帝都櫻大戰⑯〜碎輝と共に骸を喰らい尽くせ
●サイバーザナドゥ:サイバースペース内
「私の放つ骸の海は無限に広がりゆく。それを阻む術は無い……」
暴走する幻朧桜と共に、突如サイバースペース内に出現したエンシェント・レヰス『神王サンサーラ』の行く手を、カクリヨファンタズムの竜神親分『碎輝』が遮っている。
(「あ〜、なるほど。だから山本親分は俺をここに……」)
目前の相手の特性を把握し、碎輝は槍を構え、じっと神王サンサーラを見据えながら、きっぱりと言い放つ。
「悪いが俺は、世界最弱の『お前を止められる男』なんだ。もとに戻れるか不安だが……だが、やるしかないな!!」
●竜神親分『碎輝』と共闘し、エンシェント・レヰス『神王サンサーラ』を撤退させよ!
「|櫻花幻朧界《サクラミラージュ》の大戰が、サイバーザナドゥに波及するとは思うておらなんだ」
グリモアベースの片隅に集まった猟兵達に、グリモア猟兵クウガ・フジバヤシ(レプリカントのサイバーニンジャ・f36777)が、聊か焦った様子で説明を始めていた。
「本依頼は緊急の案件になる。彼の世界にて善なる神だった筈の、エンシェント・レヰス『神王サンサーラ』がオブリビオンとして蘇り、無数の幻朧桜と共にサイバースペース内部に降臨した……との連絡が入った」
どうやら、サイバースペース内部に存在する遅効性の思考破壊プログラム『ヤマラージャ・アイビー』を起点とし、サンサーラが放った骸の海は、サイバーザナドゥのサイバースペース全域……ひいてはサイバーザナドゥの|現実《リアル》をも破壊しようとしているらしい。
「極めて強大なオブリビオンではあるが、そのあまりの強大さ故に、サンサーラは【完全に無傷の状態】でない限り|この世界《サイバーザナドゥ》への顕現を維持することができぬのだ」
つまり、広がり続ける骸の海を乗り越え、何とかして神王サンサーラに一撃でも与えられれば、彼を一時的に撤退させられるのだが、神王サンサーラは『骸の海を無限に広げる』という規格外かつ制御不能のユーベルコードを所持しているため、ただそこにいるだけでいずれ世界の悉くを破壊してしまうだろう。
「だが、『諸悪の根源』こと幻朧帝イティハーサに殺されかけていた、カクリヨファンタズムの東方親分『山本五郎左衛門』の救出が叶ったことで、アスリートアースのキャンプ・フォーミュラ『キャンピーくん』の助力を得られ、事と次第によっては唯一彼と対等に渡り合える者をサイバースペース内に送り込んでくれた」
その、神王サンサーラと対等に渡り合える者の名は――カクリヨファンタズムの竜神親分『碎輝』。
「彼の親分は、戦い始めこそ極めて弱いが、『無限に成長する』という特性を持っている。つまり、戦いが長引けば長引くほどに飛躍的に強くなっていき、やがて無限に広がる骸の海に対抗できる程に成長すれば、『神王サンサーラ』に手傷を追わせ、撤退に追い込めるだろう」
如何に弱い状態の碎輝を守り抜き、強力に成長するまで充分時間を稼ぐかが、戦闘の鍵となるはずだ。
「形はどうであれ、これはサクラミラージュだけでなく、サイバーザナドゥの危機だ」
だが、同時に危機を乗り切るための術も、既にキャンピーくんの手で送り込まれている。
「どうか皆には、竜神親分『碎輝』を守り抜き、勝機を引き寄せて欲しい」
何卒頼む、と深々と頭を下げながら。
クウガはグリモアを起動し、猟兵達をサイバースペース内に転送した。
北瀬沙希
北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
よろしくお願い致します。
サクラミラージュ戦争『帝都櫻大戰』第二戦線は、なんと、他世界に幻朧桜と共に出現したエンシェント・レヰスたちとのバトルになりました!
そこで皆様、至急サイバーザナドゥのサイバースペースに赴き、エンシェント・レヰスが一『神王サンサーラ』を撤退させてください!
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「帝都櫻大戰」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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状況は全てオープニングの通り。
今回は冒頭の追記はありません。
補足として。
本シナリオでは、戦場に転送された時点で既にサイバースペース内で活動できる状態であるとします。
よって、サイバースペース内で活動するための特別な準備は不要ですので、戦闘に全力を注いでください。
●本シナリオにおける「プレイングボーナス」
【弱い状態の碎輝を守って戦う】か【強力に成長した碎輝と協力して戦う】と、プレイングボーナスが付与されます。(どちらか1つでOKです)
●【重要】プレイングの採用について
受付期間は【オープニング公開直後~必要成功数到達次第締め切り】。
シナリオ成功の目途が立った時点でプレイングの受付を締め切り、サクッと執筆して完結させる予定です。
よって、全採用の補償は致しかねますので、予めご承知いただいた上で参加をお願いします。
その他、シナリオ運営上の諸連絡は、マスターページを参照いただけますと幸いです。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『神王サンサーラ』
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POW : サンサーラディーヴァ
自身の【眼前】を【広大無辺の仏国土】化して攻撃し、ダメージと【神王サンサーラへの到達不能】の状態異常を与える。
SPD : サンサーラノヴァ
【かざした両掌の間】から、詠唱時間に応じて範囲が拡大する、【五感封じ】の状態異常を与える【神王光】を放つ。
WIZ : 強制転生光
レベル秒間、毎秒1回づつ、着弾地点から半径1m以内の全てを消滅させる【サンサーラの光】を放つ。発動後は中止不能。
イラスト:ぽんち
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
龍神親分と共闘、これはもう|少年漫画の熱い展開《バトルマンガシチュ》をやるしかないでしょう。
まぁ、初期状態が龍神親分と同じになってしまうけど、そこは龍神親分の|少年漫画的主人公補正《幸運、限界突破、リミッター解除、振り絞り》でなんとか耐えましょ。|魂が肉体を凌駕《継戦能力、回復力、死者の一時的蘇生》して消滅攻撃を耐え凌ぐの少年漫画的には外せないお約束ね。
後はあれね、龍神親分をかばった後に|力を託して《魔力供給、エネルギー充填、魂の契約、禁呪》後は任せたわよとかするのも熱い展開よね。
ま、|儀式的な親分の成長のブーストね《多重詠唱結界術、武器に魔法を纏う》
●
「龍神親分と共闘、これはもう|少年漫画の熱い展開《バトルマンガシチュ》をやるしかないでしょう」
サイバースペースに潜入したアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)は、ユーベルコードを発動させつつ、竜神親分『碎輝』と並ぶ。
ユーベルコードの効果で、初期状態は碎輝と同程度にまで弱体化してしまうが、時間が経てば碎輝と共に成長するだろうし、飛翔能力も得られる分、回避しながら耐え続ける目はあるはずと踏んでいた。
「それがあなた方の戦い方ですか……ですが、何れ全て吞まれ行くだけです」
神王サンサーラは上空を指差し、アリスと碎輝目がけてサンサーラの光を降らせ始める。
着弾地点から半径1メートル以内の全てを消滅させる光は、1秒に1回のペースでアリスと碎輝の周囲に降り注ぎ始めた。
アリスも碎輝を庇いながら、彼の少年漫画的主人公補正でなんとか耐えようとするが、光は命中した対象だけでなくその周囲も消滅させるため、単に庇うだけでは守り切れない。
たとえアリスが幸運を味方につけたとしても、限界を超えて魔力を振り絞っても、魂が肉体を凌駕しようと、サンサーラの光に巻き込まれてしまえば、等しく消滅は避けられないのだ。
初撃は何とか避けたものの、サンサーラの光はその後も次々とふたり目がけて降り注ぐ。
常に消滅の危機に晒されているというプレッシャーは、自然とアリスと碎輝の動きを鈍らせていた。
やがて、次々降り注ぐ光に行く手を遮られ、碎輝の足が止まる。
その上空から、一筋の光が碎輝目指して真っ直ぐ降りて来た。
「避けられない!?」
光が碎輝を呑み込む直前、アリスは己が魔力を籠めた手で碎輝を突き飛ばしながら力を託す。
「アリス!?」
「後は任せたわよ」
光の範囲外に出され、力を受け取り成長した碎輝の目の前で、アリスは光に呑まれ消滅した。
ちなみにその後、少年漫画的に外せないお約束で蘇生したアリスは、グリモアベースに引き戻されたという。
成功
🔵🔵🔴
ヤーガリ・セサル
サイバースペースで時間稼ぎをすれば良い、と。ならば、あたしの出番です。幸い電脳魔術やハッキングは得意とするところ。一矢報いるまでの時間を稼いでやろうではありませんか。
神には神を、犠牲の神ターマイェン、御身の聖域、その威容をこの空間に!
サンサーラ、確かにあなたは強いでしょう。しかし、規格外の強さはこの聖域ではあなたの弱点となる。
ハッキングと電脳魔術で碎輝さんや他の猟兵さんをサポートしつつ、聖域の維持につとめましょう。
例え、電脳魔術で補強されまの紛い物の奇跡とそしられようとも。「私」の意志は砕けません。
現に、効いているんですからね!
●
サイバースペースに駆けつけたヤーガリ・セサル(鼠喰らい・f36474)が目にしたのは、少し成長した竜神親分『碎輝』の姿だった。
「サイバースペースで時間稼ぎをすれば良い、と」
「ああ、俺が成長し切るまで時間を稼いでくれると助かるぜ!」
「ならば、あたしの出番ですね」
ヤーガリは電脳魔術書『アンブリシアー』のページを繰り、最適な魔術を探し始める。
幸い、サイバースペースに干渉しやすい電脳魔術やハッキングは、ヤーガリが得意とするところだ。
やがて、ページを繰る手が、あるページで止まる。
「一矢報いるまでの時間を稼いでやろうではありませんか。――神には神を、犠牲の神ターマイェン、御身の聖域、その威容をこの空間に!」
今、この状況で最適な魔術を見つけたヤーガリは、聖なる言葉を紡ぎながら、今は遠き我が君に、虚数に呼びかけた。
――サアアッ……。
ヤーガリを中心に半径137mの空間が、みるみるうちに電脳魔術で具現化されたターマイェンの聖域に塗り替えられる。
「到底本物といえない祝福で、骸の海とこの光を止められますか……?」
神王サンサーラが聖域を一瞥し、ヤーガリと碎輝の頭上にサンサーラの光が降り注がせ始めた。
命中すれば、その周囲も含めて消滅する危険な光を見上げつつ、しかしヤーガリは毅然とした態度を保つ。
「サンサーラ、確かにあなたは強いでしょう。しかし、規格外の強さはこの聖域はあなたの弱点となる」
その言の葉の通り、サンサーラの光はターマイェンの聖域に触れると、目に見えて輝きが失せ始めた。
――ターマイェンの聖域は、弱きを守り強気を挫くための行動を強化し、弱気を挫くための行動を弱体化する。
そして、オブリビオン化した神王サンサーラの降ろす光は、明らかに「弱気を挫くための行動」だ。
「なっ……」
「例え、電脳魔術で補強され紛い物の奇跡とそしられようとも。『私』の意志は砕けません」
神王サンサーラが言葉を詰まらせるのを前に、現に、効いているんですからね! と毅然と言い放ちながら、ヤーガリはハッキングと電脳魔術で碎輝を支援し、聖域を維持し続ける。
「純粋な神の祝福とは言えぬ奇跡で、これを防ぐのですか……」
今、この場では本物の奇跡を見せつけられながら、神王サンサーラはさらに碎輝が成長するのを見守るしかできなかった。
大成功
🔵🔵🔵
フィーナ・シェフィールド
アドリブ連携歓迎
神王サンサーラ。オブリビオンも摂理の一つとみなすのは、優しいから?
少なくとも、世界を壊すなんて望んでいないはず。
絶対わたしたちで阻止してみせます!
碎輝さんはわたしが全力でお守りします!
シュッツエンゲルにモーントシャインを纏わせて強化、強制転生光に備えて1m間隔で幾層にも重ねて展開します。
攻撃で消滅したエンゲルの位置には次のエンゲルを配置、連続攻撃を凌いでいきます。
「この想いは止まらない、止められない、止めさせない!」
【STAR☆T.O.P of LOVE】を発動。「この戦い、負けられない!」と言う祈りを込めて歌います。
碎輝さんがフルパワーで戦えるよう、全力で応援歌を歌いますね!
●
――幻朧桜とヤマラージャ・アイビーを媒体に、世界の理を超え骸の海を広げんとする『神王サンサーラ』
――それに相対すべく、無限に己を成長させる竜神親分『碎輝』。
サイバースペース内で繰り広げられる両者の戦いに、フィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)が碎輝に加勢すべく駆けつける。
その目前には、神王サンサーラがどこか憂いを帯びた表情を浮かべながら、成長を重ねる碎輝を倒す隙を伺っていた。
(「神王サンサーラ。オブリビオンも節理の一つとみなすのは、優しいから?」)
――少なくとも、世界を壊すなんて望んでいないはず。
フィーナにはそう思えてならないが、一方で神王サンサーラは既にオブリビオン化している。
おそらく、望まずとも世界を壊してしまうのも……また事実だろう。
「絶対わたしたちで阻止してみせます!」
「おう! 成長し切るまでにはまだ時間がかかりそうだが……道は見えてきた!」
「それなら、碎輝さんはわたしが全力でお守りします!」
碎輝の言葉に深く頷きながら、フィーナは数十枚のシュッツエンゲルに月光のオーラ『モートンシャイン』を纏わせ強化し、空中に投擲する。
モートンシャインの光に反応し、シュッツエンゲルの周囲にバリアが展開されるのと同時に、頭上高くからサンサーラの光が降り注ぎ始めた。
「フィーナ!」
「大丈夫です!!」
ふたりの頭上から降り注ぐ、消滅を招く光を、バリアを纏ったシュッツエンゲルが受け止める。
その一撃をまともに受けたシュッツエンゲルは即座に消滅するが、フィーナはすかさず次のシュッツエンゲルを配置し、連続攻撃を防ぐ体制を構築。
(「これでしばらくは光の影響を受けないはずです。今のうちに!!」)
「この想いは止まらない、止められない、止めさせない!」
――~♪ ~♪
シュッツエンゲルの再配置を繰り返しながら、フィーナは碎輝がフルパワーで戦えるよう、全力で応援歌【STAR☆T.OP of LOVE!】を歌う。
負けられないというプレッシャーにも負けず、祈りを籠めた力強い歌声は、碎輝の心を、魂をも大きく揺さぶり、力を与えた。
「この戦い、サイバーザナドゥの人々のためにも負けられません!!」
「おうよ!! 絶対負けられないぜ!」
成長を重ねる碎輝を守り、さらなる力を与えるべく、フィーナは応援歌で鼓舞しながらシュッツエンゲルを展開し続ける。
自在に宙を舞う美しきプレートは、空中から碎輝に破滅を与える光を悉く防ぎ、成長するには十二分な時間を稼ぎ続けた。
大成功
🔵🔵🔵
亞東・霧亥
碎輝と聞いちゃ黙っていられない。今回は守りに徹するぜ。
って、おいコラ、俺を見て青ざめるな。
全部終わって小学生になっても何もしねぇよ。
周辺の状況を把握するために宙界の瞳を空中で待機させ、視界を共有。
どこもかしこも骸の海だろうが、何かしらの変化を捉えるためにも情報収集は欠かさない。
何か碎輝に伝える事があるなら今だが・・・俺の背中は任せたぞ!
【UC】
決して割り切れない円周率を詠唱とし、削れた端から復元していく最強の矛盾バリア。
欠点は円周率を解く事に集中するため、意思の疎通が出来ないこと。
押し寄せる骸の津波を前に、一歩も引くこと無く、俺は碎輝を守り徹してみせる!
●
――碎輝と聞いちゃ、黙っていられない。
その一心で、亞東・霧亥(峻刻・f05789)もまた、サイバースペースに駆けつけた。
「げぇっ、霧亥!?」
一方、霧亥の顔を見た竜神親分『碎輝』は、明らかに顔を青ざめさせ、腰を引いている。
おそらく、かつて霧亥と体験したあんなことやそんなこと(?)を思い出したのだろうか。
「って、おいコラ、俺を見て青ざめるな」
「そう言われてもよぉ……」
「全部終わって小学生になっても何もしねぇよ」
「本当にだな!? ……まあ、今回は戻れる保証もないけどな!」
その一言に、霧亥の耳がぴくっと反応した。
(「碎輝が小学生に戻れなければ、あのショタ好きグリモア猟兵が悲しむぞ……」)
とはいえ、今は戻れなかったときのことを考える余裕はないだろう。
神王サンサーラに一撃を入れ、サイバーザナドゥの未来を繋げるためには、碎輝にさらなる成長を促すしかないのだから。
霧亥は意識を切り替え、赤黄緑青紫白黒の7機1セットの宙界の瞳を空中に浮かべて視界を共有する。
瞳で確認する限り、サイバースペースはどこもかしこも骸の海の侵食を受けているようだ。
(「何らかの変化を捉えるためにも、情報収集は欠かさない」)
やがて、瞳のひとつが、ゆっくりと手を上げる神王サンサーラの姿を捉えた。
おそらく、あの手が上がり切った時、サンサーラの光が降り注ぎ始める。
碎輝に伝える事があるなら、今しか口にできない。
「――俺の背中は任せたぞ!」
「おう!!」
今伝えるべき、たった一つの願いを伝えながら、霧亥は碎輝に背を向け、円周率を唱え始める。
『3.14159265359……』
円周率が骸の海だらけの空間に流れ始めると、円錐形のバリアがふたりの正面に展開され始める。
それは、無限に威力が上昇する矛と、無限に防御力が上昇する盾。
「そのバリアであっても――この奔流は止められません」
神王サンサーラはゆっくりと天を指差し、ふたりに向けてサンサーラの光を防ぎ始める。
地表からは骸の海の津波が押し寄せ、天からはサンサーラの光が降り注ぐが、文字通り矛盾する両方の属性を持つバリアはその両方を矛の属性で二分し、盾の属性で弾き飛ばした。
消滅をも招く光を完全に防がれ、神王サンサーラの瞳が大きく見開かれるが、霧亥に気に掛ける余裕はない。
(「一歩も引くつもりはない。俺は碎輝を守り徹してみせる!」)
『……793238462643……』
確固たる意思を胸に秘めながら、霧亥は円周率をひたすら解き続け、二重のバリアの威力を上げてゆく。
円周率を解くことに集中している間は、碎輝との意思疎通はできない。
だが、霧亥の背中から伝わってくる気迫と力は――急激に、急激に高まり続けていた。
やがて、霧亥が待っていた碎輝の声が、耳に届く。
「よし! ここまで成長すれば届きそうだ!! みんな、ありがとよ!!」
後は碎輝を援護し、神王に一撃を加え――撤退に追い込むのみ!
大成功
🔵🔵🔵
空桐・清導
POW
目が合った瞬間、互いに不敵に笑って拳を合わせる
無二の戦友が出来たと
「護るのは大得意だけど、そろそろ攻勢に出たいな。
十分強くなったか?碎輝!」
世界の流出という馬鹿げた攻撃から碎輝を護りきり、
笑いかけながら碎輝に問いかける
「さて、そんじゃあ。
お前が元に戻れなくなる前にケリをつけるか!
超協力必殺技だ!息合わせろよ!」
碎輝の成長と同じように清導も無限を有している
UCによる無限強化と無限の[限界突破]
碎輝が戻れなくなる前になんとかなる…はず
到達不能の状態異常を[気合い]と[根性]で突破
光焔と雷は一つとなり、サンサーラへ向かう!
「超必殺!ライトニング・ブレイズ・ランサー!」
槍と蹴りの一撃で撃破する!
●
「よっ、碎輝!」
最後に駆けつけた空桐・清導(ブレイザイン・f28542)は、竜神親分『碎輝』と目が合った瞬間、互いに不敵に笑って拳を合わせる。
合わせた拳を通して伝わってくるのは、十二分に成長し切った力。
「護るのは大得意だけど、そろそろ攻勢に出たいな。十分強くなったか? 碎輝!」
「ああ、皆に守って貰えて、力も託されて、もう十分成長したぜ!!」
清導が笑いかけながら碎輝に問いかければ、返って来たのは頼もしい返事。
現状は、他世界の流出という馬鹿げた攻撃を受けている状態だが、皆が碎輝を護り、成長を促してくれたおかげで、ここまで道がつながった。
ならば、後は……一撃与えて撤退に追い込むのみ!!
「さて、そんじゃあ。お前が元に戻れなくなる前にケリをつけるか!」
「ああ、終わらせようぜ!!」
「超協力必殺技だ! 息合わせろよ!」
「おうよ!!」
全身に黄金のオーラを纏いながら飛翔しようとする清導の眼前に、神王の御許へ到達不能にする広大無辺の仏国土が広がり始める。
碎輝の成長と同じように、清導もまた、無限を有している。
お互いの無限を合わせれば、碎輝が戻れなくなる前になんとかなる……そう清導は踏んでいたが。
「ちょっとその前に……でえええええい!!」
清導の目前で、碎輝が槍を大きく振るい、空間を薙ぐ。
十二分に成長した碎輝の槍は、広がる仏国土を骸の海ごと真っ二つに割っていた。
「清導! 道は開いたぜ!! ついてこい!!」
「……え?」
あっさりと道を拓いた碎輝の力に、清導も目を瞬かせて驚くが、直ぐ気を取り直す。
本当は気合と根性で到達不能地域を無理やり突破するつもりだったが、楽々と道を拓けるほどにまで成長しているなら――。
「――いける!!」
「ああ、いくぜ!!」
ふたりは同時に足を踏み出し、光焔と雷と化したかのように突撃する。
その目前では、神王サンサーラが地形を分かたれたことに驚愕していた。
「私の力が、骸の海が……破られた!?」
神王サンサーラが驚いている間に、清導と碎輝は、光焔と雷は一つとなり、真っ直ぐ神王に迫る。
そして、神王を間合いに捕らえたところで……どちらからともなく叫んでいた。
「超必殺! ライトニング・ブレイズ・ランサー!」
「いっけぇ!! 超電竜撃滅衝!!」
――ガスッ!!
――バリバリバリ!!
音速を超える速度が乗った清導の蹴りと、強力な雷撃を纏った碎輝の槍の一撃が同時に放たれる。
光焔と雷がひとつになったかのように同時に繰り出された最高の二撃は、とうとう神王サンサーラの胴を捉えた。
(「でも、手ごたえが……浅い!?」)
余りの手応えのなさに焦る清導の前で、しかし神王サンサーラは傷を押さえ、呻き始めていた。
「ぐっ……! これでは、この世界に顕現し続けられない……」
――ほんの僅かな傷であっても、【完全に無傷の状態】は打ち砕けたことに変わりはない。
ゆえに、この世界に顕現し続けられなくなった神王サンサーラの身体と骸の海は、急激に薄れ始め――。
――さほど間を置かずに、サイバースペースから神王と骸の海は消滅していた。
大成功
🔵🔵🔵