【希日・体育祭】エールを君に!
●注意
当依頼は、PBWアライアンス『コイネガウ』からのシナリオです。
PBWアライアンス『コイネガウ』の詳細を以下でご確認お願いします。
公式サイト:(https://koinegau.net/)
公式総合旅団:(https://tw6.jp/club?club_id=4737)
日本の世界観:(https://tw6.jp/club/thread?thread_id=131552&mode=last50)
●(OP本文の見出しに題名を入れます。なければ●を残して空白です。)
ぽんぽんぽぽーん。
軽快な花火の音が、秋の青空に小さな雲を作りながら抜けていく。
これは、そう、体育祭!
秋と言えばこれ! というほどにメジャーなイベントだ。
しかも今年は【希島】と【日本】の対抗戦。これが盛り上がらないわけがない。
大入り満員の観客の前で繰り広げられる様々な競技。
そのひとつひとつのプレーに、勝敗の結果に観客たちは大きな歓声を送っていた。
そしてそんな競技も一段落。みんながお昼のお弁当食べ終わり、午後の競技が開催される前にそれは執り行われた。
●
時間はちょっと巻き戻って、体育祭まで1週間という頃。
体育祭に向けての壮行会を兼ねた場で、支倉錫華はマイクを握ると急にそれを告げた。
「応援合戦がプログラムに追加されたよ」
急なことにさすがに参加者がざわついた。こういうものは数ヶ月前からプログラムが決まっているものだし、応援合戦などになれば、練習はリハーサルなどもいれれば一ヶ月は準備期間がほしいところである。
一週間前にいきなりの追加競技はなかなかに厳しい。参加者からもとまどいの声があがった。
「うん。まぁいきなりなのは否めないよね」
錫華もちょっと困った風ではあるが……。
「でもこれは正式な連絡で、午後の最初のプログラムとして決定みたいなんだ」
とはいえ。
いまからでは綿密な練習などできるわけもない。むしろなにをするかを考えるだけでも精いっぱいだろう。
「さすがに運営側もそれは解ってるみたいで、今回は内容の事前チェックなどはなしでおっけーってことみたい」
さすがに周りに迷惑や危険が及ぶようなことをするのはダメだけどね。
「審査は『技術点』と『芸術点』を合計して点数の高いほうからポイント加算って感じみたい」
応援の『技術点』と『芸術点』ってなに? という疑問が飛ぶが、錫華はそれに。
「ノリと勢いってことでいいと思うよ」
と返した。
「そんなわけなんで、参加も内容も自由。我こそはって思う勇士の参加を期待するね」
なんとかよろしく。と言う風に告げたのだった。
すい
●
ここまで読んでいただきありがとうございます。MSのすいです。
秋の定番イベントのひとつ『体育祭』。
今年は『希島』と『日本』の対抗戦ということで、応援合戦にも力が入りそう……という感じのシナリオになります。
運営側の突然のぶっこみなので、レギュレーションはかなり緩いです。
周囲に危険、迷惑の及ばないもの、そして過度に公序良俗を逸脱しないものなら、だいたいなんでもおっけーになります。
みなさまの熱いエールで、自らの陣営を勝利に導きましょう!
注:このシナリオは、コイネガウ暦20X4年10月における「体育祭」の物語です。
各MSによるシナリオはどれも内容が独立している為、重複参加に制限はありません。
注2:体育祭会場の一覧表は以下です。
雅瑠璃MS:お色気。エロトラップダンジョン踏破の競争レース。
すいMS:日常。お色気少し有りのコメディな体育祭。
ヤタ・ガラスMS:戦闘。水着で水鉄砲でサバイバルゲーム。
第1章 日常
『プレイング』
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POW : 肉体や気合で挑戦できる行動
SPD : 速さや技量で挑戦できる行動
WIZ : 魔力や賢さで挑戦できる行動
イラスト:YoNa
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リン・ベルナット
アドリブとか大歓迎だよ!
体育祭だって!スポーツヒーローだし、体を動かすのは大好き!当然参加するよ!
午後の競技を盛り上げるためにも応援合戦、気合い入れて頑張るよ!
うーん…どういう感じでやろうかなぁ…あ、そうだ!思いついたよ!
まずはアンフィスーツ
https://tw6.jp/gallery/?id=82063
を着た状態で自分らしくダッシュやジャンプを取り入れた応援のパフォーマンスを始めて、途中で【フォームチェンジ・スプリンター】発動!
衣装をスプリンタースーツ
https://tw6.jp/gallery/?id=70677
に変更してみよう!
衣装がガラッと変わったら盛り上がりそうだもんね!
●
「体・育・祭・!」
青い空、流れる白い雲、澄んだ空気。これこそまさに『秋晴れ』という理想的なコンディションのグラウンドで、リン・ベルナット(スポーツヒーロー・f17042)は握りこぶしを突き上げていた。
|スポーツヒーロー《アスリート》である彼女にとって、体育祭の場はまさにその本領を大いに発揮できる場なのだ。気合いが入らないわけがない。
そんな状態のリンは、お昼ご飯を食べ終えてますますオーラが漲っていた。
午前の競技にもいくつか出場し、特にメインの50m走ではその成果をしっかり……いや、いささかしっかりしすぎるくらいに残していたが、その魂の炎は午後に入っても燃え上がるばかりだった。
午後の第一競技は応援合戦。
前日にアナウンスがあったとおり、サプライズであり飛び入り歓迎、というか、飛び入りしかいないような感じの競技である。
ならば参加しないわけにはいかない。
リンは競技開始のアナウンスが流れると同時にグラウンドに飛び出し、応援合戦の一番手を務めた。
応援合戦の話を聞いたときから『出る』とは決めていたものの、正直直前までなにをしようかはノープランだったのだが、グラウンドに出れば自然と体が動いた。
競技場の中央に設置された舞台の上で、リンは体操の床運動とダンスを組み合わせたようなパフォーマンスで観客を魅せていく。
対角線に走り、大きくジャンプして体を捻って着地し、そのままジャンプターンで舞台の中央まで進むと、綺麗なカブリオールを披露する。
ぴったりと体にフィットしたアンフィスーツが豊満なボディラインを強調するように揺れるが、リンの快活な動きもあって、セクシーさよりも健康的な美しさがより強調されていく。
そしてリンはまた舞台の端へ。
今度は陸上のクラウチングスタートの体勢を取ると、瞳を輝かせ――。
リンの体が一瞬靄のようなものに包まれたかと思うと、それまで着ていたアンフィスーツが一瞬にしてスプリンタースーツへと変わると、観客からどよめきがあがった。
空気抵抗を極力減らした短距離特化のスーツは、これもまた体育祭にはちょっとセクシーすぎる感もあったが、リンがそのままダッシュを決めるとそんなものはどこかへ吹き飛んでしまった。
短距離ならでは美しい前傾姿勢でのフォームに観客から大きな歓声が上がる。
対角線に2本のダッシュを決めると、リンは今度はバトンロッドを取り出してパフォーマンスに移った。
魔法かと思えるような手の中でのコンタクトに始まり、体全体を使ったロール。そしてフィニッシュは上空への大きなエーリアル 。
トレードマークの長いポニーテールも、リンがパフォーマンスをする度に流れるように舞って、バトンと共に観客たちを大いに魅了している。
最後にくるりとターンを決めると、一際大きな歓声が会場に響いた。
リンは歓声を受けて四方に一礼すると、手を振りながらダッシュで舞台を降りていったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
鯨臥・澪子
日本側の応援を盛り上げて行くぜ!
先日のサバイバルゲーム競技では日本が負けちまったから、
今回の応援競技で挽回して行くぞ!
サイクロン・ホエールで空を飛行して応援の舞を踊るぜ!
え? この機体って海専用のスパロボだって?
いや、実は空だって飛べる海・空兼用の機体なんだぜ!
そんで、空飛ぶ鯨機体で飛行機雲を創るぞ。
体育祭、日本優勝、ファイト! みたいな熱いメッセージだ!
その後、あたしの後ろから量産機のサイクロン・ホエール達も続くぜ!
みんなで空を舞って、飛行機雲を描いて、日本万歳だぜ!
どうだ!? 挽回できたかな!?
少なくとも、秋葉原解放学園の同志達から熱いエールが届いたぜ!
皆、優勝するぞ!!
アドリブ歓迎。
●
『飛び込み』ということで多少の不安もあった応援合戦だったが、いきなり想像の斜め上を行くクオリティからはじまり、その余韻に観客がざわついていたそのとき。
ごぅんごぅんごぅん。
低く響くような音が会場内に木霊した。その音に観客が何ごとかと周囲を見渡すが、ステージや会場内に特になにかがある感じもなかった。しかしそのとき。ふと空を見上げたひとりの女の子がびっくりするように声を上げた。
「おそらにくじらさんがいる!」
観客が一斉に空を見上げれば、そこにはたしかに一頭が悠々と青い空の中を泳いでいた。
●
「応援合戦……これで挽回していくぜ!」
鯨臥・澪子(日本・秋葉原解放自治区・解放軍のエースパイロット・f42542)は【サイクロン・ホエール】のコックピットでひとり気合いを入れていた。
気合いを入れて操縦桿を握る澪子が会場を見渡せば、こちらを指さしながらざわつく観客たちが目に入る。ここまでちょっと押され気味だった日本側を盛り上げていくのにこの競技はうってつけだ。
「でもなんでくじらさんがおそらにいるの?」
先ほどの少女が、首をかくんと倒して聞いた。もっともだ。スーパーロボットとはいえ、サイクロン・ホエールはクジラ型。本来なら海専用と思うのが普通だ。
しかしそこがサイクロン・ホエールの凄いところ。実は海だけではなく空も飛ぶことができる、水陸両用の機体なのだ。
そのまさかを存分に活かした空からのパフォーマンスに観客たちの注目を集め、『つかみは完璧』と澪子が満足げに頷くと、ゆったりと大空を泳ぐサイクロン・ホエールに続くように、澪子の機体に比べると4頭の少し小ぶりな量産型のサイクロン・ホエールが現れ、見事な編隊を組んで澪子の両脇に並んだ。
5頭になったサイクロン・ホエールが速度を上げ、潮を噴くように5色のスモークがたなびかせる。
そして澪子の機体を中心に5頭がロールを決めると、交差したスモークが美しく絡み合った。
青い空に描かれた美しい軌跡に、それを見た観客から自然と声が上がり、歓声と共にボルテージも上がっていく。
そこから5頭はいったんスモークを切って大きくブレイクすると、それぞれがポジションについてまたスモークを流していく。
サーカスを見ているような複雑な編隊飛行で描かれるのは『日本ファイト、希島ファイト』のスカイライティング。
さらに大きくなる歓声を受けて、澪子たちはまた5頭で会場の上空で編隊を組むと、青空に大きく日本のシンボルを描いてフィニッシュを決めると、日本側から一際大きな歓声が上がり、希島側からも盛大な拍手が送られた。
そして歓声と拍手を受けた5頭のサイクロン・ホエールは最後の編隊を組むと、速度を落として会場の上空を一周し、ゆったりと空を泳ぎながらスモークを流して、その姿を雲に隠す。
その空にはまだ拍手と歓声が響いていた――。
大成功
🔵🔵🔵
コニー・バクスター
なぬー!? 日本チームは飛行機雲で応援だと!?
だったら希島チームは、コニーが応援団を受けて立つのだ!
コニーの方からは、キャバリア・ダンスだよ!
BRRに乗り込んだコニーはキャバリアで踊り出すよ。
校庭で兎の舞を踊って、跳ねて、歌うよ!
希島のポップな曲で優勝を目指して熱い応援だよ!
キャバリア・ダンスは希島の仲間達も巻き込むよ!
皆、コニーに続けっ!!
もし、できたら、錫華も来て踊ってくれる!?
そして、ダンスが終わったら、
キャバリアのコクピットが空いて、
コニー自身が勢いよく空高くジャンプ!
コニーがバニー衣装で登場。
第二段のダンスとしてバニーダンスを萌えて踊るのだ!
希島、優勝、目指すのだー☆
アドリブ歓迎。
●
「なぬー!? 日本チームは飛行機雲で応援だと!?」
敵ながら見事なパフォーマンスにコニー・バクスター(ガンスリンガー・ラビット・ガール・f36434)が驚きと、それ以上に感嘆の籠もった声を上げた。
そしてそれはコニーの闘志に火をつけた。
「ならば! 希島の応援はコニーが受けて立つ!」
コニーは拳を握りしめ、いちど会場を飛び出すと自らの愛機である【|ブラック・《B》|ラピッド・《R》|ラビット《R》】に乗り込んで会場へと舞い戻ったのだ。
●
応援会場に颯爽と黒い兎型のキャバリアが飛び込んでくると、それまで空を見上げていた観客たちが一斉にコニーのほうへと視線を向けた。
「Ready……Action!」
元気な声が響くと同時に、いま希島で流行っているナンバーの軽快なイントロが流れ始めると、それに合わせてBRRがキャバリアとは思えない身軽さでリズムに合わせたステップを踏んでいく。
最初は軽く四つ足で踏んでいたステップは、そのまま曲の盛り上がりに合わせるように激しくなると、ついには後ろ足で立ったBRRが2本足でのターンを決める。
観客から大きなどよめきと歓声が溢れた。
それを見たコニーが外部スピーカーからの呼びかけとBRRのポーズで、希島側の仲間たちへと参加を促した。
サプライズに気持ちの乗った城島側の観客がわらわらと飛び出してきてダンスに参加していくと、それはある種のフラッシュモブのように周りを巻き込みながら派生していき、ついには希島側の観客席全体がその波に包まれていった。
曲に合わせたダンスもサビを迎えてさらに激しさを増していき、それを見ていた錫華が『コックピットの中のコニーは大丈夫なのか』とちょっと心配しだしたとき、BRRの瞳が錫華を見据え、明滅を繰り返す。
「ん? あれって……なになに?」
黒兎の瞳の明滅にメッセージを読み取った錫華の顔が、一瞬で「えー……」と困ったような諦めたような表情を浮かべた。
『錫華、これだそうです』
腕につけた通信機から錫華のサポートユニットの声が聞こえ、錫華が画面に目を落とすと、さらに困ったような表情になった。
しかしそんな錫華とは関係なく、BRRのダンスはエンディングを迎えようとしていた。
曲終わりのドラムに合わせてポーズを決めたBRRのハッチが開いて、中からコニーが飛び出してくる。
勢いよくジャンプし、空中でくるくると回って着地したその姿は見事なバニーガール……だったが、なぜか耳だけが着いていない。
コニーは着地の勢いのまま錫華の隣まで跳ねるように走って行くと、そのまま錫華の腕を掴んで舞台へと引っ張っていく。
「さ、錫華も踊ろ」
こそっと耳打ちするコニーに、
「わたしこういうの似合わないと思うんだけど」
と、先ほど見た動画の内容を思い出しながら、うーん、と首を捻りながら錫華は言うが、コニーは『だいじょぶだいじょぶ!』と自信たっぷりだ。
2人がそのままBRRの前まで進むと、タイミングを合わせて先ほどよりも可愛らしいポップな曲が流れ始める。
それにあわせてコニーと錫華が手のひらを頭の上で大きく開き、兎の耳を形作りながら左右に跳ねた。
満面の笑顔のコニーと、クールで無表情な錫華。
2人の手のひらが時折ぴこぴこと動き、跳ねるようなウサダンスと相まってとても可愛らしい。
そしてキャバリアダンスとは違う種類の大きな声援を受けながら、2人はしっかり踊りきったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
有山・優音
アドリブ歓迎
――応援団長に、あたしはなる!!(ドン!)
けどどうやるか悩むなぁ。海産物とか妖怪とかなら召喚出来るんやけど……ほな身一つの技巧を見せたるわ!
(ワイヤーハープーンを手に取り)
これをバトンのように持ってクルクル回すで!
左手~、右手~、そしたら最後に頭上で両手で大回転やっ!!
味気ないしやっぱ後ろで海産物にウェーブ作ってもらお!
せいれーつ!20×60ぐらいの団体でまとまるんやで~!
準備出来たら開始や!音楽に合わせて一、二!二、二!三、二!四、二!
今やそこでウェーブ!それに合わせてあたしの頭上大回転決めたれ!
ええ応援になったやろ!これで応援団長の座はあたしの者や!
え?趣旨が違う?(ずっこけ)
●
「――応援団長に、あたしはなる!!(ドン!)」
ドラムを打つような心臓の鼓動。青空の下に広がる効果線。
巨大化はさすがにしていないが、そのぶん有山・優音(あまはん・f39297)の気合いは目に見えそうなほどに立ちのぼっている。
が、しかし。
次の瞬間、背景が通常の運動会に戻ると、
(けどどうやるか悩むなぁ。海産物とか妖怪とかなら召喚出来るんやけど……)
優音は「うーん」と悩み始めた。
しかしそこは海の女。一瞬で思考を切り替えると、
「ほな身一つの技巧を見せたるわ!」
と、再びオーラを漲らせた。
勢いとポジティブシンキングなしに、立派な海女さん猟兵にはなり得ない! たぶん!
優音は愛用の【ワイヤーハープーン】を手に取ると、くるくるとバトンのように回し始めた。
チアで使うバトンよりも遙かに長い銛が、綺麗な円を描く。
まずは左手。そしてそのままワイヤーハープーン回したままを右手に持ち替えると、同じように回していく。
銛の先が空気を切る音が大きく響き、観客の視線が集まったとみるや優音はワイヤーハープーンを頭上に掲げて、さらに速度を上げてぶんぶんと回していく。
華麗な銛さばきに観客席からどよめきが起きる。
しかし。
(感心してくれてはいるけど、テンションがイマイチやね)
観客席を見回した優音は、まだまだ盛り上がりが足りないと感じていた。
(味気ないしやっぱ後ろで海産物にウェーブ作ってもらお!)
海の仲間たちの力を借りることにした。
「せいれーつ!」
優音が瞳を輝かせ号令をかけると、サザエやウニ、アワビにカキといった貝類やワカメ、昆布などの海藻類、果てはタイやヒラメ、エビ、カニなどの魚類・甲殻類までもが優音の背後にその姿を現した。
海の仲間たちは優音の指示に合わせてグループを作ると、優音の背後にブロックを作って並んでいく。
見事な海中林と、その間で貝類・魚類の踊り。まさにその雰囲気は地上に現れた竜宮城のようだった。
そんな城の中央に乙姫さまさながらに優音が佇む。
一瞬の静寂の後。
どこか懐かしさを感じながらもノリの良い音楽が周囲に響いた。見ればサザエやアワビが殻を鳴らし、ウニがトゲを弾いて旋律を奏でている。
「一、二!二、二!三、二!四、二!」
優音の指揮に合わせて、タイやヒラメが舞い踊り――。
「そぉれっ!」
優音が銛を大きく振り上げ、そのままワイヤーを使って振り回せば、銛が空中で変幻自在の動きを見せ、背後の海の仲間たちがそれに合わせてウェーブを決める。
見事なパフォーマンスに大きな歓声が上がると、それを受けて優音が観客席にVサインを見せつけた。
「これで応援団長の座はあたしのものや!」
自分でも満足のいく応援っぷりに、自信満々に叫んだ優音だったが……。
「これ、オーディションじゃなくて本番だからね!?」
誰かからの至極真っ当にツッコミに優音は一瞬その動きを止めると、キョロキョロと左右を見渡し、それが本島であることを確信して――。
海の仲間たちと一緒に盛大にズッコケて、なんとかその場を落としたのだった。
大成功
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