●
幻朧帝イティハーサよ。
古よりの盟約により、この私、カルロス・グリードの鎧となれ。
これよりこの|桜花幻朧界《サクラミラージュ》は、我が手によって『グリードオーシャン・アルゴ』へと生まれ変わる。
大地のほとんどは水没するだろう。そうして幻朧桜の残骸が、異世界の生命体を高地――『島々』へと転生させていくのだ。
かつてはグリードオーシャンも大地の世界だった。|櫻の楽園《サクラエリュシオン》が海に沈み、残った『島々』がうち並ぶ、其れがグリードオーシャンの正体なのだ。
さあ、出航せよ海賊船団。我らはこれより世界へと旅立つのだ。
見ているか、女神オーシャン。この世界を汝に捧げ、我は他の世界へと抜錨する――!
●
「ついに出たね、幻朧帝イティハーサ」
ヴィズ・フレアイデア(ニガヨモギ・f28146)は白磁の扉を背に猟兵に語る。
「だが今回の敵は彼じゃない。カルロス・グリードはイティハーサとむかしむかーし、“イティハーサをカルロスの鎧とする”契約を結んでいたようだ。つまり今回の敵はカルロス・グリードって訳。彼はこの世界を“第二のグリードオーシャン”へ変えようとしている。そんなの許す訳にはいかないよね」
イティハーサの“新世界を創造する”能力によって、第二のグリードオーシャン――『グリードオーシャン・アルゴ』は孵化し、実体化しようとしている。其の前に新世界を叩き潰さなければ、カルロス・グリードは他世界を侵略しようと乗り出すだろう。
「カルロスはオブリビオンの海賊船団を率いて『グリードオーシャン・アルゴ』の大海原に展開している。だからあたしのグリモアも、其の海賊船団の戦場へ直接つなぐことしか出来ない。どうにか船上を渡り、カルロスへと肉薄するんだ。いいね」
勿論、自前の船を持ち込んだり、飛翔能力を用いても良い。重要なのはカルロスを叩き潰す事だ、と魔女は言う。
――白磁の扉が開く。生まれたばかりの新世界は、潮の香りがした。
key
こんにちは、keyです。
Weigh anchor!
●目的
「カルロス・グリードを斃せ」
●戦争シナリオ
今回のシナリオは1章で終わる「戦争シナリオ」です。
お誘い合わせの方以外は、基本的にお一人ずつの描写になります。
●追加特殊ルール『侵略新世界』
終戦時点でこの戦場が未制圧だった場合、侵略新世界『グリードオーシャン・アルゴ』は他世界の侵略に乗り出します。
●プレイングボーナス!
「海上戦に適応する」
「海賊船団を素早く殲滅する」
●場所・敵
幻朧帝イティハーサが作り出した新世界の一つ『グリードオーシャン・アルゴ』です。海のド真ん中です。
二つ目のグリードオーシャンと化した場合のサクラミラージュであり、異世界の生命体を『島々』へと転生させた姿をしています(多分何処かに帝都タワーみたいな島もある事でしょう)
元のグリードオーシャンも実は大洪水によって変容した世界だとカルロスは語りますが、其れは其れ。サクラミラージュが本当に水没してしまう前に、この侵略新世界を叩き潰さなければなりません!
オブリビオン海賊船団の中央部にいるカルロス・グリードへ肉薄し、撃滅しましょう!
●プレイング受付
オープニング公開後からプレイング受付開始です。
物理的に送れなくなるまで受け付けております。
●
此処まで読んで下さりありがとうございました。
皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『カルロス・グリード幻朧態』
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POW : 海王の矢
【無限に広がりゆく大海】から無限に供給される【『死の海水』の矢】を、レベル分間射撃し続ける。足を止めて撃つと攻撃速度3倍。
SPD : 王錫海巨人
全長=年齢mの【『海水の巨人鎧』を纏った姿】に変身し、レベル×100km/hの飛翔、年齢×1人の運搬、【生命を蝕む呪いの海水拳】による攻撃を可能にする。
WIZ : インヴェイジョン・オーシャン
全身を【数万トンに及ぶ海水】で覆い、自身の【侵略への欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
イラスト:炭水化物
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
エミリィ・ジゼル
海のど真ん中が戦場であろうと問題ありません。そう、鮫魔術師ならね。
というわけで、海戦です。ということは、サメの出番です。
サメなんてどこにもいない?ならサメにすればいいじゃない。
さて、肝心の戦闘方法ですが、今回は自慢の【水中機動】と【高速泳法】を駆使して海賊船団の間を掻い潜り、UCでサメ浸食因子を撒き散らそうと思います。
このUCはサメぐるみを着ていない者すべてをサメにします。サメになったら操れます。鮫術師なので当然ですね。
そうしてサメにした海賊たちをカルロスに次々とぶつけ、攻撃と戦力低下の一挙両得作戦で戦場のアドバンテージを確保していきます。
鮫魔術師に海上戦を挑んだこと、後悔させてやるぜ!
●
エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)は鮫魔術師である。鮫魔術師って何かって? まあまあ、これからの彼女の奮戦ぶりを見れば判るだろう。
「海のド真ん中が船上であろうと問題ありません。海戦ですね? という事は鮫の出番です。……え? 鮫なんて何処にもいない? なら鮫にすればいいじゃない!」
なんだこのジャーマンスープレックス論法は。暴論にも程があるけど妙に説得力があるだけに厄介だぞ。
サメぐるみを着たエミリィは素早く海の間を奔る。海賊船団とはいえ、船が身動きを取れる程度の隙間はある。其の間をすり抜けて敵の砲弾を躱しながら、エミリィはユーベルコードを発動した。
このユーベルコード、非常に厄介なものである。サメぐるみを着ていないものはなんと。|全て《・・》! |鮫になってしまう《・・・・・・・・》のである!
次々と魚類になっていってしまう、オブリビオンの海賊たち。鮫しかいない水族館みたいだぁ……
そして此処からが鮫魔術師たるエミリィの本領発揮。そう、鮫魔術師とは鮫を操る魔術師。つまり……鮫になってしまったオブリビオンすら彼女の支配下なのである! なんだこの戦術ずるい!!
「な、鮫の群れ……!?」
これには流石にカルロス・グリードも吃驚。いやそれ、元部下たちなんですよ。
凄まじい量の海水を纏ったカルロスに次々と鮫たちが特攻をかましていく。其れは攻撃であり、戦力を漸減する一石二鳥の作戦だ。やっぱりずるいよこの鮫魔術師。
「鮫魔術師に海上戦を挑んだ事、後悔させてやるぜ!!」
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
なるほど、そのようなものか…。だとすれば、四悪霊が呪うに値する。
誰ぞの故郷を、滅ぼすことであるからな!
で、着いたら即UC使用。海賊船団は…適当に雷で打ちつつ、通過しよう。
船団なれば、それに比べて小さいわしを追いかけるのは、骨であろうしな。
で、カルロスよ。死の海水とは言うが。悪霊にどうやって死をもたらす?
そうでなくとも…雷で呪詛を与えての生命力吸収。そして、ジグザグに飛んでからの体当たりよ。
あ、ちなみにな。こっそり陰海月が後ろからパンチすると。
※
陰海月「ぷ!」
コンキスタドール大嫌い怪力パンチ!船団?泳いで無視したよ?
●
「成る程、其のようなものか……」
ばちん、と音がする。たちまち上空に暗雲立ち込めて、雷が船団へと振り落ちる。其の中を馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)――翼の生えた虎が疾駆していく様は、いっそ大陸で描かれる天罰の図に似ているのかもしれない。
義透の表層には『侵す者』が出て来ていた。そうして虎らしくなく、にやりと笑う。
「だとすれば、カルロス・グリード――我ら四悪霊が呪うに値する! 誰ぞの故郷を、滅ぼす事であるからな!」
「来たか……猟兵よ。雷も貴様らの仕業だな? どうだ、この光景は。貴様らもよく知るグリードオーシャンの景色そのままだろう」
カルロスは辿り着かれても眉一つ動かさない。其の足元に死の海水が渦巻いて、矢の形をなしたかと思うと義透の胴体を貫いた。
「――ぐ……は、ははは、はは」
「……何がおかしい?」
「これはおかしくて笑いも止まらぬというもの……我らは悪霊。|どうやって死を齎す《・・・・・・・・・》? 我々にとってこの程度は、水遊びの域を出ぬという事! そして、カルロスよ。お主にも判るであろう。其の雷にたっぷりと込められた呪詛を」
羽生えた虎は駆け出す。其れこそ一条の雷となったが如く、ジグザグに飛んでカルロスの視界から消える。
「……小賢しい……!」
「ぷ!!」
「な!?」
後ろからどかん、と何かに殴られて、カルロスは思わず振り返った。
其処には海月が一匹いた。なにやら怒っている様子で、ぷうぷうと鳴き声を繰り返している。
「はははは! 陰海月もお主を許しがたいようだ!!!」
其の声は間近にて。
虎の体当たりを真正面から受けたカルロスは、見事に吹き飛んだ。
大成功
🔵🔵🔵
ダーティ・ゲイズコレクター
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪なうえに
悪事の邪魔する
ワルにとってのワル
超ワル魔王ダーティとは私のことです!
古よりの盟約ってことはとっても長い間、この悪事を準備していたってことですよね!
それを邪魔しちゃう私って超ワルですよね!?
テンション上がってきました!
({守護霊狼ダーティ・ストーム}を召喚する)
ストームちゃん!私は【醜悪!邪王穢澱烙印槍】で大船団のど真ん中に突っ込んで
カルロスさんに超接近するのでついてきてください!
そしてカルロスさんの前で私に変身して『変わり身』になって攻撃を受け止めてください!
私はその隙に{ブライトホーリーランス}を投擲して串刺しにします!
●
――私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター! 凶悪で、極悪で、劣悪で、最悪で、其の上人の悪事は邪魔しちゃうワルにとってのワル!
超ワル魔王ダーティとは私の事です!
古よりの盟約ってことは、とっても長い間かけてこの悪事を準備していたって事ですよね。其れを邪魔しちゃう私って……超ワルじゃないですか!? テンション上がってきました!
カモン、ストームちゃん! あ、ストームちゃんっていうのは私の相棒で、狼の形をしているんですよ! 赤ちゃんのお世話から空き巣まで何でもござれなんです!
さあストームちゃん、私は真正面から船団に突っ込みます! ついてきてください! ユーベルコード発動!
――ああ、感じます……私の姿を皆が見ている。私は視線誘導の悪魔、私を見ずにはいられないでしょう? さあ、其の視線も、身体も、串刺しにして差し上げましょう!
戦場を滑るように飛べば、周囲が魔力の余波で吹き飛んでいきます。
余所見なんて許しませんよ、誰も彼も、カルロス・グリードだって!
「迎え撃て」
ですがカルロスも一筋縄では行きません。海水で生成した矢が手足に突き刺さります。じわりと浸食するような痛みは、ただの海水ではないようです。
そうしてもう一度カルロスが手を挙げたところで――
「ストームちゃん!」
共に風のようについてきてくれていたストームちゃんが、私の変わり身になって私を庇ってくれます!
さあ、数多の視線を集めた分の魔力、今こそ放出する時です!
海水の矢がストームちゃんを突き刺しますが、ストームちゃんは不滅。消える事はないのです!
召喚するのはブライトホーリーランス……聖なるエネルギー体の槍です。え? ワルには似合わない? いいんです! ワルだって聖なる武器を持つことがあるんです!
こほん。わたしは魔力の全てを懸けて其れを振りかぶると、カルロス目掛けて投擲しました!
変わり身の陰からこれが飛んでくるとは思わなかったのでしょう。カルロスを護る白い鎧のようなものが代わりにランスを受け止めました。
「……う、ぬ、ぬおおおおお……!」
カルロスらしくもない悲鳴ですね。ああ、これは恐らく幻朧帝イティハーサのものでしょう。
悪事を潰す! これって、凄いワルですね! 私、わくわくしてきました!
大成功
🔵🔵🔵
愛宕院・燐樹
これはこれは…大変に食い荒らし甲斐のある船団ですわね?
放っておけば数多の世界の害となる代物、叩き潰すに容赦など不要。
ええ、盛大に暴れさせてもらいましょう♪
ということにて変転・死血殺界を発動。
この地の海水も結構な呪いの代物のようですが、わたくしの雨も相当ですのよ?
弱卒なればこれのみにて仕留め得ますから、これに耐える敵を幽照主の触手で【なぎ払い】或いは強化した拳で殴り倒しつつ、カルロスを目指しましょう。
さてカルロスは海水を纏って強化を成しておりますか。
これ程の海水に飛び込むは厳しいですが…生憎わたくし、遠間からの直接攻撃も可能ですのよ。
鬼界妖刀「姫喰」。彼の背後へ直接切先を繰り出す【騙し討ち】を。
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「ふふ、これはこれは……大変に食い荒らし甲斐のある船団ですわね? 放っておけば数多の世界の害となる代物、叩き潰すに容赦など不要」
盛大に暴れさせて貰いましょう、と淑やかな見目に反した言葉を放つのは愛宕院・燐樹(紅珠媛・f06887)。其の瞳を肉食獣よろしく細め、まさに“狩る者”としての視点で海賊船団を見回す。
「ああ……雨が降りますわ。皆さん、傘は持っていらして? 持っておられなければ……貴方がた、この海に飛び込むのと同じ事ですわよ?」
有象無象のオブリビオンたちも、雨に気付くがもう遅い。燐樹が降らせた雨は血色にオブリビオンを濡らし、呪詛をじわりじわりと塗りこめていく。
そうして燐樹は其の中をしなやかに歩く。彼女にこうべを垂れるように、次々とオブリビオン達が膝を突いていく。
「――あら。流石は元フォーミュラといったところかしら。呪詛に耐える術をお持ちですか」
「我は今やオブリビオン・フォーミュラ二体分の力を付けている。小雨程度の呪詛えは我に傷一つ付けられない」
辿り着けば、カルロスは既に全身を海水で覆い、呪詛の雨を海水でもって打ち消していた。
「ほほほ……其の言葉、とっても頼もしい限りですわ。そう簡単に食い千切られてしまっては、狩り甲斐がないというもの。ですがわたくし、」
――遠距離からの直接攻撃も可能ですのよ?
燐樹の美貌が妖しく笑む。
はっ、と振り返ったカルロスの脇腹を、およそ人間には持てないような大太刀が深く抉っていく。其の大太刀はまるでバターのように海水を裂き、カルロスが纏う水を真紅に染めた。
「鬼界妖刀“姫喰”。どうです、わたくしの牙は。とても素敵でしょう? どこからでも斬り分けて差し上げてよ?」
「小賢しい……!」
大成功
🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
この戦いが始まった時、カルロスは言っていたな。「サクラミラージュを引き剥がす」と
それがこういう事とは思わなかったが……どちらにせよさせるつもりはないからな
神刀の封印を解除。神気によって身体能力を強化すると共に、神脚【無依】により水上歩行を可能とする
尤も時間無制限で自由自在とはいかないので、基本的には海賊船から海賊船へと移動していく形
肆の秘剣【黒衝閃】を船に叩き込み、その衝撃で敵もろとも船を沈めてやり
さらに水柱で自身の姿を晦ませる事でカルロスからの攻撃を躱しつつ別の船へと移動
不意打ちで敵の調子を乱しつつ、最終的には真正面から矢を切り払いカルロスの元へ接近
カルロスとイティハーサを纏めて叩き切ろう
●
この戦いが始まった時、全ての猟兵の脳裏に過ぎった予兆でカルロスは言っていた。
“サクラミラージュを|引き剥がす《・・・・・》”と。
「其れがこういう事とは思わなかったが……どちらにせよ、させるつもりはない」
夜刀神・鏡介(道を貫く一刀・f28122)は神刀の封印を解除し、神気を足元に集中させる事で水面を疾駆する。
そうして跳躍すると、船団への電撃戦を敢行した。
オブリビオンたちが反応して武器を持つ前に、鏡介は跳躍した空中で武器を構え――
「肆の秘剣」
黒衝閃。
其れは至極単縦な、火の型からの振り下ろしである。だが、単純であるが故に重い。大地をも穿ち、衝撃波を起こす神刀の一撃は、オブリビオン船団の末端にあった船を真っ二つにして沈めるに至った。
「全く、派手な事をしてくれる。――オブリビオンの船員も無限ではないのだがな」
「!」
幻朧帝イティハーサの力を鎧い、中空に浮かんで鏡介を見ていたのはカルロスだった。死の海水が彼の周囲で矢となって渦巻いて、鏡介へと放たれる。鏡介は再び脚部に纏わせた神気で中空を蹴り、其れを躱していく。ジグザグに跳び、時折船団で神気を休ませつつ、中空にいるカルロスへと肉薄する。
「――海が恋しいなら、サクラミラージュを書き換えるよりグリードオーシャンに帰ったらどうだ?」
「痴れた事を。あの地には他の世界へ侵略する力が足りん。我はこの侵略新世界の力で、あらゆる世界を手中に収めるのだ」
矢が放たれる。正に光のような速さの其れを神気を纏った鏡介は斬り捨て、斬り捨て、そうしてカルロスに接近し……
「なら、この侵略新世界とやらと共に沈め」
肆の秘剣、黒衝閃。
カルロスとイティハーサを纏めて叩き斬る其の一撃は真下にあった船を轟沈させ、カルロスの身体に真一文字の深い傷を残した。
大成功
🔵🔵🔵
四王天・燦
飛空艇・フォックステイル号で上空から爆撃かまして艦隊を沈めてくれる
逢魔弾道弾なり地対空ミサイルがきたら弾幕張って防衛するぜ
カルロスが纏う海水量に海、そしてその象徴たる女神様さえ手中に収めたい底なしの強欲に同情を覚えるよ
だからって世界を女の子への貢ぎ物にさせられねーし、喧嘩で決着つけようぜ
【真威解放・神鳴】でこっちも雷パワー纏って飛翔する
飛び散る海水の合間を見切って空中戦を展開するよ
海水の壁を斬る際に内部に斬撃波を飛ばしてカルロス本体を攻撃するぜ
飽和攻撃が来たら覚悟を決めて本体目指して海水内に突撃
オーラ防御で圧殺に耐え、少しでも近距離から斬撃波をくれてやる
先に死ね
アタシはまだ生きたい欲があるんよ
●
飛空艇が飛んでいる。
海を侵略するのがカルロスの海賊船団ならば、空を侵略するのは四王天・燦(|月夜の翼《ルナ・ウォーカー》・f04448)の飛空艇・フォックステイル号だ。
「為す術なく燃えろ! 爆撃開始!」
燦の合図に合わせて、フォックステイル号が爆撃を開始する。船が一つ、二つと傾いていく。
しかし海賊船団もやられてばかりではない。機銃を回し、弾丸を飛空艇に向けて放つ。飛空艇からも弾幕が展開され、船団と飛空艇はせめぎ合う。
其の中央を飛翔するのは、戦巫女の装束に身を包んだ燦だった。神刀“神鳴”を解放し、雷を纏って飛ぶさまはまさに飛ぶ鳥をも落とす勢いだ。
一方でカルロスは既に戦闘準備を整えていた。海水がありえざる動きで巻き上がり、カルロスの鎧となっていく。
――纏う海水量に海、そして其の象徴たる女神様さえ手中に収めたい底なしの強欲に同情を覚えるよ。
――だからって、世界を女の子への貢物にはさせられねーんだ
「喧嘩で決着付けようぜ、カルロス!」
雷纏う燦が刀を振るい、海水の壁に突き立てる。生まれた斬撃波が海を削り、カルロスの身体に傷を付けた。
「……侵略新世界に貴様らは不要だ、猟兵。この海ではない、骸の海へと征くが良い」
「死ぬならお前が先に死ね! アタシはまだ生きたい欲があるんよ!」
言うと燦は自らの身体ごと|海水の壁へと突撃する《・・・・・・・・・・》。張ったオーラがみしみしぺきぺきと音を立てる。少しでも近く、と藻掻いて、神鳴を振るう。其れは燦が生きるための道を切り開き、カルロスの身体に更に深い傷を付けた。
大成功
🔵🔵🔵
凶月・陸井
相棒の時人(f35294)と
全部終わらせる為にも
世界を救う為にも俺達は行くよ
必ず、カルロス・グリードまで辿り着く
「あぁ、往くぞ、時人!」
「ククルカンも、宜しくな」
いつもなら二人で飛んで向かうけど
今回は海上戦への適応は時人に任せて
俺は船団の殲滅を最優先にする
「それじゃあ、脚は任せるな」
騎乗は俺も慣れてるから問題なしだ
敵の攻撃には相棒達の回避と
俺の射撃で矢を撃ち落とす
「そんな攻撃、当らない!」
敵の攻撃の間に【戦文字「死龍葬弾」】で
生み出した弾丸を装填し一撃の準備
近づいたら俺の番だ
「任せとけ!」
相棒が召喚した子に飛び乗り
敵の船団を薙ぎ払うように文字を放つ
「これで終わりだ!沈め、カルロス・グリード!」
葛城・時人
相棒の陸井(f35296)と
皆が幾ら倒しても戻ってきたのはこれが理由か
「けど此処までだ」
不死帝もカルロスも倒す
単純でも絶対の勝利条件
「できるのは猟兵だけだ…往こう!」
「踏破は任せてよ」
UC白燐武空翔で|白燐蟲《ククルカン》を呼び騎乗
「頼りにしてる!頑張ってね!」
首を叩いて言うと鳴いて肯ってくれる
「陸井、乗って!」
陸井も自分の龍で慣れてるから騎乗は問題ない
超速で海水が襲って来るけど
「舐めるな!」
飛翔する蟲のギリギリの回避に防御技能も駆使し
激速の強い翼でみるみる船団が近づく!
「デカイの頼む、陸井!」
此処で高速詠唱でもう一匹を召喚!
「行って!」
俺も全速突撃!
海の藻屑になるがいい!カルロス・グリード!
●
「時人、全部終わらせよう」
そう言ったのは凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)だった。相棒の葛城・時人(光望護花・f35294)も頷き、
「皆が幾ら斃しても戻って来たのはこれが理由だったんだな。けど、此処までだ。不死帝もカルロスも斃す」
「ああ。単純でとても判りやすい」
そして其れが出来るのは猟兵だけだ。この戦役に終止符を打つために彼らは打って出る。
――全部終わらせるために。世界を救うために、征こう。
|白燐蟲《ククルカン》に時人は騎乗した。ぽん、と其の頸筋を叩くと、頼りにしてる、と呟いて。
「陸井、乗って!」
「ああ! 脚は任せた!」
普段なら二人とも得意なものに騎乗して移動するのだが、今回は海上戦での適応は時人に任せてある。陸井はただただ攻撃を放ち、船団の壊滅を最優先にするのだ。
「この船団も壊滅が著しいか――我が出る。船団の隊形を崩すなよ」
カルロス・グリードもまた、『海水の巨人鎧』を纏った姿に変身し、船上から戦場へと飛び立つ。
|白燐蟲《ククルカン》が警告音で鳴く。なにか、とても速いものが近付いている!
「陸井、向こうさんのお出ましだ! いけるか!?」
「ああ、行ける! 時人は回避に集中してくれ!」
凄まじい速さで肉薄した水鎧のカルロスが、陸井と時人の脚――|白燐蟲《ククルカン》目掛けて拳を振るう。
陸井は其の大きな的目掛けて弾を撃った。勿論ただの弾ではない、四つの「龍」を繋げた漢字ぶんの画数の威力を圧縮した弾丸だ。
まるで弾丸と弾丸がぶつかり合うような音がして、拳の軌道が逸れる。其の瞬間を見計らい、時人は素早く|白燐蟲《ククルカン》でカルロスから距離を取った。
「なめるなよ、カルロス・グリード! これくらいで沈む程、俺の|白燐蟲《ククルカン》はヤワじゃない!」
「ほう? ではどれだけ耐久出来るか、根性比べといくか。我は既に錨を上げた船――貴様らはどうだ? 撃ち砕かれる藻屑か? 其れとも、我をも飲み込む海獣か?」
「そりゃあ勿論」
「お前を飲み込む獣だ!」
時人が|白燐蟲《ククルカン》をもう一体召喚する。そうして陸井は素早くそちらへ飛び移ると、文字を中空に描き、カルロスへと放つ。
「この程度――」
「こっちだ、カルロス!!」
時人だった。
|白燐蟲《ククルカン》に乗り、全速力でカルロスへと肉薄する。
異なる方向からの二撃。カルロスは猟兵と戦ってきて初めて、苦い顔をした。
時人の|白燐蟲《ククルカン》と陸井の文字が、カルロスの胴体に十字の傷を作る。痛い、と悲鳴を上げたのは、彼の鎧となった幻朧帝イティハーサであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シノギ・リンダリンダリンダ
あぁ、カルロス・グリード!
お前は、お前は私の玩具になるだけで飽き足らず、新しい世界を、新しい|強欲の溟海《グリードオーシャン》を、私にくれると言うのですか!?
グリードオーシャンが元は何だったとか、戦争がどうとかは今は関係ありません
お前から全てを略奪する。大海賊にとっての最優先事項はそれだけです
【幽玄な溟海の蝗害】を使用
大海原で、己の船に乗って蹂躙。そこに己の無敵さに疑念を抱くなんて不可能です
ついでに召喚した死霊に砲門を任せつつ、航海術、集団戦、蹂躙に長けた私に船団なんてただの案山子です
王笏の船に己の呪詛を込めた砲弾を撃ち込みまくりつつ、黄金の弾でスナイピング
お前の世界を、略奪させてください!
●
「あぁ、カルロス・グリード!」
大海原。海賊船“シャニムニー”の甲板に立ったシノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)は両腕を広げ、興奮冷めやらぬといった風に声を上げた。
「お前は……お前は私の玩具になるだけでは飽き足らず、|新しい世界《・・・・・》を! 新しい|強欲の溟海《グリードオーシャン》を、私にくれると言うのですか!?」
シノギにとって、其の海が“元は何だったのか”という疑問は意味のないものだ。例え|櫻の楽園《サクラエリュシオン》であろうとも、|櫻花幻朧界《サクラミラージュ》であろうとも、彼女にとって海は故郷であり愛すべき宝。
だから、ただただシノギは侵略し、略奪するだけなのだ。カルロス・グリードという男から全てを奪い取り手中に収めねば気が済まない。其れがシノギ・リンダリンダリンダという海賊だった。
「さあ、行きましょうシャニムニー! 36の世界を駆けましょう、略奪の限りを尽くしましょう! あのカルロス・グリードからの“貢物”を――受け取りにいかねばなりません!」
死霊たちが砲門に砲を込め、撃ち放つ。既に半壊滅状態にあったオブリビオン海賊船団は其れに反撃する事もままならない。王笏の船に呪詛を込めて砲弾を撃ち込み、其の豪華な威容を辱めていく。ああ、たまらない、この全てが壊れていく様! 一方的な侵略、略奪、この瞬間の為にきっと私は生きている!
「カルロス・グリード――此処までご苦労様でした。さあ、渡して下さい。|お前の世界《・・・・・》を、略奪させて下さい!」
船上から船上への砲撃が飛び交う中では、カルロスの海水の矢も巧く照準を合わせることが出来ない。更にこれまでの猟兵との交戦で出来た傷もある。幾らかは幻朧帝イティハーサが受け持ってくれたが、其れももう限界だろう。
「――……海賊とは、奪い合うもの」
カルロスの呟きは、不思議と銃を構えたシノギの耳に届いた。彼は笑っていた。
「楽しみだ。お前達が溜め込んだ“宝”が、次は一体誰に略奪されるのか」
「――は? そんな事あり得る訳がないじゃないですか」
無情にシノギは黄金の弾丸を放つ。空を裂き、砲弾の雨を掻い潜り、銃弾はカルロス・グリードという男の心の臓を捉えた。
「これまで奪って来た私のものは、未来永劫に私のものです。奪おうとする者が現れたら、全力で叩き潰して逆に略奪するのみですよ」
シノギ・リンダリンダリンダは海賊である。
対して、カルロス・グリードは王と呼べるだろう。
古来より、物語の王は賊によって骸の海へと去っていく。そういう意味では、シノギの存在はカルロス・グリードにとっての猛毒だったという事だろう。
大成功
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