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【サポート優先】コンフターティスに賜う挽歌

#ダークセイヴァー #戦後 #『紋章』 #第五の貴族 #同族殺し #宿敵撃破

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#ダークセイヴァー
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#戦後
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#『紋章』
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#第五の貴族
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#同族殺し
#宿敵撃破


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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

●呪われよ呪われよ呪われよ、呪われし者に地獄よ来たれ
「私が尋ねることにだけ答えろ。我が血族は何処に居る?」
「いきなり訪ねて来て随分と不躾な方ですね」
 廃教会の薔薇窓の下、向かい合う白と赤は『墓暴きの屍蝋聖女』と『血鎖のエルジェーベト』。髑髏を抱えて優雅に祭壇に腰かけた屍蝋聖女を、数段下からエルジェーベトがハルバートの切っ先と一体化した視線で睨み上げる。
 取り巻くギャラリーがやたらと青白いのは、屍蝋化した死体であるがゆえ。その中に見知った面影がないかと眺め渡して、エルジェーベトは問いを重ねた。
「お前が血族の墓所を暴いたことは解っている。我が血族の亡骸を何処へやった」
「あぁ、もしかしてここから西のお城近くのお墓でしょうか? 皆様どなたも時の流れに褪せて、既に私の好む透き通る様な白さとはかけ離れていらしましたので、お墓を開いた後はそのままに——」
 屍蝋聖女の言葉の先を遮ったのはハルバートの刃だ。横合いから飛び出した屍蝋化死体に逸らされ、威力を削がれ、結果的には首を傾げた屍蝋聖女の前髪の先を掠めただけの形に終われども、確かに首を落とす気迫とそれだけの威力を持った一閃だった。
「ちょっと!最後まで聞いてくださいますか? 私は何もしておりませんので、亡骸が行方知れずということでしたら、きっとお腹を空かせた獣か何かの仕業で——」
「喋るほどに冒涜の上塗りだな、うつけ者めが。もう黙れ」
 もう真実はいざ知らず、それを暴くよりも重要なことがエルジェーベトには出来てしまった。
 殺到する様に押し掛けた屍蝋化死体を肉壁に距離を稼ぐ屍蝋聖女に、エルジェーベトはその壁を斬り崩しながら冷たく告げる。
「お前、死ぬのはいつぶりだ。前回の死が生温く思えるほどの地獄をやろう」

●どちらも所詮は呪われし過去
「世界に仇なす身の分際で墓があるだけ有難いとは思わぬか——嗚呼、いや、何でもないよ」
 ルキフェル・ドレンテが不機嫌に零す呟きに、傍らの死霊の姫君が心配そうに彼の頭を撫でた。気を取り直したかの様にきまり悪そうに首を振った悪霊は、無表情で猟兵たちに向き直る。
「ダークセイヴァーの『同族殺し』は知っているな。オブリビオンを殺す狂ったオブリビオンだ。これを利用することで貴様らは協力な領主を討つことが能う」
 押し殺す様に淡々と告げる。
「予知したオブリビオンは2体。現在、『墓暴きの屍蝋聖女』を、同族殺し『血鎖のエルジェーベト』が強襲している最中だ。貴様らは同族殺しに加勢して聖女を殺し、次いでその戦いで疲弊した同族殺しを討つと良い」
 ただ、淡々と。
「初手でエルジェーベトには仕掛ける様な愚は犯すなよ。まともにやり合えば貴様らよりは強い相手だ。且つ、渡り合えたとて、屍蝋聖女が喜ぶだけのこと」
 流れる様な所作にてグリモアを展開しながら、ふと、悪霊は首を傾げた。
「時に貴様ら、闇の救済者戦争の|小剣《グラディウス》を覚えて居るか。居ずとも構わぬ。現在あれの研究が進められているのだが、貴様らのダークセイヴァーでの活躍がその進捗に影響するらしい……と、これはどうでも良い話だな。貴様らの成すべきことは何も変わらぬ——」
 蒼昏いグリモアの光に呑まれて猟兵達が転送された先、暗夜の闇に青白く浮かぶのは無数の屍蝋化死体の輪郭か。


lulu
luluです。御機嫌よう。

1章、2章共に純戦のサポート優先シナリオです。
通常プレイングは頂けばきっと喜びます。
流れた場合はおそらくタイミングが理由ですので、お気持ちにおかわりが無ければ再送をお願い申し上げます。

何卒宜しくお願いいたします。
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第1章 ボス戦 『墓暴きの屍蝋聖女』

POW   :    屍蝋染め
自身からレベルm半径内の無機物を【死蝋化した死体】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
SPD   :    屍蝋黒の駒
召喚したレベル×1体の【屍蝋化した死体】に【異形の部位】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
WIZ   :    屍蝋き雨
レベル×5本の【毒】属性の【屍蝋を纏った瓦礫弾】を放つ。

イラスト:麻風

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は嘉納・日向です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです


寺内・美月(サポート)
アドリブ・連携歓迎
※エロ・グロ・ナンセンスの依頼はご遠慮願います。
・依頼された地域に亡霊司令官(顔アイコンの人物)と隷下部隊、美月の親衛隊から選抜亡霊歩兵を派遣。美月がグリモアベースから到着するまで(サポート参加では現地にいない状態)、現地での活動に必要な権限を付与
・隷下部隊として一個軍団(歩兵・戦車・砲兵・高射・航空・空挺のいずれか)に、出動しない軍団から一個師団程を増強し派遣
・ボスが召喚した敵に対して攻撃し、砲兵・高射・航空部隊の火力、戦車・空挺部隊の機動力、歩兵部隊の柔軟性を生かした戦闘を行う
・ボスが何も召喚しなければ、五人の選抜最精鋭亡霊歩兵を送り込み、5対1でボスと対峙する



●弾も刃も雨と注いで
「まぁ、墓荒らしだなんてお労しい……」
 響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)は白くか細い指先で口元を覆いつ、思わずそう漏らしていた。
「何とかして差し上げたいものですが……あら?」
 同意を求めた先は傍らの寺内・美月(霊軍統べし黒衣学生服の帥・f02790)……であった筈ながら、先までグリモアベースで並び立っていた筈の彼が見当たらぬ。代わりの様に冷然と佇むは、軍帽の鍔にその表情を半ば隠した亡霊司令官である。
「ええと、味方のかた……で間違いございませんよね」
 返るは無言の頷きである。リズは安堵した様にその花唇に笑みを乗せた。
 彼方では、屍蝋聖女とエルジェーベトが一騎討ち——と言うには少し語弊があるであろうか。戦いを繰り広げている。一騎討ちとは呼べぬのは、屍蝋聖女とエルジェーベトの間を阻んで、或いはエルジェーベトを取り巻いて、無数の屍蝋化した死体どもの群れがあるがゆえ。
「エルジェーベト様を援護いたします」
 リズが手に取るは透き通る硝子で出来たフルートだ。キィを押さえつリッププレートに口づけたその刹那、手品も斯くや、フルートは端から解ける様にして白薔薇の花弁へと姿を変えてゆく。風もないのに舞う花びらは、屍蝋化死体どもへ、屍蝋聖女へ牙を剥く。綺麗な薔薇には棘があるどの言うが、花弁だけのこの白薔薇に棘があるかはいざ知らず、だが、その花弁の一枚一枚が棘にも勝る刃の如き鋭さで敵を襲うのだ。
「新手でしょうか」
「何だ、お前達は……!?」
 屍蝋聖女、エルジェーベト、共にこちらを振り向いた。
「エルジェーベト様、助太刀いたします。どうぞそのまま果し合いを続けてくださいな」
「貴様らの助けなど——」
「でも、私たちを敵に回したくはないでしょう?」
 リズの強気の訳をエルジェーベトが知るのに時間はまるで要さぬ。彼女の後ろ、先から無言で佇んでいた亡霊司令官はこの今も依然無言のままに、その背中、よく隊列を整えた砲兵軍団の召喚と配備を既に終えている。
「なっ……!?」
 焦った声を上げたのはどちらのオブリビオンであったか。致し方ない。この世界の領主の私兵なぞまるでお遊びに思えるほどの兵の数、且つよく訓練の行き届いたその質も一糸乱れぬ隊列より推して知るべしと言うべきか。見るからに『強い』のだ、あの軍団は。
「『全打撃部隊に発令…『地獄雨』発動』」
 淡々と亡霊司令官が告げるのは|美月の言葉《・・・・・》である。故にこそ衷心より応えて見せた兵たちは、終末戦争も斯くやと言わんばかりの苛烈さで砲弾の雨を注がせる。
 屍蝋聖女が新たに呼んだ死体は不気味な翼を生やし、空を翔けようとしたものか。だがその翼が、その身が、宛らハチの巣同然に元の形を失くすのにわずか数秒も要さない。焦れた様に屍蝋聖女は毒纏う瓦礫弾を寄越せども、迎え討つ様な弾幕と白薔薇の刃に阻まれて、猟兵たちの身には到底届かない。
「——成る程、今暫しその力借りようぞ」
 エルジェーベトは二人の活躍を尻目に屍蝋聖女へと攻め手を重ねてゆく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

城田・紗希(サポート)
基本的には考えるより行動するタイプ。
でもウィザードミサイルや斬撃の軌跡ぐらいは考える。…脳筋じゃナイデスヨ?
暗器は隠しすぎたので、UC発動時にどこから何が出てくるか、術者も把握していない。

逆恨みで怒ってる?…気のせいデスヨ。UCの逆恨みじゃアルマイシ。
ちゃんと説明は聞いてマシタヨ?(地の文と目を合わせない)

戦闘は、範囲系ユーベルコードなら集中砲火、単体攻撃なら可能な限りの連続使用。
必要に応じて、カウンターでタイミングをずらしたり、鎧破壊で次の人を有利にしておく。

……防御?なんかこう、勘で!(第六感)
耐性……は、なんか色々!(覚えてない)



●考えるよりも斬るのが早い
「成る程、あの赤い方のオブリビオンを援護すれば良いんですね……」
 降り注ぐ砲弾と花弁の刃とに屍蝋化死体たちが騒乱する様を眺めて、城田・紗希(人間の探索者・f01927)は一人頷く。頷くが、正直具体的な手段を何か思い至った訳ではない。考えるより動いた方が早いと心得ているし、経験則上、実際そうだ。
故にそれ以上何の思索をするでなく、紅時雨の鯉口を斬り、屍の群れの中へと駆け出していた。最小限の動きにて振り抜く刃、血の気の失せた肉を切り裂き、月の光を浴びて厭によく煌めく。そういう塗料が仕込まれているがゆえだが。
「また邪魔者が——!? いらっしゃい、私の愛しい屍たち!」
「出てこい、私の必殺武器!」
 百をゆうに超える屍蝋化した死体を喚ばう屍蝋聖女と、何処に何を隠したか当人すらも覚えぬ無数の武器を虚空から呼び出す紗希。
「行っけぇえ!!」
 若干キレ気味なのは別に逆恨みとかそう言う類ではない、と、紗希当人は認識しているが、はてさて。とまれ、此度顕現した武器は重量のある無数の鉈である。
今や異形の翼など備えて飛翔して来る屍どもを相手に、これが有効と見做された理由は——迎え撃つ刃に翼が、腕が、首が飛ぶ様を見れば言わずもがなとでも言うべきか。屍を効率的に解体するのにこれほどの最適解もない。
「美しい屍たちになんてことを!野蛮にも程がある……!」
「余所見をしている場合か?」
 非難しようとした屍蝋聖女の頬をエルジェーベトの刃が掠めた。本来ならば互角の筈の両者、故にこそ猟兵達の存在が雌雄を分ける。無傷のエルジェーベトに対して、屍蝋聖女には細かな傷が目立つ。
「こっちはどうぞお任せをー……」
 屍どもを斬り伏せながら彼方で告げる紗希、エルジェーベトが余裕の笑みを返して屍蝋聖女が歯噛みする。が。
「って言うと思いましたか?」
 一瞬の踏み込みは、間合いの詰め方は何事か。逆袈裟に斬り上げた刃は過たず聖女を捉えていた。
「一応考えて動いてマスヨ」
「敵に回すと末恐ろしいな」
 エルジェーベトの呟きを他所に、紗希は愛刀の血を払う。

成功 🔵​🔵​🔴​

印旛院・ラビニア(サポート)
・境遇的なものもあり、思考や嗜好は成人男性のものです(恥ずかしいので自分からは喋らない)
・基本的にはヘタレで気弱、強者にビビるし弱者に慎重な面もありますが、物事がうまくいったり周りに煽てられるとイキって墓穴を掘ることもあります
・なんだかんだで人がいい
・やり込みゲーマーで現状を学ぶ【学習力】と自分のプレイに【チューニング】できる応用力が武器
・キャバリア・劫禍との関係はUCの秘密設定あたりで察してください

 UCは活性化した物をどれでも使用し、例え依頼のためでも、公序良俗に反する行動はしません。えっちな展開はコメディ目であれば許容
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●遍く全てを護る盾
「キャットファイトに水を差すのはちょっと気が引ける気もするけど……」
 印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)は基本的にはヘタレである。オブリビオンとは言えど如何にも癖と気の強そうな美女二人の戦いを目の前にしてはやや尻込みしてしまうのも、長い両耳が元気なく垂れてしまうのも無理はない。
「でも、この戦いに便乗すれば両方倒せて漁夫の利尚且つ一挙両得、こんな美味しいイベントを逃す手はない……!」
 だが、そうだ。ヘタレである以上にゲーマーこそが|彼女《彼》の本質だ。持てる情報と現状を照らし合わせて冷静に分析しつつ、同時、最適尚且つ尤も美味しい立ち回りを計算している辺り、やり込みゲーマーとして身に着けた学習力が遺憾なく生きているとでも言うべきか。
「もうこれ以上邪魔はさせません!」
 ラビニアの気配に気づいたらしい屍蝋聖女が声を上げ、同時、戦地に蔓延る屍蝋化死体が百以上増す。それもただの死体ではないらしい。翼だの余分な手足だのをその身に生やし、ふらふらとした足取りで歩くと見せかけて、まさかの、飛んだ。
「えっ、初見殺しすぎない!?」
「ちっ……!」
 ゲーマー的な感想を述べたラビニアと、思わず舌打ちするエルジェーベト。屍どもが殺到するのは主の一騎討ちの相手たるエルジェーベトだ。所詮は血も通わぬ身が繰り出す攻撃など彼女のハルバートの前には児戯にも等しいが、如何せん数が桁ふたつちがうのだ。数に押されて彼女が窮地に陥ることは火を見るよりも明らかだ。
「召喚!盾の戦乙女・ランドガルダ!」
 故にこそ、ラビニアがそれを許さぬ。叫んだラビニアは煌めく鎧に身を包んだい戦乙女と共に、いつの間にやらエルジェーベトの傍らに在る。
「あらゆる災厄からみんなを守れ!ヘルヴォール・ドライブ!」
 屍どもの爪牙も、打撃も、この戦地にて何を狙えど全て戦乙女が掲げた盾に収束されて防がれる。
「今だよ!」
「私に指示するな!」
 好機を告げたラビニアの言葉に苛々と返しつ、エルジェーベトの刃は深々と屍蝋聖女の身体に斬撃を刻む。

成功 🔵​🔵​🔴​

クロエ・ボーヴォワール(サポート)
「カネならありますわよ~!」
◆口調
・一人称はわたくし、二人称はあなた様。典型的なお嬢様風
◆性質・特技
・好奇心旺盛にして仕事熱心
・実はゲテモノ料理好き
◆行動傾向
・ボーヴォワール社の持て余した圧倒的カネの力にモノを言わせ、万事解決を目指す
・法すらカネで買い取る自由奔放すぎる性格であるが、ノブレスオブリージュの精神に則り他者の為ならば才と財を惜しまない(混沌/善)
・猟兵としての活動は異世界を股にかけたボーヴォワール社の販路開拓と考えており隙あらば自社製品を宣伝し、「実演販売」に抜かりはない
・教養として体得したシンフォニアとしての技術をビジネス話術にも応用する
・細かい仕事は老執事セバスチャンに一任


納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから10年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!

あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ

商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません

あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします



●お嬢様がたはマイペース
「あら? 何だか皆様随分と顔色が悪くていらっしゃいますけど、ボーヴォワール社新商品のプレゼンを始めても宜しいのかしら?」
「あの|方々《屍蝋化死体》、あんまり購買力とか期待出来そうにないと思いますわ」
 殺伐とした戦場に現れた花二輪、実にマイペースなお嬢様二名。クロエ・ボーヴォワール(ボーヴォワール財閥総裁令嬢・f35113)、納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)の両名は屍蝋化死体でごった返した戦場も、屍蝋聖女とエルジェーベトの繰り広げる文字通りの死闘も何処吹く風であるらしい。
「アタシはいたずらっ子にちょっとお仕置きしに来たんですわ。あの白い方にお灸を据えれば良いんですわね」
「ふむふむ、それであの赤い方を援護すれば良いと? と、言うことですのでセバスチャン、後はお分かりですわね……?」
 エルジェーベトの揮うハルバートに薙がれた屍蝋死体の腕だの脚だのが飛び交う中で、二人は此度の作戦を各々決した。箒ちゃんに乗って屍たちの群れを縫い滑空するピンチンと、老執事に当然の様に無理難題を押し付けるクロエ。此方は燕尾服の後ろ姿が屍の群れへと溶ける様に消えた様を見送ってから、愛用の蒸気機関式拡声器を手に取った。
「さぁ皆様御覧あそばせ!これがボーヴォワール社のスチームエンジンの実力」
 死体はさして気にした風もなかったが、オブリビオン二人の注意を一瞬引いたか。その眼前で披露してやる実演販売、ボーヴォワール社製エンジンの力を示すべくクロエは蒸気式拡声器で手近な死体を殴り飛ばした。
「ただの力技ですやん!」
「いいえ、蒸気エンジンで加速して打撃力が30倍に」
「あ、普通にすごいですわ」
 滑空しながら思わず突っ込んだピンチンと漫談を繰り広げる他方、彼方で苛立つオブリビオン二体。だが、このふざけた茶番こそ陽動だ。
「今です、セバスチャン!」
 死体どもにもオブリビオンのいずれにも気付かれぬ内に屍蝋聖女の後ろへ回り込んでいたセバスチャン、聖女を羽交い絞めにして捕えた。
「ナイスアシスト!」
 ピンチンのキュートにデコった勇者の剣が屍蝋聖女の頸を斬り落……とさない。過たず命中した筈の刃はその首と四肢の付け根に親切丁寧な点線を残した。
「一体何を……!?」
「いい声で鳴いてな~!」
 怪訝そうな屍蝋聖女の問いに答えぬピンチン、深まる謎に顔を上げた彼女の瞳に映るのは、屍蝋化死体たちが一斉に彼女へと襲い来る様である。
「やめ——……!」
 一斉にくすぐられてその先は息も絶え絶えの笑い声へと消えた。
「何故だ、絶好の好機であると言うのに……!」
 ついでに何故か不本意にくすぐりに加わっているエルジェーベトである。ピンチンが使用したのは目印の点線目掛けて周囲の万物がくすぐりに来る異能であるのだ。致し方ない。勿論、セバスチャンもしっかりとくすぐる側として巻き込まれている。
「ところでさっきの蒸気エンジンすごいですわ。やっぱり物理を制するものが戦いを制しますわ」
「あら、お目が高くていらっしゃいますわね!もし宜しければこの後で当社のショールームに——」
 掠れた声で笑い続ける屍蝋聖女を他所に、世間話をしながらピンチンとクロエは踵を返すのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系・状態変化系もばっちこいだよ♪
絡みOK、NG無しだよ★

UCは少人数を召喚する系か単体攻撃系を優先して使うよ♪
状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★

後はMS様におまかせするね♪


シン・ドレッドノート(サポート)
実年齢はアラフィフですが、外見は20代前後。
行動パターンは落ち着いた大人の振舞い。
口調は丁寧。時折、奇術師らしい芝居がかった言い回しをします。
「さぁ、ショウの始まりです!」等。

技能、ユーベルコードは状況に応じたものを使用。
身軽で素早い動き、器用さを活かした行動をとります。
主にビットを展開、ビームシールドで防御しつつ、銃器による攻撃を行います。
効果があるなら破魔の力を込めて。

依頼成功のために積極的に行動しますが、他の猟兵や住民の迷惑になるような行動は避けるようにします。

女性には年齢関係なく優しく。
但し、奥さんがいるので女性からの誘惑には動じません。
失礼のない程度に丁寧に辞退します。



●オープニングアクトに幕引きを
 血族の為の復讐劇。
 その主役は同族殺したるエルジェーベトであった筈だ。少なくとも今、この瞬間までは。
「さぁ、ショウの始まりです」
 正しくショウと呼ぶに相応しい、派手な技もあったものである。
 顕現するは千の半ばに迫るほどの蒼き刃のソードビットと、ライフルビット。舞い飛ぶそれらの身に嵌るブルーサファイアが幾何学模様の残光を描き出し、その軌跡上、屍蝋化死体が崩れ落ちてゆく。
「今度は何です……!?」
 新たな死体を召喚し、異形化させて強化して反撃させんとした屍蝋聖女、だが、その屍蝋化死体の軍勢を迎え撃つ一団がある。
「可愛いサキュバスちゃん達による大ハーレムだよ★」
 クローネ・マックローネ(闇ダークネスと神デウスエクスを従える者・f05148)の指揮下、淫魔軍団は死体らの群れに吶喊。
「秋は皆も人肌恋しいからね♪血が通ってなさそうなのがちょっと残念だけど……」
 クローネの言葉通りにやや不満げなサキュバスら、相手が精気も持たぬ死体であれば必然か。だが、であればこそ情け容赦も要らぬのだ。彼女らとて単に色惚けしている訳でなく、こう見えて集団戦術はお手のもの、尚且ついざ本気で得物を揮えば鎧すら破る威力を誇る。サキュバスたちを援護する様に、紺青の剣と銃が舞い、死体どもを圧倒してゆく。
「何が起きている……?」
 困惑気味のエルジェーベト、今や完全に脇役の存在感だ。猟兵たちのユーベルコードがどちらもあまりに派手過ぎる。
「死体の群れは彼女達に任せておいて大丈夫そうですね」
 そんな彼女を尻目にシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)は|片眼鏡《モノクル》の加減を直しつつ、戦況を眺め呟いた。
「そうだね♪お兄さん、退屈ならクローネちゃんと遊ぶ?」
「光栄ですが、まだお仕事が残っていますよ」
 常人であればくらりと来てしまいそうなクローネの蠱惑的な笑顔、そのお誘いをさらりと躱してシンは視線で屍蝋聖女を示して見せた。
「あちらのご婦人をエスコートして差し上げるのが先でしょう」
「そっか、そうだね♪」
 気を取り直したエルジェーベトが屍蝋聖女にハルバートにて斬りかかり、魔力で聖女がそれを阻んだ。彼女らへの道中の敵はサキュバスと無数の銃と剣とが粗方始末してくれている。故にその道を二人はただ駆けるのみ。
「|前座《オープニングアクト》はそろそろ終わりにしましょう」
「クローネちゃんたちの勝ちだよ★」
 エルジェーベトの刃ばかりに気を取られ、反応が僅か遅れたことが命取り。そうでなくとも、二人息を合わせての、敢えて今更距離を詰めてのその一撃は騙し討ちめいて、避けられなかったやもしれぬ。屍蝋聖女の腹を、背を、クローネのドスソード改とシンの妖刀・紅蓮が深々と貫いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。



●悪事にも何かの理由がきっとある
「流石にさ、事情があっても墓荒らしってのは良くないよね」
「事情など知るものか。我が血族を貶めた不敬、万死を以て償うべきだ……!」
「うん、でもさ、その事情だか理由だか訊くだけ訊いてみたいと思わない?」
 相変わらず数の減らぬどころか油断をすれば増えている屍蝋化死体どもに囲まれながら、互い背中を合わせつつ、片や雷撃を纏わせたナックルで死体を殴り飛ばし、片やハルバートで膾切りにしながらの会話である。
「そんなことをして、何の意味が」
「うーん、情報収集? 戦いには情報が必要だよね」
 苛立つエルジェーベトに返した数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)の言葉は方便半分、本音半分だ。相手の行動原理を知ることは即ち相手の行動の因果を紐解くことであり、裏を返せば、将来的な行動の予想を立てることにも役立つ。だが、そうした戦略上の理由がなくとも多喜は同じことをしていたやも知れぬ。それは人によっては情だの感傷だのと鼻で笑う類の感情であるやも知れず、それでも、多喜が多喜である限り、不変であるのに違いない。
「なぁ、聞こえてんだろ? 高みの見物してないで答えてくれよ」
 今また厚さを増しつつある屍蝋化死体の壁の向こうへと多喜は尋ねた。ユーベルコードのひとつ使わねば、通常の雷撃では駆除が追いつかぬ。だが正直に言うならば、答えを聞くまでは待つ様な心持ちでいた。
「なんで墓暴きなんかしたんだよ?」
「まぁ、何故ですって? 血の気の失せたこの肌の色、これにも勝る美はこの世にはないでしょう? ですから私は常に探し求めて——」
「え? 常に墓荒らししてるって?」
「はい」
 答えた聖女の死角、直上から脳天へと雷撃が迸った。落雷めいたその一撃は一般的には神の怒りと比喩もしようが、現実的には多喜の怒りだ。
「何だろう、すげぇ聴いて損したこの気分」
「知れたことを……」
 エルジェーベトの声音にやや同情の色がある。猶予してやった分だけ利子をつけたと言わんばかりの苛烈さで辺り一体の死体どもを多喜の雷撃が穿つ。屍の壁を払ってエルジェーベトの刃が屍蝋聖女を切り裂いて、一拍の後に極大のいかづちが聖女の身へと降り注ぐ。

「何だろう、もっと早くにやればよかった」
「知れたことを……」

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルト・ラムバルド(サポート)
ハイカラさんのクロムキャバリア ×今は 宇宙騎士!

普段の口調は私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?

騎士道精神を胸にキャバリア《パロメデス》に乗って戦うぞ
弱きを助け強きを挫く誇り高き光明の暗黒騎士だ!
でも実はお調子者でおっちょこちょいな奴だ!いわゆる残念なイケメンだ!
生身でも戦えるけどあんまし強くないかも…?でもタフな奴!

基本はキャバリアの乗って戦うぞ!
キャバリアに乗れない時は…なんとか生身で頑張って戦うぞ!
時々コミュ力で知り合った異世界の人やモノ?を召喚したりするんだ!

仲の良い想い人がいるけどぞんざいな扱い方をされてるけどめげないぞ!頑張れ!


マチルダ・バレンタイン(サポート)
ケルブレ世界から来たヴァルキュリアの鎧装騎兵
普段着がメイド服
外見から想像出来ないが大食い
戦闘前に余裕が有れば事前に【情報収集】をする
戦闘時はバスターグレイブと23式複合兵装ユニットの【エネルギー弾、誘導弾】の【一斉発射、砲撃】で攻撃。接近戦になったらゲシュタルトグレイブの【なぎ払い】で攻撃
敵の攻撃は【ジャストガード】で受けるか回避する。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●闇と光明と弾幕と
「死者の安寧を妨げるとは何たる冒涜。光明の暗黒騎士、このベルト・ラムバルドが絶対に許さない!いざ推して参る!」
 シンプルだ。実にシンプルなものである。だからこそ端的な主義主張を添えて己の二つ名も織り込みながらのこの名乗り、気負い過ぎずにスマートにだいぶ格好良く決まったのではなかろうか。それこそいつもつれない想い人さえ、あの白い頬を染める程度に、だ。
 ベルト・ラムバルド(自称、光明の暗黒騎士・f36452)は抜群の手応えを感じたと言うのに、返事のない空白が一拍、二拍。
「つくづくしぶとい女だな……!」
「こちらの台詞です。さっさと引き下がりなさい!」
 ベルトのことなどはまるで視野にも入っていないらしいエルジェーベトと屍蝋聖女、互い罵り合いながらこちらを見もせずに血戦を継続中。
「あの……そんなこともありますよ……」
 おずおずと声をかけたのはマチルダ・バレンタイン(ヴァルキュリアの鎧装騎兵・f40886)。この一連を見られていた衝撃、尚且つフォローされてしまうと言う屈辱。それもこんな美女に、だ。嗚呼、その嫋やかな微笑みが可憐であればある程、優しければ優しい程にベルトは胸を抉られるこの心地。
「どうかお気を落とされず……」
「ありがとう。どうかもう何も言わないで欲しい。戦おう」
 そうだ、戦いに来たのである。
「そうですね」
 穏やかな微笑みの儘に、言うが早いか背部ユニットから誘導弾を雨霰と降り注がせるマチルダ。切り替えが早い。どう考えても場数が違う。
「不肖ベルト・ラムバルド、前に出る。どうか援護を——」
 遅れを取るまいと騎士らしく言ってみたところで、キャバリアがないことに気付いたベルト、全く今日はツイてない。多少心もとないが仕方なく細剣の鞘を払って地を蹴った。
「全く、次から次へと——……!」
 苛立ち混じりに屍蝋聖女が指を鳴らした。辺りの瓦礫だの長椅子の残骸だの、ありとあらゆる無機物が形を変えて膨らんで、透ける程に青白い屍蝋化した死体へと姿を変えた。多勢に無勢で押されるエルジェーベト、ベルトも行く手を阻まれて加勢が出来ぬ。
「我はベルト・ラムバルド!光操る暗黒騎士だ!目に物見せてやる!」
 掲げた細剣から太陽も斯くやの光輝、暗夜に生まれて死んだ過去どもの目にはさぞかし眩しかろう。
「今です!みんな、お願い!」
 他方、陽を知る彼女は、と言う訳でもなかろうが、マチルダはこの好機を決して逃さない。全幅の信頼をこめた願いの声に応えたのは彼女の同朋たちである。流麗な鎧を纏った戦乙女たちはマチルダの指揮の下、測った様に正確に陣を敷く。
「総員、一斉射撃!」
 故に、その弾幕の射線の角度も何もかも、計算ずくのものである。無駄なく、不足なく的確に屍蝋化した死体どもを撃ち滅ぼしてゆく。不測の撃ち漏らしをベルトの細剣が仕留めて駆けて、駆けた先での鋭いファントは屍蝋聖女の胴を貫きその場へ縫い留めた。
「エルジェーベト、今だ!」
「言われずとも……!」
 敵の計らいなれども千載一遇のこの好機、易々見送る程にはエルジェーベトの恨みは浅くはないらしい。
 血鎖纏ったハルバートが屍蝋聖女の頸を落とした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『血鎖のエルジェーベト』

POW   :    |誅戮の荊棘《アイゼルネ・ユングフラウ》
【魔法円より繰り出す、相手を拘束する血鎖】が命中した対象に対し、高威力高命中の【手にしたハルバードによる滅多突き】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    |血鎖《クリムゾン・ソーン》
見えない【影の魔法円を任意箇所に配し、そこから血鎖】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ   :    “|Kneel for me《跪け》”
【血鎖による攻撃】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。

イラスト:毒島

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はヴァシリッサ・フロレスクです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●嗚呼呪われし者たちよ
「……助太刀、礼を言う」
 返り血を拭いながら、『血鎖のエルジェーベト』は猟兵達に告ぐ。
 爛々と輝く赤い双眸に捕食者の獰猛さは消えず、隙のない構えにも殺意を滾らせたままでありつつ、高貴なるもの、誇り高き血族の一員としては、下々の有象無象に借りを受けたままで居ることを良しとはしなかったのであろう。頭を下げることはせずともその目礼は真摯なものだ。
 だが、しかし。
「だが、お前達は——お前達こそが、我が血族を滅びに追いやった元凶——」
 不特定多数などでなくその恨みの矛先はただ一人、それも身内でありながら、そんなことなど些事である。
 どうしても、どこまでも、|猟兵《・・》そのものと彼女ら|過去《オブリビオン》は不倶戴天に他ならぬ。
「来い、猟兵ども。あの女同様、刃の錆にしてくれる——!」
御形・菘(サポート)
※語尾に「のじゃ」は不使用
はっはっは、妾、推っ参!
敵は決してディスらんよ、バトルを彩るもう一人の主役なのでな!
強さも信念も、その悪っぷりも誉める! だが妾の方が、もっとスゴくて強い!

バトルや行動は常に生中継+後で編集しての動画配信(視聴者が直視しては危ない系は除く!)
いかにカッコ良く魅せるか、見映えの良いアクションが最優先よ
とはいえ自身の不利は全く気にせんが、共にバトる仲間にまで不利を及ぼす行動はNGだぞ?

戦法は基本的に、テンションをアゲてボコる! 左腕とか尾で!
敵の攻撃は回避せず、受けて耐える! その方がカッコ良いからのう!
はーっはっはっは! さあ全力で来るがよい、妾も全力で応えよう!



●呪われし身には邪神こそ慈悲深く
「お主はここまでよく頑張った。独り仇討ちを成し遂げて血族の雪辱を晴らしたその闘志、実に天晴れ!敵ながら見事だとしか言いようがない!」
 からからと豪快に笑いながら告げられた全肯定に困惑するのはエルジェーベトの方である。敵からの手放しのこの賛辞、誰が素直に受け取れようか。
 だが、御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)は機嫌良い笑みを崩さない。別に四方八方の物陰より彼女が仕掛けたカメラが回っているからと言う訳でなく、嘘偽りない本心からのものではあった。
「何を戸惑うことがある。お主は信念を貫いて生きて死に、死後までその誇りと信念に遵っている。そしてそれを成すだけの実力を持っているのだ。誇れ、称賛に価する」
「お前、一体何のつもりで——」
「打算だと思うてか? そんな訳があるまい。何故なら——」
 刹那、エルジェーベトの身体が吹き飛ぶ。
何が起きた? 当人にすら解らない。
「お主は強いが、妾の方が尚一層に強いからだ!」
 菘は振り抜いた左の拳を撫でつ、少し先にて体勢を立て直すエルジェーベトを見下ろした。痛む頬を押さえて初めてエルジェーベトは殴られたのだと理解した。とても拳の届く間合いではなかった筈でありながら。
「お主は実に素晴らしい!出来れば味方として出会いたかったが、敵である以上せめてもの敬意として全力を以て葬る!!」
「何を生意気な——!」
 音速を超える左ストレートの連打、本来ならば翻弄されて終わる相手とて少なくあるまい。だが、それを許すエルジェーベトではない。
「跪け!!」
 血を吐く様に告げたエルジェーベトの渾身の命令に、果たして誰が逆らえようか。従わなくばその身は責め苛まれる、これはそう言う理を齎す異能に他ならぬのだ。だと言うのに、
「断る!!!!!!!!」
 裂帛の気合で菘が応えた。告げるその間もその身のあちこちに裂傷を刻まれながらも、菘は命令に従わぬ。
「お主一人を痛ませると思うてか? 妾は強いと言うたであろう!この程度の痛みが何だ!」
 血を流しながらも追撃の手を緩めぬ菘である。
「地獄まででも付き合うぞ!だが我慢比べなら勝つのは妾だ!」
「受けて立とうとも——!」
 同族殺しだけが知る。これも一つの慈悲の形と。

成功 🔵​🔵​🔴​

水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか

太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ

正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像で目眩まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな

それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ



●威風堂々、正々堂々
「事情は聞いた。だがしかし、君がおぶりびおんである以上、手心を加える訳には行かないな」
 水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)は青い瞳で真っ直ぐにエルジェーベトを見据えて告げた。
「猟兵ごときの手心など、求めていないのは解るだろう」
 返しながら、エルジェーベトがやや身構える。真峰が佩いた三振りの刀、彼女がそのいずれを抜くものか、間合いを測りつ、抜け目ない紅の隻眼が窺う。
「無論、此方からの手心もないと知れ」
「望むところだ。さぁ、真剣勝負と行こうか」
 行儀良い宣戦布告を待っての開戦は互いに正々堂々と武人らしいと言うべきか。
 先に動いたのはどちらだったか、もはや言葉は要さない。語り、応えるはぶつかる刃が散らす火花だ。突き出したエルジェーベトのハルバードの切っ先を茶室刀の刃で逸らして、真峰は相手の間合いの内へと踏み込んだ。それを阻まんと横薙がれた長柄を潜り、見通していたかの様に蹴り上げて来た鋼の爪先を薄い腹に強いて受けながらも、真峰はエルジェーベトの腿へと茶室刀を突き立てる。
「小癪な……!」
 痛みに怯む様もなく再度蹴り上げようとした鉄脚を後ろに跳んで躱して、真峰はハルバードの間合いの外まで逃れて距離を稼いだ。
 その距離はエルジェーベトに反撃の機会を与えたか。
「我が|二つ名《血鎖》の由来を知ると良い」
 四方八方、床に壁に中空に浮かび上がる血の色をした魔法円、そこから撃ち出されるかの様にして真峰に襲い来るのは無数の血鎖。
 深紅の蛇の群れの様なその襲来を前にして、だが、真峰が動じることはない。
「受けて立とう」
 瞬間、辺りが光に満ちたのはおよそ錯覚だ。だが、そうと思わしめる程に、虚空に現れた無数の太刀は刃に清らな光を宿す。その数も光輝も夜闇を照らすに不足はない。
 無数の血鎖を迎え討つはそれにも勝る数の|水心子真峰《真峰の本体》の複製ら。本来はもはや研げぬ程に細く身を削り、武器としての役目を終えた筈のその刃——斬り続けたからこそ至れる境地、最後の煌めきの如くしてよく冴え渡るその切れ味。
 血鎖を断って、退け、エルジェーベトの身を刻む。
 無数の水心子真峰の複製を従えつ、真峰はエルジェーベトに向き直る。
「私の名の由来も伝えておこうか。実戦刀・水心子真峰——駆け抜けた戦場の数はきっと負けない」

成功 🔵​🔵​🔴​

スリサズ・シグルズ(サポート)
『主基幹機構、戦闘機関起動します』
 ウォーマシンの戦場傭兵×鎧装騎兵、21歳の男です。
 普段の口調は「普通(私、~殿、言い捨て)」、覚醒時は「秘匿システム権限人格(私、貴様、言い捨て)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




●私情も私怨もなかろうと
「オブリビオン滅すべし」。
 それこそがスリサズ・シグルズ(シグルズシリーズ・f11317)にインプットされた|行動原理《プログラム》であり、何より、存在意義である。これまでの稼働記録や戦闘記録のいずれもその身に残されずとも、この先を紡いで行くべき|命令《オーダー》として、ただそれだけをスリサズは心得て居れば良い。
『敵性反応視認、座標、距離、確認』
 無機質な音声に、何の感情も滲まない。このウォーマシンはただ戦う為だけに、予め定められていた条件が満たされたこの今、起動して、定められた挙動をするだけだ。
 己の自由な意志等は半ばないにも等しい程の忠実さにて。
『主基幹機構、戦闘機関起動します』
 宣言と同時、目元に相当する部位の視覚センサーより紫の光が迸る。
 その様を目にするまでもなく、既に警戒を高めていたエルジェーベトは先手を打った。その背に展開した魔法円より無数の血鎖がスリサズを飲み込まんと蠢いた。黒鉄の鎧が如き機体へと戒めめいた血鎖が絡みつき、四肢を捉える。
「かかったな……!」
 畳みかける様にハルバードを繰り出すエルジェーベト、滅多突きの言葉の相応しいその刺突の手数の多さも個々の威力も、スリサズの合金の身体をして軋ませる程、罅を走らせ厭な音を響かせる程。浴び続ければ長くは持たぬ、それはスリサズが搭載している超性能のCPUで演算せずとも知れている。
『……成る程、想定以上の威力です。脅威の排除を最優先します』
 告げるだけ未だ親切で、プログラム通りで行儀良い。その親切にエルジェーベトが何を返したか、地を揺るがす様な砲声に消されて最早知るべくもない。肩部の57㎜砲、戒められた両腕で尚手放さぬ機関銃からの12.7㎜弾、容赦なく火を噴く銃器の大合唱、正面からそれを浴びたエルジェーベトの苦悶の声すら飲み込んで、硝煙と粉塵を立ち上らせた。
 一層崩れた廃教会。猟兵と過去とが互いの姿を視認出来る程に粉塵が収まるまでには少し要して、畢竟、煙の晴れた聖堂でどちらも膝を屈しない。
「成る程、大した火力だと褒めてやる……だが、私を仕留めるには未だ足りないな」

成功 🔵​🔵​🔴​

百海・胡麦
宿敵主様が心ゆくまま振る舞えるよう
サポート同様、好きに描写戴けましたら幸い!
好戦的で軽口も叩くが
敵にも敬意を持って闘う事を好みます

相手を観察して動く術士タイプ
焔の妖、道具遣いで
自在に綿雲や刃を成したり
破魔を宿し結界にも転じられる焔
『息名』を扱うが
彼女の縁ある者であれば簡単に通じる相手でありますまい

|リサ殿《ヴァシリッサ殿》には姉上がいたと聞く
|麗しい人《強いひと》――只者ではあるまい
…どっか似てる。けど違う
リサ殿はもっとあったかいもの

牽制なら『蜜霰』を
最も使い慣れた鉄塊剣『温』と焔を
護りとして使いUCで鎖にダメージ転換
断ち切って命だけは護る

はっ
まじない遣いに…大したもの

水入らずだ
休まして貰うよ



●紅の血族の|輪郭《プロファイル》
 永きを生きればこそ知っている。|埒外ども《猟兵》の戦いと言うのはいつも概ね約束された勝ち戦。過程に山あり谷ありと言えど、最初からある程度勝ち馬に乗る様な慢心が皆無と言えば嘘になる。認めようと、認めまいと、だ。
 だが百海・胡麦(遺失物取扱・f31137)は今日までのその認識を改めざるを得ぬ。
 満身創痍で血と土埃とに塗れて居ようとも、目の前のこのオブリビオン、『血鎖のエルジェーベト』は明らかに別格だ。
 護身の様に、牽制の様に、両者の間を隔てる壁の如くに燃え上がった白い炎は、エルジェーベトの構えたハルバードによる一閃を、僅かの間退けた。周囲を焦がしたその熱で術者の力の程を知らしめて、構え直させることによってだ。
「あなたに似ている人を知っている気がするよ」
 稼いだ時にて胡麦は率直な心の内を告げる。未だに色の定まらぬ緩い癖毛を熱気が乱暴に遊ばせた。揺れる己の前髪を越して、琥珀の瞳はエルジェーベトを確りと映す。
 何の情報によるものでもない、ただ単純な直感だ。エルジェーベトを目にした刹那、その面差しに胡麦のよく知る大好きな友の面影が重なった。
 彼女は確か、姉が居たと言っていた。
 このオブリビオンがそうだとすれば、益々易く斃せる相手ではない。否、己が渡り合える相手ですらないやもしれぬ。何の疑問もなしにそこまで考えて、この今改めて認める相手の隙のなさから、己の直感の正しさばかりを噛みしめる。
「投げやりに見えて実は根明で脳筋で——とても素敵で大好きな友人だよ」
 それでも尚も言葉を尽くし、何を伝えようとしていたか。
 しかし、返事はつれないものだ。
「そうか。私にはどうでも良いことだ」
 嗚呼、違う。確証を得る。
 |ヴァシリッサ《友》と似た強さ麗しさを備えつつ、彼女とはまるで異なっている。胡麦が好きな|ヴァシリッサ《リサ殿》はもっとどうしたって隠しきれないくらいに温かく、だからこそ大好きにならずには居られないのに。
「時間稼ぎはもう十分か?」
 焦れるでなく、苛立つでなく、憐憫すらも孕むかの様なエルジェーベトの声音。同時、弾丸の如き速度で撃ち出された血鎖を、予想をしていた筈なのに胡麦は躱し切れない。|息名《焔》で遮ろうとして能わずに、鉄塊剣で防ごうとして仕損じて、華奢な身体に血鎖が叩き込まれて蛇の如くに絡みつく。
「跪け」
 同時告げられた命令はただ只管に峻厳に、抗う者を許さない。
「嫌だね」
 膝を折ることを拒んだ胡麦の身に本来ならば賜う筈の|罰《ダメージ》が訪れぬのは、召喚した魔法生物のお手柄か。彼女が抗えば抗う程に、本来受けるべきダメージが増せば増す程に、それを転嫁されてゆく血鎖に徐々に罅が走る。
「命令されるとつい反発したくなってしまってね」
 やがて砕け散る血鎖。時を同じく漸く焔を散らして間合いを詰めたエルジェーベトへ、新たな焔の壁を設けて距離を稼ぎつ、胡麦は問う。
「ところでさっきの話、覚えてるかい」
「何?」
「アタシの友だちの話だよ」
 焔を挟んでフェードアウトしようとする胡麦と対照、彼方から急激に近づいて来るのはターボエンジンの音である。
「——ほら、お出ましだ。アタシは休ませてもらうから、どうぞ水入らずで」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴァシリッサ・フロレスク
アドリブ大歓迎
なんでもOK
向こうからの呼名はヴァーシャ

愛車のハティで急行

精が出るこッた、変わらないねェ
姉貴

その威厳
苛烈で凄然たるも
アタシにだけは、どこかあたたかかったその眼差しも

アタシはどうだ?
この血を旗頭として担ぎ、慕い、信じた者たちの幾多の屍の上を駆け抜け
遂には領主だった叔父を討取り
その果で死に物狂いで貴女の
その喉元へと至ったあのときから

過去と訣別を誓った――否、全てを喪った、あのときから

未熟な十代のあの頃と比して、我ながら大分余裕も持てたし

酒と享楽、一寸余分なお肉もだけど

潜り抜けた鉄火場と、磨き上げた技と

大切なものも、また。

Okey.
|あンときは《・・・・・》手ェ抜いただろ、姉貴?クソガキのアタシだッて解ッてたよ

|おンなじ血だ《・・・・・・》、欲張りで我儘で。聞き分け良く土の下で大人しくしてるタチじゃないのは良くわかッてるサ

お互い疾うに血塗れだ
今更恨みッこナシさ
未だまだ|ソッチ《・・・》に逝く予定も無いンでね?出し惜しみして後悔無いよーに、|フルコース《全力勝負》と行こうじゃないか



●呪われし血に祝福ぞあれ
 荒々しいターボエンジンの排気音が夜の静寂を劈いた。暗夜のこの世界に生まれ育った混血のくせ、当世に到底似つかわしくもない鉄の二輪で帰還した女はヴァシリッサ・フロレスク(|浄火の血胤(自称)《エンプレス・オブ・エンバー》・f09894)。やかましい爆音を引き連れて来たくせに、それでも崩れた扉の前で下乗したのはどうやら彼女なりの敬意だったか。
「精が出るこッた、変わらないねェ——姉貴」
 拝謁、等と畏まるには些か距離が近すぎる軽口だ。それは父を違えての半血とは言え血を分けた実の姉妹であるが故。
 だがそれでも、そのヴァシリッサですらも多少背筋が伸びる相手だ。
 『血鎖のエルジェーベト』。大輪の薔薇の如き鮮烈な美しさと、烈火の如き苛烈な戦いぶりで知られたその名は嘗て遍く領地を震え上がらせた。領主の娘の身でありながら父の威光に甘んじることぞなく、それどころか、その武勇にて親衛隊長として父を支えて、治世を盤石なものとした張本人。
 支配は、統治は力なくしては能わない。あの頃誰もが恐れた領主の力、それはエルジェーベトの存在であったと言っても過言では無いだろう。
 血族最強と謳われた嘗ての親衛隊長は、往時の威厳も隙の無さもそのままに、今、ヴァシリッサの目の前に立つ。
「……ヴァーシャか」
 彼女が教会に足を踏み入れた時から認識していたくせに、ハルバードの石突を真っ直ぐに地に立てたままに傲然と顔を上げ、優雅に揃えた足を動かしもせぬ。
 文字の通りに、待っていたのだ。己からは決して動かず、相手が参上仕るのを、貴人として、支配者として、嘗てと何も違えずに。
 そうして連戦の疲弊も不利も露ほども見せぬ鷹揚さで、今、歩み寄って来たヴァシリッサを睥睨する。
「お前も変わらない……とは言えぬな」
 そうして、エルジェーベトは微かに唇の端を上げた。
 嗚呼、どれだけ恐れられて居ようと自分にだけは温かかった、そんなところもあの頃と何も変わらない。その事実にヴァシリッサが覚えた感覚は、懐古だったか、安堵だったか。つられる様に破顔した彼女の笑顔は相変わらず酷く下手くそで、卑屈なものでしかないものの。
「見違えるくらいイイ女になったろ? 大切なモノも出来てね。楽しいお酒も覚えちまって、ちょっと余分なお肉もついたが」
「ふん。あの時はまだ乳臭い小娘だったものを——もうそんなに時が経つのか」
 あの時、即ちその身の終わり。
 もう十年以上も昔のことだ。当時、ヴァシリッサはまだ少女であった。未熟で、何の余裕もなくて、死に物狂いで刃を揮うことしか出来ないで居た。
「なァ、姉貴。言いたいことも訊きたいことも山ほどあるよ」
「剣を抜け。互いにどんな言葉よりもそれでこそ雄弁に語り合えると思わぬか」
「まァそう言うと思ッたけどサ」
 選んだ得物は異形の刀二振り。重いその刃ならばハルバードとも渡り合えると知っている。
「その上で訊きたいこともあるンだけどねェ」
 だが、聴かせてくれる程には相手も甘くはないらしい。最早言葉は不要とばかりに、無駄のない突きの連撃、躱したところで返された刃。予想をしたとて対応し切れぬ程、重たい槍斧の刃が何故にこれほどまでに速いのか。
「遅いッ」
 辛うじて刀で逸らして致命は避けて立て直そうとした先でいつの間にやら展開されていた魔法円、放たれた無数の血鎖に触れてはならぬとヴァシリッサの本能が告げて居る。だが、躱し切れる未来が見えず、咄嗟に解放したのは呪われた血の力。
 瞳の灰を姉と同じ真紅に塗り替えたなら、その力は今や純血の吸血鬼にも後れを取らぬ。襲い来る血鎖を二刀で捌いて、身を捩って紙一重で躱して、だがそこにエルジェーベトの容赦ない刺突と斬撃も降り注ぐ。腹を抉られ、腕を裂かれて肩を穿たれ、血を流しながらでも刃を揮い続けて、嗚呼、可笑しくなって来るほどのこの既視感。
 この呪われた血を旗頭として担ぎ、慕い、崇め奉った信者たち。当時まず斬り伏せたのは彼らであった。無数に積み上げたその屍の上を駆け、抗う血族たちをも討ち滅ぼして、親衛隊長の不在をつき、遂には|領主《叔父》の首をも討ち取った。
 僅か間に合わず駆け付けて主君の崩御を知った彼女は、エルジェーベトは、あくまで|親衛隊長《・・・・》として仇を討つべくあの時ヴァシリッサへと刃を向けた。そう見えた。
「……なァ、|あンときは《・・・・・》手ェ抜いただろ、姉貴?」
 今、二刀でハルバードを受け止めようとして、とどめ切れない刃を肩へと受けながら、ヴァシリッサは当時の違和を口にする。
「何の話だ」
「今が強すぎるッてだけじゃない。クソガキのアタシだって解ッてたよ、アタシが姉貴に勝てる筈がないッて……!」
 願わくば、もしも奇蹟が起きたなら刺し違えたい。それ程に当時の勝算は絶望的なものだった。命も何も投げ出すつもりで特攻して、それでもどうせ犬死ににしかならないと半ば覚悟を決めていた。今と同じだ、血鎖を掻い潜り、ハルバードの刃を身に受けながら、死に物狂いで刃を揮ってその喉元に至ったのだ。
 元来そこに至れる筈がないと知りながら、不思議なまでにエルジェーベトの斬撃が酷く鈍った、その一瞬に命を繋がれて。
「だから知ってるよ、アンタに生かされたんだッて」
 あの時刃を鈍らせた彼女は|領主の親衛隊長《・・・・・・・》でなく|ヴァシリッサの姉《・・・・・・・・》の顔をしていた。
「それはお前の妄想だ。それに今更あの時の焼き直しをする気はないな」
「知ってるよ、アンタもアタシも|おンなじ血《・・・・・》だ」
 ——土の下で大人しくなんてしてられないし、お互い疾うに血塗れだ。
 言い損ねたのは、血鎖がその身を捉えたが故。そうして、怒涛の如き滅多突きをエルジェーベトが重ねたが故。噴き上げる様な己の血飛沫に視界を真っ赤に染められながら、
「ッは、はは……!」
 ヴァシリッサは、ただ、笑った。
「ほらな、昔から姉貴はアタシに甘いンだよ」
「これでもまだそう宣うか?」
 エルジェーベトの声に苛立ちがある。深々とヴァシリッサの肚を刺し抉りながらハルバードの刃を捻って、引き寄せた。重ねて、今や襤褸布の如くと化したその身を蹴飛ばす様にして刃を抜き放つ。足元をふらつかせたその身へと槍斧の刃を落とせば、後はもう、全てが終わる。
「終わりだ、ヴァーシャ」
「姉貴がね」
 刃の振り下ろされるより先に、至近にて火を噴いたのはヴァシリッサが二刀に仕込んだ拳銃だ。
「すまないが、未だにまともにやり合ッて姉貴に勝てる気がしないンだ」
「なッ……」
 撃たれた刹那に誘い込まれたと認識をして、生まれた隙はほんの一瞬。だが、吸血鬼の力を解放したヴァシリッサには十分なものであり、幾ら繕えど猟兵との連戦に疲弊していたエルジェーベトには致命である。
 畳みかけたのが刃だったか銃弾だったか、当のヴァシリッサが覚えない。いつかと同じだ。無我夢中、そうでなければ、そうであっても、己の勝利も存命も覚束ぬ。覚醒した血の荒ぶるままに、生き抜く為の本能に任せて攻勢を重ねる他にない。
「腕を上げたな、ヴァーシャ」
 やがて血塗れで、それでも何処までも鷹揚にエルジェーベトが告げた。膝を折りそうになったその身をヴァシリッサに抱き留められながら。何処までも武に生きて死んだ身だ、己を破った相手の戦いが如何なものであれ、卑怯だのと謗ることはせぬらしい。
「その評価がもう甘いンだけどね」
「知っている。……一度、今のお前と杯を交わしてみたいものだ」
 微かに笑んだ様な気配と、息吹の消える気配とを、ヴァシリッサはもう見なかった。過去として塵の様に崩れてゆく身の背中を一層抱きしめながら、ただ気丈に口の端を上げる。
「……あぁ、アタシがそっちに逝ったらヨロシク」
 その言葉を誰ひとりとして聞かずとも。
「まだ暫く予定はないンだけどね」
 
 誰も居なくなった廃教会、バイクのエンジンをかける音が厭に賑やかによく響いた。
 夜気を震わせる派手な排気音が遠ざかりながら暫しこだまして、やがて静寂が辺りに満ちる。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年09月18日
宿敵 『血鎖のエルジェーベト』 を撃破!


挿絵イラスト