#ダークセイヴァー
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●死が二人をわかつとも。
「さあ、とどめを刺せ」
初老の男が、自らと剣を交えていた初老の女に言い放った。
女も、それを見る人々も嘆く。ああ、如何して……と。
「なぜ、貴方が死ななくてはいけないの……?」
男に剣を向ける女は死に体の男に質問を投げかけるが、答えることはない。
「どうした、早くせよ。相手を殺すまでがこの討議のルールであるぞ。騎士道精神にのっとりとどめを刺せ」
高みから二人の死闘を見物していた領主『レヴィエ』は、いつまでも動かない初老の女に命じる。村人同士で死闘を繰り広げる。それが領主の定めたこの村を守るためのルール。女は泣きながら男の上にまたがり、喉元へ剣を向ける。男は苦しみながら、女へと微笑み、その刃の痛みを受けた……。女はその亡骸に多くの涙を落とした。領主の命令でそれを見守りながら、鎖につながれる他の村人たちも、皆泣いた。
女の腹には、その男の子供が宿っていた。
●願いはあれど実行できず。
「あなたたち、愛する人を誰かの命令で殺さなければならないって言われたら、どう感じる?」
榊・遊羅(奇跡の竜妃・f01411)は猟兵たちを集めるとまずそういった。
「私はね、それってとても苦しいと思うの。苦しいどころではないわよね、本当ならそんなのはいと言いたくないわ。それが一般的な考えよね。そうすることを快楽と考える思想の人もいるかもしれないけど、正常とされている平均的思考では、自分が自分の愛する人を殺さないといけないなんて命令されて、それが例えば1万人の命と引き換えになっていたとしても、それでも愛する人を殺したくないと選択する人はこの中にもいるでしょう。ましてや、私たちはユーベルコードを持ち、うまく使えば不可能を可能にできるのだから……。
それでも、彼女は村人の命を選び、愛する人を殺したの。これからあなたたちに向かってもらうのはそんな彼女と、彼女の守った村人たちが捕まる収容所よ。彼女がそうまでして村人を守ったことで、村人たちは今度こそ領主にあらがう覚悟を決めたみたい。あなたたちには、その決意の手助けをしてほしいの」
遊羅はここでようやく詳しい村の現状について話し始めた。
そこは領主『レヴィエ』という姫騎士によって支配された城塞のような大きな町で、屈強な守りと、強き戦士たちも住まう村であったが、レヴィエに敗れ、人々は奴隷として、レヴィエの趣味である決闘を行う事になった。
レヴィエと戦い殺されるもの、村人同士で戦い殺しあうもの。生半可な戦いや、あからさまな手加減は許されない死闘を繰り広げてきた。
「そうして現在は人口も減り、村という規模まで落ちた。ほとんどの村人が、そうね、現在でいうと学校規模の収容所に捕らえられ暮らしているわ。もう逆らう気力もなかった村人だったんだけれど、彼女と、彼女の愛する彼の戦いを見て、みんなやる気になったみたいなの。村人たちに戦う気力があるうちに、収容所から救い出して、そのまま村も解放してくれないかしら? すべてを救い出すというのは、規模が規模だから難しいと思うのだけれど、お願いするわ」
遊羅は祈る様に手を重ねると、猟兵たちに頭を下げた、そして、胸元のネックレスが光を放ち、猟兵たちは暗き城塞の街へと転移していた。
ピンク☆フラッシュ
●シリアスです。
お久しぶりです、シリアスの時のピンク☆フラッシュです。
終わりなき戦いで疲弊し、心を砕かれて反逆の意思も失いただ殺しあっていた家畜のような人間たちが、愛し合う男女の戦いを見てもう一度だけ反逆を試みるという背景になっております。また、この男女の死闘やどういう人物だったか、などの背景はプレイングで聞かれれば村人は開示すると思うので気になる方は救助ついでに聞いてください。
1章で救出。2章で逃亡船、3章で領主戦となります。
ただ、人数が大変多いので目標としては「1人でも多く救う」くらいにしておいてください、すべてを救うには全員が大成功だすくらいの難易度です。
村を解放したとしても、すでに生きられるほど体力がないものや逃亡中に死んだりするという人は出てくると思います。
とにかく久しぶりにちゃんとした変な謎解き要素のないシリアスですので、生きるもの、生きたいもののあらがいと、生かしたいあなたたちの戦いをうまく表現できたらなと思っております。
よろしくお願いします。皆様のご参加心よりお待ちしております。
第1章 冒険
『闘奴の反乱に助太刀せよ!』
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POW : 襲撃だ!腕ずくで牢をぶちやぶれ!など
SPD : 忍び込み、脱出経路を案内したりカギあけたりすべし!など
WIZ : 看守達の捜査網を混乱させてしまえ!など
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●誰かの未来を願った彼と彼女のために。
村人たちはこっそりと決起していた。必ずここを抜け出し、このような不毛な戦いを終わらせようと決めたのだが、簡単にはいかない。
「それでも今夜やるんだ、今夜やらなければ、明日はまた誰かが戦うことになる」
たとえ分が悪くても、これ以上彼女たちのような、愛する者同士や家族で戦うところは見られない。人の数は減り、今後はああいう戦いも増えるだろう。そうでなくても、村人たちにはもうただ耐えるだけの日々を送れない理由があった。
●猟兵到着す。
猟兵たちはダークセイヴァ―、岸壁の村にある廃校舎のような見た目の石像建築、ここに約1万人もの人間が収容されているらしい。外にはフードを被った何かがゆっくりと徘徊している。数は多いが、隙も多い。
猟兵たちはそれぞれ自分たちの方法で中に入り込み、出来るだけの人を救出しようということになった。村人たち自身、血気の決意は固い、逃げる手はずとルート、楼のカギを開けたり包囲網を誘導できれば、彼らだけでもある程度安全なところまで逃げることはできるだろう。
※猟兵たちでオブリビオンを誘導したり牢のカギを開けて回ったり手枷を解いたりいろいろな通路の扉をぶちあけて村人たちが逃げ回りやすいようにしてください。苦戦が重なると2章以降で村人たちが戦闘に巻き込まれたりして被害が大きくなります。
阿紫花・スミコ
他の猟兵たちと綿密に計画を練り、収容所へ潜入。ボクは、持ち前のスピードと、アクアカーモ(光学迷彩)の力で敵の隙をつきつつ侵入する。
仲間達とタイミングを合わせ、一気に村人たちの解放を試みる。
「助けにきたよ・・・ちょっと下がってて!」
「さあ、相棒!はじめるよ!!」
スーツケースから取り出したのは、からくり人形、名を「ダグザ」。
別世界の古代の神の名前からボクがつけた。
ダグザはその巨大な棍棒を大きく振りかぶる。
パワーセル(魔道蒸気エンジン)が轟音を立てながら、ダグザの怪力をさらに向上させる。
ヘヴィストライク・・・!
こんな牢、ぶっ壊してやる!
(怪力31、迷彩21、先制攻撃10)
備傘・剱
SPD
無駄に物事を荒立たせれば、それだけ、被害者が出てくるもんだ
静かに、冷静に、そして、密やかに外に出れる様にして、外に案内しよう
救助前に、見張りの巡回時間や、ルート、それに、何所にどれだけの人が入れられているのかを確認して、出来る限り、安全かつ、素早く退避できるルートを確保しておくぞ
…色々と言いたい事や思う事はあるんだろうが、今はそれを押し殺して生きる事を優先に考えてほしい所だ
小さな子供、老人には手を貸す
力がないってのは、負けるってのはこういう事だって知ってるが、なぁ…
罪悪感も後悔も、全部、胸に秘めて生きてほしい所だ
…あと、死体置き場が有れば、確認しておくぞ
後で、必要になるかもしれないからな
ロダ・アイアゲート
【心情】
愛ですか…
造られ、最終的に不要とされた私にはとても難しい感情ですね…
でも、きっととても大切な感情なのでしょう
(愛を向けるとしたら、それは自分を造った主人だが、その主人は未完成のロダを置いて行ってしまったので、彼女は愛というものを知らない)
【行動】
看守たちの捜査網の錯乱、及び引き付け役
牢を壊すにしても、村人たちが逃げるにしても音を立てないように行動するのはきっと難しいでしょう
なのでそれ以上に大きな音を立てられるバイクに乗って、出来る限り看守たちを引き付けて村人たちから引き離せられれば
もし近くで村人たちが襲われていた場合は【かばう】を使います
少数であれば何とか守れるでしょう
アドリブ歓迎
●決意の人々に道を~前編・大切なものの確認を
作戦は3,4組に分かれて行われることになった、1つの集団で陽動をしても追い込まれたらカバーできないためだ。ここに集いし3人もその1組である。
「愛ですか……造られ、最終的に不要とされた私にはとても難しい感情ですね。でも、きっととても大切な感情なのでしょう」
ロダ・アイアゲート(天眼石・f00643)は悲しそうに言った。彼女は胸に秘めた叶わない願いをふとよぎらせ、すぐにそれを振り払う。
「そう、だね。アイはとても大切な感情だよ、そして、その1つを失った彼女のため歩き出すと皆さんが決めたなら、ボクはその手助けをしたい」
阿紫花・スミコ(人間の人形遣い・f02237)の決意は固かった。絶対にこの作戦を成功させる。そのために彼女は自分の相棒『ダグザ』のしまわれた箱をぽんぽんと撫でた。
「無駄に物事を荒立たせれば、それだけ、被害者が出てくるもんだ。静かに、冷静に、そして、密やかに外に出れる様にして、外に案内しよう」
備傘・剱(絶路・f01759)は救助の助けになるシーフツールをきちんと事前に確認しながら言った。一晩ですべてを失った彼にとって、失敗すれば同じような人間を生んでしまうかもしれないこの作戦、確認を怠りミスをするなんてことは許せなかったのだ。
「そうですね、さて、そろそろ皆さんと打ち合わせた時間です。一斉に動き出しましょう。その前に、役割の最終確認です」
3人は猟兵全員で話し合った内容をもとに、自分たちの組で行う動きを再確認し、実行に移った。
「さあ、看守どもよ! 私の進行を止めてみなさい!!!」
ロダは轟音を発する大型バイクに乗っていた。走行は固く、タイヤも太く、小回りは聞かないが多少無理やり曲がっても走り抜けられるものを選んだ。先ずは堂々と猟兵たちが救いの手を差し伸べたのだとわからせるために、先鋒になったのがこの3人なのだ、スミコと劔は既に自分の持ち場についている、他の猟兵にしても、だ。だから私が最初を選んだ。これだけ目立てば知識に長けたものが直接指揮しない限り、彼らは自分の迎撃を始めるはずだ、怪しまれる前にほかの組も同じように動くよう作戦はできている。
「行きますよ! 私一人でもすべてを救って見せます!」
まるで蛮勇を見せつける様に、ロダは収容所の前の看守たちのど真ん中をぶり槍バイクで突っ切り、そのまま正面玄関のドアを吹き飛ばしながら中に乗り込んだ。もちろん、絶対にハンドルは離さない。そのまま施設の中にバイクの轟音を響かせる。村人たちに事が起こったぞと知らせるという意味合いも込めて……。そして、仲間たちに作戦結構の合図をするようにも……。
「じゃあキミ、ボクも行ってくるからあと頼むね!」
看守たちがバイクの轟音に気を盗られているうちに、シーフツールを使って静かに裏の窓を割った劔とスミコは施設内に侵入していた。
「さあ、相棒!はじめるよ!」
箱の蓋を開け『ダグザ』を解放して走り出す。
「助けに来たよ! 皆下がってて!」
バイクの轟音にかき消されないように、スミコは一部屋一部屋声をかけながら一つ一つの牢屋のドアを【ヘヴィストライク】――ダグザのこん棒による必殺級の一撃によって叩き壊していく、無駄にドアを吹っ飛ばしてけが人を作らない為に優先的に狙うのはドアノブだ。鍵を叩き壊すのを意識しながら次々に部屋の中の人に声をかけては破壊を繰り返す。
「こんな牢、全部ぶち壊してやるんだ!」
石に囲まれた小部屋にカギをかけられ閉じ込められていた人々は、驚き感謝の声もかけられなかったが、それでも、何とか頭を下げたりして感謝の意を示しながら同室の仲間を連れだし彼女が進む方向と逆側へ逃げていく。
「ほら、こっちだ。動けない人はいないか?」
その受け皿が劔だ。彼が自分たちの侵入経路に使った使った窓ではけが人が逃げにくいと思い、いくつかある別の出入り口を確保していたのだ。
「君、いや、君とその仲間に感謝する」
途中、騎士風の男が劔に声をかけた。いや、この村の実情を聞いた限り彼は実際騎士なのだろう。
「礼は全部終わってからきくぜ。それとも手を貸してほしい救助対象がいるのか?」
「いや、そうではない、君たちは多くの同胞を助けてくれている、手を借りなくても逃げられそうだ。ただ、もし君が知りたい情報があればと思って。微力ながら力を貸したい」
「ああ、そういうことな。そんじゃ……」
劔は騎士にこの施設に存在し得るものの場所を聞き出した。死体置き場だ。
村人の誘導は騎士が引き継いでくれた、他の猟兵もいるし、スミコとロダが思った以上にうまくやってくれているらしい。あのあとロダは屋敷内を走り回りながらひたすら誘導、他の誘導猟兵と合流し更にかく乱。スミコはどんどん牢を壊し、敵に補足されたら力ずくで道を開けて逃走し誘導攪乱の手助けをする手はずだ。うまくいっていて欲しい。
「ここか……」
劔はそっとその施設を覗いた。裏口の一つを出たところにある、肥溜め置き場の傍に、その施設はあった。
(すげえ匂いだぜ。まあ、オブリビオンが死者に弔いをとか、あるわけないよな)
劔が外を覗いていると、死体置き場から1体のフードの看守が表れた、先ほどまで肢体しかなかったところから湧き出る様に。ああ、そうなんだろうな、と思った。この世界では珍しくないことだ。死体がオブリビオンとして再利用されている。つまりこの大量の看守のほとんど、あるいは全てが……。
気付かれる前に劔はその場を忍び足で離れ、元の誘導に戻った、逃げまどう人々の、特に子供の中には転んで怪我をしたりそのまま泣いたりしてしまうものもいる。迅速な対応のためにも彼はついでの調査を引き上げるのであった。
「さて、そろそろ私も退路を確保しないと不味いですが……」
「キミ!」
ロダが次はどちらに走ろうか画策していると、スミコが視界に入り、大きく声をかけた。ロダはそのままスミコの元へ走り、迅速に後ろに乗せる。大型なので少しくらい大きな人形がついてきてても問題ない。
「かなりうまくいったようですね」
「少なくとも担当した中は全部の牢をぶち壊せたと思う。彼も頑張ってくれてる。囲まれたらボクと相棒で道をこじ開けるから、外に出てこのまま誘導の続きを!」
ロダの体につかまりながらスミコが言った。
「ええ、そうですね。少し飛ばします、道もとても悪いので振り落とされないでくださいね!」
ロダはアクセルを再び回して施設を逆走し始めた。他の人たちが成功するように、このまま敵の注目は集め続けよう。
大成功
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ステラ・ハシュマール
【POW】
見慣れているとはいえ、相変わらず胸糞悪いね。
さて久々に真面目に仕事しようか。さあ死神が通るよ。
ただの鉄の牢屋なら、私の【怪力】の前じゃあ意味をなさない。でもこじ開ける前に聞くよ。
「神は彼女に罰を下さない、だけどボクなら罰を下せられる。汝、人誅を求めるか?」
イエスと答えたなら、牢屋をこじ開けて手をさしのべるよ。
「依頼、受諾。さあ、美しき反乱の焔を灯そうか」
余裕があれば助け出した人たちを、避難誘導している仲間に受け渡したいな。
一一・一一
隠密行動は苦手っすけどやるしかないっすね
とりあえずバッグワームをかぶって「目立たない」用に行動しつつ、「スナイパー」でオブリビオンを狙撃していくっす。クイックツインスナイプの速さは伊達じゃないっす。音は出ないように『噂話から産まれし物語』でサイレンサーの部分を作って装着しておくっすかね
また、オブリビオンの行動を阻害するために村人達が通った後に『スパイダー』で簡易トラップ仕込んでおくっす。もちろん戻ることになったら解除するっす
もしはぐれた村人がいたりオブリビオンに襲われてる村人がいたら「救助活動」で救助っす
ユーリ・ヴォルフ
アドリブ共闘大歓迎!
愛する相手を殺すか、自らが殺されるか
私ならば、迷わず後者を選ぶだろう
殺された男性も、同じ思いだったのかもしれないな…
やるせない思いを抱えつつ
誰かが聞かぬ様なら、この男女の人物や死闘についても伺ってみる
私は徘徊する見張りを引き付けるべく、囮となろう
より目立つよう、自らを炎で取り巻き
【メギドフレイム】で炎の剣を無数に呼び出し
目にしたオブリビオンを次々と貫く
「我が名はユーリ。異国の守護者だ。
レヴィエという騎士に、決闘を挑むべく馳せ参じた!」
村人を襲おうとする敵を優先して攻撃し、
手が空けば塀や障害物を壊す等して派手に立ち回る
見張りはフードごと焼いてやろう
その下の姿はどうなっている?
●決意の人々に道を~前編・願いと理由を示す者には
「中央の方、始まったみたいだよ」
ステラ・ハシュマール(炎血灼滅の死神・f00109)は共に闘う者たちに目配せする。「そうっすね。隠密行動は苦手っすけど……あんだけ騒がしくしてりゃあいけそうっす」
一一・一一(都市伝説と歩む者・f12570)はバッグワームを被りながら【噂話から産まれし物語(フレンド・オブ・ア・フレンド)】で狙撃強化型Sライフル『イーグレット』のサイレンサーを作成して装着、ちょうど準備を終えたところだった。
「それでは行こう。私の仕事はまだ先だ。聞きたいこともあるし、先ずは同行させていただこう」
ユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)はやるせない思いを胸に秘め、陽動の前に共に救助へ向かうことを選んだ。2人は頷き、こうして3人ともに収容所の東部の救助へ向かう。
「周辺、異常なしっす。うまく中央に誘導されてるみたいっすね、看守たち」
一一がスコープで直線状の安全を確保しながら、ユーリが角や遮蔽物をのぞき込み更なる安全を確認して進んでいく、少数で大人数を救うのだから後々の音も考え行動せねばならない。
「やはり複数階層だな。上の人間からの救助でいいだろう。下から上に助けていれば何処かで気付かれ下への道を防がれる確率が上がる」
「そうかい? なら看守が上にいないかの確認も込めて上から始めるよ」
「さて……中にいる人、聞こえてるかい?」
収容所は3階建てだった、最上の最奥の牢に向かってステラは声をかける。
「君は、君たちはなんだね? 私はこの収容所に住む者たちの長だ。その立場から問う、君たちは……」
老人が勇敢にも格子扉から顔をのぞかせ、猟兵たちに問うた。警戒されている。村人たちからすれば逃げる画策をしているところに突然現れた人間だ。まあ、慎重になるものもいるだろう。長というならなおさらだ。しかし、長がここにいるなら都合がいい。
「ボクたちは悪逆なる領主から君たちが逃げる手伝いをしに来たものだ。神は彼女に罰を下さない、だけどボクなら罰を下せられる。汝、人誅を求めるか?」
ステラが長の目を見て問うた。ここから逃げたって、逃げる過程で犠牲は出るかもしれない、成功するとも限らない、揺ぎ無いなら今ここで教えてほしい。それがステラの望みだった。
「ああ、そうか……だが神は、君たちを我らのもとに使わしたもうたのだな……」
長は涙ぐみながら答えた。信心深い男だ。この世界で神を信じることで救われる魂はあるのだと思えるほどに、猟兵たちすら神の導きと言ってのける。ならば答え方だけ限定しよう。
「それは、イエスか?」
「……ああ、我らに勇気を与えてくれた男女のために、そして、これから生まれる希望のために、私からもお願いする。我らの決起と逃亡に力を貸してほしい。私は、アナタたちが私たちを助けに来た存在なのだと信じよう。今この会話が聞こえていた者もよいな?」
傍の牢からも賛同の声が上がり始めた。人々は本当に逃げられるのだと思った。そして、人々は牢の中から自分たちもと仲間たちと力を合わせ牢屋に攻撃し始める。
「上等だね。依頼、受諾。さあ、美しき反乱の焔を灯そうか」
ステラは怪力で牢屋を次々と破壊し始めた。
「話はまとまったようっすね」
一一は罠の準備をしていた、村人たちの避難が終わったらこのそのあとに仕掛け敵の足を引っ張るためだ。陽動として今から動くもの、すでに動いている者たちを助けるためにそうすることはあらかじめ告げていた、こちらに積極的に味方が来ることはないだろう。
「罠は頼む。私は長に話を聞いた後、陽動に向かう」
「わかったっす!」
一一はユーリを見送り、収容所を出るまでの住人による住人の避難誘導を手伝いながら、逃げられずに残っているものがいないかを確認し、罠を設置し始めた。
ユーリは先行する住人たちを猟兵たちで決めた合流ポイントへ案内する。その中には長もいる。
「なあ長、移動しながら出悪いが少し話を聞いていいか? 私たちはある情報筋でこの村の現状を知った。牢を脱出しようとしていたこともだ。しかし、それがどうして今なんだ?」
長はユーリに尋ねられると、少し考え込み、しかし真実を語り始めた。
「それはな、我々が、昨日死んだ男と、その愛した娘に多く救われてきたからじゃ。彼女たちは誰よりも強く気高く生き続けていた。こうして収容され自由を奪われても愛を貫き、そして、村人たちにも明るくふるまった、住人たちは彼女らがいたから心折れず済んだものもいたのじゃ。同胞を手にかけてしまっても……。彼らは誰よりも怒るものを間違えず怒り。我らが戦うべきものを示し続けてくれたんじゃ。 そうでなければ我らはとっくに、同胞を恨み始めていたじゃろう、いや、皆が全く恨まないわけではないんじゃ。だから反抗する気力まではなかったんじゃ。信じきれぬものと逃げ切ることなど、出来まい?」
長は同意を求める様にそういった。
「じゃが領主もいつまでも住人同士が疑心暗鬼の殺し合いによる闘争や決闘を始めんのが許せんかったようでの。彼女に愛するものと戦わせたんじゃ。流石に心を折られそうになりながら二人は戦い……男が死んだ」
ユーリは苦虫をかみつぶしたような表情になる。しかしそれは話を聞いてただ不快になったからではない。自分がもし同じように愛するものと頃い合うことになるなら、自分が死ぬだろうと考えたからだ。自分の方を殺してほしいと思ってしまったからだ。男への共感、それゆえの怒り。
「すまんの、村の事情はあまり詳しく話しても気持ちのいいものではないからいくらか省略するが。そうして男を殺した女は。おなかを撫でながら折れぬ心で住人たちに笑いかけたのだ。泣きながら……。その姿に私たちは、もうどうしても彼女をこれ以上一人で戦わせたくなくなってしまったんじゃ。経緯を省いたからすべて理解せよとは言わんが、我々が彼女たちに甘えすぎていたと本当に強く実感したんじゃ」
「……そうですか。お話、ありがとうございます」
「いやいや、長くなってしもうたの。いくのか?」
「ええ、そろそろ。長と付き従うものはこのまままっすぐ進んでくれ、この先の森の広間、そこに皆を集めている」
ユーリは安全そうなところまで村人を誘導すると、すぐに走り出して収容所のほうに戻った、その手には剣を構え、ユーベルコード【メギドフレイム(メギドフレイム)】で炎の剣を背後に展開する。
「我が名はユーリ。異国の守護者だ。レヴィエという騎士に、決闘を挑むべく馳せ参じた!」
一本傍にいた看守に飛ばし、そのフードを焼き切る。中からただれた村人のようなゾンビが表れた。
大成功
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クラム・ドグマ
愛する人を殺さなければならない、か…。嫌な話だね
彼等の士気が上がっている内に、何としてでも助けたいところだ
ローブのフードを被り、看守に紛れて牢屋に忍び込む。体の形状を変えれば、隙間から中に潜り込めるだろう
鍵は他の猟兵に任せるとして、僕は村人達を安全な脱出経路に案内するよ。手枷があるのだとしたら、少々乱暴だけど熱線銃で壊そうか。村人は傷付けないよう、慎重に
戦う気力があるとは言え不安も残っているだろうから、声をかけて安心させてあげたいね
「君達を助けに来たよ。こんな場所から、早く逃げ出そう」
※絡み、アドリブ歓迎
伊藤・毅
「ドラゴン01、対象空域に侵入、爆撃コースに乗った、対象確認、爆弾投下」
城門や見張り櫓といった防衛施設を狙って、誘導爆弾による空爆を実施、味方の突入に合わせて敵の混乱を狙う
主な門に爆撃をし終えたら、敵地上空をフライパスしながら離脱、敵の注意を上空に引き付ける
「爆撃終了、一度後退する、D01、RTB」
香神乃・饗
他猟兵の作戦にものるっす
敵と地形の情報を集め纏めるっす
隠れ、外から建物と周辺を観察し脱出に利用できそうな地形を確認するっす
敵を観察し行動パターンを覚えておくっす
殺気を読み隙をついて石像建築に侵入するっす
侵入後判明した構造も書き加え逃亡ルート地図を作るっす
遺され生かされた痛みを超えて未来を掴むっす
元気な人は弱ってる人を助け支えあうっす
年は諦める理由にならないっす
長年生きた経験は若者を導けるっす
牢で生きる覚悟を促し励ましつつ鍵破壊するっす
情報を伝え地図を渡すっす
同行し香神占いで見続けながら安全地帯を進むっす
皆が暗殺されない様注意を払い敵を盾にしたり別の方向に逃げたとフェイントをかけ助太刀するっす
東方・亮真
ひとりでも多く、生き延びて欲しい。今はそれだけを考えよう
そのためにはヘマはできないね。慎重に、音を立てないように
【SPD】
牢屋にたどり着いたら、村人が疲弊しているとのことから、まずは落ち着かせることを優先する
「大丈夫、俺達は味方だよ」
ガジェットショータイムで、牢屋の鍵を開けられるようなガジェットを召喚する。ピッキングが得意なガジェットなどがいいかな
牢屋を開けたら村人の手枷足枷を解いて回るよ。人数が多いなら足枷優先でできる限り多くの人の物を開錠できるように努めるよ
もちろん、開錠している間も村人たちを励ますことは忘れない
メンタルケアは大事だからね
「大丈夫、落ち着いて。上手くいくさ、俺達が付いてる」
月藤・紫衣
死別や離別もあるでしょう。
しかしそれは趣味などで行われるものではありません。
他の方や住民達の力をUCで補助します。
普段は違う歌を歌うのですが、今回は反撃を反逆を愛を思い出したが故に決意をした彼らを【鼓舞】するような歌を歌いましょう。
色んな方の耳に入りついでに集敵も出来たらラッキーということで、スピーカーの音量を最大にしておきます。
寄って来た敵に関しては住民の少ない方へと【見切り】と【残像】を使って回避しつつ誘導、回避が間に合わないと【第六感】で感じた時は【怪力】に任せた【なぎ払い】で退路の確保をします。
一人では厳しいので、何方か他の方とご一緒出来たらいいのですが。
(アレンジetc歓迎)
●決意の人々に道を~前編・ユーベルコードが集まれば
敵と地形の情報を集め纏める。隠れ、外から建物と周辺を観察し脱出に利用できそうな地形を確認する。敵を観察し行動パターンを覚えておく。殺気を読み隙をついて石像建築に侵入する。侵入後判明した構造も書き加え逃亡ルート地図を作る。これが、香神乃・饗(東風・f00169)が最初に行った下準備の内容だった。
「皆、中央と東、うまくいってるっす! 中央の陽動がいま東に向かって合流……というより注目を分散したっす。西から入り込むなら今っすよ!」
饗は西方から侵入し、中央までの地図を書き込んでいた。この施設、西のほうが体積が大きく、多くの人が収容されている構造をしていたため、こちらには5人の猟兵が集まっていた。よって西が一番最後の救助活動にあたることになったため饗がした調べに向かっていたのだ。
「ありがとう。饗。それじゃあ僕たちも最終作戦確認をしていこうか。この地図も活用して、ね」
クラム・ドグマ(黒い読書家・f03711)は資料を確認しながらぼんやりと笑った。
「そうですね、ここが最後ですし、避難させる数も多いのでここがミスれば攪乱の人に多大な被害が出かねません」
月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)も少し微笑む。大変な時だからこそ、これから人々を落ち着かせ避難させる自分たちが柔らかい表情を忘れてはいけない。
「そうだね。饗は戻ったばかりだけど、まだいけるのか?」
東方・亮真(スチームジャンキー・f01047)は饗を気遣いながら、愛する蒸機の手入れをしていた。もちろん、この後使うものだ。
「もちろんっす、まだまだやれるっすよ! けど……毅さんはどうしたっすか? 見当たらないっすけど」
「ああ、彼はもう……」
クラムは柔和にほほ笑みながら指を上に……空に向かって指した。
「ドラゴン01、対象空域に侵入、爆撃コースに乗った、対象確認、爆弾投下」
伊藤・毅(Nemo・f06702)は空中にいた。普及型ステルス戦闘爆撃機JSFライトニングに搭乗し、城門や見張り櫓といった防衛施設を狙って、誘導爆弾による空爆を実施、味方の突入に合わせて敵の混乱を狙う。
「対象、小破。防衛施設は魔力結界と思われるもので補強されている模様。爆撃による破壊の試みと陽動を続ける」
JSFライトニングは上空を何度も旋回し横断しながら敵の意識を空にも分散させていた。
「遺され生かされた痛みを超えて未来を掴むっす」
「元気な人は弱ってる人を助け支えあうっす」
「年は諦める理由にならないっす」
「長年生きた経験は若者を導けるっす」
饗は多くの励ましの言葉をかけながら牢を破壊して回った。破壊が自分だけだったら少々心が折れるどころではない数の扉が自分の救済を待っている。しかし、一人ははない、助けた住人も、そして亮真もカギを壊して回っている。
「大丈夫、俺達は味方だよ」
ユーベルコード【ガジェットショータイム】を使い、先ほど手入していた蒸機と組み合わせてこちらも扉を破壊し、中の人たちに微笑みかけていく。
「手錠をされてる人はこっちへ……ちょっと乱暴だけど、この銃で破壊するよ」
クラムは屈強故に自由を奪われている人たちの手枷を壊しながら避難誘導をしていた、大まかな誘導だけ先に一度済ませ、住人にも協力してもらいどんどん誘導を迅速に行えるようにしていく。
「ほら、もう大丈夫だから泣かないで、もうすぐだから頑張ろう」
彼のマイペースで柔和な笑顔は子供たちも励ました。
「お、俺も優しくしているつもりではいるんだが、すまん」
少々目つきの悪い亮真は一部の子供にどうも怖がられてしまっているらしく、クラムと饗にその点では助けられていた。
「気にすることないっす。亮真さんはあったかくて優しい男っすよ!」
饗は笑って亮真を励ますと次の扉へ向かう。
「ああ、ありがとう」
亮真も同様だ。住人たちに希望を与える様に、3人の雰囲気は温かく救助が進められた。
「あなたたち! どうして……! どうしてこのタイミングで……!」
一人の女性がクラムに声をかける。
「君は……」
それは、例の女性と思われた、判別しにくいが、かすかにおなかが膨らんでいる。
「――もう大丈夫だよ、あなたの与え続けた希望に、住人が答えたんだ。僕たちはその物語を、少しでも幸せな結末にするために来たんだ」
クラムはその女性に、そっと笑いかけた。女性はあまりにも間のいい、しかし、彼女の愛する者や多くの人にとって間に合わなかった救済の手に、恐れと疑念を抱いてしまっていたのだが、その柔らかい雰囲気と、逃げる人々にともる心の明かりを感じ、ああ、そうか……。と、報われたような涙を浮かべだ。そして、彼女は住人たちに支えられ、妊婦としていたわられながら避難した。
「さて、そろそろこちらにも注目を集めていい頃ですね」
あまり東や中央ばかりに陽動が集中しては怪しまれ何処かでこちらに回り込まれるかもしれない。幸い陽動の人数は少なくない。これなら自分も行けるだろうと紫衣は『藤花玉響』のスピーカーの音量を上げた。
「満ちる月に踊り咲くは藤の花、共に唄うは祝福の歌」
ユーベルコード【満月夜に歌え、藤花のように(ツキヨニウタエトウカノヨウニ)】を発動し、歌う、その声は住民たちを鼓舞すべく、逃げるもの、どこかで看守に見つかって戦う者たちへ。届くように。
「死別や離別もあるでしょう。しかしそれは趣味などで行われるものではありません」
そんなメッセージを込めながら紫衣は歌う。そしてもちろんその歌には敵も引き寄せられる。紫衣は歌うのをやめない。住人の少ないほうへと敵を引き寄せながら攻撃は見切り、回避し、怪力で薙ぎ払う。第六感を信じて次の行動を組み立てながら歌った。
「援護爆撃を行う、少し大げさに下がるよう要請する」
空中からNemoの声が耳に届き、紫衣は大きく何度も後ろへ宙返りして一気に敵との距離をとり、そこに空中から爆弾が落とされた。その音を拾い、スピーカーの音が大きく音割れしてしまうが、紫衣は耳を塞いでそのダメージも回避し、音割れが推しついてから再び歌い始めた。中央の方からスナイパーによる射撃の援護も届く。これはおそらく東方に向かっていた一一のもの。そして自分の前に群がる敵を横切っていくバイクと大きな人形、アレは中央の陽動をしていたロダとスミコのもの。そして。
「そこのあなた、キリがないのでいったん陽動を引き上げよう、避難は大方済んでいる、けが人は出たが……死者はほとんどいないそうだ」
その後ろから駆けてきたユーリが紫衣に声をかけた。もう衰弱している者もいたと聞いた。死者は大方そういう人たちなのだろう。
「わかりました、では、合流ポイントへ」
紫衣はあらかじめ猟兵たちで話し合っていた避難作業後の合流ポイントへ動き始めた。劔が猟兵たちに死体置き場の場所を教えたのだ。そこが合流ポイントになっている、あそこの死体ごと処理しなければ、この村人だった者たちは生成され洗われ続ける、じり貧だ。だから途中で合流ポイントを底にする旨を、東の班はステラから、西の班は饗から聞いていたのだ。
猟兵たちはその場所へ集うように駆けだした。
「爆撃終了、一度後退する、D01、RTB」
Nemoも爆撃による防衛拠点の破壊活動をあらかた終え、一度収容所の上空を離れていった。
大成功
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第2章 集団戦
『篝火を持つ亡者』
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POW : 篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
イラスト:トギー
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●決意の人々に道を~中編・亡者の炎は何を映す
猟兵たちは死体置き場へと集った。
そこは収容所の裏庭、肥溜めのそば。異臭と腐臭が合わさる場所。死体の山から、先ほどまで陽動していたモノと同じものが生まれていく。徐々に、徐々に。古い死体がそうなるように術式でもかけられているのだろうか。
猟兵たちの後ろから、陽動されたすべての亡者たちが集い迫りくる。この狭い戦場から、なるべく戦火を広げないように猟兵たちは迎撃戦を行う。そのための作戦は君たちに委ねよう。ここから始めるのか、あとから合流するのかは戦うものの決めることだ。
ロダ・アイアゲート
【心情】
(悪臭や腐臭で顔をしかめる仲間を見ながら、この時ばかりは機械の体で良かったかもしれないと思う。これなら戦いに集中出来る)
命の末路の先に、このような事になるなど村人の皆さんは想像していないでしょう…死した後も苦しむことになるなんて…
彼らの悪夢をここで終わらせましょう
私が彼らに出来るのはそれしかありませんから…
【行動】
UC『Strengthening』で蒸気銃を強化
新たに出現する亡者たちを片っ端から撃っていきます
戦闘力が落ちていくのなら、数は多くても何とか切り抜けられるでしょう
一人で戦っているわけではありませんから
【属性攻撃】【援護射撃】【早業】【先制攻撃】【2回攻撃】
アドリブ・共闘歓迎
ステラ・ハシュマール
さて、それじゃあボクらしくここからは暴れさせてもらおう。派手に暴れれば、看守やターゲットのオブリビオンだってこっちに注意が向くと思うしね。
「無念の末に逝ったものたちに、尊敬と祝福ある火葬を」
炎血のミケランジェロを発動、放たれる炎を【見切り】【敵を盾にする】、そうやって懐に入ったら、変形してサーベルと槍になった武器を使った16連撃を叩き込むよ。
余裕があったら、市民たちに飛んでいく攻撃はカバーできるように立ち回っておきたいね。
月藤・紫衣
…聞いてはいましたが、目の当たりにすると吐き気がします。
せめて彼らの魂が安らかに眠れるよう願いましょう。
主力は他の猟兵方にお任せして、私はここから外へ亡者が逃げぬように手を尽くします。
この場から離れたり他の方の攻撃から溢れそうな亡者を【追跡】するように【散花風棘】を飛ばして射抜いていきましょう。
1回目の棘が足りなくなるようでしたら、【高速詠唱】し【2回攻撃】のUCを発動しようかと。
あまりにも近い亡者は【第六感】で【見切り】、切り伏せてしまおうかと。
余力があれば、【属性攻撃】として炎でも纏わせ死体置き場にも数本放ち、まだ動き出す前の死体を使えなくしていきたいのですが。
(アレンジetc歓迎)
伊藤・毅
「センサー正常、UAVオンライン、空対地ミサイルオンライン、上空警戒のD01より地上部隊、敵増援の接近を確認数多数、航空支援の準備は済んでいる」
上空より機体のセンサーとUAVを使って、敵の動きを味方に伝える
味方からの援護要請があれば、即座にミサイルを撃ち込む
敵の対空攻撃には注意、緊急時はUAVを盾にする
特に避難民のほうに追撃をかけようとする敵は見つけ次第味方に伝える
備傘・剱
WIZ
…見張りも処刑も全て村人を使ったリサイクル設計、ってか?
悪趣味もここまで来ると笑えねぇなぁ
素早い迎撃が必要ってんなら、二回攻撃で、亡者の首と背骨を断ち切り、動けないようにするぞ
もし、生きた村人達に接触しようとしたら、そいつには麒麟閃を使うぜ
以降は、紫電がもつ限り、何度でも使って、素早く亡者を動けなくしておくぜ
…この亡者達も、無念、だろうな
いや、無念所じゃないだろうなぁ
死んでまで、こうやっていい様に使われるなんざぁ…
閻魔様が許しても、俺がゆるさねぇ
出来る限り、素早く、そして、最小限で動けなくしてやる
今は、それ以外の手向けは考えられないな
…レヴィエとかいったか?
覚悟は、出来てるんだろうなぁ?
●決意の人々に道を~中編・悲しき亡骸にサヨナラを
「センサー正常、UAVオンライン、空対地ミサイルオンライン、上空警戒のD01より地上部隊、敵増援の接近を確認数多数、航空支援の準備は済んでいる」
伊藤・毅(Nemo・f06702)から通信が入る、受信するのは何人かの猟兵。この戦いにおいて、追手の主力を叩くより、これから現れる、生まれてくる亡者や、村人に接触しようと自分たちを無視しようともする亡者を叩く者たちだ。
「さて、それじゃあボクらしくここからは暴れさせてもらおう。派手に暴れれば、看守やターゲットのオブリビオンだってこっちに注意が向くと思うしね」
ステラ・ハシュマール(炎血灼滅の死神・f00109)は動き出す、一人ゆらりと闇の中へ。目指すは増援部隊。
「……見張りも処刑も全て村人を使ったリサイクル設計、ってか? 悪趣味もここまで来ると笑えねぇなぁ。んじゃ、俺も村人を守る方に走るわ。こういうのはスピードも大事ってことで……ここは任せるぜ!」
備傘・剱(絶路・f01759)も飛び出した。
「では、上空より明かりの位置を知らせる。住人は明かりを持っていないか?」
「ああ、持ってねえぜ」
Nemoの問いに劔が答える。彼らは間違いなく灯なく闇の名を、しかし手を取りながらしっかりと歩き集ったはずだ。ならば動き回る明かりは十中八九敵。
「1ヵ所1ヵ所に時間をかけてたらキリがない、2人がかりでどんどん森の亡者をかるぜ?」
「一緒にかい? まあそのほうが確実そうだしボクからも頼むよ」
今はとにかく確実に一つ一つをつぶすのが先決だ。
「まもなく敵が見えるはずだ、D01、索敵を援護しつつ敵主力戦闘集団にミサイル迎撃を開始する」
Nemoはステラと劔にそう告げると、時々は指示を送りながら戦場の周辺を旋回し始めた。
「よし、敵確認。村人じゃない。先ずはあいつらからだ。行くぜ」
「いいですよ。さあ、いきましょう!」
劔の先制攻撃が決まる。二回攻撃で、亡者の首と背骨を断ち切った。それに気づいた別の亡者が篝火からの炎で反撃するが。
「気付くのが遅いですよ?」
と、さらに別の亡者の首根っこを掴んで劔と亡者の間に割って入ったステラが、つかんでいた亡者を盾にして受けた。
「無念の末に逝ったものたちに、尊敬と祝福ある火葬を」
亡者はその炎が味方に当たるのを見て慌てて消すが、そのままステラは自分の掴んだ亡者を盾にしながら近づき……。
「業炎に抱かれ、鮮血に沈み、我が内に住まう紅蓮の醜き炎血よ。我は剣とし汝を携えん」
近づきながら詠唱したユーベルコード【炎血のミケランジェロ】を発動し、自らの血を代償に剣と槍に変化した武器、その槍で2体の亡者を串刺しにしたのち、引き抜いた瞬間にそれらによる16連撃を叩きこんだ。2体の亡者も動かなくなる。
「この亡者達も、無念、だろうな。いや、無念所じゃないだろうなぁ。死んでまで、こうやっていい様に使われるなんざぁ……」
劔が胸に宿る怒りの感情を確かに感じながら言った。
「さあ、次に行きましょう。徹底的に暴れて増援は皆猟兵のほうに来るようにしてあげませんと……」
「ああ、行こう」
せめて、少しでも早く全部動けなくしてやるのが手向けだと劔は駆ける。場所はNemoが示してくれる。ステラもまた、少しでもこちらにだけ注目を集めるよう暴れ続ける。彼らは次から次へ猟兵を無視する増援たちのもとに急行し、斬って、刺して、動けなくし続けた。
――その頃。
(悪臭や腐臭で顔をしかめる仲間を見ながら、この時ばかりは機械の体で良かったかもしれないと思う。これなら戦いに集中出来る)
臭いに顔をしかめる猟兵たちをみて、ロダ・アイアゲート(天眼石・f00643)は自分がミレナリィドールであることに感謝した。これならば何にも気を盗られずに彼らを終わらせてあげることができる。
「……聞いてはいましたが、目の当たりにすると吐き気がします。せめて彼らの魂が安らかに眠れるよう願いましょう」
月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)は臭いとその惨状をみていたが、やがて鼻が慣れてしまったところでようやくそういった。正面から来る敵たちは既にほかの猟兵が食い止めており、そして、村人を狙う可能性がある増援たちは既に2人n猟兵が追った。もちろんここに集う敵は主力であろうからそちらの援護も欠かすつもりはないのだが……。彼女が何よりも優先したのはこれから亡者に変貌する可能背のある死者たちの眠りを守ることだった。そしてそれはロダも遠からぬ思いだった。
「Do not provide, such as escape」
「花を散らすは風の棘」
ロダがユーベルコード【Ubelcode01:Strengthening(ユーベルコードゼロイチ・キョウカ)】を使い、自身の装備武器にガトリングガンの付いた小型ガジェットを搭載し、破壊力を増加する間に、紫衣は【散花風棘(サンカフウキョク)】を使い、レベル×5本の【疾風】属性の【鋭く長い棘】を放つことで主力軍団を相手する5人の猟兵たちの防衛網を掻い潜る猛者たちを無力化していた。
「こちらはいちいち詠唱が必要です。ロダ、援護願えますか」
「ええ、亡者はすぐに増援を作れるわけではない、それを迎撃する合間に、私はあなたを援護します」
「助かります。では、近づくものだけお願いします。遠くは高速詠唱で間に合わせますから……!」
「了解。では、そちらもこちらが撃ち損じた新たなる亡者の始末は頼みますね」
ロダと紫衣の背中合わせの増援と取りこぼしの迎撃が始まった。
そして、劔たちは……。
「来たれ、麒麟!我が身に宿りて、疾走せよ。この地、汝を妨げるもの、一切無し!」
ユーベルコード【麒麟閃(ライジングスラスター)】による激しい一撃。空気摩擦により、帯電した高速後ろ回し蹴りによって最後の集団を離れた亡者が狩られた。
「D01より強襲部隊。散らばる敵影無し、周辺の安全は引き続き観察する。一度死体置き場に帰還されたし」
「ええ、わかりました、すぐ向かいます」
ステラがNemoに返答する。
「今のでとりあえず最後っぽいか。それじゃあ早く戻って今度はあっちで暴れるぜ!」
無事に周辺の片づけが終わった2人はこうして死体置き場に戻る。
死体置き場は激戦を極めていた、何より数が多い。
「Nemoさんのミサイルの支援もありますが、だんだんじり貧ですね、しかし、ここは食い止めないと……」
亡者が死体に近づけばさらに亡者は増える。飛ばされてくる炎を相殺するのでも大変なのに、だんだんと数に押されている。勿論、主力と重点的に戦う者たちの、特に遠距離攻撃を得意とするものはなるべくこちらに来る前にうち漏らした敵を退治してはくれるのだが……あまり頼っては主力を押し切れるかがわからない。
「今周辺への強襲が終わり2人が向かっている」
Nemoが言った。
「ならここが踏ん張りどころですね」
「ええ、そうですね。ロダ、行きましょう」
再び発動される【散花風棘】に、ロダの援護攻撃。敵も必至だ。それに、相手は亡者だが、やけに党則が取れていて、波状攻撃が上手い、そしてそれは恐ろしい。彼らを使うものが、領主レヴィエが、ヒトやモノを使うのがうまいのであろう。払っても波のように主力から裂かれてこちらに向かう亡者たちにめまいがした時。
「来たれ、麒麟!我が身に宿りて、疾走せよ。この地、汝を妨げるもの、一切無し!」
劔の声だ。そして、亡者の一人を蹴り飛ばし、辺り一面を紫電が奔る……。紫衣とロダに力が再びわいてくる。
「間に合いましたかね?」
ステラももちろんいた。紫衣とロダの隣を駆け抜けると、剣と槍で次々と近づきすぎる敵を壊していく。
「ロダ、引き続き援護射撃を、私はこの死体の山を……焼きます!」
「ええ、そのように……」
こうして後方を守る者たちは、主力と戦い続ける者たちが最後まで後ろに気をとられることなく戦い続けられるように立ち回るのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
一一・一一
【心情】
臭いのは苦手っすけど、今が我慢のときっす
…匂い移らないっすよね?
【登場】
最初からいるっす、でもバッグワームで目立たないようにしてるっす
【戦術】
「バッグワーム」で「目立たない」ようにしておいて
『Q・T・S』で「ハウンド(誘導弾)」を使って「スナイパー」するっす
味方に当たらないように精密狙撃するっすよ
敵がこっちに近づいてきたら「スパイダー」で縛ってぶん投げるっす
あとは「援護射撃」しながら「スナイパー」していくっすよ
阿紫花・スミコ
「なくなった人たちには悪いけど・・・これ以上亡者が増えても困るから・・・」
精霊銃アヴェンジングフレイムを引き抜き、死体を燃やす。
ボクの精霊銃には炎の精霊が宿っているから。
その後、どうするかは、他の猟兵に従う。
その場で戦闘をするのか、場所を変えて戦闘をするのか。
個別行動はしない。
基本は同じく、からくり人形の棍棒を使って攻撃を行う。
もしも、攻撃のチャンスがあれば、スピニングスイーブを使おう。
スミコが両手をあげるようにつよくからくり糸を引き上げると、からくり人形の腰部の歯車が軋みをあげて回転をはじめる。
超重量の棍棒をもったまま、ダグザの上半身は高速回転し、敵を巻き込む!
(属性攻撃、怪力、なぎ払い)
クラム・ドグマ
酷い臭いだ…死して尚こんな仕打ちを受けるなんて、可哀想に
早く楽にさせてあげよう
【2回攻撃】【フェイント】【零距離射撃】等を駆使して熱線銃を撃っていく。君達には容赦はいらないよね?
見たところ篝火の影には奇妙な効果があるようだから、なるべくそれには触れないよう気を付けよう
ユーリ・ヴォルフ
アドリブ共闘大歓迎!
想い人を自らの手で殺害し
尚も心折らず村人達を励ましただと?
なんと心の強い女性なのだ…あぁ、そうか
宿した赤子が希望となっているからこそ
ギリギリの淵で立ち続けていられるのかもしれない
ならば尚更…彼女を、赤子を、村人達を…護りきらなければ!
村人達の盾となる布陣で迎撃
篝火か…空虚な光だ。このような形で死後も蹂躙されるのは不本意だろう
私は浄化の炎となりて、焼き尽くし…見送ろう
迫る敵を【メギドフレイム】で迎え撃ち
『属性攻撃』『範囲攻撃』で炎の壁を作り、進軍を妨害
篝火からの炎は、『オーラ防御』『生命力吸収』で我が力と変え
それでも抜けようとする敵は、炎霆(槍)で串刺しにする
行かせはしない!
香神乃・饗
死してなお繋ぎ止められているんっすか。
これ以上苦しめられないよう、身体を解放してやるっす!解放されるのは生者だけじゃないっす!
近づく人が多いなら苦無を投げて援護にまわり、少ないなら近づいて戦うっす!
妖剣解放で強化して駆けながら戦い、敵の影に入らないようたち振る舞うっす。
もし、影に入ってしまったら、その敵は狙わず別の敵を狙うっす。
苦無を投げてフェイントをかけ、近づいて剛糸や苦無で暗殺を狙うっす!
敵の攻撃は剛糸で敵を絡めとり盾にして身を守るっす。
●決意の人々に道を~後編・行き場のない亡者に鎮魂を
後方で援軍達が戦い始めたころ、主力に近い位置にいた猟兵たちも、迫りくる亡者とコンタクトしていた。その距離は50メートルも離れてはいなかったが、絶対に縮めてはいけない距離であった。集団的を前に、一人の男は思う。
想い人を自らの手で殺害し尚も心折らず村人達を励ましただと?
なんと心の強い女性なのだ……。
――あぁ、そうか。
宿した赤子が希望となっているからこそ彼女は
ギリギリの淵で立ち続けていられるのかもしれない。
それがわかっているからこそ、村人も強く立ち上がる決意をしたのだ。
「ならば尚更…彼女を、赤子を、村人達を…護りきらなければ!」
ユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)は正面から迫りくる主力に立ちふさがる最後の壁となるべく背後に炎の剣を展開し、それを地面に突き立てて壁と成した。もちろん、それでもすべてを防げる数ではないだろう、だが、後ろには自分よりも明確に村人を守ろうと動く仲間がいる、彼はそれを守り向かい来る敵を少しでも多く浄化の炎で焼き尽くすのみ! 盾は背後に、そして、矛である自分は前に! ユーリは槍を握りしめ、誰よりも前に出た。
「うお、炎の壁っすか……いや、でもこれなら……」
一一・一一(都市伝説と歩む者・f12570)が対レーダー用マント『バッグワーム』を使用し、目立たないようにしながら壁よりも少しだけ後ろで銃を構えた。離れていたせいで自身もユーリの出した壁に前への進路を阻まれるが、代わりに閉所、県と県の間、敵が抜けてくるところを集中狙いに出来る。それに、炎で明るくなって敵影と味方の区別がつけやすくなった。
「援護します! 皆さんもダメージが蓄積したらいったん下がりながら戦ってくださいッス! 敵は統率が取れてるっすよ!」
っていっても、もう飛び出しちゃったユーリさんにはさすがに聞こえないかな……。一一は狙撃強化型Sライフル『イーグレット』から、第一射を放った。
「なくなった人たちには悪いけど……これ以上亡者が増えても困るから」
阿紫花・スミコ(人間の人形遣い・f02237)は精霊銃アヴェンジングフレイムを引き抜き死者たちに炎を放つが、その炎は背後から増えてきている亡者に阻害された。
「数を減らさないとダメなのか」
今、後方の猟兵が死体置き場のほうに集っている、そして、炎の壁で敵の動きは制限されたが、ボクがそちらに行く道も偶然とはいえ断たれた。なら今ここにいるボクの取るべき行動は、仲間を信じて自分は主力を殲滅すること……!
「いくよ! ダグザ……燃やされないでね!」
スミコは相棒と共に、亡者たちに立ち向かう。
「これ以上苦しめられないよう、身体を解放してやるっす!解放されるのは生者だけじゃないっす!」
香神乃・饗(東風・f00169)はユーリと同じく飛び出した。主力に立ち向かうのは5人、2人が後衛と中衛とみられる。だから、自分は前で露払いをすると判断した。
「くっ! 影……入っちゃったっす」
篝火の影に入ってしまえばその敵には牽制程度にクナイを投擲して回避させることで引き離し、そのままその敵は味方に任せて次の敵へ駆け出す。まっすぐでいて芯の通った戦法だった。
「酷い臭いだ……死して尚こんな仕打ちを受けるなんて、可哀想に……。早く楽にさせてあげよう」
クラム・ドグマ(黒い読書家・f03711)は銃を引き抜きながらも近接を選んだ。近接銃戦闘だ。村人たちを手枷から救った熱線銃で、今度は亡者の魂の糸を切る。時たま、ブラックスライムの特性を生かし、体を変容させて回避しながら体勢を立て直し亡者の隙間を縫い、撃ち込むのだ。外してもうまくスミコや一一の援護が入る。
「ぐあっ!」
少しの後、前方でユーリの悲鳴が上がる。敵に囲まれた、前に誘い込まれすぎていたのだ。ユーリが間抜けだったのではない、敵も統率が取れているという一一の言葉通りだ。巧みに陣形を変え、誘い込まれたのだ。
「レヴィエエエエエエエエエ!!!!!」
痛みを受けたユーリが領主の名を叫ぶ。
「ふん、何やら真夜中に小うるさいと思ったら……。貴様等、噂の『ヴァンパイアをも狩るもの』か……。
ユーリの萌えるような双眼の遠く先に、彼女がいた。涼し気な顔で戦場を見下ろす者。間違いない、あれが領主レヴィエだ。
「我が領地で好き勝手しているものは、殺さねばなるまい……? なあ、野良犬ども」
レヴィエが手を振り上げる。亡者たちの動きが変わった。それを唯一目に捉えたユーリははっきりと感じた。彼女がただの悪趣味な領主ではなく、上に立つ者の統率力を持つ残虐なる軍師であることを肌で感じられる。一瞬で自分の周囲の亡者の動きの良さが変わったのだ。
「ユーリさん!!!!」
「ユーリ君!!!!」
クラムが【クイックドロウ】で高速乱射しながら、饗が【妖剣解放】で自らの力を上げ、衝撃波を放ち舞い斬りながらユーリを囲む集団を無理やりこじ開け走法から推し通る。
「ちょ、く……援護っす!!!」
一一も遠くからスコープ越しに二人の動きに反応し軽量型Sライフル『ライトニング』も取り出して、二人の背中から追い迫る亡者はユーベルコード【Q・T・S(クイックツインスナイプ)】で素早く2挺のスナイパーライフルから誘導弾を使った連射でおとなしくさせる。
「君たち……ありがとう、形勢を立てなおそう!」
ユーリは孤立状態から脱した。クラムと饗と共に取り囲む敵に武器を向ける。開いた道は一瞬で塞がれた。流石に今炎の雨を浴びたらアウト、だが……。
「ダグザ、これで道を開く!!!!」
スミコが両手をあげるようにつよくからくり糸を引き上げると、からくり人形の腰部の歯車が軋みをあげて回転をはじめる。
超重量の棍棒をもったまま、ダグザの上半身は高速回転し、敵を巻き込みながらまっすぐユーリたちも追い抜いて一直線に敵の隊列を分断、崩壊させる。【スピニング・スイープ】だ。ダグザの止まることない回転攻撃は、そのまま外周の敵も追い立てる様に継続される。これを機にユーリたちはその集団による包囲を後退しながら追撃を与え切り抜ける。
「ふん、力技か」
レヴィエが笑う。しかし、その笑みは、爆音とともにかき消された。Nemoの空中からの援護ミサイルだ。敵が次々と統率を崩していく。
「何を……!」
Nemoが後退していく空に、レヴィエが何らかの攻撃を行った、爆炎にまみれてよく見えなかったが、その何かによってNemoは小破ではあるがダメージを受け、一度墜落を避けるために交代する。しかし、レヴィエが空に気を盗られているうちに、下がり切って体制を整えたユーリは……!
「内に眠りし竜の焔よ。我が剣となりて、敵を穿ち焼き尽くせ!」
ユーベルコード【メギドフレイム】によって、多くの戸惑う亡者たちを焼き払った。このどれかに、彼女の愛した男はいただろうか、それとも、後方の死体置き場に……? いずれにせよ、後方も死体の焼却と増援の対処を終えたようだ。ユーリは一一の合図を受けて、炎の壁を消す。その先には燃え上がる死体たちと、こちらに走ってくる仲間たちの姿があった。
「ほぼ、全員集合、だね。このまま亡者はすべてかたずけて、領主をあの高みの見物から引きずり落そう」
クラムが言った。もちろん集合できないのは一度下がっているNemoだ。レヴィエは既にこちらを見る目が冷たい冷たい、凍てつくような怒りの視線に代わっていた。彼女が勢い余ってこちらに襲い来る前に、猟兵たちは残った亡者を一気に片付けるのだった。
大成功
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第3章 ボス戦
『姫騎士・銀氷の蒼薔薇』
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POW : 氷刃嵐華
【剣から放たれる氷刃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【剣による連続攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 絶対零度の氷界
【薔薇の魔法陣から放たれる絶対零度の氷槍】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【上を身も凍るような冷気で覆い】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ : 無影の氷針
レベル×5本の【対象の動きを鈍らせる氷結】属性の【透明度の高い氷の針】を放つ。
イラスト:オムレットマト
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「シエル・マリアージュ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●凍える領主に引導を
亡者たちがすべて消えると、レヴィエはその場より降り立ち、猟兵たちのそばまで剣を引き抜きながらゆらりゆらりと近づいた。そのかわいらしく、美しい風貌からは、その瞬間に近寄りがたい覇気を感じる。全てが、彼女を纏うすべてが冷たい。彼女はこんなにも冷酷に人々を争わせ続けたのか……。
「貴様等……よかろう、そんなに私と戦いたいならかかってくるがいい。楽しい闘技の時間だ」
そう言い放つ瞬間も、彼女からは熱さを感じなかった。人を飼い、闘わせ殺すものなレド、彼女は騎士の風貌をしている。彼女にとって、闘争は当たり前で、戦いを眺めることは純然たる趣味だったのかもしれない。しかしただ下劣に眺めていたモノではない、住人とも死闘を繰り広げていた彼女はまさしく、戦闘狂――。燃え盛っていた収容所の周囲の大地が、一気に氷の世界に変わった幻覚に陥りそうなほどに、レヴィエの殺気が今、周囲に満ちた……。
備傘・剱
WIZ
…丁度いい、レヴィエがここに出てきてるんだったら、これが使えるな
ここに倒れている死体達に、傀儡子を使う
さぁ、弄ばれた命達、一緒に終わりにしようぜ?
混戦になるだろう
なら、暗殺が出来るだろうな
外道相手に手段は選ばないさ
背後から鎧の隙間を狙ったり、味方の攻撃を受けて身動きが取れない瞬間や、技を放ちきった瞬間なんかの、攻撃と攻撃の隙間を狙う
外道相手に外道に成り下がるのも、また、悪くない物さ
レヴィエには、恐怖と、後悔をたっぷりして死んでもらわなきゃ…
いい様に弄ばれた死者も生者も浮かばれねぇ
防御は、考えていない
俺も死者を弄んだんだ
それ相応の報いは、受けなきゃな
アドリブ、絡み、好きにやってくれていいぜ
ステラ・ハシュマール
水と油ならぬ炎と氷だねボクらは。決して交わることも理解し会うこともできない。確かにその一途なまでの戦闘欲、それの美しさは認めよう。
「けど、そのために弱者を巻き込む心は美しくないわね」
ならば死を刻むことで貴女を美しく作り直そう。
冥獄炎化粧を発動、【目立たない】で存在感を消しつつ、死角から黑壇鎮魂葬送曲を【二回攻撃】で連続【薙ぎ払い】による【殺気】の入った攻撃で【恐怖を与える】。その恐怖で生まれた隙目掛けて、ワタシの取って置きのビームを食らわし【暗殺】しよう。
「果たせぬ復讐いま果たそう。汝に人誅を下す!」
氷槍はできればビームで相殺したいが、うまくいくだろうかね?
※アドリブ、連携歓迎
東方・亮真
POW判定
そうか、君が……いや、お前が黒幕なのか
お前がどういう意図で皆を争わせていたのかは知らないけど、野放しにするわけにはいかないんだ
止めさせてもらうよ、俺たちは『猟兵』だからね
レヴィエが操る氷の力は厄介だけど、無敵じゃないはずだ
俺のガジェットから飛び出す【譁ュ縺。蜑イ繧区ュッ霆】……えーと、俺はスピニングギアって呼んでるけど。
とにかく、超高速回転するこの歯車なら氷の弾幕を突破して奴にダメージを与えることが出来るはずだよ
【属性攻撃】で火属性も付与したいね
寒くなんかないさ、村の人達が感じていた怖さに比べれば、どうってことは無い!
(アドリブ、絡み歓迎です)
阿紫花・スミコ
仲間たちと協力し、人形のリーチを活かして棍棒で牽制しつつ、攻撃のチャンスを待つ。
「困ったお姫様だ・・・自分が負けることなんて微塵も考えてないんだろうね。」
15の少女の言うセリフではないが・・・スミコはこの世界で生まれ、多くのオブリビオン達の理不尽を目の当たりにしてきた。
「自分が奪われる立場に回ることなんて考えてない・・・だから、力があれば何をしてもいいなんて、うぬぼれられるんだ・・・!」
敵の攻撃を必死に抑えながら、チャンスを待つ。
「・・・今だ!」
両手を引き上げるようにして操り糸を引けばダグザは超重量の棍棒を持ったまま回転を始める。
スピニングスイーブ!
「・・・お前らの傲慢に付き合ってられるか!」
ユーリ・ヴォルフ
アドリブ共闘大歓迎!
戦士としての実力は確かだが
己が趣味の為に人口をこれ程減らして尚
領主を名乗るとは烏滸がましい
それに…いくら優れた容姿をしていようとも
貴様の性根は、醜悪そのものだ!
『激痛耐性』で先の痛みに耐え、真っ向から啖呵を切る
心の美しさ…村を守り続けたあの女性を思い出す
名前を聞いておけばよかったか、と独り言ちる
正々堂々、真っ向からぶつかる
氷には炎だ。互いに相性最悪だからこそ面白い
竜槍に『属性攻撃』(炎)を纏わせ攻撃
とはいえいずれは踏み込まれるだろう
氷刃嵐華は『オーラ防御』で耐え、攻撃後の隙を突き反撃
竜槍を短く持ち属性攻撃を乗せ渾身の【ドラゴニック・エンド】
貴様の独裁は、ここで終わりだ!
月藤・紫衣
あれが、領主ですか。
…自らが戦いを求めるのはいいでしょう、そういった中でしか生きられないモノがいるのも確かです。
飛んでくる氷の針が目に捉え難いモノだとすれば【第六感】を頼りに【見切り】回避してみましょう。
隙を見てUCを発動し、飛ばそうとした針ごと嵐の中へと沈んでいただこうかと。
もしすり抜けた針が当たっても【激痛耐性】で痛みには耐えられるかと。
自らの在り方を望まぬ誰かへ押し付けることは間違っています。
力のないただの人々に無理矢理押し付け、傷付け、殺しあわせる…騎士であると、そう自らを定義されるのでしたら、貴女の騎士道は錆び付き、腐り、崩れさってしまったのでしょうね。
(アレンジetc歓迎)
一一・一一
怒らないでくだいっす、シワが増えるっすよ?
とか挑発しつつ二丁ライフルで『Q・T・S』の「スナイパー」による「誘導弾」+「範囲攻撃」の『サラマンダー』で即狙撃するっすよ
同時発射するっすけど念の為狙いは別々…両肩を狙うっす
あとは距離ととりつつ「援護射撃」で「レッドバレット」を射ちながらみんなを援護しておくっすよ
趣味に口を出す気はないっすけど、やりすぎっすからね
とりあえず嫌というほど銃弾をあげっるっすよ
ロダ・アイアゲート
この方がレヴィエさんですか…
表情も周りの空気も殺気も冷たいとは…
騎士の矜持とはこのようなものなのでしょうか
UC『Reflection』を使用
相手が氷なら、こちらは熱でそれを溶かします
私は炎の使い手ではありませんが、蒸気なら得意中の得意ですので
綺麗に相殺して見せましょう
そして銃で攻撃です
銃は剣より強しと言いますし、勝負と行きましょうか
【属性攻撃】【援護射撃】【早業】【先制攻撃】【2回攻撃】【零距離射撃】を使用
闘うことは否定しません
強くなろうとすることも
私たち猟兵だって同じですから
でも、貴女は楽しむために闘い
私たちは守り、そして救うため闘う
貴女のような方に負けるなんて御免ですよ
アドリブ・共闘歓迎
香神乃・饗
楽しい闘技っすか
喜ばせるために来たんじゃないっす
あの戦いはどういう意味があったんっすか
ただ観覧したかっただけっすか
剣の技を磨くためならもっと腕のたつものの戦いをみたほうが実になるっす
趣味だというなら悪趣味っす!
想う心をなんだと思ってるんっすか!
力づくで解らせてやるっす!
周りが攻め易いようフェイントをかけるように苦無を投げたり、暗殺を狙う様に死角から近づいて剛糸で締めて動きをとめるっす
援護にまわるっす
隙があるなら暗殺を狙っていくっす
香神占いを使い続け武器の攻撃は苦無で流し続けるっす
特に氷の槍の発動が見えたら軌道を読んで避けるっす
クラム・ドグマ
無害な村人達を闘わせたのは君か
あまつさえそれを娯楽にしようとは…許されるとは思わないことだね
僕は後手に回ろう
彼女の攻撃を兵隊人形に取り込んで【力溜め】し、【全力魔法】でそのままお返ししてあげるんだ
見たところ戦い慣れているようだけど、その間に熱線銃で【フェイント】をかければより命中するだろうか
今まで支配されていた彼等の気持ちを、身をもって味わうといいよ
●ファースト・インパクト
「怒らないでくだいっす、シワが増えるっすよ?」
一一・一一(都市伝説と歩む者・f12570)は武器を構え挑発してみるが、その言葉に領主レヴィエはピクリともしない、さっきをまとっても、ただ嬉しそうに笑うばかりだ。そう、彼女にとって言葉など戦いの中で意味をなさないものなのだ。そしてユーベルコード【Q・T・S】を再び発動、ただ発動するだけでなく両肩に、さらにユーベルコード【誘導炸裂弾(サラマンダー)】を上乗せして誘導する炸裂2挺スナイパー射撃の出来上がりである、だがその一瞬にレヴィエは【絶対零度の氷界】と【無影の氷針】を同時発動し、その弾をすべて炸裂することなく凍りつかせ、さらに弾をなにかによって押し返してしまう。
「ぐ、ぅあ!!!!」
一番遠くにいたはずの一一の両肩がそのなにかに刺される。それは透明な氷の針であった、幸い1本ずつしか当たらなかったが、よく目を凝らすとその針は周辺に300本以上も見える。他の猟兵たちも動きを制限される程に地面は氷の針まみれになり、地面に描かれた蒼いバラの魔方陣からは咲き誇る様に一本の槍が天へ向かって伸びており、この辺りの温度は一気にマイナスの世界に到達した。圧倒的冷えが猟兵たちに襲い掛かる。
「ああ、これだ、この寒さこそ至高!」
レヴィエはありのままの自分をさらけ出すように剣を振り回し始める。このまま彼女のペースに飲まれてはまずいと思った猟兵たちは一斉に動き出す。
一一は両肩の氷をあえて抜くことはなく、その寒さに血を凍らせ、若干機嫌の悪くなってしまった銃たちを確認しながら、援護射撃に体制を移した。
●絶対とそうでないもの
「戦士としての実力は確かだが己が趣味の為に人口をこれ程減らして尚領主を名乗るとは烏滸がましい」
ユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)は叫んだ、先ほどの痛みに耐えながらやはり誰よりも一番にレヴィエの喉元まで駆け出す。
「ふん、領主とはなにか、誤解をしていないか?」
レヴィエは笑いながら飛び出してきたユーリの攻撃を簡単に受け流す。
「貴様らの道徳を、弱い人間の考えを押し付けるのがそもそも面白い話だ」
レヴィエは言った。いいきった。そう、ダークセイヴァーで支配をするオブリビオンなんてみんなこんなものだ。どうして人間はそれでも人間の理屈をものさしにしてあらがってくるのか。それは、そういう世界を守りたいからではないか。
「いくら優れた容姿をしていようとも貴様の性根は、醜悪そのものだ!」
ユーリはそれでももう一撃叩き込む。受け流されたそのままの勢いで剣を回転させて思い切り切りかかった。しかし、レヴィエはそれも弾き返す。弾き返すだけではない、そのままくるりと後ろに振り返りながら、横回転切り。ユーリには届かないが……。
「……チッ!!」
ステラ・ハシュマール(炎血灼滅の死神・f00109)には届いた。腹部に剣筋がとおり、風圧に飛ばされる。そのままレヴィエはユーリに今度は蹴りを入れる。ユーリは防御したが一度は下がるしかなかった、ここでもくらいついてはほかの猟兵の邪魔になる。
「水と油ならぬ炎と氷だねボクらは。決して交わることも理解し会うこともできない」
「その通りだ! なぜ人間の理屈が、弱者の理屈が通ると思ったんだ。私は村の人間にも行ったぞ、文句があるならば私を屈服させよと! それが力あるものの統治ではないか!」
彼女は確かに彼女の騎士道で生きている。ステラは『けど、そのために弱者を巻き込む心は美しくないわね』とはもはや言わなかった。美しさの価値観すら違うとわかってしまったのだ。何もかもが違う可能性がある、それがオブリビオンだと改めて知った。彼女の中では強いこと以外に正義も美しさもないのだ。
「ならば死を刻むことで貴女を美しく作り直そう」
ステラは【冥獄炎化粧(コロナ・バースト)】を発動した。今まで倒してきたオブリビオンの殺意をまとい、高速移動とビームの放射を可能とする、命がけのユーベルコード。
「果たせぬ復讐いま果たそう。汝に人誅を下す!」
ステラのビームが放たれる頃、レヴィエも【絶対零度の氷界】を再び発動する。氷の槍がレヴィエの正面に作成された魔方陣よりまっすぐに撃ち放たれる。ステラはその槍を相殺しながら突っ込もうとしたが、絶対的な零度の氷はビームをもろともせずに突っ込んでくる。その氷は光を受け入れない、ただ、その中央だけを引きさいて突っ込むだけ。ステラは上空にジャンプして氷を回避した、レヴィエは氷で引き裂かれながらもなおまっすぐ向かってくるビームを受けはしてしまった。ビームが太いものでよかったとステラは思う。これで少しは恐怖を与えられたらいいと思っていたが……。
「くっ、やるな」
精神的動揺は少々なようだ。
「一撃入れたことは褒めてやる」
レヴィエは跳んで体制を整えるステラを見てそういうと、すぐに後ろを振り返り剣を後ろに思いっきりぶん回した。
「……」
備傘・剱(絶路・f01759)はその様子を本当に目と鼻の先で見て思わず言葉を失った。【傀儡子(リアルブレイドワーカー)】で焼けきらず残っていた死体で作られた殺戮人形数体が一撃で粉々に砕け散ったのだ。
「まだ氷が足りないのか?」
レヴィエが300を超える透明度の高い氷を剱へと放つ。防御は考えていなかった。死者をもてあそんだ報いを受けねばならなかったからだ。
「宵咲きの華は嵐に舞う」
しかし、それを守るものはいた。月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)だ。彼は【宵華嵐舞(ショウカランブ)】によって、見えなくても氷をすべて月下美人の花弁の竜巻の中に巻き込んでレヴィエごと吹き飛ばす。
「伏兵がいたか……っぐぁ!」
目立たないものに警戒していたレヴィエは、ただ悠然として自分の前に立ちはだかるもう1つの影に気付かなかったのだ。宙を舞うレヴィエに4発の攻撃が襲い掛かり、レヴィエはさらに空で跳ねる等に飛ばされる。
2発は一一の弾丸、そして1発はロダ・アイアゲート(天眼石・f00643)のの弾丸、さらに1発が香神乃・饗(東風・f00169)の苦無だ。
「ささやかですが援護を……」
「話が通じないのはわかったっすけど、それでも俺は、力づくで解らせてやるんっす!!!!」
先ほどまで圧倒的な力を見せつけてきたレヴィエの隙が大きくなる。それでもレヴィエの顔はゆがまない。
「ああ、束になってやっと、強者か……しかし、弱者らしい……」
レヴィエはそんなことを呟きながら笑うが、空に打ち上げられる彼女のその声は誰の耳にも届かない。
●終焉の零
「止めさせてもらうよ、俺たちは『猟兵』だからね」
東方・亮真(スチームジャンキー・f01047)は【譁ュ縺。蜑イ繧区ュッ霆(スピニングギア)】を発動し、猟兵たちの道を作るべく属性攻撃により炎をまとった歯車を高速回転させ地面すれすれを飛ばし、地面に無数刺さった透明な氷と、空から無防備に落とされるレヴィエの着地点を一直線につなぐ。
「……今だ!」
叫ぶのは阿紫花・スミコ(人間の人形遣い・f02237)。両手を引き上げるようにして操り糸を引けば、彼女の相棒ダグザはユーベルコード【スピニング・スイープ】によって棍棒を持ったまま高速回転で出来立ての道を進む。
「ふん、無駄なことを、私の着地の方が先だ……」
「――そうとも限らないかもよ?」
落ち行くレヴィエの背後、つまり落下地点の地上からクラム・ドグマ(黒い読書家・f03711)が言った。右手に怪我を負っている。その傷は彼女がステラに向かって放った氷の槍を受けたものだ、だが、流れ弾に巻き込まれたわけではない。自らその攻撃をうけ、ギリギリで耐えたのだ。そして、彼の背後の兵隊人形から、その痛みの代価は打ち出される。【十人の兵隊人形のように(アンド・ゼン・ゼア・ワー・ノーン)】というユーベルコードが放つのは、彼女から受けた一撃の氷の槍。それを彼女のほぼ真下から発射し貫くと、クラムは急いで後ろへ下がる。串刺しになったレヴィエが地面に到達すると、ダグザが到着し、彼女に強烈な連撃を与える。激しい回転連続攻撃に自分を串刺しにする槍が折れ、そのまま今度は猟兵たちの方へダグザによって吹っ飛ばされるレヴィエ。空中で構え、無理やりにユーベルコード【絶対零度の氷界】を三度放つが……。その先には、バイクに乗るロダが突っ込んできていた。
「さすがに3度となれば絶対的な氷も溶かせましょう……Your attack does not reach me」
ロダの【Ubelcode03:Reflection(ユーベルコードゼロサン・ハンシャ)】が発動する、それは絶対零度にも負けない絶対的な灼熱の盾となる。
「最強の矛と、最強の盾がぶつかれば、あるのは両者の崩壊……」
ついに絶対零度の槍は盾とともに砕け散った、そして、そのまま突っ込むロダの後部座席には、一度は下がったユーリが乗っていた。
「今度はこちらの槍を受けてもらおう!」
竜槍を短く持ち、ロダの操縦するバイクから飛び降りながら属性攻撃をのせた渾身の一撃が吹っ飛び来るレヴィエを再び串刺しにする。
「貴様の独裁は、ここで終わりだ!!!」
【ドラゴニック・エンド】が発動し、レヴィエの足元から竜が姿を現した。
呼び出されし炎の竜はそのままレヴィエの冷たくなっていく体を飲み込み、消滅させる。
●救い無き闘争に終焉を。
強力なオブリビオン、元領主『姫騎士・銀氷の蒼薔薇』こと、レヴィエとの戦いは、この戦いに参加した猟兵たちに初めて、または改めて「根本的に価値観が違う存在」である可能性が高いものがオブリビオンなのだと自覚させた。消えていったレヴィエは、最後まで絶望した顔でなく、最後の最後まで強者のレヴィエだったのが、間近で槍で貫いたユーリの脳裏に焼き付いているほどに、根本からの強者であった。頭のねじどころか、部品がすべて違うような。そしてきっとそれは、このダークセイバーにもっとも多いオブリビオンの価値観なのだろう。
「村は解放されました」
「手間取ってしまったけれど、しっかりと、復讐は果たしたよ」
ロダとステラの口から、村人たちにその朗報は伝えられた。
「これでしばらくは安心っす! ずっと安心できるようになってたらうれしいっす!」
「そうだね」
饗が元気よく続けて村人たちに叫ぶのに、クラムがそっと同意した。
「あなたたちの仲間の死体は、焼いてしまったけれど……」
「すまない……」
紫衣に続き、剱が謝罪した、剱の謝罪は別の事に対してだったが、村人はずっとこの場所につながれているよりはいいと言って大きく気にはしなかった。今は生きているもののこれからが優先だ。
「長い間、寒い思いをしたね。もう大丈夫だよ」
「やりすぎ領主はもういないっす!」
「ボクたちはもう行くけど、大丈夫だよね?」
亮真も一一も人々を安心させる言葉を述べ、スミコは村人たちの様子を見ていた。死者はやはり0とはいかなかったし、死体が焼き払われてほとんど0になってしまったのだ。それでも村人たちの現状は、安心の方が大きそうで、猟兵たちも安心した。一方、ユーリは彼の女性から名前を聞いたらしい。
彼女の名前はイリス。この村によく咲く花の名前と同じ名前だ。
イリスは改めて猟兵たちに長とともに礼を言うと、いつかこの子が生まれる頃にもう一度来ていただけると嬉しいといった。そしてそれは、そんなに遠い未来ではないかもしれないことも……。
救い無き闘争に終焉を~凍える領主に引導を~ 完
大成功
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