【南瓜祭】リベンジ・オブ・ザ・リビングデッド
●注意
当依頼は、PBWアライアンス『コイネガウ』からのシナリオです。
PBWアライアンス『コイネガウ』の詳細を以下でご確認お願いします。
公式サイト:(https://koinegau.net/)
公式総合旅団:(https://tw6.jp/club?club_id=4737)
●陰に生きるもの
「おーっほほほほ! 闇の世界はわたくしの世界! 闇の中でこそわたくしの薔薇は咲き誇るのですわ!」
闇の中、高らかに笑うゴスロリ少女。その周囲は真っ赤な薔薇が咲き乱れており、周囲にはむせ返るような甘い匂いと強烈な腐臭がともに溢れている。
「変態仮装行列に浮かれる連中をしばき倒して、今度こそこの島を腐った薔薇の世界に沈めてやりますわ!」
ありったけの嫉妬と恨みを込め、闇の薔薇が赤く咲き誇っていた。
●陰で死んでるもの
「皆さん、こんばんは……依頼です……」
アレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)が集まった者たちに一礼する。
「ただいま希島に発生している、夜が明けない現象……これは『幻夜』と名付けられました……」
希島は現在時間に関わらず開けない夜に包まれている。この異常事態に島中枢も動いており、既に解決する方法は判明している。
「で、その解決のために各地で『儀式』が色々と行われているのですが……それを邪魔しようとしている人がいます。なので、その人を退治していただきます」
この依頼は儀式そのものではなく、その防衛が主目的ということだ。
「討伐対象は『ゾンビーヌ・ロッテンローズ』というリビングデッド……過去何度か島で暴れたゾンビです……」
昨年五月に解体されたカルト教団が蘇らせたリビングデッドの残党で、時折土から出てきては暴れる迷惑ゾンビである。猟兵業もやってはいるが、希島にとっては基本敵といえる存在だ。
「陽キャが浮かれ騒ぐハロウィンが気に入らないというのと、周囲の闇から力を得ているみたいで、かなりパワーアップしてるみたいです」
元々の彼女は猟兵としてもそこまで高レベルというわけでもないが、幻夜の効果で普通のボス級オブリビオン並の強さになっているらしい。
「彼女は通った後に自分の操る薔薇を咲かせながら進軍しています。戦う時も周囲は薔薇に包まれていますが、彼女はいわゆる操作系的な力があり植物を自由に動かせるので、ちょっと注意がいるかもしれません」
彼女の操る薔薇は触れたものを腐らせる危険なものだ。これもまた闇の力で強化され、普段以上の毒性を持っている可能性が高い。
「まあ、やることは皆さんが異世界でやっている普通のボス戦と変わりません。やはり同じように相手はこちらの能力に対応したホープコードを使ってきますので、それにもしっかり対処してください」
ボス級オブリビオンと戦うようにやればそれでよく、またそのつもりでいかなければ希人でも簡単に倒されてしまう程度の強さはある相手だ。
「ハロウィンにお似合いのキャラですが本人はハロウィン嫌いみたいですし、お祭りを邪魔されるのも困りますので……どうか皆さん、よろしくお願いします」
そう言ってアレクサンドラは、夜闇の中に猟兵と希人を送り出すのであった。
鳴声海矢
注:今回の依頼は、【幻夜の南瓜祭】の共通題名で括られるシナリオソースのシリーズです。
コイネガウ暦20X4年10月における「ハロウィン」の物語となります。
各MSによるシナリオはどれも内容が独立している為、重複参加に制限はありません。
・南瓜祭会場の一覧
雅瑠璃MS:お色気。儀式。
ナイン高橋MS:お色気。南瓜行列。
鳴声海矢MS:戦闘。
ウノ アキラMS:日常。幽霊さんシリーズ。
こんにちは、鳴声海矢です。今回は明けない夜を越えるためにゾンビ退治です。
相手となるのはゾンビーヌ・ロッテンローズ(https://tw6.jp/character/status/f40316)。所持技能や装備はそのままですが、レベルは難易度普通のボス級に強くなっています。
戦い方も普通のボス戦同様、参加者の使用UCと同じ能力値のホープコードを使ってきます。
能力値行動の詳細は以下の通り。
POW:引き裂く薔薇棘
【鋭く振るわれた鞭や、自身の操作する茨の棘】が命中した対象を切断する。
SPD:腐れ薔薇の剣戟
【伸ばした薔薇の蔓に自分を引っ張らせること】で敵の間合いに踏み込み、【腐った薔薇の花弁】を放ちながら4回攻撃する。全て命中すると敵は死ぬ。
WIZ:腐れ薔薇の嵐
自身の装備武器を無数の【触れたものを腐らせる薔薇】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
他ギミックとしては、周囲に大量の薔薇が咲いていますがこれも武器扱いであり、彼女が自由に動かせます。
第六側ではたまに予知とかしている彼女ですが、今回に関しては明確に希島壊滅を狙う敵キャラクターなので、オブリビオン同様遠慮なく土に還すつもりで攻撃してください。
それでは、プレイングをお待ちしています。
第1章 日常
『プレイング』
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POW : 肉体や気合で挑戦できる行動
SPD : 速さや技量で挑戦できる行動
WIZ : 魔力や賢さで挑戦できる行動
イラスト:YoNa
👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
闇夜に包まれた希島の中、闇を糧にしたかのように薔薇が蔓延っていく。
その先頭にいるのは、真っ黒なゴスロリ服を纏った少女。緑色の肌と赤い髪により彼女自身が大きな薔薇の花のようにも見える。
「ハロウィンが本来何なのかも知らず、ただ騒ぎ盛り合えればなんでもいい頭の悪い陽キャども……」
少女が歩くごとに、その足跡をなぞるように薔薇が咲いていく。その薔薇は甘く腐ったような香りを放ち、その花びらが触れた場所は例え石や金属だろうとボロボロに腐りおちていく。
「ハロウィンとは、この世と霊界との間に目に見えない「門」が開き、この両方の世界の間で自由に行き来が可能となる日!」
百科事典サイトそのままの事を言いながら町を腐らせていく彼女はゾンビーヌ・ロッテンローズ。過去カルト教団に甦らされ、その壊滅後も時折復活して活動するゾンビである。
「無知蒙昧な性欲馬鹿ども諸共、この島を今度こそ沈めてやりますわ! 全て闇の中、腐り果てなさい!」
陰キャ特有の僻みに幻夜の力を受け最大以上に力を発揮したゾンビ娘。こいつを倒し、ハロウィンを守れ!
ガルル・ルーガルー
ブラムと連携。アドリブ歓迎。敵HCお任せ。
希島の南瓜祭が観たくてお忍びで旅行をしたら、
この様ですわね?
島全体の明けない夜を明ける様にお手伝いすれば良いのかしら?
祭は希島の皆様にお任せするとして、
わたくし達はその祭を阻害する者を討伐しますわ。
あらら? 先日の防衛戦で暴れたゾンビですの?
わたくしはその頃はいませんでしたから、初戦の相手になりますわね。
魔法剣で白兵戦を挑みますわ!
頃合いを見て、HCの氷結魔法剣で突撃ですの。
ブラムが前衛で囮をやってくれていますので、
中衛位置からヒット&アウェイで体力を削って行きますわ。
一通りダメージを与えたら無理せず撤退ですわ。
わたくし共だけでは手に余る相手ですもの。
ブラム・フォンヴラド
ガルルと連携。アドリブ歓迎。敵HCお任せ。
ふぅ、ガルル王女のお忍びに同行すればこの様かよ?
しかも事件が起きて、王女は介入までするのか?
仕方ねぇ、側近の役目としてお供するか……。
前衛はお任せ下せぇ、ガルル様?
僕がゾンビを引き付けて囮役やりますので!
まあ、ボディーガードは体を張る役目だし致し方無い。
希島の防衛戦の時のゾンビねぇ?
初手で名乗り上げたら突撃だ!
俺にヘイトを集めるか。
で、HCで蝙蝠を沢山召喚して嗾ける。
ゾンビが蝙蝠に集られているところにシャバラで攻撃。
蛇状のくねった剣戟でゾンビを惑わすか。
飽くまで前衛の役目として中衛の王女に攻撃を通さぬ様にするか。
攻撃の主力そのものはガルル様にお任せだ。
現在希島は明けない夜に包まれている。
「希島の南瓜祭が観たくてお忍びで旅行をしたら、この様ですわね?」
そう言って闇だらけの周囲を見回すのはガルル・ルーガルー(NEO・元西欧貴族派・本島を治める人狼王の王女・f42587)。
「島全体の明けない夜を明ける様にお手伝いすれば良いのかしら? 祭は希島の皆様にお任せするとして、わたくし達はその祭を阻害する者を討伐しますわ」
本来ならば遊び事のつもりで来ていたが、事件とあれば参加せずにはいられない。
そしてそんな暴れまわる元凶に突っ込んでいこうとする彼女を後ろから見守る男が一人。
「ふぅ、ガルル王女のお忍びに同行すればこの様かよ? しかも事件が起きて、王女は介入までするのか?」
彼はブラム・フォンヴラド(NEO・元西欧貴族派・本島を治める人狼王側近の男爵・f42588)。NEO・元西欧貴族派・本島(旧オーストラリア)を治める人狼王の配下の男爵であり、ガルルの忠実なる……とは若干言い難い付き人である。
「仕方ねぇ、側近の役目としてお供するか……」
しかし、ここで勝手に彼女に死なれても困る。突っ込んでいく彼女を制しつつ、ブラムは事前に聞いていた敵の概要をガルルに伝える。
「あらら? 先日の防衛戦で暴れたゾンビですの? わたくしはその頃はいませんでしたから、初戦の相手になりますわね」
そう、実はガルルは猟兵や希人としての実戦経験はない。それでありながらボス級に強化されたゾンビーヌに挑もうとする彼女を、ブラムは重ねて制する。
「前衛はお任せ下せぇ、ガルル様? 僕がゾンビを引き付けて囮役やりますので!」
184cmの長身で立ちふさがるブラム。その格好は中々に決まっているが、実のところ彼も対オブリビオンの実戦経験はない。それを見抜いてか、ゾンビーヌは馬鹿にしたように笑う。
「堂々と宣言するのは宜しいですが、その程度でわたくしの相手になるとでも?」
「まあ、ボディーガードは体を張る役目だし致し方無い」
仕事だから、というブラムにゾンビーヌは手にした茨の鞭を振るう。ブラムはとっさにそれを避けるが、足元の地面がきれいに断裂しておりその威力の程を物語っていた。
「ところで、一つ質問があるのですけど」
余裕で鞭を引き戻しながらゾンビーヌがブラムに問いかける。
「もしかしてあの王女様……実は男の娘だったりしませんこと?」
「んなわけあるかい」
思わず一瞬地を出しながらのツッコミ。
「なら用はありませんわ!」
その答えが気に入らなかったのか、周囲を囲む薔薇から蔓が一斉に伸びゾンビーヌを引っ張りだす。それによる高速移動を繰り返しながらの連撃を、ブラムは蝙蝠を周囲に張ることで目くらまししながら避けた。
「行け!」
変わり身のようにその場に残した蝙蝠を、突っ込んできたゾンビーヌに纏わりつかせる。さらにブラムは己のメカニカル・ジャバラ・ウェポンをそこに打ち込むことで相手の動きを制限していき、高速連撃を続けられないようにした。
「く、うっとおしい……」
纏わりつく邪魔者に動きづらいゾンビーヌ。その周囲の空気が、一気に冷え込んだ。
「魔法剣で白兵戦を挑みますわ!」
踏み込んできたのはガルル。その手には氷でできた剣があり、蝙蝠をかき分けゾンビーヌの体へと迫る。
「くっ!」
その刃がゾンビーヌの脇を掠め、黒いドレスを引き裂く。凍り付いた傷口を抑えながらゾンビーヌが鞭を振るうが、その時にはガルルは既に離脱していた。
「ブラムが前衛で囮をやってくれていますので、中衛位置からヒット&アウェイで体力を削って行きますわ」
素直な側近への信頼を相手はどうとっているのか。だがどうであれ仕事は確実にこなす男は暗闇で三倍の力を得た蝙蝠をけしかけ、ゾンビーヌの動きを乱す。
「闇が力なのは君だけじゃないってことで」
そしてそこをもう一度絶対零度の剣が貫く。今度はより深く、ゾンビーヌの腐った肉を氷の刃が貫いた。
「くぅっ……ノマカプの分際で!」
茨の鞭が今まで以上に鋭く振るわれた。それは突き刺さった氷を簡単に切断し、体に残った側は一瞬で腐った水になって落ちる。
「非常に抗議したいのだが……」
「ここは抑える時ですわ」
呆れの裏に確かに苛つきを滲ませるブラムを、ガルルが冷静に制した。
「最後に、もう一度!」
そして腕側に残った氷で殴りつけるようにもう一度一撃を入れ、そして同時に蝙蝠たちも一点に体当たりをかける。
「ぐっ!」
その一撃に、ゾンビーヌはよろけて自身の生やした薔薇の茂みの中へと倒れ込んだ。
「無理せず撤退ですわ。わたくし共だけでは手に余る相手ですもの」
「了解です、姫様の仰せの儘に」
二人掛かりで一度転ばせることは出来たものの、この闇の中においてはやはり|吸血鬼《ブラム》や|クルースニク《ガルル》よりあのゾンビが上。これ以上の本気を出されてはこちらが危険なのは見て分かるし、相手は確実に敵を死に至らしめる技も持っているのだ。蛮勇は王族として最も合ってはならぬことと、ガルルは撤退を決めブラムもそれに従うのであった。
大成功
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夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
何やら変わった世界で、見覚えの有る方が暴れておりますねぇ。
今は敵ということで。
【炳輦】を発動し飛行、『防御結界』に『FMS』のバリアと『FES』の『風結界』を重ね守りを固めますねぇ。
地上に咲く薔薇は空中であれば影響は薄く、香気や花粉は『風結界』で吹き飛ばせば良いでしょう。
【薔薇棘】は『FPS』で入りと狙いを察知し『転移』で回避すれば問題無く、ゾンビーヌさんは飛行は得手ではないようですので、距離が地上と空で離れる分『鞭』や『茨』で狙うのも困難ですぅ。
後は『時空切断の嵐』に『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FDS』の[爆撃]を重ね、周囲の薔薇ごと[範囲攻撃]で叩きますねぇ。
希島壊滅を狙うゾンビ、ゾンビーヌ。彼女は蘇った時猟兵としての能力にも同時に目覚め、グリモア猟兵としても時折活動していた。
「何やら変わった世界で、見覚えの有る方が暴れておりますねぇ。今は敵ということで」
希島に初めて訪れた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が見たのは、見知った顔が暴れている姿。何なら現在進行形で、ゾンビーヌが予知した依頼にも参加している。
「あら? あなた……」
ゾンビーヌの方もるこるを見つけ、足を止めた。
「何ですの、わたくしの邪魔をするなら容赦しませんわよ!」
既に敵襲を受けているゾンビーヌは、鞭を振るい戦闘の意思を見せる。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて典礼を捧げましょう」
対するるこるも、【豊乳女神の加護・炳輦】を発動する。
「綺麗な血の花咲かせませ!」
ぞの豊かな身を両断すべく、ゾンビーヌは【引き裂く薔薇棘】を振るう。るこるは浮き上がってそれを避けると、周囲にバリアと風の結界を張った。
「捕らえなさい、薔薇たち!」
ゾンビーヌの指示に植物が一気に繁茂し蔓を伸ばす。だが横に比べて上への繁殖速度は遅いのか、瞬間移動を繰り返し蔓には捕らえられない。
また周囲に張った風が、薔薇の香気や花粉を押し返していく。この薔薇は彼女の能力の一端であり、ただの飾りではない。希少植物であり攻性植物であるそれは、触れたものを腐らせる猛毒を持った危険なものだ。ただ匂いをかぐだけで何かの悪影響があるのも容易に予想がついた。
「ああもう、降りてきなさい!」
明確に速いのは彼女の使う鞭。それをさらに上方に避け、完全に攻撃範囲へと逃れる。
「そんなに高い所に行くんじゃないですわよ! こうなれば……!」
それを睨んだゾンビーヌの体から、皮膚を食い破りいくつもの芽が出現した。それは一気に成長しゾンビーヌの体を取り囲むと、そのまま巨大な人型となって立ち上がった。
「これで高さはなし! 捕まえましたわ!」
自身の体を栄養に巨大化させた薔薇『ロサ・ギガンティア』、分類はジャイアントキャバリアになるらしいそれの手を伸ばし、るこるを掴みにかかる。
これもまた彼女の操る薔薇であり、ユーベルコードの切断効果も乗っている可能性がある。それを察したるこるは瞬間移動でその軌道から外れた。
「なるほど、器用な方なのですねぇ」
薔薇の成長次第でキャバリアも巨大化してくるかもしれないし、薔薇自体の汎用性から状況を変えても対応してくるかもしれない。
それ故、るこるは一気に勝負を決めにかかった。
「まずはこれでぇ」
時空切断を放ち、伸ばされたキャバリアの腕を切り落とす。本体にはダメージはないだろうが、それを重ねることでキャバリアの大きさを削ぎ再び高さの優位を取り戻するこる。
そしてそこに重ねるのは、『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FDS』の[爆撃]。砲弾や爆風の衝撃こそキャバリアの体が耐えるが、それによる炎が腐った薔薇を焼き尽くしていく。
「あああ、ちょっと、何しますの!」
アンデッドや植物には火特効はお約束と言わんばかりに、周囲に繁茂した薔薇がどんどん焼き払われていく。それはまるで彼女が浸食した島の大地を取り戻していくかの如く。
「ひこうしてほのおとか……こっちはくさタイプですのよ!」
オタ知識で吠えながら燃え尽きるロサ・ギガンティアから這い出して逃げるゾンビーヌ。その後には、空けない夜が炎に明るく照らされているのであった。
大成功
🔵🔵🔵
キノ・コバルトリュフ
キノキノ、火力が足りないんだって?
だったら、焼き舞茸はいかが?
キノ!バルくんどんどん焼いていくよ!!
トリュフ!バルくん、いい焼き加減だね。
キノも奉納の舞いを頑張っちゃうよ!
マツタケ!!おいしく焼けたかな?
幾度か敗れても、ゾンビーヌの進軍は止まらない。崩れた体を薔薇の蔓で繋ぎ、闇が染み込んで外面を修復していく。
薔薇の咲き乱れる暗黒の世界に、|似て非なる別の生物《菌類》が紛れ込んでいた。
「キノキノ、火力が足りないんだって? だったら、焼き舞茸はいかが?」
それはキノ・コバルトリュフ(|キノコつむり《🍄🍄🍄🍄🍄》の星霊術士・f39074)。巨大なキノコを頭に付けたその姿に、ゾンビーヌは敵意を向ける。
「この期に及んで仮装など……ふざけた陽キャは薔薇の養分にしてやりますわ!」
キノの頭部は自前のものなのだが、希島にピュアリィはいないし今の時期にこんな格好をしていればそう思われるのも致し方なし。ともあれ、ゾンビーヌの命令に従うように周囲の薔薇が伸び、キノを捕らえようとする。
「キノ! バルくんどんどん焼いていくよ!!」
その棘蔦がキノの白肌を引き裂こうとした時、その傘から一匹の猫が飛び出した。その体は闇に溶ける漆黒。だが尻尾には赤い炎が灯り、それが周囲を赤々と照らしていた。
その猫は星霊バルカン。かつてエンドブレイカーの星霊術士第二の相棒として、長い戦いを共にした炎の星霊だ。
バルカンが尻尾を振るとそこから炎が飛び散り、迫る蔦を次々と焼き払っていく。
「ああもう、またほのおタイプ……あなたも|植物《くさタイプ》の癖に!」
「キノ? キノコは菌類だしキノはピュアリィだよ?」
「知りませんわそんなの!」
怒り狂うゾンビーヌ。周囲の薔薇が伸ばしても伸ばしても焼き払われる状況に、彼女は鞭や棍、ペンなどの自身の持つ武器を全て取り出した。
そして、それを全て宙に放り投げる。
「薔薇吹雪の中で腐り果てませ!!」
ゾンビーヌの掛け声とともに、その全てが暗い赤色の花びらへと変じた。そしてそれを合図にするかのように、希島に蔓延っていた薔薇も全てが花弁となり、【腐れ薔薇の嵐】となってキノに向けて襲い掛かった。
赤い花吹雪がキノを腐らせようとその身を取り巻く。その甘い腐臭の中、キノは激しく舞い踊り始めた。
その踊りに誘われるようにバルカンの尻尾の火が大きく燃え上がる。そしてそれは炎の渦となり、腐れ薔薇の嵐とぶつかり始めた。
「トリュフ! バルくん、いい焼き加減だね。キノも奉納の舞いを頑張っちゃうよ!」
闇を呼び島を腐らせる紅と、島を照らし浄化する赤がせめぎ合う。
「くっ……早く、早く腐り果てなさい!」
さらにゾンビーヌは自身の体を繋ぎ留めている薔薇まで表出させ、それも花びらに変えて舞い散らせた。それに伴い体がぼろぼろと崩れていくが、それに呼応するようにキノの踊りはさらに激しくなっていく。
魔を沈め神に捧げる奉納の舞い。オカルティズムの祝祭であるハロウィンを正しく祝うかのような舞は、暗夜を照らす炎を呼び死の薔薇を灰へと変えていく。
やがてその火はゾンビーヌを取り囲み、その黒いドレスに火をつけた。
「わたくしの……薔薇の世界……闇の中に……!」
燃え盛る業火の中、緑の肌が焼け焦げていく。やがて髪も、服も、薔薇も全てが炎に包まれ、そしてその中に僅かに見えていた人型が崩れて落ちた。
「マツタケ!! おいしく焼けたかな?」
最後にポーズを決め踊りを決めたキノの周囲で、炎が一気にはじけて消える。その後には、僅かに甘い香りを立てる黒焦げの隅が僅かに残るだけであった。
そしてその灰が一陣の秋風に吹き散らされた時、島中に繁茂していた薔薇も全て枯れ果て消える。
こうして闇から来て幻夜を守ろうとした陰のものは、暗く冷たい土の中に帰った。あとは邪魔のなくなった儀式が完遂されれば、この夜は明けることだろう。
その時までは、HappyHalloween。
大成功
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