帰還の鎖を繋ぐために
●流れ者の地に首塚の一族集う
グリモアベース。
「帝都櫻大戰も無事終わって異世界に渡ってくれた共闘者の帰還も始まってるけど、ちょっと皆の力を貸してくれないかな?」
妖狐――ではなく、狐獣人姿に変身している人造灼滅者の饗庭・樹斉(沈黙の黄雪晃・f44066)は集まった猟兵達にそう呼びかける。
「今回向かってほしいのは封神武侠界、サムライエンパイアから共闘に来てくれた『斎藤・福』と随行する『首塚の一族』の皆の帰還支援になるよ。彼女たちは人界に滞在しつつ帰還手段を探っているんだけど、どうにも人数が多いから安全かつ確実に渡って帰る手段は思いつくものじゃなかった……んだけど頑張った甲斐もあってその手段がグリモアで予知できたんだ。具体的には『流れ者の宝庫』楽浪郡に現れる『渾沌化オブリビオン』を首塚の一族がユーベルコードの『鎖』で捕らえることでユーベルコードの鎖をサムライエンパイアへと繋げる事ができるようになって、それを通じて帰れるみたいなんだ」
渾沌化オブリビオンっていうのは楽浪郡の瘴気を浴びて渾沌化しちゃったオブリビオンの事で時折いるみたい、と樹斉は補足する。
「今回予知された渾沌化オブリビオンは『旅の薬師』、場所は荒野でそこそこ障害物もあるから首塚の一族が身を隠しながら戦闘に参加することもできると思う。ただ周囲には旅の薬師に従う『虎』の群れがいるからまずはそっちを蹴散らして薬師の元へ向かうことになるよ。それで薬師なんだけど……捕縛が目的だから殺しちゃダメ、渾沌化によって異形の部位から予測不能の攻撃してくる厄介な相手だけど上手く弱らせて福さん率いる首塚の一族にユーベルコードの鎖で捕縛させなきゃダメなんだ。鎖自体は強いんだけど動きは遅いから本当ギリギリまで弱らせないと厳しいかも……? なんか条件次第ではユーベルコードの副作用で悶え苦しむみたいだからそこを突ければ楽かもしれないね」
まあ具体的な戦い方は皆に任せると樹斉は言って、空中に浮かべている文字を変形させつつ転送の準備を開始する。
「捕獲できたら楽浪郡にあるエンパイア風……サムライエンパイアからの転移者やその子孫が集まってる町で福さんや首塚の一族と共に疲れを癒やすのもいいんじゃないかな。景色がすごく綺麗みたいだし、街の中で色々買い物とかして楽しむのもいいかもね。……首塚の一族の鎖がサムライエンパイアに確実に繋がるまでは結構な数の渾沌化オブリビオンを鎖で捕まえる必要ありそうだけど、一歩一歩確実に進めていって協力してくれた恩に報いれるようにしたいよねー」
それじゃ頑張っていこう! と狐のグリモア猟兵は前向きに締め括り、猟兵達を楽浪郡へ転送したのだった。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
世界を超えて繋がるとか鎖強いですね。
第一章は『虎』との集団戦です。
斎藤・福と首塚の一族は様子見つつ、猟兵が安全を確保した後に着いてきてくれるようです。
第二章は渾沌化した『旅の薬師』との戦いです。
真白き異形の腕を生やした薬師は予測不能の攻撃を行ってくるようですがギリギリまで弱らせた上で首塚の一族のユーベルコードの鎖で捕縛、無力化する必要があります。
第三章は楽浪郡のサムライエンパイア風の町で景色を楽しめます。町には色々和風のお店もあるので買い物などもできるでしょう。
第二章、第三章は断章で冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらもご確認下さい。
また、第三章に限りお声かけがありましたら当方のグリモア猟兵もご一緒させて頂きます。
初対面でも気にせずお気軽にどうぞ。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 集団戦
『虎』
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POW : 虎視眈眈
予め【敵を睨みつけて唸る】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : 猛虎幻翼
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ : 三回攻撃
【爪・爪・牙の連続攻撃】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:史牙空兎虎
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。
●虎狩りの時
楽浪郡の荒野、渾沌化オブリビオンの存在が予知されたその地には、オブリビオンの虎の群れが大量に蠢いていた。
本来虎は孤高の存在であるにも拘らずオブリビオンとなり群れている虎は、生ある者を喰らう事なく生命のみを奪う邪悪な存在。
そんな猛獣達を前に、アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)というサイボーグの青年は愛用の蒼い熱線銃二丁『ブルーブラスター』を手にして、空中を跳ね回りながら予測困難な機動で迫る虎の群れに相対する。
通常の物理法則とはかけ離れた軌道でその高い身体能力を活かした速度で迫る敵を、明日は眼球に装着したサイバーアイの高度な演算で軌道を見切りつつユーベルコード【コード:神殺しの聖星槍】を起動、
「隙を見せるとはな。神殺しの槍に相応しい末路をやろう……覚悟しろ!」
ブルーブラスターを合わせ最高効率で纏めて撃ち抜けるラインに凄まじい破壊力のレーザーを放つ。
それはさながら槍、神殺しの力を宿せし光線は幻翼にて空を駆ける悪虎を纏めて貫き絶命せしめて。
けれど虎の群れは数多く、レーザーの射線から逃れた個体は爪牙をアスへ突き立てんと次から次に迫ってくる。迫る脅威に対してそれでもサイボーグの青年は冷静に見極めて蒼の熱線銃で撃ち抜き、時には青白き光のフォースセイバーへと持ち替え切り払いながら血に飢えし獣の数を減らしていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
鳥居・祐介(サポート)
戦闘スタイルは所謂「タンク」タイプです。
武装はほとんどが収納可能もしくは不可避なため一見丸腰に見え気弱でおどおどした外見で油断を誘って敵を引きつけ味方の突破や攻撃のための囮になります。
攻撃に対しては【激痛耐性】で多少の攻撃には怯まず耐え必要とあらば【怪力】で押さえつけます。
こちらの意図や強さを見抜く的にはグレートソードを抜いて大振りな攻撃を仕掛け否が応でも意識せざるを得ない状況にします。
ダメージが蓄積し瀕死になったら『風魔神顕現(アウェイキング・フレスヴェルク)』にて高い戦闘力を待つ風が人の形を成したような魔神を召喚して敵を薙ぎ払います。
●|風を支配するもの《ウインドルーラー》
荒野にやって来た猟兵に対し、虎はその大型猛獣の眼を細め唸り声を上げている。
「こ、来ないで下さい……」
虎視眈々と獲物を狙うようなその構えに対し、鳥居・祐介(「風魔神に憑かれし者・f05359)という細身の青年は一見丸腰にも見える軽装と気弱そうな振る舞いで情けない声で虎たちを拒もうとする。
されどそれは捕食者にとっては破壊の欲を駆り立てるような行い、敵意に満ちたオブリビオン共は哀れな贄に変えんと一斉に襲いかかる。
――もっとも祐介のそれは演技、彼に虎たちの注意を集め攻撃を自身に集中させる為の囮となるための振る舞いだ。彼の体は風の精霊魔法による不可視の鎧に覆われていて、更に彼自身の頑丈さもあって見かけよりも守りの力は高い。
襲いかかるぞ、とでもいうような睨みつけと唸り声から虎が仕掛けてくるタイミングは容易に想像可能、故に実際に爪で切り裂かれる時にも致命的な傷だけは回避しつつ瀕死の激痛を堪えて反撃に即座に移行する。
「そ、そろそろ限界です……! 僕に宿りし風魔神よ……契約に従い、今こそ力を貸してください!」
膝を折りつつユウが起動するは【風魔神顕現】というユーベルコード、それにより彼に宿る風魔神フレスヴェルクが召喚、風が人の形を成したかのようなその召喚存在は大振りなグレートソードを構えると、宿した風の力を纏わせ群がる虎たちへと刃を振るい次々に切り裂き薙ぎ払っていく。
虎も反撃するが風により形作られた風魔神を爪や牙で切り裂くことは叶わず、逆に痛烈な反撃を喰らい荒野に屍を積み上げていくだけで、その光景をチカチカする視界で確認しつつ、ユウは召喚維持に全力を注ぐのだった。
成功
🔵🔵🔴
冷泉院・卯月(サポート)
勿論お仕事は大事ですけどぉ、折角なら珍しい物や新しい物も見つけたいですよねぇ~。
あ、ご一緒される方がいらっしゃればぁ、一緒に頑張りましょうねぇ~。
あまり戦闘は得意ではないですけどぉ、ぶちくんとたれちゃんの力も借りてぇ、頑張っちゃいますよぉ~。
遠距離なら二人に短杖になってもらって魔法弾を撃ったりぃ、
接近戦なら二人で力を合わせて杵になってもらって頑張っちゃいますぅ~。
パラドクスは状況に応じて臨機応変に使いましょうかぁ~。
戦闘以外なら運転なんかも得意なのでぇ、何処へでもお届けしちゃいますよぉ~。
道中も楽しいことが見つかるといいですよねぇ~。
●荒野を兎は軽やかに
猟兵とオブリビオンの虎の群れとの戦いが激しさを増していく中、和装仕立てのケルベロスコートを纏うロップイヤーのウェアライダー、冷泉院・卯月(壱七八あーる・f40880)は荒野をキックボードで颯爽と駆けつつ片手に持った短杖で魔法弾を放ち他の猟兵を援護していた。
虎たちも高い身体能力で彼女を追跡し、両前足の爪と牙の連続攻撃で彼女に襲いかかり引き裂こうとするが、巧みなキックボードの運転技術を持つ彼女は危なげなく猛攻を回避してカウンターを叩き込んでいく。
戦闘そのものは得意でないから遊撃で支援に回っているがこれが中々上手くハマる形となっていて、愛兎のファミリア『ぶちくん』と『たれちゃん』が変身した短杖も中々いい具合に強烈な魔法弾を放ってくれている。
外部から取り付けた『ブーストスイッチ』で更にキックボードを加速させつつ、人型の風が戦う近くで座り込んでいる重傷の緑髪の青年を発見。即座に近づいてぶちくんとたれちゃんに短杖から元の二羽の兎の姿に戻ってもらい、ユーベルコード【百獣式快癒法】を起動、
「ほらぁ~、かわいいと思いませんかぁ~?」
おっとりぽっちゃり、小柄で腕白な其々の魅力を持つ二羽を見せて、青年に癒やしのオーラを飛ばしてその傷を治療する。
この戦場には他の猟兵もいる、ならば一緒に頑張って事件を解決しようというスタンスの卯月は風操る青年の傷を癒やし、礼を言われつつ他の猟兵を支援するためにキックボードで虎の群れひしめく荒野を駆けていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
鞍馬・景正
サクヤ(f12358)殿と。
漸くお福様と首塚の一族の方々が見つかりましたか。
無事お帰りいただく為にも微力を尽くしましょう。
◆
まずは、虎狩りと参りましょう。
睨み付ける獣らと向き合いつつ、ふとサクヤ殿に提案をひとつ。
文禄や慶長の頃、虎が突如現れ、各地の猛者たちが挙って討ち果たそうと挑んだと聞きますが……。
如何です? ここはひとつ、どちらがより多く仕留められるか競争でも。
承諾を得られれば、一層気合も入るというもの。
そのまま進み出て虎の攻撃を誘い、飛び掛かって来れば【止水】の打ちで一閃。
斬撃波にて複数巻き込みつつ、互いの背後を奪われぬよう輪舞を描くように。
しかしあの麗しき苛烈さ、巴御前も斯くやですね。
サクヤ・ユヅキ
景正(f02972)と
世界を救う為に尽力なされたお福様たち
ひとりの戦巫女としても受けた恩に報いるべく
返りを待つ者がいるあの泰平の世への帰路、斬り拓きましょう
◆
虎狩りとは心躍るわね
ましてや景正と競うのなら、竜胆と赤椿の如くとふたりの姿も絵巻物語のように映える
ええ、虎狩にて武勇を競いましょう
私も十文字槍『緋翼蓮花』を構え、属性攻撃で炎を灯して前へと躍り出るわ
恐ろしき虎と云えど、研ぎ澄ました武心で見れば隙は多い
真っ向より対峙し、虎が飛び掛かる寸前を見切り、炎を纏う刺突一閃
体勢を崩せば、そのまま二回攻撃で【烈火の武芸】で急所突きで仕留めに
残心と共に槍を払い、次なる虎へと神火を舞い散らせて穂先を向けるわ
●竜胆と紅椿、虎と舞いて
渾沌化オブリビオンの周囲を守る荒野の虎の群れは猟兵達の攻撃により次第に数を減らしていく。
「漸くお福様と首塚の一族の方々が見つかりましたか」
竜胆色の陣羽織も鮮やかな羅刹の鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)の言葉に、優美な舞装束纏うサクヤ・ユヅキ(咲花之眸・f12358)が首肯する。
――この封神武侠界を救う為に斎藤・福と首塚の一族はサムライエンパイアの地よりやってきて尽力し、成し遂げた。
ひとりの戦巫女としても彼女達に恩を抱くサクヤ、そして福たちの帰還を待つ者はこの封神武侠界ではなく、サムライエンパイアにこそいる。
「――あの泰平の世への帰路、斬り拓きましょう」
戦巫女の龍人は、華麗なる戦装束を翻し愛用の十文字槍『緋翼蓮花』を構えて、
「ええ、無事お帰りいただく為にも微力を尽くしましょう」
大太刀『鞍切正宗』の柄に手をかけた景正が睨みつけ唸り声を上げる虎達に向かって構えて。
「文禄や慶長の頃、虎が突如現れ、各地の猛者たちが挙って討ち果たそうと挑んだと聞きますが……」
ふと思いついた事を景正が口にする。
「如何です? ここはひとつ、どちらがより多く仕留められるか競争でも」
これだけの数の猛獣相手に何とも余裕のある提案、勝負事には彼の羅刹の血も騒ぐのかも知れない。
「虎狩りとは心躍るわね」
その光景はさながら絵巻物語のような光景になるだろうと、サクヤは想像して。
「ええ、虎狩にて武勇を競いましょう」
軽く微笑んで、刃に炎を灯しその競争に応じた。
――虎狩りの開始だ。
一層気合を入れた景正が前に出れば、それを待っていたかのように虎たちが一斉に躍りかかる。
睨み付け唸る事で高まった戦闘力により彼の纏う方術による防禦式を施された『藍染仏胴』をも引き裂く程に威力は上昇しているのだろう。
(「見え見えね」)
しかしその予備動作は大きく、サクヤの研ぎ澄まされた武心には恐ろしき虎共の隙の大きな攻撃は十分に見切れ、数が多くとも対処は容易なもの。
前に飛び出した景正は藍瞳で虎共の攻撃範囲を見切りつつ、わざと爪の攻撃を誘い寸前で回避。同時にユーベルコード【止水】を起動し爪が振るわれる寸前に先制して横薙ぎの居合で一閃、
「動静の理、死生の地、有余不足の処――ただ水形にて打つ」
納刀、同時に分断された虎の上半身が落下し音を立てる。鋭き斬撃により同時に放たれた斬撃波は景正へ同時に飛びかかり近接の間合いに入ろうとしていた二頭の虎をも深々と切り裂き絶命させる。
そのタイミングを狙って景正に新たな虎が飛びかかろうとするが、その瞬間を見切ったサクヤが出鼻を挫くように真っ向から躍り出て炎纏う十字槍で最短距離の刺突を繰り出す。
振り上げようとした虎の前脚、その肩から鮮血が弾け熱に怯んだ虎は体勢を崩し、それを見逃さずサクヤは流れるようにユーベルコード【烈火の武芸】を起動しつつ連撃へと移行、
「望むは燃え盛る心より」
穂先に纏う炎が龍の激情のように燃え盛り、体勢を崩した虎の心臓を貫き焼き払う。そのまま絶命した虎が崩れ落ちる前に別の虎が彼女の後方から襲いかかるが、景正が円舞を描くようにサクヤの背中側に回り込み、向かってくる虎を鞍切正宗の剛刃で一刀両断せしめた。
「有難う、景正」
そして残心をとり礼を云いつつサクヤは神火を舞い散らせながら十字槍を払い、次なる虎へと穂先を向ける。
互いに背を守りながら多数の虎と対峙する二人。競い合い仕留めていく光景はさながら竜胆と赤椿の踊る絵巻物語のようで。
(「しかしあの麗しき苛烈さ、巴御前も斯くやですね」)
背後で戦うサクヤの姿に景正は伝説上の女武者を連想しつつ斬撃波伴う居合の一閃で薙ぎ払い、背後に舞う神火の槍は過たず確実にオブリビオンを貫いていく。
これまでの戦いで数を減らしていた荒野の虎、二人の戦いでとうとう殲滅されて、周囲はすっかり静かになった。
ここまでは順調、しかしここからが本番だ。
二人は呼吸を整えると、虎どもが集まっていた荒野の中心に向かうのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『旅の薬師』
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POW : 三苦
自身の【薬や鍼を摂取した腕】から【POWUCすら完全粉砕できるほどの腕力】を放出し、戦場内全ての【POWステータスが3の倍数の猟兵の攻撃】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
SPD : 五言絶苦
自身の【薬や鍼を摂取した足】から【SPDUCを完全回避できるほどの脚力】を放出し、戦場内全ての【SPDステータスが5の倍数の猟兵の攻撃】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
WIZ : 七難八苦
自身の【薬や鍼を摂取した頭】から【WIZUCすら完封できるほどの思念波】を放出し、戦場内全ての【WIZステータスが7の倍数の猟兵の攻撃】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
イラスト:相澤つきひ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠フォルティナ・シエロ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●渾沌の薬師を捕らえよ
斎藤・福と首塚の一族をサムライエンパイアへと帰還させる為に必要なのは、渾沌化オブリビオンの捕縛である。
『……私は怪しくないアルヨ?』
荒れ地に佇む白き異形の部位――腕を生やした狐獣人らしき『旅の薬師』はしらばっくれようとするけれども、猟兵達が向ける敵意に誤魔化しは効かぬとすぐさま敵意を向けてくる。
渾沌化部位は変幻自在、元々の能力で自身に投薬することで驚くほどの力を発揮する薬師はハマれば間違いなく強敵であるだろう。
首塚の一族と斎藤・福は大岩や岩壁の陰から猟兵達の戦いの趨勢を観察している。彼女たちのユーベルコードの鎖は渾沌化オブリビオンを無力化して捕縛する事が可能なほどに強力な力ではあるが、その攻撃速度は万全な状態の薬師に当てられる程ではない。
猟兵達が戦って徹底的に弱らせ、その機を見て彼女たちは鎖のユーベルコードを発動させてくれると予め打ち合わせは済ませている。強力な相手を殺さず弱らせるに留めるのは厄介な戦いになるだろうが、やらねば目的は達成できない。
困難な戦いになる事を予感しつつ、猟兵達は白き異形の腕を蠢かせる旅の薬師へ攻撃を開始するのだった。
赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可
合わせ等も自由にどうぞ
冷泉院・卯月(サポート)
勿論お仕事は大事ですけどぉ、折角なら珍しい物や新しい物も見つけたいですよねぇ~。
あ、ご一緒される方がいらっしゃればぁ、一緒に頑張りましょうねぇ~。
あまり戦闘は得意ではないですけどぉ、ぶちくんとたれちゃんの力も借りてぇ、頑張っちゃいますよぉ~。
遠距離なら二人に短杖になってもらって魔法弾を撃ったりぃ、
接近戦なら二人で力を合わせて杵になってもらって頑張っちゃいますぅ~。
パラドクスは状況に応じて臨機応変に使いましょうかぁ~。
戦闘以外なら運転なんかも得意なのでぇ、何処へでもお届けしちゃいますよぉ~。
道中も楽しいことが見つかるといいですよねぇ~。
●五言絶苦の脚力を超えて
渾沌化により生えた真白き腕で、薬師は調合していた薬を呷りつつ両足に鍼を打ち込んだ。
かのオブリビオンが己の知識の正しさを証明するために作ったその薬と鍼のユーベルコードは彼の脚力を異常増強、爆発的な加速で猟兵達の攻撃を完全回避し無力化するという効果を有している。
ーーしかし、それは敵対者が特定の条件を満たす時のみ作用する力である。
「捕縛ですねぇ〜。頑張っちゃいますよぉ〜」
のんびりした声で言うのはロップイヤーの冷泉院・卯月(壱七八あーる・f40880)、【ライオンライド】を起動しキックボードから黄金のライオンへと乗り換えた彼女は、凄まじい脚力で駆け攻撃を無力化する薬師にどうにか追い縋っている。
「そうだね、私はこっちから追い込むからそっちはお願いね」
そしてもう一人、赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)という赤髪の少年もインラインスケート型の『ブースターレッド』で空気圧縮、駆動力へと変換して卯月に負けぬ速度で別方向から薬師へ距離を詰めようとしている。
二人を振り払わんと駆ける薬師、生やした渾沌の腕はその動作と全く無関係に槍のように変形してより近くにいた卯月を貫こうとするが、黄金のライオンはそれをしっかり見切り左右に飛び跳ねて変幻自在の攻撃を躱すことに成功する。
直後、薬師を強化していたユーベルコードの効果が突如切れる。その薬の力を最大限に活かすことのできる条件は整っていなかったようで、副作用により力が抜けた薬師は足を縺れさせて転倒、それを見逃さず黄金の獅子は加速し跳躍、爪で抑え込もうと真上から躍りかかった。
悶えながらも薬師は渾沌の白腕を変形させ振り払おうとするが、その前に卯月自身が黄金獅子の背から|愛兎たち《ファミリア》を変身させた杵で転がる薬師を殴り飛ばして空中に打ち上げて、そこに空中ステップで薔薇の花弁と共に間合いを詰めてきた緋色が鮮やかに三連の蹴撃を叩き込んだ。
四度ブチ当てたなら即死のユーベルコード、されど今回の戦いの目的は撃破ではなく無力化からの首塚の一族の鎖による捕縛であるから死連撃までは行わない。
だが薬師へのダメージは十分。よろよろと立ち上がる薬師はまた新たな薬を自身に投与してまだ抵抗を諦める様子はない。
本命の鎖を当てるにはもう少し弱らせる必要があるだろう、それを後続の猟兵に託しつつ、黄金のライオンに乗ったロップイヤーのウェアライダーと赤のインラインスケートを履いたバーチャルキャラクターの少年は荒野を駆け、渾沌化オブリビオンより一旦距離を取った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。
口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。
食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆
※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。
●七難八苦の思念を凌駕するお菓子の津波
『ま、まだまだ……!』
ユーベルコードすら無効化する程の脚力強化を破られた薬師、次の薬は彼の頭部に作用する強烈なものであった。
投与と同時に超強力な思念波が薬師より放出され始め、猟兵達の攻撃を完璧に無効化しつつ渾沌化部位の腕で一方的に攻撃しようという作戦のようだ。
しかし猫耳のようなケモ耳を生やしたミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)は元気いっぱい、思念波の影響など何のそのとばかりに軽快に荒野を駆けつつガジェットを薬師に向けユーベルコード【お菓子でガードなのにゃ!】を起動、
「そんな悪いコトするなら、こっちはこのお菓子で守っちゃうのにゃ!!」
彼女のガジェットから放たれるのは大量のお菓子、効果としては薬師の思念波と同様に敵の攻撃を無力化する類の効果を有しているが、先の猟兵達と同様に今回も薬の効果が最大に発揮できる条件を満たしてはいなかったようで、強烈な筈の思念波は押し寄せる大量のお菓子にあっさりとかき消されてしまう。
残るは副作用で荒野にのたうち回る旅の薬師、けれど生やした渾沌化部位の白き腕はユーベルコードを解除して接近するミーヤを薙ぎ払わんと変形して鞭のようにしなり襲いかかってくる。
「そんなの当たらないにゃ!」
けれど野生の勘を研ぎ澄ませたミーヤは華麗にジャンプしてそれを回避、そして転がる薬師に追撃のガジェットの弾丸を撃ち込みその体力を更に削っていく。
『痛い……ですがまだ私の力はこんなものでは……!』
それでも再び立ち上がり渾沌の腕を変形させる薬師、渾沌化によって体力が強化されているーーということはなさそうだが、まだ抵抗する為に立ち上がるだけの気力は残っているようだ。
これ以上の追撃は難しいとミーヤは判断、一旦仕切り直すために伸ばされた渾沌の白腕を躱しつつ一旦戦場を離脱するのだった。
成功
🔵🔵🔴
鞍馬・景正
サクヤ(f12358)殿と。
殺めるは易く、生け捕りは難し。
とはいえ見縊っては手痛い反撃を受けることとなるでしょう。
サクヤ殿の力、頼りにしております。
◆
まず敵の動きを見切りにかかりましょう。
妙な動作には斬撃波で牽制し、近間で打ちかかるよう誘導。
予想の出来ぬ混沌化、しかしこちらを打倒するという目的を与え――間合が狭まる前に【虵】により鍵縄を投擲。
爆破しつつ捕縛に成功すれば、引き千切られぬようこちらも怪力で引き摺り、動きを封じ込めましょう。
その隙にサクヤ殿、一撃を。
彼女の閃光の如き烈剣、薬師を慴伏させるには十分と確信しております。
見事捕縛できればサクヤ殿の笑みに莞爾と返し。
――鮮やかなり、雛罌粟が如き火の色す花。
サクヤ・ユヅキ
景正(f02972)と
あれが渾沌の影響を受けたもの
つまりは、骸の海そのもの
如何に捕らえるかとは難しいものだけれど……ええ、景正と共にであれば、怖れることも憂うこともなく、ね
◆
朱雀之刃『天花繚乱』を真っ直ぐに構え、属性攻撃と破魔の力で刃に神火を
灯して一瞬の好機を待ちましょう
太刀の構えは八相
切っ先は上を向き、炎は天を焦がさん程にと闘争心と共に燃え上がらせ、景正が好きを作った瞬間に果敢に攻めるわ
一刀に込めるは烈火の威と思い
渾沌の姿で迎え討とうとも、それより早くと踏み込みの勢い乗せ先制攻撃の一閃を赤き稲妻の如く
その腕を切り落とし、捕縛へと至らせるわ
振り返れば、信頼と勝利の笑みを景正に届けられるようにも
●三苦の剛力を捻じ伏せて、そして
菓子の津波に思念波は乱れ、更に痛打を受けつつも薬師は渾沌化部位である白の腕を変形させて立ち上がる。
「あれが渾沌の影響を受けたもの……」
呟くサクヤ・ユヅキ(咲花之眸・f12358)、あの白き渾沌の腕はいわば骸の海そのものである。
(「殺めるは易く、生け捕りは難し」)
脳裏に過るのは当然のことではあるが、それを為さねばならないことを鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)は知っている。
流石にオブリビオンの全身が骸の海に変化しているわけではなく、これまでの猟兵達の攻撃により随分弱らされているように見えるが捕縛は変わらず困難で、見縊るようなことがあれば手痛い反撃を受ける可能性は相当高い。
しかし、
「サクヤ殿の力、頼りにしております」
「……ええ、景正と共にであれば、怖れることも憂うこともなく、ね」
信頼に満ちた言葉を二人は交わし、困難を達成する為に行動を開始した。
景正が薬師へと駆けていく。これ以上の投薬には慎重になっているのか、薬師は生やした渾沌の白腕を変形させ伸ばし牽制する。変幻自在、どう仕掛けてくるかも読み辛いそれだが景正は意識を集中し、『鞍切正宗』を振るい斬撃波で渾沌腕に放ち牽制しながら薬師との距離を徐々に詰めていく。
一気に攻め切らないのは誘い――遠距離からの攻撃が当たらぬと業を煮やした薬師が、向こうから近間で打ち掛かるようにと誘導しているのだ。
予想すらできぬ上に意図すら分からぬ攻撃は極めて読み辛い。されどその選択肢を絞る――攻めて打倒するという目的を与えればある程度の予測は可能となる。
そしてサクヤの方はその交戦を注視しつつ朱雀之刃『天花繚乱』の美しき赤の刀身を真っ直ぐに構え、その刃に神火を灯し決定的な隙が旅の薬師に生じる瞬間を見定めていた。
彼女が託されたのは一刀での決定打、先端を上に向けた攻めの八相に構えた赤刃は、内面の闘争心を表すが如く天を焦がさん勢いで神火を燃え上がらせている。
『あまり時間もありませんからね……!』
とうとう焦れた薬師が自分から景正へと仕掛ける。全ての力をねじ伏せるような腕力を放出しつつ間合いを詰めてくる薬師に対し、景正はユーベルコード【虵】を起動、
「紅の舌を吐き、熱きこと焚火に手を摩らんに等し――清姫、真女児の抱擁、ご堪能あれ」
詠唱と同時に放たれるのは鈎縄、鳥黐付き焙烙玉を繋げたそれは薬師の胴に命中し派手な爆発を引き起こす。
『何ですかこれは!?』
情けない声で叫ぶ薬師が見たものは胴体に絡まった縄、渾沌化していない部位に巻き付いたそれは頑丈そうで、引き千切ることも抜け出すことも困難に見える。
即座に巻き付けた縄を景正がぐいと引っ張り薬師の体勢を崩す。彼の怪力により引き倒された薬師は自身の腕に薬と鍼を撃ち込み桁違いの蛮力を引き出そうとする。
されど、その時には既に龍人の戦巫女が迫っていて。
「サクヤ殿、一撃を」
「ええ、任せて」
確信に満ちた景正の言葉にサクヤは応じ、神火の朱雀刃を上段に構え戦巫女が果敢に攻めかかる。
「臆すことなく、怯えることなく、認めるが故に全霊を燃やすこの技を」
待ちに待ったこの瞬間、烈火の意と思いを一太刀に込め【果断迅火の起閃】を起動したサクヤの踏み込みは神速に等しく、果断の気迫を込めた一刀は渾沌の白腕の高速変形すら凌駕する赤き稲妻の一閃。
斬撃の狙いは薬により強化された薬師の剛腕、腕まで奪われるわけにはいかぬとオブリビオンは異常な蛮力で斬撃を弾こうと試みるが、清らかなる破魔の力を帯びた神火の赤刃はそれすら無視して切り落とした。
閃光の如き烈剣、さらに腕を絶たれた衝撃は薬師を慴伏させるに足る十分。此度も薬の効能を発揮できる条件ではなく、引き出された剛力もあっさり失われてしまい薬師は三度荒野をのたうち回る。
――今が好機、
『今です!』
福の号令に十分弱りきった渾沌化オブリビオンに向けて首塚の一族のユーベルコードの鎖が放たれる。通常なら躱せる速度の鎖ではあるが、無力化されのたうちまわる薬師はそれすらできずにぐるぐる巻きに縛り上げる。
抵抗はもはや無い。完全捕縛に成功した斎藤・福と首塚の一族は勝利に沸き立って、そして決定打を決めたサクヤが景正へと振り返る。
「――鮮やかなり、雛罌粟が如き火の色す花」
龍人の戦巫女の顔に浮かぶ信頼と勝利の笑みに、景正も莞爾として笑み返し。
かくして渾沌化オブリビオンは完全に無力化、捕縛され、斎藤・福と首塚の一族が故郷へ帰還する為の可能性がここに一つ積み上げられたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『美しい景色』
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POW : 美しい景色を目に焼き付ける
SPD : 美しい景色を写真に残す
WIZ : 美しい景色を大切な人と廻る
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●先行き長く、休息も時には
渾沌化オブリビオンを無事捕縛した猟兵、そして斎藤・福率いる首塚の一族は楽浪郡のとある街へとやってきていた。
この街はサムライエンパイアからからの転移者や子孫が集い、雰囲気もどことなくエンパイア風で並ぶ店にもそれらしき物が数多くある。福や首塚の一族も久しぶりに故郷に帰ったかのような穏やかな感覚に浸っているようだ。
当然街の外は封神武侠界、エンパイアとは異なった趣の雄大な自然が広がっていて、そちらを楽しむ者もいるようだ。
異郷の地で帰還を目指し旅を続ける福と首塚の一族――彼女たちが故郷へと確実に鎖を繋げるには数多くの渾沌化オブリビオンを捕縛する必要があり、多くの戦いを超える必要があるだろう。
このサムライエンパイア風の街でそんな戦いの疲れを癒やしつつ、次の戦いへの鋭気を養うのもいいかもしれない。
サクヤ・ユヅキ
景正(f02972)と
果たせた務めを、ひとつひとつと重ねていきましょう
私達の産まれた泰平の世とは、そうして紡がれたようにね
いいえ、私はまだ武芸の花を咲かせることも出来ない身
その言葉を真っ正面から受け取れるように、進み続けるわね
◆
街を歩けば、サムライエンパイと似て異なる異郷の姿
並べられている品も、御伽草子の中のようで趣と心が惹かれるわね
櫛などは定番かしらと云いつつ
珊瑚の耳飾りを受け取れば、その場でつけてみるわね
いずれ景正に私からも何か贈るわねと約束して微笑み
お福さまたちにも、この世界ならではの工芸品……笛などの小さな楽器があれば、その音色と共に記憶も持ち帰れるかしらと
さて、もう少し巡りましょうか
鞍馬・景正
サクヤ(f12358)殿と。
務めは果たせましたね。
サクヤ殿も、見事なお働きでした。
あの太刀捌き、摩利支天の如き神々しさすら覚えました。
軽く街並みを歩き、戦の疲れを癒すとしましょう。
◆
彼女を伴い、サムライエンパイアに似つつ異なる景色を眺めつつ散策。
雑貨店の連なる通りに至れば、家族への土産でも見ていくとしましょう。
とはいえ母や妹らには何が良いか……。
サクヤ殿に相談しつつ、一品ずつ決めましょうか。
無事決まれば、共に購入した珊瑚の耳飾りを彼女に贈るとしましょう。
せめての感謝の形として、宜しければお受け取りくだされ。
お福様たちにも何か進物を?
それは良きお考え、ではもう少し見て回りましょう。
●異郷の街でお土産を
「務めは果たせましたね」
先の戦いの熱もすっかり落ち着いた様子の鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)に、サクヤ・ユヅキ(咲花之眸・f12358)も穏やかに頷く。
二人が歩いているのはサムライエンパイア風の街並み、戦いの疲れを癒やすべく緩やかに巡る二人が見るのは見慣れたようでどこか異なる景色だ。
「ええ、果たせた務めを、ひとつひとつと重ねていきましょう」
渾沌化オブリビオンを殺さず、生かしたままに鎖で捕獲し故郷へ鎖を繋ぐ――斎藤・福率いる首塚の一族がサムライエンパイアへと帰還するための手段ではあるが、故郷へ帰還するまでにどれ程の数と時間が必要になるかはわからない。
運が良ければトントン拍子に故郷へ鎖を繋げられるかも知れないし、悪ければ繋がるまで長い時間がかかるだろう。
けれど、景正とサクヤが産まれた泰平の世とはそうした務めをひとつひとつと重ねて紡がれたもの。
故に絶望はしない。一歩一歩進んでいけば彼女たちをあの泰平の世にまた帰せるのだと。
そして二人の話題は先の戦いぶりについてのものに移る。
「サクヤ殿も、見事なお働きでした。あの太刀捌き、摩利支天の如き神々しさすら覚えました」
「いいえ、私はまだ武芸の花を咲かせることも出来ない身」
謙遜するサクヤ、彼女の向上心を満たすにはまだ腕を磨く必要があるのだろう。
だから、
「その言葉を真っ正面から受け取れるように、進み続けるわね」
サクヤは景正をまっすぐ見つめ、そう誓った。
そして、散策する二人は雑貨店の連なる通りへと至る。
街並みの雰囲気によく合った品々は装飾品や小物なども多く、けれどこの封神武侠界の影響を受けていてどことなく御伽草子の中のもののようにも見える。
そんな趣を感じて心惹かるサクヤに、故郷の家族への土産でも見ていくかと景正が言って二人は手近な店へと入る。
(「とはいえ母や妹らには何が良いか……」)
土産になりそうな雑貨へと視線を巡らせつつ景正は首を捻る。折角の土産なのだから好まれるものを選びたいが――実に悩ましい。
「サクヤ殿ならこのような物は好まれますか?」
「櫛などは定番かしら」
女性への贈り物なら彼女に聞いたほうが確実だろうと、景正はサクヤに相談しつつ家族への土産を一品ずつ決めていく。
そして土産を選び終えて購入し、店を出た二人は再び異郷の通りを歩き始めようとして、その前に景正がサクヤを呼び止める。
「これは、サクヤ殿に」
差し出されるのは景正が土産と共に購入した珊瑚の耳飾り。それは家族ではなく、サクヤへ贈る為に彼が選んだものだ。
「せめての感謝の形として、宜しければお受け取りくだされ」
サクヤは珊瑚の耳飾りをそっと受け取って、手に取りそのまま耳に付ける。
栗色の髪に珊瑚の色が不思議と調和して――端的に言えばよく似合っている。
「いずれ景正に私からも何か贈るわね」
微笑み、サクヤはそう約束する。
そしてもう一つ、景正に提案する。
「お福さまたちにも、この世界ならではの工芸品……笛などの小さな楽器があれば、その音色と共に記憶も持ち帰れるかしら」
「お福様たちにも何か進物を?」
サクヤの提案に景正もふむ、と頷く。
福と首塚の一族が故郷へ帰還するための道のりは長く、険しい。だからこそこの世界での旅の思い出を、記憶をサムライエンパイアへと土産と持ち帰る為に何かないかと。
「それは良きお考え、ではもう少し見て回りましょう」
「ええ、もう少し巡りましょうか」
二人で選べばきっと良いものが見つかると、景正はサクヤに同意して雑貨屋立ち並ぶ街並みを歩いていくのだった。
渾沌を捕らえ故郷へ鎖を繋ぎ帰還する為の旅はまだまだ歩みだしたばかり。
けれど終点はあるのだからと、福と首塚の一族は気負わずにその長い道のりを一歩一歩進んでいく。
その道行きに幸あるよう願いつつ、猟兵はグリモアベースへと帰還したのだった。
大成功
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