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HYPER SONIC HUNTER

#ブルーアルカディア #レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』

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#ブルーアルカディア
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#レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』


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●とある浮島にて
 ここは天空の世界ブルーアルカディア。その中の一角、『インディ勇士団』が拠点としている浮島に、この世界の存在ではない者がいた。ヘルメットを決して外さぬその男の名は『ウィリアム・ローグ』。アスリートアースの『新生フィールド・オブ・ナイン』の一員である。
 彼は同じく『新生フィールド・オブ・ナイン』の一員である『キャンピーくん』に乞われ、ブルーアルカディアを侵略しようとした|超古代種族《エンシェント・レヰス》『イザナミ』と戦い、猟兵たちの協力を得てこれを退けたのだった。
 しかしその代償は大きく、彼の愛機である『ローグ・インターセプター』は大きく損傷し、走行不能状態となってしまったのだった。だが捨てる神あれば拾う神あり、彼と猟兵の活躍を見ていた『インディ勇士団』が自分たちの拠点の一角をローグに貸し出したのだった。

「ローグさん、作業の進捗はどうですか?」
 工具箱を手にした青年が話しかける。彼の名はアイルトン。先の戦闘ではディバインウィザードとして戦っていたが、魔獣の猛攻を前に動力用の天使核切れを起こした苦い経験を持つ。
「悪くはない。ただもう少しかかるといったところだ。」
 ローグがエンジンを示す。機体から取り外され、作業台に設置されたそれは、アスリートアースで一般的に見られるレーシングカー用のエンジンとは違っていた。
「どう見ても天使核エンジンですよねこれ。自分で作られたんですか?」
「ああ、協力者はいたがほぼ自力だ。」
 アイルトンは興味があった。なぜ異世界人であるローグが自力で天使核エンジンを作り上げたのか。そもそもブルーアルカディアにしかないはずの天使核が異世界であるアスリートアースにあったのか。聞いてみたいことは山のようにあった。

「ウィリアム、差し入れだ……アイルトンもいたのか。」
 『インディ勇士団』のリーダーである『船長』とその右腕であるミカがやって来た。『船長』は人間の壮年男性、ミカは年齢不詳美女のガレオノイドだ。
 『船長』は食料の入った籠をローグに手渡すと、やおら作業台に地図を広げた。
「お前さんの言っていた『大量の天使核』が手に入るかもしれん。場所はここだ。」

●帰還まで何マイル?
「皆さんお集まりいただきありがとうございます。ローグさんの帰還について動きがあったようです。」
 五十川・静華(雪女の「フィギュアスケート」アスリート・f42400)がグリモアベースに集まった猟兵たちに話しかける。
「先の『帝都櫻大戰』でローグさんが皆さんと共闘したことは記憶に新しいかと思いますが、その戦いの結果『ローグ・インターセプター』が故障し、さらにキャンピーくんも消息不明であることから、ローグさんがブルーアルカディアに取り残された状態となっていました。」
 「大丈夫なのそれ」という問いが猟兵から出る。
「あ、ローグさんの身柄については現地の勇士の皆さんが保護してくださってるので大丈夫です。そして『ローグ・インターセプター』についても修理が進められているのですが、ここで問題が一つ浮上しました。」
 雪の結晶のグリモアが映像を映し出す。
「ローグさん曰く『私のスピードなら強引に骸の海を突っ走ってアスリートアースへ戻れるかもしれない。しかしそれには大量の天使核が必要だ』とのこと。しかしながら、その『大量の天使核』をどうやって入手するのかという問題が発生しました。ですが、それについて現地の勇士の方に心当たりがあったようです。」
 映像が切り替わり、古い地図が表示される。
「これは名もなき古代遺跡の所在を示した地図なのですが、この古代遺跡、現在は大量の蛮族……つまりオブリビオンに占拠されています。ここでオブリビオン狩りをして天使核を入手しようという算段なのです。これに皆さんも協力していただけないでしょうか?」
 なるほどと納得する猟兵たちに、静華が話を続ける。
「ローグさんは借り物のセイルフローターで先に古代遺跡に行っています。皆さんの中で飛行手段を持たない方は、現地の勇士の方が|飛空艇《ガレオン》に乗せてくれるそうなので安心してください。」

●音も光も超えて行け
「蛮族をある程度倒すと、近くの雲海に巣を作っていた『雲渡り』という鳥型オブリビオンが出現しますので、これも倒していきましょう。それも倒すと、『雲渡り』を束ねていた『雲と在るもの』という強力なオブリビオンが出現します。超音速の飛翔能力を持つ強い相手ですが、その分強力な天使核が得られますので、皆さん頑張ってください。」
 グリモアを起動しようとした静華だったが、大事なことを思い出した。
「今回のオブリビオン狩りでは、現地の勇士『インディ勇士団』も協力してくれます。彼らと連携するのも一つの手でしょう。」
 改めてグリモアを起動し、現地に猟兵たちを送り出す静華。
「皆さん、ローグさんの為にもよろしくお願いします。」


武炎鉄
 こんにちわ、武炎鉄です。2024年最後(多分)の21作目は、責任取っての帰還シナリオ第2弾ウィリアム・ローグ編です。あの人サラっとヤバいこと言ってる(震え)
 本作は『帝都櫻大戰⑬〜GOD SPEED LOVE』の続編ですが、特に読まなくても大丈夫です。

●第1章では大量の蛮族(中身はオブリビオン)を倒します。1匹単位では強くないですが、如何せん数が多い。
●第2章では雲海の中から出現する『雲渡り』の群れを倒します。詳細は断章にて。
●第3章では超音速の飛翔能力を持つ『雲と在るもの』を倒します。詳細は断章にて。
●途中参加歓迎です。その場合「実は第1章からいた」という扱いになります。
●プレイングボーナス:ウィリアム・ローグおよび『インディ勇士団』と連携して戦う(全3章すべて)

●インディ勇士団の皆さん
 『船長』(人間の飛空艇パイロット×冒険商人)
  『インディ勇士団』のリーダー。壮年男性。本名は『グラハム』。
 ミカ(ガレオノイドの鎧装騎兵×ガンスリンガー)
  年齢不詳の褐色美女。『インディ勇士団』の旗艦でもある。
 アイルトン(人間のディバインウィザード×サンダーバード)
  20代前半の男性。技術者としての側面も持つ。
 フランク&エミール(召喚獣『イエティ』のロケットナイト×魔獣解体士)
  双子の兄弟。フランクが兄でエミールが弟。
 ジル(人間の翔剣士×天誓騎士)
  10代後半の女性。ワイバーンの『ヘルムート』に騎乗して戦う。
 フランソワ(エンジェルのクリスタルサモナー×錬金術師)
  20代前半の女性。今回は天使核の消費を抑える為、錬金術を多用する。
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第1章 冒険 『蛮族をぶっ飛ばせ!』

POW   :    驍勇無双! 片っ端から薙ぎ払う!

SPD   :    堅塞固塁! ここから先には通さない!

WIZ   :    知略縦横! 戦場は我が意のままに!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●合流
 転送先は『インディ勇士団』が拠点としている浮島だった。彼らと合流した猟兵に、屈強な体格の中年男性が声を掛けてきた。
「アンタたちが『猟兵』か。噂には聞いている。俺はグラハム。この『インディ勇士団』のまとめ役をやっている。俺を呼ぶときは『船長』で構わん。」
 その他の『勇士』も軽く紹介する『船長』。皆、猟兵と共闘できることに興奮しているようだ。
「ウィリアムは先行して遺跡に向かっている。我々も出発するとしよう。ミカ、お前も準備はいいか?」
「はーい、私も準備万端でーす!」
 |飛空艇《ガレオン》から女性の声がした。
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎

「『インディ勇士団』私はリニアロングボウとアルテミス・レーザービームでの攻撃とファンネルビットでの攻撃が可能だ。機数は160機、テレポートも可能だから君たちを空間飛翔させる場合は指示を仰ぎたい。宇宙空間ならば私の領域だが“雲海”は君たちの領域だ、協力をたのむ」と告げると『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』を起動して1分先の未来を見ながらファンネルビット/シールドビット/リフレクタービットを創造して展開しリニアロングボウとレーザービームで堅塞固塁を試みながら『インディ勇士団』と通信機やソナーを駆使して各個撃破と集団殲滅を実行していきます。



●光の速さで討て

 ティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)には一つの懸念があった。それは大気圏内での戦闘である。
 宇宙空間での戦闘に長けている彼女であるが、重力や空気抵抗の存在するこのブルーアルカディアでは、彼女の知る戦闘セオリーがどこまで通用するのか今もって未知数な部分が存在する。
 ティティス本人もそれを自覚しているからこそ、何度もブルーアルカディアを訪れて戦いに参戦しており、その経験を生かして己の得手不得手を把握している。
「宇宙空間ならば私の領域だが“雲海”は君たちの領域だ、協力をたのむ。」
 ティティスの協力要請に『インディ勇士団』も快く答えたのだった。

 古代遺跡へ到着した猟兵たちと『インディ勇士団』の面々。
「おーい!ウィリアム、猟兵の皆さんが来てくれたぞー!」
 大声でローグを呼ぶ『船長』。すると、上空から1機のセイルフローターが舞い降りた。
「皆、手伝いに来てくれたのか、協力、感謝する。」
 セイルフローターに乗ったローグが頭を下げた。
 多少ローグによって狩られたとはいえ、蛮族の群れはまだまだ健在だ。その中に猟兵たちと『インディ勇士団』、そしてローグが飛び込んでいく。

 アイルトンがティティスに声を掛けた。
「あの、戦いのついでで構わないので、避雷針を設置するまでの間、少し時間稼ぎをお願いしてもいいでしょうか?」
「問題ない。」
 ティティスの力強い返答に、アイルトンは安堵した。が、いきなりティティスに抱きかかえられた。
「設置場所まではテレポートで飛ぶ、場所を指定してほしい。」

 設置場所へ到着した2人。しかし、案の定というべきかここにも蛮族の群れがいた。
臆することなくリニアロングボウを構え、160機のファンネルビットを従えるティティス。その後ろでアイルトンが避雷針の設置を始める。念の為、アイルトンの周辺にはシールドビットとリフレクタービットを展開させる。
「幽魔月精は機械身体、幽魔月精の機械魂魄。」
 ティティスがその瞳をアストラル・エレメント・エネルギーに変異させる。その力を持って、現在と1分先の未来を同時に『視る』。
「遅い。」
 蛮族たちの攻撃より早く、リニアロングボウから放たれたレーザー光線が蛮族たちを貫いた。

 全滅させた蛮族の骸から天使核を取り出すティティス。と、通信機からミカの声がする。
「ティティス、だっけ?そっちにアイルトンいたら避雷針の設置状況教えて欲しいんだけど。」
「了解した。アイルトン、ミカから連絡だ。」

 2人はこの後も避雷針の設置を続け、浮島の主要ポイントに仕掛けを施したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天野・陽輝
盟友である麗奈さん(f44908)と参加

ここがブルーアルカディアか。個性的な浮島、飛び交う飛空船、空舞う勇士たち・・・実に興味ふかいね。舞台にしたてたらおもしろそうだ。

我が家族の家のある故郷への救援、感謝する。故郷への帰還、尽力させてもらうよ。

インディ勇士団の皆さん、麗奈さんも私もこの世界ははじめてなので色々教えてもらえると助かる。

私と麗奈さんは多くを巻き込む射撃を使うので、位置の調整と敵を集めてくれるとたすかる。もちろん、範囲に納めたあとちゃんと合図するので、攻撃に巻き込まれないように。

さあ、まとめて落とす!!ケイロンの進軍!!射手の神の名を冠する怒涛の攻撃を披露しよう!!


神城・麗奈
盟友の陽輝さん(f44868)と参加

ふうん、ここがブルーアルカディア。魔女で箒に乗るものとしては飛空船とならんで箒で飛んでみたいところだ。まあ物騒なものがいるのでそんな優雅な事はできないだろうが。

私はウィリアム・ローグは話しか聞いてないのでね。家族が感謝していたので故郷への帰還を手伝おう。

この飛空船を拠点として戦うインディ勇士団の方々には上手く射撃をあてれるように補助してもらいたいね。ねらいやすいように敵を誘導してくれるとありがたい。援護射撃はたのめるかい?魔弾を撒くタイプの技だからね。

よし、標的確認、氷華の魔弾、発動!!凍って落ちろ!!



●盟友の空

 話は|飛空艇《ガレオン》が古代遺跡に到着する少し前に遡る。雲海の中を突き進む|飛空艇《ガレオン》の甲板で、2人の人物が話をしていた。
「ここがブルーアルカディアか。」
 興味深げに雲海が広がる景色を眺めるのは天野・陽輝(眩耀の曙光・f44868)。ダークセイヴァー出身の彼にとって、初めて訪れた蒼い世界は広く、そして眩しく感じられた。
「個性的な浮島、飛び交う飛空船、空舞う勇士たち……実に興味深いね。舞台に仕立てたら面白そうだ。」
 大空の世界は陽輝に新なインスピレーションを与えたようだ。

「ふうん、ここがブルーアルカディア。」
 陽輝の隣でこれまた興味深げに雲海を眺めているのは神城・麗奈(天籟の氷華・f44908)。彼女もまた、ダークセイヴァー出身だ。
「魔女としては|飛空艇《ガレオン》と並んで箒で飛んでみたいけど、まあ物騒なものがいるので、そんな優雅な事はできないでしょうね。」
 麗奈が見つめる遠くに豆粒ほどの影が見える。おそらくこれもオブリビオンだろう。

 陽輝の娘と麗奈の息子は夫婦関係にあり、2人は『盟友』とも呼べる関係にある。ただ、こうやって2人連れだって旅に出るのは初めてといっていい。
 では何故2人が今回のオブリビオン狩りに参加したのか。それは「彼らの子供たちが住むサクラミラージュを救ってくれたローグへのささやかな礼」というシンプルな理由だ。家族愛の深い彼らにとって、子供たちの恩人は我が恩人も同じなのだろう。

「もうすぐ到着だが、準備は出来ているか?」
 『船長』が2人に声を掛けた。
「ええ、準備は出来ていますが、何せ私も麗奈さんも|この世界《ブルーアルカディア》は初めてなので色々教えてもらえると助かりますねぇ。」
「私もウィリアム・ローグは話でしか聞いてないのでね。後でどんな人なのか教えてくれると助かるわ。」
「よし、到着まで少し時間がある。その間に説明しよう。」
 『船長』のレクチャーは到着の時まで続いた。

 古代遺跡に到着し、人員や物資の積み下ろしを終えたミカが飛空艇《ガレオン》から人の姿に変化する。その様子を見た麗奈が素朴な疑問を口にした。
「ガレオノイドはヤドリガミの一種なのかしら?」
 その問いにミカが答える。
「正直な所、私たちにも分からないんですよね。」
 世間話をしながら、身の丈ほどもある携行式魔導砲を担いだミカに、陽輝があることを思い出した。
「そうだミカ、ちょっといいかな?」
「どうしました?」
「私と麗奈さんは多くの敵を巻き込む射撃を使うので、我々の位置を調整してくれるのと、敵を1か所に集めてくれると助かる。もちろん、範囲に納めたあと攻撃に巻き込まれないよう、ちゃんと合図するから安心してもらいたい。」
「そうね、援護射撃は頼めるかい?私のは魔弾を撒くタイプの技だからね。」
「なるほど、了解!フランク!エミール!ジル!ちょっと来てくれる?」
 通信機で3人を呼び出すミカ。すぐさま集まった3人と共に、即席の作戦会議が始まった。

「準備はいい?」
 船の姿に戻ったミカが呼びかける。
「準備できたよ!」
 |飛竜《ワイバーン》に騎乗したジルが細身の剣を手に答える。
「こちらも行けるぞ!」
「オレもだ!」
 フランクとエミールの声も呼びかけに答える。
「じゃあ行くよ!作戦開始!」

 フランクとエミールが掲げた掌を蛮族の群れに向け吹雪の渦を放ち、古代遺跡の中でも一際開けた場所――かつて広場として使われていたらしい――に蛮族を追い込んでいく。
「逃がさないよ!」
 ジルは|飛竜《ワイバーン》と共に、逃げだそうとする蛮族を炎の魔法を纏った細身の剣で切り裂いていく。
 上空でその様子を確認したミカが艦載砲を地上に向かって撃ち込むと、物陰に隠れていた陽輝と麗奈が合図を出した。
「ジル、一旦下がって!」
 『翠嵐の箒』に跨った麗奈が『朧月夜のカード』を構え、ユーベルコードを発動させる。
「よし、標的確認、氷華の魔弾、発動!!」
 氷結弾が氷柱のように降り注ぐ。氷結弾を喰らった蛮族は氷像の如く凍り付き、動きを止めた。
「凍って落ちろ!!」
「さあ、まとめて落とす!!」
 『希望の天馬』に跨った陽輝もまた、『残照の銃』と『絢爛の銃』を構え、ユーベルコードの力を集中させる。
「射手と芸術の神よ、力を借りますよ!!」
 弾丸に|人馬一体《ケンタウロス》の神の力が宿り、降り注ぐ弾丸が凍り付いた蛮族の群れを貫いた。

「これは骨が折れる作業だ……。」
 無事蛮族の群れを殲滅した陽輝たちだったが、本番はここから。この大量の蛮族の死骸から天使核を抜き出す作業が待っているのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『雲渡り』

POW   :    雲海装
自身と武装を【固めた雲海の雲】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[固めた雲海の雲]を飛ばして遠距離攻撃も可能。
SPD   :    災害招き
自身の【魔力による天候操作能力が数倍】になり、【敵を妨害する雷や嵐、豪雪を操る】事で回避率が10倍になり、レベル×5km/hの飛翔能力を得る。
WIZ   :    巣を作る
戦場全体に、【雲渡り以外の侵入した生物に有害な雲】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。

イラスト:十姉妹

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ボーナスチャンス

 蛮族の死骸の臭いに惹かれたのか、近くの雲海に巣を作っていたオブリビオン『雲渡り』の群れが姿を現した。
「なるほど、この世界は早く私に帰って欲しいらしい。」
 セイルフローターの上で、ローグが『まんざらでもない』とでも言いたげに呟いた。
「『船長』、あのオブリビオンの群れが見えるか?」
「ああ、こっちからでも確認できる。お前のことだ、どうせ『あれも倒す』って言うんだろ?」
「もちろんだ。さあ、2周目と洒落込もう。」
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎

「『雲渡り』自らの領域での“狩猟”か…『インディ勇士団』君達の経験と知識を借りる、避雷と防雪のビットを創造して展開させる半数の機体で攻撃を仕掛ける」と『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』を起動して1分先の未来を見ながらファンネルビット/シールドビット/リフレクタービットと避雷/防雪ビットを創造して同時に展開させます。
乱反射とリニアロングボウとアルテミス・レーザービームで攻撃を仕掛けながら同時に浮遊機雷を創造して設置し爆破と誘爆で攻撃します。
敵の攻撃が当たりダメージが蓄積したら“リライズ”で反射させて自らに攻撃を受けさせます。

「好機だ攻め立てよう!」



●雷雲渡る鳥の群れ

 ローグが『雲渡り』の群れと交戦を開始した頃、ティティスとアイルトンもまた、『雲渡り』の群れを確認した。
「これは『飛んで火にいるナントカ』ですね。あれも倒しましょう。」
 アイルトンもまた、ローグと同じ結論を出していた。
「『雲渡り』自らの領域での“狩猟”か…なるほど、やってみよう。何か策はあるか?」
 ティティスがアイルトンに尋ねる。
「これを使いましょう。連中のお目当ては多分これですから。」
 アイルトンが天使核を抜き出した後の蛮族の死骸を示した。

 うず高く積まれた蛮族の死骸に、1羽の『雲渡り』が反応を示した。格好の獲物が無防備に置かれているとなれば、空腹を満たすまたとない機会だ。他の『雲渡り』も追随するように蛮族の死骸の山に群がる。
「案の定、ですね。」
「入れ食いといったところか。」
 物陰に潜み、様子を見守るティティスとアイルトン。ティティスは念の為、被雷と防雪に特化したシールドピッドを展開し『雲渡り』の攻撃に備え、約80機のファンネルで攻撃を仕掛ける準備を整えていた。
「もうすぐ『雲渡り』が獲物を粗方食い尽くす。そこで仕掛ける。」
 リニアロングボウを構えながら目をアストラル・エレメント・エネルギーに変換し、1分先の未来を『視る』ティティス。アイルトンは頷くと、荷物の中からゲイルタクトを取り出し。構えた。

 次の獲物を探すかのように『雲渡り』がティティスたちのいる方向を向いた。
「好機だ、攻め立てよう!」
 ファンネルによる一斉射撃に混乱する『雲渡り』。そこにアイルトンがゲイルタクトで発生させた強風とティティスによる浮遊機雷が襲い掛かる。突然の強風に飛行のコントロールが取れない『雲渡り』たちは浮遊機雷に接触し、連鎖的な誘爆に巻き込まれた。
 爆発から逃れたものも、リニアロングボウから放たれるレーザー光線の餌食となり、その白い羽を散らしていった。

「これまた大漁ですね。しかも先程の蛮族より質がいい。」
 『雲渡り』の死骸から天使核を抜き取ったアイルトンが率直な感想を述べた。その言葉に、ティティスは満足げな顔を浮かべるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天野・陽輝
盟友の麗奈さん(f44908)と参加

ああ、次の敵の群れが来たようだね。雲を纏った鳥か。雲は防具にも目隠しにもなる。この世界に適応した形かな。インディ勇士団とウィリアムはすでに臨戦態勢だね。流石だね。

私達もいこうか・・・っておや?この迷路は?麗奈さんも巻き込まれたようだね。この世界に慣れてない私たちがまんまと敵の術にかかったようだね。

それになんだかよくない空気だ。ああ、麗奈さんが出口を探してくれるんだね。少々前奏が必要だが障害があったらいってくれ。天籟のアルカッチアで壊すからね。

やれやれ、出口が一つだけとは徹底してる。遅れた。前奏は万全だ。最高潮の天籟のアルカッチアを披露しよう!!


神城・麗奈
盟友の陽輝さん(f 44868)と参加

死骸の死臭に引き寄せられるオブリビオン、故郷ではよくみた風景だが、飛んできた鳥はこの世界で生きやすいように雲に体を適応させた訳か。もうインディ勇士団とウィリアムはやる気だね。

さて、と術の詠唱をはじめると摩訶不思議な迷路に閉じ込められる。なるほど、この世界に慣れてない私と陽輝さんが術にかかったわけか。まあ、まず迷路を抜け出す方法を考えないと。【式神使い】で犬と猫を【偵察】させる。箒で飛ぶのが大丈夫そうなら【箒飛行】で【抜け道探し】【道案内】。氷華の妖精隊も出動させるよ。

出口が一つしかないとは。待たせたね。加勢するよ。そのまま氷華の妖精隊を突撃させるよ!!



●彷徨える雲海

 蛮族の死骸から粗方『天使核』を抜き出した陽輝たちは、遠くに『雲渡り』の群れを見た。ローグが騎乗するセイルフローターの軌跡が群れの中に突っ込むように真っすぐに空へ残る。
「ああ、次の敵の群れが来たようだね。」
「あれは…『雲渡り』ですね。鳥型の魔獣です。蛮族の死骸を狙ってきたようです。」
 双眼鏡を覗き込んだミカが簡潔に説明する。
「死骸の死臭に引き寄せられるオブリビオン、|故郷《ダークセイヴァー》ではよくみた風景ね。」
 事も無げに故郷を思い出す麗奈。だが、ここはブルーアルカディア。人々は別の意味で逞しい。
「あの羽は意外と防寒性に優れているんだ。集めて服の中に入れたりすると温かい。」
「あれ、塩振って焼くと旨いんだよ。」
 フランクとエミールが倒した後の魔獣――非人型オブリビオンの総称――を余すところなく使う、ブルーアルカディアならではの知恵を軽く語る。
「私たちもボヤボヤしてられないよ!おいでヘルムート!」
 ジルの呼びかけに|飛竜《ワイバーン》が舞い降りる。
「行くよ!みんなもついてきて!」
 先陣を切って飛ぶジルを追いかけるように、フランクとエミールが鎧に装備した天使核ロケットエンジンを起動させ飛翔した。
「皆臨戦態勢か、流石だな。さて 我々も行こう。」
 陽輝が『希望の天馬』、麗奈が『翠嵐の箒』に跨り空へと駆けだす。その殿をヒトの姿のままのミカが守る形となった。

 先行していたジルたちを追いかけていた3人だったが、青空からいつの間にか雲の中に迷い込んでしまったようだ。周囲が霧のように白く霞んでいる。
「ここは『雲渡り』の巣ですね。ユーベルコードの力で迷路になっています。」
 ミカが周囲を警戒士ながら言った。
「まんまと敵の術にかかったようだね。それになんだかよくない空気だ。」
 怯える『希望の天馬』を宥めながら陽輝が呟く。
「まず迷路を抜け出す方法を考えないと。」
 もっともなことを言う麗奈。彼女は使い魔である『月白の狛犬』と『月白の猫』を呼び出すと、出口を探すよう命じた。
「戻ってくるまでの間はここを動かない方がよさそうだ。」
 陽輝の判断は最もであった。

 暫くして2匹が戻ってきた。どうやら出口を見つけたらしい。2匹の先導に続き麗奈、陽輝、ミカの並びで進む。
「この子達にも周辺を警戒してもらった方が良さそうね。」
 隊列の護衛として麗奈が『氷華の妖精隊』を召喚した。

 どれくらい進んだだろうか。雲海の切れ目、出口らしき場所が見えてきた。だが、ギャアギャアと騒がしい鳴き声が聞こえる。そして、1か所しかない出口から『雲渡り』の群れが飛び込んできた。
「待ち伏せしてたのね!」
 麗奈の叫びと共に『氷華の妖精隊』が『雲渡り』の群れと交戦する。
「少し時間を稼いでくれないか!」
 陽輝の頼みに答えるように、ミカが携行式魔導砲を『雲渡り』の群れに撃ち込む。その隙に陽輝は『天籟のマンドリン』を取り出すと、曲を奏でだした。
 『氷華の妖精隊』によって眠らされた『雲渡り』たちがボタボタと落ちる。幸か不幸か、雲海が地面のように固くなっており、これ以上沈むことはない。そこにミカが携行式魔導砲を撃ち込む。数は最初に比べると多少減ってきたが、それでもまだ驚異的な数が残っている。
「この曲で常闇を切り裂こう!!」
 陽輝が奏でる曲調が一気に変化すると同時に、『天籟のマンドリン』から眩耀する斬撃波が放たれた。斬撃波は周囲の『雲渡り』を全て切り裂き、羽毛を雪の如く舞い散らせた。

「折角ですし、ここで天使核を回収していきましょう。解体ついでに羽毛や肉も剥ぎ取れますね。」
 巣の中に残された大量の『雲渡り』の死骸を見たミカが、また面倒なことを言い出した。先程の蛮族の死骸からの回収作業を思い出し、2人は若干ゲンナリするのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

バルタン・ノーヴェ(サポート)
「バトルの時間デース!」
雇われメイド、バルタン! 参上デース!
アドリブ連携歓迎デース!

普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)

戦闘スタイルは物理系!
遠距離ならば、銃火器類の一斉発射が有効デース!
近距離ならば、武器を展開して白兵戦を挑みマース!
敵の数が多いor護衛対象がいるならば、バルタンズの使用もお勧めしマース!

状況に応じて行動して、他の猟兵のサポートに回っても大丈夫デス!
迎撃、防衛、襲撃、撤退戦。どのような戦場でも参戦OKデース!

指定ユーベルコードが使いづらいなら、公開している他のものを使用しても問題はありマセーン!
勝利のために頑張りマース!


谷保・まどか(サポート)
怪奇人間の魔獣解体士×バーバリアンです
普段の口調は 人として生まれたもの(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
興奮したり気を抜くと 蛮族育ちの改造体(オレ、お前、だ、だな、だろう、なのか?)

普段は大人しく丁寧かつやや弱気な優等生少女ですが、興奮が強まってくると荒々しく狂暴な性格が出てしまいます

戦闘スタイルは蛮族式肉弾戦と自身の肉体を変容させて異形化しての戦い方を併用します

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません
あとはお任せ。よろしくおねがいします!



●フライ・バイ・フライ

 『船長』とフランソワは蛮族から回収した天使核を集めた袋を確認していた。
「うむ、小粒だが量は多い。だがウィリアムが求める量にはまだ及ばない。」
「ローグさんが帰るにはもっと天使核が必要ってことですか。」
 小粒とは言え、通常この量の天使核ならば、数か月の間は遊んで暮らせる程度の金額で取引される。
「お前も見ただろう、あの天使核エンジン。アレはとんでもない馬力を出す代わりに天使核を爆食いするどえらいタマだ。普通なら浮遊大陸を動かすために使うようなものを組み込んでいる。」
「ローグさんってスピードのことしか頭にないんですかね?」
 フランソワの疑問も最もである。

 『雲渡り』の群れが『船長』とフランソワに気付いた。狙いは2人の元にある大量の天使核だ。『雲渡り』たちは自分たちの体を雲海で覆うと、そっと2人の元へと飛んでいった。

「お待たせシマシタ!天使核詰め合わせデース!」
「天使核持ってきました!」
 大きな袋を担いだバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)と谷保・まどか(バルバロス委員長・f34934)が『船長』に声を掛ける。彼女たちは先程まで別の場所で蛮族狩りを行っていたのだった。
「お疲れ様。随分と大漁じゃないか。」
 2人に労いの言葉を掛ける『船長』。見守るフランソワの表情も明るい。だが次の瞬間、大量の白い塊が頭上から降り注ぐ。咄嗟の所でバルタンが内蔵式大型ガトリングガンを取り出し、一斉射撃で、白い塊を破壊したことで事なきを得たが、それ故初動が遅れた。
「これは……雲海よ!近くに『雲渡り』の群れがいるわ!」
 砕かれた白い塊を手に、感触を確かめたフランソワが叫んだ。発見が遅れたことに舌打ちをしつつ天使核リボルバーを構え、雲に向かい弾を撃ち込む『船長』。まどかもボーンアックスを構え、更なる襲撃に備える。

 身に纏う雲海が減るにつれ『雲渡り』の群れがその姿を現す。
「この数は骨が折れるな……。」
「とは言え、蛮族よりは骨がありそうデース!」
 げんなりとした顔の『船長』とは正反対にやる気満々のバルタン。彼女はガトリングガンにユーベルコードの力を注入すると、『雲渡り』の群れに向かい弾丸を叩きこんだ。

 同じタイミングで、フランソワがフラスコ生命体『翼持つ牡牛』を呼び出した。空を俊敏に飛び回り、負った傷を自然治癒する特性を持つ。
「乗って!」
 襲い掛かる『雲渡り』にボーンアックスを振り回して応戦していたまどかに手を差し伸べるフランソワ。彼女たちもまた、『雲渡り』の群れに突撃し、暴力的なまでに屠っていった。

「やはり猟兵は凄いな、これだけの群れを一網打尽にするとは。」
 『船長』が感心した様子で積み上げられた『雲渡り』の死骸を見上げた。
「手伝ってくださいよー、これ解体するの私だけじゃ大変なんですー!」
 手慣れた手つきで『雲渡り』を解体するまどか。その横ではバルタンとフランソワが『雲渡り』の骨と肉を使い、食事を作っていた。『インディ勇士団』のメンバーや他の猟兵たちにも振る舞うべく作られた料理はまさにご馳走。香りだけでも旨い事が伝わってくる。
「おーい!」
 ジルとフランク、エミールたちが戻ってきた。手には大量の天使核が入った袋を抱えている。
「あれ?ローグさんは一緒じゃないの?」
「『まだもう少し狩ってくる』って言ってた。」
 フランソワの問いに答えたジル。その答えの意味を察したのはただ一人『船長』だけだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『雲と在るもの』

POW   :    母なる雲海と
【自身の魔力で支配下に置いた雲海の雲】と合体し、攻撃力を増加する【電撃魔術】と、レベルm以内の敵を自動追尾する【封印魔術】が使用可能になる。
SPD   :    湧き出づる気象
自身の【気象操作魔術により操作されたあらゆる気象】をカード化する。【カードを破る】だけで誰でも行動回数を消費せず使えるが、量産すると威力が激減する。
WIZ   :    天候使い
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。

イラスト:えな

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠クーナ・セラフィンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●マスターピース

 あれほど騒がしかった『雲渡り』たちがいない。雲海の奥深くで彼らを束ねていた『雲と在るもの』は違和感を覚え、雲海の外に出た。
 青い空と白い雲海の中に、黒い異物を見つけた『雲と在るもの』。その黒い異物は信じがたい速さで接近してくる。間一髪のところで回避した『雲と在るもの』はそれと対峙することになった。
「なるほど。強力な力を感じる。これがあれば『骸の海』を走り切るに足る。」
「『骸の海を走り切る』?何を言ってるんだ貴様は。」
「言葉通りの意味だ。」
 ヒトではない。だがエンジェルでもガレオノイドでもない。この世界の存在ではないが、だからと言って召喚獣という訳でもない。この黒い異物は一体何者だ?
「私はレース・フォーミュラ、ウィリアム・ローグ。お前を倒して天使核を手に入れ、我が故郷アスリートアースへ帰還する。」
佐藤・和鏡子
以前ローグさんとレースしたことがありますし、先日の戦争で協力していただいたので、今回は彼が帰るために協力しようと思います。
自然現象や魔術で畳みかけられると厄介なので停止のユーベルコードで動きを止めてこちらが攻撃するきっかけを作ります。
具体的にはフル加速した救急車で撥ね飛ばします。
運転で狙いを付け重量攻撃と吹き飛ばしで更に威力を上乗せするようにします。
敵の攻撃は運転技術で躱したり救急車の車体で防いで(武器受け)対抗します。



●アンビュラス・イン・ザ・スカイ

 天空の静寂を切り裂き、救急車のサイレンが響く。この世界に聞こえるはずのない音に思わず振り返ったローグは、一瞬我が目を疑った。

 空を飛ぶ救急車がこちらへ向かっている。

 だが、そのオンボロ救急車にローグは心当たりがあった。佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)、看護師の猟兵である。彼女は以前『バトル・オブ・オリンピア』でローグと直線勝負を戦い、激しいデッドヒートを繰り広げたのだ。その時、和鏡子の愛車だったのがこの救急車だ。
「ローグさーん!」
 取り付けられた拡声器から和鏡子の声が聞こえた。ローグは意図的にセイルフローターの速度を落とし、救急車と並走する。
「あれが天使核のターゲットですか?」
 和鏡子が差す『あれ』とは『雲と在るもの』のことだろう。
「流石猟兵、話が早い。|アレ《雲と在るもの》は良質な天使核を持っている。だが一筋縄ではいかない相手だ。何せスピードの上では私と張り合えるのだからな。」

 この空の上で自分以上のスピードを持つ存在などいない。『雲と在るもの』はずっとそう思っていた。『雲渡り』たちも速さでは勝てぬからこそ『雲と在るもの』をボスだと認識していた。だがあの黒い異物――ウィリアム・ローグと名乗ったそれ――は己に匹敵する、いや、己よりも速い速度を繰り出してきた。そしてあの異物から感じる根本的な恐怖。それはオブリビオンとしての格だけではない。『ブルーアルカディアそのもの』が形を得て己の前に現れたような感覚なのだ。
 ローグのセイルフローターが唸りを上げ、軌跡に雲海を形作る。
「|拒絶の雲海《アルカディア・エフェクト》だと!?」
 驚きを隠せぬ『雲と在るもの』。フォーミュラ級ならば、かの帝竜の力を使いこなせるのか。根本的な恐怖の正体が判明したところで、打つ手はあるのか。

 『雲と在るもの』が己に雲海を纏わせた。雲海は雷雲へと変わり『雲と在るもの』へ力を与える。
「雷が来る。それも飛び切り大きいのが。」
「となると、敵が本格的な攻撃に移る前に手を打つ必要がありますね。」
 和鏡子には策があった。
「私が敵の動きを止めますので、後はお願いします。」
 そう言い残すと、救急車を急発進させた和鏡子。以前ローグとのレース勝負で使用した『ナイトラス・オキサイド・システム』――亜酸化窒素をエンジンに噴射することにより、エンジン出力を大幅に増加させる装置――を起動させ、さらに加速する。
 音速を超え、救急車がユーベルコードの光に包まれる。

 『|拒絶の雲海《アルカディア・エフェクト》』への対処に気を取られていたのが間違いだった。雷雲は己の視野を妨げ、突撃してくる巨体への対応が遅れた。
「くっ!」
 咄嗟に杖で防御を試みるも、自分以上の大きさを持つ物体が超加速して突撃してくるのだ。耐えきれるはずがない。吹き飛ばされ、痛みで身動きが取れない『雲と在るもの』。

 戦いはまだ、始まったばかりだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎

「ローグの帰還に必要か…ならばこそ撃滅して駆逐する事こそ必須!」
周囲の猟兵にも目を配って『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』を起動して1分先の未来を見ながらファンネルビット/シールドビット/リフレクタービットを創造して展開し敵の攻撃をテレポートで空間飛翔して回避しつつリニアロングボウとアルテミス・レーザービームで攻撃を仕掛けます。
敵のUCを“三女神”で封印/弱体化させ同時に透明化と視聴嗅覚を阻害を駆使して妨害窓外を実行します。
避けれ無い攻撃に対して“リライズ”で反撃します、敵が相殺するなら同じカードにファンネルを変型させます。

「骸の海に消えて沈め…」



●天上に月と雷在りて

「派手にやってますね。」
 手にした双眼鏡でローグと『雲と在るもの』が交戦する様子を確認したアイルトン。その傍らで戦況を見守っていたティティスだったが、ふわりと浮かび上がると、急加速してローグの元へと飛んでいった。
「ローグの帰還に必要か…ならばこそ撃滅して駆逐する事こそ必須!」

 アイルトンはかすかに残された黄金の軌跡を見送り、避雷針へと駆けだした。

 先ほど救急車に跳ね飛ばされたダメージがまだ残る『雲と在るもの』だが、こちらに高速で向かってくる黄金の光を見るや、懐に隠していた『竜巻』のカードを数枚ほど取り出し、破り捨てた。すると破り捨てたカードから急速に成長した竜巻が現れ、夥しい竜巻がティティスへと襲い掛かる。
「くっ!」
 強風にあおられ、体勢を崩すティティス。そこに杖を振りかざした『雲と在るもの』が襲い掛かる。だが、1分先の先の未来を『視て』いたことで、自身と『雲と在るもの』の間にシールドビットを展開し、致命傷を回避することができた。
 テレポートで距離を取り、体勢を立て直すティティス。そこに『雷雲』のカードから現れた雷が降り注ごうとしていた。だが雷は全て古代遺跡に設置された避雷針へと落下し、アイルトンが持つディバインデバイスへと電力が蓄えられていく。
「これ以上は好きにさせない。」
 構えたリニアロングボウから三種のレーザービームが放たれ『雲と在るもの』が手にしていたカードを射抜いた。
「今だ!」
 アイルトンのディバインデバイスが起動し、放たれた『裁きの雷』が『雲と在るもの』に直撃する。動きが止まった一瞬を突き、ティティスのリニアロングボウから放たれたレーザーが『雲と在るもの』を射抜いた。

「骸の海に消えて沈め……。」
 ブルーアルカディアの雲海の下を知る者はいないという。それは骸の海に通じているのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天野・陽輝
盟友の麗奈さん(f44908)と参加

いささか迷宮の脱出に無理しすぎたか。年寄りにはきつかった。身体中が痛い。ふむ、ウィリアムは目標の天使核に目星をつけたようだ。

動けるかい?麗奈さん。ここまで関わったからには最後までやりとげよう。

おお、救急車にはこういう使い方もあったんだね。折角作ってくれたチャンスだ。畳みかけよう。

雲と合体して魔術を完成させると厄介なことになる。麗奈さん、速攻だ!!天籟の行進曲!!容赦無く妖精の群れを四方八方から襲いかからせて魔術をとめる!!

でもいざという時の【オーラ防御】【残像】【回復力】で防御は万全に。

魔術ってのは厄介だね・・・本当使い手次第だよ。


神城・麗奈
盟友の陽輝さん(f44868)と参加

いたた・・・まあ無理しすぎたね。まあ迷宮突破できたから結果よければ全て良し、と。

おお、勇敢な救急車がいる。追撃のチャンスだね。ああ、あの雲とあれを融合させたら大変なことになる。魔力の起こりが感じられる。魔術の完成を阻止するよ!!

【高速詠唱】【全力魔法】でハシバミの加護!!なりふりかまってられない、ありったけの魔術をぶつける!!

でも攻撃は警戒せねば・・・【オーラ防御】【回復力】【身かわし】で防御は万全に。

空飛ぶ船に天使核ね。後で家族に聞いてみるか。



●見よ、白き視野を登り

 無事に『雲渡り』の巣から脱出した陽輝と麗奈、ミカの3人。|飛空艇《ガレオン》の姿を取るミカの上で陽輝と麗奈はぐったりしていた。
「うぐぐぐ……。無理をしすぎたか……。」
 情けなく腰を抑える主の身を案じてか『希望の天馬』がそっと寄り添う。
「いたた……まあ無理しすぎたね。」
 こちらでは『月白の狛犬』と『月白の猫』が座り込んだ主の疲れを癒そうと、ペロペロと舌で麗奈の足を舐めていた。
「2人ともお疲れさまでした。でもほら、おかげでこんなに天使核が獲れましたよ!」
 積み荷の大きな木箱を差してミカが語る。これだけの天使核があれば、数年は働かずに食べていけるだけの大金が手に入る。それだけ天使核というのはブルーアルカディアにおいて重要な物質なのだ。
「まあ、あの迷宮を突破できたから結果よければ全て良し、と。」
 麗奈の言葉に頷く陽輝とミカ。
「そうですね!あとはみんなと合流して……ん?
「みんな、何か聞こえないか?」
 陽輝が何かの音に気付いた。それはブルーアルカディアに存在しない、けたたましく危機を伝える音。そして、かつて『最速』に挑んだ勇敢な音。その音は次第に近づき、大きく響く。

 目の前を、空飛ぶ救急車が雲の軌跡を残し全速力で駆け抜けていった。

 ドップラー効果で次第に遠くなるサイレンを聞きながら、3人は『今見たものが信じられない』といった顔をしていた。
「何あれ……?」
 困惑しきりのミカに対し、陽輝と麗奈ははその正体に目星を付けたようだ。
「あれは救急車だ。普通空を飛ぶようなものではないが、運転手が猟兵なら話は変わってくる。」
「随分と勇敢な救急車だね。何かきっと、大きなことが起きているに違いないよ。」
「動けるかい?麗奈さん。ここまで関わったからには最後までやり遂げよう。」
 手を差し出す陽輝に、がっちりと手を握り返す麗奈。
「もちろん、ここまで来たらやるだけよ。」
「まずはあの救急車に付いていきましょう。この雲を辿れば追いつくはずです。」
 ミカが全力で走り出した。

 『雲と在るもの』は焦っていた。猟兵と勇士による度重なる攻撃。そして――
「逃がさん。」
 レースフォーミュラ、ウィリアム・ローグ。超音速の飛行能力を持つ『雲と在るもの』ですら逃げ切れぬ最速の男。彼の狙いは『雲と在るもの』の天使核だ。
 何とかして状況を打開せねばと、再び呼び出す『雲と在るもの』。だが、聞き覚えのある音が周囲に響き、思わずその身を竦ませる。
「いました!」
 ミカが空飛ぶ救急車を見つけたのと、『雲と在るもの』が救急車に跳ね飛ばされたのはほぼ同時だった。

 あの空飛ぶ救急車に再び跳ね飛ばされた『雲と在るもの』。やはり何度同じ攻撃を受けても痛いものは痛いのだ。
「おお、救急車にはこういう使い方もあったんだね。」
 思わず感心する陽輝。
「追撃のチャンスだね!」
 冷静に『氷華の杖』を構える麗奈。先端にユーベルコードの力を集中させ、天高く振り上げた。
「ハシバミの力をここに!」
 放たれた光はハシバミの実に姿を変えて降り注ぐ。ハシバミの実に触れた陽輝とミカはこれまでの疲れが癒されるのを感じた。
「おお、痛みが取れたぞ!」
 一方、『雲と在るもの』は再び雷雲を呼び出し、その身に纏わせようとしていた。魔力の流れの変化を察知した麗奈が叫ぶ。
「あの雲とあれを融合させたら大変なことになる、魔術の完成を阻止するよ!!」
「分かった、速攻だ!」
「行きます!」
 陽輝が『天籟のマンドリン』を構え、ミカが艦載砲で狙いを定める。そして麗奈は魔力で構築したハシバミの枝で『雲と在るもの』の動きを封じこめる。
「さて、楽しい行進の始まりだ!!」
 奏でられる旋律は音速嵐を宿した妖精の群れへと姿を変え、四方八方から『雲と在るもの』に殺到する。動くこともままならない『雲と在るもの』はその身を切り裂かれ、トドメに艦載砲の砲弾が直撃した。

「やった!」
「でもこのままだと天使核が落ちちゃいます!」
 天使核に手を伸ばそうとする陽輝とそれを支える麗奈。だが、あと少しで手が届かず、落下を始める天使核。苦労の結果が水の泡になるのか。
「え?」
 誰かが天使核をキャッチした。それは雲海の軌跡を作り、古代遺跡の方へ向かっていく。
「ローグさん!」
「彼がウィリアム・ローグか。最後の最後で助けられたな。」
「ちゃんと挨拶できないままだったね。」

 『船長』から通信が入った。
「今ウィリアムが戻ってきた。随分と大きな天使核と一緒にな。そっちで倒したものなんだって?ミカたちも早く戻ってこい。ちょっとした祝勝会の準備が出来ている、猟兵さん方も一緒にどうだい?」
「今戻ります!」

 いつの間にか黄昏色に染まった空を、猟兵を乗せた|飛空艇《ガレオン》が飛ぶ。それはこの世界を救った男との別れを惜しむかのような色をしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年02月04日


挿絵イラスト