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帝都櫻大戰⑮〜狙うは一瞬！

作者：夢幻

●勝利の鍵は『エナジー・ゲート』
「『ジャスティス・ワン』の力を借り、ヒーローズアースを守るのだ！」
　グリモア猟兵の天御鏡・百々（その身に映すは真実と未来・f01640）は、オブリビヲン化したエンシェント・レヰスの指導者の一人である『イザナミ』がヒーローズアースへと侵攻を行っていると話す。このように攻められている十二世界の防衛が、帝都櫻大戰の第二戦線である。

「現地のヒーロー・ヴィラン達も頑張ってくれてはいるのだが、敵が引き連れてきた多数の影朧の群れを相手にするのがせいぜいだな。イザナミ本人は、猟兵主導で迎撃する必要があるぞ」
　流石に並のヒーローやヴィランではイザナミ相手は荷が重い。とはいえ猟兵であろうと、正面から立ち向かっては勝ち目は薄い。
「イザナミは頭部に取り付く『冥府の蛆獣』から冥府のエネルギーを無限に供給されているようだな。これをどうにかせねば勝機は無いだろう」
　そこで、ジャスティス・ウォーの時代の最強ヒーロー『ジャスティス・ワン』が猟兵と共にイザナミの対処に動いてくれている。
「ジャスティス・ワンのユーベルコード『エナジー・ゲート』を応用すれば、ごく短時間であればイザナミと冥府の繋がりを遮断することができるはずだ」
　その時間は恐らく数秒程度しかないだろう。その隙に攻撃を叩き込めば、イザナミにダメージを蓄積、そして撃退することが可能となる。
「事前に打ち合わせをしておくなり、状況を見極めて合図するなりでタイミングを合わせると良いだろう」
　ジャスティス・ワンは猟兵の指示に従ってエナジー・ゲートを発動してくれるので、各々のやり方でタイミングを合わせて攻撃しよう。

「敵は強大なれど、勝ち筋は示されている。ヒーローズアースの未来を守るのだ！」
　百々は猟兵達を激励すると、転移で彼らを送り出すのであった。

第1章 ボス戦 『イザナミ』

POW   :    幻櫻死界 指定地点からレベルｍ半径内を【サクラエリュシオン】に変える。内部にいる者は活力（体温・燃料等）を激しく消耗する。 SPD   :    黄泉変異卵 【冥府の蛆獣】から無限に供給される【生命を貪る蛆獣の卵】を、最大レベル体の対象に一瞬で投擲できる。 WIZ   :    火雷大神 自身に刻まれた【オブリビオン化の烙印である腐敗した肉体】を引き裂き、【8体の火雷大神（ほのいかづちのおおかみ）】を召喚する。［8体の火雷大神（ほのいかづちのおおかみ）］は死ぬまで敵を追跡し、【雷】で攻撃し続ける。 イラスト：片吟ペン太 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

「イザナミ様も望んでやっているのではないけれど……」

　ヒーローズアースに防衛のため、フィーナ・シェフィールド（天上の演奏家・f22932）が戦場へと転移してきた。この世界へ攻め込んでいるのはエンシェント・レヰスのイザナミだが、オブリビヲン化した彼女は冥府の蛆獣にその身を蝕まれ傀儡とされてしまっている。その境遇に思うところはあれど、放置するわけにはいかない。

「この世界、壊させたりはしません！」
「ああ、猟兵よ、共に戦おう！」

　彼女と並び戦うは、ヒーローズアースの最強ヒーロー『ジャスティス・ワン』だ。彼の『エナジー・ゲート』こそが、イザナミに無限に供給されるエネルギーを止める鍵となる。

「タイミングはこちらで合わせます！　いつでもどうぞ！」

　フィーナは『百花繚乱～祓魔の炎桜～』にて彼岸桜の花吹雪を召喚すると、ジャスティス・ワンの行動を待つ。

「わかった！　エナジー・ゲート！」
「蛆獣の力が弱まっている！　これは、骸の海との接続が遮断されたのですか……！？」

　エネルギーを遮断され、イザナミが狼狽えている。今こそが攻撃のチャンスだ。

「花のように咲く炎、数多の夢が空を焦がす……おかえりください、この世界から！」

　魔を祓う白き炎を纏う花吹雪がイザナミを焼却する。慌ててイザナミが『火雷大神』を召喚しようと、エネルギー不足の状態では力不足だ。花吹雪はそれごとまとめて焼き払う。
　すぐにエナジー・ゲートが停止し攻撃は防がれたが、それまでに十分なダメージを与えることができた。また、遮断状態で受けたダメージはその後エネルギーが供給されようと、簡単に回復できるものでもないらしい。
　この調子でダメージを積み重ね、イザナミを撃退するのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「猟兵よ！　世界を守るため、その力を貸してほしい！」
「勿論！　よろしく頼む！」

　ドーヴェン・ルーマ（正義のドーベルテイマー・f37020）もまた、ヒーローズアースを守るためにこの戦いに参戦した。実はこれがドーヴェンにとって猟兵しての初陣だ。それにしてはハードな任務ではあるが……

（「ジャスティス・ワン、なんて心強いんだ。俺たちも負けてられない！」）

　助っ人としてジャスティス・ワンがいるならきっと大丈夫。一癖も二癖もあるダークリーガーではなく、一番正統派な彼の居る戦場を選択したのも正解だろう。

「10秒後にエナジー・ゲートを発動する！　それに合わせて攻撃するんだ！」
「はいっ！　行くぞアレク！」

　ジャスティス・ワンの助言を受けつつ、ドーヴェンは『幻櫻死界』を展開するイザナミに向かっていく。冥府の蛆獣に蝕まれし愛と死の女神は恐ろしいが、彼は勇気を振り絞り的へと立ち向かう。

「エナジー・ゲート！」
「任せたぞ、アレク！　ジャスティス・ワンが与えてくれたチャンスを無駄にするな！」

　今こそ俺たちの正義の絆を証明するときだと、ドーヴェンは気合を入れてユーベルコードを発動する。そのタイミングはばっちりだ。イザナミのエネルギーが遮断された瞬間に、ドーヴェンの指示を受けたアレクが突撃し、『ドーベルタックルスマッシュ』で敵を100ｍも吹き飛ばした。

「確かに効いたが……妾を倒すにはまだ足りぬ」

　確実にダメージを与えることは出来たが、イザナミは未だ健在だ。

「うむ、これで十分だ。無理せず退いてくれ」
「わかった！　ジャスティス・ワンも気を付けて！」

　猟兵はその数こそが最大の力である。一人では倒せずとも、何人もでダメージを積み重ねていけば強大な敵もいつかは倒せる。それに、敵のユーベルコードによって消耗も予想以上に激しい。ドーヴェンはジャスティス・ワンの助言に従い、アレクと共に撤退していくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「なんかこう、やたらと強大な敵が出てきて、対応に苦慮しますね」

　ボヤきながらも、エリー・マイヤー（被造物・f29376）がヒーローズアースに転移してきた。この世界に侵攻しているイザナミを始め、エンシェント・レヰスの指導者はどれも規格外の強さの持ち主だ。助っ人がいるのがせめてもの救いというところか。

「そして、そんなご歴々を壊滅させた諸悪の根源が後に控えているという。想像するだけで、気が滅入ってきますね」

　そんな彼らを傀儡とした幻朧帝イティハーサはいったいどれほどの力を持つのか、末恐ろしいものである。これに関しては、山本五郎左衛門の『諸悪の根源滅殺儀式』の効果に期待するしかない。

「……まぁ、何にしても戦うしかないんですけどね」

　ともあれ、今は目の前の任務だ。エリーは敵の投擲してくる『黄泉変異卵』を念動力で逸らしつつ、『念動ショット』をイザナミに向けて放つ。それは確かに命中しているが、些かのダメージも与えられていない様子だ。

「なるほど。この性質なら……最適な弾丸はこれですね」

　一見無駄な行為に見えるが、その実ユーベルコードの付随効果によって、エリーは敵の物理的特性を解析していた。そうして把握した性質に合わせた弾丸にサイキックエナジーを前回までチャージしたところで、エリーはジャスティス・ワンに合図を送る。

「ジャスティス・ワンさん、お願いします」
「了解だ！　エナジー・ゲート！」

　そしてジャスティス・ワンがイザナミのエネルギー供給を遮断する。このタイミングに合わせ、エリーは最大威力の念動ショットを打ち放つ。

「……バン」

　それは的確なヘッドショットによって、イザナミの体力を大きく削り取った。

「蛆獣の力を弱めた隙にこれほどの攻撃……貴女達であれば、妾を本当に止められるかもしれぬ」

　無限のエネルギーを注がれ無敵にも等しいイザナミ。しかし、猟兵はジャスティス・ワンとの協力によって彼女を追い詰めつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　続いてイザナミに挑むのは、煙草・火花（ゴシップモダンガァル・f22624）だ。

「ジャスティス・ワン殿！
　イザナミ殿から卵が放たれるのに合わせて、エナジー・ゲートの展開を！
　小生が全力でそのタイミングを狙います故！」
「了解した！　君の全力をぶつけてくれ！」

　そもそも即席の連携だ。詳細な連携を詰める時間もないことから、火花は初動を決めた上で互いにアドリブで合わせるのが吉と判断したようだ。

「妾を蝕む冥府の蛆獣はいくらでも増える。これを止められますか」

　そして狙い通りに、イザナミは二人に向けて『黄泉変異卵』を投擲してくる。これに対して、火花は足元を爆破することで卵の回避と共に加速して、敵へ向けて一直線に突っ込んでいく。

「勝負は一瞬、ならばその一瞬にすべてを賭けるのみ……！」

　それと同時に、ジャスティス・ワンも行動に出ていた。彼は卵を弾き飛ばすと、ユーベルコードを発動する。

「何のこれしき！　エナジー・ゲート！」
「蛆獣の力が弱まっている！　これは、骸の海との接続が遮断されたのですか……！？」

　打ち合わせた通り、ジャスティス・ワンは敵のエネルギーを遮断した。その事実に、イザナミが動揺して隙を晒す。そこに加速し切った火花の斬撃が繰り出された。

「華咲くは一瞬……でありますよ！」

　その一撃は、消耗していたイザナミを撃退するには十分な威力を秘めていた。

「見事です。この妾を倒すなんて……」
「これが今を生きるヒーローと學徒兵の……力であります！！」

　猟兵だけでは敵わなくとも、頼れる味方と協力すれば強大な敵も撃退することができる。それは猟兵達がこれまでに築いた絆と信頼の成果である。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2024年09月18日