ひらり秋色、美味いっぱいのおもちゃ箱
ひらり、ひらりらと舞い降ってくるのは、紅や橙に黄色、燃ゆるような彩りたち。
まるでそれは、青い空から降ってくる、小さな小さな炎のようでもあって。
さくりと踏みしめる道を敷き詰めているのは一面、秋色の絨毯。
またくるりと巡って――やって来たのはそう、秋の季節。
夏の暑さも随分と和らぎ、寒い冬が訪れる前のこの季節は、まさに行楽の秋で。
そして、広がる秋空を見上げれば。
「今日は絶好の紅葉狩り日和っ!」
クラウン・メリー(愉快なピエロ・f03642)の心も声も弾んじゃう。
だって……どうか晴れますように、なんて。
むむむっと数日前から天気予報と睨めっこしながら、一生懸命願っていた通りに。
「晴れた秋空は爽やかで、お出かけにはぴったりね」
今日の天気は爽やかな秋晴れ、紅葉狩り日和な行楽の秋!
ペペル・トーン(融解クリームソーダ・f26758)も、ソーダ水のような緑色の髪をふわりと揺らす心地良い秋風に、そっと瞳を細めながらも。
クラウンと一緒にわくわく、シュワパチンと。
心が弾けるように躍る感覚を抱くのは、前の年の冬に、こんなお話をしていたから。
秋は一緒にお出かけができていなかったね、秋の思い出はまだ作ってないね、作りたいね――って。
だから、紅葉が綺麗になった季節、秋がまたやってきたから。
「今日、クラウンちゃんとお出かけできるの、とても楽しみにしていたの」
「俺もこの日をとっても楽しみにしてたんだっ」
念願の秋のお出かけに、ふたりは顔を見合わせて笑み合う。
ふわりと舞い降る紅葉のように、嬉しさでいっぱいに染めた彩りを宿して。
だからクラウンは、逸るようにうきうき、ペペルへと改めてお誘いの声を。
「ちらっとだけれど、葉が真っ赤に染まっていた気がするから、見に行こう!」
……ペペルの瞳のようにさくらんぼのように、なんて。
そしてペペルもくるり、彼の言うさくらんぼ色と、メロンソーダの色を巡らせてから。
「紅葉はもう赤く染まっているの? それなら貴方と同じ色の黄色い葉もあるかしら」
色づいた赤と仲良く戯れるように降る、黄色い葉も見つければ。
ゆらり、ひいらりと揺らすのは、秋の景色を染めている色と同じ、赤い浴衣の袖。
だって、折角の秋のお出かけなのだからと。
今日のペペルの装いは、今年新調したばかりの薔薇が咲いた浴衣。帯や髪を飾るのも、ひらりと小さく靡くリボンと咲く薔薇の花。
そしてクラウンも、以前仕立てた、白地に黒の菱形と縦縞がモダンの浴衣を着て。黄色の尾鰭のような帯をひらひら、ペペルとお揃いの和装に。
それから、かさかさ、かさりと小気味よく、降り積もった赤の絨毯を下駄で踏み鳴らし並んで歩きながらも。
「紅葉狩りって、紅葉を眺めることなのよね」
ふとこてり、そう首を傾けるペペル。
「この前私の小さなお友達とおでかけした時は、知らずに沢山拾って遊んでいたから」
……眺めるだけなんてなんだか不思議、って。
ただじいと見るだけだなんてどうなんだろう、って最初は思ったのだけれど。
でも、沢山の色に染まった葉が舞うのを思い浮かべてみれば、ペペルの心にぷかり。
泡のようにぷかぽか沢山浮かんできたから……楽しみって、そう思う気持ちがいっぱいに。
というわけで、うきうきな足取りでごーごー!
早速張り切って、いざ紅葉狩り――の、その前に。
クラウンはやる気満々、翼をぱたりと揺らしながらもこう口にする。
「折角だから、いっしょにお弁当作りたいね!」
そう――紅葉狩りに欠かせない楽しみのひとつ、お弁当を忘れるわけにはいきません!
そしてその声を聞けば、ペペルは瞳を瞬かせた後。
……ああでも、なんて気づくのだった。
小さなお友達と紅葉狩りをした時とは違うのだということに。
クラウンの、お弁当という言葉で。
だって――お友達とお出かけで、一緒にお弁当を囲む、だなんて。
「私の可愛いお友達とはできなくて、ほんの少し残念に思っていたことができるなんて」
そう思えば刹那また、嬉しさがパチンと弾けて。
あたたかな心地のままに頷くペペルの声に、クラウンも瞳をぱちり。
「わ、わっ。そっか! それじゃあ、その願い叶えちゃおう!」
話していた秋のお出かけも、お友達と一緒に囲むお弁当も。
いっぱい色々、今日は全部叶えちゃいます!
というわけで、紅葉狩りに出かけるその前に。
まずはしっかりと準備も抜かりなく……借りているUDCアースのお家で、レッツクッキング!
シンプルなエプロンもふわりと、ちゃんと着用して。
クラウンが満を持して――じゃじゃん! と。
棚から取り出したのは、大きなカゴ。
ペペルも愛らしいフリルが飾るエプロンをひらりと着けてから、彼が用意したそれをそっと覗いてみれば。
「このカゴにいっぱい詰めよっ!」
「うふふ、いっぱいに詰めたら、とっても沢山になりそうね」
沢山詰められそうで、わくわく彼と一緒に笑み零して。
クラウンはふと、こう訊いてみる。
「ペペルはお弁当は作ったことあるかな?」
「いいえ、私、お弁当を知ってはいるけれど、作るのは初めてよ」
そう、ペペルは実はこれが、初めてのお弁当作り。
でもお弁当がどういうものなのかはちゃんと知っているし。
「確かよく食べるものや好きなものを詰めるのよね」
それに……クラウンちゃんはお弁当をご存じみたいね? って、彼を見つめれば。
こくこくと頷いて、クラウンもこう返す。
「うんうん、いろんな食べ物がね、ぎゅっと詰まってて。カラフルでわくわくどきどきで。まるで、おもちゃ箱みたいに楽しいんだ!」
そして、そんな瞳をキラキラ教えてくれた彼の言葉に、ペペルは楽し気に笑んで。
「うふふ、今日は宝箱ではなくておもちゃ箱ね」
「何度か作ったことがあるから、頼ってくれたら嬉しいな!」
……ふふー、俺達も素敵なおもちゃ箱を作っちゃおう!
そう紡げば、いそいそとお弁当作りの準備にとりかかるクラウン。
ペペルはそんな彼の姿を見れば、そのたびに思うのだ。
いつも楽しそうに沢山お話してくれる彼の言葉は、ワクワクと楽しいで、いっぱいに満ちていて。
「たくさんの美味しいおもちゃを詰めて作っていきましょ」
つい誘われるように、楽しい心地が溢れてくるのだ。
だから、さぁ美味しいおもちゃ箱を作ろう! って。
でも……そうは、言ったものの。
ペペルは再び、こてんと首を傾ける。
「お弁当作りは普通のお料理とは違うよね。それに、私はお飲み物の方が作ることが多いから」
……少し悩んでしまうけれど、と。
お弁当がどんなものか知っていることと、その作り方を知っていることはまた、別の話だから。
けれど、心配無用です!
だって、クラウンがじゃーんと掲げたのは、そんな悩みも一気に解決する助っ人!
「えへへ、お料理の練習したくて買ってたんだ!」
そう――『簡単レシピ集』の本です!
それをわくわく、早速開いてみながらも。
「どんなのがあるかいっしょに見よう!」
ぺらりとめくっては、二人で顔を覗かせて……どれ作る? なんて。
クラウンはペペルと顔を見合わせつつもいざ、作戦会議です!
そんな彼が用意してくれた本に、ペペルは目をパチリと瞬かせるも。
「私もね、ちゃんとしたものも練習したいと思っていたのよ」
覗いて映る色とりどりのお弁当を目にしつつ、一緒に楽しく相談タイム。
そして、あれもこれも美味しそうって、そうは思うのだけれど。
その中でも、ペペルがそわりと気になって、特に心でパチンと弾けたのは。
「ね、これがいいわ。クラウンちゃんは作れるかしら?」
動物の顔や生き物に模した、可愛らしいもの。
そしてそう、彼を窺ってみたのだけれど……刹那目の前で、まるで魔法みたいに。
真っ赤に弾けた可愛い動物に絵を浮かべ、任せて! と、そう力強く笑んだ彼の手にかかれば、ウィンナーが大変身!
さくりと包丁で足を作っていって、じゅうっと火にかけて炒めれば――。
「たこさんウィンナーの完成!」
そしてそんな慣れた手つきでさっくりとたこさんを出来上がらせたクラウンに、ペペルは思わず両手をパチリと合わせてから。
「ね、ね。ペペル!飾り付け手伝ってくれるかな?」
彼にそう頼まれたなら、こくりと頷いて。
「ええ、もちろん」
「黒ごまを使っておめめも付けちゃお!」
今度はふたりの共同作業で、たこさん作り!
クラウンが作ったたこさんに、ペペルがチョンと黒ごまのおめめを乗せていって。
美味しそうに仲良く並ぶたこさんたちを見れば、嬉しくなりつつも。
お弁当は、いろんな食べ物がぎゅぎゅっと詰まった美味しいおもちゃ箱なのだから。
「私はじゃあ作ったことがあるものを」
ペペルもお弁当に詰めるため、作ったことがあるものを、もう一品。
パンにあけていくのは、心躍るキュートなお花や星の形。
そして甘いマーマレードやチョコをたっぷりと塗って挟み込めば、作ったお花や星の穴から覗くのは、ジャムの色。
ペペルが作って並べていくのはそう、甘やかで鮮やかなお花や星のサンドイッチ!
そんなジャムをたっぷり挟んだ可愛い形のサンドイッチを作っている彼女の姿を見れば、クラウンは思わずほっぺたを押さえちゃって。
「とっても美味しそう!」
「簡単なものなのだけれど」
ペペルはにっこりと浮かぶその笑顔に、柔らかく眉を下げて微笑んで返してから。
ふと目にするのは、星や花の形になった余ったパン。
そんなパンたちが余ってしまうことを零しつつ、小さく首を傾けるのだけれど。
「たとえ工程は簡単でも、心を込めて余すことなく作ることは簡単じゃないから」
そう笑みを浮かべて……俺も! と。
「しょっぱいのも作っちゃう!」
クラウンが挟んでみせるのは、ハムとチーズ。
そして、甘く彩られたジャムパンと一緒にハムやチーズのサンドイッチが並べられれば、みるみる美味しそうがいっぱいに満ちていって。
たこさんウインナーに、お花や星のサンドイッチが出来上がれば。
クラウンは、あとはあとは、これ! と言いながら、しゃきんっ。
たまごを用意してから、手にするのはフライパン。
それから、しゃかしゃか割ったたまごを混ぜた後、小首をかしげてフライパンへと目を向ける彼女をちらり。
そして、ペペルにびっくりしてほしくて――慣れた手つきで、たまごを流し込んだフライパンをとんとん。
その様子を見つめていたペペルは、思わず目をまぁるくさせてしまう。
とんとんくるりと、黄色い色がくるくると巻かれていって。
「ふふふー、たまごやきっ!」
たまごをくるくるり――クラウンが作ったのは、たまごやき!
ペペルの反応をみれば、びっくりも大成功で。
ぱちりと瞬かせた瞳で、改めてペペルは彩りの中に咲いた黄色を見つめて。
思わず楽し気に囁く……貴方の色ね、なんて。
そんな、美味しそうをいっぱい完成させていく中で、クラウンは欠かせないものにまたひとつ気付く。
「そうだ! 飲み物も作って持って行く?」
美味しい食べ物と一緒にいただく、美味しい飲み物も必須ですから!
だから、お弁当のお供の飲み物は何にしようかと。
「ペペルの好きな飲み物はなにかな?」
そう彼女にも訊いてみれば。
「お飲み物なら……今日は紅葉を見に行くのだから、同じくらい赤い色の紅茶がいいかしら」
料理よりも飲み物を用意することが多いペペルが今度は、紅茶を淹れて。
冷めないようにと水筒にいれられていく、紅茶のその彩りと漂う良い香りに、クラウンはさらにわくわく。
「わあ、綺麗な紅茶! ふふー、飲むときが楽しみだな!」
「甘いはちみつも後から入れられるように小瓶に詰めておきましょうか」
「はちみつたっぷり入れちゃお!」
まるで秋の落ち葉たちとお揃いのような、とろーり甘い琥珀色を赤に加えれば、きっと満ちるのはあったかくて甘い幸せ。
そう考えるだけでも、味わうのが楽しみだし。
お弁当作りも、そろそろ大詰め!
残った小さな隙間を埋めていくように最後に添えるのは、瑞々しい秋の旬。
葡萄やオレンジなどの秋の色どりを入れていって、ギュッと仲良く詰まったその姿を見れば、可愛らしいって、ペペルはふわりとそう思って笑んじゃうし。
リンゴだってうさぎにしてみれば、ちょこんと並ぶその姿に微笑んでしまうし。
それに、何よりも。
「――出来たっ! えへへ、やったやった! 俺達だけのお弁当が完成したね!」
そうはしゃぐ彼と一緒に作れたことが、とっても嬉しくて。
「ええ、クラウンちゃんのおかげね」
「ペペルのお陰!」
同じ伝えたいことを、お揃いで同時に口にすればまた、ふたり顔を見合わせて。
くすくすと、楽しげに笑っちゃう。
そして完成した、自分達だけの美味しそうなおもちゃ箱をペペルは見つめて。
「この場で食べてしまってもきっと楽しそうだけれど、お出かけ先は決まっているもの」
……紅葉を見に出かけた先で食べるのはきっともっとステキだと思うわ、って。
お友達とのお出かけで、一緒に囲むお弁当に、パチンと心弾ませながらも。
「よーし、お弁当を持って紅葉を見に行こう!」
「ええ、準備ができたら、行きましょう」
お弁当に飲み物、他にもお出かけを楽しむためのあれそれも、ばっちりと抜かりなく。
一緒に準備をする今からもう、こんなにもわくわくな気持ちで。
いざ、念願の秋のお出かけ――紅葉狩りに、出発です!
ふたりで作ったお弁当や荷物も、仲良く半分こして。
重たい方をさり気なく請け負いながらも、クラウンはふと顔を上げて、きょろり。
赤色や黄色が彩る場所に移動したその時――秋風に乗って、ふわりと。
鼻をすんすん、漂ってきた甘い香りを辿って瞳を向ければ。
「あ、金木犀だっ!」
咲き誇るのを見つけたのは、小さな星のような金木犀の花。
ペペルも暖かな色に染まる木々を見上げて目で、そしてさくさくと乾いた葉の重なる音を耳で、楽しみながらも。
彼と一緒に歩いていれば、風が運んできた花の香に気づいて。
逸るように歩いて辿る。もっと近くで、見たくて。
「香水でなら知っていたけれど、本物の花は知らないもの」
教えてもらった秋の花、甘やかに香る金木犀を。
それから青空に映える彩りを、向けた瞳にも咲かせながら。
「良い香りだね!」
「確か、クラウンちゃんの花と同じ黄色い色で、小さく集まった花だったかしら」
すんすんと甘い香を堪能するクラウンをペペルは見つめる。
星のような金木犀とお揃いの色を咲かせる、隣の彼の姿を。
けれど、秋を感じる甘やかな香りの花を愛でるのも、良いのだけれど。
辿り着いたそこは、金木犀に紅葉の赤や黄色がいっぱいに重なっている場所。
そして、ばさりとレジャーシートを敷いた後。
「でもでも、俺達のお弁当も負けてないよっ」
クラウンがぱかりとカゴを開けば――鼻をくすぐるのは、まさにその言葉通り。
思わずおなかが鳴ってしまいそうになる、食欲をそそる美味しそうな匂い。
ペペルも甘い花の香りに微笑んで頷きつつも、ちょうどお腹もすいた頃だからと思っていたところだから。
「ふふ、そうね。だって二人で頑張って作ったもの」
そうシートの上に開かれた、ふたりお手製のお弁当を、食べる前から目一杯堪能する。
美味しい香りが花の香りに重なって、クラウンが言っていた通り、おもちゃ箱から楽しみが溢れるようで。
そしてクラウンも、にこにこ笑みを浮かべる。
紅葉にも負けないくらい色鮮やかに煌めく、カゴの中身に。
けれどやはり、一番の楽しみはこれ!
「いただきまーす!」
ふたりで作った美味しいお弁当を、おなかいっぱい味わうこと!
ということで、クラウンはうきうきと手を伸ばして。
手にしたお星さまのサンドイッチを、ぱくりっ。
瞬間、 たっぷり塗られたジャムの甘さと美味しさが、口いっぱいに広がって。
「んん〜、美味しい!」
ほわほわと幸せいっぱいになる。
だって、ジャムサンドはジャムサンドでも、普通の美味しいジャムサンドというだけではなくて。
「気持ちがぎゅっとこもってるから美味しさ増し増しだね!」
ジャムだけでなく気持ちもたっぷりと入っている、とびきりのお手製サンドイッチなのだから。
いや、でもそれは何も、サンドイッチだけではなくて。
「それじゃあ私は、卵焼きをもらおうかしら」
ペペルも、綺麗に巻かれたたまごやきを、はむりっ。
そして、こくりと頷いて紡ぐ。
「ええ、クラウンちゃんのおいしく作る気持ちもぎゅっと入っている気がするわ」
だって、口にしたたまごやきには確かに、ギュッと優しい味が詰まっていて。
「えへへ、たまごやき喜んでもらえて良かった!」
クラウンとお揃いの色をしたたまごやきは、目の前にある彼の笑顔のように、ほわりと甘やかで。
ペペルも嬉しくて、思わず笑み零す。
だって、とっても美味しいのもあるけれど……一緒に作った時のことを、思い出して。
それから、美味しくて伸びる手もふたり、止まらなくて。
全部ぺろりといただいて、お腹も気持ちもいっぱいに満たされれば。
あたたかな紅茶で、ほぅとひと息。
じわりと身体の芯からぽかぽか、美味しく温まりながらも。
「綺麗だね、あの葉はなんだろう?」
そう赤く染まる木を見上げ、眺めて。
きらきら瞳を輝かせるクラウンをふと見れば、ペペルは思わず笑み宿す。
はらりと幾枚かの紅葉が舞って、ひらひらと。
空になったカゴの上だったり、それに彼の頭にも、秋色が降り積もっているのを見て。
そして、色づいた大きな葉っぱを見つけてお面にしてみたり、かき集めた葉っぱの中からそれぞれ気に入った色やかたちのものを見せ合ったり、そっと空に解き放っては降らせてみたりだとか、秋の色を堪能するようにいっぱい遊んでから。
ほんのり涼しい風が運ぶいろが、互いの頭の上にふんわりと乗っては飾る中――どちらともなく溢れる。
見上げた空を沢山の色が重なるように染めていくのをみると、ふわふわひらり……仲良くふたりまた一緒に、紡ぎ合う言の葉が。
「また一緒に行けるといいわね」
「また来れたら良いね――ううん、また来ようっ」
溢れる今の想いを、伝えたくて。
けれど、またお揃いの気持ちだってわかれば、瞳をぱちぱちと互いに瞬かせた後。
ぱちりと目が合ったなら、クスクスと小さく笑い合って。
ペペルは改めて、こう約束を重ねる……また今度、と。
そしてクラウンも、にぱっと嬉しそうに笑顔を見せて……約束! と。
くるりくるりと巡る季節を再びこうやって、一緒に笑い合いたいから。
交わし合うのは、美味しくて嬉しいふたりのお出かけを、また目一杯楽しもうねと――そんな楽しみが心に色づく、約束げんまん。
成功
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