「新しい事件を予知したわ。」
静かなバーの一角で、カウンターの奥から猟兵達に向かって天黒・氷海(ロストヴァンプ・f42561)が声をかけた。
コト、と手に持っていたグラスを置いて、よく通る声で話し始める。
「今回の世界はバハムートキャバリア。騎士がロボットを操る世界ね。」
一般的には、人間種と|百獣族《バルバロイ》との争いの世界だ。
尤も、|百獣族《バルバロイ》はもう既に滅んでおり、彼らの怨念とも言えるオブリビオンとの争い、なのだが。
「あの世界も色々と事情があるみたいだけれど……その説明はおいおい。ということで、まずは依頼の説明を行うわね。」
「今回の依頼は、|百獣族《バルバロイ》の呪いを解くことね。尤も、解呪やら何やらでそう簡単に解けるほど簡単なものでもないし、因縁のある歴史も浅いものではないわ。」
呪いを解くだけならば、可能な猟兵も多いだろう。
だが、この呪いはそう単純なものではない。解くことができたとしても、再びすぐに呪いを掛け直されるし、それは人間以外にも土地や建物すらも蝕んでしまう。
「呪いを解くためには、呪いの主である|百獣族《バルバロイ》の討伐を行う必要があるわ。」
元凶を絶てば、呪いは収まる。単純かつ明確な対処方法があるのは良いことだ。尤も、それには危険が伴うが───その程度のことに尻込みする猟兵など、殆ど居ないだろう。
「でも、そいつと戦う前には色々とあってね。まず、鬱蒼とした森林を越えなければならないわ。その森には精霊力が満ちていて、普通に通ろうとすれば五感を狂わされるわよ。まあ、狂わされるのはあくまで感覚だけだし、少し考えさえすれば、猟兵なら躓く方が珍しいでしょうけど。」
氷海はパチン、と指を鳴らしてカウンターテーブルの上に魔法陣を出現させる。そして、魔法陣から半透明の映像が映し出される。
映像には二足歩行の黒い機械───所々が藍色に液状化したり金の装飾が付いているが───が数機並んでいるのが見える。
「で、その森を進んでいくと目的となる|百獣族《バルバロイ》の配下達がこちらの人数と同じ数だけ現れるわ。彼らは正式な決闘をご所望の様だけれど、それについてはお任せするわね。正式な決闘のルールは……まあ名乗りをした後は余程のことをしない限り、大丈夫だと思うわよ。」
正式なルールは原住民に学びでもしない限り氷海にもわからない。だが、本質の話をするのなら相手に敬意を持って戦えば問題ないのだという。
オブリビオンに敬意を払うのが嫌なら、それはそれで構わないだろう。猟兵は向こうの世界の住民ではないし、彼らだってそれは分かっているのだから。
「一応、彼らは弱いわけじゃないし、衝撃を受け流す不定形の装甲と酸。これらは脅威になり得るわ。前座だからと、油断しない方が身のためね。」
硬く、速く、そして厄介な攻撃を繰り出してくる量産機、といったところか。話を聞いた限りだと厄介だが、彼らは一対一や二対二の戦いを望む。一度に複数を相手取ることがないのなら、対処法は少なくない。
「そして、そんな彼らを倒した先に、元凶となる|百獣族《バルバロイ》がいるわ。」
氷海は指を鳴らし、魔法陣に映る映像を変える。そこに映っているのは青色の竜機───否、どちらかというと前腕が翼として変化したワイバーンだろう。
「最後に戦うのはこいつ。『獣騎ワイバーン』よ。ワイバーンの名を冠していることからわかるでしょうけど、相当な飛行能力を持つわ。」
ファンタジー系の他世界でも度々登場する相手。戦ったことのあるものもいるだろう。
空を翔け、爪で引き裂き、炎を吐く。単純だが制空権を握られた状態ではかなりの脅威となる行動ばかり。それに加えて『獣騎ワイバーン』は鋼の装甲や尾による切断までもを行うようだ。その脅威は語るまでもない。
「対空が強いならいいけれど、それでも攻撃を当てるのは至難の技。こちらも飛翔して空戦を行うのなら、遮るもののない空というフィールドでのスピード、技量の勝負になるわ。」
言及のない地上戦については、厳しい戦いになるのだろう。
それでも工夫と戦略、猟兵個々人の技量と能力によってはどうにかなる場合もある。相手は完全無欠などでは決してないのだから。
「まあ、向こうも礼儀を重んじている様だし、一度勝負が始まったら横槍を入れられることはないでしょうね。一対一にも拘らないみたいだし、私としては気持ちよく戦える相手、と言えるわね。血を吸えないのは困るけど。」
くす、と少し笑みを浮かべて話す。
道中で戦った配下達が邪魔をしてくることもないとのことで、純粋に戦いを楽しめるのだろう。
「まあ、そういう感じだわ。他の世界とは少し気色が違うけれど、彼らの歴史云々は私らが口を出すことでも無いと思うし、今回は依頼として|百獣族《バルバロイ》を倒すことができればそれでいいわ。」
軽く言葉を飾り、説明を終了する。
説明が終わったなら───もう準備はできている。
「では、門を開くわね。ふぅ………行き先は、バハムートキャバリア。良い結果を、期待してるわよ。」
さあ、門の先へ。幻想と騎機の彩る咎の世界へ、いざ。
カスミ
どうも、カスミです。新しい世界、『バハムートキャバリア』が開始されましたね!
私個人の感想としてはとても好きな世界だと感じたので、おそらくこの世界でシナリオがいくつか出されることになると思います!
それに、√EDENももう一月と少しで始まりますし、イベントが目白押しで非常に心沸き立ちますね!
といったところで、そろそろ説明に移らせて頂きますね。
第一章:迷いの森を突き進め!
呪いを振り撒く|百獣族《バルバロイ》が居る場所に向かうには、精霊力によって五感が狂わされる「迷いの森」を進む必要があります。
狂わされるのはあくまで五感だけですが、無対策では厄介なのもまた事実。しっかりと対策を行い、サクッと通り抜けてしまいましょう!
第二章:『獣騎スライム』を撃退せよ!
三章のボス、『獣騎ワイバーン』の配下である『獣騎スライム』が現れます。
彼らは神聖な決闘での決着を望み、「ここを通りたくば俺らを倒してから進め」的なことをしてきます。彼らの流儀である決闘に乗るかは別として、倒さなければ通れないのなら倒してしまいましょう。
流体装甲や強力な酸は厄介ですが、理不尽を叩きつけて黙らせてしまえば何の問題もありませんね!
第三章:『獣騎ワイバーン』を討伐せよ!
『獣騎スライム』を倒したら空から『獣騎ワイバーン』が現れます。彼を倒すことが目的なので、決闘を挑むも良し、そのまま殴りかかるも良し、とにかく倒しましょう!
空中機動力が高く、ワイバーンならではの爪やブレスも脅威です。さらに尾による切断や鋼鉄の肉体など普通のワイバーン以上に手強い相手。どうにかして打ち勝って見せましょう!
第1章 冒険
『迷いの森』
|
POW : 体力に任せて歩き続ける
SPD : 目印を作りながら進む
WIZ : 精霊に語り掛け、正しい道を教えてもらう
イラスト:みささぎ かなめ
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
エリー・マイヤー
なるほど、呪いの元凶を倒して来いと。
わかりやすくていいですね。
本気で呪うなら、もっとややこしくて殺意の高いものになりそうですが…
曲がりなりにも、騎士ということですか。
難儀な話です。
まぁ、何にしてもやることは変わりませんね。
お仕事お仕事。
五感が狂うというなら、五感以外の感覚で行きましょう。
【念動ソナー】により周辺の地形を探査。
周囲の木々の並びや物品の位置から、進むべき道を割り出します。
ついでに、念動力で木を傷つけて、目印をつけておきましょう。
通った道はわかりやすい方がいいですよね。
で、そのまま念動力で自身に干渉。
フワフワ浮いて目的地まで移動します。
五感が狂ったまま歩いてると、転びそうですし。
ざり、と木の葉を踏み締める軽い音、そして軽く吹き抜ける風が蒼い髪を靡かせる。
尤も、その全てがエリー・マイヤー(被造物・f29376)に正しく届くことはないのだが。
バハムートキャバリアにある鬱蒼とした森林の中。エリーは軽く周囲を見渡して───“五感が狂う”の意味を知る。
音がしないのではなく、あるものないものが入り混じる。何も見えないのではなく、見えるのは歪んだ現実と存在しないモノ。
───なるほど、五感が狂う………なら、五感以外の感覚で行きましょう。
不確かな情報など邪魔なだけ、と言わんばかりに目を閉じて、念動ソナーで正しい周囲の地形を認識する。
このままソナーを張り巡らせておけば、警戒もできて一石二鳥だろう。
念押しで木に目印を刻みつつ、自らも念動力によってふわりと浮かび上がる。
───周囲に敵となる存在もいないようですし……このまま先へ進んで大丈夫そうですね。
実際、反応には敵はおろか小動物の姿も殆どなかった。五感を狂わす危険な領域故に当然と言えば当然だ。
敵との戦闘時にこの場所で戦えと言われれば流石に辛いだろうが、幸いなことに森を進むだけなら問題はない。
───にしても、五感を狂わせるのが呪いの効果なんですかね? 本気で呪うなら、もっとややこしくて殺意の高いものになりそうですが……曲がりなりにも、騎士ということですか。難儀な話です。
目を閉じて視界をカットしてはいるものの、常に耳や肌からは余分な情報が流れ込んでくる。慣れぬ地である以上警戒を行うのは当然だが、必要以上に思考とサイキックエナジーのリソースを割かなければならなそうだ。
これなら、完全に五感が無い方がまだマシだろう。と思考の片隅で考えつつも、至極順調に森歩きは進む。
そのままふわふわと移動して、遂に終点というべきか、第一の目的地と思われる場所が見えてきた。
五感を狂わせる森の切れ目、そしてその奥には複数の敵の反応。情報通りの相手。
これから始まるであろう|お仕事《戦闘》について色々と考えつつ、念動力を切って一歩を歩み出した。
大成功
🔵🔵🔵
アレクサンドロ・ロッソ
【アドリブ歓迎】
「ふむ、五感が狂わされる森か」
門を通った先の鬱屈とした森林を見やる
なるほど、森中に精霊の力が満ちている
これが森に入る者の五感を狂わせ、惑わせるのだろう
ならば、
「森に住まう精霊達よ!神の名、神の力の元に命ずる!この俺、アレクサンドロ・ロッソの前に正しき道を示せ!」
森に向かって神力を伴った声をかける
(もし従わないなら|森を吹き飛ばして《強引に》突破もやむなしだが…さて、どうなるか)
静かな森の中。風が吹き、木の葉がひらりと舞い落ちる至って普通の森。
この森に足を踏み入れることさえしなければ、それは平穏の象徴にすら映る、木漏れ日の降り注ぐ森となるだろう。
だが、一歩でも足を踏み入れたならば───|百獣族《バルバロイ》の呪は牙を剥く。
アレクサンドロ・ロッソ(豊穣と天候を司る半神半人・f43417)はそんな森を慎重に歩んでいく。
「ふむ、五感が狂わされる森か。」
アレクサンドロが見ている風景は歪んでいる。木の葉の騒めきは不快な金属音や獣の唸り声に聞こえ、そして肌を突き刺す風は文字通りの痛みをも与える。
これは全て、錯覚のもの。虚の現実。
正しく認識することこそ出来ないものの、アレクサンドロは現象について理解はしている。
森に入るものを、まるで追い返すかのような精霊の力。
その中に、微か感じるは、呪の気配。
精霊たちもまた、呪の被害者なのだと。迷いの森は、|百獣族《バルバロイ》の呪に蝕まれた森なのだ。
尤も、アレクサンドロには精霊たちを一々それから助けてやる義理はないし、大元の呪を振り撒く|百獣族《バルバロイ》を討伐しに行くのだから、精霊の為を想うにしても討伐に進めばいい。
だが───気まぐれだが、彼らに慈悲をやろうという考えが浮かぶ。
どうせ、手間も変わらないのだから、と。
「森に住まう精霊達よ! 神の名、神の力を以て命ずる! この俺、アレクサンドロ・ロッソの前に正しき道を示せ!」
自らの神力を声に乗せ、森全体に遍く響く神の声。
精神的な影響ならば、神の威光の前に取り除ける。呪であっても、神力により多少でも影響が揺らげば影響を上塗りできる可能性はある。
森が、大きく騒めくように。
木々が蠢き、大地が揺らぐ──否、これは虚から現への変化。
実際には起こり得ないもの。しかし、アレクサンドロの瞳には既に、正しき道が見えていた。
アレクサンドロは元より、五感を狂わされた程度でどうにかなるような存在ではない。正しき道ですら、五感に依らない魔力での感知で探るのは容易も容易。
だが、それでも。例え、僅かな時間であっても。
神の一声は、精霊たちを呪から救い上げたのだ。
そして、森を歩めば──その先には気配がいくつか感じ取れる。
前座となる、呪の主の配下だろう。
精霊を救ったとて、元凶を滅ぼさねば意味がない。再び呪われるのがオチだろう。
ならば、全てを。
心の中で想いを浮かべ、一歩、踏み出した。
大成功
🔵🔵🔵
カグヤ・アルトニウス
○バハムートキャバリアの歩き方
今回は…要するに「精霊の森」ですね
まあ、こちらは「招かざる客」なのでそれなりの振る舞いは必要でしょうけど…どうしましょうか。
(行動)
まず、五感への介入を感じたら「アストラル・サイト」(情報収集+第六感)に切り替えて精神エネルギーを視覚化して五感の代わりにし、五感への干渉は宇宙服を「閉鎖環境モード」に切り替えて遮断して活動開始します
念動力で浮遊して移動し、防壁の類は念動干渉(封印を解く+念動力+ハッキング)で解除してルートを開拓します
(UCは物理罠対策)
念の為、同行するCavallのカメラの画像及び音響センサーによる探査の内容もテレパシー経由で確認して万全を期します
カグヤ・アルトニウス(とある辺境の|私掠宇宙海賊《プライベーティア》・f04065)は鬱屈とした森林にて、慎重に歩を進めている。
ここは、バハムートキャバリアのとある場所。栄えた都から少し離れた森林地帯、招かざる者を惑わす帰らずの森。
目的のオブリビオンを倒す為には此処を通らなければならないのだが、そんな事情など関係ないと言わんばかりに精霊達は牙を剥くだろう。
───今回は……要するに「精霊の森」ですね。
精霊の森。通るにはそれなりの振る舞い───押し通るにしろ、精霊に話を通すにしろ、そう簡単にはいかないだろう。
どうしましょうか……軽く考えつつ、念動力を用いてふわり、と浮き上がる。
ある程度の対策はできる。それでも駄目ならばその時は臨機応変に。時間を気にする訳ではないが、早く通り過ぎてしまった方が良いだろうと。
森に一歩踏み込めば、強烈な違和感がカグヤを襲う。
視界にノイズが走り、何かに囲まれる光景が映る。どこからともなく獣の唸り声が聞こえる。血の匂いで埋め尽くされる。風に刺されるかのような痛みを感じる。 五感の全てをぐちゃぐちゃに弄り倒される感覚が。
───来ましたね。では、まずはこれを。
カグヤが身に付けている宇宙服を閉鎖環境モードへと変化させ、影響を物理的に遮断する。そう軽い影響ではないが、強力な宇宙線飛び交う状況でも無事を確約してくれるモードだ。信頼はできる。
また、アストラル・サイトを起動し五感を切り替える。精神エネルギーを視覚化した今、カグヤの|瞳《擬似視覚》には正しき道が見えている。
「まあ、これで大丈夫でしょうが……打てる手は打っておきましょう。」
───Cavall、周囲の探査内容を。
“Cavall“───ふわふわと浮かぶ犬のぬいぐるみのような、半自律式探索支援ユニットの探査結果をテレパシーで送らせる。
内容は……見えてる景色と相違ない。結界、防壁の類の位置も判明済みだ。あとは、それらに触れぬよう目的地まで辿り着くだけ。
前座と本命となるオブリビオンとの連戦が待っているのだ。余計な罠に引っかかって体力や力を消費されるなどあってはならない。ふわふわと進んだ森の先には───少し開けた空間と、やや丸っこい|百獣族《バルバロイ》が何体か。情報にあったものと同じものだ。
罠もない。防壁もない。妨げるものは何もない。
ならば、行こう。森の踏破よりも楽しい戦いの場へ。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『獣騎スライム』
|
POW : メルティングジャンプ
【飛びつき体当たり】を放ち、命中した敵を【自身の体】に包み継続ダメージを与える。自身が【敵に密着】していると威力アップ。
SPD : 液体獣騎
肉体の一部もしくは全部を【スライム】に変異させ、スライムの持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
WIZ : スライム魔法陣
空中に描いた【魔法陣】から【大量の溶解液】を出現させ、命中した対象の【耐久力と機動性】を奪う。
イラスト:key-chang
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
エリー・マイヤー
先に謝っておきましょう。
私は名乗るつもりがありません。
恨みのまま呪いを振りまき、弱き者に害をもたらす。
私にとって、それは軽蔑に値する行為ですかr。
故に、ただ討ちます。
念動力で敵の肉体に干渉。
勢いを弱め、足を払って転ばせて体当たりを妨害します。
そのまま念動力で敵を包み込んで、体全体を絞め付けましょう。
敵の体は流体でできているみたいですが…
隙間なく封じ込めてしまえば、抜け出せないことでしょう。
そうして身動きを取れなくしたら、【発火能力】。
蒸発させて水分を飛ばし、乾燥させて焼き尽くしましょう。
…そういえば、乾燥した時期で、森の中ですか。
火気厳禁だったかもしれませんね。
後でしっかり消しませんと。
ただ、風に揺れ木の葉が擦れる音が響く。鳥の囀りも、虫達の歌も響かない静かな森の───暖かな木漏れ日の下で。
蠢く流体の鎧を着た機兵と青髪の少女が相対する。
青髪の少女───エリー・マイヤー(被造物・f29376)はただ機兵に向けて冷たい瞳を向ける。
「先に謝っておきましょう。私は名乗るつもりがありません。」
この場は殺し合いの場ではある。だが、それでも相手は儀礼に則り勝負を申し込んだ存在。
機兵の雰囲気が少し、変わる。しかしすぐに元に戻る。
『好きにしろ。我らは儀礼を望むが、それは貴様等猟兵への礼では無い。貴様等猟兵の有り様は無関係なのだ。』
「いえ。そうではなく。」
「恨みのまま呪いを振りまき、弱きものに害をもたらす。 私にとって、それは軽蔑に値する行為ですから。」
すらすらと、言葉が流れ出る。
鈴の音のような綺麗な響きからは想像も付かぬほどの嫌悪、軽蔑の感情と共に。
「故に、ただ討ちます。」
『そう、か。ならば、言い訳も無駄だろう。一騎打ちにて、決するのみだ。───構えろ、猟兵。』
静かな会話。表面上は穏やかな雰囲気すら感じるが、その下では互いに黒く渦巻くものがある。
それに、感情的な話だけではない。
人間と百獣族の争いと意志、歴史。干渉は良いことなのか。
しかしてそれ以前に両者は“猟兵”と“オブリビオン”。
深く絡みあったそれを丁寧に解くことなど、もはや不可能なのだから。
戦いの火蓋は、静かに切って落とされた。
飛び出したのは、|機兵《オブリビオン》。
スラスターの空を裂く駆動音を響かせ、その巨体が弾丸のように動く──質量差の優位を押し付ける、単純な体当たりだ。
だが、エリーには届かない。
巨体の速度がガクンと落ち、見えない力場に弾かれたかのように、機体が押し倒される。
そしてそのまま、幾重にも力場を重ねるようにして、体全体を締め付ける。
ギチギチと金属の軋む音がする。その流体鎧も、力の逃げ場がなければ意味など存在しない。
───そして。
一言の慈悲もなく。ただ突き刺すような視線を向けたままに。
流体の機体が、炎に包まれ燃え上がる。
水は燃えない。ならばより大きな炎で囲い込んでしまえばいい。
身動きの取れない相手なら、そのまま溶かすか、それとも水気が多いなら全て蒸発させてしまってもいい。
一方的な展開のままに、勝負は決した。
倒れた鉄屑には目もくれず、目的の場所に歩みを進めようとして、気づく。
「……そういえば、乾燥した時期で、森の中ですか。」
鉄屑からは未だ炎が立ち上っている。
いや、もう既に鉄屑以外の場所からも───ああ、火気厳禁だったかもしれませんね。
この炎はエリー以外の手によって消えることはない。
つまり、後処理はエリーの手で行わなければ、この世界は未曾有の山火事に襲われるだろう。 その被害は、想像に難くない。
───まあ、燃焼分も含め、任意に消去は可能なのだが。
「……後でしっかり消しませんと。」
今は時間が惜しい。それに、この火を見れば敵も焦るかもしれない。
消すのは後でいい。
炎を後にエリーはこの場を去った。
大成功
🔵🔵🔵
カグヤ・アルトニウス
〇初めての決闘
とりあえず、この世界での「決闘」の流儀は良く分からないので…
まあ、やってみましょう
(乗機)
ホワイト・レクイエム
飛行は機体周辺に力場を張り、その位相を制御する事で行うので操作は念動力に近く、スラスター等は無いです
(行動)
まずは口上から
「わたしは、この度の決闘の代理戦士を承ったカグヤ・アルトニウス…伯爵です」
「いざ、尋常に勝負願います」
初手は浮上し、飛び道具を警戒してUCを発動しつつ、念動力で強化した「オーラの檻」をスライムを包む様に展開します(念動力+オーラ防御+グラップル)
捕獲したら後はトゥインクルスターのゲートからの「概念式凍結ビーム」(属性攻撃:時)で固めてそのまま粉砕します
閑散とした森林の、木漏れ日の下に。
白と藍、2つの機兵が相対する。
白──白銀の輝きを纏う人型機動兵器【ホワイト・レクイエム】に対するは。
藍──深く、暗く、何処か歪な輝きを灯す【獣騎スライム】の姿。
「わたしは、この度の決闘の代理戦士を承ったカグヤ・アルトニウス……伯爵です。」
カグヤ・アルトニウス(とある辺境の|私掠宇宙海賊《プライベーティア》・f04065)は落ち着きと緊張の入り混じった、しかしその意志の強さを十分に感じる芯のある声で、口上を唱える。
『我は、獣騎スライム……個別の識別番など不要が故に、骸より全て一つと、同一と化した故に、このようにしか名乗れぬが。
我は一卒の兵。配下の一つ。相手が忌々しい人間であろうと、猟兵であろうと、この場においては関係のないこと。』
機械的ノイズの混じった声で綴られる口上。自らがオブリビオンであり、相手が猟兵だとしても神聖なる決闘には真摯に応える。
『今はただ、力においてのみ理を得るものぞ。──では。』
「いざ、尋常に勝負願います。」
静寂に包まれたままに、2人の機兵の決闘が始まった。
動き出したは同時。
ホワイト・レクイエムの機体がふわりと浮き上がり、空中で静止する。
獣騎スライムの機体が地面を滑るように滑らかに急接近する。
「アブソリュート・ウォール 自動反射防御モード起動」
ヴィン、と小さな起動音を残して、白銀の機体に幾つかの陣が浮かぶ。
アブソリュート・オート・リフレクション───状態異常や行動制限に対する先読みの一手。効果を反射する防壁を作り出すUC───
そして、もう一手。
念動力で強化した、オーラの檻を展開してスライムを包み込む。
───だが。
「……っ!」
『この程、度!』
オーラの檻が軋む。
獣騎スライムの純粋なパワーによるもの。
ギリギリ、メリメリという音が聞こえてきそうな長い衝突の間に、互いにその全てを注ぎ込む。
───そして。
パリン、と。檻は砕け去った。
|一層目《・・・》の檻が。
幾重にも幾重にも織り重ねたオーラの檻。単なる雑兵如きに破れるものではない。
こうなってしまっては勝負はついたようなもの。
ホワイト・レクイエムの機体にエネルギーが満ちる。溢れるほどのそれが行き着く先は───次元の穴。
次元の穴から覗くたったひとつの砲台に、その全てが充填される。
『………これは───完敗、だな。』
発射されたエネルギーの塊。帯びる属性は“時”。
対象の時間は停止し、絶対零度へと際限なく堕ちてゆく───
カグヤはそれを見届け、軽く一礼した後に、森の奥へ向かって歩き出した。
元凶はこの相手ではない。これはただの前座であり、本命はもっと、厳しい戦いになるであろうから。
ふー、と吸い込んだ空気の塊をゆっくり吐き出して、この場を去った。
大成功
🔵🔵🔵
アレクサンドロ・ロッソ
佇む騎兵の前に一歩踏み出し、声高に名乗りを上げる
「我が名はアレクサンドロ・ロッソ!神殺しを成さんとする者は我が前に出でよ!」
|彼ら《オブリビオン》と|我ら《猟兵》が相容れる事はないし、彼らのなす事を許容する事はない
だが、示された礼節に対して答えないのは戦士にあるまじき非礼だ
「お前達の歴史や事情は俺は知らん。だが、無辜の民にまでその呪いを振りまくならば……消さねばならん、気高き戦士よ」
【神威爆砕】を発動
我が魔力に触れた所に多重爆発を起こし、流体装甲ごと消滅させてやろう
深い森の奥、木漏れ日の当たる小さな広場。
空間は、その場を支配する空気感は、ちょうどその中央で二分して。
佇む騎兵、いや、機兵。流体の装甲を時折循環させるかのように蠢かせて、暗い光を湛える瞳───のようなコアが無機質に見つめる。
相対するは猟兵。半神。
黒い艶髪を靡かせて、光沢を光らせる大鎌をただ一つの獲物とするはアレクサンドロ・ロッソ(豊穣と天候を司る半神半人・f43417)。
アレクサンドロは力強く一歩を踏み出し、強張った静寂を切り裂いて、声高に名乗りを上げる。
「我が名はアレクサンドロ・ロッソ! 神殺しを成さんとする者は我が前に出でよ!」
|彼ら《オブリビオン》と|我ら《猟兵》は相容れぬ存在だ。
彼らの成す事を許容するなど我らには不可能だ。
彼らの歴史も、その心さえも、知ったことではない。
───だが。
己に示された礼節に対して答えぬなら、戦士として己を許さない。
これは、相手への敬意ではない。
ただ、自らの誇りの為に。
「お前たちの歴史や事情は俺は知らん。だが、婿の民にまでその呪いを振り撒くならば───消さねばならん。 気高き戦士よ。」
『我らの過去を、我らの意思を、我らの呪いを、知らずとて構うものか。
発端はどうであれ此処を───聖なる決闘の場を、そのようなもので汚す程我らも落魄れてはいない。
相容れぬ戦士が二名。ならば、やることはただ一つ。』
両者ともに、戦闘にかける意思も覚悟も既にその胸に抱いている。
であるならば。静かに武器を構え。
───戦いは、静かに始まり───そして間を置かず終焉を迎えることとなる。
「気高き武の精神に免じ、苦痛なき死を赦す。───消え失せろ。」
アレクサンドロはゆるりと軽く腕を伸べる。
同時に機兵を包み込むは膨大で濃密な神の魔力。
ひとつ息を吐く間すら与えぬ須臾の後───紅の爆発が幾重にも爆ぜ満ちる。
流体装甲も、気高き精神も。その全てを等しく塗り潰す神の威を。
ただ、瞳に灼き付く紅の残光を引いて。
構えを解き、獲物を携えたままに、向きを変えて歩き出す。
決闘の終わりは等しく静かなものだ。
振り返ることもなく、そしてただ目を閉じて。
「───強き、戦士であった。」
ただその言葉のみを残して。
大成功
🔵🔵🔵
シンシア・シェリンガム
貴方達が呪うべきは無辜の民ではなく、この人造竜騎たるバハムートキャバリア。そしてそれを駆る私達騎士の筈。
人質を取らなければ決闘を受けない――そう認識されているのでしたら、刻とともに人も変わったことをお示ししましょう。
正々堂々と貴方達と戦い、民への呪いを解くことを我が剣に誓います。
不定形ゆえにその動きもまた無形である可能性があります。
キャバリアで剣を構え、敵の動きを見極めましょう。
誓いをもって高めたキャバリアの機動力で間合いを調整。
敵の攻撃を躱しながら、カウンターでその四肢を斬り落とすことを狙います。
敵の動きが鈍ったならば、剣にバハムートの風を纏わせ、両断します。
鎧靴が木の葉を踏み締める乾いた音が、木漏れ日の中に静かに響く。
金の麗髪を風に揺らして、森林の奥、広場に剣を携えて。
シンシア・シェリンガム(円卓の騎士・f44932) の姿はまさに───堂々とした、誇りを抱いた騎士の姿。
相対する異形の騎士に、凛と通る決意の言葉を、綴る。
「貴方方が呪うべきは無辜の民ではなく、この人造竜騎たるバハムートキャバリア。そしてそれを駆る私達騎士の筈。」
異形の騎士は動かない。
彼らにも誇りがあり、それと同等の矜持があり、その全てを黒く染める逃れ得ぬ運命がある。
「人質をとらなければ決闘を受けない───そう認識されているのでしたら、刻とともに人も変わったことをお示ししましょう。」
瞳を閉じて息を吸い、強き意思と共に瞳を開く。
語るは、誓いの言葉。
過去の過ちを継ぎ、変わるための意思をここに。
「正々堂々と貴方達と戦い、民への呪いを解くことを我が剣に誓います。」
対する異形もまた無言。
言葉を返せば、その覚悟を汚すから。
呪われているというのなら、自らもまた同様に。
運命と怒りの濁流に。かつての特異点から引きずる黒い感情の奔流に。
だから。
『構えろ。』
正しく相対し、シンシアがキャバリアに乗るのを見守って。
覚悟と矜持は等しく。ただ、運命だけが違う。
「始めましょう。」
その言葉が、短い静寂を切り裂いて。
戦いの火蓋は斬って落とされた。
シンシアが操るは最強のキャバリアたる“バハムートキャバリア”。
人が造りしものなれど、百獣のそれをも凌駕する覇気を纏う。
戦いが始まり、果敢に攻めるのは不定形の異形。獣騎スライム。
流動する装甲を生かして動きの予測を取れぬよう、そして狙うはキャバリアの翼。
しかしてシンシアもそれに対処する。
キャバリアにて剣を構え、動かず一気攻勢に対処する。
静と動、二つのぶつかり合いは、しかして互いの意図する結果をもたらす事はなかった。
翼を貫くかと思った水流は、剣によって阻まれ勢いを削がれ。
対処しきる剣の構えは、衝撃だけは受け切れず。
衝突の後、両者は距離をとる。
動きがあるのはシンシアの方だ。
バハムートキャバリアの機動力、そして誓いによって上乗せされたそれを十全に間合いを調整する。
相手の攻撃手段は流動すれども肉体であり、己の攻撃手段は剣である。
ならばその差で詰めるのが理に叶う。
獣騎スライムの攻撃が、通らない。
水を伸ばせど体をぶつけど、その剣によって阻まれる。
手が届くと感じた一瞬に、その手は切り落とされた。
最初の衝突以外で一度も、攻撃を与えることができない。
幾度となくそんな衝突を繰り返せば、次第に動きは鈍るもの。
対してシンシアは無傷。
ここで初めて、一歩間合いを踏み込んで。
獣騎スライムはその一瞬に対処できない。
剣に纏うは彼方の風。空に咆えるバハムートの風だ。
ひゅうと渦巻く風を乗せて、出力を最大まで上げて。
全力を以て振り切った剣は、獣騎スライムを両断した。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『獣騎ワイバーン』
|
POW : ワイバーンテイル
【尻尾】で虚空を薙いだ地点から、任意のタイミングで、切断力を持ち敵に向かって飛ぶ【衝撃波】を射出できる。
SPD : ワイバーンスパイク
【飛竜の翼】によりレベル×100km/hで飛翔し、【装甲の厚さ】×【対象との速度差】に比例した激突ダメージを与える。
WIZ : ワイバーンブレス
【口腔】から、着弾地点で爆発する【火炎弾】を連射する。爆発は敵にダメージを、地形には【炎上】効果を与える。
イラスト:もりさわともひろ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ヘルゲ・ルンドグレン
さっすが、グリモア猟兵の転移!
離れた場所の事件にもひとっ飛び……アタシたちの魔法にも応用できないかしら、っとと!
今はそんな場合じゃないわね
ヘルゲ・ルンドグレンとその愛機ウロボロス!
義によって助太刀に来たわよ!
古来より目には目を、歯には歯を……つまり、ブレスにはブレスを!
魔力障壁を展開しながら発射体勢に入って、ガチンコのぶつかり合いをする姿勢でいくわよ!
【高速詠唱】で限界まで時間を稼いでからの【全力魔法】!
ウロボロスの口から最大威力の魔力砲をお見舞いするわ!
これがアタシたちの今の全力!
そちらが数ならこっちは質で勝負……闇色に染まった空を引き裂く星々の輝きを見せてあげる!!
深い森の先、踏み固められた広い空間。
機械の竜は、怨念の竜は、天へと向かい吼える。
自らに挑むものの、訪れを感知して。
魔法陣のようなグリモアから、光が渦巻いて。
ヘルゲ・ルンドグレン(魔導騎士・f44787)は軽やかに一歩を踏み出す。
「さっすが、グリモア猟兵の転移!
離れた場所の事件にもひとっ飛び……アタシたちの魔法にも応用できないかしら、っとと!」
また、竜は吼える。
|百獣族《バルバロイ》として、人と妖精を憎み。
|過去《オブリビオン》として、猟兵を憎む。
その魂が如何に高潔な騎士のそれであろうと、逃れ得ぬ運命のもと。
ヘルゲは竜を見上げる。
その瞳には恐怖の色は見えない。
「ヘルゲ・ルンドグレンとその愛機ウロボロス!
義によって助太刀に来たわよ!」
名乗りを含むそれは、この場では正式な宣誓と等しい。
真面目に、そして楽しげに。それ以上に、自らの愛機となら負けはしないとの絶対の自信を持って。
「我、ハ、竜騎ワイバーン。名無キ故、名乗リハ出来ヌ───」
機械音声のような、ノイズの含んだ声。竜の声。
だだっ広い空間に、二つの機竜が対峙する。
方や、翼竜ワイバーンを模した、空を統べる存在として。
方や、蛇竜ウロボロスを模した、永劫を示す存在として。
風が木の葉を揺らす音すら聞こえる程に、静かなこの瞬間。
決闘の火蓋は、切って落とされる───
「行くわよ!」
両者は機体のブースターを唸らせ空へと飛翔する。
疾いのは、ワイバーンだ。
そのまま、駆け昇るウロボロスと迎え撃つワイバーンの構図へと。
ヘルゲの愛機、ウロボロスは魔法特化の機体だ。
魔法を増大させ、魔法に対する耐性を持ち、魔法との親和性が非常に高い。
故に、接近戦を行う機体ではない。───本来ならば。
「障壁展開、ブースター出力増強っ! ぶつかり合いでも負けないわよ!」
ヘルゲの類稀な魔法の力があれば。ウロボロスの特化した性能があれば。
それは万能へと成る。
キイィィィィン!!
龍人一体となって、衝突を制す。
「ク、コレ程トハ……! ダガ!」
ワイバーンの口元に極大の熱量が集まっていく。あれは───ブレス。
あの一撃をまともに喰らえば、障壁は砕かれる。
なら!
「古来より目には目を、歯には歯を……つまり、ブレスにはブレスを!」
選んだ手段はこちらも同威力のブレスを放ち相殺すること。
ウロボロスの口元にも熱量が集まって───それはヘルゲの魔法も合わさり煮え滾る灼熱へと。
「これがアタシたちの全力、いっけええええ!!!」
視界が炎と爆発で埋まる。
保護されているはずのコックピットですら、肺が燃えるほどに熱い。
でも、そんなの関係ないわ!
これで拮抗するのなら、もっと出力を上げて押し切る!
「我が手に眠れし光のエーテルより、輝きを込めし魔力を呼び覚ませ。聖なる波動を纏いし極光、今此凡人の眼前に我が魔術を放たん──!」
ウロボロスのブレスが、その色を徐々に変化させて。
纏う雰囲気もそうだ。熱量とは別に、魔力が収束して───
「闇色に染まった空を引き裂く星々の輝きを見せてあげる!! |星光砲《ルミナス・ブレイカー》!!!」
拮抗は崩れる。
ワイバーンのブレスも、魔法障壁さえも押し切って。光のレーザーと化したブレスは、その機体へと届く。
焼き溶かし、貫いて。その一撃は、ワイバーンの機体に重大な損傷を与えたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
神城・星羅
家族の陽輝さん(f44868)と麗奈さん(f44908)と参加
私も平安貴族ですので、先祖代々の恨みというのも思うところありますね。でも、今の人たちに害を及ぼしていいわけではないので退場を。
転移、ありがとうございます。尻尾の攻撃は引き受けます。お爺様、援護頼もしいです。すごく力湧いてきます!!麗奈さんは炎大丈夫ですか?耐え切りましょう!!
【高速詠唱】で陽炎の秘術発動!!衝撃波を【残像】【幻影使い】【オーラ防御】で耐えながら金鵄と調律の弓の【一斉発射】で攻撃します!!
つ、辛い!!でもおじいさまと麗奈さんが一緒なら踏ん張れます!!決闘に多くの言葉はいりませんよね!!全力でいきましょう!!
天野・陽輝
家族の星羅(f43858)と麗奈(f44908)と参加
いきなり3人転移は大変だったろう。グリモア猟兵はお疲れ様。
さて。いきなりクライマックスにはいってるようだね。私も家の主だから受け継いだ願いもわからないではないが、事情を知らない民には理不尽そのものなんでね。阻止させてもらうよ。
私は尻尾の衝撃波の対処をする星羅と炎の対処をする麗奈さんの援護にまわらせてもらうよ。もちろん攻撃は【残像】【オーラ防御】【回復力】で耐え、黎明の残照を奏でる!!試練に立ち向かう愛しい家族に力を!!
攻撃力が必要なら狙撃銃を使うよ。銃で一気に【スナイパー】【音響弾】!!大きい分狙いやすいね!!さあ終幕だ!!
神城・麗奈
家族の星羅(f42858)と陽輝(f44868)と参加
先祖代々の呪い、ね。私も生業から因縁のある呪いには詳しくてね。呪い呪われの連鎖は悲しいものだ。まずは一つの呪いを解かないとね。
ワイバーン、流石の威容だ。まあ、こっちも黙ってやられる訳にはいかないのでね。決闘を受けるよ。ただ、手は抜かないよ?
氷華の魔女にとって炎上はきついね・・・。星羅が重い攻撃を引き受けてくれてるし、陽輝の援護もあるし、【オーラ防御】【結界術】【回復力】で耐えながら【高速詠唱】で氷界の女王を発動!!
アンタらが全力で誓いを守るように、私たちも守りたい世界と命がある!!意地の張り合いと行こうか!!
深い森の奥、木漏れ日の下。暖かで、穏やかな風景が広がっている。
それでも、少し上を仰ぎ見れば───風を斬り裂き飛来するものが青と橙の残光を残し縦横無尽に空を翔ける。
平穏など、此処には無い。あるのは機械の駆動音と鼻につく潤滑油の香り、そして己の誇りを胸に戦う戦士のみ。
「私も平安貴族ですので、先祖代々の恨みというのも思うところありますね。
でも、今の人たちに害を及ぼしていいわけでは無いので退場を。」
この光景を見て、意思の強い瞳でキッパリと言い切ったのは神城・星羅(黎明の希望・f42858)だ。
平安の地は人の世だった。故に、心の醜いところも、負の感情の恐ろしさも知っている。
そこには自分たちのような、止める者が必要なことも。
「先祖代々の呪い、ね。私も生業から因縁のある呪いには詳しくてね。呪い呪われの連鎖は悲しいものだ。まずは一つの呪いを解かないとね。」
呪いはときに、崇高な誇りでさえ歪めてしまうと神城・麗奈(天籟の氷華・f44908)は言う。
複雑に絡み合った糸を綺麗に解くには、その始点か終点かを掴む必要があるのだが───此処にそれはない。
ならば、一度断ち切ってしまえばいいと、深紅の瞳でそれを見据える。
「さて。いきなりクライマックスにはいってるようだね。
私も家の主人だから受け継いだ願いもわからないではないが、事情を知らない民には理不尽そのものなんでね。阻止させてもらうよ。」
目の前にある戦いは、言わば壮大な身内喧嘩だ。殺し殺され、忌み忌まれの深い関係こそあれど、自分たちには関係ないこと。天野・陽輝(眩耀の曙光・f44868)は仄かな光の宿った翠瞳で睨む。
私たちは外野の人間だ。その件に関わりを持たない存在だ。本来なら関わるべきじゃないのかもしれない。
でも、あなたたちが巻き込んだんだろう。無辜の民にまで被害を広げた相応の結果というやつだね。
3人とも、思い思いに戦意を心に強く持つ。
そして、目の前に降り立つは蒼の機体───竜騎ワイバーン。
両者に言葉はない。因縁も無い。そこには戦う理由だけが横たわっていて。
「ワイバーン、流石の威容だ。まあ、こっちも黙ってやられる訳にはいかないのでね。決闘を受けるよ。ただ、手は抜かないよ?」
麗奈の言葉だけが静かに響いて。そして。
開戦の合図はワイバーンの咆哮ひとつ。地が揺れ耳に残る、怨嗟の声。
ブースターの駆動音が空気を裂くように響き渡る。
「尻尾の攻撃は引き受けます!」
「援護に回らせてもらうよ。」
動いたのは星羅と陽輝。
星羅が数歩前に踏み出し、攻撃を誘う。陽輝はそのアシストだ。
その後ろでは麗奈が詠唱を始めて。
一人で立ち向かう訳じゃない。恐怖はあるが、それでも。
言葉を交わさずとも、連携は完璧だ。信頼してるからこそ、体は軽く動く。
「来ます、尻尾の衝撃波です!」
それを、まとめて薙ぎ払わんと竜騎が振るうは鋼鉄の尾。
全身のしなりとブースターによる加速によって上乗せされた破壊力を、純粋な力として叩きつけて───そして、その猛威はまだ終わらない。
薙ぎ払い、叩き付けから派生する、衝撃波。
強力が過ぎる前座の攻撃で崩した後の本命打こそが、ワイバーンの強さの証明。
尾による攻撃は星羅──の幻影を穿つ。
尻尾の直撃を避け、しかし衝撃波を避けることは不可能だ。
気を固め、オーラで覆い、それでもその衝撃は未だ星羅を苦しめるに足るもの。
つ、辛い!! でも───おじいさまと麗奈さんが一緒なら、踏ん張れます!!
星羅の体は宙を舞い、しかして衝撃波をその小さな身で抑え切った。
星羅が抉じ開けたこの瞬間、わずかなチャンスを麗奈が押し広げる。
「星羅、上々だよ!
アンタらが全力で誓いを守るように、私たちも守りたい世界と命がある!! 意地の張り合いと行こうか!!」
稼いでもらった詠唱の時間。そして、それを竜騎にぶち当てる隙まで作ってもらえたのなら。
それに応えられないじゃあ女が廃るってものさ!!
「この吹雪、存分に受けな!!」
びゅう、と。強い吹雪が吹き荒ぶ。
次第に強さを増して、その冷気と氷礫が竜騎の体を打ち据え、鈍らせる。
そして───家族たちには氷の加護を。氷の如き水晶の鎧を纏わせ、形勢を逆転せんと。
パキパキと凍りつく音が、吹雪の風音をして尚響き───今こそが、最期の瞬間であると示す。
ならば、と。
陽輝は吹き飛ばされた星羅を受け止めて、その後武器を構える。
小回りは効かなくていい。精度も連射も気にしなくていい。反撃に備える必要もない。
今必要なのは、全てを穿ち貫く圧倒的な火力。
陽輝が構えたは、|狙撃銃《スナイパーライフル》。
狙うのは頭部ではない。|演算部位《ブレイン》なんて今狙う場所じゃない。
今は、そう。一撃で致命傷と成り得る場所を。その|心臓《コア》を撃ち抜いてこそ勝利を打ち立てられる。
動きは鈍り、体は大きく、そして鋼鉄とはいえ全体的に守りを捨て空中戦に特化した機体。ならば──
「大きい分狙いやすいね!! さあ、終幕だ!!」
吹雪の中、陽輝の人差し指が力強く引き金を引く。
バン、という銃撃音は吹雪に掻き消されて、しかしてその威力は揺らぐことなく、鋼鉄の外皮を、真紅の心臓を、貫いて。
そして、コアを撃ち抜かれた竜騎は───最後の瞬間は、酷く静かだった。
負けを突きつけられて、無為な抵抗をしない。これもまた、決闘に対する誇りなのだろう。
元来、決闘とは事故こそあれど殺し合いではないのだから。
強い吹雪に埋もれて、機体に湛える光すら消えた時───この事件は終わりを迎えたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵