2

【旅団祭・総合】正しく茹でよう魔獣温泉卵！

作者：椿油

●注意
　当依頼は、２箇所のPBWアライアンスによる合同の連動企画です。
　まず、PBWアライアンス『コイネガウ』の詳細を以下でご確認お願いします。
　公式サイト：（https://koinegau.net/）
　公式総合旅団：（https://tw6.jp/club?club_id=4737）
　また、PBWアライアンス『オーシャンフロンティア』の詳細を以下でご確認お願いします。
（https://ironpunchdash.wixsite.com/oceanfrontier）

　そして、当依頼は『コイネガウ』の旅団祭シナリオです。
　ですが、今回の【旅団祭・総合】は「旅団シナリオ」ではありません。
　旅団「公式総合旅団」の団員以外も採用される一般参加枠も兼ねます。

●委員会情報によると今、希島で温泉卵がアツいとか
　オーシャンフロンティアはアルカディーテ島から持ち込まれた卵。これは俗に言う魔獣の卵であり、殆どは茹でられて食べられる温泉卵である。何故かというとアルカディーテ島に温泉があるからだ。自然の摂理である。

「それでな？　茹でられずに調理された卵が大暴走してるらしいねん！」
「な、何だって!?」
　西行寺・銀治郎（国立希島学園の一般的な残念男子学生・f38167）が驚く。
「暴れる卵。聞いたことあるよ」
　相沢・友子（水使いの淡水人魚・f27454）は耳に挟んだ事があるらしい。
「なんでもな？　例えば――」
　有山・優音（あまはん・f39297）によると、電子レンジに入れた魔獣の卵が一緒に入れられた卵と一緒に群れを成して暴れ始めたり、蒸し器に入れた魔獣の卵が熱気を操ってご家庭が蒸し風呂になったり、炙った魔獣の卵が火炎放射してきたりと――茹でずに調理された魔獣の卵が暴走する事件が多々発生しているのだという。

「そんな効果あったんやな～あの卵……って言うとる場合ちゃうねん！　茹でないと食べられへんのやから、茹でられずに調理されかけてる魔獣の卵を回収して茹でてやったらええねんな！」
「それなら、旅団祭の出し物は魔獣の温泉卵のポーチドエッグで決まりだな！」
　作戦はこうだ。茹でられなかった卵を回収する。茹でる。茹で魔獣卵を調理する。以上である。
「ちゃんと説明して回収するかこっそり回収するか、悩みどころだね」
　友子の言葉に優音はどっちでもええんちゃうという反応を見せた。
「回収出来ればええんよ。ほな、卵を回収しに出発や！」
　暴走させずに温泉卵に出来るか、手腕が問われる――？

第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動 SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動 WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動 イラスト：YoNa 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「魔獣の卵の回収かよ!?　……俺に任せろ！」
　銀治郎は囮役を買って出た。
「魔獣の卵の回収なんだね!?　コニーにお任せ☆」
　コニーは屋台で調理を担当する事になった。

　さっそく銀治郎はピエロの格好をして大道芸の道具を揃える。
「しまった、卵が無い！　あっそんな所に卵が！　その卵、頂けませんか？」
　と、わざとらしく言いながら、魔獣の卵を所持していた店主に話を持ち掛ける銀治郎。
「え、この卵使うのかい？　綺麗だから料理の飾りつけにも使えるだろうな～って思ってたんだけど」
「芸で使うんです！　ほら、こんな感じで！」
　実際に卵でお手玉を実践してみる。すると店主を上手く言いくるめられたようで、あっさりと卵を頂けた。
「まあ、その卵は大道芸で使った方が映えるかもな！　大事に使ってくれよ！」

　そして、コニーと優音が待つ屋台へと急ぐ銀治郎。
「お待たせ！　卵持ってきたぜ！」
「ありがと☆　魔獣の温泉卵のポーチドエッグを作るんだけれど、優音も一緒に調理とか販売とか、手伝ってくれる？」
「もちろんや！　卵料理なら作った事あんで！」

　小さな温泉を用意し、そこに卵を茹でていく。人が入る為の温泉ではないので、立ち入り禁止である。
　程良い温度で卵が固まってきたら、冷水にサッと通してポーチドエッグの出来上がりだ。
「うん、これなら行ける!!」
「めっちゃうまいやん～～!!」
　試食の時点で美味だと感じる魔獣のポーチドエッグ。
「俺にも食わせて！」
「ええよ～、まだあるで！」

　残った売り物用ポーチドエッグは屋台で販売していくのだ。これぞ、OFコラボ。
「売れ行き抜群だね！　そういえば、アルカディーテ島の温泉で作るとどうなるのかな？」
　コニーが優音に尋ねる。
「美味しいに決まっとるやん！」
　そう、温泉卵はどこであれ美味しくなる物なのである。
「よし、全部のポーチドエッグを売り切るぞ！」
　銀治郎の言葉に頷きながら、ポーチドエッグを売りさばいていくコニーと優音であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　魔獣の卵の回収を手伝っているキノ。
「えぇ、この卵を茹でないと大変な事になるって？」
「シメジ、お願～い」
　キノの言葉に頭を捻る中華料理店の料理長。
「五目料理に入れたかったんだけどなあ」

　仕方なくキノは《ベルベットパフューム》を発動してかぐわしい香りで店主に好印象を持たせる。
「マーツータケ、キノコセラピーはいかがかな？」

　すると店主の顔が嬉しそうな良い笑顔に変わる。
「この匂い再現するのもアリだなぁ！　分かった、あげるよ。持っておいき！」
「マイタケ！　ありがとー！」
「あっその前にもうちょっと匂い嗅がせてー！」
　興奮する店主をよそに店を出るキノ。

　そして、キノは温泉卵ポーチドエッグを作っている屋台へと、急いで受け取った魔獣の卵を持っていく。
「ヒラタケ、持ってきたよ！」
　折角なので、一緒に魔獣の卵を茹でてみる。冷水をサッと通して、程良い硬さのポーチドエッグの出来上がりだ。

「エノキ、お好みで調味料をかけて食べてね！」
　売り子も頑張るキノの笑顔に、かぐわしい香りにも誘われて客がどんどん集まってくるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「あと残った卵はあそこだけだね」
　友子が目星を付けていた希島三ツ星レストランは、高級で新鮮な卵をたっぷり使ったオムライスが有名だ。
「きっとあそこなら『珍しい卵』って扱いになってるに違いないよ」
　早速《守護近衛隊》で不可視の硝子の寝ず見を沢山召喚して、レストランに向わせる。タイミングは丁度客が入って扉が閉じようとする時だ。

　首尾よく厨房まで硝子の寝ず見が進んでいくと、やはり厨房には魔獣の卵が。しかもごろごろと沢山置いてある。恐らくこれで魔獣の卵は残り全部ではないだろうか。

　そして、密かに硝子の寝ず見が卵を転がしていく。厨房から地面に落下しないようクッション係は下で待機して。
「あっ、卵が!?」
　気づけば全ての魔獣の卵が、まるで意思を持ったかのようにコロコロ、コロコロと外の屋台へと転がって行った。
「ま、待てーーー!?　は、早い……」
　しょうがなく、シェフは既存の美味しい普通の卵でふわとろなオムライスを作る事にしたようだ。

「回収成功だね。これで全部みたい」
　後はポーチドエッグにしていくだけだ。沢山あったので素早く全部を掬い上げないとタイミングがずれて固まり具合に差が出てしまうが、そこは人海戦術と寝ず見海戦術で何とかして掬い上げていくのだった。

「よし、出来上がり！　後は売れるのを見守るだけ」

　こうして、無事に魔獣の温泉卵ポーチドエッグは全て売れたのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2025年01月21日