スイーツ、食おうぜ!
●5thKING is Back
「まさか故郷に帰ってこられるとは思いもしませんでした。なので久しぶりに勇者します。腕がなるなあぶんぶん」
先の帝都櫻大戰にて、キャンピーくんの力で帰郷した5thKINGこと『勇者リリリリ』。
彼女はその後、故郷に帰ってきた事から悪魔(主に魔王やラスボス)を妙に楽しそうな様子でしばいて回っていた。
当然、現地の悪魔達は大ブーイングだが本人はそんな事など一切気にしていない。
うーん、この勇者メンタル。
「ゲ、ゲェーッ!? アレは5thKING!? 死んだはずじゃウギャーッ!?」
「は、話が違うぞ! 死んだ奴が出てきちゃいけなグエーッ!?」
リリリリの容赦ない攻撃にブチのめされる魔王やラスボス!
無慈悲!!
「なんか気を失って気がついたらガチデビルに乗っ取られてました。私はオブリビオンではありません。さて、次は……ふむ、あそこにしましょう」
そうして次なる獲物を探すリリリリが目を付けた場所、それは……!
●食欲の秋とは言いますが
「……って感じなの。なんかほっといても良さそうな気はするけど」
猟兵達に予知の内容を語るアヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)は複雑な表情であった。
確かにそんな事になってるなら放っておいてもいい気はするが……それはそうと、リリリリが目を付けた場所とは一体?
「2ndKING『魔王ビストログルメ』が建設した、地上100階・地下100階にも及ぶ超巨大迷宮『リストランテ・ハロウィーン』よ。ビストログルメ没後も無限に『ちゃんと盛りつけされたおいしい料理』が湧き続けるんだって」
内容的にはキマイラフューチャーのコンコンコンで料理だけが沸くような物、と考えればいいだろう。
しかしそこは既にオブリビオン残党の巣窟と化しており、奴らはここのグルメが膨大なデビルパワーを秘めていると知るや、7thKING WARに負けた日からひたすらに食べて食べて食べまくっているそうだ。
どうやら予知によればリリリリがここの殲滅に向かうそうなので、便乗して着いていってオブリビオンを倒すのが今回の任務だ。
「みんなが向かうフロアは、スイーツが溢れんばかりに出てくるエリアになっているわ。戦う前にスイーツをいっぱい食べて、デビルパワーの恩恵にあずかろうって感じね」
ここではそれぞれ相応しい食べ方で料理を食べると、より効率よく強力なデビルパワーを獲得する事が出来るそうだが、このフロアでは特にそう言った縛りはないらしいので、自由に食べていいそうだ。
……とは言え、いくら食べ放題でも無理に食べ過ぎると腹いっぱいになって、後の戦いに影響するかもしれない。
その辺りは留意して欲しいとの事である。
あとホラ、カロリー取りすぎると体重とかも……ね?
「デビルパワーを十分にチャージしたら、同じくリストランテの料理を食べまくってパワーアップを図っている、強力なオブリビオンと戦う事になるわ」
まともに戦うと苦戦は避けられない相手だが、事前にデビルパワーをチャージすれば互角以上に戦えるはずだし、もしスイーツを食べていなくてもリリリリが一緒に戦ってくれるため、上手く連携すれば負ける事はないはずだ。
で、そのオブリビオンはどんな奴なんです?
「虫歯で世界征服をしようと企むオブリビオン・『虫歯王』ムシヴァーよ」
え、虫歯?
これからスイーツ食べるのに、その後に虫歯って……大丈夫なのそれ?
「まあ、そこはデビルパワーをチャージすれば何とかなるんじゃないかしら? じゃ、気を付けて行ってきてね!」
あっ、適当な事を言って流したぞこいつ!?
NS
はいどうも、|NS《えぬえす》でございます。
そう言えばリリリリ帰ってきてた事をすっかり忘れてました。
今回はハロウィンシナリオです、どうぞよろしくお願いします。
●目的
勇者リリリリと共に超巨大迷宮『リストランテ・ハロウィーン』へ乗り込み、オブリビオンをしばき倒す。
本シナリオは二章構成です。
第一章は日常。無限に溢れ出てくるスイーツを食べまくるパート。
第二章はボス戦。フロアを根城にしている『虫歯王』ムシヴァーとの対決。
……以上の構成となっております。
第二章に登場するリリリリはフォーミュラレベルの強さではないものの、元デビルキングなので結構強いです。
上手く連携する事で勝利に繋がるでしょう。
●ご注意
今回はデビキンが舞台なので、リプレイはコミカル要素が混じると思います。
ご参加の際には、その辺りをご了承下さい。
また、今回ハロウィンシナリオは10/31までの完結を目標としています。
そのため、リプレイは出来るだけ早めにお返し出来ればと思います。
プレイング受付開始は『OP承認後、導入部を書いた後から』になります。
プレイングをお送りする際にはそれ以降でお願いします。
また、クリアに必要な人数が集まり次第プレイング受付を締め切る方針です。
その際には『プレイング受付〆切』とタグに表記します。
受付〆切後に来たプレイングは基本的に対応出来ませんので、予めご了承下さい。
それでは、スイーツを食べまくり虫歯に気を付けつつムシヴァーを倒しましょう。
第1章 日常
『リストランテ・ハロウィーン!』
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POW : ボリュームのある料理を豪快に食べる
SPD : 気軽な軽食をライトに食べる
WIZ : 洗練されたマナーで高級料理を食べる
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ドカ食いの時間だオラァ!
超巨大迷宮『リストランテ・ハロウィーン』へと足を踏み入れた猟兵達を待ち受けていたのは、むせ返るほど甘い香りに包まれたフロアであった。
テーブルの上には、様々なポップでポイズンなビジュアルのデビルスイーツが所狭しと並べられており、来訪者が口にしてくれるのを今や遅しと待ち受けているようにも見える。
ここでやるべきは、とにかくデビルスイーツを食べまくり、デビルパワーを十分にチャージする事にあるのだ。
さあ、『虫歯王』ムシヴァーに対抗するパワーを得るため、デビルスイーツを食って食って食いまくれ!
……でも食べ過ぎには十分気を付けるんだぞ!!
だってホラ、カロリー取りすぎると体重とかも……ね?(二度目)
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
スイーツ食べ放題、素敵ですねぇ。
それでは、しっかりと頂きましょうかぁ。
【豊饒佳饌】を発動し[大食い]と[早食い]を強化、様々な品を順に頂いていきますねぇ。
ポテトチップス等の「甘くないお菓子」を時折挟んだり、「和菓子」→「洋菓子」等の流れで目先を変えることで、飽きが来ない様にしておきますぅ。
折角の機会ですし、「一般的なお店の全メニュー制覇」程度の量であれば全く問題になりませんので、後は時間の許す限り食べ続けますねぇ。
カロリーの方は、まあ、放置してしまうと大変ではありますが、何とかする方法は色々と有りますので?
体重は、元々「胸とお尻の重さ」だけでも相当ですからねぇ(遠い目)
●ドカ食い大好き(?)るこるさん
「スイーツ食べ放題、素敵ですねぇ」
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はめっちゃ目をキラキラさせながら、リストランテ・ハロウィーンへとやってきた。
ある意味、今回のハロシナは彼女にとってボーナスステージと言えるのやもしれない。
……その分、摂取カロリーがとんでもない事になるのは間違いないですが!
「それでは、しっかりと頂きましょうかぁ。うーん、どれにしようか迷っちゃいますねぇ」
そう言いつつ、るこるは『|豊乳女神の加護・豊饒佳饌《チチガミサマノカゴ・ホウジョウノウタゲ》』で大食いと早食い技能をブーストすると、手近な場所にあるデビルスイーツの一角をロックオンすると、一つ、二つとスナック菓子めいて次々と口へ放り込む。
その様は、まるで吸引力の凄い掃除機を思わせると言っても過言ではないだろう。
良い子は絶対に真似してはいけない食べ方だ!(出来ないけど)
「うーん、絶品ですねぇ。色々ケーキがありましたけど、どれも美味しいですぅ」
そして一瞬で平らげてしまう、この早食い能力である。
彼女は胃はブラックホールか何かなのだろうか。
「この辺りでそろそろ違う物でも……おや、デビルスナック?」
続いて、るこるが目を付けたのは(何故かあった)甘くないスナック菓子であった。
こう言う物も置いてあるのは故・ビストログルメの配慮か何かなのだろうか?
「甘い物ばかりと言うのも飽きてしまいますからねぇ。『ある』のがいけませんよねぇ」
などと言いつつ、るこるはデビルスナックをどんどん手に取ると、一つずつ袋を開けては口に放り込むと言う流れ作業めいた早食いを見せる!
良い子は絶対に真似しては(二度目略)
「そろそろ何か飲みたくなってきましたねぇ。何か飲み物は……あら、飲料系もいっぱいあるんですねぇ」
スナックを貪り、口の中が乾いてきたるこるが周囲を探すと、今度はグラスに入れられた様々な飲料がテーブルの上にドリンクバーのようにズラリと並べられていた。
選り取り見取りとはまさにこの事だ。
「せっかくですし色々と飲んでみましょう。それでは、早速……」
るこるはグラスを手にすると、グイーッと一気飲みのごとき勢いでドリンクを飲み干していき、喉を潤し……いや、これ潤すと言っていいんですかね……?
絵面が大食い大会のそれになっているんですが!
「あ、和菓子発見ですぅ。次はこれにしましょう」
……その後も、るこるはフードファイターですら裸足で逃げ出すであろう驚異のドカ食いで、スポーンしたスイーツをガンガン平らげていった。
いくらデビルパワーを得るためとは言え、同じ事を常人(この世界の一般悪魔も含め)がやったら即リバースor倒れる事間違いなしだ。
しかしこれだけガッツリ喰いまくったら、カロリーとか体重がえらい事になりませんかね?
「カロリーの方は、まあ、放置してしまうと大変ではありますが、何とかする方法は色々と有りますので?」
まあ猟兵ならいくらでもやりようはありますが!
「体重は、元々『胸とお尻の重さ』だけでも相当ですからねぇ」
……などと口にするるこるは、どこか遠い目をしていたと言う。
うん、知ってた!(BUとかJCを見て)
大成功
🔵🔵🔵
ジゼル・サンドル
スイーツ食べ放題か!腕…じゃなくてお腹が鳴るなぁ(ぐーぐー
やっぱり目を惹くのは大好物のチョコレート!
おっきな板チョコに齧りつくもよし、チョコシューにチョコプリン、チョコパフェ…チョコ菓子もよりどりみどり!
チョコの甘さに少し飽きたらチョコ掛けポテチで口直し、甘いとしょっぱいの相乗効果でこれは癖になるなぁ…いくらでも食べられそうだ。
おお、あそこに見えるは夢のチョコファウンテン!イチゴやミカンをつけて食べれば甘酸っぱさでいい感じに口内をリセットできて、次はマシュマロ、ビスケット…とフォンジュが止まらない。
お腹いっぱい食べたら持ってきた歯磨きセットで歯磨きもしておこう(なお歯磨き粉もチョコフレーバー)
●Q.このリプレイ中にチョコは何回出た?
「スイーツ食べ放題か! 腕……じゃなくてお腹が鳴るなぁ」
ジゼル・サンドル(歌うサンドリヨン・f34967)は目の前に立ち並ぶスイーツの山を前に、何から食べようか迷っている様子であった。
因みに彼女はいつもハラペコなので、お腹がぐーぐー鳴っているのは秘密だ。
「まずは……うん、板チョコ。これから口にしてみよう」
いきなりガッツリした物から行くのはよろしくないと判断したか、ジゼルは軽い物から手を付けるべく、板チョコを手に取る。
包装をペリペリと剥がすと、中から姿を現したドス黒い色のチョコをガブリ!
「ふむふむ……これがデビルキングワールドの板チョコか。気に入った」
別世界のチョコと比べ、やたらと甘ったるい味ではあるが、どうやらジゼルのお気に召したらしくご満悦の様子である。
そのままチョコをかぶりつきながら、次の得物を探し回っていると……
「おっと、これはシュークリームかな? 中身は定番のクリームにカスタード、レアチーズ……チョコもあるようだね。よし」
ご丁寧に皿の手前に置かれた札を見た上で、ジゼルは真っ先にチョコ入りのシュークリームを選択。
そのままパクリと口にする。
「このチョコクリーム、甘さと柔らかさのバランスがいいね。これなら何個でも……お、あれはチョコプリン……おお、チョコパフェもある! まさか、ここが楽園なのか!?」
周りを埋め尽くす様々なチョコスイーツに目を奪われるジゼル。
|この時点で気付いた人もいるやもしれないが《ステータスシートの自己紹介にも書かれているが》、彼女の好物はチョコである。
自分の好物がいくらでも沸いて、好きなだけ食べられるリストランテ・ハロウィーンは、まさに楽園と言えよう。
……でも、チョコの食べ過ぎって体に毒なような気もするんですがそれは。
「うーん、さすがにこれだけ甘さを摂取し続けるといい加減飽きて……おや、ここにはスナック菓子もあるのか。なら、これにしてみるかな」
それからチョコを過剰摂取しまくった事もあり、ジゼルは若干チョコに飽きが来た事を自覚しつつ、何か別の物は何かと辺りを歩き回っているとポテトチップスが視界に写る。
早速彼女はそれを手に取ると袋を開け、中身を取り出し口に……
「これをこうして……うーん、甘いとしょっぱいの相乗効果でこれは癖になるなぁ……いくらでも食べられそうだ」
……せず、チョコをかけてチョコ掛けポテチにした上で口にした。
え、それでいいの!? 飽きた様子が全く感じられない……ッ!
「おお、あそこに見えるは夢のチョコファウンテン! 急がないと!!」
更にジゼルはチョコファウンテンを発見すると、目を輝かせて急行。
早速イチゴやミカンを付けて食べ、甘酸っぱさでいい感じに口内をリセットすると、次はマシュマロ、ビスケットとフォンデュする手が止まらず、どんどん口の中へと放り込まれていく。
何と言うか、こんなにチョコ食べまくって歯は大丈夫なんですかね!?
「ん? もちろん食べた後は歯を磨くとも」
ですよねー。
この場合は少し念入りに磨く必要はありそうですが!
「因みにこの歯磨き粉もチョコフレーバーだよ」
って、そっちもかい!!
大成功
🔵🔵🔵
結城・有栖
デビルパワーが宿ったスイーツですか…。
食べ放題は魅力的ですが、食べ過ぎも良くないです。
カロリーにも注意しときましょうか。
「こういう時こそ、私の出番ダネ。二人合わせれば効果も2倍のダヨ」
要するに、オオカミさんも食べたいってことですね。
では、一緒に頂きましょうか。
UCでオオカミさんを呼んで、一緒にスイーツを食べます。
季節の果物を使ったスイーツとかも美味しそうですね。
私はアップルパイを頂きます。
…あ、このアップルパイ、カスタードクリームも入ってますね。
甘くてジューシーなりんごとよく合うのです。
オオカミさんは何を食べてるんです?
「私はマスカットのタルトだヨー。マスカットがいっぱい乗ってて美味しいヨ♪」
●腹八分目がちょうどいいって言いますよね
「デビルパワーが宿ったスイーツですか……食べ放題は魅力的ですが、食べ過ぎも良くないです。カロリーにも注意しときましょうか」
視界に広がるデビルスイーツの山を前に、結城・有栖(狼の旅人・f34711)は慎重な様子であった。
これだけ美味しそうな物を目にすると、思わずドカ食いしたくなる気持ちはあるだろう。
だが、実際にやったら大変な事になるのは言うまでもないのだから、有栖の言っている事は十割正論だ。
ほら、何事も程々が一番って言うし?
「こういう時こそ、私の出番ダネ。二人合わせれば効果も2倍のダヨ」
と、そこへ有栖の中に眠る内なるオウガ、オオカミさんがこれ幸いとばかりに口を挟む。
……ひょっとしなくても、オオカミさんもデビルスイーツを食べたいのでは?
ボブは訝しんだ。
「要するに、オオカミさんも食べたいってことですね。では、一緒に頂きましょうか」
「そうこなくっちゃダネ。さあさあ、早ク早ク」
デビルスイーツを早く食べたいと言わんばかりの様子でオオカミさんが有栖を急かすと、彼女は『分かってますよ』と言う表情で『|魔獣具現・オオカミさん《マジュウグゲン・オオカミサン》』を使い、オオカミさんを自らの体から呼び出す。
「それじゃ、食べたい物を探しに行きましょう。ただし食べる量は程々に、ですよ?」
「分かってるヨー。……うーん、こんなにあると目移りしちゃうネー」
有栖はオカンめいてオオカミさんに釘を刺しつつ、二人は甘ったるい匂いがそこかしこから漂うフロアを歩き、食べたい物を見繕う。
オオカミさんが言うように、あまりにも多彩なデビルスイーツがあちこちに沸いている事から、思わず目移りしてしまうのは確かだ。
「むむ、悩みますね……食べてみたい物が沢山あります」
ケーキにチョコレート、プリン、パフェ、饅頭、和菓子……
ドカ食いしたいと言う欲を抑えつつ、有栖は神妙な目でデビルスイーツを見て回る。
それもう、めっちゃ真剣な目であったとかなんとか。
「季節の果物を使ったスイーツとかも美味しそうですね。これにしましょう」
それからじっくり見て回って考えた末、有栖はアップルパイを選ぶと、置かれていた包丁で適度な大きさにカットしフォークを刺して一口、パクリ。
「……あ、このアップルパイ、カスタードクリームも入ってますね。甘くてジューシーなりんごとよく合うのです」
蕩けるような甘味が口の中いっぱいに広がると、有栖の表情がほわっと緩む。
美味しい物を口にすると幸せを感じるのは、どの世界でも共通である。
「おー、アップルパイにしたんダネー。美味しそうダネー」
有栖が幸せそうな顔でアップルパイをもしゃもしゃと食べていると、オオカミさんも何かを口にしつつ話しかけてきた。
「オオカミさんは何を食べてるんです?」
「私はマスカットのタルトだヨー。マスカットがいっぱい乗ってて美味しいヨ♪」
と、オオカミさんは皿の上に乗ったマスカットのタルトを有栖に見せる。
デビキン産マスカットは色合いが少し毒々しいが、味の方は特に問題ないようだ。
「いいですね。……少し頂いても?」
「構わないヨー。代わりに私にもアップルパイをもらえるカイ?」
「ええ、どうぞ」
そんな感じで互いのスイーツを交換しつつ、二人は程々にデビルパワーをチャージするのであった。
無理しないの、だいじ!
大成功
🔵🔵🔵
ティーゲル・ホルテンマイヤー
確かに甘い物には砂糖がたっぷりと入っていて、歯磨きを疎かにすれば虫歯まっしぐらです
しかしながら、実は私は大の甘党でして
このような厳つい風貌であれば店に入ろうならば度々誤解を受けたりしますので、このような機会は見逃す訳にも行かず
実の娘のように可愛がっている住み込みのメイドに毎晩言い聞かせている通り、歯磨きを毎日キチンとすれば問題ありませんので…ここは私の好きなように頂きたいと思います(カロリー爆弾なアメリカ人盛り
まさしく悪魔的な総カロリー量ですが、ゆっくり噛んで味わうことで血糖値の急上昇は抑えられて至る事はございません
それに食後の運動で食べた分動けば問題ありませんでしょう?(追加オーダー
●多分絵にしたらスイーツにモザイクがかかる奴
「確かに甘い物には砂糖がたっぷりと入っていて、歯磨きを疎かにすれば虫歯まっしぐらです」
ティーゲル・ホルテンマイヤー(虎執事・f27012)はうんうんと頷きながら一人呟く。
ド正論!
「……しかしながら、実は私は大の甘党でして、このような厳つい風貌であれば店に入ろうならば度々誤解を受けたりしますので、このような機会は見逃す訳にも行かず」
まさかのスイーツタイガー!?
確かに彼の姿でこの手の店に行くと、色々と誤解は避けられまい。
そう考えるとある意味、今回はいいタイミングと言える……のだろうか?
「それに今回はオブリビオンを倒すため、沢山食べる必要があると聞きました。願ったり叶ったりとはまさにこの事……」
そう語るティーゲルはどこか嬉しそうにも見えた。
やはりスイーツを好きなだけ、しかも無料で食べ放題ともなればそうもなるか。
「ほう、右を向いても左を向いてもスイーツだらけとは……実に素晴らしい。出来る事ならここに住みたいくらいです」
そんな訳で、リストランテ・ハロウィーンに踏み込んだティーゲルは周囲を見て本音を口に……いや一日三食スイーツとか絶対健康に悪い奴だよそれ!?
まともな人間なら胸焼けか胃もたれ起こして倒れるのがオチだよ!?
「はは、執事ジョークと言う物ですよ」
えぇー、ほんとにござるかぁー?
割と本気にも聞こえた気がするんですがそれは。
まあそれはさておき、ティーゲルは何から食べようか色々見て回っているようだ。
「うーむ、これは悩みますね……本音を言えば、このフロアにある物を全て食べ尽くしたいまでありますが」
ジョークとも思えないような事を呟きつつ、悩むティーゲル。
……ただ再三言われているように、食べ過ぎやそれに伴う虫歯は出来るだけ避けたいところではあるが。
「実の娘のように可愛がっている住み込みのメイドに毎晩言い聞かせている通り、歯磨きを毎日キチンとすれば問題ありませんので」
まあ確かにそうですが。
ただ何事にも限度は……
「なので、ここは私の好きなように頂きたいと思います」
好きなように……お、おお、ナムアミダブツ!
ティーゲルはアメリカ人がよくやりそうな(偏見)カロリー爆弾とも言うべきスイーツの爆盛りに走ったではないか!
え、これマジで喰うんですか……?
見た目からして胃が痛くなりそうなんですけどこれ。
「まずはこれくらいにしますか。では、頂くとしましょう」
そう言うと、ティーゲルは執事らしいエレガントな所作でスイーツ爆盛りを食べていく。
しかもめっちゃ幸せそうな様子で、である。
だがゴチャゴチャに爆盛りされたスイーツは最早その原型を留めておらず、何か色々と悪魔合体したオブジェにしか見えないのは決して気のせいではあるまい。
それにしても、これだけカロリー摂取して大丈夫なんですかね……?
「まさしく悪魔的な総カロリー量ですが、ゆっくり噛んで味わうことで血糖値の急上昇は抑えられて至る事はございません」
えぇー、ほんとにござるかぁー?(二度目)
いくらデビルパワーを得るとは言え、少しやりすぎじゃあ……
「それに食後の運動で食べた分動けば問題ありませんでしょう?」
その言葉の後、ティーゲルは追加オーダーとして更なるスイーツの爆盛りを用意……って、まだ食べるんかい!?
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『『虫歯王』ムシヴァー』
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POW : 虫歯活性
戦闘中に食べた【食事と戦闘前に飲食した飲食物】の量と質に応じて【対象の歯の虫歯菌が活性化し激痛と共に】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : 極小の侵略者
肉体の一部もしくは全部を【虫歯菌サイズ】に変異させ、虫歯菌サイズの持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
WIZ : 開口(することが)一番
対象の【口】に【虫歯】を生やし、戦闘能力を増加する。また、効果発動中は対象の[口]を自在に操作できる。
イラスト:星の岬 かずま
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠幻武・極」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●虫歯の恐怖! 『虫歯王』ムシヴァー現る!!
そんな訳で猟兵達はデビルスイーツを食べまくり、デビルパワーをチャージしていた。
量的にも十分なパワーが得られたに違いない。
「デビルスイーツも久しぶりですが、やはりこの味ですねもぐもぐ」
そして気付けば勇者リリリリも猟兵達に混じってスイーツを食べていたようだ。
……いや、いつの間にいたのよ君。
「おっと、美味しすぎてここに来た目的を忘れるところでした。そろそろ進みましょう」
と、スイーツ片手に猟兵達へ呼び掛けるリリリリ。
何と言うか大分フリーダムな勇者である。
「この先にオブリビオンがいるのでしょうか。たのもー」
猟兵達とリリリリはフロアを進むと、一つの扉を発見する。
早速リリリリがドゴォ、とドアを蹴破ると部屋の奥にはスイーツを食べまくっている一人の少年の姿があった。
こいつが話にあったムシヴァーだろうか?
「むぐっ!? だ、誰だ……って、5thKING!? 死んだはずじゃ……!?」
一瞬スイーツを喉に詰まらせかけたムシヴァーが驚愕に目を見開く。
まあそりゃ死んだと思ってた奴が生きてこの場に出てきちゃあねえ。
「ところがどっこい生きていました。いえーい」
「く、くそっ! けど、僕はここで長らくデビルパワーを貯め込んでたんだ! 今なら5thKINGや猟兵にだって負けはしないぞ!」
そら、これでも喰らえ!
ムシヴァーがそう叫ぶと、三又槍をリリリリへと向ける。
「何をするつもりかは知りませんが、私はそう簡単にあ痛たたたたた……!」
セリフを言い終える直前、唐突に手で右頬を抑えて痛みに悶絶するリリリリ。
まさかこれが話に聞いていた虫歯攻撃(?)だとでも言うのか?
やってる事は姑息だが、地味に痛い!
「ふふん、どうだ参ったか! 虫歯はな、怖いんだぞー!!」
と、勝ち誇るムシヴァー。
その見た目と言動からして小生意気なガキではあるが、虫歯攻撃は実際驚異だ。
しかし猟兵達はここに至るまでに既にデビルパワーをチャージした事から、奴とは互角に戦えるはずである。
さあ、虫歯に苦しむリリリリと共に、何とかしてこいつをやっつけよう!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
成程、これは酷いですねぇ。
容赦なく参りましょう。
【毉螫】を発動、戦場内の『毒&病気属性』を吸収しますねぇ。
『虫歯菌』に干渉する以上は『病気属性』であることは確定、『状態異常』扱いであれば更に吸収&浄化は容易な上、リリリリさんが地味に受けたダメージも回復可能ですぅ。
そして『病気属性』の『概念毒』を放出、虫歯王さんを蝕みましょう。
虫歯王さんの性質を考えると『虫歯菌への特効薬』の様な形になりそうですが。
後は、追加のスイーツを頂きつつ『FRS』『FSS』の[砲撃]で、リリリリさんと共に[追撃]ですぅ。
討伐が終わりましたら、打ち上げということでゆっくり色々と食べて帰りますかねぇ?
●掟破りの虫歯返し
「成程、これは酷いですねぇ」
早々にムシヴァーの攻撃の餌食となってしまったリリリリを見て、るこるは真っ先に自分もヘタすればああなってしまうのかと気を引き締める。
虫歯はある意味、最悪のバッドステータスとも言えるから仕方ない。
ところでバーチャルキャラクターにも虫歯の概念ってあるの?
「ふ、ふん! さすがの5thKINGも虫歯の前にはどうにもならないみたいだな!」
対するムシヴァーは、それなりに苦しそうなリリリリを見て得意げな様子であった。
もしかしたら5thKINGを倒す事がハクが付き、自分が新たなKINGになれるかもしれない。
そんな事を想像していた……か、どうかは定かではないが。
いずれにせよ、こいつを倒さない限り虫歯の恐怖は終わらないのだ。
めんどくさいね!
「それでは容赦なく参りましょう」
「むっ、来るか!? なら、お前も虫歯の恐ろしさをたっぷり味わうんだな!」
るこるが戦闘体勢に入ったのを目にしたムシヴァーは三又槍を向け、虫歯活性を放つ。
ここに来るまで、猟兵達は何かしらのスイーツを食べていたのは確実。
なら、それを利用して虫歯で苦しめてやろうと言うのがムシヴァーの狙いだ。
「さあ苦しめ! 虫歯はな、怖いんだぞ!!」
相手はきっとすぐにでも痛みに悶絶するだろうと思っていたムシヴァーであったが、何か様子がおかしい。
「そうですねぇ、虫歯は確かに怖いです。痛いのが長く続きますし」
虫歯に苦しむはずのるこるは平然としている!
と言うか虫歯の痛み分かるの、君?
「ですが、虫歯を操ると言う事が分かれば、対処法はいくらでもありますよぉ」
「え、なんで!? 虫歯になったんじゃないのかよ!?」
相手が虫歯になっているはずなのになっていない。
そんな予想外の事態に慌てるムシヴァー。
るこるはこの時『|豊乳女神の加護・毉螫《チチガミサマノカゴ・トウケイノウラウエ》』を発動し、戦場内の『毒&病気属性』を吸収していたのだ。
そのため、今の彼女に虫歯と言うバッドステータスは効かないも同然!
「お? 歯の痛みが突然消えました。勇者、復活です」
ついでにその効果でリリリリの虫歯も回復、形勢逆転である。
「……さて、相手を虫歯にするのには慣れていても、自分が虫歯になるのはどうでしょうねぇ?」
「な、何を言って……ん、ん゛ん゛ん゛ーーーッ!?」
るこるの意味深なセリフの直後、今度は逆にムシヴァーが苦しみ出す!
毉螫で病気属性の概念毒を放出し、あろう事か奴自身が虫歯に苦しむ事となってしまったのだ!!
「さあリリリリさん、今の内に反撃と行きましょう」
「ええ、やられたらやり返す。倍返しです」
虫歯の痛みに悶絶するムシヴァーを尻目に、るこるが追加でスイーツを口にしつつリリリリと共に反撃……いや、こんな時にもまだ食べるの!?
それはともかく、るこるは『FRS』『FSS』の砲撃、リリリリは5thKINGブレイドによる斬撃を容赦なく叩き込んだ。
「グワーッ!?」
そしてそのまま成す術もなく、派手にブッ飛ばされるムシヴァーは早々に手痛い攻撃をもらうハメとなってしまうのであった。
それにしても、虫歯を操る者が虫歯に苦しむって一体どんなギャグなんですかね。
大成功
🔵🔵🔵
燮樹・メルト
【科学系ちゃんねるとして】
虫歯かぁー。
菌と口の中のpH、強引だけど、鎮痛と再石灰化のお薬調合しておくから飲んでおいてねー。
食事による強化と菌による毒性、良い組み合わせだと思うね。
ただ、なんで屍肉食の鳥が腐った肉を食べても平気かわかるかな?
メルも毒への耐性をバッチリあげて、リリリリリリさんの虫歯の治療をUCで行って、パワー全開でやっつけてやろうか?
虫歯の効果はUCの治療薬で防いで相殺して、投擲のスカルペルとシリンジに毒を仕込んで、一気に決めに行こうか。
互換の勝負なら得意技を封じた方が有利だしねq
●あれ、こいつ虫歯関連の攻撃封じられた時点で詰んでね?
「それっ、虫歯になれ!」
ムシヴァーが『開口(することが)一番』でリリリリの口の中に虫歯を生やす。
ところでこのユーベルコード、元々歯がある部分にはどう言う判定になるんですかね?
元の歯が虫歯に変わるみたいな感じ?
「むう、またしても卑怯な真似を。ですが虫歯などには負けません、私は勇者ですのであすいませんやっぱりキツいです痛い痛い痛い」
虫歯なんかに負けないとばかりにリリリリは強がりを見せるも、いくら勇者であっても痛い物は痛いのか、思わず頬を押さえてしまう。
だって虫歯、辛いもんね。
「虫歯かぁー」
と、そこへやってきたのは燮樹・メルト(❤️🩹やわらぎ🧬ちゃんねる💉・f44097)。
少し遅れる形でこの場へ駆け付けた猟兵である。
「菌と口の中のpH、強引だけど、鎮痛と再石灰化のお薬調合しておくから飲んでおいてねー」
そう言うと、メルトは『メルメディカル&ウェルネス』で調合した薬品をリリリリの口へシューッ!
そのまま薬品をゴクリと飲み込んだリリリリはと言うと……
「む、むむ? おお、さっきまでの痛みが嘘のように。勇者、ふっかーつ」
メルトの薬品を飲んでたった数秒で、虫歯があっと言う間に治療されたではないか。
すげーな、この薬品!?
「えっ、虫歯治ったのか!? ど、どうなってるんだよ!?」
一方、ムシヴァーは虫歯による攻撃で相手を苦しめると言う目論見が崩れて焦り出す。
何せこいつは虫歯に関する攻撃しか出来ない以上、それが全て封じられてしまうとなれば戦闘能力は激減不可避である。
「食事による強化と菌による毒性、良い組み合わせだと思うね」
周りを見渡しつつ、メルトは一人呟く。
このスイーツだらけのフロアに虫歯を操るオブリビオンは、ある意味では相性抜群と言えるやもしれない(主に悪い方向で)。
「ただ、なんで屍肉食の鳥が腐った肉を食べても平気かわかるかな?」
「し、知るかそんなの! これでも喰らえ!!」
メルトの問いなど知った事かとばかりに、ムシヴァーが彼女の口内に虫歯を生やさんとする。
むしろこいつの知能レベルでは、返答出来ないような気もしますが!
「残念だけどメルには効かないんだよね」
だが、既に相手の手の内は見切ったとばかりにメルトは先の調合した薬品で虫歯攻撃を相殺。
ムシヴァーの攻撃を完全無効化し、今の彼女の口内は虫歯とは無縁である。
「ナ、ナンデ!? お、おかしいぞ、虫歯にならないだなんて……!?」
「さて、それじゃあパワー全開でやっつけてやろうか?」
攻撃が効かず狼狽するムシヴァーを尻目に、そろそろ決めてやろうとメルトはブカブカな萌え袖の中から、解体ナイフ『バラばらスカルペル』と殺人注射器『毒どくハートクエイカー』をシャキーンと何本も取り出す。
因みに武器からはなんかヤバい色をした|液体《毒》が滴り落ちているぞ! コワイ!!
「そーれっと」
下から掬い上げるようなフォームでメルトがナイフとシリンジを投擲すると、絶妙なコントロールでムシヴァーの身にグサグサと何本も突き刺さった。
ブルズアイ!
「アーッ!? グワーッ、毒!? グワーッ!!」
そしてブッ刺さった痛みに加え、毒による追加ダメージでムシヴァーは転げ回って悶絶する事となるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ジゼル・サンドル
めちゃくちゃ強いはずのリリリリ先輩があんなに痛がってる!?地味に恐ろしい能力だな…しかしわたしは食べた後でしっかり歯磨きしたから大丈夫痛たたた…!歯が痛い…!
なんてことだ、歯磨きも効かないのか!?わたしの武器は歌なのにこれじゃ歌えない!
仕方ない、こうなったら歌以外の手段で対抗だ。
どうせならハロウィンらしく行ってみよう。
UC『南瓜の馬車の遁走曲』で呼び出した南瓜の馬車に乗車、操縦は馭者と馬に変身したネズミ君達がやってくれるから虫歯が痛くても戦いに支障はない。ただ運転荒っぽいからな、轢かれないように気をつけてくれよ?
馬車で突撃、後退させたところで「リリリリ先輩、今だ!」
連携攻撃といこう。
●虫歯予防は日頃のケアが大事って言いますが
「めちゃくちゃ強いはずのリリリリ先輩があんなに痛がってる!?」
ムシヴァーの虫歯攻撃を受けて苦しんでいるリリリリの姿を見て、ジゼルは驚きを隠せずにいた。
かつてこのデビルキングワールドで『5thKING』として君臨していた堕天使の勇者が、あれだけ苦戦(?)しているともなれば当然の反応と言えるやもしれない。
ところで何故に先輩?
「地味に恐ろしい能力だな……しかしわたしは食べた後でしっかり歯磨きしたから大丈夫」
「お前も虫歯になれ! そりゃー!」
先程のスイーツ食べ放題エリアでチョコをガッツリ食べまくったジゼルはアフターケアとして念入りに(チョコ味の歯磨き粉で)歯磨きを済ませたので大丈夫だと安心していた矢先、ムシヴァーの虫歯活性が牙を剥く!
「痛たたた……! 歯が痛い……!」
直後、ジゼルの口内にじわじわ広がる鈍い痛み!
なんたる事か、歯磨きを済ませたのに今の彼女もリリリリと同じように虫歯と言うバッドステータスを受けてしまったではないか!!
「なんてことだ、歯磨きも効かないのか!? わたしの武器は歌なのにこれじゃ歌えない!」
思わぬピンチに狼狽えるジゼル。
そもそも虫歯活性の効果テキストには『戦闘前に飲食した飲食物の量と質に応じて対象の歯の虫歯菌が活性化』とあるため、事前に歯磨きしても焼け石に水であった。
理不尽!
「どうだ、虫歯の怖さを思い知ったか!」
「くっ、的確に弱点を突いてくるとは、なんて強敵痛たたた……!」
「あーっはっはっはっ、そうだろそうだろ! 今の僕は無敵なんだ!」
虫歯による痛みに苦しむジゼルを嘲笑うムシヴァー。
イキって調子に乗りまくりだ。
何とかして、こいつの鼻っ柱をへし折ってやりたいところではあるが……
「仕方ない、こうなったら歌以外の手段で対抗だ。どうせならハロウィンらしく行ってみよう」
パチンと指を鳴らすと、何かがドドドドドと音を立ててやってくる。
フロアの向こう側から現れたのは……南瓜の馬車!
ジゼルが『|南瓜の馬車の遁走曲《キャロッススィトルイユ・フーガ》』で召喚した物だ。
「さあネズミ君達、頼んだぞ」
やってきた馬車へ華麗に飛び乗ると、そのままムシヴァーに向け……突撃!
「うわっ、な、なんだこいつは!? くそっ、全部の歯を虫歯にしてやる!」
やってくる馬車に驚きつつもムシヴァーはジゼルに向けて再度、虫歯活性を放つ。
だが、馬車は止まらない!
「と、止まらない!? ナンデ!?」
「残念だったな、わたしの虫歯を悪化させても馬車を動かしているのはネズミ君達だ。ただ、運転は荒っぽいからな、轢かれないように気をつけてくれよ?」
「ウ、ウワーッ!? く、来るなアバーッ!!」
CRAAAAASH!!!
ドゴォと馬車から轢き逃げアタックを喰らい、ブッ飛ばされるムシヴァー!
「リリリリ先輩、今だ!」
そこから素早く馬車を後退させると同時に、ジゼルがリリリリに呼びかける。
「よし来た、この痛みは倍返しです。くらえ5thKINGブレイド」
「ホゲェーッ!!」
何とか痛みを堪えつつ、リリリリが怒りを込めた追撃を叩き込む。
例え虫歯であっても、猟兵とリリリリを止める事はムシヴァーには出来なかった。
まあ痛い物は痛いけどね!
大成功
🔵🔵🔵
結城・有栖
…スイーツを食べた後に虫歯の悪魔が相手ですか。
「厄介ダネー。悪いものは綺麗に浄化するに限るヨ」
そうですね。虫歯になる前に済ませましょう。
まずは【先制攻撃】でUCを使って、浄化の嵐を起こします。
更に、【浄化】と風の【属性攻撃】を付与した【オーラ防御】を自身の周りに展開。
虫歯菌サイズに変異するなら、風で吹き飛ばします。
虫歯菌も浄化してダメージを与えつつ無力化してあげましょう。
リリリリさんの虫歯を浄化で治療です。
風で吹き飛ばされたくないなら、サイズも戻るはず。
そこを、雷の属性攻撃を付与した想像暗器(クナイ)を【念動力】で飛ばして【マヒ攻撃】です。
リリリリさんはマヒした隙に、追撃をお願いします。
●みんなも歯は大切にね!
「……スイーツを食べた後に虫歯の悪魔が相手ですか」
「厄介ダネー。悪いものは綺麗に浄化するに限るヨ」
程々にスイーツを味わった有栖とオオカミさんは、ある意味厄介な強敵と対峙していた。
本当に今回は悪い意味で相性の良すぎる組み合わせである。
「そうですね。虫歯になる前に済ませましょう」
そう言うと、有栖はチラリと横目で現在虫歯状態のリリリリへ視線を向ける。
「ゆ、勇者は虫歯なんかに絶対いひゃい……」
リリリリは むしばで くるしそうだ!
虫歯の痛みは当人にしか分からないが、どれだけ痛いのかは想像に難くない。
ホント、アレはシャレにならない痛みだからね!(経験者談)
「さあ、今度はお前達だ! 虫歯の痛みに苦しめ!!」
「そうはいきません。行きますよ、オオカミさん」
おそらく次の狙いはこちらになる事は間違いない。
仮に虫歯にされてしまったら、それこそ戦闘どころでないだろう。
なので有栖は『|魔獣戦技・浄化の嵐《ジョウカノアラシ》』で浄化の嵐を巻き起こし、先手を打つ。
浄化と風の属性攻撃を付与したオーラ防御でガッチリとガードである。
「さあ、これで私達は虫歯にはなりませんよ」
「フン、僕をなめるなよ! こっちの手段はいくらでもあるんだ!!」
浄化がなんだとばかりに、ムシヴァーは極小の侵略者で体を虫歯菌サイズにまで縮め、そのまま有栖の口内へと向かう。
このまま口の中に入り込んでしまえば、相手を虫歯にさせる事など容易いものだ。
「……あれ、消えた? いえ、縮んだ?」
「うーん、そのようダネー。姿が見えないヨ」
縮んだムシヴァーを見失い、辺りを見渡す有栖。
顕微鏡か機械の目でもない限り、虫歯菌サイズにまで縮んだムシヴァーの姿を捉える事は不可能だ。
「縮んだのなら吹き飛ばせばいいだけの話です」
「えっ? ワ、ワアァァァーーー!?」
ならばと有栖は周囲に風を巻き起こし、接近してこようとするムシヴァーを吹き飛ばす。
虫歯菌サイズにまで縮んでいる以上、風で吹き飛ばされてしまうのは必然であり、ついでに浄化の状態異常でムシヴァーへ地味にダメージを与えていく。
……あの、よくよく考えたら相性が悪すぎません、これ?
「くぅ、ダメだこのままじゃ吹き飛ばされる! 解除ー!」
慌ててムシヴァーが縮小化を解除すると、その場に姿を現した。
「そこにいましたか。今度は逃がしませんよ」
このチャンスを有栖は見逃さず、雷の属性攻撃を付与した想像暗器を念動力で飛ばすと、ムシヴァーにザクッと突き刺さり……感電!
「アッバババババーーー!?」
「さあリリリリさん、追撃をお願いします」
強烈な電撃を受け、ムシヴァーがその場で動けなくなったのを見て有栖はリリリリに呼びかける。
先程の浄化の嵐で虫歯は既に治療済みと言う事もあり、ステータスは正常だ。
「任されました、勇者の力で成敗と行きましょう。今までやられた分も倍返しです」
斬霊刀と盾を構え、のっしのっしと動けないムシヴァーに近付くリリリリ。
「ア、アァッ……ヤ、ヤメロ……」
「やめません。勇者なので」
その直後、リストランテ・ハロウィーンにとんでもなくデカい悲鳴が響き渡ったとなんとか。
……そんな訳で猟兵とリリリリの活躍(?)により、虫歯で世界を征服しようとするムシヴァーの野望は打ち砕かれた。
みんなもスイーツに限らず、食事の後には歯磨きをしっかり行って虫歯を予防しようね!
大成功
🔵🔵🔵