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飢餓の獣

#サイキックハーツ

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#サイキックハーツ


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 肉、野菜、魚。
 その他諸々。

 机の上を埋め尽くしていく皿に盛られた料理の数々に、参加者達は目を丸くする。

「さぁみんな、今日はチートデイだから、好きなだけ食べよう!!」

 SNSで自然発生的に出来上がったダイエッター達のコミュニティ。日々互いに互いを励まし合い、今日はこんなヘルシー料理が夕飯だった、今日の体重はこれぐらい、今日の運動は……などなどを報告し合い、一人ではなかなか続かない過酷な戦いに日々共に挑んでいる仲間達だ。

「これを食べて運動して、また頑張ろう!」

 音頭を取るのは、このチートデイパーティーを提案した女性だった。

「いただきます!!」

 それぞれ配られた皿と食器を手に、並んだ皿へと手を伸ばす。
 最初は和気藹々とした雰囲気だった食事会だが、時間が経つにつれ、少しずつ雰囲気が変わり始める。

「終わっちゃう……チートデイが、終わっちゃうぅ……!!」

 泣きながら、少なくなった料理を奪い合うダイエッター達に、彼女は笑う。

「終わっちゃうねぇ……でも聞いて。良い事教えてあげる」

 その言葉に、ダイエッター達は一斉に彼女へと視線を向けた。そんな彼らに、彼女はにこやかに優しく、笑って見せた。

「私の言う事を聞いてくれたら、ダイエットの成功は勿論、毎日チートデイだって大丈夫にしてあげるよ。悪い話じゃないでしょ?」

 くすくすと笑う彼女に、ダイエッター達は我先にと救いを求める手を伸ばすのだった。


「こうして、自身の痩せたい気持ちとその反動である飢餓感、承認欲求などを刺激された挙句洗脳されて、ダイエッター達はオブリビオンの配下にされてしまいます」

 プルミエール・ラヴィンスは、予知にあった事件の概要を集まった猟兵達に説明する。

「皆さんにはオブリビオンを倒し、洗脳されて配下にされてしまうダイエッター達を救い出してきて欲しいのです。まずは正体がバレないように、主催の女性に擬態したオブリビオンに接近してください。そして、隙を見せたところでダイエッター達の救出とオブリビオンの撃破を同時進行で進めていってください」

 ダイエッターの人数は30人〜40人ほど。
 会場もそこそこ広く、小学校の教室二つつ分くらいはあるだろう。戦うのには困らない程度の広さがある。

「オブリビオンを倒したら、ダイエッターのみなさんの洗脳を解くお手伝いをお願いします。そうですね……ダイエットに躍起になりすぎて我を見失ってしまったことを考えると、ダイエット以外の事に目を向けるのが良いかもしれません」


秋野

 全3章構成です。

●第一章
 オブリビオンが主催するチートデイパーティーに参加します。オブリビオンは会場の真ん中にいるため、さりげなく距離を詰めていく必要があります。

●第二章
 オブリビオンとの戦いになります。洗脳されかかっているダイエッター達の避難、もしくは保護もお願いします。

●第三章
 ダイエッター達の洗脳を解くべく、ダイエット以外の小さな楽しみを探すお散歩に同行します。
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第1章 日常 『パーティーをしよう!』

POW   :    力いっぱい楽しむ

SPD   :    工夫を凝らして楽しむ

WIZ   :    心の底から楽しむ

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

吐院・ぐるめ(サポート)
 人間の「ぐるぐるバット」アスリート×シャーマン、18歳の女です。
 普段の口調は「キャプテン(私、あなた、~さん、だ、だね、だろう、だよね?)」、真剣な時は蒼白「(私、あなた、~さん、言い捨て)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


諏訪野・みすず(サポート)
サポート役をします。「心配することはないよ。みすずちゃんが必ず治すから」「コッチはみすずちゃんに任せてね。無理に突っ込んじゃダメだよ」アドリブ、共闘歓迎です。


エリー・マイヤー(サポート)
フラスコチャイルドのサイキッカー × 寵姫です。
常に丁寧語で、あまり感情を乗せずに淡々と話します。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、目的達成のために全力を尽くします。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

***
ごきげんよう。
手が必要そうなので手を貸しに来ました、エリーです。
念動力で解決できることならお任せください。
そう、遠くから押したり引いたり掴んだりとか、
持ち上げたり回したり投げたりとか、
そんな感じに遠隔で力を加える系のあれです。
セコい工作はとても得意です。
物理的な手段でどうにかなるなら、大体何とかしましょう。




 机の上に並んだ、美味しそうな料理の数々。集まったダイエッターの面々は、きらきらと瞳を輝かせている。

「普段節制に節制を重ねてれば、美味しい料理も食べたくなるよね」

 周囲の人々の歓喜の声に、うんうん、と相槌を打つ諏訪野・みすず(不思議系ダンサー・f00636)。元気系の明るい性格な為に、初対面の人々でも馴染むのは驚く程早かった。

「ほんと、今日は来て良かったぁ〜……!! こんな美味しい料理食べられて……幸せ……ありがとうございますー!!」
「絶対痩せるさん、まじ神〜!!」

 一方、中央のテーブルでは、一人の女性を中心に盛り上がっている。
 HN絶対痩せるさん。ダイエット系SNSでバズっているインフルエンサーである彼女こそ、今回猟兵達が追っているオブリビンである。

「美味しいものも節度を持って食べればやる気に繋がるの。しかもみんなで楽しく食べれば、効果は倍増!! でしょ?」

 その一言に、わっ、と盛り上がる一団。その中でも三人ほど、彼女との距離がやけに近い女性達がいる。

「あの子達、もしかしていつもの?」

 SNSでも彼女の投稿に真っ先にレスを送る三人がいる。
 持ち前のコミュ力でそのことを会話の中から聞き出していたみすずが問えば、同じ席の参加者が肩を竦めて笑う。

「うん、そう。まぁ、あの三人は特別だからね〜」

 みすずの会話を隣でこっそり聞きながら情報を纏めていた吐院・ぐるめ(虹色の彼方・f39773)は、ぽつりと呟く。

「もう既に洗脳されかかってるんでしょうか……」

 アスリートである彼女からすれば、体重管理などあってしかるべきではあるが、それに悩む女性達が多い事もよく理解している。

 まずはあの集団を分解、その上でさりげなく距離を詰める。タイミングとしては、情報が出揃って、あのオブリビオンがいる集団と他の集団との間にやや距離のある今がベスト。

「ねぇ、今日集まってくれたみんなにだけ、秘密のダイエット法を教えてあげようかなって、思ってるんだけど」

 そう取り巻きに囁く痩せるさんに、今を逃せば被害が広がってしまうと、ぐるめは覚悟を決める。
 そして、ぐるめはエリー・マイヤー(被造物・f29376)、そしてみすずと目配せし、それから威勢よく手を上げた。

「私、特技があるんですけど……みてくださいっ!!」

 そう言ってぐるぐるバットを取り出したぐるめ。あれ? 酒とか入ってる? という混沌とした空気の中。

「レッツ・ゴー・サイクロン!!!」

 自身で号令を出し、ぐるぐるバット動作を始めるぐるめ。ぐるめの全力の|基本姿勢《グルグルバット》は、ほどなくして絶対痩せるさん事オブリビオンに吐き気とめまいを齎した。

「っ、う…………?!」

 がたん、と音を立てて膝から崩れ落ちる痩せるさんに、取り巻きの三人は慌てて介抱すべくしゃがみ込み、水を手渡したり、手を握ったり。

「大変!! 大丈夫ですか?!」

 敢えて大きな声で大袈裟に駆け寄っていくみすずの様子に、他の参加メンバー達は焦りや不安を強く感じ、その場でたじろぐ。
 さりげなく取り巻き達を痩せるから離す事に成功したみすずからの合図を受け、エリーは素早く|念動バリア《サイ・バリア》を発動し、痩せるの周囲に念動力の障壁を張り巡らせる。

 こうして痩せると一般人達の分断に成功した猟兵達。

「邪魔、しないで……っ!!」

 そんな猟兵達に、痩せるは怨嗟の困った声でそう告げながら、ゆらりと立ち上がる。次の瞬間にはもう既に、インフルエンサー絶対痩せるの姿はなく。
 変わりにそこにいたのは、一体のオブリビンオンであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『渇望の影』

POW   :    Ask for the stars
【巨大な口を用いた噛みつき】で敵の肉片を捕食する。自身の身体部位ひとつが変異し、敵のユーベルコードひとつを使用可能になる。
SPD   :    Chase rainbows
【牙の並んだ巨大な口】で攻撃する。命中すると【敵の返り血】を纏い、レベル分間[牙の並んだ巨大な口]の威力と切断力が上昇する。
WIZ   :    Cry for the moon
【複数の口から同時に放たれる絶叫】で【破壊音波】を発生させ、レベルm半径内の対象全てを攻撃する。連続で使うたび命中力と攻撃速度が上昇。

イラスト:ヘッツァ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠八津崎・くくりです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「お腹、空いたでしょう……? 認めてほしいでしょう? ねぇ、みんな……私の配下になれば、そんな欲求を、全部叶えてあげる」

 そこに居たのは、インフルエンサーである絶対痩せるの正体である、渇望の影。彼女は尚も、参加者達へと甘い言葉を掛け続ける。

「だって、みんなその為に毎日頑張ってるんだもの。願いが叶うのなら、少しくらい……良いと思うでしょう?」

 優しく笑う彼女の腕は、全てを喰らう鋭い牙を持つ影が、人々の努力を嘲笑うかのように大きく口を開いていた。
ギュスターヴ・ベルトラン(サポート)
よう、お出ましだな?
…ソレが怨嗟による存在であっても、殺す事に歓びを得る存在であっても
人の間に悲しみと苦しみが広がる以上は…神敵必滅、躯の海に叩き返す

■行動
柄が悪くとも信心深いため、戦う前に【祈り】を捧げる事は忘れない
敵の主義主張は聞き、それを受けて行動する。行動原理を理解しないままの行動はしない
連携相手がいるならば相手のフォローに、居ないなら全力で敵をシバきに行く
戦場によっては屋内でも空が飛べるタイプの魔導バイクを乗り回す
「公序良俗に反することはしてねえぞ」と言うし実際にそうするタイプ

■攻撃
主武器:リングスラッシャーと影業
近距離攻撃が不得意なので敵とは距離を取って戦う

アドリブ連帯歓迎


寺内・美月(サポート)
アドリブ・連携歓迎
※エロ・グロ・ナンセンスの依頼はご遠慮願います。
・依頼された地域に亡霊司令官(顔アイコンの人物)と隷下部隊、美月の親衛隊から選抜亡霊歩兵を派遣。美月がグリモアベースから到着するまで(サポート参加では現地にいない状態)、現地での活動に必要な権限を付与
・隷下部隊として一個軍団(歩兵・戦車・砲兵・高射・航空・空挺のいずれか)に、出動しない軍団から一個師団程を増強し派遣
・ボスが召喚した敵に対して攻撃し、砲兵・高射・航空部隊の火力、戦車・空挺部隊の機動力、歩兵部隊の柔軟性を生かした戦闘を行う
・ボスが何も召喚しなければ、五人の選抜最精鋭亡霊歩兵を送り込み、5対1でボスと対峙する



「よう、お出ましだな?」

 一見すると柄が悪いサングラスの奥で、ギュスターヴ・ベルトラン(我が信仰、依然揺るぎなく・f44004)は金の瞳を細める。
 彼女の存在によって、今までSNS越しに救われていた人々が少なからず存在した。それはきっと、善なる事と言えるかも知らないが、今まさに目の前で、生身の彼女──いや、飢餓の獣が嘯くその言葉は、何一つ善を含んではいないのだ。
 ただこそにあるのは、自身の渇望を満たす為の詭弁。身勝手な欲だけだ。

「神のご加護を」

 飢餓の獣は、人に苦しみと悲しみを齎すもの。つまるところ、ギュスターヴの敵である。

「神敵必滅、躯の海に叩き返す」

 祈りの後にそう告げて、ギュスターヴは開け放った扉から外へと走る。

「邪魔する気? それなら、お前達から喰らってやる」

 眼前で倒すと宣言してきた相手を看過するほど、飢餓の獣はプライドを捨てきれていなかった。そもそも、取り巻きの彼女達を配下にする為には、まだ言葉を弄する必要があるのだ。猟兵達に囲まれ、攻撃を受けている状況で、それだけの余裕はない。

 その判断のもと、ギュスターヴの背中を追って屋外へと飛び出した飢餓の獣。

 ギュスターヴはと言うと、飢餓の獣が出てくるまでの間に魔導書もとい魔導バイクのGalgalimに跨り、人を轢かないように上空へと駆け上っていた。

「小癪な!!」

「――茨いばらと 薊あざみが、彼らの祭壇の上に生い茂る」

 空を見上げて吠える飢餓の獣へと、ギュスターヴは|私たちを覆え、私たちの上に落ちかかれ《ホセア》を発動する。光る茨と燃え盛る薊に覆われた飢餓の獣は、生命力を吸われるが、それでも尚勢いは衰えない。

「くっ……邪魔だ!!」

 そう喚きながら、荊を振り切りギュスターヴに手を伸ばす飢餓の獣。上空を見上げたその瞳が見たものは。

「歩兵部隊、戦闘開始!」

 寺内・美月(霊軍統べし|黒衣《学生服》の帥・f02790)に従う亡霊司令官と多数の隷下部隊を乗せた輸送・護衛の航空機の集団。
 そこからぞろぞろと吐き出されて来る選抜最精鋭歩兵達。

「なに……?!」

 戦力差に目を瞬く飢餓の獣は、程なくして精鋭歩兵に取り囲まれ、それぞれの装備の集中砲火を浴びる事になったのだった。
 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

不破・静武(サポート)
年齢イコール彼女イナイ歴なので基本的な行動原理は「リア充爆発しろ」「リア充は死ね」です。オブリビオンは彼の中では全員リア充です。リア充に見えそうにないオブリビオンに対しては最初はやる気なさそうにしますが、状況を前進させる意思は一応あるので無理やり理屈をつけてリア充と決めつけます。一度敵とみなせば以降はもう容赦はしません。
オブリビオンに対しては基本的には『リア充ころし(焼却)』と『ガソリン』を併用して消毒という名の焼却を図ります。状況に応じて『リア充ころし(爆破)』や『リア充爆破スイッチ』等を併用して物理的にリア充爆発しろを実現させようとします。
見た目がやられ役なので逆襲くらう展開も可能です。


キメリア・モルテスティア(サポート)
キメリアよ。 
魔鋼の悪魔で危険地帯の旅人をやってるよ。

武器はこの拳で格闘技や魔法拳での戦いを主にしているよ。

 戦闘時は仲間のみんなを守りながら戦うつもりよ。
多少は傷くような行動をしてでも、味方を守って反撃したり、隙あらば攻めていくつもりね。
体がすごく頑丈なのは私の強みだと思っているから、むしろそれを活かせるよう攻撃を食らってからの反撃する展開もほしいかしら。
後、なるべく乗り物には乗らず生身で戦いたいね。

必要に応じてユーベルコードは何でも使って行くよ。
でも、充分に徒手空拳での戦いを行ってからUCを使用する傾向に有るかしら。

 あとはおまかせ。よろしくね。



「SNSのダイエッターでインフルエンサー……?!」

 今やほぼ巨大な牙の並んだ口と言って過言でない姿の飢餓の獣ではあるが、不破・静武(人間の非モテの味方・f37639)にとって今の姿は然程関係がない。それよりも、飢餓の獣が人間社会で配下を作るべく擬態した姿と手段、そちらの方が重要だった。

「そんなの、完全にリア充じゃないか……!!」

 抹殺すべき敵。一度そう認めた相手を静武は見逃さない。

「ぎゃあァァァァっ!!!!」

 複数の口から同時に放たれる、言葉になりきらないような絶叫で、自身を含む周囲の人々が攻撃を受け、傷付いたとしても。

「バカにしやがって……リア充は消毒だ~~!!」

 なんなら受けたダメージイコール自身達非リア充に対する偏見や差別、侮蔑と受け取り、逆に攻撃性が増しているような気もする。

 兎にも角にも静武の怒りは頂点に達した。彼は怒りの炎をその手のひらに生み出して、怒りのままに飢餓の獣へと全力でぶつけた。

「ぎぃやぁぁぁぁッッ!!!」

 燃え盛る飢餓の獣へとキメリア・モルテスティア(白銀の旅行者・f44531)は一気に距離を詰める。静武の炎はそもそも彼の自由に操れるものであるので、キメリアを燃やす事はないのだが、例え全てを燃やし尽くす炎だったとしても、無類の丈夫さを誇るキメリアにとっては然程の脅威ではなかった。
 故に、彼女の突進の勢いは凄まじく、我が身を顧みるものではなく、飢餓の獣の回避が間に合う速度でもなかった。

「吹き飛びなさい」

 渾身の力で振るわれた鋼鉄の悪魔の拳は、飢餓の獣を吹き飛ばすには十分すぎた。炎を撒き散らしながら飛んでいく先は、大きな道路のど真ん中。

「そこなら誰にも迷惑はかけずに燃えられるでしょう?」

 目を細めたキルリアに、飢餓の獣が本能的な危機を感じ、そこからの回避を試みるよりも早く。

「黄金の炎よ……燃やし尽くせ!!」

 放たれた無数の二千億度の黄金の火球は飢餓の獣を燃やし尽くすべく、高い熱量を放つ黄金の火の海にその巨体を飲み込んでいくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系・状態変化系もばっちこいだよ♪
絡みOK、NG無しだよ★

UCは少人数を召喚する系か単体攻撃系を優先して使うよ♪
状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★

後はMS様におまかせするね♪


瑠璃・やどり(サポート)
『いっくよー!』
人狼の白虎拳士 × 降魔拳伝承者
普段の口調は「快活(私、~君、なの、よ、なんだね、なの?)」

考えるより行動するタイプ。
元気に戦場を駆け回り、ハンマー「双喜」を振り回して攻撃。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。アドリブ・連携歓迎。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 クローネ・マックローネ(闇ダークネスと神デウスエクスを従える者・f05148)は、牙を剥き出しに猟兵達を見据える飢餓の獣へと視線を向け、周囲を見回す。

「さ~て♪ 今回はどういう固めにしようかな★ まずは、アプリを起動して、っと♪」
 
 クローネは素早く愛用のスマホをタップして、アプリを操作。今回クローネが創造したのは、接着剤が沢山詰め込まれた水鉄砲。

「がァァァァッッッッ!!!」

 飢餓の獣はその欲の赴くままに、牙の並んだ巨大な口を開き、怪しい動きをしているクローネへと向かって来る。片付けるべき相手と見なされたらしいクローネは、その大きく開かれた口腔内から足元にかけて、水鉄砲の銃口を向ける。

「いくよー★」

 躊躇いなく思いっきり射出された接着剤が口の中へと吐き出されるが、飢餓の獣はその牙で攻撃しようと躊躇いなく口を閉じる。その瞬間、ひらりと半身を放ったクローネの数ミリ横を、飢餓の獣の牙が掠める。次の瞬間。

「んぐっ?!?!」

 接着剤で満たされた口の隙間が、どんどん硬化していく。しかし、飢餓の獣も抵抗し、固まりつつある接着剤を剥がそうと、渾身の力で口を開こうとしている。その甲斐あってか、徐々に口の隙間が開いていくのに対し、クローネは眉を寄せる。

 果たしてどうしたものか。今のうちに攻撃を仕掛けるべきか、と構えるクローネに、瑠璃・やどり(チャイナウルフガール・f03550)は叫ぶ。

「全力で離れてっ!!」

 なんだかわからないが、きっと従った方が良いのだろう。そう判断したクローネは、キャバリアに乗って全速力で飢餓の獣から離れていく。その間にも接着剤は硬化し、牙と牙の間と、それから足元とコンクリートの間を強化にくっつける。
 その間に他の猟兵達が距離を取ったのを確認し、やどりはぐっと拳を握りしめ、そして。

「いっくよー!!!」

 渾身の力で咆哮する。発動した人狼咆哮により、飢餓の獣の鼓膜からなにから全てが張り裂けて、がくりとその場に倒れ伏したのだった。
 人に害成すデウスエクスは、こうして猟兵達の活躍により倒される事となったのだが、問題はもう一つ。

「なんて事してくれたの?! 痩せるさんがいなくなって……これから私たち、どうしたら……!!」
「痩せるさんに認めてもらう事や、痩せた事をみんなで共有する事、痩せる食事の共有以外、楽しみなんてないのに……!!」

 それぞれに嘆くダイエッター達。そんな彼女達に、猟兵達がしてあげられる事は、少しだけしかない。今ここで出来る事、それ即ち。

 ダイエット以外の楽しみを教えてあげる事。今はきっと、それくらいしかない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『ぶらり再発見』

POW   :    知る人ぞ知るおいしいお店を訪れる

SPD   :    なんだか妙にSNS映えしそうなスポットを訪れる

WIZ   :    珍しい雑貨を扱うお店を訪れる

イラスト:みささぎ かなめ

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

マチルダ・バレンタイン(サポート)
ケルブレ世界から来たヴァルキュリアの鎧装騎兵
普段着がメイド服
外見から想像出来ないが大食い
戦闘前に余裕が有れば事前に【情報収集】をする
戦闘時はバスターグレイブと23式複合兵装ユニットの【エネルギー弾、誘導弾】の【一斉発射、砲撃】で攻撃。接近戦になったらゲシュタルトグレイブの【なぎ払い】で攻撃
敵の攻撃は【ジャストガード】で受けるか回避する。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


瑠璃・やどり(サポート)
『いっくよー!』
人狼の白虎拳士 × 降魔拳伝承者
普段の口調は「快活(私、~君、なの、よ、なんだね、なの?)」

美味しい物に目がなく沢山食べます。
また、誰にでもフレンドリーに話しかけます。

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。アドリブ・連携歓迎。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




 パーティーに集まったメンバー達を連れて、歩く事15分程度。ぶらり再発見の旅と称して歩く道は、ここの近所の人々すらもしかしたら知らないようなレトロな街並みだった。

「今回はここで美味しいものを食べよう!! ここの名物は青くてキラキラしたゼリーとアイスにふわふわの綿菓子が乗っかってる青空パフェだって!!」

 瑠璃・やどり(チャイナウルフガール・f03550)が指差したのは、とある喫茶店のショーウィンドウ。そこに陳列された食品サンプルは、色鮮やかできらきら輝いて見えた。

「コーヒーも自家焙煎だって書いてありますし、昔ながらのレトロなメロンソーダも美味しいらしいですよ」

 マチルダ・バレンタイン(ヴァルキュリアの鎧装騎兵・f40886)は店のレビューを調べながら、メニューを指差す。
 丁度時間が良かったのか、店内は空いているようだ。

「だけど……カロリーが……」

 一人の女性が、静かにそう呟く。それに呼応するように、なんとなく一同の間に微妙に淀んだ空気が漂い始める。

「でも、元々今日はチートデイの予定だったんですよね? みんなで食べれば美味しい……幸せになる。それはきっと、本当だと思います」

 マチルダの言葉に、ダイエッター一同は互いに顔を見合わせ、それぞれに頷いたり、黙ったり。

「それの音頭を取っていたのが痩せるさんだったのかもしれない。料理を用意してくれたのも痩せるさん。そうでしょ?」

 やどりがそう問えば、数人のダイエッターが頷いた。

「痩せるさんの用意してくれた料理は、SNSでみんなが憧れてた料理なのかもね。だからみんな楽しみにしてたのかもしれないって、わかるよ」

 その言葉に、ダイエッター達は我が意を得たりとばかりに、大きく頷く。

「そうなんです。あの憧れの痩せるさんが、みんなのためにパーティーを開いてくれる……だからみんな、今日まで頑張ってダイエットしてきたんです」

 勿論、その根底にあるのは痩せたい、綺麗になりたいという願望だろう。だけれども、どんな理想があっても、人は一人では頑張れないのだ。
 同じように憧れを抱き、頑張ろうと言い合う仲間があってこそ。

 その憧れが嘘偽りであったのだ。すぐに気持ちが切り替えられないのは、仕方のない事かもしれない。だけれども。

「憧れの痩せるさんがいなくなったとしても、皆さんは一人じゃありません。皆んなで歩いて、色々眺めながらここに辿り着き、美味しそうなものを見つけた。それもまた、素敵な出来事じゃないですか?」

 マチルダは一同を眺めながらそう優しく語りかける。
 憧れも良いだろう。だけれども、苦楽を共にする仲間というのも、かけがえの無いものだ。

「私……そのパフェ食べたいかも。その代わり、みんな今日はいっぱい歩くの付き合ってね!!」

 痩せるの取り巻きだった一人がそう笑うと、それを皮切りにそれぞれが食べたいものを選び出し、喫茶店へと入店していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リィンティア・アシャンティ(サポート)
「なんだか楽しそうな予感がします! 行ってみましょうか?」

礼儀正しくほわほわ
穏やかな雰囲気の妖精騎士
妖精のルノを連れている
好奇心旺盛などんぐりりすさんが付いてくることもあります
ルノの友達、猫王さまは気紛れなので稀に。気が向けばいるかも

花やお菓子が好き
楽しそう、面白そう、強そう、カッコいい、綺麗、ふわふわもふもふ……など、幅広く興味を持ちます
わくわく!
好意的、協力的に行動します

歌ったり楽器演奏も好き
ソードハープの他に最近は変わったバイオリンも演奏します
どんぐりりすさんが芸を披露してくれる事もあるかも?

アドリブや他の猟兵さんとご一緒するのも歓迎です
迷惑をかける行為、公序良俗に反する行動はしません



「なんだかここはすごく良い雰囲気ですね。寄っていきませんか?」

 リィンティア・アシャンティ(眠る光の歌声・f39564)が見つけたそこは、金木犀の花が咲く、綺麗な公園だった。

 木々の隙間から橙色の夕日が差し込み、きらきらと輝いている。

「確かに……ちょっと、疲れたかも」

 頷くパーティーのメンバー達もそれぞれに、公園へと足を踏み入れていく。

「SNSとかで映えスポットになっててもおかしくなさそうだけど、知らないなぁ……」

 公園の真ん中にある小さな噴水が昭和レトロな感じで良い感じだし、街灯も装飾が凝っていて、今は見ない形だ。

「みんなで写真とろ! 夕日沈んじゃうよ!!」

 他のメンバーが見つけた良いスポットに呼ばれて、リィンティアも走ってその列に混ざる。勿論、友達のルノも一緒だ。

「こんな綺麗な景色……ハープの音色とか、似合いそうですね!」

 何となしにそう言うリィンティアに、一同は目を瞬く。

「ハープとか弾けちゃうの?」

 一人の問いに、リィンティアはソードハープを取り出して、にこりと笑う。

「結構得意なんですよ!」

 微笑みながら、ハープをつまびく。いつのまにいたのか、どんぐりりすさん達やどこから来たのか野良猫達が、演奏を聴きに来たかのように集まってきて、その周囲をルノが舞う。

「…………なんか、大変だったけど……良い一日だったような気がしてきた。なんか、がっかりしたけど、その分スッキリしたって言うか」
「あたしも」

 彼女の演奏に耳を傾けながら、パーティーに集まった面々は、それぞれの思いを口にする。

「誰かに任せっきりで、自分で決めないっていうの、楽だけどさ。みんなで一緒に悩んで、で頑張っていくってのも……良いよね」

 一番痩せるさんの信者のように、常々SNSを覗き込んではレスを返していた彼女が言う。
 その言葉に嘘偽りはなく、故に、他の面々もそれぞれに、彼女の言葉に頷く。

「だからさ、痩せるさんがいなくても……みんなでこうして……たまに集まったり、SNSで綺麗な景色とか共有して、みんなで健康にダイエット頑張っていこうよ」

 その提案に首を横に振る者は、ここにはもう、いなかった。
 

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年11月03日


挿絵イラスト