●楽浪郡のとある町、時刻は夜
「福様! |僵屍《キョンシー》の大群が現れました!」
「む……解りました。急ぎ集合した後にここから離脱します」
「しかし……もう囲まれているんです!」
「ならば囲みを破って突破を──」
ズボ! ベリ!
斎藤・福が、火急の危機を報せにきた首塚の一族の者に言い終わらぬうちに、漆喰の壁が紙のように破れて手が突き出る。
すぐさま壁は用を成さなくなり、僵屍が福達の滞在している部屋に入り込んでくる……僵屍は、多数いたが皆、若い女の姿をしていた。
僵屍達は露出の多い身体をしなやかに動かし、福を囲みこむ。
そして口々に、犠牲者の恐怖心を煽る言葉を投げかけていく……。
「か……可愛い……!」
「甘やかされたい……❤️」
「私達のお姉様になってください!」
そんなことはなかった。趣味全開なだけだ。
「なっ何を言っているのです! 戯れ言にも程がある! 空気を読みなさい空気を!」
「ごめんなさい……」
さすが将軍の教育係なだけあって、斎藤・福の言葉には僵屍達に態度を改めさせるだけの迫力があった。
「では、あらためて……」
「……」
「……」
「……」
「何も思い付かないんですか?!」
台詞を考えるのは難しい。
「あの~すみません適当に応じてもらっていいですか?」
「仕方がありませんね……。
こちらとて幾多の戦いを潜り抜けている。この斎藤・福が命、安くはないと思え!」
「「「「キャーッ!」」」」
(仕方がなく)凛々しく言い放ち、福は応戦する構えを見せる。僵屍達はなぜか歓声をあげたが、ちゃんと襲いかかるのであった。
かくして斎藤・福と首塚の一族達の、試練の時が始まる──。
●物語と言うにはふざけすぎた
「ノリが軽いけど冷静に考えると危機という事態だ」
アノルルイ・ブラエニオンは言った。
「先の帝都櫻大戦から……まだ帰れていないのだ、斎藤・福は。彼女と首塚の一族は、サムライエンパイアへ帰還すべく、その手段を探して楽浪郡へと来ていたが、滞在中に僵屍の群れに襲われてしまった。
まずは彼女を速やかに危機から救うのだ。
次に、彼女がサムライエンパイアに帰るための方法にも関わってくるのだが……。
その方法とは、「『流れ者の宝庫』楽浪郡に現れる『渾沌化オブリビオン』を首塚の一族がユーベルコードの『鎖』で捕らえること」だ。
楽浪郡に現れるオブリビオンの中には、楽浪郡の瘴気を浴びて「渾沌化」した者が時折おり、これを捕縛することができれば、首塚の一族はユーベルコードの鎖をサムライエンパイアに繋ぎ、それを通じて帰還することができる可能性がある。
なので、渾沌化オブリビオンは殺してはいけない! 弱らせてゲットするのだ!
それが済んでもすぐに帰れるわけではないので、楽浪郡にある「サムライエンパイアからの転移者やその子孫が集まるエンパイア風の町」で、福や首塚の一族と共に戦いの疲れを癒すといい。
なお、敵はキョンシーだが、生命の埒外である猟兵は噛まれたぐらいではキョンシーになることはない。だが、死んだらその限りではないし、斎藤・福や首塚の一族にも同じことが言える。
以上だ! 君も渾沌、ゲットだぜ!」
ノリが軽かった。
デイヴィッド
ハーイ! デイヴデース!
何も考えなくてよさげなノリの軽いシナリオにしたいと思っています。
内容についてはグリモア猟兵が述べている通りです。
なおこのシナリオに出てくる敵の性格は、このシナリオ独自のもので公式設定ではありません……。
よろしくお願いします!
第1章 集団戦
『隻眼女僵屍』
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POW : 幻獣拳術『檮杌爪』
【拳や爪】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : 幻獣拳術『鳳凰翔』
レベル×5km/hで飛翔しながら、【両足】で「🔵取得数+2回」攻撃する。
WIZ : 幻獣拳術『禍躯鱗』
自身の【衣類】を捨て【麒麟憑依状態】に変身する。防御力10倍と欠損部位再生力を得るが、太陽光でダメージを受ける。
イラスト:すねいる
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🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
その夜、町は混乱に陥った。
「うぉぉぉーーーイケメンを取っ捕まえてにゃんにゃんするのよ!」
「私は可憐な少女にお姉さまと呼ばれたい!」
「わたくしはナイスミドルにご奉仕いたしたく存じます!」
女僵屍どもは欲望全開で人を襲っていた。人々は逃げ惑い、安全な場所に閉じ籠る……。
「お姉様! 裸で失礼します!」
「なぜ脱ぐ?!」
そして斎藤・福の身にも、服を脱ぎ捨てた僵屍が襲いかかろうとしていた。
……この事態を収集できるのは、もはや猟兵しかいない。
鞍馬・景正
……失礼、助太刀に入っても良かったでしょうか。
場違いではないかと汗顔の至りですが、お福様に不埒な真似など言語道断。
悉く斬り捨てます。
◆
お福様、並びに首塚の一族の方々の警護優先。
宿の一室に急行しつつ、邪魔する僵屍たちは早業の斬撃波で一掃して参りましょう。
到着したなら、素早く斬り込みつつ間に割り込んで盾に。
麗しき女人ではなく申し訳ありませんが、相手となりましょう。
敵の飛び込む瞬間に合わせて、【止水】の打ちで一閃。
斬撃波も放って後方の敵も薙ぎつつ、時間差で懸る者には脇差の逆手抜刀で二回攻撃。
先代将軍の小姓であった時には、お福様を背に戦うなど夢にも思いませんでしたが……世の中分からぬものですね。
斎藤・福に飛びかかった女僵屍……だが突如として横から両者の間に割り込んできた何かよる横薙ぎの一撃を受け、僵屍は吹っ飛んで床に転がった。
わずかに遅れて、納刀の音が響く。
「貴方は……鞍馬殿!」
福には、それが誰なのかすぐに解った。その後ろ姿と、竜胆色の陣羽織、そしてこの状況に馳せ参じる心意気が、彼が誰なのかを特定させるに至った。
「お福様、お怪我は」
そのサムライエンパイアの装いの武者……鞍馬・景正は、背中に向けて声をかけた。
「いえ、ございませぬ」
「只今お助け致します」
景正は、福を背にして包囲する僵屍達に向かい、太刀の束に手をかける。
「麗しき女人ではなく申し訳ありませんが、相手となりましょう」
武人として、あまりにも上品な前口上。
彼の性格を物語っていた。
「ふふ……あなたのようなカッコいい男の人もスキよ。そんなに颯爽と現れたりしたら……|心臓《ハート》が踊っちゃうわ」
そんな言葉とともに(心臓は止まっている)女僵屍の一人が前に出て、それに合わせて何人かが仕掛けようとする。
僵屍達は、背筋を伸ばして両手をまっすぐに前に突きだす構えをとる。伝統的なキョンシー・スタイルだ。
「僵屍の仲間になりましょう!」
その姿勢から信じられない程の瞬発力で跳躍した。
「幻獣拳術『檮杌爪』!!!」
驚異的なスピードで景正に爪が迫る。さらに何体かが、同時に跳んでいた。
瞬間。
景正の大太刀・鞍切正宗が鞘から解き放たれ、銀色に光る弧を描いた。
周囲の女僵屍達は、その凄まじい威力で五体を四散させられ、周辺一帯にばら蒔かれる。
動静の理、死生の地、有余不足の処──ただ水形にて打つ。
景正必殺の『止水』だ。
続けざまに、それより遅れて掛かってくる僵屍に対し脇差・鬼包丁を抜き放つと、その肉厚の刃が空を切る音と共に斬撃波を見舞う。
それによって、僵屍の攻撃の第一波を防ぎきった。
「離脱します!」
「ええ!」
その攻撃で囲みが解け、景正は福とその場にいた首塚の一族を先導して、その場から駆け出した。他の者が、それに続いていく。
成功
🔵🔵🔴
アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。
水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか
太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ
正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像で目眩まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな
それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ
その夜、逗留していた宿で僵屍達に襲われた首塚の一族の者達は、応戦していたものの、窮地に立たされていた。
女僵屍の集団が、まさにその爪で肉を裂こうとする、まさにその時。
無数の刃が降り注ぐとともに、発された熱線が僵屍の脚を撃ち抜き、攻撃の手を止めさせた。
同時に首塚の一族の者達の前後に現れる影、ふたつ。
「水心子真峰、推参。義によって助太刀致す」
緑髪に青い瞳の、少女の姿をした剣士が凛々しく名乗りを上げた。
「同じく推参だ。この場は引き受ける」
反対側では長い銀色の髪をなびかせた青い瞳の男、アス・ブリューゲルトが言った。
女僵屍達は、突如として現れたふたりに好奇の視線を向ける。
「へえ、綺麗な娘……あたしの妹にならない?」
真峰を前にした女僵屍はそんな事を言った。
「悪いが姉妹は間に合っていてな」
真峰は平然と言葉を返す。
「へえ、あたしとどっちが綺麗?」
「うーーーむ……妹だろうか」
「それは残念。けど、死んだら僵屍の仲間入りよ!」
そして、アスの方はこんな事を言われていた。
「わぁお……超イケメン。キスしたい」
明らかに好色な視線。されどアスの心は微塵も動くことはない。
何も言わずに冷たい視線を向けるだけだ。
「クールな表情……ずっと眺めてられるけど、それじゃ足りない。だって僵屍なら生を奪ってこそ!」
「幻獣拳術『鳳凰翔』!!!」
「幻獣拳術『檮杌爪』!!!」
ほぼ同時に、僵屍達が襲いかかる。
真峰には、高速で飛翔しての蹴りが。
アスには、超跳躍力で跳びかかっての両手が。
真峰はこれに対し無数の太刀を空中に召喚し、迎撃する。名は水心子真峰、ヤドリガミである自身の複製体である。部屋の照明に照らされ無数の刃がきらめく。
次々と蹴りかかってくる僵屍達を刃でいなし、別の刃で斬り刻む。さながら全自動化された解体マシーンのように僵屍は細切れの部品となった。
「君達には……綺麗さよりも気をつけるところがあるのではないか?」
真峰は、破片に成り果てた僵屍達に手向けの言葉を送った。
一方アスは、サイバーアイで僵屍の動きを的確に把握し、繰り出された両腕と、あとなぜか唇を避けていた。
「何処を狙っている」
「え……唇❤️」
何処にキスするのか聞いたわけではないアスは、武器を持たない左手を僵屍に向けた。
不可視のエナジーが働き、瞬時に僵屍は壁に叩きつけられる。サイコキネシスの力が、その僵屍を続いて襲いかかる他の僵屍達に向けて飛ばす。僵屍達はもんどりうって絡まったり、どこをどうなったのか僵屍同士でキスしたりという惨状になる。
そんな光景を楽しむでも引くでもなく、アスは的確にブラスターで僵屍の手や脚を撃ち抜き、戦闘能力を削いだ。
「こんなものか。ここから離脱するぞ」
アスは首塚の一族の者達に促す。真峰はその時には進行方向を確認していた。
「外は外で混沌としているようだが……」
「どちらにせよ、合流しないわけにはいくまい」
二人は首塚の一族の者達を先導して、外へと出ていく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
風雷堂・顕吉(サポート)
アドリブ連携可
約100年前、ダークセイヴァーの人類敗北以来、ヴァンパイアとの死闘を細々と繰り広げてきたダンピール、それが俺だ。
ヴァンパイアを狩るため、あるいは次に狩るべきヴァンパイアの手掛かりを得るためにここにいる。
【世界知識】ダークセイヴァー世界の大抵のヴァンパイア相手ならそれがどのような血族かは知っているし、知らなくとも【情報収集】の伝手はある。
それ以外の世界については物珍しそうに振る舞うことになる。すぐに慣れるだろう。
ダークセイヴァーとスペースシップワールド以外の世界は日差しが強すぎるので、サングラスを着用する。
戦闘は剣士の動きだ。
次に参加する猟兵が戦いやすい状況を作ることも多い。
弓落・高寿(サポート)
・範囲攻撃・火力で押し潰す戦法を得意とする
他者の支援も可能
その辺は判断を願う
・神器遣い故、自身の身体を代償・犠牲とする行為に躊躇いはない
命を削ることもあるが…まあなんだ。気にせず削っとけ
残り寿命が不明なのだから
斎藤・福と首塚の一族の者達は、猟兵に助けられ逗留していた宿から脱出した。襲撃した女僵屍達は、群れをなしてその後を追いかけてくる。
「お姉様~❤️」
「イケメンまてー!」
「可愛い女の子おいてけー!」
女僵屍達は欲望そのままに叫び声をあげ、背筋を伸ばして両手を前に伸ばした姿勢で跳ねて追っていく。
その道を遮るものが二人、あった。
右に風雷堂・顕吉。
左に弓落・高寿。
それぞれ、得物を手に僵屍達の追撃を阻まんとしていた。
「ああっ、こちら赤い瞳と顔色が素敵な美形様! 黒で統一された服装もカッコいい!」
「もう一人は独特なファッションセンスの可愛い女の子ね! アンバランスな組み合わせが一周回ってお洒落だわ!」
人への興味が異様に強いというか、惚れっぽい僵屍達は二人の猟兵を見て、足を止めつつも好奇の眼差しを向ける。
「…………でも一人は冷めた目をしてるし、もう一人は、何だか怒ってる……?」
風雷堂・顕吉はヴァンパイア狩人だ。それ以外のものを狩ることはあるが、本命ではない。キョンシーも夜に活動し、人に噛みついてキョンシーに変えるという点ではヴァンパイアに似てはいるが、ヴァンパイアはヴァンパイアのキャラというものがあるし、キョンシーにもキョンシーのキャラというものがあって、それぞれキャラ立ちしているのだから、まったくの別物だ。
顕吉にとってはたまたま手が空いていたとか、そういう理由で引き受けて来たにすぎないので、その上敵がこんなことを言う奴らだったと知った今、正直なところモチベーションの維持が難しくなっていた。
そして、高寿の方は。
「うるせぇ妖に誉められてもう・れ・し・く・ねぇ!!!」
思春期だった。
さらに言えば、敵、しかも女から好意的な目を向けられるということが、彼女の理不尽な人生の理不尽さに、拍車をかけていた。
「なんだ世界てめぇは理不尽の塊か!」
世界を相手に文句を言う。
思春期だった。
「……いいからさっさと掛かって来い。それがお前達のためでもある」
顕吉が僵屍どもに向けて言った。それは、苦しまずに送ってやれる、程度の意味だったが。
「同感! 二人とも僵屍仲間にご招待!」
僵屍達は、都合良く解釈して両腕を伸ばし、二人に襲いかかる。
「幻獣拳術『檮杌爪』!!!」
足首のみでの跳躍だが、凄まじい速度と勢いで、二人へと迫る。
呪われた爪が、犠牲者を求めていた。
「……なぁ。『蹴鞠』しようぜ」
高寿が、敵が攻撃を仕掛けるのと同時に言った。次の瞬間、雅なる彼女の右足が、迫ってきた僵屍の顎を蹴り上げていた。
顕吉も意図を察し、自分に向かって飛んできた僵屍を蹴り返す。
後白河法皇と今川氏真が揃っていても、こうはいくまい。
というかこんな蹴鞠はない。
そして高寿が高く上げたパスに合わせ顕吉は愛刀・|小竜公《ドラクリヤ》を構えた。
最小限の動きで、神速の突きが繰り出される。
僵屍の身を貫き、返し刀で首を跳ねた。
|雅なる誘い《蹴鞠》から天地無双剣へと繋がる、鮮やかな連携だった。
これほどの連携を取れる二人が、僵屍達に遅れを取る、などということはない。
繰り返される『蹴鞠』と剣技……それらは次々と襲いくる僵屍どもを倒していき、一人として先に進ませない。
「……これで役割は果たしただろう」
顕吉は感情を込めずに言った。
高寿はと言えば、思う存分八つ当たりして少し気分が晴れていたが、そもそも苛立つ原因を作ったこの状況について考えると、また腹が立ってくるのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
|斎藤ちゃん《モテる女》は大変だねぇ~♪
これはクローネちゃんも負けてられないかな★
【脱衣/存在感】で僵屍達を【おびき寄せ】てから、【誘惑/欲望開放/精神攻撃/精神汚染】技能を使った魅了魔法を【範囲攻撃】で放ち、|一網打尽《クローネちゃんの妹》にするね♪
カワイイ子達を|大量ゲット《お持ち帰り》しちゃうよ♪
UCは『クローネちゃんの淫魔転身★』
淫魔形態に変身して、催眠・魅了等の精神干渉能力を強化するよ★
敵の攻撃は【第六感/野生の勘/心眼/見切り/身かわし】で避けるね♪
狂乱を極める町の中、女僵屍達は獲物を探して町の至る所をうろついていた。
「ん……可愛い娘発見!」
僵屍の一人の目に留まったのは、黒真珠のような肌を表面積の少ない衣装に身を包み、ピンク色のコウモリの翼を生やした、大きな赤い瞳の女の子。
クローネ・マックローネが、町の篝火に照らされて居た。
「これは是非虜にしなければ。へぇい彼女、ひとりぃ?」
別に一人でなくとも構わないにも関わらず、近づいて声をかける。
クローネはうなづいて微笑みを見せ、
「クローネちゃんと遊んでくれるの?」
むしろ自分から誘っていくスタイルだ。
「あなたもですか~考えることは同じですねえへっへっへ」
「こんなカワイイ娘を独り占めなんて、そうはさせないぞう!」
見れば他にも僵屍達は群がってきている。
クローネはこの混沌とした状況の中、確かに存在感を放っていた。
「早いもの勝ちよ!」
そんな中僵屍の一人が跳びかかる。
「んっ……❤️」
流れるような動作で顔を近づけ、唇を重ねた。
僵屍のその唇は見た目通り、瑞々しく柔らか。
死臭などもない。
だが、凍てつくほどに冷たい。
血が通っていない上に寒い冬空の下にいたのだから当然だった。
だが、今のクローネは零度のものに触るぐらいどうってことはない。
今や彼女はユーベルコードによって淫魔と化している。淫魔であるからにはダークネスなのだから、サイキック以外では被害は受けない。
クローネは好きなだけ愛でられる。
「ずるい! 私も!」
「遅れてられないね!」
次々と女僵屍がその形のよい胸を、すらりとした脚を、クローネに密着させていく。
氷のような体温だが滑らかでやわらかい肌触りだ。クローネは肉の感触に包まれる。
僵屍達が人を見境無く好きになるのは、僵屍に変えて仲間を増やすためという前提があるのだが、クローネと睦み合っている彼女達は、そんなことなどすっかり忘れ愛欲に耽ける。
みんな淫魔となったクローネに魅了されて、その可愛さと肉体に夢中になっているのだ。
まさに無差別籠絡。
「みんなクローネちゃんの妹だよ★ 平等に可愛がってあげるね★」
「「「あぁん、お姉様~❤️」」」
瞬く間に三人と姉妹の契りを結んだクローネ。
その後も次々と『妹』を増やし続け、一大ハーレムを築き上げる程の人数を集めるに至る──。
成功
🔵🔵🔴
柳・依月(サポート)
俺は柳依月、UDCアースの大学生だ。……だが、実は人間じゃない。妖怪だ。それでも俺は人間が好きで人間と共にある。彼らの日常を守る為、てのが俺の戦う理由になるのかな。
戦闘時は基本仕込み番傘での近接戦だが、中長距離や支援に回る時などは呪髪糸や禍魂による呪いなんかも使用する。
非戦闘なら情報収集が得意だ。主にネットだが、聞き込みとかもする。【化術】も得意だからな。
以下PL
ギャグ系の状況でもノリはいい方です。
UCは指定した物をどれでも使用し(詠唱ご自由に)、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
「こっちだ!」
僵屍達に追われ、どこか立て籠る場所を探して町を駆ける斎藤・福と首塚の一族の者達に、柳・依月が呼び掛ける。
塀で囲まれた大きめの建物……衛兵の詰所のようだ。依月はその入り口に立っていた。
福達は猟兵の援軍と判断し、依月に従う。
「逃がさない~~!」
「一緒に僵屍やろうよ!」
女僵屍の群れが、好意全開で福達を追いかけてくる。
僵屍達は仲間を増やしたくて仕方ない!
見ようによっては青春ドラマみたいに駆けてくる(ただしキョンシーの跳ね方で)僵屍達を前に、依月がその建物の門で立ちはだかる。
「ここから先は通さないぜ」
「ミステリアスさが魅力的なお兄さん! 遊びましょ!」
僵屍は依月をも好奇の視線で見て、躍りかかっていく。
「幻獣拳術『鳳凰翔』!!!」
高く跳ねると空中で両脚を依月に向け、凄まじい勢いで自らを射出する。
だが、その動きは突如として止まり、手足を胴体にくっつけてその場に落ちた。
「くっ、何かが巻き付いて……!」
夜なこともあって、何が巻き付いたのか見えない。
実のところ、僵屍の自由を奪ったのは依月の呪髪糸だった。ユーベルコード・呪髪糸操術:冶葛で伸ばし、蜘蛛の巣のように張り巡らせていたのだ。
「捕まっちゃったのね、あたし……さあっ! エロいことしなさいよっ❤️」
「そんな事はしない。ただ、酷いことはするかもな?」
「あたしに酷いことするつもりね! エロ同人みたいに❤️」
「エロから離れろ」
依月は僵屍に近づくとあるものを手にした。
「君らの弱点は把握済みだ」
「そ、それは……」
それは依月の霊符だった。
「嬉しい。あたしのこと、解ってくれてるんだ……❤️」
何が嬉しいのかわからない。
依月は元から僵屍の額に貼られているお札をひっぺがすと、自分の霊符を貼る。
そしてスマートフォンのアプリを起動した。画面には鐘が映っている。依月がそれを振ると、本物の鐘のように鳴った。振動を検知して鐘を鳴らせるアプリ……らしい。
その音を聞くと、僵屍は真顔になった。
他の僵屍達は張り巡らされた呪髪糸に邪魔されて近づけず、何とかして先へ進もうとしながらも状況を見守っていた。
そんな中、依月は捕縛した僵屍の戒めを解いて、もう一度スマホの鐘を鳴らす。すると両手を前にして背筋を伸ばした状態で、何の間接も曲げずにワイヤーに引っ張られたみたいに起き上がった。
そして仲間の僵屍の方を向くと、跳びかかって彼女らに攻撃を仕掛け、キョンシー映画のアクションシーンみたいなカンフーアクションを演じる。
これはユーベルコードではなく、キョンシーは額に札を貼ると、意のままに操ることができるのだ。
「配信の準備をしてくれば良かったな……」
斎藤・福を助けるために必要なものだけしか持ってきていないので、今回はその見応えのあるシーンの配信を諦めねばならなかった。
依月も操った僵屍を援護しつつ、乱戦に乗じて別の僵屍の額に自分の霊符を貼り、さらなる同士討ちをさせることで彼女らの行く手を阻む。
成功
🔵🔵🔴
諏訪野・みすず(サポート)
リーダー役が必ずいると思うので、ソイツを先に倒すようにします。「リーダーが倒れたら、あとは烏合の集だよ」アドリブ、共闘歓迎です。
諏訪野・みすずは僵屍の跋扈する町を、建物の屋根から屋根に跳び移って、僵屍どものリーダーを探していた。時折絡んでくる女僵屍(距離感が近い)を持ち前のすばしっこさであしらい、町の高所を駆け巡っては首領を探す。
……やがて、他とは違う衣装の僵屍を見つけた。他と同じく、若い女の姿だったが、着ている衣装の色が明るく、目の色が赤い……他より強いのかどうかは、見た目だけではわからない……。
「一度仕掛けてみるかな……」
みすずは建物の屋根の上からそれを見たが、判断がつかなかった。もう少し情報が欲しいところだ。
「こんな所で何をしてるのかな……愛らしいお嬢さん?」
その間に、女僵屍達がみすずを取り囲んでいた。
「君のような元気な女の子こそ、僵屍の仲間に相応しい」
よく通る低めの声で僵屍の一人が言った。なんだか男装の麗人っぽい雰囲気だ。
「それは! 無理!」
みすずとしては、断る以外ない。
「では冷たい死の接吻で、息の根を止めて差し上げよう」
僵屍はそう言って服を脱いだ。周りの僵屍も同じようにする。
「幻獣拳術『禍躯鱗』!!!」
「な……何なの!?」
裸の女僵屍に囲まれるという異様な状況。
すぐさま攻撃してこないのを見て、みすずはバールのようなものを振りかぶり殴りかかる。
しかし僵屍の腕が素早く動いたかと思うと金属のそれを打ち払った。
「麒麟憑依状態となった私は防御力十倍さ。そんな打撃は通用しないよ」
勝ち誇った笑みを見せる麗人僵屍。
「さあ……生を捨て、新たなる舞台へ!」
裸の女僵屍達は妖艶に肢体をしならせ、みすずに掴みかかってくる。
「そっちがそう来るならっ……!」
ここでみすずのレガリアスシューズが、甲高い音を立てて白煙を凄まじい勢いで吹き出した。
「スチームエンジン、リミッター解除っ! 最大出力!」
次の瞬間、みすずは突如として強烈な勢いで前方上空へと舞い上がった。
レガリアスシューズに装着したスチームエンジンを最大出力で回転させ、そのエネルギーを移動に用いたのだ。
前に立っていた麗人僵屍は超高速のそれを避けきれず正面から激突し上半身が爆散した。
掴んでいた僵屍達もなまじ強い力で掴んでいたため、腕がもがれたり、衝撃で五体がバラバラになったり、巻き込まれて空中に投げ出された上地面に激突したりした。
空中に投げ出されたみすずは、ダンサーとしての能力を総動員しても体勢を整えられなかったが、全力の防御姿勢をとって地面に激突。
「いっ……たぁ~~~…………」
死ぬほど痛いが、死んではいない。
よろよろと起き上がる。
「やっぱり気になるな、格好の違う奴……仲間に知らせようっと」
仲間を探しに向かう。
生を繋いだことこそ、最大の戦果だ。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『主無き従者』
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POW : 勅命『廃棄』
自身の【勅命符】を捨て【狂える龍】に変身する。防御力10倍と欠損部位再生力を得るが、太陽光でダメージを受ける。
SPD : 勅命『蒼焔招来』
自身が装備する【勅命符】から【無数の蒼い焔】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【火傷】の状態異常を与える。
WIZ : 勅命『主の託した希望』
自身の【勅命符】を代償に、1〜12体の【試練の獣】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
イラスト:番場たくみ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ニクロム・チタノ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
斎藤・福と首塚の一族は衛兵詰所の地下に立て籠り、一時の安全を確保。猟兵達はその間に町の僵屍を処理しようと動いていた。
そのうちに猟兵の一人が見つけた、他の僵屍とは違う個体と接触する。
顔立ちが少し幼げで、着ている衣装も明るい色のものだ。強い瘴気も放っているが、それはどちらかといえばファッションの一部のようなものと化している。
何者かと問えば、こう答えるだろう。
「わたしこそはキョンシーの女主人!
主を失ったゆえに、いまやわたしが主なのだ!
主となった以上は、この世にキョンシーの楽園をつくるのだー!」
バカ陽気な言葉に周辺の女キョンシー達も同意して歓声をあげる。
渾沌化とは、カリスマだった……?
マチルダ・バレンタイン(サポート)
ケルブレ世界から来たヴァルキュリアの鎧装騎兵
普段着がメイド服
外見から想像出来ないが大食い
戦闘前に余裕が有れば事前に【情報収集】をする
戦闘時はバスターグレイブと23式複合兵装ユニットの【エネルギー弾、誘導弾】の【一斉発射、砲撃】で攻撃。接近戦になったらゲシュタルトグレイブの【なぎ払い】で攻撃
敵の攻撃は【ジャストガード】で受けるか回避する。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
御形・菘(サポート)
※語尾に「のじゃ」は不使用
はっはっは、妾、推っ参!
敵は決してディスらんよ、バトルを彩るもう一人の主役なのでな!
強さも信念も、その悪っぷりも誉める! だが妾の方が、もっとスゴくて強い!
バトルや行動は常に生中継+後で編集しての動画配信(視聴者が直視しては危ない系は除く!)
いかにカッコ良く魅せるか、見映えの良いアクションが最優先よ
とはいえ自身の不利は全く気にせんが、共にバトる仲間にまで不利を及ぼす行動はNGだぞ?
戦法は基本的に、テンションをアゲてボコる! 左腕とか尾で!
敵の攻撃は回避せず、受けて耐える! その方がカッコ良いからのう!
はーっはっはっは! さあ全力で来るがよい、妾も全力で応えよう!
「はーっはっはっは! はーっはっはっはっはっは!」
渾沌化オブリビオン『主無き従者』は、高らかな笑い声を聞いた。そして、何の前触れもなく、周囲に地面を覆い尽くす程の赤い彼岸花が咲き乱れた。
花の向こうから、ふたつの人影が現れる。
「はーっはっはっは! 妾、推っっっっ参! そして!」
「猟兵、マチルダ・バレンタイン。あなたを速やかに捕縛し、本場の中華を味わい尽くすための準備運動とさせていただきます」
ひとりは蛇の下半身、頭部にねじれた角、背に蝙蝠の翼を備えた異形、御形・菘。
もうひとりは銀髪に青眼、可憐なメイド服姿でありながらいくつもの武器を携えた女性、マチルダ・バレンタイン。
赤い花が埋め尽くす空間で、舞い散る花弁を背景に対照的な二人が立つ。
「むう! これはお前達の術か? 味な真似を!」
「いかにも! これこそは我がユーベルコード、|落花狼藉・散華世界《いきなりクライマックスバトル》! 喜ぶが良い! 最初からクライマックスであるということを!」
敵の言葉を受け、菘が誇らしく語った。
「面白いじゃないか! その偉容! その尊大な態度! 気に入った。それからもう一人の、清楚で可憐でありながら大胆不敵な所もな! 二人まとめてわたしのキョンシー軍団に加えてやるぞ。光栄に思えー!」
主無き従者はにやりと笑うと、額の勅命符を剥がした。
一瞬にしてその体が伸びながら変化していき、龍へと姿を変えていく。
「ほう! 愛らしい小娘かと思いきや悪しき龍であったとは!」
「ですが、何であれ無力化するまでの事」
菘の感嘆に続き、マチルダが武装を向けた。
その内容は先端にグレイブの刃を装着したバスターランチャーと、レールガン×2、8連誘導弾ポッド×2、連装レーザー砲×2からなる23式複合兵装ユニット。
メイド型重武装ヴァルキリアであるマチルダが、問答無用のエネルギー弾、誘導弾の一斉砲撃を行う。
幾度もの爆発が夜の闇を払い、花弁が狂おしく散った。
「グアオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
爆風の向こうから、おぞましい野生の雄叫びが聞こえてくる。
そして中空に勅命符が数枚、飛んだかと思うとそこから蒼い焔が放射され、マチルダと菘を襲った。
「くっ……様子見の一射とは言え、まるで怯んでもいないとは」
焔から身を守りつつ、マチルダは有利な位置取りをすべく動く。
「はーっはっはっは! 龍なのだからこれぐらいはしてもらわねば困るなあ!」
対して菘は、焔を打ち払いつつも蛇身をくねらせて全速前進していた。
「その力、邪神たる妾に太刀打ちするに能うや否や!」
下半身をバネのようにして跳躍。
空中に身を踊らせる龍の身に巻き付いた。
龍は振り落とそうとするが巻き付く力は凄まじく、菘は顔面に手が届く距離まで這い寄る。
そして巨大な左腕で殴り、爪で斬り裂いた。
龍もその爪と牙で応戦する。
まさに異形と異形の決戦だ。
「やるな! だが妾は最初からクライマックス! 具体的には演出の素晴らしさに感動して調子に乗ることで自身を強化している! 特に防御力は普段の比にならぬ……楽しむが良い、いくらでも殴り合うことができる現状を! そして! 妾は一人ではない!」
殴り合いながらそこまで言った菘は大きく翼を広げ、龍の顔面にしがみつき視界を塞ぐ。
「今だ! 妾ごとやれェェェェェェ!!!」
空中に、ゲシュタルトグレイブを携えた、マチルダの姿があった。
「いかに頑丈な守りでも……これはどうかしら!」
投げあげたグレイブを、一回転し、踵でその石突きを蹴り飛ばす。
アスガルド投擲法。
グレイブは空中で幾重にも分裂し、その勢いと鋭い刃は、堅牢な龍の鱗すらも穿ちその身に幾本も突き立った。
「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
龍が咆哮をあげる。
それは、今度こそ苦痛を帯びた響きだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
カグヤ・モンデンキント(サポート)
モンデンキント級植民艦3番艦カグヤに宿ったヤドリガミですわ。
女性に年齢を聞くものではなくてよ。
まずは地球型惑星を破壊できる規模の主砲であるユーベルコード「ジャッジメント・クルセイド」を放ちますわ。
あるいは周囲から慌てて止められ、仕方なしに別のユーベルコードを使いますわね。
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動は致しませんわ。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします。
リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能
接近戦で戦う場合は鎖鎌や鎖分銅の【ロープワーク】による攻撃がメインだが、プロレスっぽい格闘技や忍者っぽい技もいける
遠距離戦では宇宙バイク内臓の武装による射撃攻撃やキャバリアによる【結界術】
その他状況によって魔術による【属性攻撃】や【破魔】等使用。
猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。
基本的にチャラい上辺ですが、人々の笑顔のため、依頼自体には真面目に取り組みます
「渾沌化オブリビオンを殺さずに捕縛する……」
カグヤ・モンデンキントは悩んでいた。
「私のジャッジメント・クルセイド砲ならばこの町ごとオブリビオンを消滅させられる。しかし、それでは駄目となれば……いったい私はどうすれば……」
「……カモンさんさぁ……」
カグヤ・モンデンキント略してカモンである。彼女の悩み相談を受けていたのは狐の面を着けた宇宙バイクだった。
狐の面、ヒーローマスクのリカルド・マスケラスは応じる。
「他のユーベルコードあるんでしょ? 何とか穏便に片付けられそうなの選ぶっすよ~」
「他のもの……直径4000kmの本体を分裂させて地表に落とすとか」
「地球滅ぼせそうっすねソレ」
「あとは威力に難があって強敵に通用するかどうか……」
「全然問題ないっすよ~カモンさんの問題はうっかり地球滅亡させそうってだけでそれが何とかなるならあとは自分が何とかするっすよ~」
……などというやり取りがあったのは戦いの前。
現在、戦いは始まっており、鮮やかな色合いの十二単を着こんだカグヤ・モンデンキントが、一人、渾沌化オブリビオン『主無き従者』の前に浮遊していた。
「……Malbona Kodo : ducent dudek ses. Vitra labirinto……」
敵の動きに先じて詠唱を終えると、町はその姿を保ったまま、迷宮と化した。
「何をしてるのだー?! 見ればその姿、高貴な身分なのかー? キョンシーの仲間に是非欲しいのだー!」
主無き従者はカグヤを見つけると、勅命符を12枚、空中に向かってばら蒔いた。
「変われーっ!」
気合いを込めて命じると、勅命符は『試練の獣』へとその姿を変じる。
12体の試練の獣はカグヤに向かって殺到するが、カグヤは町の建物の壁に手をかけると、そこを開き、隠し通路を通って姿を消した。
ユーベルコード、Vitra labirintoは戦場全体に迷路を張り巡らすもので、その迷路には隠し通路が多数存在する。
カグヤはそれらを駆使して、敵から逃れつつ、隠し通路を通って死角から現れては、鈍器を飛ばして攻撃し、追われたらまた逃げるという戦法を展開した。
これによって12体の試練の獣はカグヤを見失い、分散された。
また、この迷路には罠も多数仕掛けられており、それも戦力の分断に一役買っていたが、罠の効能はそれだけではなかった。
カグヤは逃げるうち、トラバサミの罠にかかった試練の獣を見つけることができた。
「この瞬間を待っていたわ」
その獣に近づくと、懐から何かを取りだし、獣の顔に押し当てる。
それはヒーローマスク、リカルド・マスケラスであった。
「ウェーーーーーーーイ」
試練の獣の鬣が藍色に変色し、ウェーイとか言いながら走る。すでにその肉体はリカルドの支配下にある。
途中で出会った他の試練の獣を蹴散らし、またはやり過ごして、一直線に主無き従者本体へと迫る。
「ウェーーーーーーーイ」
「試練の獣がウェーイとか言ってる! さては敵に操られたのか!」
主無き従者は驚きつつもすぐさま臨戦態勢に移り、額の勅命符を剥いだ。
その体を龍に変じ、リカルドに迫ろうとする。
……が、空中へと身を踊らせようとして頭をぶつけた。カグヤが造り出した迷路には、見えないが天井があった。Vitra labirintoとはその意味を「ガラスの迷宮」、壁はともかく、天井はその名の通り透明だ。出口はひとつしかなく、空は出口として機能しない。
リカルドは迷宮内にあらかじめ隠していた鎖鎌を手にし、分銅をよく回転させてから飛ばす。ロープワークの技術を駆使して、龍の顔面周辺を鎖で雁字搦めにし、それから頭の上に飛び乗る。
龍は鎖を振りほどこうとして暴れるが、迷路は龍にとって狭くあちこちをぶつけるばかりだ。
たまらずに変身を解除する。
「元の姿でだってわたしはやれるのだー!」
怒り心頭の主無き従者だったが、リカルドはその瞬間を狙っていた。
「隙あり! っす!」
鎖鎌を手放し、身を低くして敵の懐に飛び込む。
そして上半身を一気に伸ばすと共に下から掌底を打ち込み、その威力で敵を上空に打ち出す。
そして頭を下にして落下してくる所をめがけ、左足首と右手首を掴み、首を脚で挟み込む体勢になる。
「これが自分のフィニッシュホールドっす!」
炸裂する決め技──|猛狐落火勢《ブレイジング・フォックス》!
受け身を封じるこの技から逃れることは不可能。
主無き従者は、轟音と共に脳天から地面に激突した……!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
鞍馬・景正
どういう理屈かは分かりませんが――無辜の民を害するならば捨て置けません。
そしてお福様たちの為にも、御免。
◆
相手が変身すれば、斬撃波で攻めつつ動きを観察。
堅牢な鱗、再生する能力。
確かに厄介ですが――龍の相手は、初めてではないもので。
相手の攻撃は見切り、心眼を以て回避か、難しければ結界術を籠めた甲冑で防御しつつ月明かりの輝く場所まで誘き寄せましょう。
そして月光を刀に浴びつつ、【屠竜】一閃。
時に、月光とは陽光の反射というのはご存知か?
そのまま絶命させぬ程度に断ち切り、再生までの間に追撃。
幾ら硬くとも、再生すれど、斬られる痛みはどれだけ耐えられますかな。
その間に、お福様たちに捕縛をして貰いましょう。
渾沌化オブリビオン発見の報が斎藤・福にもたらされた。これまでの猟兵との交戦の様子、その特徴から、その可能性があると判断された。
「私がお護りいたします。参りましょう、お福様」
護衛のため側に控えていた鞍馬・景正は、すぐさま駆け出せる姿勢で、福に進言する。
「ええ。頼みましたよ、鞍馬殿。他の皆も」
真剣な表情になった斎藤・福は、景正に頷くと、共に立て籠っていた衛兵詰め所の地下室を後にした。
かくして景正と福、首塚の一族の者達が戦いの場に到着すると、いまだ激闘の最中であり、渾沌化オブリビオンである主無き従者は猟兵を相手に猛攻撃を仕掛けていた。
「私が仕掛け、弱らせるまでしばしお待ちを。では、御免!」
景正は福にそう告げ、大太刀・鞍切正宗を抜くと、主無き従者の眼前に躍り出た。
「おー! 次の相手はお前かー? いいツラがまえだな! わたしの副官にしてやってもいいぞ、キョンシーになるならな!」
主無き従者は陽気な表情と言葉で景正に語りかける。
「戯れ言を……無辜の民を害するならば捨て置けません」
「ふふふ、あながち戯れ言と済ませられるものではないのだよこれが! わたしたちにはちゃんと思想というものがあるのだ! わたしたちの目的は『現代の撲滅』!
今の世界には存在する意義なし! 全ての現在を過去にする……そのためにキョンシーの仲間を増やし、現在を屈服させるべく奮闘しているのだー!」
「…………聞くだけ無駄でしたね。過去の侵攻を阻むのは猟兵の務め。武士として、猟兵として……貴様を許す道理は無い。鞍馬・景正、参る!」
羅刹の血が昂っていた。正宗の柄を握る手に力が入り、強く締め付ける。
その刃が、月光を浴びて煌めいた。
「その挑戦、受けてたとうー!」
主無き従者は額の勅命符を剥がした。その身を空中に踊らせると体が伸びると共に変異し、龍と化した。
「グワオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオアオオオオオオ!!!!!」
咆哮をあげ、景正へ向かって急降下する。
景正は身をかわしつつ斬擊波を放つが、まるで傷が付いていない。
(やはり通常の攻撃では効果が薄いか、だが、龍の相手はこれが初めてではない)
景正は龍の猛攻を心眼と見切りを用いて回避、回避しきれないものは結界術を籠めた甲冑で防御して凌いだ。その間、何度か攻撃を入れるも効き目は薄く、傷がついたとしても瞬時に再生してしまう。
そのため機を伺っていた。必殺の一撃を入れられるタイミングを……。
その時が来るまで、防ぎつづける。
……そして、その時が来た。
上段から敵が打ち下ろしてくる一撃を一歩下がって避け、外れた一瞬の隙を突き、上段から斬り下ろす。
頑丈な龍の頭蓋を、さすがに両断とはいかなかったが、景正は確かな手応えを感じた。
「グワオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアア!!!!!」
龍は苦しみのあまりにか、のたうち回り、やがて変身を解いた。
「なぜ再生しない?!」
龍に変じている間、主無き従者は再生能力を持つが、受けた傷が再生することはなかった。
「時に、月光とは陽光の反射というのはご存知か?」
「なにっ……!?」
景正の大太刀が、月に映えていた。
太陽光でダメージを受けるというのが龍に変異時の弱点である。指摘通り、月光を浴びた刃は陽光を帯びているも同じ。そして景正の放った一撃は『|屠竜《りゅうごろし》』。竜すら一太刀に屠る技として編み出した技である。景正はこの戦いの中で、敵の弱点を的確に突いていた。
「今の一撃が徒爾であったか、それとも究竟となったか……お聞かせ願おうか」
景正は構えたまま、敵に詰め寄った。
大成功
🔵🔵🔵
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【WIZ判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
先程の戦闘で|僵屍ちゃん達《妹》を大量ゲットしてホクホク顔だよ★
…けど、今回の捕縛目標である渾沌化オブリビオンはこの中にいないんだよね♪
一体どこに…あ、いた★
今回は捕縛目的だから、うっかり倒してしまわないようにしないとね♪
UCを使って、非暴力的に|捕縛《妹に》するよ♪
周辺の女僵屍達も、先程同様【誘惑/欲望開放/精神攻撃/精神汚染】技能を使った魅了魔法で|制圧《妹に》するね♪
UCは『クローネちゃんの死霊憑依術★』
主無き従者ちゃんを洗脳したり記憶を改竄したりする事で、主無き従者ちゃんの|主《姉》になるよ♪
あ、試練の獣の方は普通に戦って倒すか、可能なら主無き従者ちゃんに止めてもらおうかな♪
攻撃はネクロオーブから放つ【エネルギー弾】と【怪力】を活かした【功夫】で行うね♪
「今が好機です。皆の者、呪詛を!」
斎藤・福は首塚の一族の者達に命じ、ユーベルコードの鎖を精製する。
「これで、終わりです!」
そして、主無き従者に向けて鎖を飛ばす。
だが主無き従者は、周囲に勅命符をばら蒔き、それによって鎖を阻んだ。
「変われぇ!」
命ずれば勅命符は試練の獣に変わり、主無き従者を護るように立ちはだかる。
ダメージこそ蓄積していたが、心は未だ折れていない。
「これほどまでの逸材に囲まれながら、こちらが追い詰められるだけとは! だが! わたしはまだ倒れない! 最後まで悪あがきし続けてやるのだー!」
鬼気迫る表情を見せる。
「うーん、強情だね♪」
それを見て、クローネ・マックローネが一言。主無き従者の前に立つ。
「これは心を折らないと無理だよ★ 後は任せてもらっていいかな?♪」
と、福に確認する。
「え?ええ……手段を選んでいる余裕はないですし」
福が頷くとクローネは無邪気な笑みを見せた。
ネクロオーブを手にした彼女の赤い瞳が主無き従者を見つめる。
「わたしに近づくなー!」
敵はクローネに向けて試練の獣を差し向けた。
だが、それらは突如として割り込んだ無数の人影によって遮られる。
「主様! ごめんなさ~い❤️」
「私達は愛に生きるの❤️」
それらは、クローネに籠絡された女僵屍達だった。
「なっ、なんでわたしの邪魔を!? オブリビオンだろうお前たち!」
「そんなの、愛があれば関係ないわ❤️」
元・主に対して女僵屍達は、オブリビオンとしての理想よりもクローネへの愛を選んだ。
「元・主ちゃんもクローネちゃんの妹になろうよ★」
クローネは事実上の降伏勧告をするが、
「元・主とか言うな?! わたしは現在を否定するのだ! おまえたちの軍門には下れないのだー!」
返答は否だった。
「しかたないね★」
クローネはネクロオーブをかざす。
「はっ……なんだこいつらっ」
すると、主無き従者を囲むように死霊が現れ始めた。
「クローネチャンカワイイ……」
「同調セヨ……」
「我等ト意志ヲ重ネヨ……」
「クローネチャンカワイイ……」
「なんだこの声!?」
主無き従者の脳内に直接声が響いていた。
「これ、かなり強引な方法なんだ♪」
「えっ?!」
「これから元・主ちゃんに、クローネちゃんと仲良しの死霊を憑依させるよ★」
「やめるのだー!」
「だーめ★こうすれば元・主ちゃんもクローネちゃんの妹になってくれるよね、いや、従者になってもらおうかな?♪」
「妹……従者……?」
こうしている間に、死霊達は主無き従者に憑依した。ダメージが蓄積している今では、それに抵抗することも難しかったのだ。
死霊の憑依によって、精神に干渉できるようになったクローネは、催眠や洗脳、記憶改竄、精神汚染等を行っていく。
「あ……ああ……ぁぁぁぁぁぁ…………」
過去と現在が、真実と虚偽がないまぜになって溶けていく。
かつて、仙人達の時代……。
主がいて、名前があった頃の記憶。
(主は、どのような人物であったか)
(主に、どのような感情を抱いていたか)
そういった記憶が呼び起こされる。
はるか太古の記憶が……
「ああ、あなただったのですね……わたしのお姉様」
……ねじ曲げられた状態で。
「ようやく思い出した?♪
クローネちゃんは従者ちゃんの主で、お姉様だよ★」
「もちろんです、お姉様……❤️」
記憶は改竄された。感情は上書きされた。
主を失った従者は再び主を得た。
「ああ……お姉様今日も最高に可愛いです、どうかこの従者をお好きなようになさってください」
今やクローネの従者となった彼女はひざまずき頭を垂れ、恍惚の表情を浮かべている。
絶好の機会だ。
クローネは福に視線を送り、目が合うと頷いた。
…………こうして、斎藤・福は、渾沌化オブリビオンの捕縛に成功したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『からくり大相撲』
|
POW : からくり人形を用意して飛び入り参加する。
SPD : からくり細工の店で買い物をする。もしくは自分も店を出す。
WIZ : からくり人形たちの戦いをのんびりと見物する。
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
……夜が明けた。
今日は中国全土の職人達が待ちに待った「からくり大相撲大会」の日。
前日の夜にキョンシーの大群に町が襲撃されるとかいうハプニングでは済まないハプニングがあったが、それは猟兵達の活躍で沈静化し、からくり大相撲大会は予定通り開催されるのであった!
「まあ、飛び入り参加も可能なのですね。私、やってみたいですわ!」
何を思ったか斎藤・福はこのからくり大相撲大会に大いに興味を持っていた。
会場となっているからくり用具店ではすでに完成済みのからくり人形が販売されており、素人でも参加できるようになっている。さらにオプション装備として、刃物はおろか飛び道具や爆発物まで売られている……大相撲とは名ばかりだったようだ。
福は中でも物騒な部類の武器の数々を、興味津々に眺めていた……。
●状況説明
斎藤・福のからくり大相撲大会参加の様子を見守ったり、助言したり、自分も参加したりできます。
捕縛された渾沌化オブリビオンに接触することもできます。捕縛した後どうするとは特に決まっていないので捕縛されたままです。精神状態は二章の最後から変わっていません。
鞍馬・景正
襲撃されたにも関わらず明朗でいて気丈なお振る舞い、流石はお福様。
されど、江戸に戻ればまた御多忙になられる身……暫しの休暇を楽しんでいただかねば。
◆
お福様の護衛として、一歩引いた距離で付き添います。
念の為【陰陽双刃】で忍び達を招集し、周囲の警戒や、首塚の一族の方たちの護衛も命じましょう。
大会への参加や市井の人々との交わりを見守りつつ、邪心が見え隠れする者は近寄らせぬよう妨害。
一方で、お福様が悩まれているなら僭越ながら助言を。
聞くならく、ある世界では航空相撲なる妙技があるとか。
私も空翔ける敵の相手は苦労するもの……この飛行装置による立体的な機動で優位を得ては如何でしょう。(真顔)
からくり大相撲大会のために出された露店を、楽しそうに見て回る斎藤・福。その横顔を、鞍馬・影正は少し後ろから眺めていた。
(襲撃されたにも関わらず明朗でいて気丈なお振る舞い、流石はお福様)
夜中に突然の襲撃を受けた彼女の心中を心配していた影正だったが、これは杞憂に終わったようだ。
さすがは将軍の教育係を勤めた程の貴人、楽しめる時は全力で楽しむ事を知っていた。
(されど、江戸に戻ればまた御多忙になられる身……暫しの休暇を楽しんでいただかねば)
影正はそう思う。侍として、人として。
福を必要としている者は多いのだから。
影正は念には念を入れ、ユーベルコード・陰陽双刃で召喚した、鞍馬家で召し抱える風魔忍者を周囲の警戒に当たらせていたが、オブリビオンとはいえキョンシーは流石に朝は活動しないのか、影も形もなかった。怪しい者の影もない。
活気溢れるからくり相撲大会の風景があるだけだ。
福は、そんな中露店で茶と団子を買い求めていた。
「ご苦労様です、鞍馬殿。はい」
湯呑みを二つ、盆に乗せた福が影正に差し出していた。
「これは、勿体無き心遣いを……」
「そんなにかしこまらなくともよろしいのですよ。今は休暇なのですから。鞍馬殿もお気を抜きあそばしませ」
「されど、お福様の身に何かあれば……」
「もう。どうやったら寛いでいただけるのでしょうね。今私はそれを知ることが出来れば何も要りません」
「は……」
影正は弱らないわけにはいかなかった。
仕方なく椅子に腰を下ろし、茶を啜る。
福も両手で持った湯呑みに息を吹き掛けながら、少しずつ飲んでいた。
「ね……どうすれば良いのかしら」
「私が畏まり過ぎな件でござりますか?」
「いいえ。からくり相撲で優勝する方法」
「優勝……で、ございますか……」
流石、貴人である。
「帰ったら上様に自慢するのです」
「それは……驚かれ遊ばされるでしょうね」
「『流石は福! 幕府が誇る女傑中の女傑じゃあ! 天晴れ!』なんて」
はしゃぎながら言う。もう、どっちが教育役なのか解らない。
「鞍馬殿も考えて下さいまし」
福は真剣に影正を見ている。
「そう……ですね……。
心得ました。この鞍馬・影正、必勝の策を考えて参ります。では、御免!」
「鞍馬殿?!」
急に凛凛しい顔と声になった影正はからくり用具店へと駆け込んでいった。
……そして小一時間もしない内に影正は戻ってきた。
「只今帰還致しました」
「お、お帰りなさいまし」
「お福様。聞くならく、ある世界では航空相撲なる妙技があるとか」
「航空相撲……? 真ですか、鞍馬殿?」
真ですか、鞍馬殿(※地の文です)。
されど影正は力強く頷くのみ。
「私も空翔ける敵の相手は苦労するもの……。
そこで、かの航空相撲に倣い、飛行装置による立体的な機動で優位を得ては如何でしょう」
「飛行装置……なるほど……。頭上よりの爆撃により一方的に敵を無力化し制圧するのですね」
納得する福。
相撲とは何だったのか。
「ありがとうございます、鞍馬殿!」
そして──。
「西ぃぃぃぃ、征空将軍・天津狐ぇぇぇぇぇ」
行司が高らかに福のからくり人形の名前を呼ぶ。
赤い髪に黒い角を生やし、翼を備えたシャープな姿だ。
|操縦盤《コントローラー》を構えた福は、力の籠った目で相手のからくり人形と、それを操作する職人を見る。
「さて、飛び入り参加ながら空からの一方的な攻撃で敵を征して来ました、征空将軍・天津狐。初心者とは思えない戦いの感覚を持ち、ついに決勝戦にまで勝ち進んで参りました。さあ、このまま勢いに乗って優勝を手にするか。注目の一戦、いよいよ開始です!」
熱の入った実況が決勝戦の開始を告げる。
「お福様、御武運を!」
戦いに向かう福の背に、影正は声援を飛ばす。
福は、それに手を上げて応え、戦いの場に赴いた──。
大成功
🔵🔵🔵
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【WIZ判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
第1章・第2章で|魅了《妹に》した女僵屍達と|捕縛《妹/従者に》した|渾沌化オブリビオン《主無き従者》ちゃんの相手をするよ★
皆となでなでよしよしムチュムチュイチャイチャしたり、マッサージしてもらったりするね♪
従者ちゃん達を可愛がりながら、斎藤ちゃんをサムライエンパイアに帰した後はどうするか考えるよ♪
ぶっちゃけ用が済んだ後の従者ちゃん達をどうするかまるで考えて無かったんだよね…♪
皆妹にした以上は|クローネちゃん《姉》が責任とらないといけないと思うんだけど…
|封神武侠界《こっち》での猟兵の活動を支援する様に命じるか、それとも全員|殺して死霊として取り込む《クローネちゃんの一部にする》か…
さて、どうするかな?
UCは『クローネちゃんの死霊憑依術★』
念の為従者ちゃんと女僵屍達を再洗脳&記憶改竄して、|クローネちゃん《姉》の言うことを聞くようにするよ★
一般人に手を出さない様にしておかないとね♪
斎藤・福がからくり大相撲大会に夢中になっている間、クローネ・マックローネは、逗留している宿の一室に、籠絡した女僵屍達と、クローネの従者となった「元・主無き従者」と一緒に、酒池肉林の一日を過ごしていた。
女(僵屍)達を左右に侍らせ、クローネ本人は寝そべって従者のマッサージを受けている。皆裸に近い格好だ。時折身体を絡ませたり、唇を貪ったり、愛欲の赴くままに求め合っていた。
まさに楽園。
しかしクローネは悩まないわけではなかった。皆可愛い妹達であるが、オブリビオンだ。しかも多くが浮気性で、欲望に忠実で、衝動で動いている……。
「ずっとここで暮らしましょう、お姉様❤️」
女の一人が言った。僵屍だから寿命がないわけで、その気になれば本当に永遠を手に入れられる……そんな気になっているのだ。
「永遠は無理だよ、ここは借りてるだけだし……♪ 今後のことも考えないと♪」
クローネは現実をそのまま告げる。
「えー、愛があればどうともなりますよ❤️」
そう返ってきた。
盲目すぎる。情熱だけで生きている。
しかしクローネだって猟兵なのだからずっとこの世界に居るわけにもいかない。
(|封神武侠界《こっち》での猟兵の活動を支援する様に命じるか、それとも全員|殺して死霊として取り込む《クローネちゃんの一部にする》か……)
クローネは考える。
生かすのであれば住む場所も必要だし、生活に必要な物も用意しなければならない。それと、他の猟兵が納得するかということと、彼女らだけにしてまた人を襲うようにならないかということ、オブリビオンの本能に抗うことはできるのかということが問題だった。
殺すならば、当人達を納得させられるだけの説明をして説き伏せなければならない。洗脳してしまえば簡単だが、それではあまりに有無を言わせなさ過ぎだ。
「お困りのようですね!」
その時、突然室内に何者かが現れた。
「だれ?!」
「わたくしは桃红山・变态洞の偷看真人!
貴女がお困りのようだったので差し出がましいながら参上させて頂きました!」
「覗いてたの?!」
女の一人が身体を隠す。
「いえいえ滅相もない、わたくし仙人なので大抵のことは卦でわかります」
しかしその見た目と言えばなんだかエロそうな目をした浅黒い肌のそっち方面の欲が強そうな中年男だ。
説得力がなかった。
「それで提案なのですがね、皆様をわたくしの洞で面倒を見ようではありませんか。仙界なので下界の人々には迷惑をかけませんし、大抵の事には対応できます」
一見、渡りに船のように見えるこの男の提案だが、要するに
「クローネちゃんの妹達をみんな横取りしちゃうよ❤️」
と言っているのである。
そうに違いないとクローネは判断できた。
「じゃあ仙人ちゃんの洞に案内してよ★」
……にも関わらずクローネはこう言った。
男は胡散臭い笑みで頷くと、一瞬にして部屋の風景が変わった。
そこは広い一室で、窓からは遥かな仙界の景色が望めたが、部屋の真ん中には大きな回転ベッドがある。照明や内装も何だかピンク色だ。
欲望を隠そうともしていない。
「どうです?……あ」
だが仙人はそこで笑顔が凍り付いた。
笑顔を見せるクローネの周囲に瘴気が渦巻き、死霊が現れる。
これから彼に施すのだ。従者にした時とは比べ物にならない、強力な記憶の改竄と洗脳と精神汚染を。
……………………
・妹たちの面倒を見ること★
・妹たちに邪な気持ちを抱かないこと★
・妹たちの安全を最優先して行動すること★
・クローネちゃんに絶対服従★
・以上全ての命令に期限は無い★
・恐怖せよ★
「ひっ……ひぃぃぃぃぃ!!!」
偷看真人の顔は急激に青ざめた。
この恐怖が拭い去られない限り、課した命令を忘れることはないだろう。
……こうしてクローネは妹達の世話係と囲うための別荘を手に入れた。
いつでも妹達が迎えてくれる、帰れる場所が出来たのだ。
「……でも、あんまり放って置かないでくださいね、お姉様❤️」
大成功
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