帝都櫻大戰㉒〜海賊船の一つに
「ぬははははっ! サクラミラージュの世界で起こっておる大きな戦いもいよいよ大詰めじゃな」
グリモア片手に笑うカミーユ・ヒューズマン(セイレーンのプリンセス・f26887)がこう言っているということは、今回の話は帝都櫻大戰に関したものなのだろう。
「幻朧帝イティハーサは、古よりの盟約により偉大なるグリードオーシャンのオブリビオン・フォーミュラ『カルロス・グリード』の鎧となる事に同意したらしいのう。こう、なぜ鎧とツッコむのは野暮なんじゃろうが」
ともあれ、これによってカルロスは幻朧帝の侵略新世界を用い、サクラミラージュに行う予定であった本来の目的を完遂するのだという。
「カルロスの生み出した侵略新世界の名は……『グリードオーシャン・アルゴ』」
オーシャンボールによって大地の殆どが水没し、ふたつめのグリードオーシャンと化した場合のサクラミラージュとのことだが、水没で故郷を失っているグリードオーシャン出身のカミーユにとっては思うところもあるのだろう。
「そこは幻朧桜の残骸が異世界の生命体を洪水を免れたかつての高地……『島々』に転生させた世界のようじゃ」
カルロスによると、グリードオーシャンもかつてはこのようにして生まれたらしく、海に沈む前の世界の名を、サクラエリュシオンと言うらしいが。
「どうでもいい話じゃな。重要なのはこの『侵略新世界』が終戦時点で未制圧だった場合、他世界の侵略に乗り出すという話の方じゃ」
逆に言うならそれまでに制圧が叶えばグリードオーシャン・アルゴが侵略によって他の世界へ出すであろう被害が防げるのだから。
「現在、グリードオーシャン・アルゴの9割ほどをも覆う大海原にはルロスの号令により多数の『オブリビオン海賊船団』が展開しようとしているようでのう」
カルロス・グリードを叩きのめすには、自前で船を持ち込んだり、近隣の島から船を拝借したり、飛翔して空中から攻め込んだりしてオブリビオン海賊船団を蹴散らし、旗艦に乗り込む必要があるのだとか。
「お姫さんとは皆の心の支えとなりその拳で絶望を物理的に排除する者ッ! わしも直々に出向きたいところなんじゃがグリモア猟兵としてのサポートとは両立出来んくてのう。グリードオーシャン・アルゴとやらが悪さを出来んようにするためにも――」
よろしく頼むぞいと続けるとカミーユは君たちに頭を下げるのだった。
聖山 葵
誰に担当を任せようか考えたら最終的にこうなりました。
という訳で今回はオブリビオン海賊船団の旗艦に陣取るカルロスに挑んでいただくお話となっております。
カルロスの戦闘能力に関しては表示されているモノをご参照ください。
また、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になるようです。
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プレイングボーナス:海上戦に適応する/海賊船団を素早く殲滅する。
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ではご参加お待ちしておりますね。
第1章 ボス戦
『カルロス・グリード幻朧態』
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POW : 海王の矢
【無限に広がりゆく大海】から無限に供給される【『死の海水』の矢】を、レベル分間射撃し続ける。足を止めて撃つと攻撃速度3倍。
SPD : 王錫海巨人
全長=年齢mの【『海水の巨人鎧』を纏った姿】に変身し、レベル×100km/hの飛翔、年齢×1人の運搬、【生命を蝕む呪いの海水拳】による攻撃を可能にする。
WIZ : インヴェイジョン・オーシャン
全身を【数万トンに及ぶ海水】で覆い、自身の【侵略への欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
イラスト:炭水化物
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ダーティ・ゲイズコレクター
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪なうえに
悪事の邪魔する
ワルにとってのワル
超ワル魔王ダーティとは私のことです!
あっ!大船団から降り注ぐ視線を感じる!ありがとうございます!
皆さんの視線は{ゲイズ・パワー}に変換して有効活用させていただきます!
凄い数の船ですね!水平線が見えません!
放火したら燃え広がりそうですね!試してみましょう!
『衝撃波』で起こした風を『念動力』で操り【姦悪!穢憎憐恋火】で燃え広がりやすいようにします!
カルロスさんは貯めた{ゲイズ・パワー}で作ったオーラの檻に閉じ込めて煮炊きます!
『オーラ防御』の応用です!悪知恵ですね!
「私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター!」
大海原へ展開する海賊船団を前に、転送されてきたばかりのダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)は名乗る。
「凶悪で極悪で劣悪で最悪なうえに悪事の邪魔するワルにとってのワル、超ワル魔王ダーティとは私のことです!」
船団に居る乗組員らのどこにまで聞こえているかはわからない。だが聞こえていなかったとしても自身らを指揮するカルロスの敵であることは間違いなく。
「あっ! 大船団から降り注ぐ視線を感じる! ありがとうございます!」
集まる視線に感謝を述べるダーティ。自身に向けられた視線を力とするダーティにとってはお礼を言ってしまうほど好ましい状況なのだろう、そしてもちろんダーティとて視線を集めて終わりでもない。
「凄い数の船ですね! 水平線が見えません! 放火したら燃え広がりそうですね! 試してみましょう!」
そんなダーティの宣言まで耳に出来た海賊船の船員は限られるだろうが、ダーティに動きがあれば何かが来るとはわかった船上は途端に慌ただしくなる。名乗った時点でダーティを敵と見なし砲撃の為に横腹を見せ砲門を開こうとするところまで行けた船も存在はした、だが。
「憎しみの膿を垂れる穢れた恋の臓よ! 今ひとたびの鼓動を鳴らし憐憫なる炎を揺らめかせ!」
砲撃よりもダーティが赤紫色の炎を放つ方が早かったのだ。更に衝撃波で起こした風を念動力で操り延焼を助ければ、砲撃の為に火薬を腹に抱いた海賊船がどうなるかなど明らかだった。
「「ぎゃあああっ」」
火薬庫に引火し船から火を噴いて折れる海賊船があれば、墜ちてきた燃える帆の下敷きになって絶叫を上げる海賊も居て。生じた海上の地獄はもはやダーティを阻むこと能わず。
「やってくれるな、六番目の猟兵達よ」
もちろんカルロスも黙ってやられるつもりはなく、この間に旗艦周囲の海水を引き上げ膨大な量の海水を身に纏っていた。遠目に見たダーティが放つ炎への対処としても水と言うのは一見悪くないように思える、ただ。
「いいえ、悪いことをするのはここからです!」
「なに?!」
ダーティはオーラを自身の放つ炎とカルロスが纏う海水との間に挟み込んで消化を防ぎ。
「ぐつぐつ煮えてください!」
オーラ越しに炎の熱だけがカルロスへ襲い掛かるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
機神搭乗
ハ…このおかっぱ野郎!
もくもく爺とランデブーとはいい趣味してやがるな!
だがソウルブラザーのせいきしっぷりと比べればまだまだだ!
「カルロス君も携帯温泉持つべきだぞ☆」
【情報収集・視力・戦闘知識】
周辺状況と敵の能力と陣形と海賊船団の位置を捕捉
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で熱源と音を隠蔽
【空中戦・念動力・弾幕・スナイパー】
UC発動
超絶速度で飛び念動光弾を乱射して海賊船団を殲滅し
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
カルロスに鎌剣で襲いかかる
死角から連続斬撃を叩き込み
武装から手に持ってるオーブとか金目の物は根こそぎ強奪強奪!
序に海賊船のお宝も強奪強奪強奪!!
エミリィ・ジゼル
なんか海の王者っぽく振舞ってますが、カルロスはしょせん敗北者。
グリシャンの戦争であれだけ懲らしめたのに、まだそのことを理解してないおバカさんに、改めて誰が海の支配者か思い出させてやりましょう
さて、海と言えばサメの領域であることは言うまでもありません。となれば愛鮫であるサメ子の出番です
サメ子に乗り、自慢の【高速泳法】を駆使して戦場を駆け巡りながら、UCを発動。竜巻をまとったサメ子でもって、海賊船団たちを次々と轢いていきます。
轢くというとやや語弊がありますが、ようは超高速の竜巻をまとったサメで体当たりしていくわけです
最高時速15600km。マッハ13を超える速度ですべてを海の藻屑にしてやりましょう
「なんか海の王者っぽく振舞ってますが、カルロスはしょせん敗北者」
加えて身に纏う海水を沸騰させられダメージを負った直後でもある。エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)の向ける視線に乗るなと止める配下もカルロスの付近に居ないのは攻防のすぐ後でもあるからか。
「ハ……このおかっぱ野郎! もくもく爺とランデブーとはいい趣味してやがるな!」
その一方で、界導神機『メルクリウス』のコクピット内に居るカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)もカルロスを嘲り笑う。
「だがソウルブラザーのせいきしっぷりと比べればまだまだだ!」
笑った上でどこかの緑髪の嬢ちゃんに流れ弾ぶっ放してる気がするんじゃが、ワシの気のせいかのう。
「カルロス君も携帯温泉持つべきだぞ☆」
|カシムの登場する機体《メルシー》の方が何か言ったような気もするが、カルロスは無言のままに片手を上げた。
「……やる気ですね。グリシャンの戦争であれだけ懲らしめたのに、まだそのことを理解してないおバカさんに、改めて誰が海の支配者か思い出させてやりましょう」
エミリィの言は呼びかけか独言か。いずれにしても先ほどのカルロスの動作を合図とするように海賊船らも動き始めており。
「あのおかっぱ野郎と言えば『七の王笏島』でも戦いましたか」
「あの時は指輪貰ったんだっけ?」
乗機と言葉を交わすカシムにも攻撃態勢を取ろうとする海賊船は見えていたが、そこに焦りの色は全くない。周辺状況や海賊船団の位置は把握済みの上、光学迷彩をもって|自身の乗る機体《メルクリウス》は海賊らの視界から消そうとしていたからだ、加えて。
「加速装置起動……メルクリウス……お前の力を見せてみろ……!」
些少ではなく数が居たところで海賊船らに急加速したメルクリウスを捉えられるはずもない。光学迷彩にも惑わされまともにメルクリウスを狙えなかった海賊船の砲は火を吹けても見当違いの方に飛び。
「さて、海と言えばサメの領域であることは言うまでもありません。となれば愛鮫であるサメ子の出番です」
カシムらが海賊船団を翻弄している間にエミリィは|騎乗用の愛鮫《サメ子》へ跨り、きっと前を向いていた。
「見方も居るようですが、たぶん大丈夫でしょう」
合図の様に軽くサメ子の背を叩けば、竜巻を身に纏ったサメ子が進み出し。
「さっ、さべっ?!」
「いまなんか轢きました?」
行く手を塞ぐ位置に居た海賊船を乗組員ごと粉砕してエミリィが首を傾げる。
「たぶん鹿です。そういうことにしましょう。なんだか最近鹿が流行りと聞きますし」
大海原に鹿ってとツッコミを入れる者もない。船の残骸とこと切れた海賊たちが浮く海面を残し、マッハ13を超える速度で竜巻を纏うサメとそれに乗ったエミリィが突き進んでゆく。
「おい、あんなのどうしろって」
「んなこと言ってる場合か! くぶ」
もはやサメ型の災害と言って過言でないソレに顔を引きつらせ、叫んだ仲間を叱りつけようとした別の海賊は叱った仲間ごとばら撒かれる念動光弾に消し飛ばされ、乗艦も穴だらけとなって沈んでゆく。エミリィたちにたまたま狙われなかったという幸運があろうとも、相手は一組ではないのだ。
「沈み切る前にお宝は回収しておくね、ご主人サマ」
コクピット内へ話しかけるメルシーへぞんざいに応じつつカシムが見るのは船団の旗艦。
「向こうに気を取られてるようですからね」
ポツリ呟くカシムの目は敵旗艦の甲板の上、死の海水で出来た矢をエミリィたちに向け連射し牽制するカルロスを見ていた、故に。
「貰いましたよ!」
死角からの強襲。連続の斬撃は届くと確信し。
「ぐおっ」
実際、傷を負ったカルロスは即座に海水の巨人鎧を纏った姿へと変貌する。
「っ、仕留め切れなかったか」
拳を握り固め繰り出してくる海水の拳に嫌な感じを覚えたカシムが鎌剣の先に強奪品をぶら下げて機体を後退させると。
「ごはっ」
メルクリウスに殴りかかろうとしていたカルロスは後ろから迫って来たサメ子に跳ね飛ばされて宙を舞ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
厄介な相手ですが、何とか?
『FLS』で|全『祭器』《未装備含》召喚、『FTS』内の『戦神艦』を取出し『虚音』を融合、足場兼海上戦用に用いまして。
『FAS』で『艦』の上を低空飛行、『FLS』の空間歪曲障壁で守りつつ【乳壓覃】を発動しますねぇ。
船団の『船』自体を『装備』とし『圧壊』させられれば最良、最低でも重力域で『喫水線』を割らせれば、浮力を維持出来ず沈みますぅ。
【海王の矢】は空間歪曲に、錘状に展開した『FMS』を重ね受け流し、危険な場合は『FIS』の転移で『艦』ごと退避しますねぇ。
後は『重力域』にカルロスさんを巻込みつつ、『FRS』と『艦』の[砲撃]を重ねて叩きますぅ。
シノギ・リンダリンダリンダ
我が|玩具《しゅくてき》、カルロス・グリード!!
同じ世界の者として。同じ強欲の者として
ここでしっかりと、お前から世界を略奪してあげましょう!
さぁ、海賊の時間です!!
【スーパーパワフルおシノギちゃん号】に変身
海上戦も、航海術も、大海賊にはお手の物
さらにそこに海賊船と一体となった大海賊がいれば負けるはずがありません
黄金化の呪詛を込めた大砲を連射し船団を黄金化させて沈めていく
勿体ないですが、後でサルベージすれば問題ありません
海をどんどん黄金色に変えながら、カルロスの元へ!
膨れ上がった呪詛は、海水の矢も黄金へと変えます
黄金になった矢を巨大アームで投げ返しながら、その拳を!叩き込む!!
さぁ、お祭りです!
「我が|玩具《しゅくてき》、カルロス・グリード!!」
ビシッとシノギ・リンダリンダリンダ(|強欲の溟海《グリードオーシャン》・f03214)が指さすのは、グリードオーシャン・アルゴが海面、そこにカルロスは確かに居た。こう、跳ね飛ばされて玩具のように宙に舞った後で水柱を立てて海に落ち、ようやく浮かんできたというような状況ではあるのだけど。
「……既に割と無様な感じになってますが、まあいいです。同じ世界の者として。同じ強欲の者として。ここでしっかりと、お前から世界を略奪してあげましょう!」
考えようによっては味方の攻撃でカルロスが海ポチャして間もない今の状況は好機とも言える。
「私自身が、船になりましょう。さぁ、海賊の時間です!!」
召喚した海賊船シャニムニーと一体化し、甲板から巨大な上半身を生やしたシノギは黄金化の呪詛を込めた大砲を連射しながらカルロス目掛け突き進む。
「厄介な相手ですが、好機のようですし、何とか?」
そんな光景を視界におさめつつ祭器の数々を召喚した夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は|召喚した祭器の内の一つ《浮遊する6基の宝玉》から取り出した|掃海艦兼司令母艦《戦神艦》へ乗ったままこれを|漆黒の刀身の脇差《虚音》と融合させると、|3対のオーラの翼《FAS》を用いて艦の上へ飛び立つ。
「さて、次はぁ」
とは言っても低空飛行と呼べる程度の高度を保ち、|浮遊する16枚の札《FLS》で空間歪曲障壁を展開しつつ祈りを捧げ始める。
「ち、畜生こんな時に――」
海賊船団が万全の態勢ならるこるがそうして戦いの準備を進めることを許さず砲撃の一つでも放ってきたかもしれない、だが。
「ぎゃああっ?!」
「船が、沈むぅぅぅっ!」
船団は今、海賊船シャニムニーと一体化したシノギによる砲撃を受けていたのだ。砲弾が命中して黄金化し始めた海賊船は損傷が致命的でなくとも浮力を保てず沈み始めて反撃だのるこるへの攻撃だのをしている余裕など皆無だった。
「勿体ないですが、後でサルベージすれば問題ありません」
と言ったスタンスでシノギは傾き始めた船には見向きもせず、海面へ浮かぶカルロス目掛け一直線。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その裁きの徴標をここに」
結果として、るこるの祈りは妨げられず、るこるの周囲を覆った乳白色の光は放射され、一帯の重力が極大化された。
「ひぎぇ」
「なん、ぶ」
巻き込まれた海賊たちはたまったものではない。
「って、さっさと決着つけねぇとヤバいですね」
そして乳白色の光が敵味方を判別するモノでもないが故に自身へ向けられる海水の矢も黄金へと変えつつカルロスに迫るシノギの後方もまた地獄だ。高まった重力に海水が引き寄せられ、結果として海に浮かぶモノはことごとくそちらに引き寄せられているのだ。もちろん海面に落ちたカルロスも例外ではない。
「ぐっ、このままでは」
「さぁ、お祭りです!」
重力に引っ張られたこともあってあっという間にシノギの間合いに引き込まれることになったカルロスに巨大なシノギの上半身が繰り出す拳を避ける術はない。
「ごっ」
巨大な拳で海に叩き込まれたカルロスが向かう先は決まっていた。海水諸共に重力に引っ張られ。
「このまま叩きますぅ」
戦神艦と砲台に変えた|浮遊する20台の球体と対になる一対の腕輪《FRS》による砲撃が圧縮されゆく海水ごとカルロスへ炸裂し、爆発の中でカルロスは断末魔すらあげられずに押しつぶされる。こうしてこの戦いは猟兵たちの勝利で幕を閉じたのだった。
大成功
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