●言っても聞かない女の子
「いやですぅ! やだやだやだやだ! ぜっえったいに帰りませんってば!」
黒教の教祖はすっかり駄々を捏ねてしまった。子供の買って買って攻撃みたいに地べたをのたうち回り、ついでにキマイラたちは遠巻きにそれを見つめていた。カメラを構えている輩すらいる。
「そう言われてもなぁ……」
その様はまるで親戚のおじさんとギャン泣きした子供だ。宮本・武蔵は困り顔を浮かべていた。サムライエンパイアの伝説の剣豪も、泣く子供には手も足も出ない。
完全に参っているようだ。何しろ三日三晩もの間、あの手この手で駄々を捏ねられているのだから。
一方、キマイラたちはその様子を生配信で見ていた。
「昔の小説家みたいな立てこもり方までしちゃってさ……」
「こりゃ相当だぜ?」
そこまでやるかと言いたげな雰囲気が漂っていた。飲まず食わずでそこまで出来るのかとか、正直あのサムライは大人げないんじゃないのかとか。外野は外野で盛り上がっている。
「やぁだ! 絶対に帰らないんですぅ!」
今度はブレイキンみたいな動きで駄々を捏ね始めた。こうなってしまうと彼女はもう聞く耳を持たない。
「はぁ……幼子は強者とは云うが……求めた相手はこういうのではないのだがなあ……」
剣豪も剣豪ですっかりノイローゼ一歩手前の有様である。ひたすら続く騒音で寝付けず、食欲も湧かずの二重苦が彼を三日間も蝕んでいるのだ。
こりゃあ強敵である。宮本は額の鉢巻きを固く締める。そして道路に座した。
「流れる川の様に静かに……さもなければラケットで殴りに……」
座禅である。溜まりに溜まったストレスが、少女を襲わぬように抑えつけているのであった。
「……どーすんのさ、これ」
「さあ……」
●マジ・デ・カンベン!
「……てな感じで、宮本武蔵から救援要請が来たってワケ」
暮林・朝徳(人間の咎人殺し・f43618)は痛む頭を抑える様に頭に手をやっていた。
よりにもよって、自分でも知っているビッグネームが駄々っ子相手に気を病んだせいで猟兵たちに救援要請するなどとは思いたくもないだろう。ところがどっこい現実だ。
重いため息交じりに憲兵の話は続く。
「うん。だからさ、これからあの駄々っ子を飯とかで機嫌を直さして、ど―にか穏便に済ませて欲しいのよネ……」
胃が痛むのか、腹も抑え始めた。相当ストレスが掛かっているようだ。
「頼むよォ……宮本殿もキチゲ溜まってるっぽいからさァ……何卒よろしく頼むよォ……」
サバ缶煮込み丼
ドーモ、サバ缶煮込み丼です。
よろしくお願い申し上げます。
今回の構成は以下の通り。
第1章:⛺『絶対に帰りません!!!』
第2章:🏠『猟兵のお料理教室』
第3章:👿『宮本・武蔵』
第1章:⛺『絶対に帰りません!!!』
駄々をごねる教祖の説得を行います。腕っぷしでも言いくるめでも構いません。
第2章:🏠『猟兵のお料理教室』
ひとまず大人しくなった教祖の機嫌を直してもらうために何か美味しいモノでも食べてもらいましょう。
せっかくなら何かこう、あえて楽に済ませないでお料理でもどうでしょうか。
第3章:👿『宮本・武蔵』
一応協力者なのですが……三日三晩も駄々を捏ねられ続けていたので相当にトサカに来ているようです。
手加減は無用と言わんばかりに容赦なく襲ってきますので、ご注意を!
第1章 冒険
『絶対に帰りません!!!』
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POW : 暴れる教祖を力ずくで抑える
SPD : 逃げる教祖を追い詰める
WIZ : ゴッドゲームオンラインの話題で説得する
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
柳・依月
俺は柳依月、UDCアースの大学生だ。……だが、実は人間じゃない。妖怪だ。それでも俺は人間が好きで人間と共にある。彼らの日常を守る為、てのが俺の戦う理由になるのかな。
戦闘時は基本仕込み番傘での近接戦だが、中長距離や支援に回る時などは呪髪糸や禍魂による呪いなんかも使用する。
非戦闘なら情報収集が得意だ。主にネットだが、聞き込みとかもする。【化術】も得意だからな。
以下PL
ギャグ系の状況でもノリはいい方です。
UCは指定した物をどれでも使用し(詠唱ご自由に)、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
「駄々っ子かよ……」
柳・依月(ただのオカルト好きの大学生・f43523)は頭を悩ませていた。
「いーやーで―スゥ! 何と言われようともけえりませんよぉだ!」
全力で駄々を捏ね、何が何でも動かないぞと言わんばかりに暴れ回る教祖に手を焼いているのだ。
「そう言われてもなぁ……お前帰らないとアレだぞ?」
駄々の余韻で痛む頭を抑えながら、柳はそれとなく説得を行う。舌打ち交じりに。
「ゴッドゲームオンラインやりたくなっても、やれないんだぞ?」
黒の教祖は駄々をやめた。なんとなく言われてみればその通りだと思ったのだろうか。
「……」
考える素振りを見せているらしい。しかし、地面からは起き上がらないし、いつでも駄々を捏ねれる体制を保っている。
「それに……ここだとゲーム出来ないんだぞ? コンコンしてもGGOはないぞ?」
どこか苛立ちをぶつける様な具合に成りながらも、彼は教祖を揺さぶっていた!
「それでも良いのか?」
「帰りまぁす!」
呆気なく彼女は気を変えた。どうやら今日はチョロい彼女だったらしい。
大成功
🔵🔵🔵
諏訪野・啓太郎(サポート)
『唯のろくでなしの旅烏ですよ。』
スペースノイドのスターライダー×電脳魔術士、33歳の男です。
普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、負傷した仲間には「元気に(俺、~くん、~さん、だね、だよ、~かい?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
諏訪野・啓太郎(さすらいのライダー・f20403)は頭を痛めていた。あまりにも激しい抵抗に合っているからである。
「嫌ですゥウウウ! ぜぇええったいに嫌ですううう!」
拡声器並みに大きく叫んでは諏訪野の鼓膜を激しく痛めつけてくる。
「……どうすんだコイツ」
もうどうすりゃあ良いのかどうかも分からない。こうも暴れ狂った駄々っ子をどうのこうのするのは実に大変そうだ。
「ぜええったいに帰りませええん!!」
トコトン暴れ狂っているのである。こりゃあ相当に手に付けようがない。だが、だからと言って手をこまねいているとより手が付けようがなくなる。
となればもう最終手段に出る他ないだろう。さて、その最終手段とは。
「悪いな……!」
「でええ――モガモガ……」
力づくで抑えつける事である! もちろんキマイラたちは事案かと思われ、カメラを向けられてくる! ざわざわと変な雰囲気に包まれてくる。
「大人しくするか?」
彼女は静かに頷いた。
成功
🔵🔵🔴
数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」
基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。
探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。
情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。
戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。
「――と言う訳で帰りたくないんです!」
「なるほど」
数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は教祖の駄々と要求を相槌交えて話を聴いていた。
「つまり……ここなら色々出来るし、食べるも暮らすも困らないからここに住みたいって事であってるか?」
黒の教祖は頷いた。先程までのごねっぷりが嘘の様につらつら言いたい事が言い出せているようだ。
「でもなぁ……帰んないと大変だぜ?」
「だとしてもですぅ!」
ただ、それはそれとして交渉は成立しなかった。だが、駄々を捏ねる子供相手に聞く耳を持たせるだけでも十分である。
「そうかそうか……あたしはこの手を使いたくはなかったんだけどねえ……!」
数宮がそれとなく不穏な気配を出していたのだが、教祖はそれに気が付かなかった。
「そんなにワガママ言うならちょっとお灸を据えてやんなきゃあだねぇ!」
「アバッ!?」
抑えつける様に組み付いた! この動きは所謂グラップルである!
「少し大人しくしてな!」
成功
🔵🔵🔴
第2章 日常
『猟兵のお料理教室』
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POW : 料理に必要なのは気力と体力だ!
SPD : 料理に必要なのは速度と技術だ!
WIZ : 料理に必要なのは知識と経験だ!
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
オニキス・ヴァレンタイン
教祖様、お怪我はございませんか?
慣れない世界に来てお疲れになったでしょう
僭越ながらこの黒聖者オニキスが教祖様の為に料理をお作りします
温かなものを食べれば少しは気持ちも落ち着くでしょう
手を洗い黒のエプロンをして
さて、教祖様は、何がお好きですか?
返事があればそれを、お任せのようでしたらハロウィンらしい料理を作りましょう
まずは南瓜のスープ。カットした南瓜を電子レンジして潰し鍋で煮ながら薄力粉や牛乳を混ぜ合わせコンソメ、バター、塩胡椒で味を調えます
仕上げに海苔を蝙蝠の形に切り抜いて乗せます
あとは健康の為にもお野菜を召し上がって頂きたく
生野菜のサラダに薄切りチーズを切り抜いてオバケを
お味はいかがですか?
「教祖様、お怪我はございませんか?」
この黒ずくめのオニキス・ヴァレンタイン(八月のヴァレンタイン・f41830)だ。傍から見れば事案だろうが、少女は教祖で、オニキスは信者である。なので、世間体はともかく法的な問題はない。
キマイラたちがざわついているが、問題はない。
「慣れない世界に来てお疲れになったでしょう」
教祖は軽くうんと頷いた。駄々を捏ねて疲れてしまっているようだ。
「僭越ながらこの黒聖者オニキスが教祖様の為に料理をお作りします」
嬉しそうな表情をようやく彼女は浮かべ始めた。
さて、しっかりと手を洗い、エプロン(もちろん黒教なので黒の物)を付け料理の準備は整った。
「さて、教祖様は、何がお好きですか?」
「お任せしますね」
となれば、作るべきなのは――ハロウィンらしい料理が良かろうか。
まずお出しするのは南瓜のスープ。
「美味しいです……!」
南瓜の主張しすぎない甘さとまろやかさがすきっ腹に染みわたる……
ちなみにこれはコンコンで出したモノではなく、カットした南瓜をレンチンして潰し、鍋で煮つつ、牛乳コンソメ、バターに塩胡椒。調味料で味を調整したもの……つまり料理した品物である。海苔を蝙蝠の形に切り取って、飾りつけまでされている。こういう遊び心がまた良い。
しかし、こりゃあ肌寒いこんな時期にはいくら飲んでも飽きない味だろう。
更にサラダも付いてきた。生野菜のサラダに薄切りチーズ。しかもチーズはオバケの形。生で食べてもドレッシングで食べてもまた良い味だ。食べ合わせもまた考えるのが楽しくなるだろう。
「お味はいかがですか?」
教祖はガツガツ食べた後、無垢な笑みを浮かべて微笑んでいた。ご満悦である!
大成功
🔵🔵🔵
フォーカス・フォード(サポート)
ウォーマシンのスカイランナー×ソーシャルディーヴァ、22歳の男です。
口調:丁寧な店員のような口調(ワタシ、アナタ、です、ます、でしょう、でしょうか?)
独り言は機械的に(自分の名前、呼び捨て、言い捨て)
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
副業としてやっている運び屋業も大概なため依頼成功のためにグレーゾーンに足を突っ込むことは厭いませんが真っ暗なことをする事は基本的に避けて行きます。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
コンテナめいた箱を運んでいるのはフォーカス・フォード(思考する運び屋・f44694)だ。
目指すは黒の教祖のいる大通りである。ウォーマシンはエアシューズで街を颯爽と駆け抜け、キマイラたちはカメラを構えている。実に呑気なモノだ。おかげでSNSは非常にに賑わっている。具体的には[ロボ出前だーッ!]みたいな感じに。
「お届けものです」
彼は箱を渡した。
「あ、これはどうもです」
教祖はそれをすんなりと受け取った。そして中身を開け……表情が柔らかいものに変わる。
「わあ……美味しそう……!」
内容物はハロウィン風味の料理である。ちなみに作者はフォーカスだ。と言っても、作り方をダウンロードしどうのこうのしただけなのだが。それでも一応手料理と呼んでも良いだろう。
そして今、教祖は食事を行っていた。南瓜グラタンに舌鼓を打っているようだ。
「うーん、おいしい……止まんない……」
食事の手は止まらない! ガツガツ食べ続けたからか、すっかり腹が膨れたようで、「ご馳走様」と手を合わせている。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『宮本・武蔵』
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POW : 二天一流「燕返し殺し」
【ふたつのラケットの間に生じる超魔力球】が命中した敵をレベル×10m吹き飛ばす。
SPD : 二天一流「ホーミングファントム」
【二振りのテニスラケット】から発射した【無数のテニスボール】を、レベル回まで跳弾できる。跳弾回数に比例して命中率・致死率が向上。
WIZ : 二天一流「五輪の極み」
【刺青型ユーベルコード「五輪書」】に封じた【地水火空風の5属性の都市破壊級魔術】と合体し、あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になる。ただし解除時にダメージを全て受ける。
イラスト:紙乙
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「フフフハハハ……」
若干疲れ切った笑いを上げている宮本武蔵。それもその筈だ。何しろ彼は三日三晩寝る間もなく駄々を聴かされ続けたのだから。
つまり……バチクソキレている。キチゲもやべーことになっているのだ。
まあ、そんな訳なので。
「これからテニスを叩き込んでやる……二天一刀流の神髄をだ!」
そう、もう猟兵が何だかんだとかそういう話は関係ない。殺す気で全力で憂さを晴らすのみ!
オニキス・ヴァレンタイン
教祖様の笑みは何物にも代えがたく。これぞ、プライスレス!
ふ、不審者ぁ!?黒は聖なる色なのに、不敬者ッ!ほら、見世物じゃないんですよ、散った、散った!(ざわつくキマイラ達に)
お次はテニスですか。教祖様を安全に元の世界にお返しすべく、気が抜けませんね。
エプロンからスポーツウェアに着替え、怪我をしないように屈伸や回施運動で筋や関節をほぐします。
行きますよ、宮本武蔵とやら。
オーラ防御と武器受けでボールを防ぎカウンターで打ち返します。打つ際、SPD【千里眼射ち】を応用して、ボールを矢に見立てて打ちます。(技能:視力、矢弾の雨)
そちらが無数のボールを打つならこちらも矢弾の雨の如く打ち返しましょう。
大前提として。住む世界が違えば世間一般の常識も違う。例えばGGOでは黒と言えば神聖な色であるが、キマイラたちの住む世界においては別にそんな事は無いのである。まあ、つまるところ。
「不審者!」
「ロリコン!」
「#事案発生なう……っと」
「ふ、不審者ぁ!? 黒は聖なる色なのに、不敬者ッ!」
オニキス・ヴァレンタイン(八月のヴァレンタイン・f41830)は正義マンっぽいキマイラたちによる謂れ無き詰問を受ける羽目になったのだ。そりゃあそうだろう。傍からすれば少女にすり寄るなんか変な奴なのだから。猟兵たちはどんな姿をしてても違和感を感じさせる事はないのだが、不審な行動をすれば目立つのは必然だろう。
「ほら、見世物じゃないんですよ、散った、散った!」
しっしと手を振って、キマイラたちを追っ払う。
なお、教祖殿はいつの間にやらグウグウと眠っていた。呑気なものだ。
それはさておき。
「さて。なんだか申し訳ないが……」
宮本武蔵は若干感謝やらなんやらが籠った視線を向けていた。なお、本人はそれに気が付く余地はない。
一方のオニキスは先程の黒エプロンから黒っぽいスポーツウェアに着替えていた。軽くストレッチと準備運動を行っている。これでテニスの準備は完了だ。
「行きますよ、宮本武蔵とやら」
「では――参る!」
スコォンッと心地良い音を立てて放たれるは――二天一流「ホーミングファントム」!
出所不明の無数のテニスボールが土砂降りの勢いで襲い掛かって来た!
「そちらが無数のボールを打つのなら……」
オニキスは一つ短く息を吐き――ラケットを振る。なんと無数のテニスボールを一瞬のうちに見極め、当るモノだけを的確に弾いていく! 千里眼で視ているとはいえ、何たる神業であろうか!
「こちらも矢弾の雨の如く打ち返しましょう」
「見事だッ!」
行われるラッシュの比べ合い! もはやキマイラたちは誰一人この試合場に近づけない! 哀れにも迷い込んだカトンボがボールの嵐に巻き込まれ、砕け散ってゆく!
ボールの宇宙的ラッシュ比べの末――オニキスのスマッシュが決まったようだ!
「……なんでテニスしてんだろ?」
「さあ……分からん……」
野次馬のキマイラたちは素朴な疑問を呟いていた。
「あ、一点入ったかな?」
「おっ、すげえな」
呑気にポップコーンなんか食べながら、二人の試合を眺めている。
「さて……と。あの試合上げてみっか」
そう呟いた二人組は模範的キマイラらしく、黒ずくめとサムライのテニス試合をSNSに上げてみた。
そんなにバズらなかった。
大成功
🔵🔵🔵
高嶋・瑞希(サポート)
絡み・アドリブ歓迎
戦闘開始と同時に「イグニッション!」の掛け声で武装を装着し戦闘状態へ移行します。
遠距離では結晶輪と氷霊手の「エネルギー弾」「誘導弾」で攻撃、近距離ではなぎなた、七支刀、アイスガントレットを使い分けて攻撃します。
敵の攻撃は「気配感知」「第六感」「霊的防護」「オーラ防御」「武器受け」で回避又は防御します。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「イグニッション!」
掛け声と共に武装を構えたのは高嶋・瑞希(雪女のストームブリンガー・f36313)である!
「では……参る!」
宮本武蔵はテニスラケットを構えた。互いに出方を測りつつ……先に動いたのは高嶋だ!
エネルギー弾を放つが、弾は全てテニスラケットで打ち返される。更に跳弾するテニスボールが追加された。これでは動こうにも動けない! 何しろ弾幕は跳弾しているのだから!
回避にオーラ防御でやり過ごしているものの、量が多ければ捌ききれずに自分に当たる玉も出てきて来た!
「……む?」
ふと、湿り気に気が付いた。着物に水染みが付いているのだ。しかしただの雨ではない。|銀色の雨《シルバーレイン》である。
「!」
万色の稲妻が墜ちて来た! ユーベルコード【ヘヴンリィ・シルバー・ストーム】によるものである!
その間、高嶋の傷は雨によって少しずつ癒えている。宮本武蔵は雷が降り注いでいるものだから、動けない。
どうやら、勝負は徐々に猟兵有利になりつつあるようだ。
成功
🔵🔵🔴
田丸・多摩
連携歓迎。
公序良俗に反する行動、利敵行為、過剰に性的な描写はNG。
芸能事務所の事務員。
いかにもビジネスウーマン然とした、礼儀正しい口調で人と接する。大抵のことはそつなくこなすが、激辛好きで味覚が終わっているため料理だけは下手。
民間人への被害を嫌い、救助活動などには全力を尽くす。
戦闘になると急に元ヤンめいた荒っぽい口調になり、態度もふてぶてしくなる。
真紅のフルカウルスポーツバイク『レッドサビナ350』を乗機兼凶器として使用。喧嘩殺法じみた格闘攻撃も使い、場合によってはサイキッカー由来の念力攻撃を使うこともある。
台詞例
「我々が来たからには、もう安心ですよ。ふふふ♪」
「上等だよ……掛かってきな!」
猛獣の唸り声めいた音を響かせながら、愛車であるレッドサビナ350に跨っているのは田丸・多摩(謎の裏方お姐さん・f09034)。族めいた(実際、彼女は元族である)凶悪な笑みを浮かべながら、宮本武蔵へと走らせて行く!
「ふむ……二輪車であるか……ならば!」
宮本武蔵が使うユーベルコードは【二天一流「五輪の極み」】。肉体を一定時間の間だけ無敵に変えるユーベルコードである!
これならば相手がどんな無茶な動きをしようが対応できる。
「……ッ!」
そう考えた矢先、突然彼の視界が明るくなって白く染まる! サイキックブラストによる電撃で眼晦ましを食らったのである!
「……フッ、やられたものだな」
視界を潰されてしまえば、ボールは打てない。バイクの排気音が喧しくて接近して来ても分かり辛い。こうも不利な事が重なると、苦笑いの一つも浮かべたくなるものだ。
目をつぶり、テニスラケットを構える。明鏡止水の心構えで。
「――そこかッ!」
勢い任せで振りかざす――が、空振り! 容赦のない前輪が宮本の頭に突き刺さった!
大成功
🔵🔵🔵
印旛院・ラビニア(サポート)
・境遇的なものもあり、思考や嗜好は成人男性のものです(恥ずかしいので自分からは喋らない)
・基本的にはヘタレで気弱、強者にビビるし弱者に慎重な面もありますが、物事がうまくいったり周りに煽てられるとイキって墓穴を掘ることもあります
・なんだかんだで人がいい
・やり込みゲーマーで現状を学ぶ【学習力】と自分のプレイに【チューニング】できる応用力が武器
・キャバリア・劫禍との関係はUCの秘密設定あたりで察してください
UCは活性化した物をどれでも使用し、例え依頼のためでも、公序良俗に反する行動はしません。えっちな展開はコメディ目であれば許容
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「何とかなる……かなあ?」
印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)は既にヘタレていた。何しろ相手はテニス・フォーミュラである宮本武蔵。相手にとって不足はない。ヘタレには少々過剰過ぎるかもしれないが。
なお、宮本は既にラケットの素振りを行っている。やる気に満ち溢れた姿を見るに、どうやら逃がすつもりは一切ないらしい。印旛院は覚悟を決めさせられた。
さっそくカードデッキ【戦乙女達の行進シリーズ】を構えた。
「ドロー!」
次々と戦乙女を繰り出していく。だが、相手はリアルファイトを行っているのだ! 盾の戦乙女・ランドガルダで攻撃を防ぎつつ、コストを溜めてゆく。その間、徐々にユーベルコードの発動条件が整っていくのだ。
「戦乙女の召集で更にドロー!」
更に場が埋まっていく。
「次にこの戦少女を召喚した効果で……」
これで条件は整った。後は攻撃を行うのみだ。
「行くよ! |戦乙女の行進《ヴァルキリーズ・パレード》!」
そして連携技が叩き込まれる!
成功
🔵🔵🔴
オニキス・ヴァレンタイン
見て下さい。職人さんの所へ行って、テニスラケットを作って貰っちゃいました!瞳模様のワンポイントが素敵でしょう?
なるほど!テニスとはこういうものなのですね!
宮本武蔵さんのボールを見て何か掴めた気がします。
今回は【テニスラケットによる攻撃】で、相手から放たれる無数のボールをテニスコートの地形を利用し跳弾させながら打ち返します。(技能:クイックドロウ、地形の利用、跳弾、カウンター)
すやすやお休みになられていると言えど教祖様の御前。黒教の司祭としてこの試合、負ける訳には参りません!
教主様がお目覚めにならないように、できるだけ静かに打ちたいものですが、テニスコートが破壊されては無理というものでしょうか。
さて、ラッシュが終わった後。
「見て下さい。職人さんの所へ行って、テニスラケットを作って貰っちゃいました!」
オニキス・ヴァレンタイン(八月のヴァレンタイン・f41830)は先程手に入れたテニスラケットをさも自慢そうに見せびらかしていた。宮本武蔵はホォと軽く返事を返す。
「瞳模様のワンポイントが素敵でしょう?」
「おう」
実に無難な生返事である。
ここでタイマーが鳴り響いた。休憩終わりの合図だ。
「なるほど! テニスとはこういうものなのですね!」
オニキスはどうやら宮本の投球やら打ち方を見て、テニスのコツを掴んだらしい。
【二天一流「ホーミングファントム」】で放たれる無数のボールを次々と弾いたり、テニスコートを上手く使っては返していく。
「黒教の司祭としてこの試合、負ける訳には参りません!」
なお、当の教祖はぐうぐう眠っている。司祭は眠りを妨げないよう気を使っているが、教祖はかなり深い眠りに付いているようである。
しかし試合が激化すれば目が覚めるかもしれない。ラッシュは更に加速してゆき、ボールに火が付いた!
更にドゴォだの、ボゴォだのと過激な音が聞こえてくる始末。もはや戦場めいた惨状に変わってゆく!
「……何かあったんですかぁ?」
寝ぼけ眼を擦りながら、黒教の教祖は目を覚ます。
まるで終末戦争でも起きたのか。テニスコートは砲弾でも着弾したかのように凸凹に変わっていた。
「テニス」
親切なキマイラはとりあえずそう言った。
「テニスですか……そっかあ……」
教祖のご尊顔には納得の表情が浮かんでいる。理解できないモノを辛うじて飲み込んだような、微妙な表情である。
ちなみにプログラムは辛うじて出来上がっていた。しかし、どれ程やれば帰還可能ラインへと至るのか。それはまた別の話である。
大成功
🔵🔵🔵