帝都櫻大戰㉒〜タコ焼きビームを撃て!
●大海へ漕ぎ出そう!
「カルロス・グリードが侵略新世界『グリードオーシャン・アルゴ』を創り出しマシタ」
グリモア猟兵の恋澄・クララ(コズミック綺羅星・f01432)はスクリーンを展開し猟兵たちにその光景を見せる。
カルロスは古よりの盟約をもって幻朧帝の力を使い、彼がサクラミラージュに行う予定であった本来の目的を完遂した。
見渡す限りの大海原。カルロスの持つオーシャンボールによって大地の殆どが水没したサクラミラージュのIFの姿『ふたつめのグリードオーシャン』。それがグリードオーシャン・アルゴ』である。
そう、グリードオーシャンも同じようにして生まれた世界だったのだ。水没した世界は『サクラエリュシオン』というーー。
幻朧桜の残骸は、異世界の生命体を、洪水を免れた高地を「島々」に転生させていった。
それはグリードオーシャン・アルゴにもグリードオーシャンと同様に他世界の遺物が多数存在するということでもある。
「皆さんには、幻朧桜を通じて『ある島』に出現した他世界文明の遺物を使って、戦っていただきマス☆」
その遺物とは、と映し出したのはーー『タコ焼きの舟皿』だった。正確には船皿の形を模した一人乗りのモーターボート。が多数。
「おそらくスペースシップ&オペラワールドから落ちてきた、観光用に使われていた乗り物ではナイかと」
観光用ボートでどう戦えと言うのか。
「これがなかなか強いのデス。条件さえクリアできれば十分に活躍してくれマス」
宇宙空間を航行する世界の遺物である。
水上走行だけでなく空中飛行を可能とするエンジン、搭乗中は船全体が外部からのいかなる攻撃も跳ね返す強力なバリアに覆われる。降りればバリアは解除される。
高性能AI搭載なのでオートドライブで障害物を避けながら超高速で目的地まで辿り着けるのだ。ちなみにマッハも超えるらしい。
「さらに! 戦艦をも撃ち抜くビームを搭載しているのデス!!」
ーーそれ本当に観光用?!
「ただし、このビームの使い方がちょっと難しいのデス……皆さんにはタコ焼きを食べていただくコトに」
うん。意味がわからない。
要約するとこうだ。このタコ焼きボートは搭乗している間、自動調理メカが希望するタコ焼きを熱々で提供してくれる。こだわるなら自分で焼いても構わない。
ただしこのタコ焼きを食べなければ発進しないので注意だ。食べている間は加速し続けてくれる。
さらに、このタコ焼きをひと舟分つまり六個食べると、だいたい海賊船一隻を破壊できるビームエネルギーが装填される。たくさん食べれば食べるほどエネルギーは強大になる。最大で五十舟分のエネルギーを蓄えられる。
ーーなんと恐ろしいボートなんだーー。
「ひと舟分食べては一撃を加えてもよいですシ、溜めに溜めて強力なビームを放ってもヨシ☆」
やっぱり観光用かな?
『カルロス・グリード』自身オブリビオン・フォーミュラーであり、さらに幻朧帝を鎧として纏った彼は非常に強力だ。しかし彼を倒して幻朧帝イティハーサを撃破しなくては、侵略世界は多世界へと侵略していくだろう。
「タコ焼きボートをうまく使えば皆さんならきっとカルロスに負けない戦いができるでショウ! タコ焼きのお味の感想もお待ちしていますネ☆」
OHAGI
こんにちは、初めまして。
『OHAGI』と申します。
帝都櫻大戰、第三戦線。
幻朧帝を纏ったカルロス・グリードとの戦いです。
オープニングのとおり、タコ焼きを食べてボートを利用し戦って下さい。
どんなタコ焼きでも『タコ焼きであれば』出てきます。頑張って食べて下さい。
戦争シナリオにつき、オープニング公開からプレイング募集を開始します。
プレイングボーナスは……他世界文明の遺物を利用して戦う。です。
皆さんのタコ焼きへの情熱が込められたプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『カルロス・グリード幻朧態』
|
POW : 海王の矢
【無限に広がりゆく大海】から無限に供給される【『死の海水』の矢】を、レベル分間射撃し続ける。足を止めて撃つと攻撃速度3倍。
SPD : 王錫海巨人
全長=年齢mの【『海水の巨人鎧』を纏った姿】に変身し、レベル×100km/hの飛翔、年齢×1人の運搬、【生命を蝕む呪いの海水拳】による攻撃を可能にする。
WIZ : インヴェイジョン・オーシャン
全身を【数万トンに及ぶ海水】で覆い、自身の【侵略への欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
高崎・カント
もきゅーう! きゅぴぴぴぃ、きゅっぴー!
たこ焼き食べ放題なのですー!
嬉しいのですー!
まずは基本のたこ焼き
熱々をパクッと頬張るのです
もきゅー! ソースと青のりの香りと熱々の生地!
おいしいのですー!!
次は出汁をたっぷり利かせたしっとり系
お口に入れれば柔らかく染み出る鰹出汁の旨味!
とろーり生地と絡んでおいしいのですー!!
もちろん揚げたこ焼きも!
外はカリッと中はふわふわ。
はふはふとできたてをいただくのです
きゅっぴ! おいしいのですー!!
チーズ、エビ、ホタテ、お餅……!
もきゅ!? チョコたこ焼きもあるのです!?
どれもおいしいのですー!!
カントが無心でたこ焼きを食べている内に船が勝手にビームを放っていた
弓落・高寿
丁度いい、「びーむすぷりったー」と闘ってからタコが無性に食いたかったのだ。タコに似てないか?あいつ。
と言う訳で、タコ焼きとやら。いただきます。
成程、タコそのものでなく団子の中にタコが入って…口が灼けるような熱さだが中々うまい…風味に|味付け《調味料》も色々ある?成程。おかわり。
しかし流石に我ひとりでは心許ない…故にこう言う時の下僕召喚。ざっと150匹…は入りきらないので10匹程に分けて。
ほらこれ食ってみろ、うまいだろう?なんとな、食うたびに舟が進んで一皿平らげると光線が出るのだ。すごいだろ?さぁ食え。最低でも一匹一皿な。腹いっぱいになったらさっさと次と交代。食え。食って敵を薙ぎ払え。
シノギ・リンダリンダリンダ
……本当にこれ観光用です?
まぁいいでしょう、なんか楽しそうですし
海と言えば大きなタコ!!!カルロスをタコで倒すのは理に適っていますよね!!ヨシ!!!
我が【六臓八腑】!数多の食べ物を飲み込む我が胃袋、ブラックホールです(直喩)あ、ネギのトッピング多めのたこ焼きですお願いしますね
運転をAIに?なにをバカな、この大海賊、航海術はAI程度に負けません!
ということで、タコ焼きをひと舟食べてはビームを発射!食べてはビームを発射!!美味しい!強い!美味しい!!強い!
たこ焼きバリアを活用しつつ、ある程度たこ焼きを食べたらブラックホール機関からエネルギーとして射出!ついでにたこ焼きビームも溜めて射出!
満足です!
フェリチェ・リーリエ
タコ焼きだべか!料理人の腕がなるべな!
操縦も勝手にやってくれるし乗ってる間はバリアが守ってくれるしこっちは完全にタコ焼きに集中してればいいだべな、それに一人乗りってことはいちゃつきながら食べさせあいっことかしてる目障りなリア充もいない!(たぶん)
至れり尽くせりでねーか!
せっかくだし自分で焼くかな!
オーソドックスなソース味のタコ焼きに、明太マヨ、しらす&チーズ、ネギマヨ、ケチャップ&チーズでピザ風、カレー味…あ、なんかアース系世界で見た明石焼きってのもタコ焼きだべな!
指定UCで思い付く限りのタコ焼きを作っては食べ、作っては食べ。たくさん食ってパワー貯めて、ドカンと一発すごいのお見舞いしてやんべ!
フロース・ウェスペルティリオ
美味しいたこ焼きが食べられると聞いて。
んー、数を食べれば良い、のかな?
じゃあ、ナノさんたちにも作って食べて貰うといたしませう。これも立派な応援だよねぇ。
ナノさん小さいし、タコ焼きもちょっと小ぶりかな?
身体はタールなので熱さも基本的には気にならないし、遠慮なく出来立ていただきまーす。
味覚(模倣)や触覚(模倣)は残しておくので、外カリ、中とろ、タコの弾力やタレの香ばしさ等、楽しめたら幸い。
ナノさん100体以上いるけど、まぁ、順番に食べて行けば良いよねぇ。
とりあえず、ナノさん全員にタコ焼き行きわたったらビーム撃とうかと。
ビームを眺めながら出来立てのタコ焼きを食べるというのも、なかなか乙なものだねぇ。
陽環・柳火
「たこ焼きを食えばいいんだな……たこ焼きか」
割と【大食い】も行ける方だが、猫舌なので熱すぎるものは割と苦手な方
だが
「まずは中身を割る。それで冷ましながら食うのは定番だな」
食べるのは楊枝よりも箸のほうが食べやすい
「あとは熱々の断面をソースやポン酢とかに浸して冷ます」
そうやって攻略しながら食べる
「これなら何十個でもいけるな。つまみにもいい」
口の中を冷やす飲み物は、残量に気をつけつつ補充だ。たこ焼きで船にもエネルギーは溜まるが、タコを食らうことで柳火にもUCの効果でエネルギーが貯まる。それを船に【エネルギー充填】
「細かい原理とか考えるのは後回しだ!行くぜたこ焼きビーム!」
ある程度貯まったらぶっ放すぜ
エミリィ・ジゼル
たこ焼き食べ放題と聞いてやってきました!
ついでにコピーも呼んできました!
そんなわけでわたくし+コピー158名。総勢158名のかじできないたちで、たこ焼きパーティことタコパを開催します。
かじできないという異名の通り、わたくしは料理ができませんので、タコ焼き作りは自動調理メカに丸投げします。
飽きないようにソースたこ焼き、ねぎ塩たこ焼き、マヨネーズたこ焼き、柚子ポン酢たこ焼きなど、様々なレパートリーを注文します。
そうして一心不乱にたこ焼きを食べ続け、ビームがたまる端から発射していきましょう。
絶え間なく発射されるビームでカルロスを撃退しつつたこ焼きも堪能できる。なんて素晴らしい戦いなんだ!
●それは小さな舟であった
幻朧桜が咲き誇る小島から、小船の集団が向かってくるのが見える。大海原に揺れる木の葉がごとき小さい舟に、遥か海上で航海望遠鏡を覗いていたカルロスも怪訝な表情を浮かべる。
『幻朧帝を鎧と纏った我に対しあまりにも矮小。ついに自暴自棄に陥ったか?』
まさか。あの第六猟兵がそのような行為に走るわけがない。何度も立ち塞がりカルロスの思惑を妨害してきた相手だ。なにか策があるに違いない。カルロスは自身を海水で覆い、再び望遠鏡を覗いて目を疑う。
『何かを……食べている?』
●分身ナノさん、タコ焼きを食す
「美味しいタコ焼きが食べられると聞いて」
フロース・ウェスペルティリオ(|花蝙蝠《バットフラワー》・f00244)は美味しい物を探し巡り歩く自由人である。
タコ焼きが食べられるとの話にさっそく乗る。
「んー、数を食べれば良い、のかな? じゃあ、ナノさんたちにも作って食べて貰うといたしませう。これも立派な応援だよねぇ」
『おでかけナノさん』で自身より小さな分身『ナノ』さんを召喚した。ナノさんは戦闘力はないが応援をしてくれる。
召喚されたナノさん『ウチらもタコ焼きを食べていいの?』と喜んでいる模様。
ナノさん小さいし、タコ焼きもちょっと小ぶりかな?
「身体はタールなので熱さも基本的には気にならないし、遠慮なく出来立ていただきまーす」
なるほど、熱々でも食べられるのはタコ焼き戦において大きなアドバンテージだ。
さらに味覚や触覚は残してあるため、外カリ、中とろ、タコの弾力やタレの香ばしさは存分に楽しめる。
ところで、この分身ナノさん。100体以上いるのである。一人乗りボートには到底入り切らない。
「まぁ、順番に食べて行けば良いよねぇ」
果たしてタコ焼きボートに乗るため召喚順番待ちの長い行列が作られた。
「とりあえず、ナノさん全員にタコ焼き行きわたったらビーム撃とうかと」
ビームが撃たれるのはしばらく後になりそうだ。
●対して猫舌さんは
「タコ焼きを食えばいいんだな……タコ焼きか」
舟に乗りタコ焼きを前にしばし逡巡するのは陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)である。
割と大食いも行ける柳火だが、猫舌なので熱すぎるものはちょっと苦手なのだ。出来立て熱々のタコ焼きなどは天敵の部類ではないだろうか。
覚悟を決めたのか対策を思いついたのか、よし! と気合を入れ、『|屍塊転燃《シカイテンショウ》』食べた量と質に応じて魔力と戦闘力を上げるユーベルコードを発動させた。
「まずは中身を割る。それで冷ましながら食うのは定番だな」
ならば食べるのは楊枝よりも箸のほうが食べやすい。箸で割って熱々の中身を露出する。
「あとは熱々の断面をソースやポン酢とかに浸して冷ます」
湯気をあげる生地にソースを浸せば程よい熱さとなりソースの香りが食欲をそそる。
「これなら何十個でもいけるな。つまみにもいい」
とはいえ猫舌である以上、口の中を冷やす飲み物は必須である。飲み物の残量に気をつけつつ補充も忘れない。
タコ焼きボートのビームがタコ焼きを食べるほどにエネルギーが溜まるように、柳火自身もまたタコ焼きを食らうことで魔力が増す。それを船にエネルギー充填する。
ちゃくちゃくとタコ焼きボートに溜まっていくタコ焼きエネルギー。
●タコ焼きもきゅもきゅっ!
「もきゅーう! きゅぴぴぴぃ、きゅっぴー! タコ焼き食べ放題なのですー! 嬉しいのですー!」
高崎・カント(夢見るモーラット・f42195)はわくわくしながらタコ焼きボートに乗り込んだ。
ユーベルコード『|はらぺこモーラット《オナカスイタノデスー》』は美味しい物を食べるほどに、元気いっぱいになり戦闘力が増加する。
さっそく出来たて熱々のタコ焼きをパクッと頬張る。
「まずは基本のタコ焼き!」
ほふほふ。美味しそうにタコ焼きを食べるモーラットの姿に思わず癒やされる。
「もきゅー! ソースと青のりの香りと熱々の生地! おいしいのですー!!」
カントがタコ焼きを堪能している間、小舟は大海へと漕ぎ出していた。が、カント自身はそれよりもタコ焼きである。
次は出汁をたっぷり利かせたしっとり系。
「お口に入れれば柔らかく染み出る鰹出汁の旨味! とろーり生地と絡んでおいしいのですー!!」
「もちろん揚げタコ焼きも!」
自動調理器は『あいよお待たせ!』とばかりに揚げたてタコ焼きを舟皿に乗せて提供してくれる。
外はカリッと中はふわふわ。
「はふはふとできたてをいただくのです。きゅっぴ! おいしいのですー!!」
食べレポについこちらも想像してしまう。
チーズ、エビ、ホタテ、お餅……!
「もきゅ!? チョコタコ焼きもあるのです!?」
声は聞こえないが、調理器は『えっへん!』と応えるかのように、次々と要望に合わせたタコ焼きがお出しされる。
「どれもおいしいのですー!!」
無心でぱくぱくとタコ焼きを堪能していたカント。ユーベルコードの効果も相まって、いつの間にか極太ビームがカルロスを襲ったのだが、どうやらまだ食べたりない様子で、ほくほく笑顔でタコ焼きを食べ続けるカントなのであった。
『これが奴らの兵器か』
放たれた極太ビームに対し即座に『死の海水』の矢でもって迎撃をはかったカルロスであったが、全て相殺しきれずいくらか食らってしまった。
●お供妖精さん頑張る。
「丁度いい、「びーむすぷりったー」と闘ってからタコが無性に食いたかったのだ。タコに似てないか? あいつ」
弓落・高寿(平安京異邦人・f44072)はかの|悪魔《ダイモン》を思い出していた。
たしかにうねうね動く手脚はまるでタコである。器用さもタコそっくりだ。
「と言う訳で、タコ焼きとやら。いただきます」
舟に乗り込み提供された出来立てタコ焼き。高寿にとって初めて食べる物ではあったが。
「成程、タコそのものでなく団子の中にタコが入って……口が灼けるような熱さだが中々うまい」
出来立ては熱々ゆえに口の中を火傷してしまいそうだが、タコの歯ごたえと出汁がきいた生地のカリとろ食感に高寿も舌鼓をうつ。
「風味に|味付け《調味料》も色々ある? 成程。おかわり」
アレコレとタコ焼きを味わう高寿であったが、威力増加の為には量を食べる必要がある。となるとひとりではさすがに心許ない。
故にこう言う時の下僕召喚である。
『|姫さまのために!《プリンセス・ラブ》』発動。
「「「姫さまー!」」」
お供妖精たちが次々と高寿の元に集まってくる。
「……姫って呼ぶなつってんだろ」
お供妖精はざっと150匹余り。入りきらないので10匹程に分けて交代制で搭乗させることにした。
「ほらこれ食ってみろ、うまいだろう?」
出されたタコ焼きをお供妖精がはむはむと食べては「おいしい」「なにこれ」「コリコリしてる?」「あつあつとろとろ」と感想を述べる。
「なんとな、食うたびに舟が進んで一皿平らげると光線が出るのだ。すごいだろ?」
さぁ食え。最低でも一匹一皿な。『えっ!?』となるお供妖精だが大変に甲斐甲斐しい性分である。姫さまの御為ならば! 健気に食べるお供妖精。
「腹いっぱいになったらさっさと次と交代。食え。食って敵を薙ぎ払え」
はちきれそうなお腹を抱え交代していく妖精たち。健気である。
そして、一皿ごとに撃ち出されるビームを次々海水の矢でもって対抗するカルロス。お供妖精の頑張りにより回転率も高く、途切れることなく放たれるビーム。
●さあタコ焼き食べ放題タイムです!
「タコ焼き食べ放題と聞いてやってきました!」
エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)さん御一行がご到着。
「ついでにコピーも呼んできました!」
そう、御一行である。
『|増えるメイドの術《フエルメイドノジュツ》』
おでこに1と刻印されたメイドさん158名。
「そんなわけで総勢わたくし+コピー158名のかじできないたちで、タコ焼きパーティことタコパを開催します」
すみませーん! タコ焼きボートを159隻用意できますでしょうか? できる? 凄いですねスペースシップ&オペラワールド。
かじできないという異名の通り、彼女たちは料理ができない。もちろんタコ焼き作りは自動調理メカに丸投げだ。
飽きないようにと、ソースたこ焼き、ねぎ塩たこ焼き、マヨネーズたこ焼き、柚子ポン酢たこ焼きなど、様々なレパートリーを注文していく。
変わり種も含めればおそらく相当数のレパートリーがあるだろうタコ焼き。
エミリィとメイドさん船団。波間を進みながら一心不乱にたこ焼きを食べ続け、ビームがたまる端から発射していくのだった。
●料理人におまかせ!
「タコ焼きだべか! 料理人の腕がなるべな!」
さあフェリチェ・リーリエ(嫉妬戦士さんじゅうきゅうさい・f39205)の出番だ! 小さなレストランを経営し、青空と食べることと料理をこよなく愛す超級料理人である。
「操縦も勝手にやってくれるし、乗ってる間はバリアが守ってくれるし、こっちは完全にタコ焼きに集中してればいいだべな。それに!」
一人乗りってことはいちゃつきながら食べさせあいっことかしてる目障りなリア充もいない!
「至れり尽くせりでねーか!」
一人乗りであることも重要であったらしい。もしかしたらタコ焼きを存分に堪能して欲しいがゆえの一人乗り、なのかもしれない。知らないが。
「せっかくだし自分で焼くかな!」
腕まくりして『ウォー・アイ・満漢全席!』発動。10秒で大量の料理を作ることが出来るユーベルコードである。状態異常の解除も可能だが、この場合は『満腹』解除だろうか?
自分のお好みで焼くのもタコ焼きの醍醐味だ。料理人であれば当然の選択ともいえる。
「オーソドックスなソース味のタコ焼きに、明太マヨ、しらす&チーズ、ネギマヨ、ケチャップ&チーズでピザ風、カレー味……あ、なんかアース系世界で見た明石焼きってのもタコ焼きだべな!」
明石焼きにもタコは入っている。意見の分かれるところではあるかもしれないが、タコ焼きボートとしてはセーフらしい。
作っては食べ作っては食べ。思いつく限りのタコ焼きを作り、それを食べていくフェリチェ。
溜まりに溜まったタコ焼きエネルギーを変換! カルロスへ特大タコ焼きビームを放つ。
多方向から放たれるビーム。無限に広がりゆく大海から無限に供給される矢ではあるが、足を止める余裕はなく攻撃速度はあがらず。迎撃に終始するカルロスが思わず呟く。
『鬱陶しい……』
●タコ焼きinブラックホール
「……本当にこれ観光用です?」
シノギ・リンダリンダリンダ(|強欲の溟海《グリードオーシャン》・f03214)は訝しげにタコ焼きボートを見た。タコ焼き舟皿型ボートである。正直、観光用なのかはちょっと自信ない。だって性能がおかしいし。
「まぁいいでしょう、なんか楽しそうですし。海と言えば大きなタコ!!! カルロスをタコで倒すのは理に適っていますよね!! ヨシ!!!」
海賊にとって『楽しい』は十分な動機となる。タコでカルロスを翻弄してやろう! シノギは揚々と乗り込む。
「我が『|六臓八腑《バグ・パイレーツ》』!」
楊枝を手にしたシノギはユーベルコードを発動!
「数多の食べ物を飲み込む我が胃袋、ブラックホールです(直喩)。あ、ネギのトッピング多めのタコ焼きです。お願いしますね!」
さっそく調理器にタコ焼きの注文を出す。
シノギの腹部は文字通りのブラックホール機関。全てを飲み込み全てを喰らい糧とするのだ。
そして、幽霊海賊団であり船長たる彼女にオートドライブ機能など不要。
「運転をAIに? なにをバカな、この大海賊、航海術はAI程度に負けません!」
操縦を手動に切り替えると、カルロスの力によって唸り狂う大海の荒波を海賊ならではの航海術でくぐり抜ける。
巧みに操船しながらも、タコ焼きをひと舟食べてはビームを発射! 食べてはビームを発射!! 美味しい! 強い! 美味しい!! 強い!
ブラックホールに吸い込まれる大量のタコ焼きたち。自動調理器もせっせとタコ焼きを作る。
タコ焼きビームwithブラックホールの猛攻を凌ぎつつ密かにカルロスは歯噛みしていた。
小舟のバリアが曲者なのだ。搭乗者がタコ焼きを食べ続ける限り、カルロスの攻撃が思うように効かないのである。マッハを超える速度で回避され。海上を滑走し空中飛行し。あり得ない。さすがは異世界の遺物と言うべきであろうか?
『このままでは押し負ける? まさか我がこの程度で。いいや我の武装は大海そのものである。そして幻朧帝の鎧。防御であれば敵う者などあるまい』
猟兵の小舟を一掃すべく、カルロスは攻勢へと打って出た。
●決戦! カルロスvsタコ焼き
カルロスは全身を数万トンに及ぶ海水で覆い、『海水の巨人鎧』姿となっている。
本人のオブリビオン・フォーミュラーの力と幻朧帝の鎧が合わさった究極体である。
この超巨体がタコ焼きボートに勝るとも劣らない速度で飛翔し近づいていた。衝撃波で海は割れ津波を引き起こす。災害と言っても過言ではない。
そしてバリアで守られた猟兵側もまた同じようにボートでカルロスへと肉薄する。
巨体にまとわりつく羽虫の如き光景ではあったが、羽虫ーータコ焼きボートは巨人鎧に食らいつき巧みにビームを撃ち続ける。猟兵はタコ焼きを食べ続けた。
カルロスは『死の海水』の矢で威嚇し、猟兵たちに向かって呪いの海水拳を叩きつける。
『海の藻屑と消え去れ第六猟兵。我は宿願を果たさねばならぬのだ。邪魔だては赦さぬ』
その時だった! 極大ビームが発射され海水拳を抉り取った。
ついにフロースの分身ナノさん全員にタコ焼きが行き渡ったのだ!
「ビームを眺めながら出来立てのタコ焼きを食べるというのも、なかなか乙なものだねぇ」
「細かい原理とか考えるのは後回しだ! 行くぜタコ焼きビーム!」
猫舌ながらも工夫してタコ焼きを食べ続け、エネルギーを充填した柳火のビームが炸裂した。
戦巫女である柳火の魔力も加わったビームは呪詛耐性に破邪と破魔の力をも合わせ持つ。
呪いの海水拳が耐えきれずに吹き飛んだ。
モーラットのカントも、タコ焼きボートの自動制御とバリアに守られながら、夢中でタコ焼きを食べている間にビームを撃ち続けていた。
高寿のボートもまたお供妖精の奉仕により間断なくビームが放たれる。
フェリチェの満漢全席タコ焼きビームも、容赦なくカルロスの海水鎧を削っていく。
エミリィとメイドさん船団の猛攻もまた、カルロスを追い込んでいく。なんといっても数が多い。
「絶え間なく発射されるビームでカルロスを撃退しつつタコ焼きも堪能できる。なんて素晴らしい戦いなんだ!」
剥がされていく海水と鎧。
無敵と思われた無限海水と幻朧帝の鎧が数の暴力により崩壊していく。
力を失い剥がれ落ちた海水による大瀑布を突き抜けるように現れたのは、自前の操縦テクニックで迫る海賊団長シノギ。
「さぁ、カルロスから大勝利という名のお宝を奪い取りますよ!!!」
エンジンをふかし急旋回で突進! カルロスの懐へと攻め込むとバリアを解除し、自身のブラックホール機関に溜め込んでいた膨大なエネルギーとタコ焼きビームを同時に撃ち込んだ!
カルロスを纏っていた海水が鎧が吹き飛ばされ、飛沫となって散っていく。幻朧桜の花吹雪と相まって光り輝き舞い散り、幻想的で美しい光景であった。
「満足です!」
水飛沫の中をシノギがガッツポーズで海上を走り抜ける。
『我はまたしても……グリモアを……』
カルロスはそのまま海中へと沈んでいったーー。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵