●まるでゲームみたいなお話
剣と魔法と竜の世界を知っているだろうか?
モンスターを退治する冒険者達が主役の世界。 アックス&ウィザーズの世界は、まさしくゲームのような世界である。そんな世界で、またもや事件は起きた。
隣町へ家畜を運ぶべく、一人の男が馬車に乗って移動する先は海岸沿いの小さな村だ。男の家族が住む海沿いの村へ向かう途中、どこからか放たれる違和感に気付く男性。
「な、なんだァ…!?」
ほんの一瞬のことだった。家畜を積んだ馬車は、違和感の正体である大きな魔物にひっくり返され、馬車に積載していた家畜たちは逃げ出していく。
「ま、待て!!」
家畜たちを追おうとした男は、大きな魔物の触手に捕らえられた。
「た、助けてくれぇぇぇぇ!!」
男の悲痛な叫びが、ただ虚しく響いた。
●グリモアベースにて
「…みんなって荷物運びが得意だったりするかい?」
開口一番、桃色の肉球マークが浮かんだグリモアを持った妖狐の少年は君たち猟兵に言った。
「あ、自己紹介がまだだったね…俺は石狩・和人。見ての通り狐の獣人だよ。よろしく頼む」
石狩・和人(急尾の猛狐・f06901)と名乗った妖狐の少年は、ふわふわな尻尾を揺らしながらグリモアの肉球マークを押し込むと、スクリーン表示させて説明を始める。
「今回皆に向かってもらいたいのはアックス&ウィザーズの世界だね。道中、家畜の運搬を頼まれる予知を視てね。オブリビオンやいろんなやつが荷物を強奪しようと攻め込んでくるみたいで、君たちにはソレを阻止してほしいんだ」
今回の予知は、襲ってくるオブリビオンや野獣たちから家畜たちを守るのが冒険者の皮を被った猟兵たちの役目である。
「運搬に必要な馬車等は依頼者から直接借りれるかもしれないから、そこは交渉してみてほしいんだ。俺自身、あの世界はまだ予知で視たことしかわからなくてさ……。目的地の海近辺まで君たちに出向いてもらうことになる。依頼先の人に荷物を引き渡したら完了なんだけど…道中の魔物たちもだけど、家畜の狩猟目的で仕掛けられた罠とかも紛れてるかもしれないし、通行には充分気をつけてたほうがいいかも?」
ふぅと一息ついて、和人は説明を続ける。
「実は、襲撃の予知はこれだけじゃなくてさ。他にもモンスターの群れとか、海に潜む大きな魔物とか…色々出てきそうな気がするんだ。あくまで予知だからどこか違うかもしれないけども……」
はじめての予知だからか、あまり自信がなさそうな和人。
「俺もついていきたいけど、予知を視ちゃった以上は君たちのサポートに回らせてもらうかなぁ……アックス&ウィザーズの世界か、行ってみたかったなぁ」
ふわふわな尻尾を揺らす和人はそう言うと、君たち猟兵を手を振りながら送り出したのだった。
不知火有希哉
おはこんばんにちわーうるふ!
なんだかんだで10作目になりました、不知火有希哉です!
今回はアックス&ウィザーズの世界にて荷物の護衛をお願いします!
道中のハプニングには充分お気をつけください…!
ハプニングは起こるかもしれないし、運が良ければないかもしれません。
一応、前のお話みたいならっきーすけべ的なものはないです、念の為!
楽しいリプレイにできるように頑張っていきますよー!
……というわけで、今回もよろしくお願いしまっす!
第1章 冒険
『家畜の運搬』
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POW : 襲いかかってくる野獣たちを追っ払います
SPD : 後ろから家畜たちを追いたてたり、前に出て先導したりします
WIZ : 動物と触れ合って移動に協力してもらう
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
法月・志蓮
「馬車の旅ってところか。グリモアの予知があるし気は抜けないけど……ま、旅を楽しみながら護衛こなしますかね」
馬車の屋根の上に座って『視力』を活かして周囲を警戒。野獣を見かけたら周囲に知らせながら、そのまま狙撃で追い払うなり射殺して肉を頂くなりしよう。
もし旅の道中で夜営もするようなら『暗視』と『第六感』で周囲の警戒。夜間でも【夜陰の狙撃手】である程度までの距離は狙撃も可能だ。
……ただ、銃声で家畜が強く怯えて混乱が起きるようなら昼夜問わず銃の使用は極力控えて警戒役に徹するとしておこうか。勿論サプレッサーは付けるが近くだと普通に音は聞こえるからな。
※アドリブ歓迎
●のんびり馬車に乗って
複数の班に分かれて猟兵たちは家畜の運搬を護衛することになった。
時間をずらすのは襲撃されても被害を抑えるためでもあるし、列車など交通整備が進んでいない地域からの出発はどうしても人力で物資を運搬する必要があったからだ。
「馬車の旅ってところか。グリモアの予知があるし気は抜けないけど……ま、旅を楽しみながら護衛をこなすとしますかね」
グリモア猟兵の和人から依頼を受け、護衛依頼にやってきたダンピールの男性、法月・志蓮(スナイプ・シューター・f02407)は家畜たちを載せた馬車に相乗りさせて貰う形で同乗していた。
ガタゴトと音を立てながら整えられていない悪い荒れた荒野を、家畜と猟兵を乗せた馬車が走っていく。
●迫る獣を対処せよ!!
「それじゃ、俺は馬車の上に昇って魔獣やらを警戒するんで、オジさんは他の子達をよろしくおねがいします」
あいよーと小さく男が返事するのを聞いた志蓮は、馬車の屋根の上に登るなり座り込むと視力を活かしながら周囲を警戒していた。
この後も何事もなく進む志蓮が乗る馬車は一晩野宿することとなる。送迎地域である海沿いの村への移動は時間を要する大移動であるため、野宿はどうしても必要になってしまうのだ。
──その日の晩。
家畜たちに餌をやる手伝いをして、寝かしつけたあと。同乗していた男が交代して夜通し警戒するらしいのだが……
「交代だ、冒険者さん」
目に隈ができている寝不足であろう男が出てくる。志蓮ははぁと小さく嘆息しながら、出てきた男性に声を掛ける。
「……そんな状態で魔獣やら出てきたら対処ができないだろう。ここは俺に任せて貴方はしっかり寝てくれ」
「そうか…すまんが、よろしく頼むよ」
ふわぁと眠そうに欠伸をしてテントへ戻る男性を見送り、暗視と第六感の技能をフル活用して警戒にあたる。
男性が寝息を立て始めて10分ほどした辺り。猪と獅子を足したような風貌の野獣がこちらへゆっくりと近づいてくるのが見えた。
「こちらは腹ペコなんだ、討伐できたら食料として肉を戴くなりしようか」
野営地と距離が空きすぎない様に気を付けながら、志蓮は魔獣の狩猟に出る。
ユーベルコード『夜陰の狙撃手(ナイトハイド・スナイパー)』を発動して遠巻きに控える仲間だろうと思われる個体に狙撃し確実に数を減らす。
勿論サプレッサーは付けてはいるものの、近くだと普通に発砲音は聞こえるし、馬車を操る人が襲われたりしたらまず村への到着が不可能になる。それに、馬車に乗る男性はかなり疲労が溜まっているようにも見えたし、少しでも長く休んでほしいと思った志蓮の心配りもあったからだ。
パァン!!と乾いた発砲音が響いて、1体、1体と牙を剥いてきた獣が倒れていく。
「…はぁ、あまり無益な殺生はしたくないのだけれどな」
牙を剥いてくるのであれば、対処するまでだ。志蓮は再び《ThunderBolt》を構え、襲いかかる獣を狙撃していく。
数が少ない小さな群れだったのが幸いだったと言えるだろう。襲いかかってきた魔獣を全て倒した志蓮は、自然に感謝しながら獲物の肉にありつくのであった。
後から聞いた話だが、その魔獣の肉は凶暴故に討伐が難しく、狩人ですら倒せる人がほとんどいないのだという。そのため村では割と高値で売れるんだとか。
夜が明け、早朝に出発する馬車に搭乗し揺られること14時間……時間にして1日半の大移動を果たし物資の運搬に成功。まずは一便目、何事もなく運搬が完了したのだった。
成功
🔵🔵🔴
レイチェル・ケイトリン
わたし、念動力つかうから荷物運びとかは得意だとおもうけど、でもこのおしごとではこぶのって荷物というか、動物だよね。
まもってあげることを優先した方がよさそうだね。
しっかりまもってあげたいから、依頼者さんのお話を出発前にしっかりきいておいて、あぶなそうなとことか確認しておくの。
はこぶのがどんなどうぶつか、ウシとかブタとかニワトリとかヒツジとか、それも確認しておかないと。
依頼者さんにはわたしの力もみせてあげるね。
出発したら、念動力と吹き飛ばしとかばうの技能でサイコキネシスをつかっておそってくる群れとかをどんどんふっとばしておっぱらうの。
罠とかもとおくからサイコキネシスで叩いたりして確認していくね。
推葉・リア
【SPD】
何が襲ってくるのかな?とりあえず動物さんを守らないとね
依頼主さんから必要数の馬車と馬を借りて『バトルキャラクターズ』で推しキャラを呼んで護衛人数を増やして、馬や家畜の動物と【動物と話す】ながら行きましょうか
私達が守るから、安心してねー(なでなで)
推しキャラの皆を先導と馬車護衛と殿と手分けして配置、私は馬車の近くに居ようかな、罠とか障害物や敵を【第六感】で察知しつつ、見つけ次第【先制攻撃】で倒したり破壊していくわよ!
それにしても、道に狩りの為とはいえ罠があるのは…
もし万が一に動物が逃げたりパニックになったら獣奏器で【楽器演奏】と【動物と話す】で落ち着かせて誘導するわ
【アドリブ共闘歓迎】
●護衛任務開始!
「……わたし、念動力つかうから荷物運びとかは得意だとおもうけど、でもこのお仕事で運ぶのって荷物というか、動物だよね?」
ヤドリガミの少女レイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)は静かに言って、馬車に載せられていく家畜たちを眺めていた。
積み込まれるのは牛とのような姿をしたガッシリとしたガゼルとか、筋肉質な猪、鶏と魔物のハーフなどなど。
なんでも、この世界ではこういった魔物とのハーフとして生み出された合成獣が家畜として生産されているのは珍しくないんだとか。
「何が襲ってくるのかな?とりあえず動物さんを守らないとねっ」
妖狐の女性である推葉・リア(推しに囲まれた色鮮やかな日々・f09767)は、和人の予知の内容を聞いて駆けつけてくれた1人だった。
「こんな可愛らしいお嬢さん方が冒険者さんとは…こりゃあたまげた!ここはひとつよろしくお願いするよ。今回の依頼なんだけど……」
依頼人の男性が口を開くと、2人は予知にあったように横断するエリアにはトラップが色々と仕掛けてある事を聞いた。
この男性に乗せた馬車はオブリビオンの襲撃に遭うという予知であることから、恐らく安全が確認できるまで連れて行くのは得策ではないだろう。
そう踏んだリアは依頼主の男性には一先ず待ってもらう様に一言伝える。
「貴方達は私が護ってあげるからね」
リアは先頭に配置された馬の頭を撫でてから馬車の中へ乗り込む。
「罠ってことは、積荷の子たちを狙ってる人達がいるってことかな?」
「恐らく、そういうことなんでしょうね…!私達で皆を護ってあげなきゃ」
レイチェルの疑問にリアは肯定する形で頷く。荷物である動物たちの警護に当たる。
はいやー!の声を合図にガタガタと音を立て、馬車は村へ向かう。
「いってらっしゃーい」
依頼主の男性は手を振りながら見送ると、やがて猟兵の2人を乗せた馬車は見えなくなった。
リアの推しであるゲームキャラクターの男性を1人護衛役として配置したから、ひとまず依頼主の男性は安全だろう。
●のんびりまったり…とはいかないもので
出発して1時間程、レイチェルたちは迫ってくる猪形の魔獣の群れを捉えた。
「来たわね…!」
「まもってあげることを優先した方がよさそうだね、ふふふっ…わたしの力、見せてあげる!」
レイチェルは『サイコキネシス』を使って襲ってくる魔獣の群れをどんどんふっ飛ばして追い払う。
「さーて、みんな!気合い入れて行くわよー!!」
おー!!と推しキャラたちの掛け声と共に行動を始めるのはリア。
推しキャラの皆を先導できるように馬車護衛と殿に手分けして配置してもらって、リアは指示をすぐに飛ばせる様に馬車の近くへ。
「お嬢!罠はこっちで破壊するぜ!はぁぁッ!!!」
罠とか障害物や敵を第六感で察知しつつ、見つけ次第推したちによる先制攻撃で破壊していく。
「それにしても、道に狩りの為とはいえ罠があるのは……ちょっと姑息じゃない?繁殖させて運んでる子達を横取りするようなものじゃないの!」
リアが怒るのも無理はない。それは猟兵たちが来なければ依頼主の彼らが搾取される立場であるということ他ならないからだ。
そんな猟兵たちを知るかと言わんばかりに襲いかかってくるのは、ハイエナに獅子の鬣を生やしたいかにも凶暴ですと言わんばかりの姿をした獣たち。
「また!?今度は別の個体ね!」
「ヒヒィィィィィィン!!!?」
肉食の魔獣が現れた為にパニックになった馬たちが、進路を乱しバラける一歩寸前の緊迫した状況の中で、配置されたリアの推したちは主へ声を掛ける。
「このハイエナモドキは我々が引き受けます!お嬢はこの馬たちを!」
「えぇ!任せて頂戴!」
推したちがハイエナモドキの魔獣の数を減らしてくれている間に、本能的に逃げるべくガタガタと悪路を強引に進んでいく馬たちをなんとかしてリラックスさせるべく、リアはビーストマスターの力を発揮する。
彼女は優しい音色を獣奏器で奏でると、馬たちの気持ちを落ち着かせてることに成功した。
「うん、そうそう。このまま進んでもらえる?ふふっいい子ね♪」
無事に落ち着かせ、馬たちを再び進行方向へ誘導していく。
「…みつけた!アレがトラップだね!」
リアの推したちと共になにか出来ないか探していたヤドリガミの少女は、不自然に埋もれた痕を見つけるなりユーベルコード『サイコキネシス』で念力を地面にぶつけてみる。すると、がちん!!と大きな音を立ててトラバサミが起動した。
「わ、危ないの!見つけられてよかったぁ」
一安心したのか、胸を撫で下ろすレイチェル。
その先は何事もなくことは進むことが出来、途中に挟む野外泊でも襲われることもなく家畜たちの護衛に成功したレイチェルとリア。
──こうして、2人の猟兵による活躍によって第二陣の荷物も村へ届いたのだった。
しかし、まだ運搬するべき家畜たちは残っている……!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ラリー・マーレイ
POWで行動。
「隊商の護衛は冒険者の仕事の基本だよな。よっし、頑張るぞ!」
一時も油断出来ない依頼だけど、大勢で旅は出来るし、旅慣れた人達から色々と話も聞けるし、冒険者冥利に尽きる良い仕事だよな。
皆と交代で見張りを行います。怪しい物音や気配に注意し、【第六感】の技能も使って、なるべく早く襲撃に気付いて対応出来るよう警戒します。
野獣等が襲って来たら「来たよ!皆気を付けて!」と隊商に警告し、剣を抜いて敵達に向かって斬りかかります。派手に【なぎ払い】で複数を攻撃し、注意をこちらに引き付けます。
UC【惰眠の呪文】を使い、敵集団を眠らせて数の優位で押し切られない様に。
絶対に隊商には近寄らせないぞ!
高柳・零
POW
荷馬車の護衛任務ですか。冒険者っぽくていいですね。
魔物が実は悪徳商人の手先とか、馬車馬が実はお姫様とか色々想像出来ますねえ…(TRPG脳)。
…積荷が子牛で悲しそうな目で見られるのは嫌ですが。
「小さいので不安?なら、自分の腕を見せましょう」
依頼主の前でカカシを複数置いて、2回攻撃で一体を素早く切り、連続攻撃(範囲攻撃)で全て斬り倒します。腕を認めてもらえたら、護衛を引き受けます。
3mの棒を持って、道をツンツンしつつ進みます。野生動物用の罠はこれで何とかなるはず。
もちろん、周囲にも警戒。夜は人里に泊まるようにします
襲撃があれば、一番強そうな相手を天斬りで倒し、逃げなければ範囲攻撃で散らします
●控える第三波の荷物
「荷馬車の護衛任務ですか。冒険者っぽくていいですね。魔物が実は悪徳商人の手先とか、馬車馬が実はお姫様とか色々想像出来ますねえ……」
高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)である。
TRPG…テーブルトークロールプレイングゲームを嗜む零にとって、(イメージ上ではあるが)よく目にした光景が目の前に拡がる。密かに胸を踊らせつつも馬車へ積載されている家畜たちを見やると、積荷に紛れる子牛が悲しそうな目で見つめてくる。切なそうな表情でこちらを視ないで頂きたい……。
テレビウムという種族自体馴染みがないのだろうか?…依頼主の男性は不安そうに零を見ると、小さく呟いた。
「兄ちゃん大丈夫かー?なんか小さくて不安だなぁ……」
「小さいので不安?なら、自分の腕をお見せましょう!」
零は依頼主の男性に声を掛けてから一度馬車から降りた。彼の目前でカカシを複数置くと、手数重視で1体攻撃、更に素早く広範囲の連続攻撃を織り交ぜ全て斬り倒してみせた。
「こりゃあたまげた……!疑ってごめんよ兄ちゃん!護衛、改めてお願いできるかい?」
「もちろんです。お任せください」
男性が頭を下げて謝罪してくれた上に無事腕を認めてもらえた。腕を認めてくれたことが嬉しくて思わず気分も上がる。さぁ、護衛を引き受けるとしよう。
機嫌を良くしたテレビウムの少年は嬉々として馬車へ乗り込んでいく。
「隊商の護衛は冒険者の仕事の基本だよな。よっし、頑張るぞ!」
拳を握りしめて依頼に臨むのは、零と同伴していた人間の少年剣士であるラリー・マーレイ(見習い剣士・f15107)だ。
「一時も油断出来ない依頼だけど、大勢で旅は出来るし、旅慣れた人達から色々と話も聞けるし、冒険者冥利に尽きる良い仕事だよな」
はやる気持ちを抑えられず、依頼主の男性へ色々と話を降るラリー。自分の知らない話ばかりで心が弾む少年は、わくわくしながら馬車が出発する時間を待った。
●二度あることは三度ある
村を出発して、最後の貨物を積載した馬車はガタゴトと悪路を進んでいく。馬車に揺られながら、ラリーは変わる風景を楽しんでいた…いや、眺めていたが適切か?
「荒野をひたすら突き進むって感じかなぁ…他になにか来たりしないか注意しなきゃ」
盗人やらがいたらすぐに撃退できるようにと、ラリーと零は交代しながら見張りを行う。走行音の他にも怪しい物音や気配に注意しながら、第六感の技能も使い早く襲撃に気付いて対応出来るよう警戒するのだ。
ラリーはいろいろ考えてると、馬の様子が急におかしくなった。
「うわっ!?と、止まれ!!」
依頼主の男性が声を荒げ、馬は嘶き急停止する。
「魔獣が来たよ!皆、気を付けて!」
先に動いたのはラリーだ。彼は隊商たちに警告し馬車から飛び出していく。
「やれやれ。自分も手伝わせていただきますか」
同伴したテレビウムの少年、零も一緒になって協力しながら魔獣の数を減らしていく。
零が見据えるは一番体格が良く、強そうな風貌の個体。
「一番強そうな個体はコレですか……!”天に変わって悪を斬る!”」
零は短い詠唱と共に構えたバスタードソードを振るい、放つ一閃は弧を描いた。煌めいた一刃の元に巨体の魔獣を首から下を見事両断する。
頭を討たれ群れから逃げていく個体はそのまま逃し、立ち去らない者は範囲攻撃を以って散らす。
「命が惜しくなければ…相手になります!」
一方ラリーは剣を抜き、魔獣に向かって斬り掛かった。群れで襲いかかった魔獣を派手になぎ払って複数を一閃してやる。黒い霧となって消えた魔獣はやはりオブリビオンだったようだ。
「絶対に隊商には近寄らせない!”カーフアレフ・ターイ・ヌーンザンメ……”」
静唱するはスリープの効果を持つユーベルコード『惰眠の呪文(スリープクラウド)』だ。対象の意識を奪い眠らせる霧を放ち、自身から一定半径内の指定した全ての対象を眠らせるもの。
追い払い来れなかった残存する魔獣たちをその場でぐっすり眠らせることに成功した猟兵一行は、体力を徒に消費するわけにもいかないので休憩地点に指定した人里へ進路を取るのであった。
周囲にも警戒して進んでいく一行。夜間の襲撃を避けるべく、少し時間がかかっても貨物の家畜たちに害が出ないように人里へ寄り道するルートを提案する猟兵2人。
一泊し、再び出発したあとは何事もなく海沿いの村へ到着することが出来た。
先陣を切った猟兵がトラップを解除してくれていたお陰でスムーズに突破することが出来たからである。
──そして。
三組の同伴した猟兵たちによる護衛と活躍で、予知にあった依頼主が襲われることはなく家畜たちを無事に村へ運搬することが出来た。
猟兵たちが一息つこうとしたその瞬間、茂みからガサガサと音が。音を立てる草むらに潜む者とは一体何が…?!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 集団戦
『戯れる仔竜』
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POW : じゃれつく
【爪 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 未熟なブレス
自身に【環境に適応した「属性」 】をまとい、高速移動と【その属性を纏わせた速いブレス】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 可能性の竜
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●揺れる草むらに潜む影
「ぎゃう!」
「ぎゃぁう?」
「きゃう!きゃうー!」
やかましく草むらを揺らす鳴き声の主は、仲間たちと楽しそうに戯れる仔竜であった。
「こ、子供?子供のドラゴンか?」
可愛らしい風貌をしているが、オブリビオンであることに変わりはない。面食らう君たちに仔竜たちはこちらに気付くと、わらわらと押し寄せてくる。数はおよそ10匹程。
戦意もなく、遊んでほしそうに猟兵に迫る仔竜たち。さぁ、君たちはどう対処する?
●第二章における補足
・かまってほしそうな仔竜たちと遊んであげてください。
・仔竜たちはユーベルコードを用いてきますが大した火力になりません。雀の涙。
・仔竜たちは軽くぺしっと叩くだけで倒せます(追い払えます)。
プレイングの一部に『叩く』『追い払う』など軽度な戦闘プレイングがない場合判定が厳しくなるかも?
推葉・リア
かわいいー♪
オブリビオンが皆この子達だったらいいのに…
じゃあ遊ぼうか!人数多いほうがいいわよね
『バトルキャラクターズ』で子供や動物や可愛いのが大好きな推しキャラ達も呼び出して子竜達と戯れるわ
ほらおいで〜、よしよし…(お腹頭をなでなで)
可愛いね〜良かったね〜♪そっかそっか〜♪(意味がほぼわからない言葉を話しながら撫でる)
ん〜UCは全然甘噛み範囲内…むしろ星色達(BUの鴉達)の甘噛みのほうが痛い…(なでなでわしゃわしゃ)
(散々推しキャラ達も含めて戯れる)
ん〜そろそろ疲れてきた?じゃあ『バイフォックスファイア』でびっくりさせて追い払うわ
倒したほうがいいかもしれないけど…まぁいいか
【アドリブ共闘歓迎】
●仔竜と遊ぼう!
「かわいいー♪オブリビオンが皆この子達だったらいいのに…」
妖狐の女性である椎葉・リアは、小さく溜息を吐きながらも目の前に集まってきた仔竜たちを見据える。
「じゃあ遊ぼうか!人数多いほうがいいわよね♪」
ユーベルコード『バトルキャラクターズ』で子供や動物や可愛いのが大好きな推しキャラ達を呼び出して仔竜達と戯れる事にしよう。
「ほらおいでー、よしよし…可愛いね~良かったね~♪そっかそっか~♪」
意味がほぼわからない言葉を話しながら撫でるリア。動物と話す技能が竜にも通用するあたりほっと一安心。可愛い仔竜は癒やしをくれる。……オブリビオンということは触れないことにして。
「お嬢と一緒に小さくて可愛い竜を愛でられるなんて……♪」
「ぎゃうー♪ ぎゃ、ぎゃう?きゃうー」
リアが推す一人の少年が、一際小柄な仔竜を抱きしめ頬ずりしている様子をみて思わずニヤける。もう何この子達可愛い……(色んな意味で)
(仔竜たちのユーベルコードは子犬と戯れるような感覚だったからか全然甘噛み範囲内…むしろお供の鴉達、星色の甘噛みのほうが痛いからなぁ……)
なんて色々考えながら仔竜のお腹をなでなでわしゃわしゃしてみる。冷やっこいブレスが飛んでくるけどむしろ気持ちいいレベルである。お供の鴉…星色たちも仔竜と戯れている。仔竜の頭をくちばしでつついたり、一緒に空を飛んでみたり。
「んー…そろそろ疲れてきた?」
「きゃうー……」
仔竜たちは遊び疲れたのかくてくてになっていた。
「じゃあ…食べちゃうぞ!がおー」
「ぎゃ!?ぎゃう!ぎゃうー!!」
タイミングを見計らい、ユーベルコードの『バイフォックスファイア』で炎で作り上げた狐の頭に変形させ噛み付くフリでびっくりさせると、一緒に遊んでいた仔竜たちは一目散に飛んでいってしまった。
「あー、行っちゃったー……」
「ホントは退治したほうが良かったのかもしれないけど、こういうのもたまには良いよね?」
推しの少年が寂しそうに空を見上げていたけれど。あの仔竜たち、オブリビオンだったんだよね?……まぁほとんど無害だったし可愛かったからいいか。
可愛い仔竜たちと遊んでほわほわと優しい気持ちが胸の中に拡がる感覚に思わず笑みが溢れるリアであった。
大成功
🔵🔵🔵
高柳・零
POW
一見無害そうに見えますが…合体して巨大化とかしないですよね?
「先ずは様子を見てみましょう」
近付いて無敵城塞を発動します。しばらく反応を見て、大丈夫そうなら解きます。
「性格の悪いGMは油断した所で攻撃して来ますが…大丈夫そうですね(TRPG脳)」
先ずは彼らの姿を画面に映し、慣れて来たら触ったり追いかけられたりして遊びます。
痛い事(噛む、引っ掻く、ブレス)をして来たら、オーラ防御と各種耐性で耐えます
「そろそろ、お家に帰る時間ですよ」
充分に遊んだら、連続デコピン(範囲攻撃)で帰ってもらいます。
「親に構ってもらえなかったり、遊んだり出来なかった竜の子の残滓だったんでしょうか…?」
アドリブ歓迎です
ラリー・マーレイ
アドリブ、共闘歓迎です。
「えっと……何だか全然強くなさそうなんだけど……」
どうしよう、倒さないといけないのかな、やっぱり。可哀想になってくるんだけど……。
盾を構えて、【盾受け】でぶつかって来るのを受け流したりブレスを受け止めたりしながら剣を抜くのを迷います。
こうなったら、あれを使ってみるか。
UC【召喚の呪符】を使用。購入した呪符を使って発動させるUCで、自分で書いた物じゃない上に、実戦で使うのは初めてなので、何が出てきて何をするのか分かっていません。
それでも、この状況を何とかしてくれる何かが出てきてくれる筈!
「と、とりあえずあいつらを追い払って!」
とお願いします。
重ねますが、アドリブ歓迎です。
●一見は百聞に如かず
(一見無害そうに見えますが…合体して巨大化とかしないですよね?)
不安そうに仔竜たちを眺めるのは高柳・零だ。
「先ずは様子を見てみましょうか……」
仔竜へ近付いて『無敵城塞』を発動。仔竜たちの反応をしばらく観察する。無敵城塞の壁をかりかり引っ掻いたりブレスを吐いたりしてはいるけど痛みにはならない。
大丈夫そうだと認識してユーベルコードを解いた途端、仔竜たちはわらわらと集まってきた。
「きゃう?ぎゃうー♪」
「きゃーうきゃーう♪」
「性格の悪いGMは油断した所で攻撃して来ますが…大丈夫そうですね?」
TRPGの雰囲気がどこか抜けない零だが、仔竜の姿を画面に映して眺める。
仔竜たちが慣れて来たら触ってみたり追いかけられたりして遊んでやろう。
「ぎゃうっ!きゃーう!がおー!」
「ぎゃーう♪」
遊んでほしいのか、未熟なユーベルコードを当ててくるけれど対して痛みもない。わざわざ耐性を用いるほどでもないだろう。
「ふふふ。さぁ、追いかけっこの時間です!」
「きゃうー!」
集まってきた仔竜を相手取り、遊ぶこと一時間程。流石に疲れてきた……。
「…そろそろ、お家に帰る時間ですよ?」
充分に遊んだだろう、連続デコピン(と言う名の範囲攻撃)で帰ってもらうか。
「がぁーう!」
「ぎゃうー!」
驚いたように。仔竜たちは翼を拡げ飛び去っていった。
「あの子達……親に構ってもらえなかったり、遊んだり出来なかった竜の子の残滓だったんでしょうか…?」
頭の中に過るのは、あの仔竜たちが骸の海へ向かわねばならなくなったこと。零は、ふとそんなことを思うのだった。
●ちっちゃくて可愛いけど…
「えっと……何だか全然強くなさそうなんだけど……」
わちゃわちゃとしながら同族たちと戯れる仔竜たちを眺め、ラリー・マーレイは1つ溜息を零した。
(どうしよう、倒さないといけないのかな、やっぱり……。可哀想になってくるんだけど……)
恐る恐る盾を構えて、仔竜のじゃれつき攻撃?を盾受けしてみる。ぶつかって来るのを受け流したりしつつ軽い不慣れなブレスを防ぎつつも剣を抜くのを躊躇っていた。
オブリビオンであるはずの仔竜たちからは、吃驚するほど戦意を全く感じない。純粋に、ただ猟兵たちに遊んでほしいだけにしか見えないのだ。
「ぎゃう、ぎゃう!」
「きゃうーくるるる……♪」
…うん、可愛くて剣を抜くのがつらいなぁ…。こうなったら、あれを使ってみるかな?
「゛符の盟約に従い疾く来たりて我に従え゛」
静かに詠唱するのは『召喚の呪符(サモニングチャーム)』の封印を解く為の呪い(まじない)。購入した呪符を使って発動させるユーベルコードだが、実戦で使うのは初めてである。何が出てきて、何をするのかすら分からないけど。それでも…この状況を何とかしてくれる何かが出てきてくれる筈!
姿を表わしたのは……仔竜をそのまま大きくしたような童顔の成龍だった。成龍はきょとんとした顔を浮かべながら、ラリーを見つめた。
「と、とりあえずあいつらを追い払って!」
とにかく、この状況はなんとかしないといけないだろう。
「ぎゃぁう?……ぐるるるる!がぁーう!!!
「ぴゃあぁぁぁぁう!?」
召喚された成龍は吠え声を上げると、周りにいた仔竜たちは一目散に逃げ出した。その後、ぽむんと音を立てて札に戻った。
こ、コレでなんとかなった……よね?
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
レイチェル・ケイトリン
オブリビオンは世界をこわしちゃう敵。
だから見た目がかわいらしくても、いまはおそってこなくても、わたしはきにしないよ。
でも、すっごくいやな予感がするんだよね。
ダミーアニマルで動物の偽物をいくつもつくって念動力であやつって、じゃれつきをうけるよ。
そしてなかよくするようにうごいて、かけっこのように馬車からひきはなすの。
心配なの、警戒心がぜんぜんないこどもってとこが。
「警戒心を持たせないほどしっかりまもる親」がいそうで。
もちろんそれもやっつけなきゃいけない敵だけど、いまはわたしたちもまもんなきゃいけない人がいてまもんなきゃいけない馬車とかがある。
むりはできないものね。
●燻る違和感
──オブリビオンは世界を壊してしまう敵。
「だから見た目がかわいらしくても、今は襲ってこなくても、わたしは気にしないよ」
でも、すっごくいやな予感がしてるんだ。なんでだろう?
レイチェルは、胸の中に燻る不安の元を考えながら、仔竜たちと遊び始める。
「ふふ。いいよ。おねえちゃんと遊ぼっか」
「がう!ぎゃう♪」
「心にえがくよ。生命、それぞれがもつ姿。木の繊維組織と水分、土の鉱物と色素成分、くだいてつないでかためて、わたしの心の想いのままに」
ユーベルコード『ダミーアニマル』で動物の偽物をいくつも造り上げて、彼女自慢の念動力で操る。動物の群れ…かなり出来が良いと自負できる代物が出来上がった。
興味を示した仔竜たちは、わらわらと土人形に集まってくる。ここまでは予想通り。
彼女の目的は、護衛対象の馬車から仔竜たちを距離を稼いで離れさせることだったからだ。
(大丈夫、わたしならうまくやれる…でも……ちょっと怖い。不安)
レイチェルが心配になるのは無理はない。眼の前にいるオブリビオンが警戒心が全く無い子供である事と、近くに『警戒心を持たせないほどしっかり護る親』がいそうな気がして。
もちろんそれらも出てきたならやっつけなきゃいけない敵ではあるんだけど、今は仕事で来ていて護らなきゃならない人も物もある。無理は禁物……。
「…きゅ?きゃうー……?」
心配そうに、一匹の仔竜がレイチェルを見上げて。微笑みを浮かべ、少女は近づいてきた一匹の仔竜を抱きしめた。
「ごめんごめん。さ、遊ぼっか」
「きゃうっ♪」
しばらくして。
遊んで満足してもらえたのか、仔竜たちはまんまるになって眠っていた。
「……さすがに、そろそろ追い払わないと」
小さく呟いて、ダミーの土人形を爆発させ、驚いた仔竜たちは脱兎の如く飛び去っていった。
「…これで上手く行けば良いんだけど」
未だ消えない違和感を抱きつつ、少女は仔竜たちの姿が消えるまで空を見上げていた───
大成功
🔵🔵🔵
月藤・紫衣
可愛い仔竜と出会えると聞いたのですが。
ああ、これは愛らしいですね。
しかし、遊び方がわからないので、とりあえずまだ飛べないのでしたら【怪力】で上に投げて高い高いや、飛べるのでしたら【追跡】する鬼ごっこなんていうのはどうでしょうか?
仔竜たちが満足するまで、たくさん遊びましょうね。
満足したようすが見受けられれば、大変名残惜しいのですが、解散の時間にしましょう。
傷付けるのは本意ではありませんから、鞘からは抜かずに刀を構えておもいっきり振り抜くことで【衝撃波】を発生させ、驚かせて追い払おうと思います。
(アレンジetc歓迎)
●『可愛いは正義』って人以外にも言えるよね
「可愛い仔竜と出会えると聞いたのですが……?」
猟兵たちの間で『可愛い仔竜と触れ合える』という話を聞きつけ、依頼の地へ訪れた羅刹の男性は月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)だ。
「ああ、これは愛らしいですね…♪さて何して遊びましょうか?」
そうは言ってみたものの、仔竜たちとの遊び方がわからない。とりあえずは仔竜たちの観察を行うことにした。
「きゃう?きゃうー」
「ぎゃう!きゃう!」
新しい人だ!と言わんばかりに集まってくる仔竜たちに、思わず紫衣にも笑みが溢れる。
他の猟兵たちを眺めるに、お腹を撫でたり、あえて幼い攻撃を受けてあげたりしている様子。戦闘の練習にでも付き合ってあげれば良いのだろうか?
「きゃうきゃう♪ きゅー!」
「ふふふ。さて、私達も遊びましょうか?」
一匹が空に。ならばこちらもとふわふわと楽しそうに空を飛ぶ仔竜を追跡する形で鬼ごっこに興じてみよう。
仔竜たちが満足するまで……心置きなく遊ぶとしようか?
──柄にもなく長い時間遊んでいたらしい。周りの猟兵たちも最後の仕上げに取り掛かっていたようだ。仔竜たちは猟兵たちに遊んでもらえて満足した様子。名残惜しくはあるが、そろそろ解散の時間にしなければ。
オブリビオンとはいえ、まだ小さい彼らを傷付けるのは本意ではないし、鞘からは抜かずに刀を構えておもいっきり振り抜くことで衝撃波を発生させてみる。
「ぎゃう!ぎゃーう!!」
ぶおん!!と大きな音と衝撃波による風圧でびっくりしたのか、仔竜たちは驚いて飛び去っていく。
「ぎゃうー!」
「さよなら、小さな怪獣さん。楽しかったですよ」
空へ溶けるように消えていく仔竜の姿を見送りながら、紫衣は小さく呟いた。
成功
🔵🔵🔴
十朱・幸也
【SPD】
……可愛いな、コイツら
なんかすげぇ遊んでほしそうなんだけど大丈夫か?
一応、コイツらもオブリビオンなんだよな……?
とりあえず、いつでも千薙で【かばう】が出来る様に構えておく
急に強力な個体が出るとかなけりゃ、まァ……写真くらい撮るか
ブレねぇ様にタイミングは【第六感】【見切り】で判断
【撮影】技術でベストショットを狙うぜ
ほらほら、動くなよー?
もふもふじゃねぇケド、撫でたりはしてみてぇな……
仕事のストレスが癒されるわ、マジで
なんだか勿体ねぇし、可哀想だけどな……
千薙を動かして、当たらねぇ様に気を付けながら薙刀を振り回して追い払う
ま、縁があればまた会おうぜ(けらけらと笑って)
高柳・零
POW
まだ遊び足りない子が居ましたか。
「流石に、もう怖がりませんよ。さあ、一緒に遊びますか」
今度はこちらから積極的に遊びに行きます。
撫でたり、走り回ったり、一緒にお菓子を食べたり。
ひとしきり遊んだら、手を振って帰るように促します。
ぐずったら、ハグしてからデコピンします。
去って行く仔竜達に手を振りながら「次は良いお母さんの元に生まれる事を祈っておきます」と呟きます。
完全に見えなくなったら、一緒に遊んだ映像を画面に再生しながら「これで、何時も一緒ですよ」と言いながら仕事に戻ります。
アドリブ歓迎です。
●ぷにぷにろりしょたどらごんに癒やされて
「……可愛いな、コイツら」
グリモアの転送先に降り立ったダンピールの男性、十朱・幸也(鏡映し・f13277)は開口一番そう零した。
わらわらと幸也の足元へ集まってくる仔竜たちを眺めて、思わず言ってしまったのだ。まぁ無理はないよね、この仔竜たち可愛いもん。
「なんかすげぇ遊んでほしそうなんだけど大丈夫か?一応、コイツらもオブリビオンなんだよな……?」
「きゃうぎゃうー!きゅー♪」
「きゃーう!きゃうー!」
無邪気過ぎる相手の反応が少し怖いが…とりあえず、いつでも千薙…連れてきた和服の人形で攻撃を防御出来る様に構えておきながら、仔竜たちと他の猟兵たちと同じ様に遊ぶことにしてみる。
「遊ぶたってなァ…ま、コイツら可愛いし写真くらい撮るか」
撮影するタイミングは第六感と見切りで判断しながら、仔竜たちが戯れる様子をカメラにぱしゃぱしゃと収めていく。
「ほらほら、動くなよー?」
「きゃうー♪」
こんなところで撮影技術が活きるとは思わず幸也本人も苦笑しつつもベストショットを狙っていく。いやぁ、オブリビオンとはいえどこうやってわちゃわちゃしている様子は純粋に可愛い。
(もふもふじゃねぇケド、撫でたりはしてみてぇな……)
誘惑に負け、一匹の仔竜を抱きかかえてみると。
「きゃう?きゅー♪」
可愛い声で鳴きながら頬に鱗が発達しきっていないぷにぷにな頬を擦り付けてくる。あまりの可愛さに日頃のストレスが癒されていく感覚すら覚えるくらいにほわほわと優しい気持ちになる。
──しばらく戯れていると、周りの猟兵たちも仔竜たちを追い払っている様子が目に入る。
「なんだか勿体ねぇし、可哀想だけどな……ま、倒したりはしねェから、大丈夫だろ」
千薙を動かして、攻撃が仔竜たちに当たらない様に気を付けながら薙刀を振り回して追い払う。びっくりしたのか鳴き声を上げながら空へ飛び立っていく仔竜たち。
「ぎゃ、ぎゃうぅ…」
「きゃうぅー」
「ま、縁があればまた会おうぜ♪」
けらけらと笑いながら、幸也は空へ消えゆく仔竜たちを見送った。
●純粋で優しいココロは誰にだって
かさがさ、ひょっこり。きょろきょろ。
一匹、茂みから出てくる仔竜に気づいたのはテレビウムの少年、高柳・零だ。周りを探しているのは仲間たちか、それとも。
「…おや?まだ遊び足りない子が居ましたか」
「きゅ…?きゅー」
茂みから頭を出す形でこちらを眺める仔竜に、零は優しく声をかけた。
「流石に、もう怖がりませんよ。さあ、一緒に遊びましょう?」
仔竜に手招きして、こちらに誘い出してみる。好奇心が強い仔竜はおとなしく茂みから出てきてくれた。
今度はこちらから積極的に遊んであげようと距離を詰める。零は仔竜を撫でたり、一緒に走り回ったり。持っていたお菓子を仲良く食べたりしてみた。
「ふふ、楽しいですか?」
「ぎゃう!ぎゃうー♪」
零の問いかけに嬉しそうに尻尾を振って返す仔竜。ぴぴぴ、電子音を鳴らして嬉しそうな表情を浮かべる仔竜の姿を画像を密かに残した。これは、自分にとっても大事な思い出に成る……そう思えたから。
─どれくらい遊んでいただろう?
隣でダンピールの男性が仔竜たちを追い払っている様子を見て、おそらく最後の一匹だろうこの子に手を振って帰るように促して。
「ほら、みんな帰っちゃいましたよ?キミも帰らなくちゃ」
「きゅ、きゅうぅー……ぎゃう、ぐー…!」
その様子はまるで駄々をこねる子供のようで。涙目になっている仔竜を抱きしめてから痛くない程度のデコピン。
「皆が待ってますよ。またいつか遊べますから。だからほら、ね?」
「ぎゃう、ぎゃう!…くるぅー……」
離れたくないのか、行ったり来たり。やっとこさ踏ん切りがついたのか、仔竜は翼を広げ仲間たちのもとへ去って行く。
「次は良いお母さんの元に生まれる事を祈っておきます」
…そう、ちいさく呟いて。仔竜たちの姿が完全に見えなくなってから、一緒に遊んだ映像を画面に再生してみる。
「これで、何時も一緒ですよ」
胸に灯る暖かな気持ちを抱いて、少年は仕事に戻るのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『深海に住まう悪魔』
|
POW : 空中まで届く突進
自身の肉体を【水中に沈め、急上昇で攻撃する際、より軟体】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
SPD : 海中へと引きずり込む
【水中に一旦潜り、相手の死角より伸びた触手】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 高速移動
【毒を内包した10本の触手】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【(海)を高速で移動し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「宇冠・由」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猟兵たちが仔竜たちとの交流の後、馬車に積んだ荷物や家畜を村へ搬入していると、ソレは海から姿を表した。
和人の予知に出てきた大きな魔物は海魔…イカ型の大型オブリビオンだったのだ。
「ひぇ、で…でたぁ!!?」
依頼主の男性は尻もちをつき、腰を抜かしてしまったらしい。
「危ねェ!!!」
ダンピールの男性が、間一髪のタイミングで依頼主を抱きかかえ距離を取った。海魔から振り下ろされる豪腕に叩きつけられて、空の馬車が木っ端微塵になる。
「コイツが予知の魔物か!仔竜たちは囮ということか…!」
「…大きな親龍じゃなかったんだ。それなら、全力で戦えるね」
猟兵たちは武器を構えて、元凶の海魔を討伐するべく動きだした……!!
●第三章における補足
・特にありません!ボスは純戦になります。おもいっきり暴れちゃってください☆
レイチェル・ケイトリン
「念動力」と「範囲攻撃」の技能でユーベルコードの「絶対零度」をつかって敵をこおらせてやっつけるね。
敵の突進や触手や毒も「絶対零度」でこおらせてとめるよ。
敵のうごきを「第六感」もつかってはやめに把握して、「カウンター」と「クィックドロウ」と「早業」ですぐ反応するからね。
ほかの猟兵さんへの攻撃もおなじように「絶対零度」でとめるね。
「かばう」技能もつかえるから。
わたし、敵の攻撃をふせぐならいつもは「刹那の想い」をつかうの。
触手なら「サイコエッジ」できりさくよ。
でも、海にいる敵だから、「絶対零度」で海といっしょにこおらせて高速移動できなくする。
そしてにがさないようにするの。
村のひとたちをまもるために。
十朱・幸也
【SPD】
コレで親龍が相手とかだったら、ちと戦い辛かったケドな
何も関係ねェヤツならラッキーってモンだ
心置きなくブッ飛ばせるしなァ!
依頼主、或いは他の猟兵が狙われた時の為に
俺か千薙で【かばう】が出来る様に常に警戒しておく
攻撃は基本、遠距離で戦姫を
【なぎ払い】【フェイント】【スナイパー】を併用する
邪魔な触手、全部ぶった斬ってやろうぜ……相棒
相手の海中からの死角を突く攻撃には
ゲーマーの勘(【第六感】【見切り】)で対処する
伊達に対戦格闘ゲームもやってねェっての!
もうちょいソコら辺の駆け引き、覚えてから出直しな……逃がすつもりはねェけどよ?
推葉・リア
大ボスはイカだったのね…海から上がって暴れるイカなら容赦しないわよ!
フォックスファイアで焼きイカにしてあげる!
レベル分の狐火を出して、触手を重点的に当てて燃やしていくわ
触手の先だと振り回して私達も危なくなるから、付け根をなるべく延焼させて…、これなら振り回したくなくなるでしょ?
ん〜ここまで大きいのなら部位破壊できるかしら…?
トドメに『バトルキャラクターズ』で大ぶりの武器を持った推しキャラを呼んでさっきまで燃やしていたところを重点的に攻撃してもらって私も『バイフォックスファイア』でがぶりと噛みちぎる!
…焼きイカにしているものの…このイカは余り美味しくなさそうね…
(狐火で出来た頭で咀嚼しながら)
ラリー・マーレイ
「大きい……!こんなのと戦えるのか……!?」
しかも、海戦は初めての経験。持ってる武器は近接用だけで、遠距離攻撃は魔法しかない。しかも、覚えてる呪文は殆ど補助系で、攻撃魔法は初歩の火炎系だけ。
『火の魔法って、普通水の中の相手には相性悪いよな……』
有効手が思いつかなくて、暫く迷います。
……何もしないのが一番ダメだ!一か八か!
UC【発火の呪文】、無数の火球を生み出し【属性攻撃】【誘導弾】で集束し敵に叩き込む!
自分でも知らなかったのですが、物理を無視した「純粋な魔力の炎」なので水中でも燃えるし減衰もしません。
「……こんな使い方も出来るんだ」
力の使い方を一つ学んだので、以降炎で仲間を援護していきます。
ジェラルド・マドック
仔竜と触れ合いイベントがあるんだって?
え、もう終わった?
そうかぁ、それならそれでこのイカを倒すことに専念しよう
海より少し離れた所からUCで味方の戦力増強するよ
サウンドウェポンをフィドルに変えてケルト調の明るい曲を弾き歌いしよう
♪さぁ猟兵よ武器を掲げて
長い旅の道のりと比べたらずっと小さなイカなんて倒せない理由は無いだろう
酒場では黄金色のエールに魚の香草焼きや煮込料理が旅人の訪れを待っている
敵の攻撃は情報収集・戦闘知識・視力で見切った上で避けるよ
高速移動といっても陸の上では効果が弱いみたいだね
俺は海の方で戦う味方にだってスピーカーも使って音が届けられれば効果がある以上リーチが違うのさ
アドリブ歓迎
●みんなの気持ちを1つに
「村の人たちを護るために、わたしは戦う…!」
拳をぎゅ、と握りしめる少女はレイチェル・ケイリントン。
「コレで親龍が相手とかだったら、ちと戦い辛かったケドな?何も関係ねェヤツならラッキーってモンだ」
出てきたのが仔竜の親龍出なかったことに安心していたのはダンピールの男性、十朱・幸也だ。
「……心置きなくブッ飛ばせるしなァ!」
…もしかしてこの吸血鬼の兄ちゃん、思いの外血の気が多かったりする?
「大ボスはイカだったのね…海から上がって暴れるイカなら容赦しないわよ!」
妖狐の女性、椎葉・リアは、戦意たっぷりの眼差しで海魔を射抜いて。
「大きい……!こんなのと戦えるのか……!?」
狼狽えるのは人間の少年ラリー・マーレイだ。彼にとっても海戦は初めての経験。けれど彼は戦う。生き残るために。
「仔竜と触れ合いイベントがあるんだって?え、もう終わった?そっかぁ、それならそれでこのイカを倒すことに専念しようかな?」
くすくすと楽しそうに笑いながら皆の元へ現れたのはジェラルド・マドック(しがない演奏家・f01674)だ。
猟兵たちは、目の前に立ちはだかる巨大なオブリビオンの撃破のために動き出した!!
●戦闘開始!!
先に動いたのは、イカの方だった。巨大イカは、一番小さなレイチェル目掛け空中まで届く突進を放つ。
ソレは、自身の肉体を水中に沈め、急上昇で攻撃する際、より軟体に変え、一定範囲まで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与するというもの。
「───────!!!」
うまく聞き取れない声。けれど、あれが敵対心を剥き出しにしていることだけはわかる。猟兵たちに牙を剥く巨大海魔は、容赦なくその毒手を振りかざした。
レイチェルは、奴の攻撃手段である触手や毒も、彼女のユーベルコード『絶対零度』で凍らせるべく動いた。
奴の動きは第六感を使って先読み気味に把握。重い一撃に対してカウンターとクィックドロウ、早業ですぐ反応できるように。
ジェラルドは猟兵の皆が見える範囲に移動して、少し離れた所からユーベルコードで味方の戦力増強に掛かる。持っていたサウンドウェポンをフィドルに変えると、ジェラルドはケルト調の明るい曲を弾き歌いあげていく。
(♪さぁ猟兵よ武器を掲げて♪長い旅の道のりと比べたらずっと小さなイカなんて倒せない理由は無いだろう♪酒場では黄金色のエールに魚の香草焼きや煮込料理が旅人の訪れを待っている)
依頼主、或いは他の猟兵が狙われた時の為に和服人形の相棒…『千薙』でいつでも庇い行動が出来る様に常に警戒しながら幸也は、巨大海魔の出方を伺っていた。
「────!」
「依頼主さんはこちらで避難させておきます!!」
仲間の少年、ラリーからの声掛けに応じた幸也と千薙のコンビは、暴れる触手の対応に出る。
「すまん、ラリー!”踊り狂え、千薙”全部片っ端からぶった斬ってやろうぜ……相棒ッ!!」
近距離攻撃は他の猟兵たちに任せ、自身らは遠距離で攻める形式を取り、幸也たちは攻撃に出る。
『戦姫(カラクリノマイ)』……幸也自身に千薙に蓄積されていた怨嗟、呪詛をまとい、高速移動と千薙の持つ薙刀による高威力の衝撃波の放射を可能とする。
「行くぜおらぁぁぁぁぁッ!!!」
幸也は千薙と共に、レイチェルの一撃によって身動きを封じられている巨大海魔を肉薄すると、千薙の薙ぎ払いで触手を一本両断した。
「───────!」
海魔の攻撃は仲間たちの行動を眺めながらジェラルドは情報収集を行って、戦闘知識を活かしながら自前の視力で先読みで回避していく。
「─────!!」
触手がレイチェルを捉えようと伸びてくる。ほんの一瞬に、彼女は『サイコエッジ』…念動力を圧縮して形成され放たれた刃で伸びてきた触手を破断する。
「好きにはさせねェ!!千薙ッ!」
幸也の指示で千薙が前に出ると、海魔の動きを牽制するべく薙刀で襲いかかって。
「ふふふ、少しばかり遅いね?」
さらにジェラルドによる軽やかな回し蹴りが海魔に直撃。空を舞いながら海へどぼんと叩き落とした。海面から触腕を出して、一気に伸ばす。
「危ないっ!!」
レイチェルの叫びとともに、振り降ろされた別の豪腕が彼女の冷凍攻撃によって、作業中の馬車が粉砕されるのを間一髪のタイミングで留められた。
海にいる敵なら…絶対零度で海と一緒にに凍らせられるはず……それなら。
「静かな時間、わたしの心が原子を止める……!!」
再度、『絶対零度』の詠唱が始まる。その間に、仲間の猟兵たちは巨大海魔による触腕の動きを撹乱しながら少しずつダメージを与えていく。
そして、放たれた空間冷却術によって近辺の海を急速冷凍。海魔の動きを封じ込んだ。
「みんな、いまだよっ!!」
レイチェルの叫びに反応するかの様に飛び込んでいく猟兵達。
「火の魔法って、普通水の中の相手には相性悪いよな……」
持ってる武器は近接用だけで、遠距離攻撃は魔法しかない。しかも、覚えてる呪文は殆ど補助系で、攻撃魔法は初歩中の初歩である火炎系だけ。ラリーは有効手が思いつかなくて暫く迷う……けれど。その迷いはすぐに断ち切られることになる。
「私の十八番よ!さぁ燃えちゃって!」
『フォックスファイア(モヤシツクスキツネノヒ)』を放ちリアは焼きイカの如くこんがりと焼き上げるつもりで放つ。
総じて20個の狐火を仲間たちの攻撃で傷を負った触手を重点的に当て燃やしていく。物理を無視した『純粋な魔力の炎』は水中でもちゃんと燃えるし減衰もしない。(ご都合主義とか言っちゃいけない)
「これでどう!?」
追加の狐火が直撃しメラメラと燃え上がるイカ。自身の魔力で火力を上乗せしている分、火傷も深く、黒い焦げになっていく。
仲間の妖狐の女性、リアが狐火で攻撃しているのが有効であることが目の前で証明されていたところだった。
「えーい、悩んでたってしょうがない!一か八か…”ヘーア・ラーイ・ターザンメ……”イグナイト…ファイアッ!!!」
ユーベルコードの詠唱を済ませ、無数の火球を生み出し誘導弾として集束させて…海魔へ一気に叩き込む!
腹が立ったのか一部を紅く染め上げ、釣られるように海から出てくる巨大なイカ型オブリビオン。相手のユーベルコードで加速状態ではあるものの陸の上では効果が弱いようだ。
ここでリアは待機させていた『バトルキャラクターズ』で大振りの戦斧を持った推しキャラを1人呼び寄せて追撃させる。
「ここまで大きいのなら部位破壊くらいできるかしら…?お願い!」
「任せろお嬢! どりゃぁぁぁッ!!!」
燃やしていたところを推しキャラと一緒になって重点的に攻撃。リアも畳み掛けるべく『バイフォックスファイア』で炎狐の頭に手を変形させてがぶりと噛みつき、喰らった。
「ふんッ!!」
とあるゲームキャラの見よう見まねで少々不格好なものではあったが、幸也は炎の魔法で氷が溶け火傷を負って焼けただれていた部分へ追撃の掌底を叩き込む。
「────!?!?」
傷口目掛け放たれた一撃による痛みに、思わず悶える海魔。痛みをごまかすように溶けた海水の中へ姿を消す。しかし、海魔のこの動きも予想通りの行動であった。
刹那、海水から触手による攻撃が飛んでくる。おそらく死角を突く攻撃のつもりだったのだろうが幸也が長年培ってきたゲーマーの勘…第六感と見切りの合わせ技で回避に成功する。
「伊達に対戦格闘ゲームもやってねェっての!」
「俺は海の方で戦う味方にだって…スピーカーも使って音が届けられれば、効果がある以上リーチが違うのさ」
ジェラルドの支援により士気も高揚している今が好機。そう踏んだ猟兵達は、動きが遅い地上で残りの触腕を凍らせて、丸焼きにして、剣と薙刀で一閃。巨大な海魔を勢いのまま美味しそうに焼き上がったイカ焼きに仕立て上げた。
「もうちょいソコら辺の駆け引き、覚えてから出直しな……ま、逃がすつもりはねェがな?」
幸也はにーっと鋭い八重歯を覗かせながら笑って。
「こ……こんな使い方も出来るんだ」
また1つ、彼は知識を得ることが出来、思わず呟いてしまうラリー。
「焼きイカにしているものの…このイカは余り美味しくないわね……」
出来上がった焼きイカの一部を咀嚼してみるも、見た目は良いが味に関してはあまり美味しいとは言えなかった。コレなら屋台のイカ焼きの方が何倍も美味しいなー……と、リアは呆れ混じりに小さく呟いて。
「みんな、お疲れ様!飛び込み参加だけど皆の支援ができてよかったよ」
ハイタッチを交わす猟兵達。あとは残りの積荷を村に搬送すれば無事に任務完了である。
「さーて、最後のひと仕事、頑張っか!」
「動物の運搬は私も手伝うわ」
「あ、わたしもやる」
そう口々に言いながら、猟兵たちは護衛した荷物の搬入を手伝うのであった。
猟兵たちはテキパキと残りの作業を済ませると、村の人達からご馳走を振る舞われたとか。こうして、アックス&ウィザーズの世界で起きた事件は無事に幕を閉じた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2019年03月26日
宿敵
『深海に住まう悪魔』
を撃破!
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