汝、渾沌を捕えんとすれば
「うおおおおおおっ! おっぱいでござグワーッ!」
第一声の途中で成田・且胤(今邢道栄・f36853)は乗騎のペガサスに蹴られて吹っ飛び、三回ぐらい地面にバウンドしてからしばらく転がり、そして止まった。
「あ、アバ……なんだか『でじゃう゛』でござるな」
蹴られた場所に手を当て既視感を覚えている且胤によると、先日の帝都櫻大戰の折にアスリートアースのキャンプ・フォーミュラ『キャンピーくん』が自身の世界移動能力を用いて送ってきた助っ人のうち、何名かが未だ元の世界に帰還出来ていないのだという。
「助けて貰った身としては恩返しの意味でも帰還に協力したいところでござるよね?」
且胤が君たちに声をかけた理由がこれで。
「話を続けるでござる。帝都櫻大戰の折、エンシェント・レヰス『護国鉄神零號』との戦いに加勢していただいた斎藤・福様と彼女に随行する『首塚の一族』は現在封神武侠界の人界に滞在しながら、今もさむらいえんぱいあに帰還する手段を探っているのだとか」
ちなみにこの斎藤・福が胸の大きな女性であることが且胤がしょっぱなから荒らぶっていた理由だが、その福はサムライエンパイアにおける将軍の乳母でもある。サムライエンパイア出身者としてもヤバいのではと思われるところだが、同じことを二度しているので乗騎に蹴り飛ばされても情状酌量の余地は全くなく。
「この今も帰還手段を探っている理由でござるが、そも首塚の一族は人数が多いことに原因がござった。対象が大人数ともなれば、安全かつ確実に世界を渡って帰る手段と言うものは簡単に思いつくようなものでもなかったのでござろう」
もっともそれは過去の話。尽力の結果もあってか、その手段は見つかったと且胤は言う。
「それは『流れ者の宝庫』楽浪郡に現れる『渾沌化おぶりびおん』を首塚の一族がゆーべるこーどの『鎖』で捕らえることにござる」
楽浪郡に現れるオブリビオンの中には、楽浪郡の瘴気を浴びて「渾沌化」した者が時折おり、これを捕縛することができればユーベルコードの鎖をサムライエンパイアに繋ぎ、それを通じて帰還することが叶うのだとか。
「ただし、一体では安全面での保証はできないのでござるよ」
一つの依頼で捕えたオブリビオンからの鎖だけでの安全度はせいぜい10%と言ったところ。万が一の事態をなくすには、今且胤が君たちにしようとしているものを含め同じようにグリモア猟兵が出している斎藤・福らへの協力依頼を合計10本こなす必要があるだろう。
「説明を続けるでござる。俺が渾沌化おぶりびおんの出現を予知した地でござるが、ここにはかの者に従う曼柁茄の群れが蠢いているようにござってな」
コンキスタドール達の言うところのマンドラゴラである彼らは封神武侠界の大地で大地の恵みを受けて育ち、猛毒だが正しく調合することで様々な薬になると言われて狙われ続けているのだとか。
「渾沌化おぶりびおんは狙われる曼柁茄たちにとっては庇護者なのかもしれぬでござるな」
とはいえ曼柁茄らを倒さなくては渾沌化オブリビオンの元にも辿りつけない。まずは彼らをサクッと倒してしまおう。
「曼柁茄の群れを蹴散らせばいよいよ渾沌化おぶりびおんとの決戦にござる」
だが、殺してしまっては意味がない。斎藤・福様と随行する『首塚の一族』の帰還の為にも異形の身体部位から予測不能の攻撃を繰り出してくる渾沌化オブリビオンを上手く弱らせ、福率いる首塚の一族にユーベルコードの鎖でこれを捕縛させなければならないのだ。
「首塚の一族のゆーべるこーどは強力であるものの動きが遅いという弱点が存在する故、渾沌化おぶりびおんの動きを鈍らせるか回避が不能な状況などに追い込む必要があるでござる」
どうやってこれを為すかは君たちの腕の見せ所だ。
「尚、渾沌化おぶりびおんと化しているのは、武安国。乱世を鎮めるとされる瑞竜の化身で、三国時代に鉄槌使いの豪傑として現れたそうにござる」
しかし猛将・呂布との死闘に敗北した上、オブリビオン化によって元の性質を失って凶悪化し今に至っているという。
「なんとも手ごわそうな相手でござるが」
無事これを無力化し捕縛に成功すれば目的は達成だ。だが望むのであれば、楽浪郡には「サムライエンパイアからの転移者やその子孫が集まるエンパイア風の町」があるそうなので福や首塚の一族と共に戦いの疲れを癒してもいい。
「ちょうど町では餅をついているそうなので振る舞われる餅でも馳走になって来ると良いでござるよ」
且胤は腕を組んで頷くと、ではよろしく頼むでござるよと軽く頭を下げたのだった。
聖山 葵
残ってる方々も早く返してあげたいですよね?
という訳で今回は斎藤・福と彼女に随行する「首塚の一族」の帰還の為に渾沌化オブリビオンの捕縛に協力するお話となっております。
渾沌化オブリビオン捕縛の為にどうやって補助するかは皆様次第。
では、ご参加お待ちしておりますね。
第1章 集団戦
『曼柁茄』
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POW : 植栽形態
全身を【地中に埋め植栽形態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : 猛毒の道草
戦闘中に食べた【自身や仲間の体】の量と質に応じて【対象は猛毒に侵され、麻酔・鎮痛効果により】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ : 発狂絶叫
近接範囲内の全員を【発狂状態】にする【パニックボイス】を放ち、命中した敵にダメージと麻痺、味方に隠密効果を与える。
イラスト:リタ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
火土金水・明
聖山 葵マスターにおまかせします。かっこいい火土金水・明をお願いします!
人間のウィザード×マジックナイト、17歳の女姓です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。特に、R18に抵触する行動等は、絶対にしません。
使い魔の黒猫「クロ」も依頼では一緒に行動していますが、戦闘でダメージを受けそうな依頼の時はお留守番をしています。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
何とも可愛らしいですが、邪魔をされるのであれば仕方がないですねぇ。
『FLS』で『FPS』『FTS』『FES』を召喚、まず『FES』の遮音結界で曼柁茄さんの|通常攻撃《叫び声》を防ぎまして。
【植栽形態】に変化されたら『FPS』の探査で居場所を把握、【酷郭】を発動して戦場全体に『裁域』を形成、『律』による『操作』と『FTS』の土の回収で周囲の土を掘り起こしますぅ。
そのまま動かないなら『素材』として生け捕りにすればよいですし、動き始めたら『無敵状態』も解除されますので、『刀』で斬るか『律』による『爆破』で仕留めれば良いでしょう。
後はそのまま。『FTS』に回収しておきますねぇ。
「あれが渾沌化オブリビオンに従っているという曼柁茄の群れですね」
転送されればすぐ視界に入ってきたことで一目瞭然だろうか。幸いにも火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)に曼柁茄の群れの方はまだ気づいた様子もなさそうではあるが。
「何とも可愛らしいですが、邪魔をされるのであれば仕方がないですねぇ」
明が口を開いたのに次いで、おっとりしつつも夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は|浮遊する16枚の札《FLS》を用いて|浮遊する涙滴型の水晶《FPS》、|浮遊する6基の宝玉《FTS》、|20枚の浮遊する布《FES》を同時に召喚する。
「倒さなくては渾沌化オブリビオンの元にはたどり着けないそうですから」
戦いは避けられそうもなく、明もこの時点で七色に輝く不思議な杖を曼柁茄の群れへと向けている。
「では、始めましょうか」
「そうですねぇ」
促す明に頷いてるこるが|20枚の浮遊する布《FES》により遮音結界を作り出すとようやく曼柁茄の群れは明とるこるに気づく。もっとも、この時点で気づいても遅きに失していたのだが。
「我、求めるは、冷たき力」
明が杖を向けた先目掛けて800を超す魔法の矢が放たれた。音がさえぎられているが故に悲鳴も断末魔も明には届かない。豪雨の如き魔法の矢は命中と同時に込められた氷の力が周囲を凍てつかせてゆき、曼柁茄たちを氷で覆い尽くしてゆく。
「一網打尽、と行きたいところでしたが」
明が杖を向けたままの理由は氷が砕けた後に姿を現した。全身を地中に埋め植栽形態に変わったことで難を逃れたものたちが居たのだ。
「ですが想定内ですぅ」
ただ、るこるはこれに動じることなく祈りを捧げ始める。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その刑場の理をここに」
そうして形成されるは、戦場全体を覆う『裁域』。取り込まれた内部の土はるこるに操作されて動き出し、埋まっていた曼柁茄たちの身体は露出し始める。
「なるほど、植わっている状態でなくなれば攻撃は通じますね」
再び植栽形態をとるには動き出して地面に潜る必要が出てくるが、植わるまでの間は攻撃を防げない。曼柁茄たちからすると確実に詰んだ状況で。
「好機ですし、出来るだけ数を減らしておきましょう」
動き出せば斬るべくるこるが刀を構える中、明が再び魔法の矢を放つ。悲鳴は届かなかった、遮音結界がまだ機能しているのだろう。凍てつき氷漬けになった曼柁茄たちは氷に覆われた地面に倒れガラス同士がぶつかったような音を立て。
「せっかくですから回収しておきますねぇ」
「……私もお土産に一株くらい持って帰るべきでしょうか?」
|浮遊する6基の宝玉《FTS》で凍った曼柁茄たちを回収するるこるを見て明は首を傾げ。
「今、しきりに首を振る|使い魔の黒猫《クロ》の姿が思い浮かんだような……」
戦闘に巻き込みかねないからと置いてきた使い魔のイメージにそうですねと明は呟き。
「まだまだ曼柁茄は残っていますし」
少しでも数を減らすべく明は再び杖を生き残っている曼柁茄の群れに向けたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【WIZ判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
薬の材料になる、かぁ♪
成程ね♪
それなら庇護してくれる者のところへ集まるのも当然かな♪
上手いこと凍らせて、捕獲できるといいんだけど♪
曼柁茄達をサクッと倒して、渾沌化オブリビオンのところに行くよ♪
UCは『ワタシの雪女の怪談』
召喚したタタリガミ達の「凍える吐息」と「妖冷弾」による【凍結攻撃】で、曼柁茄達を凍らせて捕獲していくね♪
敵のUCは【硬化/鉄壁/霊的防護/狂気耐性/精神の余裕/回復力】で対策するね♪
「薬の材料になる、かぁ♪」
口元を綻ばせたままクローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)が視線を向けたのは他の猟兵たちに撃ち減らされ回収されて尚残っていた曼柁茄たち。
「成程ね♪ それなら庇護してくれる者のところへ集まるのも当然かな♪」
これを聞いた曼柁茄らが自分たちを理解して貰えたと思ったかはわからない、ただ。
「上手いこと凍らせて、捕獲できるといいんだけど♪」
と言う続きを聞いたなら、全力で距離をとろうとしたことだろう。もっともクローネの方は逃がすつもりなどなかっただろうが。
「都市伝説『雪女』を喰らったタタリガミの集団……。彼女達の冷気にどこまで耐えられるかな?」
次の瞬間、曼柁茄らを取り囲む槍を手にした162人のタタリガミたち。クローネの召喚したタタリガミたちは凍える吐息を曼柁茄らに吹き付け、妖冷弾を放って凍り付かせてゆく。
「完全に凍るまでは近寄らないようにね★」
無論曼柁茄らもただやられるだけではないであろうからあげる叫び声に巻き込まれぬようクローネはタタリガミたちに指示を出し。タタリガミたちが遠巻きに攻撃を続ける為、聞いた者を発狂させる声が効果を発揮できず曼柁茄らは一方的に凍らされてゆく。
「このままサクッと倒して、渾沌化オブリビオンのところに行けたらよかったんだけどね♪ 全滅するまで捕獲も難しいかな♪」
元々それなりに数が居たからか、クローネの視線の先には味方が盾になる形で凍り付くのを免れた曼柁茄が何体か。戦いはまだ終わらないようだった。
大成功
🔵🔵🔵
エリー・マイヤー
人はなぜ、おっぱいに惹かれてしまうのでしょうね。
……
失礼、出力する言葉を間違えました。
福さん達の帰還を助力する旨をカッコよく言うつもりでしたが…
これも人類の性ということなのでしょう。
さて、ふざけてないでお仕事お仕事。
曼柁茄…
引き抜くとやばい声を出すアレですね。
では、私も【凍結能力】で凍らせる方向で対処しましょうか。
カチコチに凍らせてしまえば、声を出すこともできないでしょう。
そのまま念動力で冷凍曼柁茄を引き抜いてお終いですね。
私には使い道がないので、欲しい方がいたらどうぞ。
ご希望の方がいましたら、念動力での加工も引き受けますよ。
スライスしたりとか、砕いたりとか、すりおろしたりとか。
「人はなぜ、おっぱいに惹かれてしまうのでしょうね」
そうエリー・マイヤー(被造物・f29376)から面と向かって問われたなら|且胤《グリモア猟兵》はどう答えたであろうか。
「おっぱいがおっぱいであるが故に。とは言うものの、人の好みは千差万別であるからして、おしりやふとももに惹かれる御仁も少なからず存在し、いやちょっと待つでござるよ? 俺、尋ねられたから答えただけでグワーッ!」
脳裏で且胤がきっちりお仕置きされる姿を見届けてから、エリーは言う。
「失礼、出力する言葉を間違えました」
と。
「福さん達の帰還を助力する旨をカッコよく言うつもりでしたが……これも人類の性ということなのでしょう」
無表情のままに目を伏せ、再び沈黙すること数秒。
「さて、ふざけてないでお仕事お仕事」
気持ちを切り替えエリーが意識を向けた先に居るのは何体かの曼柁茄だ。
「……引き抜くとやばい声を出すアレですね」
故にここで戦った猟兵たちはあげる声に対策して戦った者もいたわけだが。
「では、私も凍結能力で凍らせる方向で対処しましょうか。カチコチに凍らせてしまえば、声を出すこともできないでしょう」
どうやらエリーも先人へ倣うこととしたらしい。対策された上で狩られるとなれば曼柁茄たちからすると状況は絶望的だった。
「冷やすのって難しいんですよね……」
無表情のままにエリーが呟くと、周囲から放たれるサイキックの冷気が生き残った曼柁茄たちへ襲い掛かる。もうすでに狙われていることを察し何とか冷気から逃れようとしたものもいたが能わず。
「私には使い道がないので、欲しい方がいたらどうぞ。ご希望の方がいましたら、念動力での加工も引き受けますよ」
凍り付いた曼柁茄たちを念動力で回収しつつスライスしたりとか、砕いたりとか、すりおろしたりとかも可能ですと他の猟兵へと話すころにはもう生き残っていた曼柁茄は居らず。渾沌化オブリビオンの元へたどり着くのを阻む者はこうして全滅に至ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『武安国』
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POW : 不惜身命
自身の【片腕】を代償に、【超高温の炎】を籠めた一撃を放つ。自分にとって片腕を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD : 狂瀾怒濤
敵を【鉄槌による乱打】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
WIZ : 大山鳴動
自身が装備する【鉄槌を振り下ろした地面】から【大きな震動】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【千鳥足】の状態異常を与える。
イラスト:もりさわともひろ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠大宝寺・朱毘」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「なんだオマエは?」
やがて現れた渾沌化オブリビオン、武安国は猟兵を見据え問いを発した。これに答えるかどうかは君たちの自由ではあるが、さしたる意味はないだろう。元の性質を失って凶悪化した存在とのやり取りがただの会話だけで終わる筈もないのだから。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
この方が渾沌化されているのですねぇ。
さて、対処しましょう。
『FAS』により浮遊、|召喚済《1章》の『FPS』で武安国さんの動きを調べまして。
『刀』を脇構えに構えて待ちますねぇ。
武安国さんと言えば、呂布さん相手の敗形は『腕を斬り落とされた』こと、【不惜身命】による腕の喪失はその状態にも関わる相当な『代償』でしょうが、『FPS』で時機を計り【廽釯】を発動、[カウンター]による斬撃動作に入れば、『一時無敵化』で強力な一撃をスルーした上で、その威力の加算された斬撃が可能ですぅ。
状況的に弱める必要が有ることを踏まえ、もう片方の腕か脚の何れかを狙い[切断]、[部位破壊]しますねぇ。
エリー・マイヤー
なんだって、見ての通りの猟兵です。
アナタを叩き潰しに…
失礼、間違えました。
アナタを程々に叩きのめして、捕まえるために来ました。
そんなわけで速攻で【念動ルーム】を構築。
敵の動きを減速し、攻撃を妨害します。
渾沌化による予測不能な動きは、厄介ではありますが…
動き自体が遅ければ、脅威にはなりません。
避けるなり、念動力で止めるなりして敵の攻撃に対処しましょう。
で、周囲の石や枝なんかを念動力で浮かべて、そのまま加速。
高速で飛翔させ、敵にぶつけて攻撃です。
適当に叩きつけて、敵を消耗させていきましょう。
ついでに首塚の一族さん達のユーベルコード。
敵を捕らえやすいよう、『鎖』も加速しておきますか。
「この方が渾沌化されているのですねぇ」
先に口を開いたのは夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)の方だった、だが問いへの答えではなく。
「なんだって、見ての通りの猟兵です。アナタを叩き潰しに……」
「なにぃ?!」
答えたのは、エリー・マイヤー(被造物・f29376)の方だった。これを挑発と見なしたのか武安国の顔が怒りに歪むものの。
「失礼、間違えました。アナタを程々に叩きのめして、捕まえるために来ました」
「ぐぬぬ、ふざけやがってェェ!」
エリーは無表情のまま訂正して火に油を注げば、渾沌化オブリビオンは明らかに爆発寸前の表情へと変わる。
「さて、対処しましょう」
そうして敵意と憎悪をエリーが一身に引き受けてくれているからという訳でもないだろうが、|3対のオーラの翼《FAS》で空へと舞い上がったるこるは|浮遊する涙滴型の水晶《FPS》を用いて武安国の挙動を探り。
「アタイの力を見なぁ!」
「今ですねぇ」
激昂した武安国がエリーへ襲い掛かる様を見てるこるは二人の間に割り込まんとする。
「ハッ、今更なにをしても間に合わな」
そんなるこるに気づいた武安国は鼻で笑おうとするも失敗した。簡単に縮まる筈だったエリーまでの距離が急に縮まらなくなったからだ。
「すべて私の手の上です」
本来なら念動力で武安国を減速し攻撃を妨害するつもりだったエリーからするとるこるの介入は想定外だったが予定調和だったかの如く無表情ですまし。
「参ります」
二人のあいだにわりこんだるこるは刀をもって減速されながらも突っ込んで来る武安国へ斬りかかる。
「ちィッ! アタイをナめんなぁッ!」
武安国が盾代わりに差し出した片腕。もう一方の手に持った鉄槌は超高温の炎が込められて赤熱するも。
「読んでましたよ」
「何ィ?!」
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『武産の加護』をお与え下さいませ」
自身の言に動じる武安国とは違い落ち着きはらったままでるこるは祈りをささげると武安国の腕を切った刀を引き戻し、鉄槌を受け止める。
「なん」
「結構な威力でしたがぁ、上乗せしてお返ししますねぇ」
「がぁっ」
相手の攻撃の効力を上乗せした形でるこるの放った一撃は武安国の身にまとう防具を破壊しつつその身へ斬撃を刻み。
「私のことも忘れないでもらいましょうか」
痛手を受けてよろめく武安国へと目掛け、エリーは周辺の石を念動力で浮かべて飛ばす。その過程でできうる限り加速させながら。
「ばっ、げっ、ぐあああっ」
散弾のような複数の石礫を喰らった武安国はたまらずひっくり返り。
「こっ、のォォ!」
斬られた腕を渾沌化させて伸ばし地面へついて支えにすると反動で起き上がる。
「ぐ、ぬ、くそ……身体が」
(首塚の一族さん達の鎖も加速させたいところですが、この消耗具合だと捕らえるのはまだ難しいかもしれませんね)
減速の効果が残っているのは確認しつつも時期尚早だと見たエリーは渾沌化オブリビオンの攻撃に備え、限界までそのままサイキックエナジーで周辺を覆い続けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【SPD判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
混沌化部位による予測不能な攻撃でかく乱して、隙を見せたところに重い一撃を見舞う感じなのかな?
とりあえず、あの子を動けない状態にすればいいんだよね♪
ならワタシ達に任せてよ★
UCは『ワタシのソロモンの悪魔変身』
物理攻撃無効のこの姿なら敵のUCで打ち殺される事は無いはず★
【電撃】魔法とブラックスライムによる【範囲攻撃】で弱らせて【捕縛】するね♪
予測不能な攻撃は【第六感/見切り/身かわし】で避けるよ♪
「混沌化部位による予測不能な攻撃でかく乱して、隙を見せたところに重い一撃を見舞う感じなのかな?」
味方と武安国の戦いをいくらか見ていた上でクローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)は武安国の戦い方におおよそ見当をつけ。
「とりあえず、あの子を動けない状態にすればいいんだよね♪ ならワタシ達に任せてよ★」
ユーベルコードで拘束のタイミングを見計らう斎藤・福様と彼女に随行する『首塚の一族』にウィンクして見せる。
「猟兵の皆様、お手数をかけますがよろしくお頼み申します!」
請け負う様子が信頼を勝ち得たか、自身へかけられる斎藤・福の声を聞きつつ、クローネは動きの鈍い武安国の元へと向かっていった。もちろん、動きが鈍っているとはいえ無策で向かっていったわけではない。
「クルクルクログロクローネちゃん♪ ビリビリパワーの悪魔ちゃんになぁ~れ★」
「なン?!」
近づきながらがその身をソロモンの悪魔の姿へと変じれば武安国が驚きの声をあげて。
「こ、こけおどしだァ! そんなモン、アタイがぼこぼこにしてやるよ!」
振りかぶった鉄槌で武安国はクローネへ殴りかかる。何度も何度も鉄槌をクローネへ叩きつけ。
「はぁ、はぁ、はぁ……どう」
「効かないよ★」
あまりに激しい乱打に息を乱す武安国は耳にする、平然としたクローネの声を。
「い、いったいどう、うぎゃああああっ?!」
動揺する武安国に物理攻撃が無効になっていたからだなんて正直にクローネはこたえない。代わりにぶつけた電撃の魔法で悲鳴を上げる武安国には追い打ちとばかりにブラックスライムが絡みついて動きを封じようとするのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アウル・トールフォレスト(サポート)
(基本好きな様にお任せします)
「今日はどんなところに行けるのかな?」
楽観的でマイペース、夢見がちで元気いっぱいな女の子
好奇心旺盛で無邪気であるが、根本が人でない故に残酷
神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
猟兵の役割は理解し依頼も遵守しようとするが、それはそれとして常に楽しい、面白いで物事を判断しているので、時にはそれを優先して行動することも
バイオモンスターの特徴として、肉体は植物の性質を持つ
戦闘では怪力の発揮や身体の巨大化、鋭い爪での引き裂き、即時回復目的の捕食等、野性味溢れる肉弾戦を好む
理力の扱いも得意で、体表で自生する蔓や苔植物を操り、防御や隠密に罠等サポートも行わせる
「ああ、動きを止めるのをお手伝いすればいいんだね」
わかったよと一つ頷いたアウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)はまともに身動きできない渾沌化オブリビオンこと武安国へ近寄ってゆく。
「なん……この状況で新手だとぉ?!」
もがいていた武安国も近づいてきたアウルの存在に気づき声をあげる。
「特別なカタチ……どれになろうかな?」
だが、アウルは武安国の驚きなど一切気にも留めない。ポツリ呟くとこてんと首を傾げ。
「決めた」
次の瞬間、アウルの姿は獰猛な恐竜の形態へと変じてゆく。
「っ、アタイを舐めるなァ!」
まるで意に介していないこともあるが何より十全に動けない状況下で何かされることへの焦りもあったのだと思う。体の部位を渾沌化させることで片腕だけでも自由に動かし鉄槌をもってアウルを武安国は乱打しようとするも。
「ぐああああっ」
半ば動きを封じられるハンデを負いつつ恐竜の形態へと変じたアウルをどうにかするのは無理があったのだ。鉄槌を握った手首にかみつかれ、身体を踏みつけられた武安国はそのまま手首を咥えられたまま振り回されると空に放り出され。
「好機! 首塚の一族よ私に続け!」
斎藤・福の声に首塚の一族は従い、ユーベルコードの鎖が武安国目掛けて伸びる。
「ぐ、うああああっ?!」
消耗していた武安国にはユーベルコードの鎖を防ぐ術などなかった。絡みつく鎖は武安国の身体を捕え、こうして首尾よく渾沌化オブリビオンは確保され、斎藤・福たちの安全な帰還へまた一歩近づいたのだった。
成功
🔵🔵🔴
第3章 日常
『お餅の季節』
|
POW : 沢山食べよう
SPD : 味付けに工夫を
WIZ : お供えし飾ってみよう
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「それっ」
ぺったんぺったん餅をつく音がする。そこはサムライエンパイアからの転移者やその子孫が集まるエンパイア風の町。グリモア猟兵が言っていたようにここで福や首塚の一族と共に戦いの疲れを癒してもいいだろう。
「うーん、最高」
「甘いのもいいけれど甘じょっぱいのもいいよね。次はどっちを食べようかなぁ」
つきたてのお餅を頬張る町の人々の顔はとても幸せそうだった。
シホ・エーデルワイス(サポート)
たまにはゆっくりするのも良いですね
人柄
物静かで礼儀正しく儚げな雰囲気
姿や形にとらわれず誰にも分け隔てなく接しようとします
印象的な蒼き瞳
ほとんどの思い出が無く
肉親や帰る故郷も無いため
常に世界を跨いで旅をしています
その為
休養する機会は余り無いです
心情
基本、粗なく振舞いますが
好きな物が絡むと年相応に興味を持ちます
好きな事
<動物と話す>で会話をしたり歌を歌ったりして交流します
空を飛ぶのも好きです
探し物
常に自身の過去や異世界同位体の手掛りを探しています
基本行動
引っ込み思案で主体的に行動するより
静かに楽しんだりくつろいだりするか
仲間に合わせて楽しい一時となる様に気配りします
「たまにはゆっくりするのも良いですね」
平和そのものの光景に口元を微かに綻ばせたシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)はあちこちで人々が餅つきする町の中を暫く歩いたのちに立ち止まって呟く。
「おーい、そこのお嬢さん」
ぶらり散歩するだけでも十分であったのだろうか、ただただ平和そうな光景を眺めていたシホへと声をかけてきたのは、いくつかのお餅をのせた皿を持つ青年だった。
「私でしょうか?」
「そうそう。実は餅をつき過ぎちまってな。俺やおっかあたちだけでは食いきれないんだ。良かったらいくらか食べてってくんねぇか?」
どうか助けると思ってともで言われてしまえば引っ込み思案なシホも、いや引っ込み思案だからこそ否とは言えず。
「そっか、助かった。いやー、隣の家と競い合って餅つきしちまってなぁ。今となっちゃ馬鹿なことしたって思ってる。おっかあには大目玉喰らったしなぁ」
苦い笑みを浮かべる青年に感謝されつつ家に案内されたシホは作りすぎたという餅をご馳走されることとなり。
「さ、どんどん食べてくれ」
「はい。いただきます」
まだまだ柔らかいお餅を供されると舌鼓を打つこととなるのだった。
成功
🔵🔵🔴
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
いやぁ~上手くいって良かった良かった★
ちょっと疲れたしお腹も空いたし…ゆっくりさせてもらおうかな♪
【コミュ力】を発揮して、斎藤ちゃんや町の人達との会話を楽しみながらお餅を食べるよ♪
砂糖醤油やキナコでいただこうかな♪
UCは『クローネちゃんの愛用品★』
【大食い】を100レベルにするよ♪
これでお餅をいっぱい食べるね♪
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
お餅、美味しいですよねぇ。
折角ですから、頂きますぅ。
【豊饒佳饌】を発動し[料理]と[グルメ知識]を強化しまして。
この世界と地域の色を合わせた『中華風の餅料理』を二品作りましょうかぁ。
一つは『餅チリ』、エビチリのエビをお餅に置き換えた品ですねぇ。
もう一つは『お餅の中華餡かけ』、『餡かけチャーハン』等に使われる餡を作り、お餅にかけた品ですねぇ。
福様や一族の方々、現地の楽浪郡の方々の両方にとって珍しい品になるのではないかとぉ。
提供分の料理が出来ましたら、私もお餅を頂くことにしますねぇ。
[大食い]も強化されておりますので、迷惑にならない範囲で色々な味付けのお餅を順に頂きますぅ。
エリー・マイヤー
お仕事完了ですね。
この調子で、着々と帰還の準備を進めていきたいところです。
先の大戦で、福さん達にはとても助けられましたからね。
お星様になった且胤さんも、きっとそれを望んでいたことでしょう。
たぶん。
それはそれとして、腹ごしらえです。
お餅をくれるということなので、ありがたく頂きましょう。
甘いのは苦手なので、醤油とか七味とかその辺でお願いします。
ああ、このもちもちした柔らかい食感がたまらなく…
福さんの柔らかそうな体つきを思い起こさせますね。
丁度いいです。
且胤さんのお土産に、お餅を持って帰りましょう。
これを渡しつつそれっぽいことを吹き込めば、ペガサスさんのあの見事な蹴撃がまた見られるかもしれません。
「お仕事完了ですね」
何気ないエリー・マイヤー(被造物・f29376)の呟きに応じる者が一人。
「いやぁ~上手くいって良かった良かった★」
「ええ。この調子で、着々と帰還の準備を進めていきたいところです」
クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)の言葉に頷いたエリーは思い出す様に遠くを見た。
「先の大戦で、福さん達にはとても助けられましたからね」
そう、斎藤・福らの助力があって今があるのだ。
「お星様になった且胤さんも、きっとそれを望んでいたことでしょう」
たぶんとか付け加えたエリーであるが、当人が聞いたら勝手にお星さまにしないで欲しいでござるよとでも言ったかもしれない。
「それはそれとして、腹ごしらえです。お餅をくれるということなので、ありがたく頂きましょう」
ともあれ尊い犠牲となったグリモア猟兵のことは一度脇に置かれたようで、エリーが今も餅をついている町の住民の所まで赴いて一声二声かければ、どうぞ召し上がれとお餅が供された。
「甘いのは苦手なので、醤油とか七味とかその辺でお願いします」
「おうよ。つきたての餅は美味ぇからな。甘い味付けでなくてもいけるだろうぜ」
「お餅、美味しいですよねぇ」
エリーのリクエストに応じた男性の言に夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)もまた同意して。
「わかってくれるか。ちょうどいい、つきたての餅はまだたぁんとある。そっちの嬢ちゃんたちも食ってってくんな」
「では折角ですから、頂きますぅ」
「そうだね♪ちょっと疲れたしお腹も空いたし……ゆっくりさせてもらおうかな♪」
気をよくした男性はクローネやるこるにもお餅を勧めたわけだがこの時はまだ知らなかった、三人のうちの二人の食べる量が尋常ではないということなど。
「ちょっとよろしいですかぁ?」
幸いだったのは、るこるがただ食べるだけでなかったことか。
「うん? どうしたぃ?」
「何品かお餅の料理を作ってみようと思いましてぇ」
餅へ手をつけないことに訝しんだ男性が尋ねるとるこるはそう明かし。
「なるほどな。料理ってなると結構な数が居るか。流石にそこまで行くとうちの餅だけじゃ足んねぇかもな」
ちょっと近所にも声をかけてくると男性はその場を離れ。
「餅で料理を作ってくれるってのは本当かい?」
「はいこれだけあれば大丈夫でしょうからすぐに作り始めますねぇ」
お餅を持って訪ねてきた近所の住人たちに頷いたるこるは調理に入る。作るのはこの世界と地域の色を合わせた『中華風の餅料理』を二品だ。
「一つは『餅チリ』、エビチリのエビをお餅に置き換えた品ですねぇ。もう一つは『お餅の中華餡かけ』、『餡かけチャーハン』等に使われる餡を作り、お餅にかけた品ですぅ」
説明しつつも手は止めずに調理をしてゆく様子を囲むのは、幾人もの住人たちと三人の誰かが声をかけたのか、斎藤・福に加えて首塚の一族たちもるこるがお餅料理を作る場に居て。
「このようなお餅の食べ方もあるとは」
「世界は広いってことだね♪ え? お代わり? じゃあクローネちゃんはまた砂糖醤油やキナコでいただこうかな♪」
福と会話に興じつつも空になったお皿にお餅の追加を申し出られるとクローネはそう答えて。
(福様や一族の方々、現地の楽浪郡の方々の両方にとって珍しい品になるのではないかと思っていましたが予想通りですねぇ)
手ごたえを感じつつ料理を完成させたるこるは自身もお餅へと手を伸ばす。
「では料理も完成しましたので私もお餅をいただきますねぇ」
「おう、腹いっぱい食べてってくれ」
この軽口を男性が後悔するのにそう時間はかからなかった。もちろんるこるとて迷惑になるほど飲み食いするつもりはない、ただ。
「大いなる豊饒の女神、豊かなる恵みを齎す叡智をお貸しくださいませ」
祈りを捧げたるこるの健啖家っぷりは男性の予想をはるかに凌駕していたのだ。
「は、はぁ?」
「美味しいからどんどん入りそうだよ♪」
「え? あ? うおぉ?!」
次から次へとお餅が消えてゆく様に男性は驚愕し、クローネの食べっぷりを見て再度の驚愕。
「ああ、このもちもちした柔らかい食感がたまらなく……」
そうして男性が派手なリアクションを見せる中、首塚の一族たちの側でお餅を食べていたエリーはちらり視線を横に流し。
「福さんの柔らかそうな体つきを思い起こさせますね」
何の反応もなかったところを見るに、エリーが続けて漏らした声は首塚の一族には聞こえていなかったのだろう。
「丁度いいです。且胤さんのお土産に、お餅を持って帰りましょう」
だからこそ次に口をついて出た言葉だけを聞けば純粋な善意に聞こえ。
(これを渡しつつそれっぽいことを吹き込めば、ペガサスさんのあの見事な蹴撃がまた見られるかもしれません)
エリーの企みに気づく者は誰もいないのだった、よって。
「何それ?! 俺知らないでござるよ? ティーダさん落ち着くでござ、アバ―ッ!」
そうしてグリモア猟兵が宙を舞うシーンが存在したかを知るのは、おそらく当人らとエリーのみだろう。
「お代わりをお持ちしました」
「ありがとうね♪」
「ありがとうございますぅ」
何も知らない他の人々はただただお餅の季節を満喫するのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵