ギャラクシィサッカーの宇宙征服!
「帝都櫻大戰、お疲れ様でした。さっそくですが問題発生です」
グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、グリモア猟兵のリミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々とした口調で語りだした。
「皆様の活躍と、様々な世界から駆けつけてくれた協力者の尽力によって、幻朧帝イティハーサは完全に滅ぼされました。……ですが、その協力者の方々がまだ、元の世界に帰れていません」
アスリートアースのキャンプ・フォーミュラ『キャンピーくん』の世界移動能力によって送り込まれた共闘者たちは参戦先の世界に留まったまま、キャンピーくんはどこかに姿を消してしまった。なので彼の能力に頼らずに元の世界に帰還する方法を探さなければならない、困ったことになっているようだ。
「イザナミ戦で力を貸してくれたサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』さんもその一人ですが……ヒーローズアースの広大な宇宙にはたった一つだけ『異世界へと渡る為の|超機械《オーパーツ》』が存在するそうです」
この情報を突き止めたエル・ティグレは、すでに独自の「宇宙征服計画」をぶち上げ、ラグランジュポイントから果てのない宇宙の旅へと出発したそうだ。ギャラクシィリーガーである彼女にとって宇宙はホームグラウンド。故郷アスリートアースだけでなくこの世界の宇宙も征服するつもりか。
「ヒーローズアースの宇宙にはオブリビオンに支配された宙域が数多く存在するようです、遥か銀河の果てにある|超機械《オーパーツ》に至るまでには、幾つもの戦いが待ち受けているでしょう」
エル・ティグレもダークリーガーだが、別によそのオブリビオンと仲良くする義理はない。邪悪なオブリビオン大組織をやっつけて宙域を「征服」することは、結果的に現地住民に平和をもたらすことにもなるだろう。猟兵としても手伝わない理由はない。
「すでにエル・ティグレさんはとある宙域で、強力なオブリビオンに率いられた宇宙戦闘員軍団と交戦中のようです」
フォーミュラであるエル・ティグレがそのへんのオブリビオンに遅れを取るはすがなく、正面からサッカーで挑みかかっては敵をばったばったと薙ぎ倒している。ひょっとすれば一人でも宇宙征服できそうな勢いだが、なにぶん相手は宙域を埋め尽くす数千数万の大軍勢だ。
「流石に大変そうなので、ここは皆様も彼女に加勢してあげてください」
戦闘員はしょせん自分より強いオブリビオンに付き従うだけのザコ。集団でかかるとそれなりに強いが、一人一人は大したことがない。帝都櫻大戰の共闘で磨かれた猟兵とエル・ティグレのコンビネーションがあれば、簡単に突破できるはずだ。
「戦闘員を蹴散らせば、軍勢の司令官であるオブリビオンのボスが出てくるはずです」
この辺りを支配する宙域最強のオブリビオンとなれば、戦闘員のように楽勝とはいくまい。しかもそいつは物凄い数の配下オブリビオンに囲まれているので、攻撃を当てようとしても配下を肉の壁にしてブロックされてしまうだろう。
「……とはいえ、イザナミを守護する火雷大神のディフェンスに比べれば、どうということはない守備です」
ここもエル・ティグレと協力してディフェンスをすり抜けるなり蹴散らすなりして、司令官本体を討ち取ろう。
まだサッカーの偉大さを知らない外宇宙の者どもに、猟兵とサッカー・フォーミュラの力を見せつけるのだ――。
「経緯と目的はどうあれ、オブリビオンの支配から宙域を解放すれば、現地の人々も喜んでくれるでしょう。エル・ティグレさんが|超機械《オーパーツ》を見つけるまでは長い道のりになるでしょうが、皆様のご協力をお願いします」
説明を終えたリミティアは手のひらにグリモアを浮かべ、ヒーローズアースのエル・ティグレの元へと道を開く。
帝都櫻大戰の功労者の1人であるサッカー・フォーミュラを、無事に元の世界に送り返すために。果てしない大宇宙の征服行が始まる――。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」
戌
こんにちは、戌です。
今回のシナリオはヒーローズアースの宇宙にて、サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』をアスリートアースに帰還させるための依頼です。
1章はとある宙域を占領しているオブリビオンの『戦闘員』軍団と戦います。
数がめちゃくちゃ多いことを除けば、一体一体は普通のザコです。張り切っているエル・ティグレと協力して蹴散らしてしまいましょう。
2章は宙域を支配するオブリビオンとのボス戦です。
このボスの周囲にも多数の配下オブリビオンがいるので、敵のディフェンスをくぐり抜けるなり蹴散らすなりの工夫があると良いでしょう。
無事にオブリビオンを撃破すると、3章では支配から開放された人々から歓迎を受けます。
この宙域はエル・ティグレに征服されたことになりますが、彼女は異世界へ渡るための|超機械《オーパーツ》を探して旅を続けますし、人々の暮らしに悪い影響が出ることはありません。なのでここは宇宙文明のおもてなしを受けつつ、次なる宇宙征服に向けて英気を養うと良いでしょう。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『戦闘員』
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POW : 戦闘員アタック!
【全速力の】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他の戦闘員】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : 逃がさねえ!
【沢山の戦闘員への呼び掛け】から【沢山の戦闘員と共に敵に向かって体当たり】を放ち、【たくさんの戦闘員による拘束】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 仲間を呼ぶ
【甲高い声で叫ぶと近くのもう一人の戦闘員】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
イラスト:柴一子
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
国栖ヶ谷・鈴鹿
物量〜?
ならこっちはペンギン🐧クルー集合!
無敵のイレブンのサッカーをお見舞いしてやろう!
スライディングでフォーメーションを見出してオーバーヘッドシュート!
ティグレとの連携で、すごいシュートや高さを合わせた属性込みの強力なシュートでどんどん敵を蹴散らしていこう!
ペンギン🐧クルーはサッカー仕様のユニフォームをきて、キレキレのスライディングとシュートで援護してくれるから、きっと勝てるよ!
あ、GKのペンギン🐧クルーが暇そうだから、時々ゴールキックさせてあげてね。
(遠距離に届く砲撃みたいなキックを飛ばす)
超機械気になるし、こんなのは128-0くらいで電光掲示板壊れるくらいの点差で勝っていこう!
「物量〜? ならこっちはペンギン🐧クルー集合!」
とある宙域を埋め尽くす、星の数ほどもいるオブリビオン戦闘員を相手に、国栖ヶ谷・鈴鹿(命短し恋せよ|乙女《ハイカラさん》・f23254)は真っ向勝負を挑む。空飛ぶ鯨を意匠したスカイクルーザー・ヨナから、彼女の号令に応えた9羽の【超檄!ペンギン乗船員】が現れる。
「無敵のイレブンのサッカーをお見舞いしてやろう!」
「おう! やってやろうぜ猟兵様……です!」
鈴鹿とペンギンたち、そしてサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』を合わせて、こちらのメンバーは十一名。
サッカーするなら丁度ベストな頭数。異世界に渡る|超機械《オーパーツ》を探すついでにこの宙域も征服してやろうと、ノリノリの様子だ。
「この宙域はすでにワレワレが支配している!」「どこの辺境惑星の出身か知らんが、相手が悪かったな!」
全身を黒いタイツスーツで覆った戦闘員たちは、甲高い声で【仲間を呼ぶ】と、人数にものを言わせて襲ってくる。
だが、ただ数が多ければ良いというものではない。鈴鹿はがむしゃらに突っ込んできた敵をスライディングで躱し、フォーメーションを見出してシュートチャンスを読む。
「猟兵様!」
「ナイスパス!」
エル・ティグレが暗黒星雲ボールを蹴り出すのに合わせ、華麗に放つはオーバーヘッドシュート。アスリートアースにその名を轟かせた第三銀河最強兵器が唸りを上げて、戦闘員どもをまとめて吹き飛ばす。「ギエーーーッ?!」という奴らの悲鳴が宙域に響き渡った。
「どんどん敵を蹴散らしていこう!」
「おう!」
この調子で鈴鹿はエル・ティグレとの連携を取り、高さを合わせた強力なシュートや、フィールドで踊っているようなドリブルとパス回しでオブリビオンの大軍を圧倒する。天才ハイカラさんのセンスはサッカーにおいてもプロ級で、そのテクニックで様々な属性を付与されたボールは、エル・ティグレ一人でシュートする時よりも威力を増していた。
「ペンギン🐧クルーも援護してくれるから、きっと勝てるよ!」
「ギイィーッ?!」「な、なんだコイツらはっ!!」
サッカー仕様のユニフォームを着たペンギンたちもただの合わせではなく、キレキレのスライディングとシュートで試合をサポートする。多種多様な技能を有する飛空艇のクルーから、サッカーに役立つ技能持ちを選抜してきたのだ。人間顔負けのボールさばきでフィールドを駆け巡るさまには敵も驚くしかない。
「あ、GKのペンギン🐧クルーが暇そうだから、時々ゴールキックさせてあげてね」
「もちろんいいぜです! 楽勝だな!」
完全に一方的な試合展開になると、鈴鹿は遠距離まで届く砲撃のようなキックで、ゴールキーパーに見せ場をやる。
それにエル・ティグレも文句を言わないくらい、彼我の実力差は歴然だった。キーパーペンギンのキックから繋がる華麗な連携で、スコアがまた1点増える。
「超機械気になるし、こんなのは128-0くらいで電光掲示板壊れるくらいの点差で勝っていこう!」
「アハハッ! そりゃいいや!」
鈴鹿の号令にエル・ティグレもペンギンたちもノリノリで攻め上がり、立ちはだかる敵をサッカーの力で片っ端からなぎ倒して進む。その圧倒的なオフェンス力を前にオブリビオン戦闘員のディフェンスは崩壊し、速くも宙域は"征服"されつつあった――。
大成功
🔵🔵🔵
外道・歩
ま、まぁ仕事っすからきちんとやるっすけど
宇宙征服のお手伝いなんて超極悪人のすることじゃないっすか
大丈夫っすよね?後で指名手配とかマジ勘弁っすよ?
そーなったらエル・ティグレさんに慰謝料請求っすね!
えーっとまずは雑魚戦闘員を蹴散らせばいいんすね
よーし!お仕事開始っす!
({六天細胞}を増殖させサイキックエナジーへと変換していくと{深緑色の炎}として身に纏い身体能力を強化する)
数に頼った突進攻撃っすか?残念っすけど真正面から受け止めるつもりはないっすよ!
(『念動力』で体を浮かせて突進攻撃を回避する)
サイキックエナジー充填完了!吹っ飛べ雑魚ども!
【深緑色の多連装誘導弾】!
「ま、まぁ仕事っすからきちんとやるっすけど、宇宙征服のお手伝いなんて超極悪人のすることじゃないっすか」
悪のダークリーガーにしてサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』の覇道を後押しするという、冷静に考えれば普段の仕事とは真逆をいくような内容に、外道・歩(法の外を歩む女・f41660)は少々戸惑い気味だった。今回に関しては戦争に協力してもらった恩があるとはいえ、本当に問題はないのか。
「大丈夫っすよね? 後で指名手配とかマジ勘弁っすよ? そーなったらエル・ティグレさんに慰謝料請求っすね!」
「アハハッ、心配性な猟兵様だなあ! 気になるなら好きなだけ請求しろよです!」
当のエル・ティグレは気にせずヒーローズアースでも宇宙征服計画を推し進める気だ。まあ、流石に彼女もひとりで広大な宇宙を支配することはできないだろうし、そもそも異世界に渡る|超機械《オーパーツ》が見つかったら故郷に帰る予定なので、征服と言っても一時的なものに収まるだろう。
「えーっとまずは雑魚戦闘員を蹴散らせばいいんすね。よーし! お仕事開始っす!」
気を取り直して、眼の前に立ちはだかるオブリビオンの大軍に向き直る歩。かつて受けた実験により覚醒した彼女の「六天細胞」は増殖してサイキックエナジーに変換され、身体能力を強化する。その様子は深緑色に揺らめく炎を纏っているようだ。
「辺境惑星の田舎者め、舐めるんじゃねえぞ!」「袋叩きにしてやる! ウオオーーッ!!」
対する戦闘員は仲間の多さを武器にして、一斉に【戦闘員アタック!】を仕掛けてくる。一体一体はやられ役のザコでも、ここまで多いとなると単純物量で脅威になる。こいつらはこいつらで宙域を支配する悪のオブリビオンなのだ。
「数に頼った突進攻撃っすか? 残念っすけど真正面から受け止めるつもりはないっすよ!」
「な、なにっ?!」
だが歩は念動力のサイキックで体を浮かせて、戦闘員どもの突進攻撃を回避。がっぷり四つに組み合う理由なんて最初からないと、面食らう連中を見下ろしてにやりと笑う。まとめて突っ込んできた連中は、こうして見ればいい的だ。
「サイキックエナジー充填完了! 吹っ飛べ雑魚ども!」
「「ギエーーーッ!!!?!」」
すかさず歩はサイキックエナジーを光弾にして発射。【深緑色の多連装誘導弾】が嵐のように戦闘員へと降り注ぐ。
かつては優秀な姉妹と比べられ、無能と嘲笑されることもあった。だが「人類を進化させる薬」に適合した今の彼女は、この程度の連中などものともしない。蜂の巣にされたオブリビオンの悲鳴が何重にもこだました。
「なんだ! やるじゃないか猟兵様!」
深緑色の光が敵軍に降り注ぐさまはエル・ティグレも見ており、その圧倒的な殲滅力には彼女も賞賛を惜しまない。
猟兵とサッカー・フォーミュラによる宇宙征服は順調。この宙域を支配するオブリビオンのボスも、この調子ならすぐに引きずり出せるだろう――。
大成功
🔵🔵🔵
家綿・衣更着
アドリブ歓迎
戦争に協力してくれた人達が帰れるよう頑張るっすよ!
忍者バリアバングル起動し宇宙服代わりに
「どーも、衣更着でっす
世界を渡る超機械!?なにそれすごく気になるっす!
オブリビオンを倒して宇宙征服ついでにゲットっすよ!」
サッカーはコンビネーション!
おいらが先行して敵を蹴散らし、エル・ティグレさんにこの場を抜けて貰うっす!
どろんと出した妖怪煙を化術と幻影使いで自分やエル・ティグレさんの残像に変化させて敵を攪乱し、多数を見当違いの場所におびき寄せ
引き寄せられなかった敵に対しUC『崩連撃拳』で連撃を仕掛けて蹴散らして道を作るっす!
「ここは任せて先に行け!っす」
テングリーフ起動、ここは通さないっす!
「戦争に協力してくれた人達が帰れるよう頑張るっすよ!」
エンシェント・レヰス『イザナミ』撃退では世話になった、サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』。彼女の帰還を助けるため、家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)は「忍者バリアバングル」の透明バリアを宇宙服代わりにして、|超機械《オーパーツ》を探す宇宙征服の旅に同行する。
「どーも、衣更着でっす。世界を渡る超機械!? なにそれすごく気になるっす! オブリビオンを倒して宇宙征服ついでにゲットっすよ!」
「アハハッ、そうこなくっちゃなです! 遅れないようアタシに付いてこいよです!」
計画に乗り気な衣更着からの挨拶に、エル・ティグレは取って付けたような敬語で返す。宇宙征服とはワルそうに聞こえるものの、対象の宙域を支配しているのはオブリビオンだし、猟兵に服従している彼女が本気で悪事を働けるようにも見えない。言ってしまえばこれは広大な宇宙を舞台にした、宝探しの道中だ。
「ワレワレを差し置いて宇宙征服?」「身の程知らずめ、思い知らせてやる!」
突然宙域にやってきたサッカー・フォーミュラと猟兵は、現地のオブリビオン戦闘員からすれば立派な侵略者。これ以上の好き勝手は許さないし【逃がさねえ!】とばかりに、仲間に呼びかけて頭数を集め、一斉に体当たりしてくる。
「サッカーはコンビネーション!」
「魅せてやるよ、アタシたちのプレーを!」
対する衣更着は化術と幻術で対抗。どろんと立ち上る妖怪煙の中から、彼とエル・ティグレの残像が大量に現れる。
偽物の群れに本物を紛れ込ませることで敵を撹乱し、見当違いの場所におびき寄せる作戦だ。その意図を汲んだエル・ティグレも足並みを揃えて駆け上がっていく。
「分身の術だと!?」「構うか、全員拘束しろ!」
それが幻だと分からない戦闘員たちは、数にものを言わせて飛びかかってくる。衣更着からすれば理想的な展開だ。
流石に数が数なので全てを引き寄せることはできないが、そいつらは残像ではなく本人が【崩連撃拳】で対処する。
「一発の|崩拳《ポン・パンチ》が弱いなら、倒せるまで一千発でも叩き込む。これがおいらの至ったカラテ、ポンポコパンチっす!」
「「グ、グワーッ?!!」」
首に巻いた「打綿狸の綿ストール」を多腕として操り、敵の急所を見切って突きまくる。しょせんは数頼みのザコに耐えられるものではなく、ボコボコにされて吹っ飛んでいく。これでエル・ティグレの道行きを邪魔する者はいない。
「ここは任せて先に行け! っす」
「おう! ありがとなです!」
先行した衣更着が敵を蹴散らして作った道を、エル・ティグレが一気に駆け抜ける。アスリートアースの第三銀河を征したフットワークはこちらの宇宙でも健在であり、一度ディフェンスを突破すれば止められる者はいない。このままボスの居場所まで一直線だ。
「ま、待てッ……うおッ!?」
「ここは通さないっす!」
慌てて追いかけようとする戦闘員の前に、衣更着はキャバリア「テングリーフ・ホワイト」を起動して立ち塞がる。
オフェンスの次はこちらがディフェンスする番だ。その巨体に加えて優れた機動力を持つ彼の愛機を、果たして突破できるヤツがこの宙域にいるだろうか――サッカーによる宇宙征服の覇道は、まだまだ序章に過ぎない。
大成功
🔵🔵🔵
エリー・マイヤー
配下のものは主人のもの。
エル・ティグレさんのものは猟兵のものです。
つまり、アナタが支配した宙域は、我々の支配した宙域ということですね。
なんとスケールの大きい贈り物でしょう。
アナタの忠誠はしかと受け取りました。
褒めて差し上げます。
と、適当な害悪ご主人様ムーブは程々にして、お仕事の時間です。
念動力によりボールの軌道を操り、変幻自在のボール回しで敵を翻弄。
敵のディフェンスを突破します。
そのまま司令部に向けて突き進みましょう。
雑魚が群がってきたら、【発電能力】を使用。
稲妻の如く軌道を変えて飛び回る電光石火のシュートで、敵を蹴散らします。
そのまま、エル・ティグレさんの元にボールを届け、後を託しましょう。
「配下のものは主人のもの。エル・ティグレさんのものは猟兵のものです」
今年1月に開催されたバトル・オブ・オリンピアの結果により、サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』を含むギャラクシィリーガーは猟兵の支配下に入った。帝都櫻大戰にエル・ティグレが参戦してくれた理由もそれが大きく、現在もこの主従関係は有効である。
「つまり、アナタが支配した宙域は、我々の支配した宙域ということですね。なんとスケールの大きい贈り物でしょう」
「えーーーっ?! そ、それはズルだろ……です!」
とはいえ理不尽な扱いをされれば当然文句が出る。取って付けたような敬語でぶーぶー抗議するエル・ティグレに、エリー・マイヤー(被造物・f29376)はされどどこ吹く風。|超機械《オーパーツ》を探す過程で征服した宙域を、まるっと猟兵の手柄にするつもりだ。
「アナタの忠誠はしかと受け取りました。褒めて差し上げます」
「いや、ちがうって! 褒められても嬉しくねーし! ……です!」
しれっとした態度で淡々と、上から目線で配下をイジるエリー。まさか本気で言ってる訳ではないだろうが、いちいち反応するエル・ティグレのリアクションが面白くてやっている節がある。肩書上はスゴいヤツのはずなのに、配下になってしまった経緯といい、妙に間の抜けたところのあるフォーミュラだ。
「と、適当な害悪ご主人様ムーブは程々にして、お仕事の時間です」
「まったく! ちゃんと頼むぜです!」
満足したところでエリーはサッカーボールをぽんと蹴り、フィールドを攻め上がっていく。運動は苦手と自称する彼女だが、特技の念動力を活かしてボールの軌道を操り、変幻自在のボール回しを披露する。悪態を吐きつつエル・ティグレもその技量は認めているようだ。
「くっ! なんでこいつら戦場でサッカーを!」「分からん! とにかくこれ以上先には進ませるな!」
予想のつかないボールの動きとパスワークに、敵のオブリビオン戦闘員は翻弄されている。アスリートアースならいざ知らず、ここヒーローズアースでサッカー選手がなぜこんなに手強いのか理解できないだろう。正確にはエリーのほうは本業ではないのだが、イザナミ戦を経てエル・ティグレとの連携もすっかり慣れたものとなっていた。
「突破しますよ」
「おうです!」
「「ま、待てぇッ!」」
巧みなドリブルで敵のディフェンスを抜けると、そのまま司令部に向けて突き進んでいく二人。自分らの支配宙域でこれ以上好き勝手させてたまるかと、戦闘員も【仲間を呼ぶ】と群がってくるが――いくら増えようが雑魚は雑魚だ。
「ビリっと来ますよ」
「「なにッ……ウギャーーーー!!!!」」
ちょうど一掃できそうな感じに敵が集まったところで、エリーは【発電能力】を使用。サイキックの雷を纏い、稲妻の如く軌道を変えて飛び回る電光石火のシュートを放ち、戦闘員軍団を蹴散らしていく。雑魚どもの悲鳴を響かせながら飛んでいったボールは、そのまま吸い込まれるようにチームメイトの元に。
「後は託しました、エル・ティグレさん」
「アハハッ! 任せろ! これで決まりだぁッ!」
最高のパスを届けられたサッカー・フォーミュラは、そのプライドに賭けて渾身のシュートを放つ。第三銀河を統一した必殺の暗黒星雲ボールが、ブラックホールのように全てを呑み込みながら突き抜けていき――やがて敵の断末魔さえ聞こえなくなれば、彼女たちの道を阻む者は誰もいなかった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『邪神リバティウス・ディストピア』
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POW : トライ・エレメンタルフュージョン
【炎の翼から放たれる火炎弾】【氷の翼から放たれる絶対零度の吹雪】【雷の翼から放たれる2億ボルトの雷の槍】を組み合わせた、レベル回の連続攻撃を放つ。一撃は軽いが手数が多い。
SPD : トライ・エレメンタルアウェイクニング
【三属性が融合した半実体の巨人】に変身する。変身の度に自身の【操作することが出来る属性】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
WIZ : ディストピアファミリー・カモン!
【三属性が複合した様々な武器】で武装した【邪神の使い(執事)】の幽霊をレベル×5体乗せた【超巨大要塞】を召喚する。
イラスト:黒江モノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「フィラデルフィア・シャイントピア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「まあまあ……私の統べる星の海に、まさか侵略者がやって来るなんて」
おびただしい数の戦闘員軍団を文字通り一蹴した猟兵たちは、ついにこの宙域を支配するオブリビオンと遭遇する。
それは星を散りばめた衣を纏う、炎・氷・雷の三対の翼を持つ女。短杖を携え、朗らかだが威圧感のある笑顔で猟兵を睨みつけてくる。
「ここが私、邪神リバティウス・ディストピアの支配宙域と知っての狼藉ですか? 神罰を下しますよ!」
地球からはいまだ知られざる領域を統べるオブリビオン。実力は未知数だが、口で言うだけのことはあるだろう。
さらに彼女の周りには、近衛と思しき戦闘員オブリビオンが多数いる。こいつらは主神のためなら自ら肉壁となり、猟兵の攻撃を阻むだろう。
「アハハッ、なにが神サマだ! そんなもんに今さらビビると思ってんのかよ!」
だが、こちらにはサッカー・フォーミュラ、エル・ティグレがいる。
イザナミと戦った時のように、彼女と協力して敵軍団のディフェンスを突破すれば、きっとボスにも攻撃は届く。
サッカーによる宇宙征服計画は始まったばかり。こんなところで足止めを食らっては先が思いやられるだろう。
オブリビオンに支配された宙域の人々を解放するためにも、猟兵たちは邪神リバティウスとの決戦に挑む――。
外道・歩
顔は笑ってるけど言ってることは物騒っすね~
支配者って言うのは外面が良くて中身が腹黒いのが主流なんすかね?
エル・ティグレさん見てるとそんな風には全く見えないっすけど
まぁそんなことより!あの近衛たち
突破には時間はかかるだろうしその間に迎撃準備を
されるかもとアタシは思うんす!
なんでこんな作戦はどうっすか?
最初にアタシと一緒に敵集団に突撃して乱戦に持ち込んでほしいっす!
そんでエル・ティグレさんの超絶神業ディフェンス突破術をお披露目して敵の目を引きつけてほしいっす!
その隙にアタシは【深緑色の致命点】を発動してやつの眼前にワープして
ゼロ距離サイキックビームをぶっ放す!
以上っす!
いい作戦と思わないっすか?
「顔は笑ってるけど言ってることは物騒っすね~」
外見にそぐわぬプレッシャーを放ちながら現れた『邪神リバティウス・ディストピア』を見て、そう呟いたのは歩。
こちらが侵略してきた側なのだから当然と言えば当然だが、敵に対する慈悲なき姿勢がうかがえる。そうやってこの宙域を支配してきたのだろう。
「支配者って言うのは外面が良くて中身が腹黒いのが主流なんすかね? エル・ティグレさん見てるとそんな風には全く見えないっすけど」
「褒め言葉として受け取っておくぜ……です! アタシはああいうの好きじゃないしな!」
エル・ティグレもダークリーガーであり一応オブリビオンのはずなのだが、あっちの邪神とはまるでタイプが違う。
こっちはこっちで裏表なしの圧倒的パワーで他を制圧するタイプか。結局は支配者も人ぞれぞれということだろう。
「まぁそんなことより! あの近衛たち、突破には時間はかかるだろうし、その間に迎撃準備をされるかもとアタシは思うんす!」
リバティウスの周囲で守りを固める戦闘員を見て、歩は冷静な状況分析を行う。配下を肉壁にしてこちらの攻撃を防ぎつつ、強力なユーベルコードで反撃を狙っているとしたらまずい。あの邪神が配下の巻き添えを気にするタイプとも思えなかった。
「なんでこんな作戦はどうっすか?」
「へえ……ふむふむ。なるほど!」
考えついたアイデアを敵に聞かれぬよう、ひそひそと耳打ちするとエル・ティグレは「わかったぜです!」と承諾。
二人で敵に向き直ると不敵な笑みを浮かべる。配下に守られてふんぞり返った邪神に、吠え面をかかせてやろう。
「以上っす! いい作戦と思わないっすか?」
「おう! それじゃ、いくぜです!」
掛け声に合わせて歩とエル・ティグレは一緒に駆けだし、敵集団に突撃して乱戦に持ち込む。数の多さこそ面倒ではあるものの、個々の実力では彼女たちの相手にならないのは明らか。特にエル・ティグレは神業的な超絶ディフェンス突破術を披露して、次々に戦闘員を抜き去っていく。
「アハハッ、こんなお粗末なディフェンスでサッカー・フォーミュラを止められるかよ!」
「むむむ……! お前たち、なんとしても止めなさい!」
その走破力はリバティウスの目にも脅威と映り、配下を総動員してでも物量で押さえ込もうとする。結果的にオブリビオンたちの注目はエル・ティグレに引きつけられ、歩のほうを気に留める者は少なくなる――これが彼女の作戦だ。
「チャンス到来っす!」
この隙に歩は【深緑色の致命点】を発動し、リバティウスの眼前にワープする。戦闘員の壁を無視して現れた彼女に邪神は「なにっ?!」と驚き、慌てて【トライ・エレメンタルアウェイクニング】を発動しようとするが、もう遅い。
「恨み言は骸の海に還った後で言えっすよ!」
「きゃあああああーーーっ!!?!」
全身から深緑色の炎を燃え滾らせ、ゼロ距離サイキックビームをぶっ放せば、リバティウスは甲高い悲鳴を上げる。
見事に囮役を果たしたエル・ティグレは「やったな!」と歓声を上げ、戦闘員は「邪神様ッ?!」と慌てふためく。猟兵とサッカー・フォーミュラによる宇宙征服の勢いは、まだまだ止まらない――。
大成功
🔵🔵🔵
家綿・衣更着
アドリブ歓迎
邪神達がエル・ティグレに気を取られてる間に、化術で配下に化けて邪神に近づきUC『魔剣憑依・神斬りの一閃』でアンブッシュ
「どうもリバティウス・ディストピアさんとその配下さん達、綿狸忍者の衣更着、参上っす!人々を苦しめる邪神、御覚悟!」
「邪神が回復する前に配下を蹴散らすっすよ!」
驚き混乱する配下たちをエル・ティグレと前後から挟み撃ちし、手裏剣投擲と綿ストールによるなぎ払いを駆使してディフェンスに穴をあける
「いっけー!っす」
化術で自らサッカーボールに変身してエル・ティグレにパス
シュートに合わせて『魔剣憑依・神斬りの一閃』の『神』属性特攻の「全てを切り裂く妖力」を纏って加速し邪神にゴール
「アハハッ! どうしたどうした! こんなモンか!」
宙域のボスが姿を現してからも、エル・ティグレは相変わらず暴れ回っていた。圧倒的なスピードとフットワークでディフェンスをすり抜け、文字通りに敵を"蹴散らす"。猟兵に負けたとはいえサッカー・フォーミュラの実力に衰えはない。
「くっ! なんとかあの女を止めないと……!」
邪神『リバティウス・ディストピア』も、あのサッカー女が自身の支配権を脅かす最大の侵略者であると理解する。
それゆえに警戒を強めることは、他の者に対する警戒が疎かになることでもある。配下ともどもエル・ティグレに気を取られている間に、こっそりと迫る影に彼女は気付いていなかった。
「どうもリバティウス・ディストピアさんとその配下さん達、綿狸忍者の衣更着、参上っす!」
「なっ……い、いつの間に?!」
どろんバケラーの化術にかかれば、敵の配下に化けるのも朝飯前。まんまと邪神に近付いた衣更着は高らかに名乗りを上げて正体を表すと同時に、試作魔剣「空亡・蒼」による【魔剣憑依・神斬りの一閃】でアンブッシュを仕掛けた。
「人々を苦しめる邪神、御覚悟!」
「きゃぁッ?!!」
全てを切り裂く妖力をまとったその斬撃は、神に属する者には特に威力を発揮する。完全に不意を突かれたリバティウスの背中から血飛沫が上がり、炎・氷・雷の翼が千切れ飛ぶ――たとえ再生能力を持っていても、すぐには癒せない深手だ。
「邪神が回復する前に配下を蹴散らすっすよ!」
「おうです! やっちまうぜ!」
邪神に一撃見舞ったところで衣更着は踵を返し、残された戦闘員たちをエル・ティグレと前後から挟み撃ちにする。
いつの間にかディフェンスを突破され、ボスが負傷したことで。配下は驚き混乱している。追い討ちをかけるには絶好の機会だ。
「邪神様がやられた?! う、うわぁぁ!」「お、おおおお落ち着……ぐわーーっ!」
まともな反撃も体勢を立て直すこともできぬまま、敵は衣更着の手裏剣と綿ストール、エル・ティグレのドリブルとキックで次々と蹴散らされていく。ディフェンスに穴が開けば、前後から攻め込んできた二人は再び合流を果たした。
「いっけー! っす」
「アハハッ! ゴールまでぶち込んでやるぜ……です!」
どろんと化術でサッカーボールに変身して、自分自身をパスする衣更着。それを受け取ったエル・ティグレは渾身のシュートを蹴り放つ。合わせて【魔剣憑依・神斬りの一閃】の妖力を纏った妖怪ボールはさらに加速し、ゴールの邪神までまっすぐに飛んでいく。
「こ、こんなサッカー、知りません……きゃああああっ!?!」
【トライ・エレメンタルアウェイクニング】による再生を試みていたリバティウスの胸に、その一撃は突き刺さり。
甲高い悲鳴を上げて吹っ飛んでいく邪神を、ボロボロになった戦闘員たちが「じゃ、邪神様~!!」と追いかける。いかに神を名乗るオブリビオンとて、猟兵とサッカー・フォーミュラの連携には敵わない――。
大成功
🔵🔵🔵
日留部・由穏(サポート)
由穏と申します。
これでも太陽神の生まれです。
いかなる世界であれ、オブリビオンの影に未来を曇らされる人々がいるのならば、私が手を出さない道理はありませんね。
太陽は、照らすべき者のために存在するのですから。
好き:芸術全般、各世界の学習、人々の観察
使命:人々の明るい未来を守る
【発言】ご隠居太陽神、敬語、優しい、いつも穏やかな笑み、怒りや恨みや後悔の感情が乏しく時に人を理解しきれないこともある、自らの負傷を気にしない
【戦闘パターン】視力+暗視+マヒ攻撃+光線銃で銃撃戦、アート+式神使い+アイテム折り紙で撹乱、催眠術も併用し折り紙式神を猟兵やターゲットに思わせ誘導などなど
その他何でもさせてどうぞ
ゾンビーヌ・ロッテンローズ(サポート)
デッドマンのコミックマスター×自由農夫、18歳の女です
普段の口調は「女性的(わたくし、~様、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、心を許したら「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です
ゾンビとして蘇った文字通りの『腐』女子
男性が好きですが恋愛対象でなく、妄想のネタとして男同士でくっつけることを好みます
口調は作っているもので、本性は内気な陰キャです
ユーベルコードは所持する物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「これでも太陽神の生まれです。いかなる世界であれ、オブリビオンの影に未来を曇らされる人々がいるのならば、私が手を出さない道理はありませんね」
太陽は、照らすべき者のために存在するのですから――そう言って戦場に降り立ったのは日留部・由穏(暁天緋転・f16866)。人々の明るい未来を守ることを使命とする、旧き太陽神の一柱である。穏やかな笑みを口元にたたえ、語る言葉は人間への愛情に満ちている。
「わたくしも力になりますわ」
同じタイミングでサポートに駆けつけたのはゾンビーヌ・ロッテンローズ(元カルト組織「リビング・デッド魔導会」の腐薔薇姫・f40316)。ゾンビとして蘇った文字通りの『腐』女子であり、時々土から出てきては猟兵業をやっている。並べば陰と陽でまさに対照的なイメージの二名だが、どちらも実力は確かだ。
「腐った薔薇の果てなき迷宮、一度嵌れば抜けられませんわ!」
まずはゾンビーヌが【腐れ薔薇の迷宮】を発動し、戦場を腐った薔薇の茨で覆い尽くす。この薔薇には鋭い棘と腐食毒が含まれており、絡み合えば容易には破壊できない。『邪神リバティウス・ディストピア』と配下の戦闘員どもは、たちまちその迷路に閉じ込められた。
「じゃ、邪神様……!」「う、狼狽えてはいけません! どこかに出口が……きゃっ!?」
「アハハッ! 面白いフィールドだな!」
動揺しながらも脱出を図ろうとする敵たちに、飛び込んでいくのはエル・ティグレ。たとえ戦場が迷宮化しようが、フィールドを選ばないのがギャラクシィリーガーだとばかりに、華麗なフットワークで薔薇を躱しつつ暗黒星雲ボールで敵をふっ飛ばしていく。
「私も援護しましょう」
フォワードでエル・ティグレが暴れ回るのに合わせて、由穏は後方から援護射撃を行う。UDC組織支給の光線銃と、霊力を与えた折り紙の式神が彼の武器だ。折り鶴の群れが相手を撹乱している隙に、目も眩むほどの閃光で撃ち抜く。
「くっ、まずいですね……ッ!」
配下が次々にやられていく中、リバティウスは【ディストピアファミリー・カモン!】と叫び、使いの執事を呼んで迎撃にあたらせようとするが――彼らもすぐに由穏の術中に嵌まる。ひらひらと戦場を舞う式神には催眠術も併用されており、ターゲットを誘導する効果があったのだ。
「これであの邪神にも攻撃が届くでしょう」
「どうぞ遠慮なくシュートをお決めなさいませ!」
「感謝するぜ……です! 猟兵様!」
由穏の誘導が配下をリバティウスの元から遠ざけ、ゾンビーヌの操る薔薇がリバティウスまでの道を作る。お膳立てをされたエル・ティグレは感謝しながら一気にフィールドを駆け上がり、渾身のシュートを至近距離から叩き込んだ。
「食らいなッ!」
「人に仇なす邪神には、滅びを」
「土に還るがいいですわ!」
「きゃあああーーーッ!!!!」
暗黒星雲ボールの直撃で吹き飛ばされたリバティウスに、光線銃が風穴を開け、薔薇の茨が絡みつき腐敗毒で蝕む。
三者三様の連携で大ダメージを負った邪神の悲鳴は、宙域の隅々まで響き渡りそうなほど――この地が征服されるのも間もなくだろう。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アラタマ・ミコト
これは好機/危機でございます!
荒魂鎮神命が御業【殲剣陣羽織】で対処いたします。
皆様方は……?
何でそんな物を使っているのかでございますか?
……極楽浄土ではこれも武器なのです!
「ゆにーくあいてむ」と言われるのです!!
「これは好機でございます!」
猟兵とサッカー・フォーミュラによる宇宙征服計画は優勢のまま、この宙域を支配する『邪神リバティウス・ディストピア』は虫の息。とどめを刺すなら今が「ちゃんす」とばかりに、アラタマ・ミコト(極楽浄土にて俗世に塗れし即身仏・f42935)は前線に飛び出した。
「荒魂鎮神命が御業【殲剣陣羽織】を披露致しましょう」
生前より才に恵まれ、即身仏と成ったことで高められた彼女の神通力は「己が武器とみなしたもの」全てを念じるだけで操る。鎧に密着させてあった刀剣の数々がふわりと宙に浮かび上がると、リバティウスめがけて一斉に飛翔した。
「くっ! この私が、名も知らぬ辺境惑星の侵略者などに……!」
リバティウスは【トライ・エレメンタルフュージョン】を発動し、三対の翼から放たれる火炎弾、吹雪、雷槍で迎撃を図る。だが、ミコトの武器はただの刀剣ではない。伝説鍛冶師ウサギの鍛造した「ダイカタナ」や、雷雲を呼ぶ神剣「天叢雲剣」、光剣「|邪辻免斗聖刃亜《ジャッジメントセイバー》」など、いずれも彼女が極楽浄土での試練を経て入手した法具だ。
「くっ?! なぜこんな物まで……?」
「……極楽浄土ではこれも武器なのです! 『ゆにーくあいてむ』と言われるのです!!」
中には武器としては妙ちきりんな見た目のものも混じっていたが、そういうのに限って妙に性能が高かったりする。
ミコトが至った極楽浄土とは即ち異世界「ゴッドゲームオンライン」の事で、彼女は知らず知らずのうちにゲーム内でゲットしたレアな装備品を現実に持ち出し、妖やオブリビオンとの戦いに利用しているわけだ。
「皆様方は……?」
「アハハッ! やるじゃねえかです!」
数々のレアアイテムで邪神を攻め立てつつ、ミコトが味方の様子に目を向けると、エル・ティグレがフィールドを駆け上がっていく姿が見えた。本来リバティウスを守るはずの戦闘員もほとんどが倒されるか【殲剣陣羽織】の巻き添えで蹴散らされ、もはや数名しか残っていない。
「決めるぜ! シュートだ猟兵様!」
「はい! 妖よ、これで『げーむおーばー』でございます!」
エル・ティグレがサッカーボールを蹴るのと同時に、ミコトは全法具を同時一斉発射。全てを飲み込む暗黒星雲と、嵐のように降り注ぐ刀剣が、リバティウスへと突き刺さる――いかに強大な邪神とて、耐えきれるものではなかった。
「そん、な……ばかな……!!!!」
敗北が信じられない、といった表情を最期まで浮かべたまま、リバティウス・ディストピアは骸の海へ還っていく。
わずかに残った残党たちもほどなく一掃され、オブリビオンによるこの宙域の支配は終焉を迎えたのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『超人スポーツ大会』
|
POW : 派手な技で周囲を盛り上げる。または、参加者を応援する。
SPD : 華麗なテクニックで周囲を熱狂させる。または、飲食しながら観戦する。
WIZ : 不可思議な魔法で周囲を魅了する。または、実況席で実況・解説を行う。
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「あなたたちが、あの恐ろしい邪神を倒してくださったのですね!」
「ありがとうございます、ありがとうございます!」
邪神リバティウス・ディストピアとその配下を撃破した猟兵たちを待っていたのは、人々の歓喜と感謝の声だった。
長らくオブリビオンに支配されていたこの宙域の住民にとって、猟兵は紛れもなく解放の救世主に他ならなかった。
「アハハッ! 今日からこの宙域はアタシのもんだ! ま、歯向かわなければ悪いようにはしないからさ!」
そんな住人の前でふんぞり返るのはエル・ティグレ。ヒーローズアース宇宙征服計画がまた一歩進んで上機嫌だ。
しかし彼女がこの宙域を訪れたのは|超機械《オーパーツ》探索の途中であり、それが見つかればアスリートアースに帰る予定なので、征服と言っても具体的になにかする訳でもない。実質的な統治権は原住民たちのものだ。
「そうだ、お前らにもサッカーを教えてやる! またヘンな奴らがやってきても自分で撃退できるようにな!」
「本当ですか!」「ぜひ!」
どうやらエル・ティグレは次の宙域に向かうまでの休憩時間中に、この宙域にサッカーを普及させる気のようだ。
彼女のサッカーボールがオブリビオンを蹴散らすところを見ていた住人には、喜んで教わろうとする者も多い。この様子なら遠からず、サッカーがこの宙域の国技になるのかもしれない。
猟兵は彼女たちのサッカーに混ざってもいいし、応援に回ったり、住民に歓待されつつ普通に休息を取ってもいい。
オブリビオンの圧政より開放されたグラウンドに、ホイッスルの音が鳴り響いた――。
アラタマ・ミコト
『さっかー』でございますか?
蹴鞠に類する遊戯でございましょうか?
……あらたまちゃんは武器はちゃんと手に持ちたい派なのですが蹴鞠も挑戦するのです。
先程、える·てぃぐれ殿が真理を見せてくれたのです。
蹴鞠の鞠も武器なのです。
すなわち、あらたまちゃんの殲剣陣羽織によって魔球と化すのです。
どうなのです!これがあらたまちゃんの必殺しゅーとなのです!!
「『さっかー』でございますか? 蹴鞠に類する遊戯でございましょうか?」
極楽浄土でも聞き及んだことのない球技に、きょとんと首をかしげるのはミコト。先刻のエル・ティグレの戦い方と説明を聞くところによれば、蹴鞠よりもやや大きな球を足で蹴って運び、敵陣地の奥にある「ごーる」に入れる競技のようだ。ごーるを守る「きーぱー」を除いて、攻撃側も守備側も手を使ったら反則になるのが特徴である。
「……あらたまちゃんは武器はちゃんと手に持ちたい派なのですが蹴鞠も挑戦するのです」
「おう! 一緒にやろうぜ……です!」
やったことが無いからこそ知見を広げる意味がある。とことことフィールドに入ってきたミコトを、エル・ティグレと他選手たち――ついさっきレクチャーを受けたばかりの、この宙域の人々は歓迎する。猟兵も一般人もプロ選手も、ボールがあれば一緒に楽しめるのがサッカーだ。
「先程、える·てぃぐれ殿が真理を見せてくれたのです」
みんなとグラウンドを駆け回りながら、ぽつりと呟くミコト。ボールひとつを武器に無数の敵を蹴散らしていくエル・ティグレの戦いぶりは、はっきりと記憶に焼き付いている。あれを間近で見られたことが、彼女の視野と発想の幅をまた一段階広げた。
「へい、パス!」
折よくエル・ティグレがチャンスをくれる。足元にころころと転がってきたボールを、ミコトは脚甲と密着させるようにキープ。すると大した力がかかったわけではないのに、ボールはふわりと宙に浮く。まるで戦闘中に彼女が操っていた武器と同じように。
「蹴鞠の鞠も武器なのです。すなわち、あらたまちゃんの殲剣陣羽織によって魔球と化すのです」
己が武器とみなしたものは、全て念動力で操作できるのが【殲剣陣羽織】。新たな武器を入手するだけでなく、本人の認識によっても武器のレパートリーは増える。そしてボールを意のままにコントロールできるのが、サッカーにおいてどれだけ有利かは説明するまでもない。
「どうなのです! これがあらたまちゃんの必殺しゅーとなのです!!
「うおおおっ?! ボールがとんでもない動きを!」
即身仏の強大なる神通力をもって、ギュンギュン複雑な軌道を描きながら猛スピードで飛んでいくサッカーボール。
それは相手チームのディフェンスとキーパーの守備をかいくぐって、見事ゴールネットを揺らした。得意げに胸を張るミコトに、みなの注目が集まる。
「猟兵様、やるなあ! 才能あるぜです!」
「ふふ。それほどでもないのです」
ユーベルコードを利用した超常的シュートも、アスリートアースでは一般的。初めてとは思えないシュートを決めたミコトをエル・ティグレは褒め称え、他メンバーも「よし、俺も!」と奮い立つ。こんな調子で和気あいあいと、交流を兼ねたサッカー布教は進んでいくのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
外道・歩
サッカーで敵と戦えるんすかね?
いや、エル・ティグレさんは実際に戦ってたっすけど
あれはエル・ティグレさんだから戦えるのであって
一般人がサッカーを覚えてもスポーツの範囲を超えないと思うんすけど…
でもエル・ティグレさん自信満々に『変な奴が来ても撃退できるようにサッカーを教えてやる』って言ってたっすよね
この機会に自分も習ってみるべきか?
華怜姉ちゃんと萌ちゃんに相談っすね!
(UC【外道たちの会議】を発動)
《戦闘能力はなくとも効率のいい体を動かし方を知るのは良いことじゃないかしら?萌はどう?》
《おねぇの言う通りだよ歩っち!何事も経験するのが一番!》
ありがとうっす!んじゃアタシもサッカー習いに行くっすよ!
「サッカーで敵と戦えるんすかね? いや、エル・ティグレさんは実際に戦ってたっすけど、あれはエル・ティグレさんだから戦えるのであって、一般人がサッカーを覚えてもスポーツの範囲を超えないと思うんすけど……」
嬉々としてサッカーを始める人たちを見て歩が抱いた疑問は、常識的かつ至極真っ当なものだった。サッカーに限らずスポーツでオブリビオンと戦うアスリートアースが特殊なだけで、普通は他世界のサッカーにそこまでの力はない。
(でもエル・ティグレさん自信満々に『変な奴が来ても撃退できるようにサッカーを教えてやる』って言ってたっすよね。この機会に自分も習ってみるべきか?)
間違いなく常識に収まらない側であるサッカー・フォーミュラが本気で指導すれば、彼女の下で超人サッカー選手が誕生する可能性もあるのかもしれない。一体どんな技術を教えて貰えるのか、個人的に興味が無いわけではなかった。
「華怜姉ちゃんと萌ちゃんに相談っすね!」
歩は彼方にいる姉妹と念波で通信を繋ぎ【外道たちの会議】を始める。時間と場所を選ばず彼女たちから受けられるアドバイスは、次の行動の成功率を格段に高めてくれる。可愛い歩のためなら姉妹は助言を惜しまないし、歩にとっても姉妹は素直に甘えられる相手でもあった。
《戦闘能力はなくとも効率のいい体を動かし方を知るのは良いことじゃないかしら? 萌はどう?》
《おねぇの言う通りだよ歩っち! 何事も経験するのが一番!》
エル・ティグレにサッカーを教わるべきか否かについて、姉の華怜も妹の萌も意見は一致していた。猟兵の仕事も結局は体が資本なので、直接的に戦闘の役に立たなかったとしても、きっと得られるものはあるはずとアドバイスする。
「ありがとうっす! んじゃアタシもサッカー習いに行くっすよ!」
姉妹にお礼を言って歩は念波を切り、講義中のエル・ティグレと人々に「おーい」と声を掛ける。自分も仲間に入っていいかと尋ねれば「もちろんだぜです!」と快い返答がある。基本的なルールを教わったら、さっそく練習試合だ。
「やってみると案外楽しいっすね! よっと!」
「ナイスパス!」
これもトレーニングの一種と捉えつつ、常にチームとの連携やフォーメーションを意識しながら動くのは、心身ともにいい刺激になる。ボールを奪われないようキープするフットワークの技術なども、実戦で応用がききそうだ――この経験を糧にして、ひとつ成長を遂げた歩であった。
大成功
🔵🔵🔵
家綿・衣更着
無事に解放できてよかったっす!
エル・ティグレは征服と言いつつ放置の様子なので、原住民たちのまとめ役となる人達に面会して邪神支配で問題が起きている部分、たとえば物資の不足とか建造物の不備だとかを纏め、手助けが必要そうならヒーローズアース本土のヒーローたちに救援を要請っす
おいらでどうにかできそうなら炊き出ししたり、UC『友達妖怪召喚』で物資製造や建造物修理や治療の問題を解決っす
「がんばれーっす」
サッカーについては飲食物片手に応援モード
自衛できるよう強くなるのはいい事っす
いちおう超機械とか他のオブリビオンについての情報収集もしておき、情報があったらエル・ティグレさんに教えておくっす
「無事に解放できてよかったっす!」
邪神リバティウス・ディストピアは討たれ、罪なき人々はオブリビオンの支配を脱した。エル・ティグレにとっては宇宙征服のついでだとしても、救われた命があることを衣更着は喜ぶ。そしてこの宙域が復興を果たすまで、まだ自分にやれることを行う。
「この宙域の偉い人というか、まとめ役になる人達はいるっすか?」
「まとめ役……あの爺さんとかかな?」「呼んできます!」
エル・ティグレは征服と言いつつ、実際の統治に関しては放置の様子だ。なので実質的にこの宙域を治めることになるであろう人々と衣更着は面会を図り、邪神支配により問題が起きている部分――例えば物資の不足や建造物の不備などを纏め、手助けが必要そうであればヒーローズアース本土のヒーローたちに救援を要請する。
「ちょっと遠いんですぐには来れないかもっすけど、きっと力になってくれる人は大勢いるっすよ」
「本当ですか!」「なんとお礼を言ったらいいやら……!」
助けを求める人がいるなら宇宙の果てだって駆けつける、それがヒーローというものだ。これを切っ掛けにこの宙域と地球の間で交流が始まれば、双方にとってプラスの効果をもたらすだろう。きっと明るい未来が待っているはずだ。
「出て来いおいらのトモダチ! 力を貸してっす!」
もちろん衣更着もヒーロー任せにする気はない。今、自分にどうにかできそうな問題については【友達妖怪召喚】で呼び出した妖怪仲間と一緒に解決にあたる。製造・修理・建築に優れたブラウニーが建造物の修復を、治癒能力を持つユニコーンが傷病者の手当てを、そして自分はキャンピングカーの朧車"家伊賀"で炊き出しを、という具合にだ。
「アハハッ! そうだお前! なかなかスジがいいな!」
衣更着と妖怪たちが復興活動に汗を流している間、エル・ティグレは志願者らと一緒にサッカーで汗を流していた。
もともと第三銀河でギャラクシィリーガーを率いていたように指導力にも長けているのか、サッカーという球技すら知らなかった人々に実践形式でルールを教え、ビシバシ鍛え上げている。
「がんばれーっす」
「うおー!」「いけー!」
サッカーについては衣更着は飲食物片手に応援モードだ。エル・ティグレも猟兵もじきにここを去ってしまう以上、自衛できるよう強くなるのはいい事である。炊き出しを求めてやってきた人々も、一緒になって選手にエールを送る。こうやってスポーツ観戦ができるのも、平和の証と言えるかもしれない。
「ふー。こんなとこだな!」
やがて試合終了のホイッスルがグラウンドに鳴り響くと、エル・ティグレは満足げに伸びをする。一緒に試合していた者たちも、この短期間で一端のサッカー選手の顔になっている――ダークリーガー化はしていないようで一安心だ。
「お疲れ様っすエル・ティグレさん。いちおうこの辺の人達に超機械とか他のオブリビオンについて聞いてきたっす」
「お! ありがとなです!」
サッカー布教が一段落したところで、衣更着はエル・ティグレに声をかける。異世界に渡る|超機械《オーパーツ》の噂は、地球だけでなくこの宙域にも伝わっていたようだ。ただ、それがあると言い伝えられている別の宙域には、邪神のような恐ろしい怪物が待ち受けているとも。どうやら彼女の宇宙征服計画には、今後も敵が立ちはだかるらしい。
「よーし! じゃあそろそろ出発するか! 猟兵様たち、付き合ってくれてありがとな……です!」
ひとつの宙域を征服し、サッカーの版図を拡げたエル・ティグレは、住民に見送られながら意気揚々と次を目指す。
超機械を発見し、無事にアスリートアースに帰るまで、彼女の征服活動は終わらない。それまでに幾つの宙域が彼女の支配下(?)に収まるのか――それは、まだ誰にも分からぬことだった。
大成功
🔵🔵🔵