柳・依月
【ドヴェルグ】4名で共同ノベル希望
●キャラ概要
普段は大学生
ノリのいい、でもそれなりに落ち着いてる普通の現代の若者
新しい妖怪(ネットロア)がその正体
和洋折衷や和風なものを好む
●他参加者に対して
呼び名:ゼロ、尚人、アレックス(※アレクサンドロのこと)
全員呼び捨て
いずれとも関係は友人
●ノベル概要
紅葉の見える料亭でスイーツバイキング
普段は懐石料理とか出してる高級料亭だが、紅葉が見頃の時期に若者を寄せるための特別イベントとしてスイーツバイキングをやっている
これだけでは要素が少ないかもしれないので、以下のパートをお任せでいれてください
・料亭までの移動
料亭が思っていたより山の中にあり、たどり着くまで歩き疲れる
「む……運動は依頼で十二分にしてるぞ。ちょっとその……服装を間違えただけだ」
しかし綺麗な紅葉に疲れが吹っ飛ぶ
・紅葉の押し葉で栞作りのワークショップ
・和菓子作り体験
●心情
何とも風雅だし俺好みのシチュエーションだな
スイーツバイキングってのもいいじゃねえか
俺割と甘いもん好きだけど、男だとなかなか行く機会ねえんだよな……
●行動
芸術的なスイーツに「おお……よくできてるもんだな、これ食べられるのか?」と驚嘆
じっくりと選ぶ
和風系を中心にいくつか盛っていく
スイーツを取り終わり、景色の良い席にみんなで付く
心霊スポット巡りとか、依頼に行くとかもいいが、たまにはこういうゆったりした時間もいいもんだな
ゼロ・ブランク
【ドヴェルグ】
尚人くんと依月くんとアレクさんと、スイーツバイキングに行くよぉ~~!!
(ゼロの概要)
・ざっくばらんとかガサツとか、そんなタイプ
・いつもニコニコ、天真爛漫、記憶喪失で過去の記憶が無いのだがそんな事一切感じさせない
・カワイイモノ、オシャレなモノ、大好き!うさぎ、最高!!
・喋り方は「~だね」「~だよ」と普通のテンションもあれば、「~だねぇ!」「~だよぉ~」「~かなっ♪」等元気に跳ねたり伸びたりといった口調
(シチュエーション)
紅葉の見える料亭でスイーツバイキングを楽しむ
(心情)
紅葉♪紅葉♪そしてスイーツ♪
秋の魅力がたっぷり詰まったバイキング~~楽しみだなぁ♪
綺麗な景色を見て、何か良い創作アイデアが浮かんだりしたら良いなぁ~~
(行動)
色とりどりの宝石が並んだような美しいスイーツの数々に、テンション爆上がりのゼロ
尚人や依月、アレクさんにコレ見て!アレ見て!!と話しかけつつ、しっかりスイーツを皿に盛っていく
あっという間に皿はいっぱいに
一通りスイーツを取り、紅葉の庭がよく見える席に着く
食べる前にちょっと待って!とスケッチブックを取り出し、ザクザクと風景とスイーツをスケッチした
そしてスイーツに舌鼓、いもくりなんきん最高!!
自分の皿に乗せられなかった種類のスイーツは、男性陣のお皿をじーっと見て「……一口ちょうだい?」
なお、ゼロに全く悪気は無いが、帰宅したら恋人というか妻に叱られるであろう
●紅葉続く道
「紅葉♪ 紅葉♪ そしてスイーツ♪ 秋の魅力がたっぷり詰まったバイキング~」
楽しみだなぁ、と歌声に乗る気分の色さえも紅葉しているようにゼロ・ブランク(スリーオーブラック・f42919)は大きく手足を振りながら山道を歩む。
落ちた葉を踏みつける度にこすれる音が彼女の歩みのリズミカルなことを教えるようであった。
ずんずんと先頭を往く彼女はご機嫌であった。
記憶喪失で過去の記憶がないにしては、あまりにも楽観的な生き方であると捉える者もいたかもしれないが、悲嘆に暮れていたって仕方ないと言わんばかりに彼女は天真爛漫そのもののように山の傾斜などなんのそのと進んでいくのだ。
その後に続くのはアレクサンドロ・ロッソ(豊穣と天候を司る半神半人・f43417)だった。
「依月よ。お前はもう少し運動した方が良いかもしれんな?」
「む……運動は、十二分に、してるぞ」
「にしては息が切れている」
「……服装を間違えただけだ」
アレクサンドロの言葉に柳・依月(ただのオカルト好きの大学生・f43523)は切れる息を誤魔化すように言う。
だが、言葉がぶつ切りに思える。
山道を歩くには少し不慣れであることを示すような和装だった。しかし、ファッションというのは、その人のこだわりを示すものだ。
譲れぬ者は譲れぬのだ。
なんだかんだ言っても、この山道に歩き疲れているのは明白だった。
依月にとって、この山道はなれぬ道程であった。
「でも紅葉の見える料亭だなんてびっくりだよな」
そんな二人の後ろから日野・尚人(あーちゃんの早朝襲撃に断固抵抗する会終身(?)会長・f01298)が言う。
彼は三人の一番後方にいた。
それは彼の世話焼きな一面が出ているようであった。
そう、体力的に言えば先頭を歩んでいてもおかしくない年齢である。けれど、和装たる依月がなれぬ山道で転んでしまっては、せっかく皆で出かけたというのに面白くはない。
万が一の時を考えて後方で控えていたのだろう。
今まさに四人は山の上にて構えられた料亭のバイキングに向かっている途中なのだ。
アレクサンドロは、料亭でスイーツバイキングという組み合わせに若干違和感を感じていた。彼にとって料亭とは店主たちから客に対するおもてなしを受ける場所である。
対してバイキングというのは、所謂立食パーティに近しいものがある。
誰かにサーヴされるでもなく、自らを給仕として食したいものを食す。
それがバイキングなのだ。
となれば、組み合わせとしては首を傾げるところがあったのだ。
だが、それもまたアレクサンドロにとっては興味をそそられるものであったのだ。
「此処か」
「そうみたいだな。へぇ、流石に山中だけあってあちこち自然がいっぱいだなぁ」
「綺麗だねぇ♪ うん、なんだか良い創作アイデアが浮かんできそうな予感がするよ♪」
「はぁ……はぁ……」
四人はそれぞれに感想を述べる……が依月は息を切らしていた。
なれぬ道中であった。
だが、彼にとってスイーツバイキングは見逃せないイベントであった。
甘いものは好きだ。
一口に甘いと言っても多くの種類がある。
それにバイキングである。その魅力は何処まで言っても、『たくさん』である、ということだ。
バラエティに富んだ甘味が居並ぶ様子を想像しただけで、山道の疲れが吹っ飛ぶようだった。
「大丈夫か、依月よ」
「……ん、ああ。大丈夫だよ。いや、元から平気だけど?」
「あはは、強がってる」
「ない」
「語るに落ちているぞ」
「はいはい、それくらいにしてさ、行こうよ!」
ゼロはもうテンションが入店前から高い。
このシチュエーションとロケーションに心が浮足立っているようだった。
「わかってるってば。でもさ、柳とアレクサンドロはともかく、俺とゼロは場違い感半端ないな」
尚人は料亭の雰囲気に若干飲まれていた。
作法、マナーを一つ間違えればつまみ出されてしまうのではないかと思ってしまったのだ。ドレスコードとかあったらどうしようとさえ思っていたのだ。
四人の姿格好は尚人からすれば二分される。
無論、己とゼロはフランクな、ラフなという格好である。
逆にアレクサンドロと依月はクラシカルな装いであった。それに佇まいも落ち着いている。
「そっかな~? でもさ、こういうのは」
「だよな。楽しんだ方がいいよな。折角来たんだし♪ よーし♪ 目指せ全品制覇♪」
少し陰った思いも友達と共にやってきたのだ、簡単に吹き飛んでしまう。
ゼロはその意気だ~と先んじて料亭の中に足を踏み入れる。
そこに広がっていたのは、目を瞠るような光景であった。
「わ~……まるで宝石みたいだねぇ~♪」
ゼロは眼の前に広がっている光景に飛び跳ねる。
「洋の東西を問わず、か。料亭にてスイーツバイキングと聞いて想像し難いものがあったが、なるほどこれは見事だな」
アレクサンドロは、西洋の菓子については食べ慣れているが、東洋の、それも極東たる日本の和菓子というものに馴染みがなかった。
それ故に精緻なる細工の施された和菓子の彩りと形に息を呑む。
「いや、それだけじゃあないな……洋菓子も、これは相当に卓越した職人がいると見て取れる」
依月はスイーツが好きだ。
自身が男性ということもあって、なかなか公言することも、出向く機会もそう多くはない。
だが、眼の前に広がっているバイキングの光景は彼の心を高揚させるものであった。
「これなんかよくできているもんだよ。本当にこれ食べてもいいものかと思ってしまうな」
ゼロが宝石のような、と形容したのがよくわかる。
芸術。
そう呼んでも差し支えのないほどに色鮮やかであり、形も様々である。
これだけの数を作ったと言うのに一つ一つに違いが見受けられない。
熟達した職人の手業というものは、ここまでの領域に到達するのかと思わせるものであった。
「ふむ。これは選ぶのに迷いが生まれてしまうな」
アレクサンドロにしては珍しいことだったかもしれない。
即断即決。
こういうことに迷うことはないように思えたのだ。
「食べるのが惜しく思えてくるよな」
「無論」
「なーに、二人して固まってるんだよ。迷っている暇なんてないぜ!」
ほら、と尚人が二人の皿の上にひょいひょいとスイーツを置いていく。
迷っている時間がもったいないと言わんばかりだった。
「む。それはそうだな」
「おいおい、そんなに一気に……でもまあ、確かに迷ってばかりじゃあな」
「そうだよ~♪ あ、それ美味しそう! どこどこ? それどこにあったの!?」
「あはは、あっちだってば。逃げやしないから取ってこいよ。席、先に行ってるぞ?」
「ああ、待ってよ~!」
騒々しくも楽しい四人のスイーツセレクト。
皿の上には色とりどりにして東洋西洋問わずの菓子が並ぶ。
雑多な、と思われるかもしれない。
けれど、これはバイキングなのだ。取り繕ってかしこまるより、こうした賑やかな皿のほうが似合う用に思えたのだ。
「ほい、一応お茶、色々あったけど。まずは緑茶から行かないか?」
尚人は先に席についていたが、飲み物がないことに気がついてお茶をもらってきていた。
「かたじけないな」
「ありがとう。いや、流石に菓子にばかり目が行き過ぎたな」
「じゃあ、早速!」
いただきます!
尚人が選んだ席からは山中の紅葉がよく見える。
色づく視界。
ただ赤いだけではない。
そこには多くの赤があった。橙にも似た色合いもあれば、常緑たる葉もあるだろう。
銀杏の黄も鮮やかである。
山を見るだけであるというのに、そこは一枚の絵画を見ているように気分にさせてくれる。
尚人は、自分を|花《紅葉》より|団子《スイーツ》というほどではないけれど、どちらも楽しめるのなら、それが得だと思うタイプだった。
だからこそ、充分に景色とスイーツの美味しさを味わうことがでいると自負していた。
「お、美味い♪ こいつは……」
すぐに思い浮かぶのは幼馴染で恋人の三人だった。
彼女たちに食べさせたいと思うのは、それが想いが深い証拠であろう。
それはアレクサンドロも同じだったはずだ。
彼の妻にもまた、この景色とスイーツの味わいを教えたいと思うのだ。
「ね~、一口……ちょうだい?」
「おう、良いぞ♪ 俺のオススメは、この三種の栗を使ったモンブランだ♪ ほら♪」
「あーん」
差し出されたモンブランにパクっと食いつくゼロ。
ともすれば、このような光景は尚人の恋人たちに知らせられないな、とアレクサンドロは思ったかもしれない。
取り立てて告げ口する気はない。
が、そうだな、と思う。
「ゼロよ。後にで構わぬが、この景色、妻に送りたい。一枚スケッチを頼まれてはくれないか」
「あむっ、ん? いいよ~! 一口くれたらね!」
「ふ……構わぬよ」
そんなやり取りをしている三人を依月は見やり、笑う。
賑やかだ。
でも嫌いじゃあないのだ。
「うん、いい時間だ。これは」
得難い時間だとも思う。
己は怪談そのものである。こうした山中にて縁があるのは、いつだって怪しげな噂や伝承である。
心霊スポット巡りやオブリビオンの事件に足を運ぶことのほうがずっと多い。
けれど、たまには、と思うのだ。
こうしたゆったりとした時間。
これがどれだけかけがえのないものであるのかを彼はしっかりと理解している。
日常と非日常。
現実と非現実。
その境目に立つからこそ、一層に際立って見えるのだ。
「来てよかったな……」
そう呟いた依月に尚人たちは笑って、皿からスイーツを一つずつ奪っていく。
「あーっ!」
「よそ見してるからだよ♪」
「ほら、これを食べるといい」
「これオススメね!」
そう言って奪った代わりに依月の更には自分では選ばない菓子が並ぶ。
これもまた得難いもの。
自分では手を伸ばせないもの。
なら、きっとこれも悪くないのだろうと依月は共に笑う――。
成功
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