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ぽかぽかしたいモフィンクス

#アルダワ魔法学園 #ノベル #モフィンクスの冒険 #モフィンクス・ウォー

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幻武・極
【モフィンクスの冒険】
第9話 モフィンクス・ウォー?オチ編
アルダワの大迷宮でのんびりモフモフと過ごしていたモフィンクス達は何の因果か偶然か?
次の新年の戦争が無いという極秘情報を入手してしまいました。
ここは我々の出番とばかりに、かなーりすごーくとてつもなーく重い腰を上げ戦争の準備を始めるのでした。
…………しかし、モフィンクス達のやる気は年を越すことが出来ずに、結局のんびりだらだらと新年を過ごしたのでした。

モフィンクス達は結局のんびりだらだらと過ごしたのですが、どういう訳かグリモア猟兵に予知されてしまいます。
とはいえ、無害なので猟兵達を派遣する必要もありません。
新年の初夢ならぬ初予知をジャックしたモフィンクス達なのでした。


新年あけましておめでとうございます。
今年もモフィンクスの冒険をよろしくお願いします。
新年初のモフィンクスの冒険は昨年末の『モフィンクス・ウォー?予兆編』の続きというかオチ編になります。
グリモア猟兵の初予知に視えてしまったのだから、オープニング風に語ってみたり、視えたのだから行けるのだろうということで現地に行ってみてモフィンクス達と交流してみたりとご自由にノベルにしてください。

今回は執筆していたら長くなってしまったMS様の為に3000文字まで用意してありますが、区切りのいいところで区切っていただいて構いません。

オムニバス形式で続けていくノベル企画になりますので、納品後にタグで#モフィンクスの冒険 と今回は#モフィンクス・ウォー とタグを付けてください。

それでは、どうぞよろしくお願いします。



アルダワの大迷宮の、その一角で。モフモフしたモフィンクスたちが集まっている。
「モフモフ、モフモフモッフモフモッ!フ!」
その中でもちょっと大きな一体が宣言するように声高に叫んでいる。
「モーフモフモフ、モッフ!モフ、モフモフモフ、モフ!」
「モフ?モフモフモフモフ、モッフ!」
「モフ!モフモフモッフ〜モフモフモフモフ、モフッモフモフモッフ!モフ!」
「………」
映像が途切れる。そう。これは全て予知だった。
(何だったの……あれ?)
グリモア猟兵、リリアナ·グレイは今の予知が全く理解できなかった。何か意味があるんだろうが理解できない。まあ、モフモフしか言わんし、上様も戦争ないって言ってるし、特段重要ではなさそうだが……
(万が一これが世界の情勢に関わる予知だったら……よし。頑張って翻訳してみましょう。)
彼女は真面目すぎた。

✮アルダワ地下迷宮―岩盤浴部屋
「|モフ〜、モフモフ。モフモフモフッモフ?《さっきの宣言、誰かの予知に引っかかったかな?》」
ゆったりくつろぐモフィンクスたち。寒い冬は岩盤浴が体にしみる、とどのモフィンクスもべたーっと床にくっついている。
「|モフ、モフ?モフモフ、モフモッフ、モフモフフ、モフ!《たぶん引っかかてるんじゃね?暖房器具請求したから、今年の冬はここ以外でも過ごせるはずだぜ!》」
「|モフモフフモフ!モフ〜、モフモフモフ〜《あったかスープも請求したよ!あー、早く飲みたいな〜》」
だんだん部屋のモフィンクスが増えていく。
「|モ゙!モフモフモフ、モッフ!《何言ってんだ!戦争がないから俺達が戦争起こすんだろ!そして世界を支配……》」
「|モフ〜モフモフ〜モフ、モフモフ!《そんな話もあったな〜てか、皆集まりすぎ!》」
部屋はモフィンクスでぎゅうぎゅう詰めだ。内側のモフィンクスは仲間の体で自分の体を温めている。
「|モフ、モフモフモッフ、モフ〜《まあ、猟兵共が暖房器具持ってきてくれたら解決すんだろ》」
猟兵がなんとかしてくれるだろ、と部屋中のモフィンクスが考えていた。

✮どこかの世界――洋風な部屋
リリアナはひたすら翻訳に明け暮れていた。類似する言語から似た単語を探し出し、文章に纏めるという途方もない作業を夜も徹して行った。その結果――
「で、できた……これが予知の内容……」
ここにその内容を記しておく。
『我らはモフィンクス。モフモフで世界を支配するアルダワの災魔!今年は戦争がないそうだが、我々が宣戦布告する!えーと、えーっと……よし。まず1つ目!ここにいる全てのモフィンクス達を各世界に派遣し、全ての正月を乗っ取る!2つ目!お前らの休みを全て我々に使わせてやる!3つ目!……はないんだった。
で!どうしてもこれらを止めたければ、ぽっかぽかになるストーブとカイロ、あとなんでもいいからお前らの世界の暖房器具を持ってこい!あと、美味くてあったかい食い物も持ってこい!以上だ!』
なんというか、別に要求を飲まなくても世界の存亡には関係なさそうだ。
(一応、この事は他の猟兵の方にも伝えておきましょう)
彼女はグリモアベースへと向かった。

✮グリモアベースにて
「お集まり頂けて、恐縮です」
リリアナを中心に数名の猟兵が円を作っている。その手にはカイロ、ストーブ、焚き火のための薪とライター。近くにはコーンスープの入ったでっかい鍋が置いてある。他にもローストチキンや味噌汁、温めたお茶もある。
「予知の内容は、先程話した通りになります。はい……えっと、申し訳ありません。折角のお休みですのにこんな仕事を」
だが、どの猟兵もモフモフ生命体と会えるなら……とこういった物を準備してきている。モフモフが世界を支配しているというのも、あながち間違いではないのかもしれない。
「それでは転移します。よ、よろしくお願いいたします」

✮アルダワ地下迷宮――少し外に出たところ
凍てつく寒さが覆っている。猟兵が来るのをどこか待ち遠しく感じながら、モフィンクスたちは交代で見張り(という名の出待ち)をしていた。
「|モフ、モフモフ?モフモッフモフ〜《猟兵来るのかな?ずっと待ってるんだけど〜》」
「|モフモフ。モフ、モフモフ。《たぶん来る。というか来て貰わんと困る》」
ぶるぶる震えるモフィンクスたち。その内の1匹が遠くの方に揺らぐ光を見つけた。
「|モフ!モフモフ!《皆、あれ見て!》」
モフ?と顔を覗かせる。その先には――
「|モッフモフ!《猟兵だ!》」
近づいてくる人影。その手にあるのは暖房器具。食べ物のいい香りもする。
「|モフ!モフ!《早く!早く!》」
猟兵達は、モフィンクスの群れに暖かく迎えられた。迷宮の中に入ると、既に多くのモフィンクスが待ち構えていた。猟兵がでっかい鍋の蓋を開けると、モフィンクスから歓声が上がった。猟兵は分担して暖房器具をつけ、食べ物とお茶を配り、スープを椀によそってモフィンクスたちの前に並べる。
「|モフモッフ!《いただきます!》」
暖かい部屋で暖かい物を食べるモフィンクスたちの表情は皆明るかった。焚き火を囲んで皆で食べる食事は、モフィンクスにとっても猟兵にとっても楽しい物となった。

✮グリモアベース
「押し付けるような形になってしまいましたが、皆さん大丈夫でしょうか」
リリアナが一人、佇んでいた。彼女は向こうの様子を知らない。
(向こうの様子を予知で見られたらいいのに)
だが、彼女の心は彼女が思うほど不安に包まれてはいなかった。どこか安心したような気持ちが心の片隅にあった。
(あのモフモフした謎の生物……災魔だと自称していましたが、悪い災魔ではなさそうですし、案外猟兵の皆さんは楽しんでいるかもしれませんね)

✯アルダワ地下迷宮――岩盤浴部屋
「|モフモフ!モッフモフ!《お前ら、俺達に色々ありがとな!》」
「|モフ〜モフモッフ!モフモフフ〜《そのお礼に〜、じゃーん!岩盤浴〜》」
「|モフ、モフモフモフフ〜《僕達と一緒にあったまろ〜》」
食事を終えた猟兵達は、モフィンクスに案内され、この部屋にいた。
彼らの目の前でモフィンクスはぐでーと横になる。皆気持ちよさそうだ。
モフィンクス語は誰も分からないが、今までの間に、猟兵たちとモフィンクスたちには確かな絆が生まれていた。
彼らも横になる。暖かい岩盤が、日々の戦いで疲れた体を癒やす。ダンジョンの中でリラックス、というのも変な話だが、皆細かい事は気にしなかった。

モフィンクスの宣戦布告から始まった正月は、皆にとってかけがえのない思い出になったのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2025年01月07日


挿絵イラスト