●ラン・乱・嵐!
帝都櫻大戰――その最中、混沌を極めた状況を打破すべく、東方親分が手招いたのはキャンピーくんであった。彼、もしくは彼女は世界移動能力を駆使し様々な強者を、協力者を多数の異世界に送り込んだ。だが、キャンピーくんは『キャンプ好き』である。キャンプが好きな彼もしくは彼女は――なんという事か。強者達を異世界に放置してしまった!
神に挑みし彼等――愉快な仲間たち――はコーチに、特訓をしてくれた『最強のダークリーガー』時宮・朱鷺子に『自分の扉』についての情報を渡した。
「ほう――つまり、自分の扉を探し当てれば『アスリートアース』に帰還できると言う事か。その為には色々な扉を、不思議の国を通らなければいけないと――つまり『マラソン』だな。トライアスロンフォーミュラとして成し遂げねばなるまい!」
時宮・朱鷺子は乗り気だった。猟兵や愉快な仲間たちが手助けをせずとも、勝手に、アスリートアースへの帰還を果たしてみせそうだが――しかし。
「ば――莫迦な。あの超特訓を。ぐるぐるバットを。彼等と一緒に完遂した私が――めまいがするだと……き、気分もあまり、宜しくない……くっ。この程度の不調、ひっくり返してみせる……!」
あれは時計ウサギだろうか。楽しそうに時宮・朱鷺子の周囲をぴょんぴょんしている。いや、違う。オウガだ。オウガの群れだ。この不思議の国は戦の最中であった!
●グリモアベース
「隣人ちゃんですよ!」
うわっ。正気じゃない方の隣人ちゃんだ。嫌な予感がする。
「時宮・朱鷺子……キャンピーくんの件については知っていると思いますので、ええ、説明は簡潔にしておきますよ!!!」
「テメェ等には時宮・朱鷺子と『マラソン』をしてもらいます。ついでに邪魔なオウガをぶっ倒して、自分の扉を見つけたらゴールです。まあ、テメェ等なら大丈夫だとは思いますが、エチケットとかは持ってった方が良いですよ!!!!!」
グリモアが輝いて。
にゃあら
にゃあらです。
マラソン。
第一章。
くらくらビット達との戦闘です。時宮さんはなんかグッタリしてますが、絶不調でも『強い』です。彼女と一緒にこのぐるぐるを突破しましょう。
第二章。
最強のダークリーガーに休息は不要かもしれません。ですが、お口直しは必要です。お茶会をしましょう。
第三章。
時宮・朱鷺子は『自分の扉』に辿り着きます。が、扉の方が彼女の強さに耐えられず爆散してしまいます。
が、爆散した痕跡から『トランプのカードが1枚』出現します。異なるカードが『5枚』揃うと『何か』が起こるそうです。
第1章 集団戦
『くらくらびっと』
|
POW : くらくら
技能名「【催眠術】【部位破壊(三半規管)】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
SPD : くらくらびりんす
戦場全体に、【くらくらする模様】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ : つめほうだい
【お菓子大好きな怪物】に変身し、武器「【臓物を取り出す拷問道具】」の威力増強と、【酷い眩暈と吐き気を催す猛毒放出】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
イラスト:透人
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
うっ……うぇっ……。
これはなんですか?
おめめぐるぐる状態に陥っている最強のダークリーガーです。
|絶不調《バッドコンディション》――たとえ超人アスリートだとしても、逃れる事のできない最悪。日々健康その他に気を遣っていても、不意に奴等はやってくると謂うワケだ。しかし、まさか、最強のダークリーガーたる時宮・朱鷺子が寝不足だなんて沙汰はありえないし、赦されない。では、いったい何故にグッタリとしているのか。その原因はハッキリしている。不思議の国を急襲しているオウガの仕業だ。彼女等はくらくらビットと呼ばれており、つまり、説明は不要と謂う事だ。
くらくらビットは悪趣味である。アリスの――対象の――臓物とその中身にありつく為に、🌈の彼方へと誘おうとするのだ。ぐるぐるバットの特訓をしてきた彼女にとっては朝飯後なのではないか? そう、文字通り朝飯の後なのだ。今にもなんか出そう!!!
だからといって弱体化しているワケではない。不調でも、絶不調でも、最強は最強なのだ。猟兵達は彼女が🌈まみれになる前に、素早く、兎どもを処理しなければならない。
シルヴィ・フォーアンサー
【S&R】
『』はヨル、「」はフレース。
久々にお仕事しようか……。
『復帰仕事しては丁度良い難易度だろう……連れもいることだし』
「頑張ってね、シルヴィちゃん」
頑張るけどリフィスは勝手に付いてきてるだけ……。
まぁ、手伝うっていうから麻痺させて撃ち落としてもらう。
催眠術とかかけられる前に前にハチの巣にすれば問題ないよね、バースト・テンペストでどかーんと処理するよ。
余力あるなら時宮にも手伝ってもらおう……🌈をぶちまけない程度にね。
終わった後で抱き着いてくるリフィスには鬱陶しそうにしつつもしたいようにさせる。
キツイこと言っても喜ぶだけだから好きなようにさせるのが一番疲れないんだよね……撫でる撫でる。
リフィス・アントワード
【S&R】
シルヴィお姉様との初仕事です、頑張りますね。
活躍して一杯一杯褒めてもらいます。
毒はキャバリアに乗ってれば拷問道具なんて近づかなければ問題ありません。
サイキックブラストを使って飛んで近づいてくる相手を麻痺させて撃ち落とします。
止めはシルヴィお姉さまにお任せです、素敵ですお姉さまっ。
立派にお手伝いできたでしょう?
褒めてください(ぐいぐい近づいて抱き着いて撫でてもらおうとする)
……時宮さん?どなたでしょうか(眼中にない)
ゴールテープ、眼中になし。
己で決めた胸の内こそが喜悦で在れ。
蒼白としたマシンに跨っていたのか、繋がっていたのか、あの頃の自分を想起したかの如くに、筆舌に尽くし難い感覚に包まれる。上下左右を撹拌され、じっとりとしがみ付いたかのような気分の悪さに、刹那、三名は嫌な汗に塗れた。一人を除いて、最強を省いて、何もかもはイメージである。イメージで在るのならば、想像の類で在るのならば、現実と呼ばれる僥倖か、もしくは復帰に全神経を集中させると宜しい。……久々にお仕事しようか。赤い瞳と艶やかな金髪がひどく目立っている。いや、目立っていたとしても|機体《ミドガルズ》の内側であればまったく肉など関係ないか。ああ、復帰仕事としては丁度良い難易度だろう……お相手も見た感じ『キャバリア乗り』とは相性良さそうだ。それに、連れもいることだしな。ヨルムンガンドに応えたのは巨大な黒であった。鳥のカタチをした別機体から『音』が出る。頑張ってね、シルヴィちゃん。言われなくとも、言われた通りに、ハキハキと頑張るつもりではあったが、はて、オマエのお隣に『ある』のは何者か。シルヴィお姉さま! お姉さまとの初仕事です。褒めてもらいたいので、一生懸命頑張ります! ……まぁ、手伝うっていうからには戦力にはなってもらうよ。勝手に付いてきたことも『よし』としてあげる。百合の花を邪魔しようとする兎などキャバリアに蹴られて死んでしまうと宜しい。
骸の海よりやってきたのは他のオウガではない。悪辣の限りを尽くしたマシン、初戦闘で行使するのは如何なものかと思ったが、成程、彼女に相応しい機体と謂えよう。毒も拷問道具も『機械仕掛け』の前では無力に等しい。ええ、まったく問題ありません。近付かなければ、近付かせなければ、脅威でもなんでも『ない』のです。ぐぃ、と嗤うかの如くに開かれた機体の掌、コックローチめいて群れている連中にサイキックブラストを叩きつけてやれ。つめほうだいもたべほうだいもお終いだ、臓物が痙攣しては消化するのも困難と謂える。
催眠術? 部位破壊? そんなもの――仕掛けられる前に仕掛けてやると良い。行動不能に陥っている兎どもにハチの巣の甘さを教えてやると良い。如何かしら、随分と時間が経っているけれども、シルヴィの腕も、錆びていないって思わないかな? お姉さま! 素敵ですお姉さまっ! ザクロ・ロードが完成したのならランナーの出番だ。前後不覚な最強でも残り物くらいは『たいらげる』事、容易と視えた。
立派にお手伝いできたでしょう? お姉さま、ねえ、お姉さま。褒めてください。ぐいぐいと、ぐりぐりと、お姉さまの身体に頭を押し付ける。まったくしつこい愛情ではないか。本当に鬱陶しい、粘り強さではないか。したいように『させる』のが最適解だと知っていた。故、キツイ事など口にせず、わしゃわしゃと、犬のように。
あー……リフィス。一応、時宮のことも気に掛けといた方が良いよ。
口は禍の元、なんて諺もあるが、今回は疲弊する程度で治まったか。
時宮さん……? どなたでしょうか。
ぎゅっと、お姉さまに抱き着いた。何も見ないように、何も見せないように。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鳶沢・成美(サポート)
『え、これが魔導書? まあどうしよう?』
『まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ』
故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師
昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動
でも集団での行動も嫌いじゃないですよ
元ボランティア同好会でつい気合い入れて掃除しちゃったりしなかったり
一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん
例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ
実はシルバーレイン世界の同位体である自分と融合していたことが判明
三角定規型詠唱定規の二刀流で戦う様に
アドリブ・絡み・可
魔導書に喰われたかのような、囚われたかのような、強烈なまでの平衡感覚の喪失。幾ら特訓を重ねていても、たとえ特訓の内容がぐるぐるバットでも、ユーベルコードが相手となれば話は違ってくる。聳えているのは壁なのか錯視なのか、正面突破を試みてしまった時宮・朱鷺子はぐってりとした様子で蹲った。ぐ……ぐぅ……厄介なオウガ達だ……。彼女の歩く速度は、這う速度は、成程、全力で走った平均的な猟兵と同レベルとも捉えられるが、この状態の異常の所為で『這う』事すらも困難と考えられる。そんな危機に陥っている彼女を、最強を助けようと手を差し伸べたのが『オマエ』であった。このまま錯視を見ていても、このまま蹲っていても、現状を打破する事はできないよね。かと謂って、時宮さんに無理させるワケにはいかないし……。此処は迷路だ。莫迦みたいに回転している迷路だ。故に、何処かには必ず『出口』が存在している筈……。流れを変えてみましょう。文字通りだ。流れを変え、作り出す事で此方から有利になってしまうと宜しい。
不可視の『気』だが、その流れが『出口』へと向かっている事くらいは把握できる。最強のダークリーガーを抱えて、一歩一歩確実に進んでいく。模様を視認していたら木乃伊取りが木乃伊になるのではないか。その点に関しても対策済みだ。つるべ火さんのぬくもりを頼りにラビリンスを攻略すると好い。ああ……いや、歩けそうにはないが、這う事くらいなら、できそうな程度には回復した。降ろしてくれても大丈夫だ、猟兵……。無理はしないでくださいね。愈々ゴール前だ。下流も下流、皮を剥がされた兎どもの末路や如何に。
最強のダークリーガーによる轢殺か。
或いは、三角定規の角による脳天一撃か。
これで、障害物はなくなりましたね。
ああ、有難う、猟兵。これでまた一歩、自分の扉に近付けたな。
成功
🔵🔵🔴
キノ・コバルトリュフ
ナメコ!キノの足の早さを見せてあげるよ!!
どんな敵だってキノからは逃れることは出来ない、完璧な走りだよ!
マッシュルーム!あまりの早さに止まって見えるんだってね。
キノキノキノ!キノの爆走!キノコロードの前に敵なし!!
呵々と笑う土煙、その彼方にて。
彼女達は何を想い、何を愉しんでいると謂うのか。
チョコレートに塗れた道だった、いや、違う。よくよく眼をこらして見たなら、嗚呼、悉くはレインボーである。酸っぱい臭いの正体に気付いたところで最早ない。菓子類と胃袋を勘違いしているのだから、まったく、度し難い兎の群れではないか。強烈なまでのクラクラ感に尋常な脳が|暴走《くる》えてくる。ナメコ! なんだか、ヌルヌルしている気分! 最強のダークリーガーさんもこの眩暈には耐えられないか。皿の上の肉の塊、俎板の上の捌かれたお魚。ぶくぶくと嗤っている胃液が朝飯後の『もの』も空だと訴えていた。
こうなったら、立ち止まっている場合ではない。僥倖にも、兎どもが選んだのは部位破壊の類では『ない』ようだ。どんな敵だって、どんな相手だって、キノからは逃れることは出来ない。時宮ちゃん、キノと一緒にマイタケしている場合じゃないよ。完璧な走りでこのぐるぐるを突破しよう! 眼球振盪が治まりそうにないが、ぐっと、深呼吸を試みる。そうか。そうだな。私は最強のダークリーガー、こんな場所で立ち止まってなどいられない。行くぞ、猟兵。このマラソン、優勝するのは私、時宮・朱鷺子だ。シメジ! キノも負けないよ。レースに集中できるのであれば、ゾーンに入ってしまえば、この吐き気も『気の所為』と成せるのだ。スタートの合図の銃声、まるで風の如く、音の如く、光の如く。
マッシュルーム! あまりの早さに止まって見えるんだってね。疾走に次ぐ疾走、爆走に次ぐ爆走。巻き込まれた兎どもはザクロ・カーペットにされるのか否か。嗚々、カーペットにされるので在れば『マシ』である。菌類を、黴を、吸い込んでしまった個体は別の意味での🌈の彼方。上も下も大洪水だ。お見せできない状態になっている。パイにするのも不可能な汚染具合だ、体内より生えた笠に訊いてくれ。
キノキノキノ! キノの爆走! キノコロードの前に敵なし!
流石は猟兵だ、私が並走を許してしまうとはな!
一匹残らずエチケット送りだ、兎肉は臭くて喰えそうにない!
大成功
🔵🔵🔵
第2章 日常
『愉快なお茶会』
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POW : 素敵なものを大いに食べて飲んで、お腹いっぱいになる
SPD : お茶会のお菓子や軽食を自分で用意し、差し入れる
WIZ : 謎かけや言葉遊びなど、テーブルを囲みながらのちょっとした遊戯を楽しむ
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
眩暈と吐き気、ある種の地獄を突破した時宮・朱鷺子は珍しく『休息』する事にした。朝飯後の虹の彼方の所為か、如何しても口の中が気持ち悪くてたまらない。愉快な仲間たちが紅茶やお菓子を用意して歓迎してくれたのか。盛りに盛られたクッキーやジャム、莫迦みたいに濡れているドードーがゆっくり食べろと急かしてきた。……ゆっくりなのか忙しないのかどっちかにしてくれないか? ふむ、この世界の住民はある意味で、私の目を回そうとしてくるのだな……。冷めない内に紅茶を一口。実にオリジンなティーであった。
ああ、猟兵、偶にはこういう時間も悪くない。
最強のダークリーガーにもオフの日は必要だからな。
柳・依月(サポート)
俺は柳依月、UDCアースの大学生だ。……だが、実は人間じゃない。妖怪だ。それでも俺は人間が好きで人間と共にある。彼らの日常を守る為、てのが俺の戦う理由になるのかな。
戦闘時は基本仕込み番傘での近接戦だが、中長距離や支援に回る時などは呪髪糸や禍魂による呪いなんかも使用する。
非戦闘なら情報収集が得意だ。主にネットだが、聞き込みとかもする。【化術】も得意だからな。
以下PL
ギャグ系の状況でもノリはいい方です。
UCは指定した物をどれでも使用し(詠唱ご自由に)、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
クリームの鯨飲は体調不良の原因になり得る。
撹拌されたのは誰かさんのブレインだったか。
――パイ生地にされた怨み。
強烈な臭いを、暴力的な酸っぱさを、如何にかして呑み込もうと試みたがオリジン・ティーでは物足りなかった。先程までの兎さん達が、オウガどもが残してきた眩暈めいた感覚に時宮・朱鷺子は蒼白とするのみ。そんな状態の異常に苛まれていると謂うのに、チャカポコと用意されているのはジャムやスコーンなどのお菓子か。折角、愉快な仲間たちが準備してくれたお茶会だ。たとえ目を回していようとも完食するのが礼儀と考えられる。うっぷと、口元を押さえようとしたところでやってくるケーキ・タワー。嗚呼、今にもひっくり返ってしまいそうだ。ま、まさか、私が、こんなところでピンチになるとはな……。想定外の出来事、理不尽な状況、いっそ、楽になってしまえば良いのではないか。いいや、ダメだ。私は腐っても最強のダークリーガー、この程度の壁、容易に突破しなくては……。おや、君は確か、時宮・朱鷺子さんだったか。俺は柳・依月、UDCアースでは大学生で『通って』いる。では、その正体とはいったい何なのか。訊ねようとした刹那に戻ってくる嘔気、プルプルと震えている最強の前には莫迦みたいなスイーツの山。これを消費しないと次に行けないのかよ。しゃーねぇな。俺が食べてやるから、ちょっと休んでおけよ。
日常を守る、その日常が『フォーミュラ』の『もの』で在ろうとも、
それが人々の為なのであれば躊躇せずに助けると宜しい。
結論から描写するのであれば『やっぱり猟兵ってスゴイ』だ。文字通りに、物理的に『山』のような甘味を数分かそこらで胃袋に収める。これは後から知った事なのだが、如何やら此処の『甘いもの』達は廃棄された『もの』だったらしい。つまりはマイナスな意味でのヤドリガミ。青白い光を舌と見做したのならば、きっと「破ぁ」もひとつの正解と謂えよう。片付いたぜ、十分休息できた筈だ。ああ、猟兵のおかげで、また走る事ができそうだ。膨れた腹の内側は如何様な奈落なのか。祓われたクリームはひどく甘かったに違いない。
成功
🔵🔵🔴
ヴィルジニア・ルクスリア(サポート)
サキュバスの悪霊×魔女、14歳の女です。
普段の口調は「ダウナー(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪い時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
ダウナーだが、猟兵として行動する時はアクティブに行動する。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
規格外だ。規格外のレッテルを貼られた、果実どもの転がりこそケーキの飾りに相応しい。ひどく巨大で、咽喉が焼けそうなほどの糖度だ。一口齧れば其処は奈落か、楽園か。ゴルゴーからのお誘いを誰が断れると謂うのか。
――差し入れだ。愉快な仲間たちは如何やら信号機の亜種らしい。
青い薔薇に用事などない、棘に塗れた赤こそが美しいのだと、嗚呼、何処ぞの女王様は謳っていたか。吹けば飛びそうなほどの儚さに、吹けば絶えてしまいそうなほどの絶不調に、さて、如何様な毒物が振る舞われたのか。う、うぐぐ……また、お茶とお茶菓子が増えただと……? 悶絶するかのような、苦悶するかのような、強烈なまでの甘ったるい臭いに、流石の最強のダークリーガーも屈する以外にないのだろうか。あら、あなた、随分とお困りなようね。まるで、天と地がひっくり返って、そのまま、回ってしまっているかのような顔色よ。何処かで出会った欠落のような沙汰だ、何処かで出会った頭部だけの女のようだ。まあ、良いわよ。このくらいの量のお菓子なら、私の小さな胃袋でもきっと消化できてしまうもの。年頃の少女には『別腹』とやらが存在している。いや、仮にオマエが小食だとしても、悪霊で在るのならば――ドロドロに溶かすように、物理的である必要性は皆無と思えた。
たとえば、リリス、たとえば、サキュバス。この種族にとっての食事とは正気を削ぎ落す行為に他ならない。まさしく、外の世界からやってきた侵略者めいて、暴飲暴食を成す蛇行か。す、凄まじいな。やはり猟兵、アスリートアースにおいて様々な競技で優勝をもぎ取るだけはある……。時宮・朱鷺子の関心を余所にオマエはオリジン・ティーを口にした。この紅茶、想像していた以上に、異常なまでに、抵抗してくるわね。飲料が飲料である事を拒むなんて走らないアスリートみたいなものじゃないの。
脱力の時間がひどく長引いていた。
だからといって、最強にとっての言い訳には出来そうにない。
成功
🔵🔵🔴
国栖ヶ谷・鈴鹿(サポート)
◎
ハイカラさんの天才発明家&パテシエイルの多才なパーラーメイド。
お手製の二挺銃の扱いと、小回りの利くフロヲトバイの紅路夢、空鯨型航空巡航艇ヨナ、ワンオフのスーパーキャバリア阿穹羅と、守護稲荷きこやんの護法術、ハイカラさんの後光のパワーを駆使した、発明と天性の才能を武器に明るくも自信に溢れた心持ちで挑みます。
嗤え、嗤え、パンジャンドラム。
――此処が不思議の最深部だ。
ヨチヨチと進むペンギンの群れが「デッパツ」と謂われて数十分後、連れてきたのは『最強』であった。原因不明の病か、或いは別の所以でぐったりとしている『最強』はなんとか発声する事ができた。おお、猟兵か。実はな。先程から奇天烈な連中に追われているのだ。本来であれば『逃げ切る』ことは容易なのだが、少し前にオウガにやられてな。身体がうまく動かせないのだ。最強のダークリーガー『時宮・朱鷺子』を弱らせるほどのオウガ。いったいどのような化け物なのかと想像をしてみたが、いや、そんな事よりもまずは『奇天烈な連中』とやらを拝まなければならない。傷つけようとしないのであれば愉快な仲間の類なのではあろうが……。ころころと、ごろごろと、転がってきたのは『兵器』である。
ええ……??? ぼく、キミ達とはもう関わりたくないんだけど……。そう、まったく英国面とした様相ではないか。狂気の沙汰の化身ではないか。向かってきた奇天烈なそれらは何故か液体のようなものを撒き散らかしている。えっと、もしかして、ぼくの想像が当たってほしくないんだけど、|阿片《紅茶》かな……? 大正解ではないか猟兵よ、嬉しくなった『兵器』な連中は爆発と共に巨大ティーカップ一杯分をかけてくれた。うわっ! 危ないな。人にかかったらどうしてくれるの??? 火傷しちゃうよ?
どうやらぬるくなっていたらしい。
びちゃびちゃになったのだからコーカスレースを再開しなければならない。ぼくはもう行くけど、その前に、ペンギンカムパニーの皆、彼女を起こしてくれないかな。……そうだ。猟兵、ひとつ訊きたい事があったのだ。この瓶の中身なのだが、クラッカーに合いそうだと思わないか。おめめをぐるぐるさせている。あ、うん、たぶん、キミは混乱しているだけだから。もうちょっと休んでいた方が良いよ。かなりスタートが遅れそうだ。
眠れる兎の力を発揮するまで、あと数刻……。
成功
🔵🔵🔴
第3章 冒険
『回り続ける世界』
|
POW : 回転に逆らって進む
SPD : 回転を有効活用して進む
WIZ : 回転しないように工夫して進む
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
走れ――走れ!
たとえ、三半規管がぶっ壊れても、平衡感覚がないなっても、
走る以外に選択肢などない!
時宮・朱鷺子の顔色は、見なくても真っ白い事くらいは容易に想像がつく。何故なのかと問われれば『不思議の国』の回転の所為だ。逆らって進むのが正解なのか、逆らわずに進むのが正解なのか。最早、何方なのかもわからない! だが、走れ! 走ればきっと『トランプのカード』に辿り着く。そして、何かを起こせば、彼女は元の世界に戻れるのだろう。ふふふ、ここが正念場だぞ時宮・朱鷺子、今までの特訓に比べればこの程度……!
ゴールは目の前だ。
ヴィヴ・クロックロック(サポート)
楽しい事最優先で突っ走ります、わくわくが止まりません。
あやしいことが有れば野生の勘と第六感がさえわたりたちまち発見することでしょう。
一応海賊の一員なので略奪とかお宝も結構好きです。
緑色の束が鈍器めいてぶおんぶおんと踊っている。
自分自身の第六感を、野生の勘を信じよ。
何を想起したのかと問われたら、何を理解したのかと訊ねられたら、嗚呼、監獄での出来事を彷彿とさせる眩暈だ。決まった時間に行われた採血、時々、莫迦みたいに吸われたものだ。頭をフラフラとさせて、ヨロヨロと歩いていた過去のサマが今の前後不覚と一致する。こんなにもフワフワとするのは、クラクラとするのはいつ振りだろうか。確かに気分は宜しくないのだろう。されど、それ以上の楽しさとやらを見出せたのならば問題などない。いや、きっと問題なのは『彼女』の方だ。三度目の正直ではなく二度あることは三度ある、走っても走ってもぐるぐると呑まれていては、永遠、乾きもしないか。
起きろ兄弟たち! 地の底より、奈落の底より、棺を引っ掻き回して、開けて、その臭気とやらを吐き散らかす。何処かの最強にとっては、時宮・朱鷺子にとっては最悪な出会いなのだろうが。この腐敗している肉こそが現状打破の鍵と謂えよう。な……成程、つまり、猟兵、ゾンビであればこのぐるぐるにも耐えられると、そう謂いたいワケだな……? 答えは何処にあるのかと探したところで胸の内だ。ここは私に任せて、時宮君は強歩でもしていてくれ。確実に一歩、また一歩と、錯視めいた世界を進む。彼方に視えたのはグニャグニャと嗤う『扉』だろうか。何かに中てられたのか、どかんと、爆散する。
こ……これはトランプか? 扉の代わりとなったのは一枚のトランプ、数字は2だ。これを集めて『なにか』を起こすのが依頼内容だったな。時宮君、次の扉まで頑張ってくれ。う、うう……幾ら私でも……い、いいや。こんな場所で立ち止まるなど、音を上げるなど、最強のダークリーガーとしての誇りを賭けて……! その意気だ、時宮君。
愉快な仲間たちも応援してくれている。
たとえ優勝できなくとも、完走せよ、己の為に、他の為に。
成功
🔵🔵🔴
政木・朱鞠(サポート)
とりあえず、感覚共有した『忍法・繰り飯綱』を放ち【追跡】や【情報収集】で周囲を探って敵の分布や地形の情報を把握しておきたいね。
邪魔をする敵が湧くのなら、武器は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使い【傷口をえぐる】でダメージを与えたいね。
アドリブも連携もOK
いばらをいく、それ以外に道がないのだ。
大渦巻きに喰われようとも、一所懸命に往くべきだ。
カラクリ屋敷の隠し扉、気付かぬ儘に触れた際のスピン、これを耐える事など常人では不可能だ。ある種の騙し討ちに、ある意味での不意打ちに、フラフラと振盪するザマだってあるだろう。つまりは、そういう状態の異常に『最強』は苛まれているのだ。だと謂うのにアスリートとしての誇りが、意識が、停滞とやらを許さない。やれやれ、そんな疲弊しきった状態で、尚、走るなんてよっぽどの負けず嫌いなのね。溜息を吐きながらも並走するオマエ。本来ならきっと、化身忍者である私でも『並走』できない相手よね。それとも、弱体化しても私と一緒に『走れる』程度には凄いのかしら。猟兵……どのような訓練をしたらこの世界に順応できるのか、アスリートアースに帰ったら教えてくれないか。つまりは鍛え『方』が違うと、そういうワケだ。時間遡行能力を失っても貪欲な姿勢、感嘆に値するだろう。うーん、本当は正々堂々、扉を探したいのだろうけど……。オマエは忍者だ。忍者であり咎人を屠る者だ。王道を征くのはおそらく時宮・朱鷺子だけで宜しい。
極めて発見し難い――それは『ちょっとした道案内』の種としては丁度良かった。時宮さん、扉、見つけましたよ。本来、マラソンでショートカットなど反則でしかない。されど『これ』は何でもありな『世界渡り』なのだ。遠くの方でどかんと、何かが爆散した音――どうやらトランプになったみたい。ほら、時宮さん、あれ見て……。ま、待ってくれ猟兵。今の私は目が回っていて、そういうのを見るのは……。落ち着くまで数分、さて、描かれていたのは王様だったか女王様だったか。
まだ足りないようだな。そうだね、でも、時宮さんならきっと完走できるよ。あとは背中を押してやれ、応援こそがアスリートの力の源とも考えられた。あ、折角だし次の『扉』の位置も教えておくね。欠片でも目覚めてくれたなら、治まってくれたなら、喜ばしいものだ。
成功
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ミルディア・ディスティン(サポート)
「サポート?請われれば頑張るのにゃ!」
UDCでメカニックして生計を立ててるのにゃ。
『俺が傭兵で出撃して少し足しにしてるがな?』
※自己催眠でお人好しで好戦的な男性人格に切り替わりますがデータは変わりません。
ユーベルコードはシナリオで必要としたものをどれでも使用します。
痛いことに対する忌避感はかなり低く、また痛みに性的興奮を覚えるタイプなので、命に関わらなければ積極的に行動します。
公序良俗は理解しており、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。むしろ積極的に助ける方です。
記載の無い箇所はお任せします。よろしくおねがいします。
人生は山あり谷あり大渦巻きあり、
螺旋階段よりも螺旋している不思議の片隅で、
これは違うと鳴いてみる。
艱難辛苦の矛先が脳髄にでも突き刺さったかのような気分だ、そのまま、ぐちゃぐちゃと掻き混ぜられる感覚は、成程、蒼白への丁寧な道案内に違いない。下戸だと謂うのに、一滴も口に出来ない性質だと謂うのに、こんなにも振り回されてしまっては酔う以外にない。にゃ、にゃあ~……。猫のような悲鳴だが心身共にラットな予感だ。文字の通りに世界にぐるぐる回され、前後左右もわからない。りょ、猟兵……お、お互いに、辛いかもしれないが、まずは深呼吸だ。この世界に呑まれてはいけないと、私は学んでいるからな。蒼白のお隣も蒼白だ。今にもオリジン・ティーをぶち撒けそうな時宮・朱鷺子は、それでもアスリートらしく走ろうと試みている。私の『自分の扉』への導は用意されているのだ。あとは猟兵よ、一緒にゴールするだけなのだ。ま、待つにゃ……あたし、もうそろそろ、乙女的にまずい状況になっちゃいそうだにゃ……。プルプルと、フルフルと、頭を左右に揺らして除こうとする。それは悪手なのではないか猟兵よ。常備薬が酔い止めの類であったなら!
予め――飲んでおくお薬めいて――プログラムを発動させたのならば如何に。たとえ気分が最悪だろうと、乙女的な危機であろうと、中止できなければ問題も問題ではなくなる。にゃの二文字も口に出来なくなったのならば『扉』へと一直線だ。猟兵……! 其処までして私の『かえり』を望んでいるのか。ならば、私も応えなければな……! 一呼吸で『扉』とのご対面だ。ご対面と同時にお約束の爆散、今度のトランプはAだった。
あともう少しだ。あと、もう少しで『なにか』が起こる筈なのだ。猟兵、一緒に走ってくれて……。にゃあ……良かったにゃ。でも、この仕事は高くつくにゃよ……。マタタビと酒と回転の違いを答えよ。まったく同じようなものだ。
全速全開でやったのならば反動とやらに襲われる。
成功
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印旛院・ラビニア(サポート)
・境遇的なものもあり、思考や嗜好は成人男性のものです(恥ずかしい境遇なので自分からは喋らない)
・基本的にはヘタレで気弱、慎重な面がありますが、物事がうまくいったり周りに煽てられるとイキって墓穴を掘ることもあります
・なんだかんだで人がいい
・やり込みゲーマーで現状を学ぶ【学習力】と自分のプレイに【チューニング】できる応用力が武器
・キャバリア・劫禍との関係はUCの秘密設定あたりで察してください
UCは活性化した物をどれでも使用し、例え依頼のためでも、公序良俗に反する行動はしません。えっちな展開はコメディ目であれば許容
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ヘタレている場合ではない、跳ねて回って大暴れだ。
世界からの贈り物、不思議の国からの厄災だ。考え方によっては『人災』とも思えるが、もっと正確にいえば『生物的』な意味での逃れられない無様だろう。只、ハムスターのように、ラットのように、ぐるぐると同じ場所を回っている最強は愈々限界寸前であった。うぅ、と、今にも倒れそうな最強の顔色はブルーハワイよりも真っ蒼だ。おめめをぐるぐると回し、頬を膨らませているその姿は、醜態は、アスリートアースの面々には見せられないか。こ、このままでは……。脱落など、リタイアなど、赦してなるものか。たとえ他のフォーミュラが許しても、この、時宮・朱鷺子自身が赦せない。ごくりと、酸っぱいものを臓腑へと流し込み、焼けるような思いを抱え『もうひと頑張り』と笑ってみせた。そんな最強の滅茶苦茶な視界に新たな光がひとつ。さて、何者の到来だろうか。へへーん、僕はこういうの結構慣れてるんだよね。だってこれでも廃ゲーマーなんだから。印幡院・アビニアはゲームプレイヤーである。デタラメな機動からのクリティカルだって朝飯後なのだ。
乙女的な意味での危機を迎えた彼女を、時宮・朱鷺子を、召喚した戦乙女が抱える。普段から『大きな盾』を装備している戦乙女だ、ぐったりとしたアスリート一人くらい楽々な荷物と考えられる。う……猟兵、すまないが、最後まで自分の足で走りたいのだ。それに、こうも揺れてしまったら、より危ういかもしれん。あ、わかったよ。僕も慣れてはいるんだけど今回は墓穴を掘りたくないしね。ほら、虹色的な意味で……。投げられたコインは何処へと往くのか。最後の扉が見つかった――都合の良い|トランプ二枚《幸運》だ。
数字は6、それとジョーカー。
集めてきたトランプが宙を舞い、融け、虚より生じたのは自転車であった。ブタさんバイシクルとでも描写すべき『それ』は、まさか、渡る為の埒外性を孕んでいるのか。猟兵よ、これを漕いでいけばアスリートアースに帰れる筈だ。ここまで、付いてきてくれてありがとう。サッパリとした表情で時宮・朱鷺子は駆けていく。
絶不調の中でも彼女は『最強』の名を汚さなかった。
成功
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