 彼女が成した覇業の凄まじさは狩るべくもない。
 だがしかし、ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は頭を振る。
「んもー、だから『美』と『究極』はいらないでしょっ」
「げっ」
 げって言った。
『エル・ティグレ』はボールキープしながら、当たり前のようにオブリビオン『プルトン人』をふっとばす。
 もうサッカーという名の別のなにかであったが、それが数千数万規模の試合であるというのならば、もう何がどうなっているのかさっぱりわからない状況であった。

「今、げって言った?」
「言ったかも知れないし、言ってないかもしれないだろ、です!」
「まあいいけどね!」
 ロニは、まいっかーといつもの具合で『エル・ティグレ』の言葉を聞き流した。
 彼女が求めているのは、この宇宙にたった一つだけあるという超機械である。
 このオーパーツを彼女が見つけたところを、後ろからガッ! とやって奪えば良いのだとロには理解していた。
 そういう映画は古今東西よくあることである。
 味方と思っていたやつが敵! とかね。
 そういうの。
 まあ、違うけど。
「違うの? そっかー」
 ま、いっか、とまたロニは一つ頷いて、『プルトン人』たちに向き直る。

「はい、ならんでならんでー」
「なんで?」
「よくわからん。が、並べというからには並ばないといけないかもしれん」
『プルトン人』たちは割りと素直であった。
 いや、これサッカーの試合だと思っている時点で素直というよりは、その愚鈍といってもよかったかもしれない。
 ロニの言葉に、これもなにかの作法かも、と思って並んだのだ。
「それで、どうするんだ?」
「ん? 簡単だよ」
 にこ、とロには微笑んで、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
 嫌な予感しかしないなーと『エル・ティグレ』は思った。事実、嫌な予感っていうのは的中するものである。よい予感ってあんまり的中しないのなんでだ? バイアス掛かってる?

「これが、神罰(ゴッドパニッシュメント)ってやつだよ! まとめてド――ンッ!!」
 巨大化された球体がロニによって蹴り出される。
 その一撃は凄まじいもので、宇宙空間にあって整列した『プルトン人』たちを軒並み轢殺していくのだ。
「もひとつド――ンッ!」
 更に繰り出される球体。
 これがサッカーとは言え、誰がボール一つだと言った?
「おまけにド――ンッ!」
 そう、これはギャラクシィ・サッカー。
 無法も法のうちと言わんばかりに新たなボールが繰り出されるのも、その大きさがちょっとデカイな、と思うほどのものであることも、ままあるのである。
これでスリーストライクバッターアウ……ハットトリック達成だね! これはサッカーだからね!」
 そうかな、と『エル・ティグレ』は思ったが突っ込まなかった。
 突っ込んだらら、絶対面倒なことになるからだ。
「さあ! このままスリーアウト取ったら次はボクたちの回だよ!!」
 もうずっとこっちのターンである――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

淳・周
あー、宇宙征服?
それは悪…いや超次元サッカーなら…
…とりあえずオブリビオンをぶっ飛ばしてから考えるとすっか!
銀河の果てだろうが正義のヒーローは駆けつけるものだからな!

そういう訳でエル・ティグレと共闘!
何か腰が低いというか丁寧…だが超次元サッカーは野生的で凄まじいな!
これはアタシも負けちゃいられねえとUC起動、脛当てとかボールとかのサッカーにおける武具を装着!
無重力下のサッカーってのは初めて体験するが目の前に最高のお手本があるんだから参考にしつつプルトン人共を蹴散らして行くぜ!
燃え上がる必殺シュートを密集地帯に叩きこみ、装甲ごと焼いていく。
スペース空けたぞエル・ティグレ!

※アドリブ絡み等お任せ



「あー、宇宙征服?」
 それはサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』が打ち立てた、アスリートアース帰還へのロードである。
 そう、この宇宙の果てにあるという超機械を求めてのヒーローズアースの宇宙をギャラクシィ・サッカー勝負で征服していっているのだ。
「それは悪……いや、超次元サッカーなら……」
 淳・周(赤き暴風・f44008)は、己を正義のヒーローとして定義している。
 であるから、その行いを悪と断じるのならば、『エル・ティグレ』を止めねばならない。
 しかしだ。
 これは超次元サッカー、ギャラクシィ・サッカーである。
 まさしく無法の剛腕でもって彼女は宇宙を征服して踏破しようとしていたのだ。。

「いやいや、でもこのやり方はあっているのか……? そもそもサッカーとは?」
 周は己の頭の中でサッカーというスポーツに対する概念がどんどんあやふやなものになっているのを自覚していた。
 が、自覚できていたからといって、その概念に対して答えが導き出される家と言われたら別問題である。
 背景に宇宙が浮かぶようであった。
 いや、実際宇宙である。
「……とりあえずオブリビオンをぶっ飛ばしてから考えるとすっか!」
 結論である。
 もう考えたところで正解が出るとは思えない。
 ならば、己が立つこの場において己がなんであるかで規定すべきなのだ。
「銀河の果てだろうが正義のヒーローは駆けつけるものだからな!」
 そういうわけで周は大宇宙を疾駆する。

「助太刀するぜ、『エル・ティグレ』!」
「こ、これはこれは猟兵様! 助太刀感謝だぜ、です!」
『エル・ティグレ』はちょっとビクっとしていた。
 何故だかは言うまでもない。しれっとアスリートアースの宇宙征服を計画していたからだ。
 だが、周はそんな彼女の態度に気が付きながらも、その野性的で凄まじいプレイスタイルに本心から感嘆していた。
「まさに虎の如しだな! これはアタシも負けちゃいられね! 派手に燃えて行くぜぇっ!」
 紅炎装纏(オーバーヒート)によって周は無重力下とは言え、その才覚を発揮する。。
 何せ、手本たる『エル・ティグレ』がいる。
 その動きをトレースすることはできなくても、見様見真似はできるのだ。

「な、なんだこいつ! 一体どうやって動いて!?」
「簡単なことだ! 今のアタシは炎! 燃え盛る炎! であればぁ!」
 周は『エル・ティグレ』からボールを奪い取り、その足を振りかぶる。
 周囲に炎がうずまき、さながら魔法陣のように彼女を取り巻くのだ。
「炎の壁!?」
「こ、これではインターセプトできない!?」
「これが必殺シュート! 燃え上がれ! シュート・ザ・オーバーヒート!!」
 瞬間、周の背景に『シュート・ザ・オーバーヒート』と謎の技名が浮かび上がるのだ。
 マジでなんで?
 だが、これはギャラクシィ・サッカーなのだ。
 技名くらい浮かび上がる。
 紅蓮の炎の武具が生み出した技名が溶け、焔へと変じて彼女の蹴り出したシュートにまとわりつく。

 それは凄まじい程の炎熱シュート。
 並み居る『プルトン人』たちを吹き飛ばし、絶対そうじゃない、という使い方でもって『エル・ティグレ』の走り込むスペースを開いたのだ。
「空けたぞ、『エル・ティグレ』!」
「え、あ、おお! です!」
 なんか違うな、と『エル・ティグレ』は思った。
 だが、周の熱さに押し負けるように、その切り開かれた道を『エル・ティグレ』はひた走り、彼女に負けぬ爆熱シュートを叩き込むのだった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『宇宙魔神ディバウラー』

POW   :    私は不滅の魔神だ! さあ、絶望せよ!
【自分が瀕死状態になると、より強力な姿】に変身する。変身の度に自身の【スピード、パワー、所持する武器】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
SPD   :    私のオメガニック・レイからは逃げられんぞ!
【両目から発射する追尾性の破壊光線】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【光線が触れた箇所を対消滅させる現象】で攻撃する。
WIZ   :    プリミティブ・ジュエルの力に平伏すがいい!
【無敵の肉体を与える宝石の力】【原子配列を操作し物体を創造する宝石の力】【時間や物理法則に干渉して操作する宝石の力】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。

イラスト:如月将史

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠霧崎・紫苑です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』と猟兵たちによって『プルトン人』たちはボコボコにボコされていた。
 これって一応サッカーですよね? という確認が取りたくなるような光景であったが、これがギャラクシィ・サッカーである。
 無法だろうがなんだろうが、ゴールしちまえば点数が入るものなのだ。
「なんたる様か……! 情けない!」
 オブリビオン『宇宙魔神ディバウラー』は、重たい腰を上げて憤慨していた。
 数千数万に及ぶ軍勢であっても、猟兵と『エル・ティグレ』を止められぬ不甲斐なさに、やはり宙域最強である己が打って出ねばならぬのだと理解したのだ。
「付いて参れ。本当の戦いというものを教えてやる!」
 だが、彼はまだ知らない。
 これがギャラクシィ・サッカーだということを。
 そして、通常の戦いとは全く持って異なる、ルールという枠組みの中にあってなお、無法が存在するという脅威が牙を研いでいるということを――。
霧沢・仁美
あ、|敵の大将《ゴール》だ。
よーし、じゃあアレにシュート決めて華麗に勝利といこうか、ティグレさん!

とはいえ流石に敵の守りは固いね。
ならこっちも人数揃えてタックルで突破だよ!
眷属召喚・影像種!
催眠タックルで敵の守りを崩しちゃって!

そうしてプルトン人の動きを鈍らせたところをプラズマブーツの【推力移動】で飛翔しティグレさん共々突破。
ディバウラーが撃ってくる光線は、プルトン人か眷属を盾にして凌ぐとするよ。

後は残った眷属に配下のインターセプトを阻止して貰いつつ、【念動力】で加速させたクロスをティグレさんへ。
そのまま一気に決めちゃって!



 宙域を埋め尽くす数千数万の軍勢。
 これを率いているのがオブリビオン『宇宙魔神ディバウラー』であった。
 彼は配下である『プルトン人』がサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』と猟兵たちによって蹴散らされている現状に怒りを顕にしていた。
「ええい、なんと不甲斐ない。貴様らそれでも、この『宇宙魔神ディバウラー』の軍勢であるのか!」
 叱咤激励するように彼は宇宙空間を悠然と歩む。
 歩む?
 すいーって浮遊するのではなく?
 そう、彼にとって宇宙空間であろうと覇道を歩むのであれば、当然のように歩むことができるのだ。
 それがこの宙域最強のオブリビオン『宇宙魔神ディバウラー』の力であった。

「まあよい。私の視線、メガニック・レイからは逃れられんぞ!!」
 放たれる破壊光線。
 だが、それはあっさりと『エル・ティグレ』の暗黒星雲ボールに吸い込まれた。
「何ッ!?」
「アハハハッ! 言っただろ、アタシは第三銀河の支配者だったんだぞ? それに比べてお前はなんだ? この宙域最強? 銀河最強のアタシと張り合おうってのか? あん?」
 そのとおりであった。
 彼女が銀河最強たり得たのは、その暗黒星雲ボールのためであった。
 それを奪えれば形成は逆転できようが、そう甘くもない。

 そして、今は猟兵も味方チームなのだ。
「そういうわけだ、御主人様。やつのユーベルコードは封じたも同然だ! です!」
「じゃあ、|敵の大将《ゴール》ってこと?」
 霧沢・仁美(普通でありたい女子大生・f02862)は首を傾げて、『宇宙魔神ディバウラー』を指差す。
『エル・ティグレ』は、その通りだと言うように頷いていた。
「そうなんだ! よーし、じゃあアレにシュート決めて華麗に勝利といこうか、ティグレさん!」
「おうともよ! です!」
 二人の言葉に『宇宙魔神ディバウラー』は慌てふためく。
 触れたものを消滅させる破壊光線を目から放つことのできる自分がこうも容易く追い込まれて言うという事態に彼はたじろいだ。
「ば、馬鹿な! そんな事があってたまるか! き、きさまら! 私を守れ!」
「ハッ!」
『プルトン人』の精鋭たちが仁美と『エル・ティグレ』の前に立ちふさがる。

「敵の守りは固いね」
「なら、御主人様。こっちはどうするってんだ? です!」
「人数をこっちも揃えてタックルで突破だよ!」
 それもうサッカーじゃない気がする。
 ラグビーとかそんな感じのアレじゃあないかな。だが、仁美はそんなツッコミが入る前に己が手にした『ルクスリスの書』から己が影を象った邪神の眷属を召喚する。
 それは百を超えて勢揃いであった。
「一気に増えたな、御主人様の影か、これ。です」
「そうだよ!」
 そっくりでしょ、と仁美は頷く。
 そう、シルエットがそっくりなのだ。しかし、そればかりではない。その眷属たちは、触れたものを催眠に寄る思考力と意志力を低下させるのだ。

「ぐわー! っていうか、俺達一体何をしていたんだっけ……」
「なんか妙に柔らかったような……」
 あれ!? なんかいい目を見ている『プルトン人』たちもいるが、動きが鈍った。
 そこに仁美はプラズマブーツの飛翔でもって『エル・ティグレ』と共に『宇宙魔神ディバウラー』へと迫るのだ。
「クッ! こ、この私が追い込まれるだと!? そんな馬鹿なことがあってたまるか!」
「あるよ!」
「御主人様! クロスだ! です!」
「え、一気に決めちゃっていいんだけど! でも、えいっ!」
 仁美と『エル・ティグレ』が共に宇宙空間に翻る。
 あわや、クロスプレー。
 否、それはクロスプレーではなく、二人の足が宇宙空間で交錯して放たれるクロスボレーシュートであった。
 唸る暗黒星雲ボール。
 その痛烈なる一撃が『宇宙魔神ディバウラー』の顔面を捉え、凄まじい衝撃を宙域に炸裂させるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テスティナ・ヴァシリッサ
ぴるぴる。あれがこの宙域最強の生命体ですか。
先程のセル達は寿命が足りませんでしたが、急造でしたので仕方ありません。とはいえ、今はセルをコルピオスに産みださせる時間も惜しい、となればこうしましょう

相手の光線は『ゼルガリアス・セルテスティナ護衛兵』にかばわせ、こちらは意識を集中し、UC【思考ノイズ大量送信に伴う思考妨害(仮)】を。
思考形態に大きな差異がない以上、これが異星の種族であろうと有効であることはそこのエル・ティグレさんも|よくご存じ《経験済み》の事。

そしてこのような競技で反応速度の激減は致命的でしょう、
それではエル・ティグレさん。
(「何を」かはよく知らないが)決めてしまってください



 顔面に激突するサッカーボール。
 くっきりとオブリビオン『宇宙魔神ディバウラー』の顔面に円形の窪みが出来るほどの痛烈なる一撃であった。
 ポロリと落ちるボール。
 ぼこっと凹んだ『宇宙魔神ディバウラー』の形相は怒り以外の何ものでもなかった。
「……」
「アハハッ! ボコってなってる! アハハッ! みなよ、御主人様たち! あのざまをさぁ! です!」
 サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は『宇宙魔神ディバウラー』の姿に思わず吹き出していた。
 その姿から想像もできないほどにコミカルな形相となった『宇宙魔神ディバウラー』はこれからどんなに威厳あることを言っても、締まらないだろう。
 この手合いにとって面子というのは、時として生命よりも大切なものであった。

「き、貴様ら……! 許さん! 許さんぞ!!」
 膨れ上がる重圧。
 それは宙域を揺るがすほどの振動であり、配下である『プルトン人』たちは恐れおののいた。
 この宙域最強は伊達ではないのだ。
「ぴるぴる」
 ふむ、とテスティナ・ヴァシリッサ(ゼルガリアスの姫巫女・f38690)は、そんな『宇宙魔神ディバウラー』の姿を認めて頷いた。
 あれがこの宙域最強のオブリビオンであるところは理解できた。
 であれば、先程『プルトン人』たちを圧倒したセルでは寿命が足りないだろう。急増であったこともある。
 だが、今の『コルピオス号』に新たなるセルを産み出す余裕はない。時間的な余裕もあるとはいえないだろう。
 であれば。

「逃がすものか! 喰らえ、私のオメガニック・レイを! 触れたものを原子レベルまでに粉砕する破壊光線だ!」
「ぴるぴる。それは危ないですね」
 とっさに全身を鎧で固めたセルがかばう。
 その一撃は『宇宙魔神ディバウラー』の語る所の威力を余すことなく発揮していた。
 一瞬で防御力に優れたセルが分解されてしまったのだ。
「フハハハ! 馬鹿め、その程度で私のオメガニック・レイから逃れられるものか!」
 しかし、テスティナは精神集中に勤しんでいた。
 セルが己を守るは当然である。 
 生存戦略として守るべき要を守ってこその護衛なのだ。
 セルが自らを庇ったのは正しい。そして、テスティナは精神集中する時間さえあれば……。

「ん!?」
「ぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴる……」
「な、なんだ、この奇っ怪な音は!? あ、頭に直接響いているのか!?」
「ぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴる……」
「や、やめろ! なんだこれは!? このノイズは!?」
 テスティナは己の精神から思考ノイズ大量送信に伴う思考妨害(仮)(マインドジャミング)を『宇宙魔神ディバウラー』に送り込んでいたのだ。
 一方的である。
 相互ではない。
 そう、テスティナは理解していた。
 以下に異星の種族であろうと思考形態に大きな差異がない場合、これが友好である。
 それは『エル・ティグレ』にも理解出来るところであっただろう。
 拒否できぬ思考ノイズ。
 汚染されていく思考。

 それは思考力を低下させ、集中させない。加えて反応速度が遅れるのならば。
「それでは『エル・ティグレ』さん」
 ギャラクシィ・サッカーを繰り広げるフィールドにあって、告げる。
「決めてしまってください」
『何を』なのかはわからないが。まあ、こう言っておけばいいのだとテスティナは無表情のまま頷く。
「いわれなくたってさ! です!」
 その言葉に『エル・ティグレ』の必殺シュートが炸裂する。 
 再び『宇宙魔神ディバウラー』の顔面にボールが炸裂し、うまい具合に凹んだ顔面に回転の加えられたボールの摩擦が巻き起こるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

ヘイヘイ!ピッチャービビってる~!
なんて今はやkサッカーで言っちゃダメなんだっけ?
ヘイヘイ!ピッチャーSAN値下がってる~!

●少女エル・ティグレ危うし!
そんな風にヤジ飛ばしてる間に敵が何かパワーアップして彼女がピンチ!
いやそこはいいじゃん!ピンチになってないならボク何もしなくていいし!

ここは愛と友情のツープラトン!
UC『神罰』で巨大化した[球体]くんたちを宙域全体にばらまく!
そして彼女の暗黒星雲ボールに吸い寄せられる球体くんたち!
寄り集ってグシャーッ!!
こうして宇宙に無数の球が寄り集まってサッカーボールのような惑星が生まれたり生まれなかったり…したらサッカーぽいかな?



 二度目の顔面シュート。
 それによってオブリビオン『宇宙魔神ディバウラー』はわなわなと肩を震わせていた。
 一度ならずとも二度目の顔面である。
 これには流石に『宇宙魔神ディバウラー』もビキビキと怒りを顕にしていた。
 いや、最初から怒っていたが、さらに怒髪天を衝く勢いである。
「でも髪ないよねー?」
 つるつるしているし、とロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)はどっちがボールかわからない頭をしている『宇宙魔神ディバウラー』を指差す。
 ブルブル。
 お、何か震えていますね? 何かな?『宇宙魔神ディバウラー』の頭でした!

「貴様ぁ!!!」
「ヘイヘイ! ピッチャービビってる~!」
 へいへいへいへい!
 ロニは『宇宙魔神ディバウラー』を前にして挑発を飛ばしまくる。いや、ヤジである、単なる。
「ああいや、今、や……サッカーで言っちゃ駄目なんだっけ? ヘイヘイピッチャーSAN値下がってる~!」
 どっちも変わらない。
「消えろッ! オメガニック・レイ!!」
 びー! と目からビームを放ち、ロニに迫るオメガニック・レイ。
 破壊光線の一撃をロニは球体で防ぐ。
「あー! 球体くんがー!!」
 原子レベルにまで分解されて消えゆく球体。
 だが、すぐさまに原子レベルでッ結合させていく。いや、それどころかさっきよりでっかくなってないか?
 でっかくなってるよね?

「……ど、どういうことだ……?」
「簡単なことだよ! 分解されたのなら、巨大化すればいいって話!」
「いや、どういうことだよ、です」
 サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は首を傾げていた。
 よくわからん理論であったからだ。
 ロニのユーベルコードによってオメガニック・レイの破壊光線を受け止めた球体は、分解される端から巨大化したのだ。
 確かにあの破壊光線は凄まじい。 
 だが、原子レベルにまで分解するのならば、それなりに照射時間というものが必要だろう。
 その照射時間をロニは巨大化させることで時間切れにさせたのだ。

「力技ではないか! ただの!」
「まあ、そういうこと! でも、ピンチに颯爽と駆けつけるやつがやりたかったのに、ボクから狙うとか……わかってるね! でも、こういう時にやるべきことは……愛と友情のツープラトンだよ!」
 ロニの言葉に『エル・ティグレ』の暗黒星雲ボールへと球体が吸い寄せられていく。。
「えっ、ちょ、わっ!?」
「いっけー! これこそ、合体球体暗黒星雲銀河ボール! 名付けて、スーパーネビュラギャラクティカハイパーボール!」
 小学生が付けたネーミングである。
 だがしかし、その巨大さはいうまでもない。
 惑星かな? となるほどの大きさになった球体をロニはニコリと笑って『宇宙魔神ディバウラー』を示す。
「サッカーっぽいよね?」
「宇宙規模のサッカーっていうんなら、まあ」
 そうかも、です、と『エル・ティグレ』は惑星級の大きさなのに、ボールくらいの重さしかないスーパーネビュラギャラクティカハイパーボールを蹴り込み、『宇宙魔神ディバウラー』を雑に押しつぶすのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

淳・周
よっしゃまずは一陣突破!
残るはゴール前の攻防…ってとこか。このままの勢いで突っ切るぜ!

引き続きエル・ティグレと共闘。
パスをトラップ?させねえよ!とパワーに任せたパスを送り配下共を吹き飛ばし、或いは翻弄。
向こうばかり見てるとこっちに足を掬われるぜ!と挑発したりドリブルで一気に突破したりして宇宙魔神に距離を詰め仕掛けていくぞ。
名乗るだけの実力はありそうだが…限界なんて超えていくもんだ。
UC起動、行くぞ!シュート・ザ・|リミットレスヒート《無尽業炎》!
極限まで加速した思考と反射速度で敵の対応を見切り瀕死すら一撃で越える威力で捻じ伏せてやる!
…拳じゃなくてシュートで決めるからな!

※アドリブ絡み等お任せ



 惑星級のボールがオブリビオン『宇宙魔神ディバウラー』の体を踏み潰すように激突した。
 だが、その惑星級のボールを押し返しながら彼は、その身より迸るオーラと共に憤怒の形相を湛え、猟兵たちを睨んでいた。
「よくもやってくれたな……だが、この私を怒らせた罪は深い。見せてやろう。私の真の姿を!」
 轟、と響くような重圧を身に纏いながら『宇宙魔神ディバウラー』は、その身より発露したユーベルコードの力を迸らせた。
 みるみる間に、体躯の傷が癒えていく。
「フ、フハハハ、この程度の傷など私にはあってないようなものなのだ。絶望するがいい!」
 しかし、その姿に淳・周(赤き暴風・f44008)は首を傾げた。

 通常、こういう時には変身するものである。
 大抵相手を絶望させるための常套手段であるが、『宇宙魔神ディバウラー』は負傷を癒やしただけであった。
「なんも変わってねーじゃんか」
 周はきっぱりと言い放った。
「な、何を!」
「いや、てっきり変身するのかと。特に変わってねーな、と思って」
 うん、と周は頷きサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』に、「なあ?」と同意を求めた。
「確かに。アタシみたく銀河級究極美少女だったなら、ともかく。ただのつるっぱげのおっさんだからな、です」
「だよなぁ。インパクト薄い。出落ちってやつだよな」
 周の言葉に『宇宙魔神ディバウラー』はブルブルと身を震わせていた。
 許せない。
 許せるわけがない。
 怒りに満ちたオーラと共に『宇宙魔神ディバウラー』は叫んだ。

「コケにしおって! 許さんッ!!」
 迫る『宇宙魔神ディバウラー』に周は一気に駆け出す。
『プルトン人』たちをかいくぐり、『エル・ティグレ』と共にフィールドを疾駆する。
『宇宙魔神ディバウラー』だって此方に向かってきているのだが、やっぱりサッカーやる気はないんだな、と彼女は思っただろう。
 彼女の繰り出すパスは、パスというか、シュートというか。
「ごはぁっ!?」
 宇宙空間に舞う『プルトン人』たち。
 盛大にふっとばされるほどのパスの一撃に、誰もがトラップできやしないのだ。

「はっ、トラップできると思うなって!」
「やるな、御主人様、です!」
「させるかっ!」
 インターセプトしようと割って入る『宇宙魔神ディバウラー』。
 しかし、そこに周が飛び込んで彼の前から華麗にターンしてドリブルでもって躱すのだ。
「ちょこまかと!」
「向こうばかり見てると足元が疎かになるぜ!」
「させるかっ!」
 凄まじい速度で周の眼前に回り込んだ『宇宙魔神ディバウラー』。だが、忘れているのだろう。
 これはギャラクシィ・サッカー。
 サッカーという枠組みにあって無法をゴリ押しする超人的スポーツなのだ。

「行くぞ! シュート・ザ・|リオミットレスヒート《無尽業炎》!」
 極限まで圧縮された灼熱の炎。
 それがボールへと変化し、周の瞳がユーベルコードに煌めく。
 身にまとうのは赫き月光のオーラ。
 シュートを放つ一瞬こそ、彼女を無防備にするものであったが、彼女には『エル・ティグレ』というチームメイトがいるのだ。
「くらえっ! これがアタシの必殺シュートだ! 決めるぜ!」」
 炸裂する周の灼熱のシュート。
「ば、ばかなっ! この私が!? この宇宙魔神ディバウ、がふぅっ!?」
 顔面にめり込む周の必殺シュート。
 ぎゅるぎゅる回転し、焔を撒き散らしながら、『宇宙魔神ディバウラー』は、のけぞるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
【理緒サージェ】

本当の戦い?宙域最強?
よし、その挑戦状受け取った。

と、決めてはみたけれど、やることは3人でボコだね。

1対3であのイキりかたとか、完全にサッカー知らない素人だし、
こっちはサージェさんととらたんいるしね。

さ、2人ともごー!
ボールたくさん追加するからどんどん突破しちゃってー!

え?複数ボールは反則?反則?ナニソレオイシイノ?

あ、わたしにはぜったいにボールを回さないようにね!

って、だめだってー!?
わたしの運動能力舐めんな!?
(飛んできたボールをトラップしようとして顔面レシーブ)

……次こっち蹴ったら怒るよ?(マジと書いて本気の目

2人でさっさとゴール決めてこーい!
(UCで速度極限アップ)


サージェ・ライト
【理緒サージェ】
おお、フィーアさんもいないのに、今宵の理緒さんが荒ぶっておられる
まぁそうですね『3人』でボコボコにしましょうか
エルさんも私たちに囲まれていると緊張しすぎで疲れるでしょう
そこで【ちまっとかぐや隊!】
応援よろしくですー
ゴール決めるとちまっとダンスがお披露目されますよ!
なんかサッカーぽいですね!

というわけでここはクノイチぱわーで突破ですね!
へい、パス!
いや、来た瞬間ダイレクトボレーしますけども
全部、|狙い《殺意》ますけども!!
おっと、ミスった、理緒さん処理してー
って、えぇぇぇぇぇぇぇぇ?!
あ、いえ、運動苦手なのは知ってましたが
ヒィッ、かぐや隊まで縮こまってる!?
アッハイイッテキマス!



「許さんぞ、許さん……許さんぞー!!」
 ブチギレていた。
 オブリビオン『宇宙魔神ディバウラー』はブチギレていた。
 まあ、わからんでもない。
 ギャラクシィ・サッカーはフィールドというルールの枠内で無法を尽くしたほうが勝つのである。暴論である。無論。
 だがしかし、サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』が暗黒星雲ボールなんていうチート級の能力を持っている時点で法もルールもあったもんじゃあないのである。
 裏を返せば、『宇宙魔神ディバウラー』はギャラクシィ・サッカー勝負を挑まれた時点で敗北は決定しているようなものなのだ。
 勝負しようぜ! 乗った!
 その時点で負け戦が決定しているのに、そこに猟兵までやってくるのだ。

 無法の剛腕というほかない。
「黙れっ! 本当の戦いはこれからだ! 宇宙最強は私だ!!」
 煌めく宝石の力。
『宇宙魔神ディバウラー』は、その最強たる所以を彼が持つ宝石に持つ。
 無敵の肉体。物体を創造する力。物理法則や時間にさえ干渉して見せる力。
 それらによって五体を強化しているのだ。
「その挑戦状受け取った、と思うんだけど、思いっきり顔面凹んでない? 凹んでるよね?」
 菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は、『宇宙魔神ディバウラー』の顔面を指差す。
 綺麗に顔面がボコッと凹んでいるのだ。
 これまで猟兵と『エル・ティグレ』によるシュートで彼の顔面は数度ベッコリしていたのだ。

「これは貴様らのせいであろうが!!」
「いや、それでも三対一で、そんなにイキるなんて、完全にサッカー知らない素人だし。それにこれギャラクシィ・サッカーだし」
 ルール把握している人いる? いねぇよなぁ!? というやつである。
「おお、今宵の理緒さんは荒ぶっておられる。まぁ、そうですね。『三人』でボコボコにしましょうか」
「物騒だな! です!」
「ふ、エルさんも私達に囲まれていると緊張しすぎて疲れるでしょう。そこで!」
 サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)はニッコリ笑って、ちまっとかぐや隊!(ゲーミングカグヤヒメトアソボウ)を出動させるのだ。
「はいせいれーつ! 番号!」
 いち、にぃ、さん! みたいな感じでゲーミングかぐや姫たちがフィールドに整列する。

「応援よろしくですー!」
 え、数でボコるんじゃあないのか!?
 応援だけ!?
「私、知っています。サポーターは12人目のプレイヤーだっていうことを」
「さ、二人とともゴー!」
「そういうもんだいかな、です」
「じゃあ、わたしは! フレーム・アドバンスで暗黒星雲ボールを増やしちゃうね!」
 それこそ反則である。。
「反則? 反則? ナニソレオイシイノ?」
 本物の無法者が此処にいた。
 チート級の暗黒星雲ボールをキャプチャーして増やすという剛腕というか。

「あ、わたしにはぜったいボールを回さないようにね!」
 理緒はそう言ったが、それはフリってやつである。前フリである。であれば、サージェはにこりと笑顔を浮かべてボールを理緒へと繰り出すのだ。
「へい、パス!」
 それ、パス頂戴! っていうときのやつじゃない?
「って、だめだってー!?」
 理緒の頭上に上がるボール。
 無数のボールがあるせいで、どれを受け止めていいかわからない。
「わたしの運動能力舐めんな!?」
 トラップしようとして受け止めたのは顔面であった。
 見事な顔面レシーブであった。『宇宙魔神ディバウラー』の顔に激突する顔面ブロックといい勝負であった。
「……次、こっち蹴ったら怒るよ?」
 目がマジである。本気とかいてマジの目であった。
「ひっ」
 サージェは理緒が運動が苦手ということは知っていた。
 だが、ここまでとは。
「二人でさっさとゴール決めてこーい!」
「アッハイイッテキマス!」
 その言葉に急いでサージェは増えたボールを片っ端から蹴り出す。
 強烈な勢いのボールの一撃は、『宇宙魔神ディバウラー』の体へと吸い込まれていく。
 彼がゴールの役割を果たしているのかどうかはわからないが、まあ、ともかくボレーシュートで物理的にボコボコにしているのだ。
 そう、全部|狙って《殺意》いるのだ。

「ぐわーっ!? ほ、本当にこれが、サッカーなのか!?」
「ちょっとアタシも自信無くなって来たぜ。けどさ。御主人様たちが、これがギャラクシィ・サッカーだって言うのなら!」
 これがギャラクシィ・サッカーなのだ。
 それを示すように『エル・ティグレ』とサージェのボレーシュートの乱打は『宇宙魔神ディバウラー』の無敵の体を散々に打ちのめし、宇宙の藻屑へと変えるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『超人スポーツ大会』

POW   :    派手な技で周囲を盛り上げる。または、参加者を応援する。

SPD   :    華麗なテクニックで周囲を熱狂させる。または、飲食しながら観戦する。

WIZ   :    不可思議な魔法で周囲を魅了する。または、実況席で実況・解説を行う。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 斯くして、ギャラクシィ・サッカーは試合終了のホイッスルが鳴り響く。
 終了時間ってあったんだ、と誰もが思っただろうし、ロスタイムはないのかな、と思ったりもした。
 が、『宇宙魔神ディバウラー』はボコボコにされて宇宙の藻屑である。
 もはや、この宙域に『エル・ティグレ』と猟兵に逆らう者はいない。それどころか、オブリビオンである彼らによって支配されていた宙域の惑星からは歓喜の声が響いていた。
 そう、彼らの支配から開放されたのだ。
「あなた方は私達の英雄だ! なんと誇らしいことか! ぜひ、サッカーの素晴らしさを私どもにご教授頂きたい!」
「未来永劫、あなたがたの偉業を語り継ぎましょう。そのためにも、どうか我らと共にサッカー大会を……!」
 口々に彼らは『エル・ティグレ』と猟兵たちを我が惑星に招待したいと言うのだ。
『エル・ティグレ』は渋い顔をするかもしれない。
 何故なら、彼女は銀河の果てを目指しているのだ。
 超機械。
 自らの世界、アスリートアースに帰還するための唯一の方法である。

 しかし。
「アハハハッ! なかなか見どころがある連中じゃあないか! なら、ギャラクシィ・サッカーの素晴らしさを! そして、この究極美少女『エル・ティ』様が教えてやろうじゃあないか!」
 このサッカー・フォーミュラ、ちやほやされることに長けていた。
 ある意味必然であろう。
 そんな彼女と共にサッカー大会に興じるもよし、はよ銀河の果て目指せと尻を叩くもいいだろう――。
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

見つけた!そう思った瞬間少女エル・ティグレが感じたのは目から🌟が飛び出るほどの後頭部への衝撃…
そして彼女が次に目覚めたときそこは…宇宙最悪の悪所!バルバロッサ女囚監獄要塞!
脱獄不可能!誰であろうと一度入って生きて出てきた者はいない(看守は?)
収監されてしまった彼女の運命や如何に?

●稟議通らず
ってノンフィクションショートフィルムを撮ろうと思ってたのに稟議が通らなかったよ!
ていうかそもそもまだ見つかってないじゃん肝心のものがさー

わーいわーいボクもサッカーするー!
とこどもたちとサッカーを楽しもう!

あ、準備はしてるからね!発見するのをボクも待ってるよー!(ブンブン素振り)



 元の世界に戻るための唯一。
 それが銀河の果てにありし|超機械《オーパーツ》。
 サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』が求めたのは、そのただ一つ。
 世界に一つだけしかないお宝を手にするにふさわしいのは究極美少女である己だけである。
「あれがそうか!」
 瞬間、彼女の目から火花が散るように星が飛ぶ。
 後頭部に不意に与えられた衝撃。
 ぐわんぐわんと頭が揺れる。
 ぐらぐらと視界が揺れる。
 立っていられない。
「この、究極美少女にして第三銀河の支配者であるアタシが……がくっ」
 倒れ伏した彼女が次に目を覚ました時、その身は横縞の囚人服を着せられ、その足には鉄球がはめ込まれていた。

「こ、ここは一体……!」
 そうここは宇宙最悪の場所! バルバロッサ女囚監獄要塞!
 脱出不可能!
 誰であろうと一度入ってしまえば、生きて出てくることのできない難攻不落脱獄不可能なる監獄であった!
 看守は? とツッコミが入るかも知れないが、そんな野暮な事言うやつは、こうだ!
 収容されてしまったサッカー・フォーミュラにして究極美少女、第三銀河の支配者「『エル・ティグレ』の運命は如何に――!?

「まあ、稟議通らないよね!」
 そもそも誰に対して稟議決済を取ろうというのか。
 そこらへんはまあ、曖昧なところであるが、ともかくとしてロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は、前述したようなノンフィクションショートフィルム制作に勤しもうとして、あえなく没。ボッシュートされた企画書を残念そうに見つめた。
「ていうか、そもそも肝心な超機械が見つかってないじゃん。肝心なものがさー!」
「まあ、銀河の果てまで後どんくらいかわからないしな。です!」
 ポンポンと『エル・ティグレ』はリフティングをしている。
 今回の事件で宙域をオブリビオンの魔の手から救った彼女は救世主としてチヤホヤされていた。
 めちゃくちゃチヤホヤされていた。
 アスリートアースでの大いなる戦いで配下が猟兵に敗北したことにより、彼女は支配者の地位から転落していたものだから、承認欲求が満たされまくっていた。

「のんびりやればいいのさ、です。それにここの連中にサッカーの素晴らしさを教えておけば、ゆくゆくは、この宇宙を支配しやすくなる。アハハッ、完璧な計画だ! です!」
「それボクらが聞いてたら、普通に阻止されるってわからないかなー。でもまあいっか、サッカーだよね! わーいわーいボクもサッカーするー!」
 ロニは細かいことはいいか、とそこら辺に稟議書をぶん投げてサッカーに興じる。
 否。
 彼が手にしていたのはバットであった。
 まごうこと無きバットであった。
『Mr.ホームラン』さながらな、ホームラン予告であった。

「それ、ちっげーから! です! それ、ベースボール、です!」
 そうじゃあないだろ、と『エル・ティグレ」のツッコミにロニは、違ったっけ? とサッカーボールをホームランして大いに人々を湧かせたのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
【理緒サージェ】

なんかお祭り騒ぎになってるね。

このままのんびり楽しめそうだし、ならここは!
ナイアルテさーん!でーとしよー♪

危ないことはもうない状態だし、
こうなったならお祭り騒ぎはうぇるかむ!
ちょっと強引にでもいっしょしちゃうよ。

サージェさん、そっち抱えて、わたしこっち抱えるから!

そしてさらにいいことに、世間はバレンタイン。
この勢いに乗じて、この世界の有名チョコを食べにいこうー♪

有名店を教えてもらったら、そこのイートインで……え?やってない?
まぁまぁ堅いこと言わないでお祭りなんだし!

みんなで美味しくチョコを堪能したら、とらたんにもお土産買っておくか!

もちろん動画はメモリいっぱいまで回ってるよ!


サージェ・ライト
【理緒サージェ】
ふぅ、圧勝でしたね!
では次の宙域に……いかないですってー!?(ツッコミ&お約束

まぁ理緒さんが楽しそうなので全然問題なし……でーと?!
なるほどね、ナイアルテさんを誘拐ですね分かります
了解しましたっこちら(反対側)はお任せください!

バレンタイン、チョコ、ナイアルテさん……ちょこはだたゆんぱい!!
完璧……アッハイダマリマス
ですが、ここでナイアルテさんが目立てば
菜医愛流帝ファンクラブが宇宙規模になるのでは?
ナイアルテさん、ここで一発、ういんkぎにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!(ふっとび)
せめて、死因は、ういんくが、よか……った(がくっ)

あ、はい
せっかくなのでチョコ楽しみましょうチョコ!



 オブリビオンとの戦いは終わりを告げた。
 サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』と猟兵たちは、オブリビオンに支配されていた惑星の人々から熱烈な歓迎を受けることになった。
 それもそのはずだ。
 永き時にわたり、オブリビオンたちは暴虐の限りを尽くしていたのだ。
 それを打ち破った猟兵たちは英雄そのもの。
 そして、支配を打ち破ったのがサッカー。ギャラクシィ・サッカーなのだ。
 となれば、当然彼らは救世の象徴であるサッカーを語り継ぐべく、願い出るのだ。そう、サッカーの伝授である。
「まあ、まてまて。このアタシは何せ究極美少女だからな! カリスマ性も宇宙規模ってワケよ、です!」
 ぐぃーんと伸びる『エル・ティグレ』の鼻。
 配下たちが猟兵に喧嘩を売って負けてしまったばかりに戦わずして、配下になってしまうことが決定しいたサッカー・フォーミュラとは思えぬ態度であった。

 まあ、わからんでもない。
 これまで下がりに下がった承認欲求が今まさに、ぐいんぐいんと回復しているのだ。
 そんな彼女と惑星の人々のサッカー大会の様相を見やり、菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は感嘆の声を上げる。
「わあ、なんかお祭り騒ぎになってるね」
「圧勝でしたからね! でも、いいんですかね? 次の宙域にいかないで」
 サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)の言葉も尤もだ。
 元々、『エル・ティグレ』の目的は、銀河の果てにあるという超機械だ。元の世界に帰還するためには、それが必要なのだ。
 だが、今の『エル・ティグレ』はサッカー・フォーミュラというより、承認欲求のモンスターであった。
 仕方ない。
 最近は、ちょっとチヤホヤされることも少なかったであろうから。
「もうこのままでいいかもな」
「ちょいちょいちょいー!」
 サージェは思わず突っ込んでいいた。

「理緒さんもなんとか言ってください……って、ええぇぇぇ!?」
 サージェが見たのはグリモア猟兵に絡む理緒の姿であった。
「でーとしよー♪」
 困ります、みたいな顔をしているグリモア猟兵。
 何故なら、まだ転移をね、維持しないといけないからね。危険が危ないわけではないが、猟兵たちをグリモアベースに帰還させるためにはちゃんとしてないといけないのだ。
「いいじゃない。ほら、サージェさん、ぼさっと見ていないで、そっち抱えて! わたしこっち抱えるから!」
「なるほど、誘拐ですねわかります。了解しましたっ。こちらはお任せください!」
 腕と足とを拘束する理緒とサージェ。
 やっていることは山賊そのものである。
 上がる悲鳴。
 だがちょっと楽しそうである。

「季節はバレンタイン、チョコ……」
「そう、いいことにね! この勢いに乗じて、この惑星の勇名チョコをたべにいこうー♪」
「ふっ、チョコはたゆんぱい!!」
 じと、とした視線がサージェを射抜く。
「アッハイダマリマス」
 サージェは小さくなった。
 しかしながら、である。
 ここはヒーローズアースの宇宙。
 複数の異星人が居住する惑星あれど、チョコ文化が存在するだろうか?
「え、ないの?」
「チョコ? それはわかりませんが、トーレコヨチはありますよ」
 異星人の言葉に理緒は目を剥く。
 なにそれ!?
 トーレコヨチ!?
「初耳ですね。しかし、思うのです」
 サージェは相変わらずグリモア猟兵の足を掴んだまま、瞳を伏せる。なんか神妙な雰囲気に二人は黙ったが、どうせ碌な事は言わないだろうな、という予感はあった。

「菜医愛流帝ファンクラブ、宇宙規模を目指しませんか」
 まず離して。
「ア、ハイ」
 開放されたグリモア猟兵は深呼吸をする。
 あれ、と理緒は思っただろう。
 離した瞬間、速攻で逃げられると思っていたのだが、そうではないようだった。むしろ、腹を括ったようだった。
 にこ、と微笑んだ後グリモア猟兵はウィンクをした。
 いや、違う。
 ウィンクに力がこもりすぎて、両目を瞑っている!
 もうウィンクではない。
 なんか、妙に力入っているキス顔であった!

「ぎにゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」
 クノイチのお株を奪うような不意打ちにサージェはぶっ飛び、理緒は動画を野生の勘で開始していた。
「まさかのキス顔!」
 違う。キス顔じゃなくて、ウィンクだ、というグリモア猟兵。
 だが、それはどう見てもウィンクではなかった。
「しいんは、うぃんく、じゃなくって、キス待ち顔……」
 ガクリ、とサージェは再びダイイングメッセージを刻み、理緒は激写した一部始終に大いにハッスルのするのだった。
「うん、サッカー布教は!?」
『エル・ティグレ』は漸くにして三人に突っ込むのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テスティナ・ヴァシリッサ
まずはプルトン人の残敵掃討を…ぴる?必要ないかもしれない?
でしたら…そうですね、この星域の生命体の情報を集めるのも悪くはないでしょう、ぴる。この星の知的生命体に擬態させた|ゼルガリアス星人《ヒト型セル生物》を呼び出して情報収集をさせましょう
ただ、友好的な以上は、彼らに対して「解析」するのは避けた方が良いでしょうから、ほどほどにしておきましょう。戦闘能力という意味では優先順位は高くはなさそうですし。

…ところで、ここで時間を浪費していてよいのですか?
縄張りを広げるのは良いのですが、元々の縄張りはよいのでしょうか?
このまま時間をかけすぎると、「元」第三銀河の支配者になってしまうのでは?



 テスティナ・ヴァシリッサ(ゼルガリアスの姫巫女・f38690)は、宙域を支配していたかつての支配者である『宇宙魔神ディバウラー』と、配下『プルトン人』たちの残敵掃討に繰り出そうとしていた。
 元々、数千数万の軍勢である。
 これを残さず掃討しておかねば、後々の禍根に成りえるかもしれないと思ったのだ。
 だが、そんなテスティナにサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は頭を振る。
「大丈夫だぜ、御主人様。連中、頭がいなくちゃあ、何もできない烏合の衆だ。どのみち、この宙域には御主人様たちがいるってわかった以上、もう手を出してくるこはないさ、です!」
 彼女の言葉にテスティナは、そうなのか、と納得する。
 となれるとテスティナは自分ができることは、もうないな、と思ったのだ。

『エル・ティグレ』や他の猟兵たちのようにサッカーを布教することは自分には向いていない。
 ギャラクシィ・サッカー自体も彼女はよく理解していなかった。
 大本であるサッカー競技に関しても同様だ。
 なので、残敵掃討をする必要がない、となると手持ち無沙汰になってしまうのだ。
「ぴるぴる……どうしたものでしょうか」
 ううん、とテスティナは珍しく迷っているようだった。
「そんな難しく考える必要はないさ、です。なんなら、この惑星の連中と交流をしてみてもいいんじゃないか、です?」
「そうですね。この星域の生命体の情報を集めるのも悪くはないでしょう、ぴる」
 うん、とテスティナは現住知的生物偽装したゼルガリアス星人の配備(仮)(セル・アパテオナス)を呼び出す。
 擬態したセルにてテスティナは触れて、命令を下す。

「ぴるぴる。いいですか、この惑星の情報を集めてくるのです。彼ら友好的でしょうから、『解析』をするのは避けなさい。ほとほどに、です。いいですね?」
 戦いになることはないだろう。
 ファーストインプレッションは、大切だ。
 そういう意味では、テスティナたちは猟兵として戦ったのだから惑星の人々にとっては救世主であり英雄なのだ。
 何処に言ってもきっと歓迎されることは言うまでもない。
 であれば、争う理由もないのだ。

「ぴるぴる。もともと、この惑星の生命体は気性が荒い方ではないようですね。オブリビオンに良いように支配されていた、ということからも頷けます」
 テスティナは集められた情報を見やり、そう結論づける。
 であれば、自分たちにとっても脅威ではない。
 そんな風にテスティナが宙域の惑星を調査していると『エル・ティグレ』がやってくる。
「御主人様、まだそんなことしてたのかよ。一緒にチヤホヤされようぜ、です」
「……」
 彼女を見て、テスティナは特に表情を変えなかった。
「ここで時間を浪費していてよいのですか?」
「あ? なんで? です?」
「いえ、あなたにとっては縄張りを広げる意味があるのかもしれませんが、元々の縄張りはよいのでしょうか?」
 そう、此処は彼女の元いた世界ではない。
 彼女は帰らなければならないのだ。
「このまま時間を変えすぎると、『元』第三銀河の支配者になってしいまうのでは?」
 そのとおりだ。
 久しぶりのチヤホヤに『エル・ティグレ』は完全に失念していたのだ。
 テスティナは、そう客観的事実を指摘したに過ぎないが、『エル・ティグレ』の顔は青ざめて、バタバタと帰り道の模索へと往かねばと慌てるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

淳・周
試合なんだから終了時間もあるよなー。納得。
とはいっても一つの試合が終わったならまた別の試合をやっちゃあいけないって事もないよな。
よっしゃ第二ラウンド、アタシもいっちょ楽しむとするか!

招待に応えて住民達と大会に参加。
あ、ギャラクシィリーグサッカーの宣言とかはナシでな。
普通にサッカー楽しんで、ちょっと大人げない位に全力で走る!蹴る!突破する!
エル・ティグレも楽しそうに教えてるなー。てか教え方上手くね?
流石究極美少女…時間とかも忘れてそうだけども世の中急がば回れとも言うしな。
休憩入れねえと試合終了前にダウンしちまうこともあるし、たまにはこう時間を使って楽しんでもいいんじゃね?

※アドリブ絡み等お任せ



 ギャラクシィ・サッカー。
 一試合終えても、淳・周(赤き暴風・f44008)は、その全容を把握しきれていなかった。
 そもそも試合終了時間が何分ほどなのかもまだわかっていない。
 もしかして、フィーリングなのか?
 そう訝しみかけていた。
「いやでもまあ、試合なんだから終了時間もあるよなー。納得してるって言えばしてるんだけど」
 けれど、周はなんていうか暴れたりなかった。
 フラストレーションが溜まるほどではないが、不完全燃焼というか。むしろ、試合を経験したことで、より一層情熱が燃え上がるようでもあったのだ。

「まだまだやりたりないって顔をしているな、御主人様! です!」
 そんな周の前に現れたのはサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』である。
 マイボールにキープしながら、宙域に立っているのだ。
 さっきまで、早く帰らなければと慌てていた者と同一人物とは思えぬ顔であった。一体どんな気持ちで、周の前に立っているのだろうか。不思議である。
「まあな。でも、『エル・ティグレ』、あんた帰らないといけないんだろ? いいのかよ、こんなところで油を売って」
「ふっ、御主人様がやり足りないっていうのなら、付き合うのが筋ってもんだろ、です?」
「……ふっ、ならもういっちょやるか! よっしゃ、第二ラウンド、アタシも楽しませてもらうとするか!」
「おお、それならば、救世主様方、どうか我らもお仲間にお加え頂きたい」
 そんな二人のやり取りに、宙域から人々が集まってくるではないか。
 それも尋常な数ではない。

 が、ギャラクシィ・サッカーがフルメンバー11人と誰が言った?
 入れ替わり立ち代わり、サッカーフィールドに飛び込めば、それでもう選手なのだ。
「おっらぁ!!」
 そんな大混雑なサッカーフィールドにて周は凄まじい熱血ドリブルで駆け抜けていく。凄まじい勢いであった。
 身にまとう焔の噴出が相手チームのみならず、チームメイトすら寄せ付けないのだ。
「おおっ、あれが炎熱ドリブル! なんたる凄まじさか!」
「上等っ! いくら御主人様とはいえ、ここで負けられねぇんだよなぁ! です!」
 迫る『エル・ティグレ』。
 周と真正面からボールの奪い合いが始まる。

「大人げねぇな!」
「御主人様こそ! そのボールもらったぁ! です!」
「あっ!」
 見事な足さばきで周からボールを奪う『エル・ティグレ』。
 彼女はリフティングして、してやったり、という顔をしている。
「すっごーい! どうやるのそれ!」
「あん? こういうのはな、相手の足を見るんじゃあなくって、目を見るんだぜ。そうすりゃどっちに動くかわかるもんだ。でも、それ含めてフェイントを駆けてくるやつもいる。だから駆け引きなんだよ、これは」
 そう言って『エル・ティグレ』は子供らとサッカーを教えている。
 そのさまを見れば、周は楽しそうだな、と思っただろう。
「さすが、究極美少女……ぜってぇ、時間とか忘れてるだろ。帰るの大丈夫なんか?」
 しかしまあ、世の中急がば回れという言葉もあるくらいだ。
 であるのならば、急ぎすぎて息切れするよりはマシであると周は息を吐き出す。

 どんな長い道のりだって、休憩しなければ踏破することもできないだろう。
 であれば、こんな回り道だって時にはいいのかもしれない。
 それに、自分もそうだがこんな風に時には目一杯楽しんでも良いかもしれない。いや、その通りのはずだ。
 だから周は声を上げ、手を降って彼らの環の中に入っていくのだ。
「おーい、試合再開しよーぜ――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

霧沢・仁美
ふふ、そうお願いされちゃ断るのも悪いしね。
よっし、あたしも一緒にサッカーするよ!

流石にこの星の人達にさっきみたいなサッカーは酷だと思うから、普通のサッカーを教えるとしようか。
ティグレさん、手加減はしてあげようね?

って人手確保の為に(顕現する心影で)呼んだ分身が【念動力】使ってやりたい放題してるんだけど!
ちょっとそれは禁止ー!
『えー、手は使ってないからセーフだよー』
この分身、邪神寄り思考だからルール軽視気味なんだった…!
ええい、なら分身はあたしが抑える!

結局、ティグレさんも巻き込んで(或いは彼女から混ざって来る?)さっきみたいなサッカーをするコトに。
まあ住民の人達も盛り上がったならOK…かな?



 霧沢・仁美(普通でありたい女子大生・f02862)は、オブリビオンの支配から開放した惑星で、子供らと共にサッカーに興じていた。
 彼らのサッカーへの熱意もあったし、それを断ることもなんだか悪いように思えたのだ。
 確かにサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』の帰還を手助けするために、こうして戦いに馳せ参じたのだが、その戦いもなんとか無事に終結したのだ。
 であれば、幾許かの時間もあるだろう。
「おねーちゃん、こっちこっち!」
「あ、待って。ボールボール!」
 仁美は子供らの無邪気な声に手を引かれるようにして、惑星に降り立っていた。

 即席だろうか、サッカーフィールドとゴールが2つ用意されている。
「わ、もうこんなに?」
「ええ、皆様のご活躍を拝見して見様見真似ですが」
 惑星の人々たちは、それだけ猟兵たちの戦いに……ギャラクシィ・サッカーに感銘を受けたのだろう。
 自分たちの戦いの結果が彼らの心を勇気づけたのならば仁美は嬉しく思えたはずだ。
 とは言え、この惑星の人々にユーベルコードを駆使したギャラクシィ・サッカーのような無法そのものみたいなサッカーを教えるのは酷である。
 だったら、と仁美は彼女が知る普通のサッカーを彼らに教えようと思ったのだ。
「なんだ、御主人様! ギャラクシィ・サッカーは教えないのか、です!」
『エル・ティグレ』がいつのまにかやってきていた。
 仁美が教えていたサッカーは、まあ、サッカーである。
 ギャラクシィ・サッカーほどの破天荒さはないものの、充分スポーツとして成熟した競技であることは疑うべくもない。

「あのね、ティグレさん。みんなにアレを要求するのは、酷だと思うの。手加減はしてあげようよ」
「ふーん、まあ、御主人様がそう言うんならアタシがとやかくいうことじゃあないな、です!」
「そうそう。普通のね、サッカー教えてあげよう」
 とは言っても人手が足りない。
 であれば、どうするか。
「お願いね」
 ユーベルコードの光が煌き、顕現する心影(シフト・アルターエゴ)。
 そう、仁美の分身であった。
 彼女は本来の仁美よりも邪神よりの思考をしていた。

「ふふ、楽しませてもらおうかな」
 仁美と同じ姿をしているのに、なんだか雰囲気が妖しい。
「サッカーだからね!?」
「わかってるよ。ふふ……」
 本当にわかってる? わかってる? と仁美は不安になった。
 だが、大丈夫だからというように分身の仁美は子供たちの環に入っていく。その手管は手慣れたものだった。
 元々、見た目が良いのだ。いや、良すぎる。
 人当たりのよい顔立ちをしているし、子供たちにとっては自分たちを救ってくれた英雄だ。憧れに似た視線を彼女に向けている。
 大丈夫かな、と心配していたが、それは仁美も同様だった。
「おねーちゃん、サッカー教えてください、おねがいします!」
「あ、うん。ごめんね。じゃ、はじめよっか!」
 仁美は一抹の不安を抱えながら、少年らとサッカー教室に勤しむ。

 だが、彼女の不安は的中する。
 打ち上がるボール。
 そして、宙を舞う少年たち!
「なんで!?」
「ん? だって遊べばいいんでしょ?」
 何喰わぬ顔で分身の仁美が超能力を使って少年たちを弄ぶように空中でグルグルアクロバティックに動かしているのだ。
「え、ちょ、まって、それは禁止ー!」
「えー、手は使ってないからセーフだよー……ねー?」
 分身の言葉に少年たちはコクコク頷く。完全に手懐けられている!

「ええい! 言って聞かないなら!」
「なんだよ、面白そうなことしているじゃんか、です!」
「ティグレさん!?」
 そこに『エル・ティグレ』も首を突っ込むものだから、収拾がつかなくなってしまう。
 結局、仁美は普通のサッカーではなく、それこそギャラクシィ・サッカーばりの超次元サッカーを少年たちと繰り広げ、盛大に飛んだり跳ねたりを繰り返すことになった。
 だが、観客は大いに盛り上がった。
 それは分身と仁美の戦いがあまりにも、その大変に見ごたえがあったからだ。

「……なんか忘れてんな」
『エル・ティグレ』は思った。そう、超機械! まだまだ銀河の果ては遠い。こんなことをしている場合ではない。
 だが、まあいいか。
 だって、サッカー楽しいし――!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年02月16日


挿絵イラスト