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帝都櫻大戰⑰〜櫻がこんなに綺麗なら

#サクラミラージュ #アスリートアース #帝都櫻大戰 #第二戦線 #キャンプ・フォーミュラ『キャンピーくん』

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#キャンプ・フォーミュラ『キャンピーくん』


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 サクラミラージュで戦争が勃発して少し経つ。グリモア猟兵の神白・みつき(幽寂・f34870)によって召集された猟兵達の顔にも、僅かに疲労の色が出始めていた。まるでそれを見越したかのような話をしなければならないのかと、みつきは妙な巡り合わせのようなものを感じていた。

「お集りいただき有難う存じます。第二戦線に移行すると同時にエンシェント・レヰスと呼ばれる存在が続々と現れたことで、戦場は混沌を極めております」

 『|護国鉄神零號《ごこくてつじんぜろごう》』『イザナミ』『神王サンサーラ』、それらはかつて、自らの命と引き換えに幻朧帝イティハーサを封じた功労者達だ。彼らすらもオブリビオンとして蘇り、そして猟兵達に牙を剥こうとしている。彼らに僅かながら理性が残っているにしても、それも時間の問題だろう。
 そんな窮地において、各地に続々とエンシェント・レヰスに対抗し得る強者達が送り込まれている。長く猟兵と共闘する者、かつて猟兵と対峙した者──内訳は様々だが、そのおかげで戦線は保たれていた。

「……それはそれとして。此度の立役者、キャンプ・フォーミュラのキャンピーくん様より野営のお誘いが来ております」

 話の方向性が180度変わった、かと思えばそうでもないようだ。そもそも、エンシェント・レヰスのもとへ強者達を送り込んだのは、他でもないキャンピーくんである。山本五郎左衛門の要請を受けてのこととはいえ、寸でのところで持ちこたえているのは間違いなく彼の功績だろう。
 キャンピーくんは現在、アスリートアースの山中にあるキャンプ場に現れ、共にキャンプを楽しんでくれる者を待っているらしい。今や他世界にも幻朧桜が咲き乱れ戦火が飛び火している状態だが、周囲の戦闘行為を全て無効化する彼には一切関わりの無いことだ。

「戦の合間の、ほんの僅かな休息ではございますが……キャンピーくん様のお気の済むまで、共に過ごしていただきたいのです。彼にとってはそれが一番の御礼にもなると思いますので」

 みつきは少しだけ困ったような様子を見せつつ猟兵達へ乞うた。確かに激戦の最中でキャンプに勤しむというのも、気が咎める者もいるだろう。だが、休息は確かに必要だ。更に打算的に考えるならば、ここでキャンピーくんと良好な関係を保っておいた方が後々のためとも言える。
 猟兵達が了承すると、みつきは安堵したように胸をなでおろす。同時に、グリモアベースの空間が揺らぎ、徐々に周囲の風景はアスリートアースのものへと変化していった。視界に桜の花弁がひとつ、ふたつ。やがて吹雪のような勢いで視界を覆ったそれは、サクラミラージュへ転移したのかと見紛うほどのものだった。



 小川のせせらぎが聴こえる。木々が生い茂る渓流のすぐそばに位置するキャンプ場の空気は、戦の喧騒など無関係だとでも言うように静かなものだった。何処かで鳥が囀り、山で暮らす小さな動物の気配があちらこちらで感じられた。周辺の木々には幻朧桜がいくらか紛れ込んでおり、幻朧帝イティハーサの影響を受けていることが窺える。けれども、それだけだ。ここら一帯に敵の気配は一切感じられなかった。
 ふいに、香ばしい珈琲の香りが猟兵達の鼻腔をくすぐる。渓流を挟んだ向かい側で、キャメル色のテントの姿をした彼が手を振っていた。

「ようこそ~、一緒にキャンプしようよ~」

 キャンピーくんの傍らには手ずから淹れた珈琲が、温かな湯気を昇らせている。今はまだ未使用のようだがバーベキューセットまでセッティングされており、食材さえあればここで腹を満たすこともできそうだ。それこそ、キャンピーくんに頼めば何処からともなく食材が現れたっておかしくはない。渓流の流れは穏やかで、足を浸しての水遊びは勿論のこと、渓流釣りも楽しめそうな環境だった。
 渓流より少し離れると拓けた場所に出ることができる。その敷地を大いに利用して設けられたアスレチック設備は、かの巨大アスレチック番組にも劣らない立派な作りだ。また、この広場はとにかく周囲の見通しが良い上に街灯も無い。夜になれば、きっと星が綺麗に見えることだろう。
 遊びの可能性は無限大だ。ここに無いものも、猟兵やキャンピーくんであればその場で用意するのは造作も無いこと。

 今はまだ静かな幻朧桜に見守られながら、猟兵達はほんの少しだけ延長された夏休みを満喫するつもりでキャンピーくんと合流した。


マシロウ
 閲覧ありがとうございます、マシロウと申します。
 今回はサクラミラージュでの戦争シナリオをお届けいたします。「キャンプを楽しむこと」が目的となります。参加をご検討いただく際、MSページもご一読ください。

●第一章
 キャンピーくんと一緒にキャンプを楽しむ。ただそれだけです。疲れを癒し、また戦場へ舞い戻るための英気を養ってください。POW/SPD/WIZの選択肢はあまり考えずとも構いません。オープニングには無いアクティビティも大歓迎です。
 プレイングボーナス:キャンピーくんとキャンプを楽しむ。

 オープニング公開直後からプレイング受付を開始いたします。また、早期完結を優先するため全てのプレイングの採用はお約束できかねますのでご了承ください。締切はタグやMSページをご確認ください。
 皆様のご参加を心よりお待ちしております。
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第1章 日常 『桜の下でキャンプしようよ~』

POW   :    アウトドアでのアクティビティを楽しむ。

SPD   :    美味しいキャンプ飯を作って食べる。

WIZ   :    キャンピーくんの中で昼寝して英気を養う。

イラスト:真夜中二時過ぎ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第四『不動なる者』盾&統括役武士
一人称:わし 質実剛健古風

正月の時も、陰海月はキャンプブームであったが…。ふむ。
わしなのは…まあ…釣りができる場所が近いと聞いてな。

というわけで、釣りである。…陰海月は、いつものことじゃが寝とる…。
釣ったのは…小さめのはリリースし、大きいのを、焚火での焼き魚に。塩でな。
なお、キャンピーくんの分もちゃんとあるぞ。


陰海月「ぷきゅ!」
キャンプ!今回は…せっかくだから、釣り!
ぼくも釣り竿持っちゃうぞ!(そして、釣れずにぷきゅと寝る)
お魚おいしい~。
霹靂「クエ」
焼き魚の匂いにつられて出てきた。おいしい~。



 戦の|最中《さなか》とは思えぬほど穏やかな光景だった。馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は眼前にて透き通った水が流れる様子とその音に耳を傾ける。傍らで泳ぐように浮かぶ大海月──陰海月は、何やら楽しそうに鳴きながらその体色を変えていた。

「ぷきゅ!」

 陰海月は高く鳴いた後に、今度はキャンピーくんの周囲をふわりと飛び回る。

「釣りがしたいの? いいよ~。はい、釣り竿」

 陰海月の言葉を理解しているのか、キャンピーくんはテントの形をしたその体から釣り竿を三本取り出す。一本は陰海月に、もう一本は自分に、そして最後の一本は義透の手に渡った。

(正月の時も陰海月はキャンプブームであったが……ふむ)

 身体を共有する誰もがここに興味を示したが、結果として表に出たのは『不動なる者』たる人格だ。釣りとなれば彼だろう、と他人格の間で満場一致したのかは定かではない。戦は終わっていないという事実に後ろ髪は引かれつつも、静かな時間を持てるのは有難いことだった。
 |方々《ほうぼう》の好意に甘えることにした義透は渓流のそばの石をひっくり返し、釣餌になる虫を見つけるとそれを釣り針に取り付ける。陰海月も真似をしたがったのでそちらの餌も取り付けてやると、陰海月は喜んでそれを渓流へ向けて放った。義透もそれに続いて釣り針を落とし、川の流れに任せる。魚がかかるまでの時間は長い。義透は足場にしていた大きな岩に腰を下ろし、水の流れる音に身を浸した。実際に水の中に入ったわけではない。けれど、その音は義透の頭から余計な情報や雑念を洗い流し、精神を研ぎ澄ませてくれるような、そんな心地がした。

「陰海月は……ああ、まあ、いつものことじゃが」

 ふと、隣で釣りに勤しむ陰海月の様子が気になって視線をやるが、岩場に張り付くようにして寝てしまっている。魚を待つ時間は義透からすれば心地よいぐらいのものだが、中身が幼い陰海月には退屈だったかもしれない。
 そうこうしている内に、義透の釣り竿に何匹かの川魚が掛かる。山女魚や岩魚といった食べられる魚が釣れることが分かったので、小さいものは川へ戻し、適度に育ったものを昼食用に確保することにした。

「ぷきゅ! ぷきゅ~!」
「うむ、そうかそうか」

 不貞寝していた陰海月も、義透が次々と魚を釣り上げる様子を見てはしゃいでいる。共に釣りに興じていたキャンピーくんはというと、やはり存在が異様だからか釣果はあまり芳しくないようで、義透の釣りの腕を見て丸い手をぽむぽむと叩き合わせている。おそらく拍手をしているのだろう。

「すご~い、釣りが上手なんだね」
「嗜む程度にはな。キャンピーくんの分もちゃんとあるぞ」
「本当? うれしい~」

 義透は次の魚を待ちつつ、拾い集めた枝を用いて火を起こす。釣った魚を一本ずつ串に刺して焚火に添えると、じわじわと魚の表面が焼かれるにおいが食欲を刺激した。キャンピーくんが持参した塩をひとつまみずつかけることで魚の味が引き締まり、これもこれで美味なるものだった。

「クエ」

 傍らから、つい先程までは聞こえなかった別の声が義透へ呼び掛ける。そちらを見やればいつの間に影から現れたのか、ヒポグリフの霹靂が焼き魚を物欲しそうに見つめていた。

「なんじゃ、霹靂も来たか」

 それほどまでに美味そうなにおいが漂っているということだろう。出てきたものを無碍にするのも忍びなく思い、義透はまだ塩を振っていない焼き魚を霹靂の前へ差し出した。霹靂は嬉しそうにそれを嘴で受け取り、熱を逃がしながら自身のペースで食べ進めてゆく。

(……かくも穏やかであるものか)

 ここに在るのは、川のせせらぎと笑い声だけ。今ここで見聞きしているものは、戦いの末に取り戻すべきものの縮図とも言えた。
 幻朧桜が散り、渓流に花筏を作る。その光景を横目に見ながら、義透は再び戦へ身を投じるべく今は心身を休めることにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キール・グラナドロップ
ただ普通にキャンプしてる人(?)だ……キャンピーくん……あれなら、こわくないかも?(自然の影からこそり)
ちょっと勇気を出して、一緒にキャンプしてみようかな……(人見知り発動中)

ね、ねえ、ボク、キャンプの事そんなに詳しくないんだけどね。
キャンプでマシュマロを焼くっていうのは聞いたことがあって……その、一緒にやらない……?
こんな感じですす……とキャンピーくんにお誘いするよ。

……う、上手くできるかな……わぁ、マシュマロがトロトロになってく……! 焦げ目もなんだか美味しそう! クッキーにはさんだりもするんだね! いいなぁ!(すっかり緊張が解けて目の前のお菓子に嬉しそうに)



「ただ普通にキャンプしてる人(?)だ……」

 幻朧桜が混じる楢の木々の陰から、キャンプを満喫するキャンピーくんを見つめる視線がひとつ。キール・グラナドロップ(影に縋る者・f14289)は臆病な性質ゆえに種族相応の小さな体を震わせることも多いが、キャンピーくんのような者が相手であれば多少はマシな気がしていた。おそらく、彼のマスコットキャラ然とした見た目のおかげだろう。

「キャンピーくん……あれなら、こわくないかも?」

 キールはおそるおそる楢の木から離れ、その赤い羽でキャンピーくんのもとへふわりと飛翔する。キャンピーくんもすぐにキールの存在に気付き、そのまん丸の手を振って彼を迎え入れた。

「いらっしゃ~い。きみも一緒にキャンプしようよ~」

 事前に聞いていたとはいえ、想像していた以上にフレンドリーだ。戸惑いは覚えつつ、キャンピーくんのゆるい空気に安堵したキールは言葉を選びつつ、おどおどと口を開く。

「ね、ねえ、ボク、キャンプの事そんなに詳しくないんだけどね」
「そうなの? でも大丈夫、キャンプに難しいことなんて無いよ~」
「ほんとに……?」

 キャンピーくんの心強い言葉に、キールは少しだけその瞳に喜びの色を灯す。キャンプ自体は未経験だが、以前より噂で聞いていたキャンプの醍醐味のひとつがキールはどうしても気になっていたので、余計にその喜びは大きかった。

「キャンプでマシュマロを焼くっていうのは聞いたことがあって……その、一緒にやらない……?」
「わ~い、やろうやろう。マシュマロならいっぱいあるよ~」

 キャンピーくんはそう言うと、テントの出入口にもあたる自身のカーテンを開き、中からマシュマロを一袋取り出す。どうやら市販品のようだ。どこで仕入れたのかは不明だが。
 キールはキャンピーくんに教わりながら、周辺に落ちている枯れ枝を拾い集める。広葉樹の枝、針葉樹の枝、それぞれ薪にはできるものの適した場面が違うという話を聞きながら集めた枯れ枝は、あっという間に立派な焚火となる。

「はい、串にマシュマロ刺したよ~。表面だけを炙るように、火にそ~っと近づけてみてね」
「う、上手くできるかな……」

 キャンピーくんから串を受け取り、先端に刺したマシュマロの重みで少しよろけながらもキールはそれを火に近づける。そう経たずに変化は現れた。真っ白なマシュマロの表面に徐々に焦げ目が生まれ、ふわふわの質感を持った生地はとろりと形を失い始める。

「わぁ、マシュマロがトロトロになってく……! 焦げ目もなんだか美味しそう!」
「もう食べ頃だよ~。食べてみて、食べてみて」

 キールはマシュマロを火から遠ざけ、かぶりつく前に目一杯の息を吹きかけて熱を冷ます。頃合いを見てひと口頬張れば、甘くて温かいマシュマロの味が広がった。べっこう飴にも似た香ばしさもあるのは、おそらく表面の焦げ目によるものだろう。それもまた、マシュマロの甘さと釣り合いが取れていて味わい深かった。

「プレーンクッキーもあるよ。これに挟んで食べてみて~」

 キャンピーくんは、彼のテントの色とそっくりなクッキーを二枚取り出すと、それをキールに手渡す。食べ終える前の焼きマシュマロを言われた通りにクッキーに挟み、おかげでだいぶ幅が増したそれにかぶりつけば、さくさくと歯応えのあるクッキー生地の塩味とバターの味がマシュマロの甘みの輪郭を際立たせた。

「おいしい……! クッキーにはさんだりもするんだね! いいなぁ!」
「気に入ってもらえてよかった~。珈琲もあるよ。お砂糖とミルクもあるからね」

 美味しいものを、誰かと一緒に「美味しいね」と言いながら食べる。ただそれだけのことだけれど、キールの緊張を解きほぐすには充分すぎた。焚火が小さく爆ぜる音と渓流の水音をBGMにして、キールはキャンピーくんと共に様々なキャンプの楽しみ方について会話に華を咲かせた。戦争中とはとても思えない、時間を忘れるほどに穏やかなひと時の出来事だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
キャンピーくん久しぶりぃ!
あそぼあそぼー!

まずは腹ごしらえから
僕にも珈琲いただける?
…ミルクと砂糖多めで…(苦いの不得意

折角ならフォンデュしよっか
用意するのはカレーとチーズ
好きな方につけても、両方混ぜてもいいかも

食材も予め火を通したり茹でたりと下処理を済ませ
お互い好きなもの食べよう

あ、それと…ちょっとバケツ持って来てキャンピーくん
見ててね、僕コツ知ってるんだ

裸足になって川へ
軍手を嵌めたら予め水中に付けて手を冷やして
静かにタイミングを見計らい…魚の掴み取り!
すぐに水を入れたバケツにぽいっと

昔の(恋人と2人っきりの)サバイバル生活で覚えました
キャンピーくんの分も獲るからこの子達も塩焼きにしよっか



 猟兵の中には、既にキャメル色の三角テントの生物に見慣れている者もいる。栗花落・澪(泡沫の花・f03165)もその一人だった。渓流のそばでキャンプ地の支度をしているキャンピーくんの姿を見て、彼は嬉しそうに瞳を輝かせながら大きく手を振った。

「キャンピーくん久しぶりぃ! あそぼあそぼー!」
「あ、久しぶり~。今日も一緒にキャンプしようね~」

 既に既知の間柄である二人はあっという間にキャンプ地を整えてしまう。起こした火でもう一度湯を沸かしたのか、キャンピーくんは歓迎の証として香り高い珈琲を淹れてくれた。

「はい、珈琲どうぞ~」
「ありがとう! ……あの、ミルクと砂糖多めで……」
「は~い」

 心得ているとばかりにキャンピーくんは砂糖とミルクを澪の前に並べる。甘味とまろやかさを足し、珈琲がミルクティーのような色になったところで、遊ぶ前の腹ごしらえの話題になった。

「折角ならフォンデュしよっか」
「おいしそ~。それじゃあ準備するね~」

 キャンピーくんが用意してくれたのはキャンプ鍋が二つ。どんな味のソースにしたいかを相談した結果、カレーとチーズの二大巨頭で話が決まった。キャンピーくんがそれを準備している間に、澪は具材の支度に取り掛かる。野菜を中心に、ソーセージやハードなバゲット。更にエビやホタテ等の魚介類も充実していた。野菜は沸かした湯でさっと茹でて、肉や魚類は火を通しておく。バーベキューセットもそばに設けられているので、それらの作業はさほど手間を掛けずに済ませることができた。

「よーし、できた!」
「フォンデュソースもできたよ~」
「ありがとう、キャンピーくん! じゃあ早速食べよう!」

 ひと口サイズのバゲットを鉄製の串に刺し、まずはとろとろのチーズの中へ。乳白色の海を潜らせたバゲットは、チーズソースを纏ってつるりとした姿で再登場する。ほんの少しかけられたペッパーの香りに食欲をそそられながら、澪はチーズフォンデュをぱくりと頬張った。

「美味しい~! あ、これってピザ用のチーズで作ってるんだ」
「そうだよ~、牛乳も少しまぜてるんだ。ペッパー足りなかったら自由にかけてね~」

 続けてカレーソース。下ごしらえしたズッキーニがよく合う。夏野菜のカレーライスを食べるのとはまた違った味わいに、澪は喜色満面の顔を見せた。キャンピーくんは常と変わらない笑顔だが、澪がフォンデュを堪能している様子を眺める彼はどことなく嬉しそうだ。

「火も起こしてるから魚も焼けるよ~」

 キャンピーくんの言葉に、澪はぴたりとフォンデュを食べる動きを止める。そう、ここは渓流のすぐそば。魚を獲って食べる、という選択肢も確かにあるのだ。

「……ちょっとバケツ持ってきて、キャンピーくん」

 両方を混ぜたチーズカレーソースで彩るニンジンを食べきった澪はそう言って立ち上がり、靴を脱いで裸足になる。キャンピーくんが用意した綺麗なポリバケツを受け取ると、おもむろに小川の流れへ足を踏み入れた。軍手を着けて水に浸しながら、見守っているキャンピーくんへ目配せする。

「見ててね、僕コツ知ってるんだ。……えいっ!」

 澪はふいに現れた魚影に手を伸ばし、一匹の川魚をその手に掴む。艶のある青灰色の魚が暴れ回るが澪はそれを逃がすことなく、予め水を入れておいたバケツへと放り込んだ。

「すご~い! 立派な岩魚が獲れたね~」
「えへへ、昔のサバイバル生活で覚えました!」

 丸い手でぽむぽむと拍手して讃えてくれるキャンピーくんに、澪はピースサインで返す。過酷な環境で得た特技ではあるが、恋しい人との思い出のひとつだと思えば満更でもない。

「キャンピーくんの分も獲るから、この子達も塩焼きにしよっか」
「わ~い。それじゃあ、おいしい塩を出しておくね~」

 野外の食卓が徐々に賑やかになってゆく。自然の中で育ったものを自然の中でいただく。これもまた、キャンプの醍醐味と言えるだろう。焼き上がった焼き魚にかぶりつく。少しだけ塩を振り過ぎた魚だったけれど、ひと仕事を終えた澪にとってはちょうどいい塩味だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ステフ・ウッドワード
わー、戦争の最中にキャンプとは……いいんですかねえ
アタシの知識によると、キャンプとは自然との対話……みたいですけどまあ、スキに遊んじゃってかまわないですよね
幻朧桜見ながら酒飲みます!

召喚した影くんにテント設置させている間にアタシは火起こしです
魔法でヒノタマを出して着火、網を乗せてイカ焼いたりスキレットにベーコンとカマンベールチーズ入れてイイ感じに焼きます
ツマミ作ってる最中ですけどちょっとアジミに一杯……
おいしーい!
キャンピーくんがお酒を色々と用意してくれたので飲み比べが楽しみです

おっと、テントの用意も終わりましたね
では湖に向かって椅子を置き、イイ感じの景色を見ながらのんびり過ごしますか



「わー、戦争の最中にキャンプとは……いいんですかねえ」

 すっかりキャンプ地として和気あいあいとした空気になった渓流を眺めながら、ステフ・ウッドワード(夕暮れ森の花咲猫・f17855)は少し呆れたような、後ろめたいような、そんな心地になった。あちらこちらで幻朧桜が咲き乱れ、幻朧帝イティハーサの影響が色濃く出ているのが分かる。遊んでいて良いものだろうか。ついついそう思ってしまうのは、きっと自分だけではないだろう。
 ステフが知る限りでは、キャンプとは自然に親しむものだと認識している。目で確認できるだけでも渓流釣りに勤しむ者、限られた設備で食事の支度をする者、川に入って水遊びをする者──〝自然に触れ、対話する〟という原則に則っている者が多いように見えた。

「……けどまあ、スキに遊んじゃってかまわないですよね」
「いいよ~、キャンプの楽しみ方はそれぞれだからね~」
「よーし、じゃあ幻朧桜見ながら酒飲みます!」

 そうと決まれば、まずは腰を落ち着けて宴ができる場所探しだ。渓流を辿ってゆくと湖に繋がる流れを見つけたので、そのほとりにテントを用意することにした。ステフが足下の影に呼び掛けると、大きな人影が現れてテントの設営を開始する。

「じゃあその間に火を起こして、っと」

 ステフは周辺から枯れ枝や松ぼっくりを集め、見様見真似で組み上げてゆく。多少違っていたとしても、火自体は魔法で起こせるから問題は無い。無事に着火し、ステフの身長とそう変わらない焚火が完成したところで上から鉄の網を被せ、更にその上にスキレットを配置した。
 温まったスキレットに分厚いベーコンを乗せるとベーコンの脂が良い具合に滲み出てくる。塩コショウで少し味を調え、そこへ更にカマンベールチーズを投入すれば、美味しいことが確信できる香りが辺りに漂う。スキレットの隣の空きスペースにはイカを丸ごと一匹横たわらせ、焚火でじりじりと炙るように焼いてゆく。これだけでもう酒の肴としては充分だ。

「お酒飲むの? きみは~……うん、大人だね。それじゃあこれをあげる~」

 キャンピーくんはきちんと年齢確認をした上でステフへ酒の提供を始める。まずは何と言ってもビール。キャンピーくんのテントから取り出したそれは何故かキンキンに冷えており、まさに今が飲み頃だ。残暑が厳しい今の時季にはぴったりだろう。続けて出てきたのは、これまたよく冷えた白ワインだ。ベーコンとチーズは勿論のこと、魚介類にもよく合う白ワインは焼きイカの味すらカバーしてくれることだろう。そして、焼きイカ以外にも魚介類を食べるのならば、とサムライエンパイア産の純米酒が一本添えられる。

「このチョイス、分かってますね! ……ツマミ作ってる最中ですけどちょっとアジミに一杯」

 最初はビールを一気にいただくのが良いのだろうが、どうしても気になるので純米酒を一杯、ステフの体に合わせて小型化した御猪口に注ぐ。どこまでも透明なその酒は、見た目だけならば水と変わりない。だが、その馥郁とした香りは紛れもなく米で作られた酒だ。ステフは味見の一杯を口に含み、鼻を抜ける香りを楽しみながら嚥下する。

「おいしーい! これは他のお酒にも期待が高まります!」

 勢いで他の酒も開けてしまいそうになるのをぐっと堪えたところで、テントの設営をしていた影が戻ってくる。少し小さめのテントだが、ステフの体格であれば充分に寛げる大きさだ。ステフは影が自分の足下へ戻るのを見送ると、近くに畳んでおいたアウトドアチェアを広げる。焚火を挟んで湖を見渡す形で設置したそれに腰掛ければ、なんだか贅沢な休暇を味わっている気分になるものだ。

「ツマミも出来上がる頃ですし、良い景色を眺めながらのんびり過ごしますか」

 まるでそれに返事をするように、湖面でぱしゃりと魚が跳ねる。幻朧桜の花弁が浮かぶ湖は、普段よりもどこか神秘的なようにも見えた。
 美味しいお酒を彩る要素とは複数存在する。酒に寄り添う味の食事、眼前に広がる長閑な景色。そして何よりも自身の心の余裕。それら全てが揃っている今この場において、ステフがこれ以上求めるものなど何も無かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ギュスターヴ・ベルトラン
ガチキャンプだ、すげえ!
…戦争の最中とはいえ、すごいワクワクしてきたな
マシュマロある?焼こう??なあなあ、マシュマロ焼こうぜ!

串に刺して焼いたのと、スキレットにチョコとマシュマロ詰めて焼くのもやりたい
焼けたマシュマロでスモアを…いや、シンプルにコーヒーに入れるだけでも美味いよなコレ
…よし、悩んだ時は両方やる!やろうぜ!!

キャンドルランタンに火をつけて、適当に椅子に座って夜空を見上げる
キャンピーくんはコーヒーもありがとうな
…あー、こういう雰囲気の中でマシュマロ入りコーヒーが飲めるのって最高だな
普段の夜なんてエクソシストしてるからな…こうして落ち着ける夜は貴重だ

英気を養うのって大事だよな…



「ガチキャンプだ、すげえ!」

 キャンピーくんが準備したキャンプ地はギュスターヴ・ベルトラン(我が信仰、依然揺るぎなく・f44004)が想像していた以上に本格的なものだ。テントは勿論のこと日除け雨除けまで設置されており、バーベキューセットの傍らには渓流の石を積み上げて作った焚火用の炉まで出来上がっている。夏休みが終わったどころか、戦争中であるという事実をも忘れてしまいそうになるのも仕方が無い気がしてきた。

「すごいワクワクしてきたな……」
「ワクワクしてくれてよかった~」
「マシュマロある? 焼こう?? なあなあ、マシュマロ焼こうぜ!」

 大はしゃぎするギュスターヴの勢いに圧されることも無く、キャンピーくんは「いいよ~」という一言と共に自身のテントから市販のマシュマロを一袋取り出す。

「スタンダードに串に刺して焼いたのもだけど、スキレットにチョコとマシュマロ詰めて焼くのもやりたいんだよな」
「チョコもあるよ~。ちょうどこれから火を起こすから一緒にやろう~」

 周辺から集めてきた枯れ枝を石の炉の中へ均等に放り込む。着火剤代わりの松ぼっくりにマッチで火を付けて炉の中へ投入すれば、枯れ枝に引火して少しずつ大きな焚火へと成長していった。
 まずは鉄製の串にマシュマロをひとつ刺し、火に触れるか触れないかという位置まで近づける。熱によってとろりと溶け始めたマシュマロは、悩みに悩んでそのまま頬張った。優しい甘さと焦げ目による香ばしさは、キャンプならではの味わいだ。

「焼けたマシュマロでスモアを……いや、シンプルにコーヒーに入れるだけでも美味いよなコレ」

 次のマシュマロをチョコレートと共にスキレットで熱しながら、ギュスターヴは次のマシュマロに想いを馳せる。焼きマシュマロのアレンジ方法はとても多い。味がそう複雑でない分、色んなものに合うのであらゆる食べ方が考案されている。夏休みの延長……の気分でいたが、こういう意味では食欲の秋かもしれない。

「……よし、悩んだ時は両方やる! やろうぜ!!」
「やっちゃおう~。……あ、チョコと焼いたのがそろそろ食べ頃だよ~」
「お! じゃあ焦げる前に食べようぜ」

 思いつく限りの焼きマシュマロを試しているうちに陽が傾き、いつの間にやら夜の帳がすぐそばの空まで下りていた。じきに星が見え始める。キャンピーくんがそう教えてくれたので、これ幸いとばかりにギュスターヴは渓流より少し離れた広場へと足を運んだ。借りたランタンの中で蠟燭に火を灯し、その柔らかな光だけを傍らに置いて適当な椅子に腰掛けると、ネイビーに染まった空にはちらほらと星が瞬き始めていた。

「はい、珈琲どうぞ~」
「ありがとうな、キャンピーくん」

 少し遅れて広場にやって来たキャンピーくんの手にはキャンプ用のステンレスカップが二つ。香り高い珈琲が注がれたそれの片方を、キャンピーくんはギュスターヴへ手渡した。街灯が無いので薄暗くはあるが、夜目が利くギュスターヴの目には珈琲に浮かぶ焼きマシュマロがはっきりと見える。
 マシュマロの甘みが溶け出した珈琲を飲みながら夜空を見上げていると、そう経たずに視界は満天の星空で埋め尽くされる。今はもうそこには無いかもしれない星々の輝きは、ギュスターヴの心を凪いだ海のように穏やかなものにさせた。

「あー、こういう雰囲気の中でマシュマロ入りコーヒーが飲めるのって最高だな」
「星はあんまり見ないの~?」
「そういうわけじゃないけど。でも、普段の夜なんてエクソシストしてるからな……こうして落ち着ける夜は貴重だ」
「そっか~。よく分からないけど毎日大変なんだね~」

 夜に跋扈する存在を相手取る者として、穏やかな夜というだけで貴重な時間だ。キャンピーくんの能力のおかげか、今この場で敵意を持った存在の気配は一切感じられない。あらゆる世界のあらゆる場所が常にそうであれば良いのだが、少なくとも今は難しい話だった。

「英気を養うって大事だよな……つくづく実感したよ。ありがとうな」

 次の戦いへ身を投じる前に、この時間を過ごせて良かった。星空から視線を外したギュスターヴが、隣に座るキャンピーくんに改めて謝意を伝える。キャンピーくんの表情は常のものと変わらなかったが、どこか嬉しそうにしている雰囲気が感じられたので良しということにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レルヒェ・アルエット
前もキャンピー君にはお世話になってるし
今年の夏には旅仲間とキャンプもしたし
今のわたしは脱キャンプ初心者…
という事でもないけれど、相棒竜のロレイも連れて
幻朧桜の下でも別の形でキャンプを楽しもうか

テント張ったりカレー食べたり
星空を見上げたりはしたからねぇ…
他にも満喫できそうなのは、と
小川のせせらぎに耳を傾けて
渓流釣りとやらも試しにやってみようかな
借りた釣竿にエサを付けて浮きを投げ込んで
すぐに釣れるようなものでも無いらしいから
のんびり渓流の流れを眺めて

様々な世界にも、豊かな自然は色々あって
同じ景色というのはひとつもないだろうけれど
それを穏やかなものだと感じる気持ちは皆
似ているんじゃないかなぁ、なんて



 何者にも、そして何事にも初心者期間というものは存在する。だが、キャンプに関して言えばレルヒェ・アルエット(告天子・f42081)はそれに当て嵌まらないだろう。以前キャンピーくんや旅の仲間と共に過ごした記憶は、レルヒェのキャンプ知識としてしっかり定着していた。……まあ、そんなに回数を重ねたわけではないのだけれど。
 ともあれ、再びキャンピーくんと邂逅を果たしたレルヒェは相棒の竜・ロレイを伴ってキャンプをすることになったのである。

「久しぶり~。今日はどんなキャンプする?」
「テント張ったりカレー食べたり、星空を見上げたりはしたからねぇ……」

 できれば前回とは異なるアクティビティを試してみたい気持ちがあった。カレー以外の料理を作ってみる、という選択肢も無くはないが、まだそこまで空腹感も無い。どちらかといえばゆっくり過ごしたいという自身の願望をなんとなく自覚した時、ロレイがレルヒェの袖をくいくいと軽く引っ張ってくるのに気づく。ロレイの視線の先にあるのは渓流だ。そういえば、ここでは釣りもできると聞いた覚えがある。

「渓流釣りとやらも試しにやってみようかな」
「いいよ~。はい、釣り竿はこれをどうぞ~」

 キャンピーくんは立派な釣り竿を一本取り出し、レルヒェへ手渡す。複雑な機構こそ無いがしっかりとした造りをしていて、初心者でも安心して扱えそうだ。レルヒェはロレイとキャンピーくんと共に少し上流の方へ移動すると、釣り針に餌を取り付ける。そのあたりの石の裏にいる虫を使っても良かったが、キャンピーくんが餌も用意してくれたのでそれを使わせてもらうことにした。川の中央へ放り投げるようにして釣り糸を垂らす。釣り針の上に取りつけられた浮きが水の流れに身を任せているのを遠目に眺めつつ、レルヒェはアウトドアチェアに腰掛けた。

「すぐに釣れるようなものでも無いらしいからね」

 釣り竿は手にしたまま、ぼんやりと川の流れを眺める。せせらぎと、遠くで小鳥が鳴き交わす声。聴覚情報はたったそれだけだ。心の澱を洗い流すようなその音は、それこそキャンプにでも来ないと耳にするのは難しい。周囲の木々や幻朧桜が伸ばした枝葉の隙間から、柔らかい陽光が差す。残暑が厳しい時季ではあるが、渓流の水と植物によってそれが大幅に和らげられているのが分かった。
 どれほどの時間を静かに過ごしていただろうか。ふいに、ロレイが釣り糸の先へ視線を向ける。レルヒェがそれに気付くのと、川の水に晒されていた浮きが沈むのはほぼ同時だった。

「あ、何か来た」
「本当だ。引いて引いて~」

 横で珈琲を淹れながら見守っていたキャンピーくんの指示に従って、釣り糸を引っ張るように竿を上げる。釣り針に引っ掛かっていた魚を陸にまで引き上げると、予め水を入れておいたポリバケツの中へと放した。

「この体の斑点は……ニジマスかな?」
「そうだよ~、この魚も塩焼きにしたらおいしいんだ~」

 ただ、今釣れた個体はどうやらまだ幼いらしい。一般的なニジマスと比べればやや体が小さく、これから成長の見込みがあるものだった。キャンピーくんの話を聞いて、レルヒェはそう悩みもせずニジマスを川へリリースすることにした。元々、食べるつもりはそこまで無かったのだ。まだまだ育つものなのであれば、自然の営みの中に帰してやった方がよほど自分達の為にもなるだろう。
 バケツの中の水ごと、ニジマスを川へ流す。水を得た魚、とはよく表現したものだ。此処こそが己の家であるとばかりに素早く身を翻すと、あっという間に川底の石に紛れて姿が見えなくなってしまった。
 再び、川のせせらぎで空間が満たされる。この大きな自然の中であの小さな命が息づいているのだと思うと、当たり前のことなのに感慨深くもあった。ゴッドゲームオンラインの世界にも似た環境はあれど、全く同じ景色は存在しない。けれど、その中にもあのニジマスのような小さな命がいくつも存在することをレルヒェは知っているし、その営みは等しく穏やかなものであると思えた。

(そう感じる気持ちは皆、似ているんじゃないかなぁ)

 今はもう何処へ行ってしまったのか分からないニジマスが元気に泳ぎ回る姿を思い浮かべながら、レルヒェは誰に言うでもなくそんなことを考えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年09月14日


挿絵イラスト