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帝都櫻大戰②〜Present For……

#サクラミラージュ #帝都櫻大戰 #第一戦線

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 帝都随一の繁華街「浅草六区」。
 寄席や劇場、高級料亭やミルクホール等、庶民が喜ぶ娯楽の殿堂が集うこの地区、一件華やかな町並みの裏手には、遊郭・賭場・闘場といった後ろ暗い店の立ち並ぶ「番外地」が潜んでおりました。
 光の裏に闇とは、よく言ったものです。
 まさに、この界隈はそうした表裏一体の作りをしており、互いを支えあうことで成立しているといっても過言ではありません。
 帝都の仄暗い欲を満たしていたこの地区、その溜め込んだ莫大な情念によるものか、影朧の大発生地に変化しようとしています!
 わかりやすく、人の情とは偏りがあれば環境を乱すもの……。
 そして、影朧はそうした乱れこそが好物。
 光と闇で支えあってきたバランスが崩れ始めようとしているとの調査報告があり、周囲は警戒態勢に入っております。

 ユミナス・チャイブ(マジカル☆強化ナイト!・f22254)の報告はいつも手短ではあるが、それ故に具体性に優れている。
 ここで、商工会から最新の情報が届いたようだ。
「特に影色の濃い『番外地』の施設の一つが、発生した影朧達に乗っ取られてしまったようなのです……!」

 生前の未練の影響によるところが大きいのでしょう、影朧達は狡猾にもまるで従業員のように偽り振る舞うことで施設に客を招き寄せ、さらなる影朧の大発生を招こうとしています。
 このまま闇色が濃くなっていけば、光が掻き消されてしまう懸念も……これは大変危険な状況と言えます。

 そこで、影朧達すら上回る「圧倒的な情念」をもってこの番外地を楽しみ尽くし、影朧達を浄化してほしいとの要請がありました。
 猟兵の皆様に於きましては、番外地にて思い人への手土産……或いは、日頃の活躍に対する自分へのご褒美の品などを吟味していただき、地に滞在しつつ周辺警備を兼ね、環境保全にご協力を願えればという案が出されておりまして、ここはひとつ商売の香りに……いえ、商工会のお願いに乗っていただければと思いまして、こうして目玉商品等の告知をさせていただく次第なのです。

 商工会の作成した、レトロ感メインの中にもどこかトラディショナルを感じるチラシにはこう記されていました。
『昨今、サクラミラージュでは大切なひとへ【赤色の贈り物】をするのが流行しているそうです。さっそく街に出掛けて、貴方も素敵な贈り物を見つけてみましょう。』
 何かの意味が込められているのかどうか、わかりませんが……トレンドに乗るも良し、己の好みのままに選ぶも良しでございます。
(場合によりとっておきの掘り出し物に当たる可能性もございますよ。)

 現状番外地の土産出店の界隈は、ぎりぎりのところで拮抗している状態にあり、今回調査いただく範囲では戦闘の危険はないとのことでご安心くださいませ。
 どうぞ「ごゆっくりと」思いを込めたお品の目利きをお楽しみいただければと思います、宜しくお願い致します。


ロミナ毅流
 猟兵の皆様、お疲れ様です! ロミナ毅流です。
 サクラミラージュの戦争が始まりました! が、こちらは特別な日常フレームとなっております。
 メインは「贈り物を吟味している間の界隈警備」「大切な贈り物を選ぶことによる環境保全」の二柱となっています。
 より相手を思い、感情を込めて品を吟味する姿勢こそが効果的とのこと……プレイングでもそうした情感溢れる描写があればあるほど影朧には効果的とのことです。

 プレイングボーナスとしては【とにかく楽しむ/楽しむふりはするが一線は越えない】が指定されていますので、是非狙って描写してみてくださいませ。
 お二人での参加で互いに選びあうもよし、お一人の参加で周囲の警戒をメインにされるのもよしです。

 基本は店主との掛け合い、独り言といった結果に落ち着くものと思われますので、心の機微を表現したいプレイヤーさんにおすすめです。
 戦闘の気配こそすれ、こうした血気盛んではないお仕事も猟兵さんには必要とのことですので、是非とも挑戦お待ちしております!
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第1章 日常 『くれなゐ浪漫』

POW   :    ひと目で気に入る贈り物を見つける

SPD   :    相手の好きそうな贈り物を見つける

WIZ   :    不思議と心惹かれる贈り物を見つける

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

栗花落・澪
赤…

赤色で思い出すのは、大切な彼
何か買ってみようかな

途中で邪魔が入っても嫌だから一応指定UC発動
分身達を四方に散らばらせ
異常があればすぐ報告するよう警戒させておきます

めぼしいお店で店主に声掛け

男性用のお土産を探してるんです
身長190近くてガタイの良い格闘家…
というか格闘技を理解してるタイプの不良というか…
だから動きの邪魔にならないような
例えばシンプルなネックレスやピアスとか
もしくはリストバンドやアンクルバンドみたいなフィットするものとか
そういうの…何か売ってたりしますか?

本当はお守りみたいなものと悩んだけど
元々銀のアクセサリーとか好きで色々付けてる人だから
その中の一つに混ぜてもらえたらと思って



赤…
赤色で思い出すのは、大切な彼
何か買ってみようかな

 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は考え事をしながら、ふと番外地へと迷い込んでいたのに気付いた。
 少し薄暗いながらもさまざまな店が並び、これまた様々な品を店頭に飾ってアピールしている様子は、とても裏路地の光景とは思えぬほどに活気を感じる。
 先程路地の入口でもらったチラシを見ながら、ずっと考えているのは……大切な思い人。
 大きな体躯、少し乱暴ながらふと覗かせる優しさ、自分にはないものを持っていることを、少し羨ましくも思う。
 いつもお世話になっている彼には、何か素敵なものを持っていて欲しいという気もあり、番外地の品を吟味することにした。
 ……薄暗さに対する警戒も怠ってはいない。
 自らの分身を飛ばす技を使ってみたものの、ひとまずは問題がなさそうだという手応えは感じたので、そのまま足を止めずに店頭に飾られた様々な品を見ては、彼を思う。
 仄暗い路地にありながらも、思いを馳せていると、どんな品物も煌びやかに見えてくるから不思議だ。
 中でも、装飾品に特化した店が特に気になり、足を止める。
 お守り、数珠、お札、やや凝った実用性のありそうな品から、カジュアルなものまでさまざまな品が並んでおり、これならと澪は心に留めて一通りの商品を眺めてみた。
『昨今、サクラミラージュでは大切なひとへ【赤色の贈り物】をするのが流行しているそうです。さっそく街に出掛けて、貴方も素敵な贈り物を見つけてみましょう。』
 赤色。サクラミラージュでは特別にこの色を「くれなゐ」と呼ぶのだという。
 危険を示したり、少し禍々しい印象のある色でもあるが、「くれなゐ」という響きはなんだか穏やかで、素敵にも思えてきた。

「男性用のお土産を探してるんです
身長190近くてガタイの良い格闘家…
というか格闘技を理解してるタイプの不良というか…
だから動きの邪魔にならないような
例えばシンプルなネックレスやピアスとか
もしくはリストバンドやアンクルバンドみたいなフィットするものとか
そういうの…何か売ってたりしますか?」

 一人で選ぶには少し難しい気もして、勇気を出して店主に声を掛け相談に乗ってもらうことにした。
 気の良さそうな風貌の店主は、はいはいと奥からやってきて、澪の要望に応えられる品をあれやこれやと紹介してくれる。
「そうねえ、身に付けるものであればこちらの、水晶と柘榴石で出来た鉱石の飾りや、こっちの銀細工と一緒に炎色の瑪瑙を埋め込んだ輪飾りなんかがちょうどいいかしら」
 どちらも鉱石を使った、所謂パワーストーンの装飾品だ。派手過ぎず、実用性もありそうで、且つ男性が身に付けても華美ではないところが素敵だと思われた。どちらも彼が大事にしてくれるのであれば、それはとても嬉しい……澪はきちんと身に付けたときの印象も考えて、お勧めのどちらかを選ぶのがよいかなと思案した。
 どちらも値段は手頃且つ、同じだ。
 お財布的にも問題はない。
 ただ、それだけに逡巡して迷ってしまう。選ぶものの好みと、当人の好みはまた別物であることも、良く知っているので。
 「柘榴石の宝石言葉は貞操・真実・友愛、そしてこっちの炎色の瑪瑙は共生・調和・勇気・健康といったところかしらね。どちらもお守りにはとても人気の高いものなのよ」
 澪はそれらの言葉にときめきを感じた。
 石言葉……素敵な意味を持つアイテムを、自分の思いと共に大切にしてもらえたら、これほど嬉しいことはない。
 困ったことに、それを聞いたらますますどちらを選んだらいいのか迷ってしまう。
 ごちらも彼に相応しいと思えたし、自分の思いを込めるにも適していると感じるからだ。

 迷った末に、澪は思い切って店主に告げた。
「ありがとうございます、では二つください!」

 小さな包みを二つ手にして、澪はたいそう上機嫌で番外地を後にする。
 彼が選んでくれた方を渡して、もう片方は自分で身に付けようと思ったのだ。
 どちらにしても、最終的な好みは優先したい。
 その上で、どちらも二人で大事に出来るなら……きっと素敵な思い出の品になる。

 仄暗い番外地で点滅してくすぶっていた街頭が一つ、ぽつりと正しく灯る。
 澪の心が街の影を一つ消すように、明るく輝いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シウム・ジョイグルミット
[POW]
ボクも、赤色の贈り物をする流行に乗ってみよー
どんなのが並んでるのか楽しみ〜(恋人へのお土産を求めて、ふわっと店巡り)

……わぁ! なんだか可愛いもの発見!(赤べこらしき置物に近づいて)
これがどういうものなのか、店主さんに聞いてみようかな
頭を触ると首が動く? ……ほんとだっ、面白い!(目を輝かせて)
へぇ、病気を払ってくれる縁起物でもあるんだー
いつも健康なら、2人で遊んだり出かけたり、楽しめる機会を失わないしね
元気でいてほしいし、これからもずっと一緒にいたいから、理想かも!
え、魔除けにもなる……知らないお姉さんの誘惑からも守ってくれそうだね(笑って)

うん、決めた!
これ1つ、くーださいなー♪



「ボクも、赤色の贈り物をする流行に乗ってみよー
どんなのが並んでるのか楽しみ〜(恋人へのお土産を求めて、ふわっと店巡り)」

 シウム・ジョイグルミット(風の吹くまま気の向くまま・f20781)は、好奇心一杯のままに番外地へとやってきた。
 入口で配布されていた売り出しちらしがとても素敵に思えたからだ。
『昨今、サクラミラージュでは大切なひとへ【赤色の贈り物】をするのが流行しているそうです。さっそく街に出掛けて、貴方も素敵な贈り物を見つけてみましょう。』
 サクラミラージュに馴染みのないものには特にこの「赤色=くれなゐ」の文面が一層素敵に見える。
 表通りから少し脇道に入ったところとはいえ、それはそれで活気は失われておらず、ほんの少しの仄暗さが却って雰囲気づくりに貢献しているようにも思えて、シウムの心は純粋に高鳴っていた。
 ここではどんな素敵に出会えるのかな? 楽しいものが見つかるかな? 足取りも軽やかに、信条である「風の吹くまま気の向くまま」に足を進めていく。

 番外地には小さな土産物屋が並んでおり、表通りにあったような食べ歩きに適した美味しそうな香りはしなかったけれど、それ故にどんなものが並んでいるのか読めずにわくわくしながら歩みを進める。
 そんなシウムがぱちりと目を留めたのは、民芸品の店だった。
「……わぁ! なんだか可愛いもの発見!」
 赤色の動物を模した置物に近づいて、じーっと見つめたのち、見本品を手に取ってみる。
 見た目はどっしりした感があるのに、手にしてみたら思いのほか軽く、そのギャップに驚いた。
(これがどういうものなのか、店主さんに聞いてみようかな)
 考えているうちに、こちらの気配や様子を察したのか、奥から店主がやってきて「へぇへぇ、いらっしゃいませ」と首を垂れた。
 手に持っている動物も、気がつけば首の部分が稼働している。
「そいつは、赤べこっていう飾り物ですわ」
 知らない単語が出てきて、シウムはまた一つとくりとときめきを感じた。
 確かに見た目はとても赤いが、「べこ」って何だろう?と思っているところに、こちらの思いを感じ取ったのか、店主が丁寧な説明をしてくれた。
「べこ、っていうのは方言で牛を表す言葉ですわ。ここからとんと遠い地方では、牛をべことよんでます。このべこの可愛いところは、そこの首が揺れるところですわ」
 頭を触ると首が動く? ……ほんとだっ、面白い! シウムの目が輝きに満ちていく。
「こん、べこの体色の赤は魔除け、斑点(はんてん)は痘(とう)を表し、疫病除けのお守りとして飾られてましてん。子供の誕生祝いにも活躍する張り子の置物でして」
 張り子、とは紙を貼り合わせて作る型のことである、という説明も添えてもらった。
 なるほど、だから見た目に反してとても軽いのか。
 とても綺麗に塗られた赤がひときわ目に留まる上に、動くし、可愛い。
 おまけに病気を払ってくれる縁起物でもあるという。
 こんなにお得な【赤色のもの】に出会えるなんて、とてもラッキーなのではないだろうか?

(いつも健康なら、2人で遊んだり出かけたり、楽しめる機会を失わないしね
元気でいてほしいし、これからもずっと一緒にいたいから、理想かも!
魔除けにもなる……知らないお姉さんの誘惑からも守ってくれそうだね)

 手の上で首を振らせて遊びながら、シウムはすっかり赤べこが気に入ってしまっていた。
 自分のことは勿論、お世話になっている『親愛なるあの人』のことを思い愛でていると、不思議と愛着が湧いてくるのを感じる。
 見本の品も勿論だが、並んでいる赤べこはひとつひとつが手作りで、微妙に表情が異なっているのも面白いと思った。

 じーっと何体かの赤べこを見つめ……シウムは思い切って店主に申し出る。
「うん、決めた! これ1つ、くーださいなー♪」
 お顔の一層可愛い赤べこを選んで、お買い上げだ。

(ボクのことを思い出しながら、可愛がってくれるといいな)
 可愛い色の箱に収められた赤べこを手に、シウムはるんるん気分で番外地を後にする。
 ちらついていた街頭が一つ、本来の輝きを思い出したかのように点滅を止め、綺麗に且つ静かに灯りなおしたのにも気が付かないほど、楽しい気持ちであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年09月05日


挿絵イラスト