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塩騒動

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●ある日のお屋敷
「首尾は上々でございます。つきましては、近江屋様の大好物をお持ち致しました」
「ほう、どれどれ?」
 ここは近江屋との号を打った商人の屋敷。その主は屋号そのもので呼ばれ、土地の大商人として代官にも匹敵――あるいはそれ以上の力を持つ人物として知られていた。
 その眼前に控える浪人。差し出した重箱を開くと、そこには真っ白な饅頭が詰められていた。
 一瞬しかめ面を見せた近江屋だが、浪人が二段目の重箱を開けると、その表情は一変。口の端に品のない笑みを浮かべた。
「よく儂の好物を存じておるな。ふふ、先生、あなたも悪よのう」
「いえいえ、近江屋様ほどでは」
 夜も更け、行燈にほんのりと照らされた部屋に、二人の声が誰にも知られず響いていた。

●町での塩騒動
「困ったことになったべぇ」
「んだなぁ。塩がこんなに高ぇんじゃ、生きていけんべ」
 その町で起きた問題というのは、塩という塩が買い占められ、その値が異常なほどに吊り上がってしまったというのだ。これでは町民の生活もままならない。
 他所の土地へおいそれと越すこともできず、彼らの暮らしは困窮していた。
 経済も停滞し、塩分不足に喘ぐ者、病にかかる者も出始めた。
 中には、ただでさえ高い金を払って買った塩を、さらに高い値で転売しようという長者もいる。
 最早、町の破綻は目に見えるところにまで迫っていた。

●グリモアベースにて
 会議室で地図を広げた井筒・大和は、いくつかの建物に印をつけていた。
 但し書きを見れば、印のある建物は何かしらの商いをしているところのようだ。が、全ての商店に印があるわけではない。
「こんなところかしらね。事件の概要は、さっき説明した通りよ」
 サムライエンパイアのある町で、塩の値が跳ね上がる事件を予知した大和。グリモアが反応したということは、間違いなくオブリビオンが絡んでいるのだろう。
 地図に大和が朱印をつけた商店は、事件が起こっても塩を商っている店のようだ。
「あたしの予知ではね、何て言う店のどんな人がこの事件を起こしているのか、分からないのよ。だからまずは尻尾を掴むために、聞き込みをして頂戴。この辺りの店を回ってもいいでしょうし、怪しい人物から直接情報を得てもいいでしょうね」
 曰く、柄の悪い浪人も闊歩している様子。
 まずは手がかりを得ること。その後は事件の黒幕に迫って行くことになるだろう。


数巴トオイ
数巴トオイでございます。
時代劇でよく見るアレですよ、アレ。

尚、「●ある日のお屋敷」にある文章は、全て舞台裏での出来事ですので、猟兵達は第1章の段階では知り得ない情報と致します。
(まるでここの出来事を見ていた、知っていたかのようなプレイングは弾かせていただきますのでご了承ください)

この物語はフィクションでありますので、人物名、団体名、施設名、屋号等は実在のものとは一切関係がないことをここに付記致します。
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第1章 冒険 『お主も悪よのぅ』

POW   :    小悪党を倒して手がかりを得る

SPD   :    怪しげな場所に潜入調査する

WIZ   :    人々の世間話に参加して情報収集

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

相馬・雷光
いかにも時代劇って感じの事件ね
復讐代行とかチャンバラものとは違うっぽい……捕り物系が近そう?
お奉行も岡っ引きもいないけど、忍者らしくやっていきましょうか

まずはどれくらい値上がりしてるのか確認しとこうかしら
えーっと、茶屋のお団子がこれくらいの値段で、この塩は……たっか!
ぼったくりってレベルじゃないわよこれ!

地図にいくつか目星は付けてくれてるのよね?
全部見て回るほど時間がないかもだし、大きめのトコを狙うわ!
とりあえずそのお店に【目立たない】ように忍び込む
町人や店の人の視線を【見切り】、【暗殺】の要領で隠れる!
テレビだと奥の方でお酒飲みながら悪巧みしてることが多いわよねー


蛇塚・レモン
急な塩の高騰かぁ……
誰が買い占めたのか、聞き込みすればきっと判る筈だよねっ?

まずは塩を扱っているお店の丁稚さんか御主人に聞き込みするよ
(コミュ力+世界知識)
瓦版の記者と称して取材だよっ!
「誰かが塩を買い占めたって噂だけど、その元締めってどんな人かなっ?」
「こんなに塩が高騰しているのに、どうして塩を商えるの?」
「仕入れ先は? どこの産地のお塩なのかなっ?」
白き蛇神の眼力(アイテム)の催眠術で情報を引き出せないかな?
店の周りを往来する人たちも聞き込みするよ

更には塩分不足で喘ぐ街の人に塩気の効いたワイバーンジャーキー(アイテム)を食べさせて身体を診察するよ
(医術+優しさ)
何か騒動の噂を聞けないかな?



●誰が塩を買い占めたのか
 受け取った地図の写しに視線を落とし、蛇塚・レモン(f05152)と相馬・雷光(f14459)は現在地を確認する。
 長屋や表通りの位置だけでなく、目印となる店舗なども確認しておきたいところだ。
 周囲をぐるりと見まわし、門構えの立派な魚屋を見つけた二人。しかし、それだけでは不安だ。このまま少し歩き、店と地図の位置関係の整合性を確認しなくてはならない。
「あ、お茶屋さんがあるよっ! じゃあ、地図でいうと、今はこの辺かな?」
「間違いないわね。お団子がみたらし一本で五文……なるほどね」
 レモンが地図を指さし、雷光はこの辺りの相場を調べるために団子の値段をちらりと見た。
 五文がどれほどの価値なのかは雷光にはよく分からないが、五文が団子一本分と覚えておけば問題ないだろう。
 ちなみに、UDCアースの日本の貨幣価値に置き換えると、一文が約三十円。つまり団子一本が一五〇円といったところ。
「ねぇ、印がついてるお店って近くにある?」
「そこの角にあるお店がそうみたい。行ってみよ」
 道の先へ小走りで向かうレモン。これに雷光も続く。
 向かった先は酒屋だ。もちろん、多様な酒を扱っているようではあるものの、それ以外にも日常で使われる食品も商品としているようだった。
 印があったくらいだから、当然塩も商っているだろう。
「この店に塩はあるかしら。いくらで買えるの?」
 こういう時は直接聞きだした方が早い。別段怪しまれるようなこともないだろう。
 店の主人は少し面倒くさそうな顔をしながら、何かぶつくさと言いながら店の隅に置かれた樽に丼を突っ込み、何かを掬った。白い粉……恐らく塩だろう。
「これで一斤だ。値は二分だな」
「二分……えっと、聞き慣れない単位ね。文にするといくら?」
 変なことを聞くヤツだな、と主人は呟き、それでも回答してくれた。
「あのな、一分が千文だ。つまり二分ってのは」
「二千文!? お団子一本が五文だったから、四百本分!」
 ありえない。こんなに高騰しているのは、やはり尋常ならざる状況のようだ。
 目を白黒させる雷光の襟巻をレモンがそっと引っ張った。そして耳打ちをする。
「あたいはもう少し聞き込んでいくから、他のお店を調べてもらっていいかな? どこかに問屋があるみたいだから」
「う、うん。そうする。怪しいところがあったら連絡するよ」
 まるで夢で屁を踏んだような心地のまま、雷光がひとまず酒屋を後にした。
 彼女はこの後様々な店を回って塩の値を調べるのだが、どこも似たような金額で商っていることを掴むことになる。
 さて。レモンは手帳とペンを取り出して酒屋の主に向き直った。
「ちょっと取材させてもらっていいかなっ? 瓦版のネタを探しててね。ズバリ、誰かが塩を買い占めたって噂だけど、その元締めってどんな人かなっ?」
「この値だ。そうペラペラ言えると思うかい?」
 なるほど。確かに、単刀直入が過ぎたかもしれない。
 ならば別のことを聞いてみるべきか。
「こんなに塩が高騰しているのに、どうして塩を商えるの?」
「そりゃ、買いつける場所があって、この値でも売って欲しいって人がいるからだよ。お嬢ちゃん、それ以上聞くのは勘弁してくれないかい。俺だって高い金で塩を仕入れてんだ」
 つまり。すぐさま事件を解決したり黒幕を暴いたりすれば、この状況で塩を仕入れた店が、仕入れのために支払った金の分が損となるわけだ。買い占められた塩がまた流通すれば、適正な値段に戻るのだから。
 この主は、間違いなく黒幕を知っている。いや、塩を商っている店の人間は全員そうなのだろう。
 だが、進んで口を割ろうとはしない。素直に高い金で塩を買い付け、仕方なしに商っている。ということは……。
(かなり有力な人物が塩の流通を掌握している? だからこの値段で塩を買い付けられるだけの財産があるお店でも、文句を言うことができないのかな)
 そう仮説を立てたレモンは、いくつも店を当たるよりも、この土地でおいそれと逆らうわけにはいかないような有力人物の存在について聞き込んだ方が早いかもしれないと結論を出し、他の猟兵と意見を擦り合わせるべく店を後にした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

御剣・刀也
POW行動

たく、何処にでもいるんだな。こういう悪党は
潜入も世間話を聞いてってのも得意じゃねぇし、腕づくでいきますか

がらの悪い浪人を捕まえて話を聞きだす
「よー、兄ちゃん、ちょっといいかい?」
と強引に路地裏に連れ込んで聞き出す
抵抗してくれば拳を腹に打ち込んで黙らせる
殺気でビビらせて刀は抜かない。
「おめぇ、だれがあれだけの塩買い込んでるか知ってるか?してるなら全部話せ。話さないなら………」
がし、と男の顔を掴んでこのまま骨を砕くぞ?と力を入れる
知らないなら
「そうか。悪いことしたな。今度一緒に酒でも飲もう」
と開放する


如月・源
塩はつまみにも生きるにも欠かせぬ貴重な代物じゃ。全く、銭を得る為に街一つ潰しかねんとは阿呆か……よし、潰そう。
クルミを手に持ちながら、ゴロツキ共が良そうな場所を探そうかのぅ。

「ちょいと兄さんら。聴きたい事があるんじゃがのぅ」

 目の前でクルミを【怪力】で握りつぶして【殺気】を放ちながら【恫喝】で近頃はぶりが良さそうな奴を教えて貰うとするか。やるってのならちぃと、痛い目に合ってもらってたたんで身ぐるみ剥いで正座させて、もう一度同じことを言う。
 件の羽振りがよさそうな奴には塩騒動の件を聞こうか。

「ほーれ、高いたかーい」

UCと【念動力】で空たかーーく釣り上げて【恫喝】じゃな。うむ、拳使わない平和的。



●必勝猟兵陣
 町を武家の者が出歩くことはさほど珍しくもなく、浪人ともなれば長屋に住んでいるなどということもよくある話。
 腰に二本の刀を差していたとしても、町民がそれを恐れるということはない。ただ、難癖をつけられては堪らないので、少々距離を取るということはあるようだが。
 もちろん、武人もやたらと刀にものを言わせるわけでもない。万が一にも無礼討ちをすれば、それを事細かに報告し、幾重もの審査を経て許しをもらわねばならないので、かなり面倒なのだ。
 しかし、武器を所持しており、これをお上に許されているともなれば、気の大きくなる者もいるようで。
「おい、しけた面しやがって。何だその顔は。四角い! 額に穴を空けて、両目と鼻緒を据えろ。下駄顔だ。あっはっは!」
 このように町民をいじって悦に浸ろうという輩もいるのだから困ったもの。
「よー、兄ちゃん、ちょっといいかい?」
 そんな無礼者を呼び止めたのは、御剣・刀也(f00225)だった。
 塩が一斤で二分という、恐るべき値上がりをして生活を酷く圧迫している異常事態。そんな中でこれだけの余裕を見せている者は怪しい。何か情報を持っていると踏んでのことだ。
 刀也は有無を言わさず浪人を引っ張り、路地裏へと連れ込んでいく。
 後からは町人が気の抜けた声で礼を言うのが聞こえた。いや、さして人助けをしたつもりもないのだが。
「何だよ、ったく、俺に何の」
「おめぇ、だれがあれだけの塩買い込んでるか知ってるか? 知ってるなら全部話せ」
 回りくどいやり方は性に合わない。単刀直入に、聞きたいことだけは問いかける。
 そのやり方を胡乱に思ったか、浪人は怪訝そうな顔をして。
「何かと思えばそれか。教えてやる義理はねぇな。分かったらさっさと――」
 ニヤニヤと笑みを浮かべた浪人の耳に、何かが弾けるような音が聞こえた。
 大きな影が浪人に差す。その正体は、胡桃を掌で転がす如月・源(f14361)だ。その怪力で以て、殻を握り潰した音が、あの弾けるようなソレ。
「知っているなら、教えてもらいたいもんじゃがのう」
 二人の猟兵に囲まれ、浪人は少し狼狽したようだったが、それでも口を割ろうとはしない。先ほどの言葉からして、何か知っていることは間違いないのだろうが。
「なら、近頃羽振りの良い人は知らんかのう。教えてもらいたいもんじゃが」
「ケッ、塩を商っている店にでも聞けってんだ」
 源の言葉に、唾でも吐き捨てんばかりの表情で浪人は答える。
 どうやら一筋縄ではいかないらしい。
 顔を見合わせる刀也と源。互いに合点がいったと見えて、一つ頷くと、まずは刀也が浪人の鳩尾に拳を食い込ませた。
 突然のことに仰天し、姿勢を崩す浪人。
 素早く手を伸ばした源が、彼の衣服を引っぺがした。
 褌一丁となった浪人。
「このまま骨を砕いてやろうか」
「そこまですることはないじゃろ。ほれ、高いたかーい!」
 うずくまる浪人を冷たい視線で見下ろす刀也を制し、源が念動力で浪人を空高く放り投げた。
 断末魔が聞こえる。やがて高度が落ち、墜落するかという瞬間、源がまた念動力で空へと放る。
 これには堪ったものではない。
「分かった、言う、言うからやめてくれ!」
 流石に観念したか。ようやく地に下ろされた浪人は、とうとう「近江屋」の名を口にした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携歓迎】

塩の買い付け騒動、ねぇ……
なんかUDCアースでもあったような話を聞くね。
あの時はトイレットペーパーだったっけ?
……なんか違うね。うん。

とりあえずは怪しい店やら場所やらを探らないとね。
町娘姿に『変装』して何食わぬ顔で街を歩きながら、
でっかい商家のお屋敷に入るよ。
正面から堂々と…というのはちょっと語弊があるけど、
門や勝手口が開いてるところを見計らって
その近くにいる全員に【時縛る糸】を放つ。
ぼーっとしてる間にちょいと屋敷へ入らせてもらうよ。

あとは茂みにでも隠れて聞き耳立てて『情報収集』。
空振りだったら似たようにこっそり抜け出して、
他の屋敷も当たってみるかねぇ?



●お屋敷へ
 猟兵の集めた情報によれば、この塩騒動には近江屋なる商家が関わっているらしい。配布された地図を見れば、屋敷の位置を割り出すことは難しくなかった。
「なるほど、立派な門構えだねぇ。そりゃ、塩の買い占めくらいワケないってもンだ」
 どこで手に入れたのか、この町の娘衣装に身を包んだ数宮・多喜(f03004)は、遠目にも明らかな近江屋の佇まいに感嘆を漏らした。
 これだけの大家となるには数代に渡る商いの歴史があったに違いない。となれば、今回のオブリビオンとは何者であろう。ここの主をそそのかしたのか、それとも。
 ともかくこの騒動には聞き覚えのある多喜である。
「塩の買い付け騒動、ねぇ……。なんかUDCアースでもあったような話を聞くね。あの時はトイレットペーパーだったっけ?」
 恐らくオイルショックのことであろう。
 石油が高騰し、その余波で紙の値が吊り上がる、時の権力者が節約を呼び掛けたためにトイレットペーパーの買い占め騒動が起こったのだ。
 今回の塩騒動も原理は似ていて、買い占めが起こったために値段が吊り上がる。当然のことだ。
 ともかく。多喜はこの近江屋になんとしても忍び込まなくてはならなかった。
「おい、何者だ」
 門は開かれているものの、やはり見張りがいる。これを突破しなくては、中へ入ることなどできそうもない。
 しかし彼女にはある秘策があった。
「あたしの名前は数宮・多喜。故郷で別れた男を探し、ボロのバイクを買い付けて、走りに走った幾千里。流離い旅したこの多喜も、何の因果か一猟兵。お前さん、ちょいと物を尋ねるが、陽も暮れに差し掛かった今時分、一体何時になるものかい?」
 その瞬間。
 目に見えたか見えないか。か細い糸が見張りへ飛ぶ。
 刹那に止まった男の時。その好機に多喜は屋敷へ忍び込む。
 屋敷の位置は特定した。
 後はオブリビオンの居所を探るのみ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラザロ・マリーノ
【SPD】
塩の買い占めねぇ。そりゃ儲かるだろうが、ちょいとやりすぎだろ。
大店を取り仕切れる程の奴なら、もっと長く目立たず搾り取るだけの頭を持ってるだろうし、やっぱりオブリビオンに支配されちまったのかね?

【料理】で犬猫が好みそうな、匂いが強くて汁気の多い食べ物を作って門の近くに投げ込もう。
野良犬なんかが集まって騒ぎが起きたら、構造可変体鱗の【迷彩】で目立たない色になってから、UC「風の理」と【ジャンプ】で上から行く。
潜入後は、屋根に張り付いて【迷彩】しながら【聞き耳】を立てるぜ。

日が暮れてからの潜入ならもっと楽で確実なんだが、事が事だし時間をかけてもいられねえか。

※アドリブ・連携歓迎



●屋敷前珍騒動
「塩の買い占めねぇ。そりゃ儲かるだろうが、ちょいとやりすぎだろ。誰も怪しまな……そうか、それだけ町の実権を握ってんだな」
 民家で板場を借り、料理に勤しみながらラザロ・マリーノ(f10809)は呟く。
 思案に耽る中、それほどの大家なら町民から金を搾り取るにしてももっと上手い手を考えるのでは、と思い至る。しかし、こんな強硬策に出るからこそオブリビオンの仕業と言えるのかもしれない。
 彼が作るのは、犬の餌。塩不足という問題を抱えたこの町でも、それくらいのものならば簡単に作ることができた。
 板場を貸してくれた町民に礼を述べ、ラザロは出かけてゆく。
 報告にあった近江屋へと向かうために。

 やはりというべきか、近江屋の門には見張りがいる。屋敷は広く、盗人に入られないようにと警備しているのも当然か。
「よしよし、結構いるな」
 周囲の様子を確認し、見張り以外にとある存在がそこかしこにいることを確認したラザロは、隠し持っていた包みを開く。
 器に盛られた汁気の多い料理から、得も言われぬ良い香りが辺りに広がった。
 そしてこれを、ラザロは門の方へと放り投げた。
「な、何だ、うわっ、こら!」
 すると。先ほど確認した存在――野良犬がそこへ集ってくる。
 門の周囲は腹を空かせた犬によって占拠された。
 見張りが目を白黒させながら対処に当たる。
 好機を見たラザロは、構造可変体鱗の迷彩効果で周囲の景色に溶け込み、【風の理】で空を蹴って塀を越え、屋敷の屋根へと飛び乗った。
 潜入成功だ。
(日が暮れてからの潜入ならもっと楽で確実なんだが、事が事だし時間をかけてもいられねえか。さてさて……)
 直接屋敷を歩き回っての調査はできない。まずは情報を集めるため、屋根裏へと入り込むと、それぞれの部屋に聞き耳を立てた。
「近頃、近江屋様の姿を見ないな」
「どうも床に伏せていらっしゃるようで、商いの指示だけを出しているようだ」
「屋敷の中にまで浪人を招き入れて、塩を買い込んで。近江屋様は気が触れてしまったのでは」
「これ、滅多なことを言うな。きっと新たな商いを始めるに違いない」
「そうだぞ。我ら使用人にまで気を配ってくださる近江屋様だ。何かお考えがあるのだろう」
 仕入れの管理をしていると思しき人物が数人集まって会話していた。
 屋根裏で聞こえた声を、ラザロは一言一句漏らさぬようにメモしてゆく。
 その中で、近江屋にオブリビオンが絡んでいることは間違いないとの結論を出し、ラザロは一度こっそりと屋敷を出ることにした。
 当然のように。彼はただ情報を得ただけではなく、大ざっぱではあるものの屋敷の見取り図を書いた。これも他の猟兵と共有する必要がある。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『浪人』

POW   :    侍の意地
【攻撃をわざと受け、返り血と共に反撃の一撃】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    怨念の返り血
【自身の返り血や血飛沫また意図的に放った血】が命中した対象を燃やす。放たれた【返り血や血飛沫、燃える血による】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ   :    斬られ慣れ
対象のユーベルコードに対し【被弾したら回転し仰け反り倒れるアクション】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:箱ノ山かすむ

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●夜、必勝の猟兵
 夜の帳が下りた。
 集めた情報や近江屋の見取り図を共有しながら、屋敷へ討ち入る算段を立てる猟兵達。
 情報は以下のようにまとめられる。

・塩の値は一斤二分(600gに対して団子400本分)
・黒幕は近江屋という商家で、町の実験を握っている
・門には見張りがいる
・近江屋の主は元々あくどい商売をしていなかったらしい

 日の暮れた今がチャンスだ。
 屋敷の正面から挑むか、忍び込んでこっそりオブリビオンを目指すか、これは各々の猟兵が手段を考えるべきだろう。
 しかし。どのルートを通っても、何かしらの妨害があることは間違いない。
 中にはオブリビオンと化した浪人、あるいは普通の人間も混ざっていることだろう。
 これを躱し、あるいは倒し、どうにか主の元へ辿り着かなくてはならないだろう。
御剣・刀也
人間もいるかもしれないのか
見極めが難しいが、オブリビオンの浪人に用者はいらないな
全部斬って捨てる!

侍の意地で反撃しようとしたら、反撃できない程強烈な一撃を入れて反撃を食らう前に斬り捨てる
怨念の返り血は剣筋から大体どの方向に血しぶきが舞うか感覚的にわかると思うので、その方向に立たないようにして斬る。万が一かかってしまったら、少量なら気にせず斬り続ける。多量なら酷くなる前に相手を倒して鎮火する
斬られ慣れで回転して仰け反り倒れると面倒なので蹴り倒して大地に押さえつけてから突き刺して止めを刺す
「死にたくない奴は下がれ!俺は誰だろうが容赦しねぇぞ!」


如月・源
よし、正面からお邪魔死よう。

「近江屋さ~ん、あーそびーま死ょ~!ってな!」

【怪力】【念動力】【破壊工作】で、門を拳で全力で景気よく粉砕。忍び込もうとする他の猟兵達の為にも陽動じゃな。決して楽しく悪党を切る為ではないぞ!
 有象無象が現れれば、賢者の杖を手に破落戸らを見る。

「中々に良い悪党面。お日柄もよく今日は春の犯祭り。悪党の斬り放題じゃな」

 ニヤァと殺気を込めて笑い、【第六感】【見切り】【フェイント】【残像】での斬った張ったの立ち回り。【指定UC】で壁を作り誰一人として逃がさん。浪人は反撃も出来ぬ様に杖の先を刃状にして腕を斬り飛ばす。

「時に近江屋の主は何処か?」

 忘れてたので最後の一人に聞く。



●正面突破の猟兵達
「近江屋さ~ん、あーそびーま死ょ~! ってな!」
 堂々と門を破壊して押し入った如月・源(f14361)は、声高く呼びつける。当然、激しい物音や声に、屋敷中が叩き起こされて騒がしくなっていった。
 正面から挑むのは、彼一人ではない。
「人間もいるかもしれないからな。ちゃんと見分けるんだぞ」
 同行するのは御剣・刀也(f00225)。得られた情報から推察するに、屋敷の者全てがオブリビオンであるとは考えられない。真人間もかなり多いはずだ。
 太刀を佩いた浪人が数人、駆けてくる。果たしてあれは人間か、オブリビオンか。
 それを確認する術といえば。
「こいつら、見分けがつかないほど同じような顔をしているな」
 刀也はその気づきから、敵はオブリビオンと断定した。
「中々に良い悪党面。お日柄もよく今日は春の犯祭り。悪党の斬り放題じゃな」
「何だよそれ」
 嬉しそうに賢者の杖を握った源。
 苦笑する刀也は、月夜に煌く刀身が美しい獅子吼を抜く。
 対峙する猟兵とオブリビオン。
 相手は何も問いかけることなく刀を構えた。本能的に猟兵を滅しようとしているのだろう。
「オブリビオンの浪人に容赦はいらないな。全部斬って捨てる!」
 剣刃一閃。獅子吼の斬光が走ったかと思うと、浪人オブリビオンは血しぶきを上げて倒れ伏した。
 一方で、杖の先に光の刃を写した源。
 これに切りかかる浪人。
 イヤッと気合一声。これを杖で払うようにして源がかわす。
「踏み込みが甘いわい!」
 その背を切り裂き、振り向き様、背後に迫っていた浪人に刃を振るう。
 流石に構えていたものと見えて、浪人がとっさに刀で受ける姿勢をとった。
 が、源はさっと杖を引き、反対方向からの蹴りを見舞う。
 木の葉のように浪人が飛ぶ。その先では刀也が獅子の咆哮を響かせていた。
「合図くらいしろって!」
 飛んできた浪人を脳天から割った刀也。
 気づけば、浪人の数は残り一人となっていた。
「時に近江屋の主は何処か?」
「答える義理など……!」
 源の問いかけに、唾でも吐くような面持ちで浪人が答える。
 が、そこまで言ったところで、その喉元に獅子吼の切っ先を刀也が突きつけた。
 観念したか。浪人は小さく「寝所だ」と呟く。
「ほう、そうかい」
「情報提供、感謝する」
 二人の猟兵は、そのまま浪人を切り殺した。
 これでも敵はオブリビオン。慈悲はない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携歓迎】

さぁてこれからが本番か。
隠れたまんまいつものライダースーツに『早着替え』して、
スニーキングミッション開始かね。
『迷彩』と『地形の利用』で
人通りが少なそうなルートを選んで、闇に乗じて進む。
まぁ、それでもこれだけピリピリしてるんだ。
浪人や使用人に出くわすだろうさ。

猟兵以外の誰かを見かけたり逢ったなら、
即座に『ダッシュ』で相手の懐に潜り込み、
『グラップル』の要領で鳩尾に掌底を叩き込んで意識を刈る。
もし相手がオブリビオンだったなら、
サイキックエナジーを纏わせた
必殺の【漢女の徹し】としてぶち込むよ!
なるべく音を立てないようにしないとね。

さて、近江屋の主人は無事かねぇ……。


相馬・雷光
よーし、それじゃあ忍者らしく忍び込みましょうか!
門の方には見張りがいるし、目立たないようにジャンプやクライミングを活用して塀を乗り越えるわ!
屋敷の中ではこっそり移動したり、梁の上に乗ったりで遭遇を防ぐわ!
見取り図によればこっちが寝室ね……

見つかったり、見つからずに進むのが困難な時は攻撃!
浪人なら必殺圏内に入らないようにして、雷撃弾(属性攻撃・クイックドロウ・2回攻撃)を撃つ!
血の攻撃は見切って、ダッシュやジャンプで回避!
普通の人間なら雷撃の威力をスタンガン程度まで落として、バチッとやって気絶させるわ!
どっちの場合もスピーディーに!
悪いけど、騒がれちゃ困るのよね
速攻で黙らせるわ!



●暗闇に仕留める
「さぁてこれからが本番か」
「よーし、それじゃあ忍び込みましょうか!」
 数宮・多喜(f03004)はライダースーツに、相馬・雷光(f14459)は漆黒の忍装束に着替え、近江屋屋敷を臨む長屋の空き棚から、機会を伺う。
 剣劇や悲鳴が微かに聞こえた折。二人はここだなと思って屋敷への侵入を開始した。

 塀を飛び越え、屋根裏へと身を潜めた雷光は、頭に叩き込んだ見取り図を思い浮かべながらそっと移動する。
(確か、こっちが寝室ね……。って、あ)
 主の居所を寝所と睨んだ雷光だが、しかし、屋根裏といえどもそのまま進み切れるわけでもなく、行き止まりの壁にぶち当たった。一度下へ降りてまた進行ルートを探らねばならない。
 そっと天井板を外し、様子を伺う。行燈の光が、屋根裏に漏れた。誰かいる。
「猟兵の襲撃だ」
「近江屋様を移さねば。いや、屋敷から逃がして差し上げなくてはな」
「では俺が事態を近江屋様に伝えてこよう」
 会話が聞こえる。
 そこにいるのは二人の人間。風貌から、使用人らしい。
 近江屋なる人物は、何らかの形でオブリビオンの干渉を受けている。ここで逃がされてはまずい。
(でも、ここに当たって良かったかも。もうちょっとあっち向いて。あっちを、そう。もう少し……)
 雷光は心中に呟く。
 使用人達が部屋の外へ目を向け、立ち上がろうとした、その時。
 屋根裏から飛び出した雷光。使用人が振り向くより早く、懐に呑んだスタンガンを、彼らの背に押し付けた。
 ピンと体が伸びて、倒れる使用人。
「悪いけど、騒がれちゃ困るのよね」
 その身体を屏風の裏へ隠しながら、雷光は寝所へ進む道筋を辿った。

 一方で、迷彩効果で身体を周囲の闇に溶け込ませた多喜。なるべく騒ぎが聞こえる位置を迂回して、寝所を目指す。
(さて、近江屋の主人は無事かねぇ……。って、おっと危ない)
 正面から近づいてくる人影に気づき、行燈の灯りがない部屋へ隠れた多喜。
 ドタドタと駆けるような音。そして声が聞こえる。
「加勢だ!」
「猟兵を殺せ!」
 話の内容からして、屋敷のどこかで暴れている猟兵を仕留めるために増援として向かうオブリビオンだろう。
 このままやり過ごすのも手だが、放置するわけにもいかない。
 そっと障子を開く。
 しかしその小さな物音に気付いたか、三人のオブリビオンが振り向く。しかし、迷彩の効果もあってか、そこに何者が潜んでいるのか、気づくことができなかったようだ。
 一足に懐へ踏み込んだ多喜は、サイキックエナジーを纏わせた掌底を次々にオブリビオンへ見舞った。
 ユーベルコード【漢女の徹し】。きっとこの浪人達は、何が起きたのか、一片たりとも理解できなかったろう。
 倒れ、骸の海へ帰った彼らを見届けた多喜は、今度こそ物音を立てぬようにと寝所へ向かう。
 きっと主はそこにいるはずだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ラザロ・マリーノ
日も暮れたことだし、本格的に潜入させてもらおうか。
本命とやり合ってる時に邪魔されたくねえし、まずは外の奴を片づけないとな。

エコーロケーションの【聞き耳】【暗視】で状況を把握しながら、【ジャンプ】【クライミング】で侵入。

UC「影の傭兵」を発動。
俺も影も、構造可変体鱗で【迷彩】して物陰や屋根の上に隠れる。

主に単独行動してる奴を狙って【忍び足】で接近。二人がかりで【怪力】で抑え込んで気絶させるぜ。
小さな物音をたてて【おびき寄せ】てもいいかもな。

オブリビオン化した奴なら簡単にはいかねえだろうが、容赦する必要もねえ。
とはいえ、騒ぎになるまではできるだけ静かにやるぜ。

※アドリブ・連携歓迎



●一人で二人
 ユーベルコード【影の傭兵】で己の影を呼び出したラザロ・マリーノ(f10809)は、屋敷の屋根に登って他猟兵達の動きを観察しながら進んでいた。
 正面の門から入ったところで派手に暴れる者、隠れて寝所を目指す者、様々だが。
「本命とやり合ってる時に邪魔されたくねえな」
「ある程度は始末しないとな」
 恐らく本命のオブリビオンがどこかにいるはず。その時に取り巻きが多くてはやりにくくなる。ならば、全員が寝所へと到達するまでに可能な限り数を減らしておきたい。
 纏まって動いている屋敷の者は正面の猟兵達が何とかするだろう。
 ならば、無力化を狙うのは単体だ。
「おい、あいつ、奥へ走っていくぞ」
「主を逃がす気か? あっちに回ろう」
 屋根伝いに男の往く手へ先回りし、待ち伏せる。
 そして。
「待てよ」
「どこへ行くんだ」
 さっと飛び降りると同時。返答など求めぬ問い掛けと共に男を抑え込み、鳩尾に一撃を叩き込んで昏倒させる。
 そのまま手近な空き部屋に男を放り込むと、二人はまた単独で動く者を狙いながら寝所へと向かっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『悪徳商人』

POW   :    先生、お願いします!
【オブリビオンの浪人の先生】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    短筒での発砲
【短筒】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    か、金ならいくらでもやる!
【懐】から【黄金の最中】を放ち、【魅了】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:毒沼ハマル

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠犬憑・転助です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●闇商人近江屋
 目につく屋敷の者をあらかた黙らせ、猟兵達は主がいると思われる寝所へと殺到した。
 そこには、寝ぼけ眼の男。布団に潜って眠っていたようだが、たった今騒ぎに気づいて起き出したといったところだった。
「な、何だ、お前たちは!」
 武器を持ち、敵意と共に立つ猟兵の姿に狼狽した主は、布団を蹴飛ばす勢いで後ずさる。
 寝巻とはいえその様子を見れば、間違いなくこの男が近江屋の主だろう。
「ここは近江屋だぞ。儂に逆らって、この町でやっていけると思っているのか!」
 悪党としても小物。
 こんな男がこれだけの財を成すことができたのだろうか? いや、それは問題ではない。
 相手はオブリビオンなのだ。そうとなれば、やることは一つしかない。
ラザロ・マリーノ
「儂をただの商人と思ったか!」とか言いながら、人の皮を破って中から怪物が出てきたりしないの?しないのか…。

ちょいと気は削がれたが、見た目や態度がどうであれオブリビオンには違いねえんだ。
手早く片づけちまうか。

屋内でこの距離なら、さっさと距離を詰めたほうがいいな。UC「竜の牙」を撃つぜ。
最初のドラゴンオーラには【属性攻撃】で電撃属性を。
続く飛び蹴りには【怪力】【ジャンプ】に加えて、発勁で【衝撃波】を乗せる。

貯めこんだ塩と金、全部吐き出してもらおうか!

※アドリブ・連携歓迎


御剣・刀也
こんな小悪党が?
後ろにまだまだ繋がってそうだが、取り合えず、こいつをぶちのめすか
命乞いはお金様にでも頼んでみるんだな

オブリビオンの浪人を呼ばれたら、邪魔するようなら斬り捨て、他の面子に行くようなら無視してそのまま承認に斬りかかる
短筒で狙われたら、撃つ瞬間を第六感で読んで撃たれるギリギリの瞬間に射線から体をずらす。早すぎると狙いを変えられるので、タイミングに気を付ける
金を出されたら特に興味ないので要らん。の一言で金ごと斬り捨てる
「犬は餌で飼える。人は金で飼える。が、俺たち猟兵を飼う事は誰にも出来ねぇよ」


如月・源
小物過ぎる……。よーし、これはもう気兼ねなく切裂けるな。
「近江屋さんよぅ。そのように金が欲しいならくれてやる。たーんと喰らうがよい」
 銭を握りしめて飛び道具【睦月】と共に近江屋にくれてやろう。【投擲】【念動力】で銭は口に、睦月は胴体に突き刺すように【指定UC】で操作し念動力の衝撃波を叩きこむ。
先生とやらが現れたら頭を鷲掴みにして床板に埋めて無力化かのぅ。無理ならばさっさと賢者の杖で切り捨てる
「邪魔じゃ」
攻撃は【フェイント】【残像】【見切り】で大立ち回りながら切り捨ててくれよう。全く、斬りごたえがない。
「のぅ。近江屋。つまらん。なんかこう変身せよ。すぅぱぁ近江屋とかに」
したら中々に愉快そうじゃな



●小悪党近江屋
「いくらなんでも、こんな小悪党が?」
「小物すぎるな……」
 遂に追い詰めた事件の黒幕は、拍子抜けするほどに威厳がない。御剣・刀也(f00225)は本当にこれがオブリビオンなのかという疑問すら抱いた。
 しかしそれはあり得ないと否定しながらも、感じたことは同じだと如月・源(f14361)顎をしゃくった。
 それは、ラザロ・マリーノ(f10809)も同様だったようで。
「儂をただの商人と思ったか! ……とか言いながら、人の皮を破って中から怪物が出てきたりしないの?」
 そうであってくれたらどんなに腑に落ちたことだろうか。
 とはいえ、相手はただ待ってくれるわけもなく。
「え、ええい、クセモノめ! 先生、お願いします!」
 近江屋がそう叫ぶ。
 すると奥の襖が開き、トゲのついた棍棒を肩に担いだ異形の男が姿を現した。
 なるほど、どうやらこれはユーベルコード。この近江屋はオブリビオンに間違いない。
 言語として成り立っていない咆哮を上げる男。だったが。
「こいつをくらえ!」
 ラザロの放つ竜の気魄が男を捉えたかと思うと、その顔面に彼の膝がめり込んだ。
 ぐらりと大きく仰け反る先生なる男。
「邪魔じゃ」
 その顔面を鷲掴みにした源が、男の頭部をそのまま畳に食い込ませる勢いで押し倒した。
「デカいし、面倒なんだよ」
 直後、獅子吼を抜いた刀也が男の首に切っ先を突き刺した。
 絶叫を上げることもなく。男は黒い煙となって消える。登場も突然だったが、退場もあっけなかった。
 あまりにもあっさりと助っ人が倒されたか。近江屋は立ち上がることも忘れて這いずるように襖の奥へと逃げようとする。
 その姿が情けなくて、猟兵達はため息。
「のぅ。近江屋。つまらん。なんかこう変身せよ。すぅぱぁ近江屋とかに」
「何がすぅぱぁだ!」
 源へと返す言葉に勢いはあるものの、その姿に勇ましさはない。
 この状況で逃げられるなんてことはないだろうが。近江屋が何をしようとしているのかは気になるところだ。
 何となくその行動を見守っていると。襖の奥にはいくらかの千両箱が積まれており、近江屋はこれにしがみついた。
「金か、金が欲しいのか! このいやしんぼめっ!」
「犬は餌で飼える。人は金で飼える。が、俺たち猟兵を飼う事は誰にも出来ねぇよ」
 呆れて刀也が呟いた。
 一方でラザロはというと。
「ああ欲しいな。欲しいが、俺が欲しいワケじゃねぇ。町民から巻き上げた金だろ? そいつを返すために寄越せよ」
 どの程度の割合かは知らぬが、ある程度は塩騒動を起こしてあくどく稼いだ金に違いない。だから、あるべき持ち主へと返す。至極妥当だ。
 しかしここであっさりと認める近江屋ではないようで。
「ええい、黙らっしゃい!」
 千両箱の中に仕込んだ短筒。これを取り出し、銃口をラザロへと向ける。
 しかしこの動きをいち早く見切ったのは、源だった。
 光を反射しない合金でできた小刀。これを最小限の動きで鋭く投げれば、短筒を捉えて弾き飛ばした。
「近江屋さんよぅ。そのように金が欲しいならくれてやる。たーんと喰らうがよい」
「金は金でも、剣の金だがな」
 源の言葉を受け取り、刀が続ける。
 為す術なしと感じたか、近江屋の表情が恐怖に染まった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

わりかし大事になってる事件だし、
大物が控えてると思ったらさぁ……
やーれやれ、蓋を開けてみりゃこんな小悪党が黒幕とはねぇ?
大立ち回りもいいけど、意趣返しでもしときますか。

アンタさ、どんだけこんなのに執着してるんだよ。
と、【弱点特攻作成】で錬成した小判を
目の前に音がするように放り投げてみるよ。
もしも食いついてきたなら、
「アンタの大事な『お菓子』は今頃は別の場所さ。
もっとも、アンタにはそこを教える気は更々ないけどね?」
と『コミュ力』使って煽り、冷静さを失わせてみるかね。
この隙、上手く他の仲間が拾ってくれると嬉しいね!


相馬・雷光
こいつが近江屋?
床に臥せってるって割にはよく動くわね
ま、何にせよ悪党は成敗よ!

二挺拳銃(武器:ヴァジュラブラスター)で雷撃弾(属性攻撃)を撃つわ!
【クイックドロウ】で素早く(2回攻撃)銃撃!
片方は弾丸を撃ち落として、もう片方は手に持った単筒を狙う!
ふふん、遅いわね
威力、正確さ、素早さ……どれかを選ぶってことは、その思考の分、撃つまでに時間がかかるのよ
私は今回、早撃ち以外捨ててるんだから、欠伸が出るような遅さよ!
……とか、言ってみたり(挑発・時間稼ぎで味方への注意を逸らす)


蛇塚・レモン
真の姿を解放
口調:蛇神オロチヒメ
両目が深紅に染まり、額に第三の邪眼が見開く

ふん、どんな悪党かと思えば私腹を肥やすだけしか能がないゴミではないか
さっさと骸の海へ帰して、庶民の生活を安堵せねばなるまい

すかさずユーベルコード発動
不可視の霊力鎖を放って睨み付けた商人を打ち据える
そして商人を鎖で捕縛
(先制攻撃+だまし討ち+目立たない+念動力+衝撃波+視力)
用心棒を呼んだら商人を素早く手繰り寄せ、用心棒の剣筋に立たせる
(怪力+ロープワーク+敵を盾にする+恐怖を与える)
用心棒も鎖で捕縛し、両者を壁や柱に何度も叩き付ける
(地形の利用)

余が何者かだと?
余は蛇神オロチヒメ
……貴様の犯した罪の神罰を受けよ、近江屋!



●塩騒動の主
 抵抗らしい抵抗もできないまま、近江屋はただ猟兵に圧倒されるばかり。
 情けなく床を這い、短筒を拾い上げたかと思うと、これがオブリビオンとしての意地だとばかりに猟兵へ向けて発砲する。
 吐き出された弾丸。しかしこれが何者かの身を貫くことはなかった。
 重なるように響いたもう一つの銃声。ぶつかり合う弾丸と雷。
 続いてさらに銃声。直後にはオブリビオンの短筒が弾かれていた。
「ふふん、遅いわね。というか、床に臥せてる割には意外と動くじゃない」
 二丁拳銃を、十字を描くように構えた相馬・雷光(f14459)がニタリと笑む。
 銃口からは薄煙。彼女はまず右手のヴァジュブラスター・鋼でオブリビオンの弾丸を打ち消し、直後左手のヴァジュブラスター・黒でオブリビオンの短筒を打ち抜いたのだ。
「病なんてそりゃ多分、本物の近江屋が別にいて、こいつが屋敷を乗っ取るためにそんなデタラメを言ってんだろ。やーれやれ、蓋を開けてみりゃこんな小悪党が黒幕とはねぇ?」
 呆れたように数宮・多喜(f03004)が嘆息を漏らす。
 そして自らのポケットに手を入れ、ごそごそと漁る。そこから取り出したものは、どこからどう見ても小判そのものだった。噛めば金属にしては柔らかな感触であることだろう。これが五十両。UDCアースの日本円に換算すると、ざっと八百万円相当だ。
「ほら、こいつが欲しいのはアンタの方だろ」
 黄金色に輝くそれを、多喜は何の未練もなくオブリビオンの眼前へと放り投げた。
 音を立てて散らばる小判。当然、商人である近江屋がこれを放置するわけもなく。
「か、金が! おい、なんて罰当たりな」
 これを拾い集める近江屋。しかし、五十両掻き集める頃には、その小判は煙となって消えた。
 何が起きたのか。理解が追いつかずに目を白黒させるオブリビオン。
 しかしその狼狽を誘うことが多岐の目的だったようで。
「アンタの大事な『お菓子』は今頃は別の場所さ。もっとも、アンタにはそこを教える気は更々ないけどね?」
「謀ったのか!?」
 嗚呼、情けないことこの上ない。
「ふん、どんな悪党かと思えば私腹を肥やすだけしか能がないゴミではないか」
 そこへ進み出たのは蛇塚・レモン(f05152)だ。深紅の両目に額の邪眼が開く姿は、蛇神オロチヒメ……。レモン真の姿である。
 すっと手を翳すと、超霊力オーラで練り上げられた鎖が伸びた。近江屋は絡めとられ、幻となった五十両を今も探そうとしているのか手をバタバタと動かしていた。
「余は蛇神オロチヒメ。……貴様の犯した罪の神罰を受けよ、近江屋!」
「悪あがきすんなよ、みっともないねぇ」
 レモンの脇をすり抜けるように駆け出した多喜が、サイキックナックルを近江屋の鳩尾へと叩き込んだ。
 唾液と胃液の混じったものを口の端から漏らし、目も飛び出さんばかりに見開く。
「苦しいか。ならば、楽にしてくれよう」
 抵抗がなくなったことで、レモンが鎖を操り、近江屋を持ち上げ、畳へと叩きつけた。
 ぐへと短い悲鳴を上げたオブリビオンの背を、雷光が踏みつける。
「じゃ、これにて一件落着ね」
 二発の銃声。
 これを以て、オブリビオンによる塩騒動は幕を閉じた。

●余談
 近江屋を乗っ取っていたオブリビオンが討伐された後、浪人も消えたことで使用人達は屋敷中をくまなく調べた。
 すると、屋敷地下に幽閉されていた一人の男が発見される。
 その男こそ、本物の近江屋。
 衰弱は酷かったものの、医者の見立てによれば精のつくものを食べさせれば、また商いができるということだった。
 ようやく騒動に決着がついたのだが、この町の商売はどうなってしまうのだろうか。
 それは、猟兵らの心配するところではなかった。商人達だけでなく、町民らも元の生活様式にすんなりと戻り、近江屋は正直に乗っ取られていた次第を説明。ここへ怒りの矛先を向けることのできない町民や商人らは、もうこの塩騒動に触れることすらなかった。
 そして、商人達はまた商売に精を出す。何故こんな事件が起きてもそうすることができるのか?
 答えは単純で明快。「あきない」だからだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月27日


挿絵イラスト